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今まで頂いた書き込みなどは、基本的に来てくださった方々のブログの掲示板などに返事をしていました。が、はたと気付いてみると、他のところでは、自分の掲示板に返事を書いていることに今更気付いたり……そうか、掲示板とかの『返事を書く』っていうのがあったんだぁ、と感心したり…本当に今更のことに気づき、撃沈しました。一月の更新は、かなりのんびりしたものになると思います。………今までとあまり変わらないかもしれませんが(苦笑)大学でテストがあり、いっぱいいっぱいなのです。ですが……逃避行動を起こし、アップしているかもしれません。取りあえず、二月はかなり頑張るつもりではいます。……遅いですがあけましておめでとうございます今年もよろしくお願いします。
2006年01月11日
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だが公にはあまりなっていないが、まったく諸外国との繋がりを断っているわけではない。ただ一つだけ頑なに閉ざした鉄壁の扉に小さな綻びがあった。長きに渡り他国を遮ってきた透明な壁は、海風と波に晒され続けた結果、隅の方に小さな穴を開けることに成功したのだ。「皓国の門扉を開く呪文はない。だが、呪文の代わりに土産を沢山持っていきな。そして萱〈カン〉と言う奴らに貢げばいい」 諸外国の港近くの船乗りの集う酒場で、皮肉混じりの声でそう囁かれていた。彼らが囁く会話に登場する『萱』家と言う名を持つ、貴族がいた。彼らが一切の諸外国との貿易を司っているのであった。 皓国には、港は一カ所しかない。漁をする者達も、もちろん皓国にはいる。だが大型船を収容できる、『港』と称されるような設備が整った場所は一つしかないのだ。城壁のような立派な壁が築かれ、立ち入りが制限されており、その内部を独占している萱家を皮肉り、萱港〈カンコウ〉と呼ばれていた。 壁に覆われた萱港の中は、萱家に名を連ねる、もしくは彼らの目に適った者しか入ることが許されなかった。厚く高い壁は、侵入者を退けると共に、貿易に来た者達が皓国に立ち入らせないことに大きく貢献するのであった。 不思議なことに、諸外国の思惑と無関係な独立商人達は皓国に辿り着くことができた。それを聞いたある国の王は、その無事に帰り着いた商人達を呼び寄せ、どういう手段を使ったのかと問いつめた。その問いに困惑気に彼らは答えた。「何故、と言われましても……皓国を目指して、ただ船を走らせただけでどざいます」 幾人もの商人に尋ねたが、異口同音だった。神の天罰に似た攻撃を受けることも、自然の猛威に邪魔をされることもなかった。まるで、神の意思に適った、と言わんばかりに。そして何より王を驚かされたのは、神の意思に導かれたと言わんばかりに、商人達が萱港に辿り着くことであった。商人達がいくら、萱港以外を目指そうとしても、強風に帆船が押され、嵐に襲われ、と舵がずれていった結果、いつのまにか萱港に辿り着く、と言う。しかも萱港を直接目指せば穏やかな航海が送れると言う。「こんな莫迦な、巫山戯た話があるかっ」 王が驚きの靄から出ると同時に、怒鳴ったのは当然であった。 このように徹底して他国を謝絶する皓国では異人-つまり鮮やかな彩りの髪や瞳を持つ者-は胡家か守人だ、と言われている。 胡家の祖先は、唯一、例外として皓国に受け入れられた外来の血を持った一族であった。皓国から遠く離れた北西の大地から海を渡ってきたと言われている。黒か褐色の髪に、黒かそれに似た暗色の瞳を有している皓国人の彼らとはまったく違う外見を持った彼らは、皓国が大陸を統一した数百年後に移住してきた。当時すでに鎖国体制が執られていたことでさえ異例だったが、貴族に名を連ねることを許され、大きな騒ぎとなった。 胡家の歴史は、白眼視が実体化した、差別と言う見えぬ敵との戦いの歴史だった。顕著な例となるのは家系図だ。胡家の家系図を開いて見ればほぼ生粋の皓国人ではなく、異国の血の流れを汲む者が新たな胡家の者として迎えられていた。これは胡家に非があったわけではない。いくら胡家の者が皓国に馴染むため生粋の皓国人の血を持つ者を迎え入れようとしても、開かれた扉に踏み込んでくるものはいなかったのだ。こうして彼らは血を絶やさぬ為、限られた狭い範囲、同胞で婚儀を繰り返した。いつの間にか様々な髪の色の人がいる-何故か金と銀は偶然なのか、彼らの中にいなかった-胡家の中でも、赤毛を持つ者が指揮を取るようになり、彼らが胡家を名乗るようになった。元々『胡』と言う名称は、移民である者達の総称であり、彼らの首領である赤毛の家系が『胡』を名字に名乗るようになったに過ぎなかった。こうして指導者である胡家の者は、貴族となり、頂いた土地を開拓し、街を形成していった。胡家の膝元の街は、活気溢れる、様々な人々-生粋の皓国人や、胡家の遠戚である異人の血の者や、異人の血と皓国人の血が交じった者など-が入り交じる皓国であって、皓国ではないような土地に発展していった。発展した、と言ってもそれはここ百数十年のことで、それまでは細々と閉鎖された暮らしをしていた。「萱家と仲良くできないか?」 現当主から七代前の当主はそう言い、回りを驚かせた。驚きに慌てふためく者を後目に、本当によしみを結び、異国からの交易品を取り引きする契約すら交わしたのだ。しかも当主が単身で萱家に乗り込だ、と言う事実に、本来有能な家臣達は愕然とした。だが、彼らは責めれず、むしろ同情を買った。「思い立ったら吉日と言うだろう?」 何故、供を連れずに、と半ば怒鳴るように、半ば泣きつかれるように言われた当主はそう答えたのだ。だれに彼らを責められるだろう。むしろ常識から一歩も二歩のはずれた道を悠々と歩く主に必死に着いていかなければならない彼らは、皆に肩を叩かれ、激励の言葉を貰い、床に撃沈したと言う。 そうして異国との交易の品が平然と売り買いできる街として発展していったのであった。未だ嫌悪したり蔑んだりする者もかなりいるが、歴代の胡家の当主の努力で胡家の収める街に近い土地にはかなり馴染んでいっていた。胡家の膝元の街で今では胡家と同じ-異国の-血を持つ者と生粋の皓国人との婚儀も行われるようになったほどであった。 過酷な環境に負けず、先祖代々、胡家は逞しく背筋を伸ばし生きてきた。その中でも、現在胡家の当主を継いだ胡麗蘭は女傑と呼ぶに相応しい女性であった。「異人だから、と始めから距離を置き、壁を作り、無視してくる相手にする必要はないわ。そのような狭量な人間、こちらから無視してやりなさい。蔑む輩は、視界に入れる必要すらなくってよ。異人だからと、己より劣っていると勘違いしている阿呆の言葉など、耳に入れる価値もないわ。ましてそれを免罪符として、他人を傷つけることに、良心になんの呵責も感じない厚顔無恥な連中や、傷つけることにすら気付ていない低脳など、存在を認識することすら莫迦らしいことじゃなくて?」 目に見えぬ刃に傷つけられ泣いていた妹達に対し、艶やかな大輪の華の笑顔で宣った言葉だ。稟とし、だが艶の滲む声が紡いだ、この色々と問題のある言葉は見事に妹達の涙を止めることに成功した。ついでとばかりに、脳や舌、身体を硬直させたが。「貴女が傷つく必要が、どこにあるの?阿呆達が傷つけているのは、貴女じゃないのに」 妹達が傷ついた、阿呆と称された輩の口から出る、言葉という暴力を、いとも簡単に麗蘭は鼻であしらう。「阿呆達は、貴女たちのことを知らないわ。知っているわけがない。知ろうともしないのだから。阿呆達が傷つけているのは、自分勝手に作り上げた虚像に過ぎないでしょう?自らより劣っている、と言う思い込みの産物。妄想に過ぎないわ。ね?傷つくことじゃないでしょう?」 妹達は、唖然として姉の話を聞くだけであった。悪戯っぽい笑みを残し仕事に戻るため立ち去った姉を見送っても、しばらく違いの顔を見合わせるしかなかった。「何だか、泣いていたのが莫迦らしくなったわ、あの時は」「物は考えようなのね、と思っちゃったわ」 後に妹達は、一人の少女に懐かしさに目を細めながら当時を振り返り、語った。同じような目に見えぬ刃に切り裂かれ続けてきた少女の救いになれば、と思い。 感慨深く語られた彼女達の言葉を受け止めたのは、月のない夜空の名を持つ少女であった。
2006年01月07日
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