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標記番組(1月25日 NHK総合)では、中国地方(広島)の自動車産業の実態、とりわけ下請企業の苦悩がなまなましく描かれていました。自動車の販売台数が激減する中、その影響は大手の自動車メーカー以上に部品を生産する「下請け」を直撃しています。〔内容〕 自動車メーカーの部品メーカー(下請け)のある企業は12,000の部品の生産を140の企業(いわゆる孫受け)にまかせてきたが、あまりに注文が減少したため31の部品の生産は自分の工場で行うことにした。 下請け(孫受け)から仕事を引き上げて自分のところを守らなければならない実態。 「非常に難しい判断ではあるけれど、自分のところを守っていかないといかん」と社長は語る。 さらに規模の小さい下請け(孫受け)では、事態はより一層深刻になっている。正社員の人件費を減らすことを余儀なくされている。エンジンなどの金属部品を作るある会社では、生産量が3分の1に落ち込み先月から社員の勤務を見直した。一部の社員を除いて多くの社員は午後からの半日勤務に変更。 その結果、社員のひと月の手取りはこれまでの半分以下になった。 しかし、生産が回復する見通しは立たず、月におよそ500万円の赤字が出る。社長は会社の存続をかけて更なる決断を迫られていた。希望退職者の募集である。このままの状況が続けば社員を半分以下に減らさなければならない。 社長から社員に希望退職を募る通知が渡される。退職積み増し金のない厳しい条件。しかも、希望退職がなければ整理解雇を行うという連絡。 規模が小さい会社は大変な苦境に追い込まれている。ある社長は自分の貯金を取り崩して社員の賃金を払っているという。しかし、それにしてもなぜそれほど急激に追い込まれてしまうのか。自動車業界はここ数年過去最高の売り上げ利益を出すなど好調だったはず。 秋以降、売り上げが減ったからといって、なぜこれほど急激に追い込まれてしまうのか。 確かに自動車の生産はここ数年増え続けてきた。しかし、国際競争が激しくなる中で大手メーカーは下請けに対して厳しいコスト削減を要求してきた。そのため生産の拡大に見合った利益をあげることができなかった。 しかも、ここ数年間の生産量増大に応じるため導入した設備の借金が各会社に大きな負担としてのしかかる。内部留保のある大企業とは異なり、下請企業は正社員の賃金さえまともに払うことが困難な状況に追い込まれているのだ。 このような、自動車の減産が経済に与えているマイナス効果(鉄鋼や石油化学などにもおよぶ)は東海地方や中国地方において大きなもの(2000億円)となっている。そして、それによって真っ先に大きな影響を受けたのは派遣社員だ。 4年間派遣社員として働いて、このたび雇い止めになった人は仕事とともに住まいも失ってしまう。あらたな職探しを始めたが、4年間連続勤務で180日分受けられるはずだった失業保険の支給が90日だけだった。 以前(2年前まで)の法律では、派遣社員が同じ職場で1年以上働き続けることができないことになっていたため、1年経過した時点で便宜上、「マツダ」への直接雇用に切り替えられ再び派遣会社に戻る形になっていたため。(労働局によれば、現在、このような相談が殺到しているという)。 年齢的に再就職も困難を極める人たちがいる。他方で、「雇い止め」を機に路上生活を始め、ボランティアの支援に頼らざるを得ない若い人も増えてきている。仕事と同時に住まいを失うと就職の面接は大部分受けられない。 そこで、行政も家賃の安い住宅の斡旋を行っているが、比較的仕事の多い広島などの都市部では住宅が足りないというのが現状である。派遣労働のあり方そのものを見直すべき時期に来ている。 このような中、自治体や国は何をしていくべきなのか。 広島県は地元の自動車メーカーを支援するため200台の「マツダ車」を購入するという異例の対応を決定した。 政府は雇い止めになった派遣労働者の救済を目的に失業保険の給付条件の緩和などを打ち出すとともに、減産に伴う人件費の不足を補うための「雇用調整助成金」の支給条件の緩和、中小企業の資金繰りを支援するために30兆円の助成を実施したりしている。 〔コメント〕 「抜本的な景気回復に向けての決定的な手立てがなかなか見えない中においても、上記のような方策を含む国や自治体の迅速な対応が必要だ」という取材担当者の言葉で番組は締めくくられました。 「年越し派遣村」に象徴される深刻な実態に対応していくためには、まちがいなく迅速な対応が求められるでしょう。私は個人として現政府および与党を支持する立場ではありませんが、「政党同士の駆け引き」で国会審議の時間を空費している場合ではない、ということを強く思います。 年越し派遣村の「村民」からは「死ぬつもりで冨士に向かう途中、テレビで派遣村の報道を見て気がついたら日比谷に向かっていた。お陰さまで生活保護の受給も決まりアパートを借りることができた。いつまでも派遣村のことを忘れないでいきたい」といった報告があったのだそうです。 たしかに、派遣村の取り組みは画期的なものだったと思いますが、ボランティアの善意や行動力にいつまでも頼るべきではありません。何よりも行政機関が迅速な対応を矢継ぎ早に行うこと、国会においても「現状を打開していくための合意」を迅速な審議によって創り上げていくことが大切だと考えるものです。 ↑ランキング(日本ブログ村)はこちらです
2009.01.25
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〔なお、武田氏を含め人為的地球温暖化説の信憑性や地球温暖化による被害を緩和するための対策の重要性に対し、懐疑的・否定的な見解をとる論者への科学者の見解についてはリンク先の記事を参照されたい。〕 「日本は省エネ先進国」という武田氏の言説を前回は批判的に見たが、実際、日本は省エネルギーの努力をしていないのだろうか。 確かに産業界が全く努力していないわけではない。「図で見る環境白書」を見ても、その削減努力は数値にあらわれている。 しかしながら、他方で次の主張=「日本が省エネというのも、貧エネの家庭部門と満員電車の運輸部門が産業部門の排出を薄めている数字のトリックであって、産業部門だけで見ると、決して世界最先端とは言い難いのである」、についても飯田氏が示すような根拠は存在するのである。 結局、武田氏の論の問題点は『不都合な真実』の部分を切り取るなど、都合のいい情報だけを提示するとともに都合の悪い情報には目をつぶりながら「極端な言説」を流布していることであろう。とりわけ「地球温暖化に日本は関係ない」などという主張は「開き直りの暴論」だと言わなければならない。 以上、『暴走する「地球温暖化」論』(文芸春秋)掲載の「大失敗の環境政策」における武田邦彦氏の主張について検討してきたが、「日本は環境先進国の誇りを持て」、「日本は温暖化と無関係」といった氏の主張がいかに多くの問題点を含んでいるかは明らかではないだろうか。 〔なお、武田氏らが主張する「京都議定書の基準年=1990年の設定が問題だ(日本に不利で不公平な基準年を押し付けられた)」に対しても飯田氏は明確に反論している ので参照されたい。〕 ところで、『暴走する「地球温暖化」論』の中には伊藤公紀氏「『不都合な真実』の“不都合な真実”」もある。確かにこれは「丁寧に個々の事実を科学的に検証していく」という姿勢で書かれている点において武田邦彦氏の「大失敗の環境政策」とは同列に論じられない。 また、氏の主張(149頁)「ベストセラー『不都合な真実』は、おそらく、米国で環境重視の文化が形成されることに寄与することだろう。このような動きが、地球環境問題を有効に解決する新しい条約や制度につながるとしたら、大変素晴らしいことだ。是非、単なるスローガンを超えて欲しい。(ただし、この『不都合な真実』の内容を吟味せず、変にバイブル視することは決してすべきではない)」も妥当な見解だと思われる。 だが、氏も述べているように「木を見て森を見ず」ということになってはいけない。例えば伊藤氏は「キリマンジャロの雪が激減した理由」(直接の原因)は地球温暖化であるとは考えにくいことや、「(他の氷河についても)氷河のすべてが後退しているわけではなく、一部は前進している」ことなどを主張する(125頁)。 しかし、山岳氷河や大陸氷河の融解や流出等によって「海水面が6cm上昇したこと」もまた事実である。地球上の海洋面積の大きさを考えれば「たった6センチ」といっても「すでに大きな変化が起こりつつあること」は間違いない。 「6センチの海面上昇」は巨視的には前進した氷河よりも、後退・融解・流出した氷河がはるかに多いことを意味しているからだ。細部の検討を慎重にするあまりゴア氏のメッセージを受け止め損なってはいけないだろう。 不確定な部分を含みつつも、「二酸化炭素を出し続けるとまずい、という点に関しての(科学者の)不一致はない」「これは、自分の体に注意を払わない友人には体重や血糖値を減らした方がいいと忠告するのと同じように同意できる」(144頁)という点は伊藤氏自身も認めている。 問題は、伊藤公紀氏の詳細な検討が「枝葉末節にとらわれて全体として妥当なメッセージをとらえそこなうこと」につながったり、ゴア氏の主張を歪曲することにつながる可能性も皆無ではないことである。ちょうど「イギリス高等法院の判決」がゴア氏をペテン師扱いする言説につながったように・・・。 私自身は「地球温暖化に関するゴア氏のメッセージは巨視的に見て妥当である」、と判断している。その観点から「イギリス高等法院の判決の検討」を、過去においても試みたのでご参照いただければ幸いである。(おわり) 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。) 日本ブログ村と人気ブログランキングに参加しています ↑ よろしければクリックして投票・応援いただけますか(一日でワンクリックが有効です)
2009.01.20
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『暴走する「地球温暖化」論』における武田邦彦氏の執筆部分について 3〔なお、武田氏を含め人為的地球温暖化説の信憑性や地球温暖化による被害を緩和するための対策の重要性に対し、懐疑的・否定的な見解をとる論者への科学者の見解についてはリンク先の記事を参照されたい。〕 乱暴にも武田氏はヨーロッパをひとくくりにするが、二酸化炭素の総排出量において日本よりはるかに少ないにもかかわらず「率先して削減に努力しているスウェーデン」、「デンマーク」など小国の取り組みをどう評価するのか。国単位で見れば排出量は少ないから削減の取り組みは不要、とでもいうのだろうか。 例えばスウェーデンの場合、トータルの二酸化炭素排出量は日本よりはるかに少ないが、一人当たりのGDPは大きい。(北欧諸国はみなそうである。)「週刊東洋経済」2008年 1月12日号 より そして、スウェーデンは武田氏がご都合主義的に持ち出す「二酸化炭素排出量の一人当たりGDP比」でも日本を下回っている。スウェーデン人一人当たりの二酸化炭素排出量が日本を下回り、一人当たりのGDPは日本を上回っているのだから当然である。 にもかかわらず、「二酸化炭素税の導入、再生可能エネルギーの導入、排出権(排出量)取引の導入」などを実現し、「これら三つの方策により、スウェーデンは、2005年には、1990年と比較して9%の二酸化炭素排出量削減と20%のGDPの増加を達成することができた」のだという。 都合のいい数字を持ち出し「日本は何もしなくていい」などという主張をするのではなく、二酸化炭素の総排出量が日本よりもはるかに少ないスウェーデンの先進的な削減努力にこそ学ぶべきではないか。 いや、「二酸化炭素排出量の一人当たりGDP比」に関しては(北欧諸国はともかく)米国やEUの平均値と比べてはるかに低い、と重ねて主張されるかもしれない。事実(イ)の主張に続けて武田氏は「幸い、日本には高い技術がある。自動車、家電製品・・・・・みな省エネ化を実現している」と主張し、 「日本は環境先進国である」ことを強調したいようである。 だが、ほんとうにそうだろうか。必ずしもそうでないことについては日経エコロミーにおける飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)の指摘がある。 次の表をもとに、飯田氏は述べている。 国(経産省)は、為替換算かつGDPあたりの全エネルギー消費の比較表を出して、日本が省エネと主張する。しかし、購買力平価ベースで見るとまるで違う。さすがにアメリカよりは良いが、EUとはほぼ同じだ。日本が省エネ大国、実はウソ? の部分 さらに部門別で見ると、もっとはっきりする。産業部門だけで比較すると、日本はEUよりも悪く、米国と変わらないくらいだ。日本は民生部門、とりわけ家庭部門のエネルギー消費量の少なさと交通部門の少なさが、産業部門のエネルギー消費量を打ち消して、エネルギー消費全体では、一見、省エネに見えるだけなのだ。(4に続く) 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。) 日本ブログ村と人気ブログランキングに参加しています ↑ よろしければクリックして投票・応援いただけますか(一日でワンクリックが有効です)
2009.01.17
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『暴走する「地球温暖化」論』における武田邦彦氏の執筆部分について 2〔なお、武田氏を含め人為的地球温暖化説の信憑性や地球温暖化による被害を緩和するための対策の重要性に対し、懐疑的・否定的な見解をとる論者への科学者の見解についてはリンク先の記事を参照されたい。〕 総論としての問題点は上前回記事のとおりであるが、次に、武田氏の具体的な主張について検討して行こう。 まず、(ア)の「地球温暖化はアメリカとヨーロッパの問題であり(・・・)しいて付け加えるなら将来急速に発展している中国が原因に入る」、そして、(イ)の「二酸化炭素の排出量を先進国としてすでに十分抑えている私たち(日本人)には、これ以上何もできません」について。「ゴア氏の主張を受け止めよ」といいながら実は武田氏自らの主張を展開しているわけであるが、内容自体にも大きな問題がある。 まず、武田氏は中国をはじめとする「途上国」の主張にどのように応えていくのか、という問題である。「一人当たりの二酸化炭素排出量において“先進国”は中国の3倍以上である」、「総量が多いことをもって中国に強く削減を求めるのは“先進国のエゴ”である」、「発展する権利は平等である」ことを中国は主張している。 一人当たりで中国の約3倍二酸化炭素を排出している日本は本当に「何もしなくていい」のか。何もしないままで中国に削減を要求するなどあまりにご都合主義ではないか。それとも「何もしないまま」で、一人当たり日本人なみの二酸化炭素排出を中国に対して(さらにはすべての途上国に対して)容認するというのだろうか。 もしそうだとすれば、地球環境にとって甚大な影響を与えるのみならず、資源も将来に残せない可能性が高まることは明らかであろう。 武田氏は「地球温暖化」や「資源の大量浪費」について「全く問題ない」という立場ではなかったはずである。だとすれば「これまで資源を大量に浪費し、温暖化の原因を作ってきた“先進国”が率先して削減を進めて行くべきだ」というのは全く当然ではないか。一人当たりで中国の約3倍二酸化炭素を排出している日本が“無関係だ”などという主張はどう考えても成り立ちがたい。 日本は一人当たりでも世界第9位の排出国(アメリカ、ブルネイ、オーストラリア、シンガポール、カナダ、ロシア、ドイツ、イギリスに次ぐ)であることを忘れてはならない。http://www.s-yamaga.jp/kankyo/kankyo-kankyo-5.htm いや、アメリカやヨーロッパ、中国は二酸化炭素排出の総量が莫大だから特に問題なのだ、と主張されるかもしれない。しかしながら、国単位で見ればヨーロッパのどの国と比べても「日本国の排出量」は多い。(米国、中国、ロシアについで世界で4番目)このような事実を脇において「日本は関係ない」などとよく言えるものである。〔このあたりからは、特に武田氏の主張(イ)に対する反論となる〕(3に続く) 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。) 日本ブログ村と人気ブログランキングに参加しています ↑ よろしければクリックして投票・応援いただけますか(一日でワンクリックが有効です)
2009.01.16
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2009年1月13日 中日新聞 京セラの川村誠社長(59)は13日までの共同通信とのインタビューで、世界的な景気悪化にもかかわらず、一層の経費節減や残業を実質ゼロにすることで、パートを含めた全従業員の雇用を維持する考えを示した。 同社はセラミック部品などの受注が減少、工場の稼働率が落ち込んでいるが、川村社長は「雇用はいじらないのが大原則。社員をはじめ、パートの雇用も守る」と明言。現在は広告宣伝、出張費や残業を減らすことでしのいでおり、今後は、仕事を分け合って1人当たりの労働時間や賃金を減らすワークシェアリング導入もあり得ると話した。 また4月をめどに、三洋電機から買収した携帯電話事業と京セラの同事業の北米での販売網や技術開発部門を再編、集約する方針も明らかにした。川村社長は「携帯の開発部隊を一本にして(双方の技術の融合で)相乗効果を出し、魅力ある商品を北米や国内に出していきたい」と強調した。(以下略)〔コメント〕 厳しい経営状況の中でも従業員、労働者を大切にする京セラのような会社を支えていくことが大切であると感じました。「21世紀は環境と人権の時代」というのは以前から言われてきたことですが、「環境に対する配慮を積極的に進めている企業」「厳しい状況の中でも労働者の人権を大切にする企業」を支えていくような「消費行動」が私たち消費者に求められているのではないでしょうか。 昨今の労働者の現状、雇用の現状を見れば見るほどNHKスペシャル『ワーキングプア』で描かれた世界を思い出します。 「解決への道」でレポーターは語っていました。「働くということは社会とつながり人間としての尊厳を回復していくことだということを岩井さん(その青年の仮名)から教えられた思いです。ワーキングプアの問題は働くことの意味や価値をないがしろにした社会がまさに生み出した問題なのです」、と。(『NHKスペシャル』の最後に浮かび上がってきたのは、「厳しい現状にあきらめ、人間的な感情さえ抑圧していた自分」から何とか抜け出そうとする若者、「社会の中で一定の役割を果たしつつ“人とのつながりと誇り”を取り戻そうとする」若者の姿でした。) このような「ワーキングプア問題」を放置し、多くの人が“誇り”を持てない生活を強いられることは「人間的な感情や尊厳を押しつぶしてしまうものである」というのが番組のメッセージでしょう。(このドキュメントを私は学校の授業〔憲法の「生存権」に関わる授業〕でも積極的に活用してきました)。 この問題を解決していくための責任は「公的機関」のみならず「企業」にもあると考えられますが、京セラは「その責任を自ら引き受けていくことを内外に宣言した」といえるでしょう。そして、そのような企業が評価され発展していく社会にしていくための大きな責任は私たち「消費者にもある」といえるのではないでしょうか。(教育問題や哲学・思想に関する特集も含めてHP“しょう”のページにまとめていますのでよろしければ…) ↑ランキング(日本ブログ村)はこちらです
2009.01.15
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『暴走する「地球温暖化」論』における武田邦彦氏の執筆部分について〔なお、武田氏を含め人為的地球温暖化説の信憑性や地球温暖化による被害を緩和するための対策の重要性に対し、懐疑的・否定的な見解をとる論者への科学者の見解についてはリンクの記事を参照されたい。〕 『暴走する「地球温暖化」論』(文芸春秋)で武田邦彦氏が執筆している「大失敗の環境政策」は、アル・ゴア氏の『不都合な真実』に言及しつつ、「日本は環境先進国の誇りを持て」、「日本は温暖化と無関係」といった主張をしている。 そして、「日本人は先入観を全部捨てて、ゴアの次の主張を真正面から理解すべきだ」、として例えば以下のように述べる。(ア)二酸化炭素の排出量はアメリカが30.3%、ヨーロッパが27.7%と世界全体の約60%を占める。だから、地球温暖化はアメリカとヨーロッパの問題であり、それ以外の国はむしろ一方的な被害者だというのである。しいて付け加えるなら将来、急速に発展している中国が原因に入る可能性がある。(108頁)(イ)(・・・)日本の二酸化炭素排出量は、世界の3.7%である。(・・・)アメリカのGDPは日本の2.6倍であるにもかかわらず、二酸化炭素排出量は8.2倍(・・・)つまり、アメリカ人があまりに多い二酸化炭素を出していることに気がつき、一人当たりのGDPに対する二酸化炭素の排出量を、日本人と同じ程度にすればよいのだ。(・・・) アメリカが実行するだけで21%が削減され、ヨーロッパも一人あたりGDPに比例して削減すれば、12%も減らせることがわかる。(・・・)先進国すべてが「日本並み」の排出量に変われば、京都議定書の16倍の効果があるのだ。しかも「日本は何もしなくてよい」ままである。ゴアの映画は「日本に好都合な真実」を示しているのだ。(109頁)(・・・)日本も同じことを言えばいい。「二酸化炭素の排出量を先進国としてすでに十分抑えている私たちには、これ以上何もできません」と。(110頁) 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社)にも随所に見られる乱暴な論術の典型がここにもある。武田氏はゴア氏の『不都合な真実』をきちんと引用しつつ検討するのではなく、自分の主張に都合のよい部分だけを切り取りながら強引にまとめている。 確かに映画『不都合な真実』は、米国人であるアル・ゴア氏が「不都合な真実に目を開き、まず世界最大の二酸化炭素排出国であるアメリカ合衆国をわれわれ自身が変えていこう」と米国人に向けて強く発したメッセージではある。 しかしそれは同時に「(責任を他国や他者に転嫁するのではなく)“未来を大きく左右する重大な問題”を自ら真剣に引き受け、具体的な改革や行動によって乗り越えていこう」という全人類に対するメッセージであることも明らかであろう。 「地球温暖化はアメリカとヨーロッパの問題であり(先進国の一つである)日本は何もしなくてもよい」などというメッセージをゴア氏はどこで発しているというのか、一度武田氏にうかがってみたいものである。 総論としての問題点は上記のとおりであるが、次に、武田氏の具体的な主張について検討して行こう。(2に続く) 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。) 日本ブログ村と人気ブログランキングに参加しています ↑ よろしければクリックして投票・応援いただけますか(一日でワンクリックが有効です)
2009.01.13
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「自然エネルギー100%をすでに達成している場所がある!」ということですが、それは一体どこでしょうか。要約・紹介を続けます。※デンマークの ロラン島 風車500基 約7万人が島で暮らしている 必要な電力の150%を風車でまかなっている。 風車の多くは個人が所有している例)銀行からの融資6000万円で風車を作った個人 電気を電力会社に売ることで 年間800万円の収入が得られる⇒8年で全額返済(過去の歴史)・ロラン島はかつて造船で栄える この造船所 不況で倒産⇒失業率20% ・ロラン島の自治体は造船所跡に世界最大手の風力発電の企業を誘致(結果) もと造船所の労働者が風力発電の企業に勤める 企業は自治体にも支援されて優秀な労働力を確保 地域の雇用も増大 若者が出て行かない 地域の自立につながるデンマークは2030年までに、電力の50%を風力発電でまかなう計画Q 日本でもやったら儲かるのか?※デンマーク、ドイツにおける電気の買いとり制度と日本の違い 根本的な問題は、ドイツやデンマークでは設置枠に制限がないのに対して、日本は風力発電設置の枠が決まっていてくじ引きで設置している、ということだ。〔コメントと番組紹介の続き〕 上記のような「事実」をしっかり踏まえていけば、何をしていけばいいのか明確になるでしょう。現実をより望ましい状況に変えていくために大切なことは、各地の先進的な取り組みに学びつつ、上記のような「制度や仕組み」を変えていくことではないでしょうか。 番組の最後の方でレスター・ブラウン氏は次のように語ります。 世界には私たちが使いきれないほどの膨大な自然エネルギーがある。それを、いかに早く私たちが使える状態にしていくかが大切だ。 金融危機の状況下、自然エネルギー関連施設の建設は石油や原子力と比べてもはるかに多くの雇用を生み出せる。オバマ次期大統領も自然エネルギーによるグリーン雇用を強力に後押ししている。 「温暖化を防がなければならない」という要請と「世界の雇用を増やさなければならない」という要請が今一致したのだ。これは千載一遇のチャンスである。今ある技術でシステムを変えさえすれば「自然エネルギーの普及」も含めて現実を変えていくことができる。 そしてまた「これまで歴史の中で、石油をめぐって様々な戦争や紛争が起こってきたが、太陽をめぐって戦争は起こらない」(飯田哲也氏)という視点・意見も出されました。 最後に、江守正多氏の言葉で「紹介記事」を締めくくりたいと思います。 「2050年に自分は生きていないかもしれないが、自分の子どもたちがその時に“地球の温暖化”についてどんな希望、又は絶望を持っているだろうか、ということを最近よく考える。その時に子どもに『お父さんがあの時にがんばってくれたおかげで世界が温暖化と向き合える新しい社会に進んでいる』と言ってもらえるように今の大人たちが正しい選択をして行動していかなければ、と繰り返し考えている。」(おわり) 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。) 日本ブログ村と人気ブログランキングに参加しています ↑ よろしければクリックして投票・応援いただけますか(一日でワンクリックが有効です)
2009.01.10
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前回(ようこそ低炭素社会へ 第2回)は、電気自動車の生産・普及がかなり現実味を帯びていることを紹介しました。それに対して「疑り隊」からは次のような疑問が出されます。Q 電気自動車を普及させるといっても一番おおもとの電気を作るときにCO2を排出するのではないか?Q「(電気を)100%自然エネルギーに出来るって本当?」 これに応えてくれるのが、ミスター自然エネルギー 飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)なのです。彼はなんと「飯田電気」のハッピを着て「ゴア店長」の主張「アメリカの電力を10年で100%自然エネルギーにしよう。人類を10年で月に送ったアメリカなら出来るはずだ」を紹介します。 消費電力100%を自然エネルギーに換えるといったことが、例えば日本でもできるのでしょうか? 「飯田社長」によれば「できます、ちゃんと計算しました」とのこと。※2050年に日本で必要な電力量 8400億kwh それを全て自然エネルギーにできる!1、風力発電 洋上風力発電 銚子沖に10,000以上の風力発電 ⇒全国各地に建設して消費電力の25%をまかなう2、太陽光発電 日本の家屋4000万件のうち日当たりのいい家3000万件には太陽光発電を設置する。 ドイツではソーラーパネルをつけた家庭から高い値段で電力会社は電気を買わなければならないという制度になっている⇒家庭は10年で元が取れてあとはまるもうけ。 このドイツの仕組みを取り入れれば、どんどん設置できる。制度導入後、ドイツは日本を抜いて世界一の設置国になった。(2007年現在で日本の2倍) この太陽光発電を住宅、ビル、空き地にどんどん設置していくと、さらに25%が自然エネルギーに変わる。3、バイオマス発電 稲わら、木屑、牛の糞などから出てくるメタンガスなど4、水力発電 用水路・浄水場 小規模でも設置できるところにはどんどん設置⇒バイオマス発電、水力発電 合わせて約30%がまかなえる5、潮力発電等・津軽海峡などは潮の流れが速い⇒これを活用して発電(イギリスではまもなく実用化)・波力発電も有効、・地熱発電・・・日本は火山列島で地熱は豊富である結論 すべての電力を100%自然エネルギーでまかなうことは可能です!Q 今までなぜやっていなかったのか?Q コストがかかりすぎる等、問題がありすぎるのでは?A 自然エネルギーはいったん建てると稼動させるための燃料がいらない、無限にある、 日本国内で自給できる等、問題点以上に多くのメリットがある 日本の化石燃料輸入額は? 1999年 6兆円 ⇒ 2007年 20兆円 省エネルギーによって化石燃料にかかる費用を節約して自然エネルギーに投資する それが低炭素社会への道Q 日本の電力の現状は?A 風力・ソーラー3%、水力7%、石炭火力27%、 天然ガスなど25%、石油15%、原子力23% まず大切なのは省エネルギーQ 風力等自然エネルギーは不安定なのでは?A 日本全国へ広がって数多く建設されていると、風力・太陽光等多くの自然エネルギーがストップすることはない⇒全体としては電力をまかなえる※しかも、自然エネルギー100%をすでに達成している場所がある!〔コメント〕 電力消費量の100%を自然エネルギーにする構想は大変具体的でわかりやすいのですが、どうすればそれが実現するのか、そして、日本においてどんな要素が「促進」を妨げているのか、気になるところです。 「ドイツではソーラーパネルをつけた家庭から高い値段で電力会社が電気を買わなければならない制度がある⇒家庭は10年で元が取れてあとはまるもうけ」だとのこと。この制度も「自然エネルギーを促進」するための重要なポイントであるように思いますが、日本ではどうなっているのでしょうか。 そして、「自然エネルギー100%をすでに達成している場所(自治体)」はいかにしてそれを実現していったのでしょうか。そこには無理はなかったのでしょうか。 実は、無理がないどころか、「ビジネス」を通じて過疎に苦しんでいたその自治体は「おおいに活性化」したとのこと。内容については次に紹介します。(4に続く) 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。) 日本ブログ村と人気ブログランキングに参加しています ↑ よろしければクリックして投票・応援いただけますか(一日でワンクリックが有効です)
2009.01.09
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ようこそ低炭素社会へ(NHK)の紹介を続けます。 前回は、ミスター低炭素社会 西岡秀三(国立環境研究所 特別客員研究員)が示した二酸化炭素7割削減の構想でした。 しかし、そのような低炭素化にかかる費用をどのように生み出せばいいでしょうか? 確かに低炭素化のために年間1兆円~2兆円を支出すればそれ自体は景気対策にもなります。しかし、「この不景気に最初に経費がかかる」、「その元になる経費は?」といった疑問は当然生じうるわけです。 そこで、ミスター経済 植田和弘氏は「グリーン税制 環境税=CO2を出すもの(石油・石炭・ガソリンなど)に課税する制度」を創設し、低炭素化の費用を捻出するとともに、CO2を減らすほうが得をする仕組みをつくることを提唱します。 また、「西岡構想」のうち「カーボンフットプリントラベル」は来年度から試行的に実施されることになっており、「地産池消の産物の購入を奨励するなど」二酸化炭素削減につながる消費行動の推進につながることが期待できます。 「交通のエコ化」に関わってはすでにニューヨークでタクシーのすべてをハイブリッド車に換えていく取り組みが推進されており、ニューヨーク市は削減目標を2030年までに30%と設定しているということです。 交通のエコ化だけでなく同市では新しいビルを「グリーンビル」にすることが義務付けられているのです。〔映像で紹介されたビルの特徴〕・雨水をためて ビルの中に滝を流す(夏は冷房、冬は加湿器の役割を果たす)・窓を大きく 断熱ガラス 外光を徹底的に採り入れる⇒これによって26%のCO2を削減 このビルはゴールドマークを獲得(レストランの三ツ星マークのようなもの) ⇒このビルに入ることは、ニューヨークでは一つのステータス おしゃれになっている ゴールドマークの上のプラチナマークもある。Q ゴールドを上回るプラチナを獲得するためのポイントは?A ビルが省エネであることに加えて「ビルを作るときの材料がリュース、リサイクルされたものか」、「自転車置き場はあるか」、「地下鉄の駅からビルまでの距離は近いか(通勤も含めて二酸化炭素削減を進めるものになっているか)」 しかし、早くしないと一旦グリーンでないビルが建ってしまえば当分それをつかわなければならない。Q 日本でもこのような認証制度はあるのか?A CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)がつくられているが、今後はどんどん周知していく必要がある。Q 日本にはグリーンビルはないのか?A ある。その例が埼玉県の「越谷レイクタウン」店舗の屋上・壁にはソーラーパネル 壁 こけタイル 駐車場に設けられた電気自動車用の急速充電器(30分でフル充電が完了)すでに各社が電気自動車を開発(20~30年後 間違いなくガソリン車は衰退)Q 電気自動車の価格は?A1 400万円前後になると予測される しかし、国からの補助金が約120万円(ガソリン車との価格差の半分を補助) さらに、神奈川県の場合、国の補助金の半分(約60万円)が補助される⇒ 220万そして低公害車優遇制度により自動車重量税・取得税はただになるA2 実質210万の購入価格になる しかしながら、次のような疑問が当然生じるでしょう。Q 電気自動車を普及させるといっても一番おおもとの電気を作るときにCO2を排出するのではないか? これに応えてくれるのが、ミスター自然エネルギー 飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)なのです。だんだん楽しくなってきませんか?(3に続く) 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。) 日本ブログ村と人気ブログランキングに参加しています ↑ よろしければクリックして投票・応援いただけますか(一日でワンクリックが有効です)
2009.01.07
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年末にNHKが地球環境問題をテーマに「ようこそ低炭素社会へ」という番組を特集していました。 第3部は「ようこそ低炭素社会へ」と題して、「チームジャパン」(江守正多、西岡秀三、植田和弘、飯田哲也など)の専門家がわかりやすくプレゼンテーションを行い、疑り隊(3名)の質問に答えながら「地球温暖化」解決の具体的イメージや展望を明らかにしていく、という構成でした。 これを要約したのでは、せっかくの「面白さ」をそぎ落とすことにもなりますが、無意味とは言えないでしょう。見ていなかった方にも概略がわかるように番組の内容について順次紹介していきたいと思います。Q「二酸化炭素排出を減らす 本当にできるのか?」 に対して「ミスター温暖化予測」江守正多氏(国立環境研究所 温暖化リスク評価研究室長)は、実態の深刻さなどについてその概略を説明するとともに、温暖化を止めるためには全世界で半減、先進国は率先して2050年までに6割から8割の二酸化炭素を削減する必要があることを説明(プレゼン)しました。Q「CO2 7割も減らせるって本当?」 に対しては、「ミスター低炭素社会」西岡秀三(国立環境研究所 特別客員研究員)が説明しました。概略は以下のとおりです。 不景気な年の瀬、「CO2 7割削減などとても無理だ」とお思いだろう。しかし、イギリス、アメリカはすでに2050年までに80%削減を宣言している。 アメリカ次期大統領のオバマ氏は、「グリーンニューディール政策」によって500万人のグリーン雇用を創出するということを、「勝利演説」でも述べた。 それでは日本ではどうするべきなのか。「ミスター低炭素社会」西岡秀三氏が提出するプランは次のようなものです。 日本では現在一人当たり年間10トンのCO2を排出(国全体で12億トン)。これを70%削減するプランとは?〔その1〕建築をエコに変える(二酸化炭素排出量を3分の2にする住宅) LEDライトの使用、断熱材、二重ガラス、屋根にはソーラーパネル(⇒長期的にはキャッシュバックが可能である)、オフィスビルも含めて建築をエコに変えることで15%削減が可能である。〔その2〕交通をエコに変える・プラグインハイブリッド車を普及させる(二酸化炭素排出量 従来車の二分の一程度)・東海道物流新幹線を(東名高速道路と第二東名高速道路の間に)建設する⇒物流による二酸化炭素排出量は従来の7分の一になる。〔その3〕発電をエコに変える これによって二酸化炭素排出量はマイナス30%となる。(具体的方法についてはあとで飯田哲也氏が説明)〔その4〕産業をエコに変える カーボンフットプリントラベルの活用。 それぞれの商品に、生産され運搬されて届くまでにどれだけのCO2をだしているか、という(上記)ラベルを貼り付ける⇒なるべくCO2排出量の少ない買い物をする、という消費行動をとることで産業をエコに変えることができる。 以上 7割削減は可能である、というのが西岡秀三氏の説明でした。〔コメント〕 これらは、実現していくための一定の裏づけ・方法も考えて提起されており、実現すれば確かに素晴らしいと言えます。米国がオバマ次期大統領のもとで大胆な政策「グリーンニューディール」を実行することを考えれば、上記のプランを「夢物語」などといってはいられませんね。 ぜひ具体化・実現していくことが必要でしょう。しかし、上記の説明だけでは「疑り隊」でなくても「本当にできるのか」と言いたくなるかもしれません。番組では、実際に具体的な疑問も提出され、それに応答しながら話が進んでいきます。(2に続く) 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。) 日本ブログ村と人気ブログランキングに参加しています ↑ よろしければクリックして投票・応援いただけますか(一日でワンクリックが有効です)
2009.01.05
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