和邇乃児之庭
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日本地球惑星科学連合2017年大会において実施された「高校生によるポスター発表」そこで優秀賞を受賞した発表は、定時制高校の科学部による「重力可変装置で火星表層の水の流れを解析する」。それを見た大学教授が「今年は抜群に面白い研究があった」と著者(伊与原 新)に伝えたことがきっかけで生まれた小説だという。この出来事の骨格部分と、メンバーの生徒たちが多様であったこと自体は事実ベースだが、各人物の設定やそこで起る物語は完全な創作。だが、この物語がよい。それぞれのつらさを抱えた生徒たちが指導教師の巧みな誘導で一つになっていく様子が、各章異なる人物視点で描かれていく。この誘導の意味が終盤の章で明かされる構成もうまい。真意を聞かされたあとの佳純のセリフには思わず泣かされた。(電車で読んじゃダメですw)上記で物語の内容は創作だと書いた。ただ研究内容そのものを見ると、天井をぶち抜いて高さを確保する工夫など、実験の過程は事実に即したものであることに驚かされる。学ぶということはどういうことなのか、科学・研究というのは何なのか、そういったことを初心に帰って考えされられた。リンク先を是非読んで欲しいのだが、物理はよくわからないので・・・と尻込みしてしまう人のために、そのまとめの部分、「実践効果」の項を紹介しておきたい。**以下引用 定時制高校には挫折経験を持つ生徒が多くいる。科学は未知の現象を研究するから、実験が思い通りにならないことは日常茶飯事で、我々の科学部では教師も生徒も同じテーブルで議論する。そこで「わからないことは恥ではない」と腑に落ちる。「わからないから面白い。わからないからわかりたい」が研究のエネルギーとなっていく。生徒は既存の常識に囚われない豊かな発想を駆使し、装置製作や研究活動を展開していった。この装置はそんな生徒の知恵と会話の相互作用から生まれた。彼らの特殊な経験や突飛な意見を引き出し形にしていくことで、研究の成果以上に手に入れたものは、諦めない姿勢だと感じる。 科学の成果は肩書きで判断されない。誠実に実験を繰り返し、正確なデータを揃え、わかりやすく丁寧に発表する。それが科学の分野ではきちんと評価されるのだと生徒たちは知った(日本物理学会Jr.セッション2017、日本地球惑星科学連合大会高校生ポスター発表2017)。定時制高校には自己肯定感の低い生徒が少なくない。そのなかで自らの研究成果が認められたことは、個々の生徒の中で大きな転機となった。様々な研究で多くの評価を頂いているが、自分たちのしていることに誇りを持ち、科学に対して誠実であろうとする態度は、すべての部員の中に根付いている。**以上引用終わり指導した教師の方々はもちろん、生徒たちに対しても、尊敬しかない。轍度★★★★★宙わたる教室 (文春文庫) [ 伊与原 新 ]NHKでドラマ化されたが、キャストのイメージが違いすぎてw特に藤竹の窪田正孝と、岳人の小林虎之介は美形すぎるんじゃない?岳人役を窪田正孝ならまだわからんでもないけど。藤竹の見た目はもうちょいさえないおじさんキャラにしてほしかったな~w
2026/10/04
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