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前作「成瀬は天下を取りにいく」は成天と略されるらしい。今回その続編は「成信」。主役である成瀬以外の登場人物視点で話が続いていくスタイルは、今作も同様。そして彼ら・彼女らが、成瀬がシンプルに「信じた道」をいく姿に影響され、ほんの少し変わっていく様子が子気味よく、繰り返す日常に疲れ気味の私たちを励ます。このある種定番感はもはや水戸黄門レベル。私たちは成瀬を欲している。そりゃ三作目もでるわなw今回も巻末に成瀬自身が大津を案内してくれる「大津ときめき紀行」付き。冒頭で平和堂(フレンドマート)のびちゃびちゃに出るアルコール消毒器が登場して思わず笑みがこぼれる。観光大使度★★★★▲成瀬は信じた道をいく (新潮文庫) [ 宮島 未奈 ]
2026/08/23
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Y字路本の著者として知った重永氏のこちらが本分。「地図・統計・移動から読み解く」が副題の地理学入門書で、発売以来新書として上位の売り上げを続けています。冒頭で都道府県魅力度ランキングについて、『私はあれが大嫌いだ』から始まるのが実にキャッチー。これで著者の意気込みをぐっと近くに感じることができ、比較的淡々とした分析が続く内容も我慢して読み進めることができるというものです。まず全体を通して、時系列で見ることで理解できるあれこれがとても面白い。中部地方という呼称は始まりが暫定的な表現であったことなどは初めて知る事実だし、輸送手段と産業構造の変化が地域の環境を大きく変えていくことも、当然と言えば当然なのだけれど、地理の視点からあらためて理解しなおす事ができます。それらの例ひとつふたつとってみても、人文地理は歴史と不可分であることがよくわかります。また、全てが統計データをベースにして語られることで仮説の精度が上がり、説得力が増すのです。行政面で定められた区割りはあくまで便宜上のものであって、実態は山河などの地理的特徴、そこから来る気候面での共通性、さらには人の移動や交通の発達の過程で生じるつながり等々が、ある時は近い地域の必然的なブロックを形成し、ある時は意外にも離れた地域の共通性を生む。それらはざっくりまとめると「等質地域」と「結節地域」の概念で整理されるということも学んだ。…などなど、地理に関しては素人の私でも容易に理解できるように書かれた本書ですが、特に面白かったのは第7章:移民から見た日本の「西」と「東」。まさに今、偏狭な排外主義がはびこる現在であればこそ、一読の価値があると思いますぞ。新しい日本地理 地図・統計・移動から読み解く (講談社現代新書) [ 重永 瞬 ]
2026/08/09
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