武蔵野航海記

武蔵野航海記

2008年03月07日
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知覚から得る外界からの情報によって我々の知識はできるとしているのですが、この知覚はどうして存在するのかという問題を避けて通っています。

ロックだけでなく経験論全般が、「私とは何だろう。世界とはなんだろう」という大問題に触れていません。

こういう大問題を考えると、伝統的な哲学や宗教に戻ることになります。

永遠の動かないものがないと不安を感じるなら一神教かプラトン哲学になりますし、永遠不変の「実在」を否定すれば実存主義か仏教になります。

やはりジョン・ロックは哲学者というよりは政治思想家なのでしょう。

ジョン・ロックは名誉革命にその理論的根拠を提供した思想家ですが、彼の政治思想の多くはキリスト教から来ています。

キリスト教では伝統的に国王の権力を制限しようとしていました。

中世のローマ法王は王権神授説を唱えていました。

神がある男を国王に任命したわけだから、その男が神の教えを守らなければ王座から追放しなければなりません。

そしてその判断は神の代理人である法王が行います。

このようにしてローマ法王は国王に対する優越を主張したのです。

ところがイギリスでは名誉革命の100年以上前に宗教改革が起きて英国国教会が成立し、教会のトップは国王となっていたので、ローマ法王を引き合いに出せなくなっていました。

そこで王党派で革命鎮圧派だったフィルマーは、「神は聖書の創世記に出てくるアダムに国王権を与えたのであり、その権力はアダムから後継者に受け継がれ近代の諸君主に至る」と主張しました。

これに対してロックは、「国王がアダムの長子相続者だったら、国王はただ一人のはずだ」と反論しました。

また、名誉革命のもう一つの根拠である「自然法」も彼はキリスト教から説明しました。





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最終更新日  2008年03月07日 11時32分00秒
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