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今頃になって、株主、特に長期株主への優遇策を考える企業が増えてきたらしい。日経にそんな記事が出ていたが、これって、余りにも当たり前の話。一時期顧客との関係を大事にしよう、とCRM、CRMと二言目には叫んでいたコンサル会社もあった。また、そんなところに乗せられてCRMの思想と仕組みを入れる前にシステムだけを導入して、「こんな筈じゃなかった」と後悔した企業も多い。あの頃のCRM熱は、確かに変なところがあった。だが、CRM自体は全く間違っていないし、その重要性は今も将来も大きなものがある。ステーク・ホールダーとしての個人株主も、企業にとってはある種のCRMの対象としてよい。特に昨今のM&AやTOBが日常的に提起される時代なら、思わぬ相手から仕掛けられる前にシッカリと多くの株主と「信頼関係」を築いておくべきだろう。一昔前は、企業間の株式持合いという一種の馴れ合いがあったから、個人株主のことは放っておけば良かっただろう。だが、ここ10-15年のガバナンス革命の結果、余計な株式投資は企業の資源管理としては無駄遣いと見做されることになった。だから、法人の株式保有率はこの間下がりっぱなし。(法人が株を売っていたのだから、株が下がるのも無理はないですわなあ。・・・個人的にはくやしいーー)とすると、理の当然として個人株主、特に長期に亘って株を保有してくれる株主を大事にしようということになる。むしろ、遅すぎたのだろう。もっと前からやっておけば良かったのに、と明星食品の経営者などは今頃後悔しているのかも。まあ、遅かったとしても、やらないよりは、はるかに良いですね。但し、この動きが広がってくると、「何故同じ株を持っているのに、扱いが違うのだ」、と文句を言ってくる人たちが出てくるのだろう。理屈は作れるだろうが、そのときに各社がどう反応するのか、今から見ものだと思っている。
2006.11.28
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経営困難に陥って久しい三洋電機。ようやく不採算部門の抜本的な処分を検討せざるを得ないようになったらしい。急場を救ったはずの投資銀行や投資家筋が、今までの日本のメインバンクよりはるかにドライに経営改善を迫った。その結果、携帯電話事業などの採算割れ事業への抜本的な対応を求めたということ。経営戦略論からすれば当たり前のこと。逆によく今まで手をつけずに来られたな、と感心するほど。その本筋にようやく手をつける段階に来ただけのことで、これこそ「想定の範囲内」のこと。それにしても、何故こんなに手間と時間が掛かるのか。日本的経営の美徳という見方もあるのだろうが、やはりこれだけ時間を失うことによって従業員を含む関係者にとっての損失はより大きくなったと思われる。やる、やらない、どちらにもリスクは付きまとう。おまけに早くやることには、抵抗も大きい。だからと言って、先送りにすると、選択肢を狭めて結果として、投資家・従業員などの関係者に損を大きくさせることになりかねない。私個人も、そう立派なことをいえる資格があるかどうか自信はないが、基本は「想定内のこと」は早めに手をつけるべきだ、と言う事だろう。もう一つ、想定内のことは、ユニバーサル・サービス資金制度の発動。KDDIもソフトバンクも、過疎地などへの不採算な通信サービス提供に伴うコスト負担をそのまま利用者に転嫁するらしい。だから新聞のネタになっているのだろうが、これは本来は転嫁するもしないも各社の選択。つれてNTT東西も同じように、全ての利用者に負担を回すことになりそうだ。過疎地へのサービスは、それこそ国民に平等な生活インフラを担保するための必要条件で、その為のコストを負担するためにユニバーサルサービスファンドが作られているから、今回の話は当然と言えば当然の話。その意味で、まさしく想定の範囲内の事象。ただ、割り切れなさが残るのは、他の事との重なり。田舎に作る立派な高速道路は都市部の高い利用料と都市から流れる税金で作られているではないか。年金、健保などの社会福祉の負担も、構造としては都市が田舎を支える構造になっている。もう、良い加減にして欲しい、という気持ちはある。これは優れて政治の決めることだが、この辺りの事象にシッカリとメスを入れてくれる政治家や政党は何時になったら出てきてくれるのだろう。悲観的ですが、希望は捨てずに待ってます。(まるで、都はるみの歌の歌詞みたいでんなあ)
2006.11.26
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この一週間、出張に次ぐ出張に追われ、超バタバタでした。いつもと違う枕で寝てると、だんだんと疲れが取れなくなる。ようやく週末を迎え、ホッとしているところです。今週は色んな事件や事故がありました。そんな中で、野放図だなあとつくづく思ったのが2件。一つは、社会保険庁。こちらは、何も最近の事だけじゃなく、周知のように、ひどさは知れ渡っている。それに上塗りしたのが、未払い問題。沢山の人々に本来払うべき保険金が払われていなかったというから驚き。保険金の徴収もいい加減で、払う方も間違いだらけ。一体何のために社保庁の職員に給料を払っているのか。一般の企業社会の常識から言うと、碌な仕事もせずに、組合運動という既得権維持に成り下がった組織の温存のみに熱中し、楽な生活を楽しんでいる。そんな風にしか見えない。やっぱり「解体」するしか無いのではなかろうか。私なら、「歳入庁」を作って保険金を徴収し、払う方も別組織にやらせる。あの組織は再生不可能なのではないかと思う。勿論真面目に働いている人も多いと思うが、どうやら上から下まである臨界量を越える腐敗分子がいると、組織の再生力は著しく減退する。その例から外れないと考えるべきであろう。もう一つが、近未来通信。こちらは、実体の薄い詐欺団体のように見える。通信業の運営実態がどこまであったのか、私は知らないが、約束されていた配当が払われていないことは事実のようだ。この出資者の方は、本当に単に騙されただけなのか?儲け話に乗るスケベー根性があって、そもそも金を出したのでは、と思う。その限りでは、リスク・リターンの法則に乗って、ハイリスクを採って高いリターンを狙ったが、リスクの高さのせいで、金をすってしまっただけとも言える。無論、契約違反があればそれは徹底して追及すべきだし、公権力が介入すべきである。ただ、被害者への損害賠償や法律違反に対する公訴のスジと、投資市場の整備・ルール作りのスジとは分けて考えるべきだ。前者は、きつく言えば、自己責任の部分もありそうだ。後者の方は、徹底して洗い直し、場合によっては、この視点からの追求だけで、この企業を抹殺する必要もあるかもしれない。何れにせよ、これだけクラッシックな「詐欺事件」は珍しいのかも。野放図な組織がのさばり出した日本社会。大丈夫やろか、心配。
2006.11.25
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秋晴れが続いていたが、昨日今日は天気が崩れ嫌な天気。雨の中で、あの暖かいと思っていた宮崎がかなり寒かったようで、タイガー・ウッズも苦労していた。年中初夏のような天気が続くベイエリアで育った彼は、このような寒さの中でゴルフをする訓練はしていなかったのかも。寒いと、体が色んな保身反応を取る訳だから、いつもとは違う動きをしてしまうのかも。昨日テレビで見ていて、グリーンを外して、それからアプローチするとき、余り良いストロークにはならなかった。その前のホールで絶妙のアプローチを見せてくれて、「流石タイガーは違う」と感心していたが、やはり彼も人間。寒さなどの天候には勝てないのだろう。まあ、それでも3日目を終わってトップなのだから、脱帽には違いない。あれだけ大雨の中でやってると、地面は雨で水溜り、グリーンはやたら重くなり、ボールはいつもと違う転がりかた(というか、転がらないのかも)をする。皆さんスコアを落とすのも当たり前なんでしょうな。今日一日、楽しみに見させてもらうつもり。今日は相撲の視聴率はいつもより落ちるのかもね。
2006.11.19
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浮き沈みの激しい世の中になってきた。ヨーロッパの通信大手として確固たる地位を築いていたドイツ・テレコムのCEOが職を辞する。どうやら首になったらしい。株主の中には、ドイツ政府も色んな形で30%は所有していると同時に、アメリカのファンド会社として有名なブラックストーンも大株主として挙げられている。勝手な推測をすると、ブラック・ストーンあたりが利益の減少を捉えて、騒ぎ出したのではなかろうか。でも、ドイツ政府もその動きに乗ったと解釈するしかない。最近、ドイツの経営がアメリカ型になりつつあるとは言われていたが、ここまで来るとは正直私には想像もつかなかった。まさしく、不明の至り。あの頑固なドイツの「文化」「経営思想」はどこに行ったのか。一寸寂しい感じ。もとより、リスクとリターンの関係が大事であり、それが資本主義というか、競争社会の原理であり、更に言えば、それこそが社会のイノベーションを齎してきたと確信している。それは、原理主義的に言えばアメリカに体現されていた。ただ、原理主義的過ぎると、それはそれで問題だ。その点、日本が対極にあるとすると、ヨーロッパは面白いバランスを醸し出しているのかもしれない、と仮説していた。大体、電話屋さんは、世界中で、IP化の嵐に見舞われ、苦労のしっ放し。売り上げが減り、コストはそう急に下がらないから、利益は減る。NTTもフランス・テレコムもどこも同じ悩み。リストラのスピードが遅いと言えば、そう言えるのかもしれない。ただ、国がその論理に乗ってCEOを首にするのに加担するのは「想定外」だった。人生、浮き沈みはつき物。同じくビジネスだって、浮き沈みは避けられない。それがこんな結果を齎す時代になった、と言う事なのでしょうな。何処と無くすみにくい世の中になったような気がします。
2006.11.13
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日立造船が造船業から足を洗うことになった。この会社はそれなりの面白い歴史がありそうで、一度調べてみる価値があると思っていたのですが、どうやらその歴史に新しい事象が加わったようです。造船を手がけない造船会社となるわけで、名は体を現さない、代表例となりそうです。造船業もこの30年間ばかり、苦難の時代が続いてきた。その前には「海運ニッポン」と言われたのに、その立場が脅かされ、「造船ニッポン」はそれを更に厳しくしたような環境の中で、苦戦を強いられてきた。思えば、造船のように、機械産業の中では比較的労働集約的な産業は、人件費の高くなった国には適さない。韓国の造船業に追いかけられ、恐らくその韓国もそのうち中国やベトナムなどのアジアの国に負われる立場になるに違いない。そもそも、日本自身がノルウエーやイギリスの造船業を追いやって、大手の立場から追い出した歴史があった。それを繰り返しているだけのこと。勿論人件費の高騰に対応する方策は色々と練られた。例えば、船をドックの中で一体的に作るのでなく、モジュール化して作りわけ後はドックで繋げるというような手法は、苦境の中からしか出なかった方策だろうし、それも日本だからこそ考え出された方策だった。そこまでやっても、所詮人件費格差が一定以上になると、もうどうにも競争力は戻ってこない。厳しいようだが、これが優勝劣敗の法則なのだろう。日立造船は、後は環境関連、つまりごみ焼却炉などのプラント物に注力するという。こちらも、談合体質が問いただされている渦中であり、以前ほど利益を確保できるか不安はあるのではなかろうか。何れにせよ、関西経済を支えてきた一つの産業に大きなインパクトを及ぼす事態。関西はこれからも厳しいでんな。
2006.11.12
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山が動いた。と言ったのは、まだ社会党なるものがあったころのオタカさん。今度のアメリカの中間選挙で、どうやら共和党の過半数割れが決定的で、民主党が両院を押さえることになった。結果、ブッシュさんも責任を感じ、ラムスフェルド国防長官が辞任に追い込まれた。あれだけのアメリカ兵士が命を失うと、「テロへの戦い」という大義名分もはげてきた。これがどのようなインパクトを中東をはじめ世界に及ぼすかは、よく見ておかなければならない。実際のところ、素人の私には、よく分からない。うまい方向に動くと良いなあと期待しているが、果てさてどうなることやら。かなり心配です。でも、山が動いたことは間違いない。対して、携帯の番号ポータブル化の方は、予想通り、大したことになっていない。あれだけの宣伝や大騒ぎをして、9000万を越える市場の中で、9万件程度が動いただけ。確かに、始めの一月だけだから、9万といってもかなりの大きさだという見方もあるかもしれないが、高々0.1%程度の話。このままの勢いが続いたと仮定しても、年間で1%ちょっとのこと。おまけに、AU(KDDI)の一人勝ちで、鳴り物入りのキャンペーンを試みたソフトバンクは2万強の純減。これを骨折り損のくたびれもうけ、と解釈するかどうか。いや、そのレベルに抑えられたのは立派な業績だという見方もあるが、何故かむなしい。まあ、どっちにしても対して山も何も動かなかったと考えるのが、ええんとちゃいますか。
2006.11.09
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トヨタといすゞが提携するらしい。第一報ベースだと、小型のディーゼル・エンジンの技術をいすゞが提供するという。ついこの間までGMの傘下にあったいすゞ。それがGMを離れて、「晴れて?」トヨタと提携できるようになった。思えば、戦前、終戦直後の車というとトラック中心のマーケットだった日本市場の時代、トップメーカーは他ならぬいすゞだった。押しも推されもせぬトップ。その自信が災いしたのか、その後はトップの座から滑り落ちて、ドンドン落ちる一方の歴史だった。その頃トヨタは戦後の労働争議の渦中に放り込まれ、倒産直前まで行った。銀行に救われ、自工と自販に分社させられ、何とか命脈を保った。その倒産の危機感を保ち続けて今日の世界ナンバーワンの立場に駆け上ったトヨタ。GMの傘下に入ったいすゞは、資本では「軍門に下った」ものの、技術では「俺が上だ」とのプライドを持ち続けた。結果、GM傘下にいることの屈辱感が帰って反発を招き、「GMなんて大したことない」とか、「GMがなんぼのもんじゃい」みたいな反発を多くの社員が共有していた。特に現場に近ければ近いほど、その意識が強かったのではなかろうか。今回のトヨタとの提携は、GMといすゞのような、屈折した関係にならずに、素直に前向きに取り組めるものになることを祈っている。今までの紆余曲折からすると、まさに恩讐の彼方にきたつもりで取り組んで欲しい。私は利害関係者ではないから、余計なお世話なのだが、なんとなく歴史の皮肉というか綾というか、因縁を感じたので、今回ばかりは素直に成功して欲しいと願っている。反対に、恩讐の彼方には当分の間行けそうも無いのがライブドアの皆さん。ホリエモンが公判で、部下の証言はインチキだと主張している。そりゃそういうしかないわなあ。こちらは、後数年間はどろどろした関係を引っ張らざるを得まい。まだまだ「業」が深いからねえ。
2006.11.07
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昨日、一昨日辺りから伝えられていた日本漁船のロシアによる拿捕の話。つい最近同じような事件が起こり死者をだしたばかりだというのに・・・・石油価格の高騰に伴い「元気回復」のロシア。国家主義的な動きも一層強くなり、プーチンに反対する論調の女性ジャーナリストが至近距離から銃撃されたりしたことに見られるように、国の内外で強権的手法に訴える傾向が強まっている。げに、恐ろしき現象ではある。こんな「乱暴」な国に我々は今まで援助の手を差し伸べてきたのか。何のための援助だったのか。税金の無駄使いといって、これにすぐる物はない。これも未だに確定していない(と日本は考えている)国境線、即ち北方4島の問題に帰り着く。これも過去数十年に亘って、課題であり続けた事案だから、すぐに解決するとは到底考えられない。残念だが、こんな状況の中漁船にツケガ回ってしまっているということ。子供じみた反発をするなら、「自衛艦の保護の下で、漁業にあたり、ロシアが不当な対応に出てきたら砲撃もいとわず」なんてな主張になるのだろう。こんな大時代的な反応は今はありえないが、感情論に走るなら出てきそうな主張ではある。何れにせよ、この矛盾を抱えたまま、わが国はどう生きていくのか。方針らしい方針を聞いたことが無いのが何とも寂しい。安倍さん、それこそ、どないかせいや。と言いたくなる。方針が明確化するまでの間、北の漁民の皆さんはこの矛盾・暴虐に耐え続けるしかないのは、何とも痛ましいと思ってしまう。
2006.11.05
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CA、昔はコンピューター・アソシエーツという名前のITソフト会社。日本でもよく宣伝とかセミナーをやっていたあの会社。そこの前のCEOだった、サンジェイ・クマール氏が不正経理操作の罪で懲役20年の刑の判決が出たらしい。罰金は後から計算されて告知される。これで、20年を越える刑が私が記憶しているだけでも3人。前にこのブログでよく書いていた人たちだ。エンロンのスキリング氏とワールドコムのエバース氏。二人とも25年。そう、エバース氏は「アホちゃいまんねん、パーでんねん」作戦で刑を逃れようとしたが、計画は旨くいかず、ほぼ全財産を失い、懲役25年。日本での同様の裁判と比べると、刑の重さが目立つ。裁判の時間も長くて2年ほどで、日本と繰らば得ると短い。この辺、資本主義を守るというか、投資家を守り、それをベースとしてリスクマネーを市場に繋ぎとめようとする覚悟の強さが感じられる。「信賞必罰」。まさにそれを地でいくような裁判。必罰がシッカリしていないと、社会、特に経済社会の健全性が損なわれるというパラダイムは変わらない。その昔、1929年の大恐慌のあと、ペコラ委員会を設定し、ケネディー議員を長とする委員会で銀行や証券会社の不正を暴き、それがベースとなってアメリカの金融法制が組み立てられた。そして、今回の一連の不正で、SOX法が制定された。同じ脈絡の動き。そして、どちらもかなりな数の経営者が懲役刑を受ける。エバースにとっての20年は、終身刑と同じような意味合い。今回のクマール氏にとっても44歳から64歳まで。保釈されるとしても、54歳くらいまでの人生の「華」の時代を刑務所の中で暮らすわけだから、重い。それにしても、面白かったのは、このクマール氏、来年2月27日に刑務所に出頭せよと言われているそうな。私の知る限りでは、日本の場合即刻裁判所で拘束されて刑務所送りになっているのと比べると、これは随分と「人間らしい」扱い。期日までに、人生の色んな整理や手配をすることができて、家族や色んな人たちが何かと助かるに違いない。私にとって、新しい発見でした。何故こんなことが違うのか、知っている人がいれば教えて欲しいものだ。
2006.11.04
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