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珍しくリアルタイムにブログ記事を更新した10月22日、武道館へと向かう数時間前から、またしても更新がストップしてしまい、あの感動から1週間以上が経過してしまった。それでも、まだ耳の奥にはしっかりと残っている。あの高揚した心もそのまま。というわけで、はい、行ってきましたKAZUMASA ODA TOUR2014「本日小田日和」武道館公演初日。こころママと途中で待ち合わせ、雨だというのにふたりとも足どりは妙に軽いのは、そりゃ当然のこと。オンステージシートの抽選もあるので、ちょっと早めに会場入りして。まずは、ツアートラックをゲキシャ。トラックの小田さんと並んで記念写真も撮っちゃったりして(ってさすがにこの場で公開はやめておこう)そして、ツアーパンフとグッズ類もしっかり買って・・・オンステージシートの抽選には外れてしまったけれども、そして、2階スタンド席ではあるけれども、それでもこうしてチケットを手に、武道館に来られただけでも幸せといえよう。当日のセットリストは様々なところで掲載されているので、割愛するとして・・・18時半をちょっと過ぎた頃、とうとう始まりました!1曲目「そんなことより幸せになろう」、アルバム小田日和の1曲目でもあります。アルバムでこの曲を初めて聴いた時は、なんといいますか、小田さんがこのような楽観的な語りかけをしちゃうとは予想にもしてなかっただけに「衝撃的な1曲」として、私の脳内にインプットされました。今では、つい口ずさんじゃう曲でもあり。実は私、小田さんの生声をこうして体験するのは、これが初めて。これまでオフコース時代のライブLPは何度となく聴いていたけれどもやはり、生ゆえのパワーは別格です。そして、小田さんのあの高く、それでいて若かりし時よりも確実に芯が通ったボイスは、五感を思いっきり刺激します。己の感覚が研ぎ澄まされていくというか、全身全霊で受けとめたくなるんですよね。「この街」を唄う前には、小田さんがいかに明治村が好きかを表したVTRが流れて、会場内爆笑の渦。でもね、実は私も好きなんですよ。若き青春の思い出の1ページに明治村があります。まぁ私が好きかどうかなんて関係はありませんが、茶目っ気たっぷりに明治村を紹介してくれる小田さんに、ますます親近感をもってしまいます。・・・今度、また明治村に行きたいな・・・それにしても小田さん、武道館の花道は短し、なのに走る走る、マイク向ける向ける。なぜか男性にマイクを向ける率が高かったりするのは、気のせいかしら。小田さんのツアーは女性客のほうが多いかと思いきや、実は結構男性の姿も見受けられます。しかも年齢層も幅広し。まぁ若干中高年層に偏り気味ではありますね。そして、みんなで唄いましょう~!ってノリが、これまた会場の一体感を高めます。私の隣席の方は5,60台の年配ご婦人たち、周囲のノリ具合に若干気後れしていたようですが、前後席の方々はどっぷりノリノリな模様。こころママ、そして私もしっかりノらせて頂きましたとも。ご当地紀行は総集編ということで、小田さんと各地の方々とのふれあいが小気味よくまとめられていました。見知らぬおじさんが延々と繰り広げる長話に付き合わされている小田さんって・・・子供たちからは「誰?」発言されてしまう小田さんって・・・会場皆さん、大爆笑でした。後半戦、大きな画面に映し出された小田さんをみると、凄まじき量の汗です。そう、こういってはなんですが、60歳後半でこれだけ熱くてパワフルなツアーをやってのける「小田和正」、いかに自分が甘っちょろい人生を送っているかを恥じるばかりです。と同時に、まだまだ自分も頑張らなくちゃ、という気持ちにさせてくれます。これってとても大切な気持ち。こんなふうに思わせてくれることに感謝。ここのところ、小田さんが紡ぐ歌詞は、優しい男女の恋愛模様よりも、人と人の・・・もっと深き「情」を、そしてどちらかといえば人生をある程度歩んできた者たちに対して響く言葉が多いような気がしませんか。そのせいか、更に更に心の奥底に染みこんでいきます、小田さんが紡ぐ言葉の数々。とはいえ、アンコールのYES-YES-YESの大合唱、あれはきっとオフコース時代のファンはものすごく心揺さぶられたはず。特に武道館という地で。若かった自分と、そして現在の自分、様々な思いを小田さんの声に重ねていました。そうそう、何の曲だったかしら、ピアノ弾き語りの小田さんに淡いスポットライトがあたり、まるで曲に合わせるかのごとくハラハラと落ちていく・・・落ち葉? いや、実は会場内に迷い込んでしまった虫さんだったのですが、偶然とはいえ、そんな虫さんも味方につけてしまうとは・・・ 味方って言い方は変だけれど、落ち葉のごとくハラハラととんでいた虫さんと小田さんの声がマッチして、心に刺さりました。気づいた方、いたかしら。小田さんの声に、己の五感をたっぷり刺激されました。これを活かして、更に自分を高めていけたら。そこまで思わせてくれた小田さんに感謝。コンサート後、楽しいお酒に付き合ってくれたこころママに感謝。そして当日夜中、迎えにきてくれたあかりさんとトーチャンにも感謝。今日も読んでくれてありがとうございマス。どうぞ応援ヨロシクお願いします!(下のバナーにあるあかりサンのお顔を優しくつついていってね)にほんブログ村 ゴールデンレトリバー
Oct 22, 2014
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もともと風邪っぽかったのだろうか、今思えばあの程度の暑さでダウンするなど、今年の酷暑をのりきってきたカーチャンにはありえないことなのに、ちょっと体調悪し。それでもこの日は所用で銀行に行かなくちゃならず。用事だけ済ませ、すぐに家に戻ったところで、宅配便屋さんとバッタリ。そう、注文していたCDがタイミングよく届いたのだ。それじゃぁしばし横になりながら、届いたCDでも聴きますかね。あかりさんも一緒に聴く?最近、聴きたいと思えるアーティストがめっきり減っちゃって、そのせいかCDも買わなくなり古いCDをひっぱり出してきては聴く日々だったのだけれどいやぁ、気づきませんでしたよ、新作が出ていたことに。小野塚氏といえば、日本のフュージョン界で大いに活躍しているグループDEMENSIONのキーボーディスト。バンドとしての活動の他に、邦楽アーティストのキーボードや編曲などをてがけ、多忙ゆえか、1stソロアルバムが2004年に出て以来、なかなか次が出ないなと思っていたら・・・今年の7月に出ていたじゃないかっ。今頃気づいて慌てて買いましたとも。小野塚氏とは現在は全く親交はなくなってしまったけれども私にとっては、中学時代の音楽部の後輩であり、当時クラシック志向だった私をジャズ・フュージョン(当時はクロスオーバーっていってたけれど)の素晴らしさに気づかせてくれた重要な仲間のうちのひとり、ともいっていい。エレクトーン教室の発表会で一緒に演奏した際、当時小学生だった彼にサインまでもらっておいたのに(笑)(かなり長き間、大切に持っていたのに、度重なる引っ越しで紛失してしまったことは今でも悔やまれる)そんなわけで、当時から彼は将来「絶対に」プロになると思ってはいたけれどこうして今、彼のアルバムを手にしているとは。今回のアルバムタイトルは、Rera(レラ)。アイヌ語で「風」という意味。まさにその音楽のひとつひとつが、風のように爽やかに耳を駆け抜けていく。ピアノはべヒシュタイン独特の優しい音色ではあるけれども、音の粒が光のごとくキラめいていて。疲れたカラダを、そのまままるごと自然にもっていってくれるよう。今日のこのタイミングにこのCDが届いて良かった。ショパンやシューマンも好きだけれど、どっぷり聴き疲れしてしまうことも多いゆえそんな時こそ一服の清涼剤のごとく、小野塚氏のサウンドを聴くのがよろし。おっ、あかりさんもイイ音楽には笑顔も輝くね。【ポイント10倍】送料無料!!RERA小野塚晃【smtb-u】価格:3,000円(税込、送料込)今日も読んでくれてありがとうございマス。どうぞ応援ヨロシクお願いします!(下のバナーにあるハロウィンあかりサンのお顔を優しくつついていってね)にほんブログ村 ゴールデンレトリバー
Oct 12, 2010
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朝起きたら、雨だった。さすがに今日はドッグランには行けそうにないな、というわけで、オットとあかりは寝三昧。私はといえば、目が覚めてしまったので、久々にピアノの蓋をあけた。最近、なかなかゆっくり弾く時間をつくれず、折角の音楽室もすっかり宝の持ち腐れに。いや、あかりがどうも音楽室(の床のカーペット?)がお気に入りのようで、安心して大騒ぎできる場所になってしまった。そんな状態で以前練習していた曲たちがすぐに弾けるはずもなく、結局まずは全音のソナタアルバムをタラタラと弾き流すことから始めてみた。いやはや、当たり前のように弾けていたフレーズが、モタモタするほど腹立たしいことはないが、弾いていなかったのだもの、当然である。そんなこんなで1時間半、久々にダラダラと弾いて弾いて弾いて。あっ、もう昼だ!と2階の居間にあがってみたら、オットもあかりも起きていた。慌てて食事の準備をして、食べるだけ食べると再び音楽室へフラフラと。なんだか食べられる時に食べておこうという野生動物なごとく、弾けるうちに弾いておこう的なノリではないか(本来、ピアノはこんな姿勢ではダメなのは分かっている)。午後もずっとずっと弾き続け、3時間ほどが経過したところで、2階に上がってみると、あらまぁオットとあかりは爆睡中であった。そういえばこんなにゆっくりとした休日を過ごしたのは久しぶりではないだろうか。こんな時だからこそ、「そういえば、以前DVDを買ったまま、観ていなかったっけ」と棚の奥をゴソゴソ。そう、観ていなかったDVDというのは、映画「ピアノの森」である。2007年に上映された時に映画館で観ることが出来なかったため、DVDが発売されたと同時に買ったものの、ずっとずっと観る機会を逸してきた。今こそ観よう、ピアノの森。ピアノの森 プレミアム・エディション(特典ディスク付2枚組)「ピアノの森」は一色まこと原作の音楽漫画、子供の頃から将来はピアニストになるべく努力を重ねてきた雨宮修平と、幼い頃から自由奔放に森のピアノに親しんでいた一ノ瀬海の出逢いから話は展開する。映画では、彼らの出逢いからピアノコンクールへの出場、そして別れまでが描かれている。原作をずっと読んできた私の感想としては、「なんともまぁ小綺麗にまとめた作品だ」という印象が強い。というのも、もともとこの原作は青年誌に連載されていることもあってか、海少年が住む環境について表現しづらい面もあったのだが、それが見事なまでにそぎ落とされている。そして、雨宮修平については原作における闘争心的(ライバル心)な表現が和らぎ、好少年が前面に出ているせいか、雨宮と海のやりとりが実に爽やかに感じられたりも。それだけに、原作と比較してしまえばインパクト面は弱いのだが、心地よく観ることはできた。そして、これまた耳に温かく鳴り響くピアノの音色が、各場面をうまくもり立てている。オリジナルテーマ曲の存在、これは実際に曲を聴くまでは「折角のクラシックな音楽映画にわざわざオリジナルテーマを設けなくてもよいのでは?」と思っていたものの、いざ聴いてみたら予想をはるかに超えてしみじみと心に染み入るものであった。しかも、他のクラシック楽曲たちのなかでも浮いた存在でない、というのが大きなポイントだったりもする。それだけにエンディングに流れた松下奈緒さんの歌に「なぜ、ここでこれが?」。逆にインストゥルメンタルにしたほうが余韻も含めて良かったのではないかと、残念でならない。(私、松下奈緒さんが好きなだけに更に残念)映画をもりたてている最も大きな存在といえば、なんと世界的ピアニストであり指揮者でもあるアシュケナージ氏がミュージックアドヴァイザーであること、更に作品内でもピアノの演奏を手がけている。また、毎年受講しているショパンピアノ講座の講師である下田幸二先生の教え子さんたちもこの映画のピアノ演奏を担当しているという。ついついピアノの音色に耳を傾けたくなってしまうのは、これまた仕方がないのか。そして、のだめカンタービレ以来、「ピアノ、もっと弾かなくちゃ」という気分にさせられたのは久々なこと。DVDを観た後、再び1時間ほどピアノに向かったところで、「あっ、夕食つくらなちゃ」私がピアノと格闘している中、オットとあかりは雨上がりの夕暮れ散歩を楽しんできたらしい。音楽室の扉を開けて「外が夕焼け空だよ」と声をかけられ、屋上にあがってみれば空がほんのりと紅色に染まっていた。そんな空の下で風に吹かれていると、沸騰しかけていた私の頭がスーッと冷えていくのがわかる。久々に味わう心地よい疲れであった。【本日のピアノ弾き流しand練習】・全音ピアノソナタ集から適当に・クラーマー=ビューロー 1番and27番・バッハ平均律 2番3番5番いずれもプレリュード・シューマン 森の情景・ショパン ノクターン2番(Op.9-2)・ショパン バラード4番(Op.52)・モーツァルトピアノソナタイ短調 K.310 1楽章どうも練習を怠っているせいか、弾いている曲は1年前と何ら変わらないのが辛いところ。バラードに至っては生涯学習に値しそうである。でもまぁ好きな曲を練習し続けるのは、このうえなき幸せであることは確かだ。モーツァルトピアノソナタは、ピアノの森に触発されて・・・って、ピアノの森原作でのコンクール課題曲ではK.310ではなくK.280だったはず?。映画であえてK.310が採用されたのは、はて?あかりよ、明日はピアノの練習につきあってね。
May 25, 2008
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2005年ショパンコンクールで優勝したピアニスト、ラファウ・ブレハッチの「ショパン前奏曲集」CDが2007年10月に発売、2ヶ月後にようやく入手しておきながら、なかなかゆっくり聴く間もなく年が明けてしまった。今、ようやくCDを手にとり、期待に満ち満ちて耳を傾ける。ショパンコンクールでのブレハッチの演奏、それはまさしくショパンがよみがえったかの感動を聴衆に与えた。あの時の熱き思いが今よみがえる。ショパン:プレリュード全集/2つのノクターン作品62【収録曲】・ショパン:24の前奏曲 Op.28-1~24・ショパン:前奏曲 変イ長調 (遺作)・ショパン:前奏曲 嬰ハ短調 Op.45・ショパン:ノクターン Op.62-1,2・ショパン:マズルカ ト長調 Op.50-1■常に謙虚でそれでいてキラリと光る個性とゆとりこれは以前ブレハッチの1枚目のCDを聴いた時の言葉でもある。彼の演奏は決して若さゆえのガンガンイケイケといった派手な方ではない。どの曲を聴いても落ち着いて耳を傾けることが出来る安心感・ゆとりを持っている。だからといって地味とは違う。内なる情熱がわき出ていながら、それを激情のままに弾いてしまうようなことはしていないだけだ。それが安心感に結びついているのかもしれない。ひとつひとつの音に対して、フレーズに対して、常にいつくしみの心を忘れない、それが音となって表現されているのではないだろうか。例えば前奏曲8番のような、主旋律の付点進行に絡む32分音符のアルペジオは全ての音がまるで丸い雨しぶきのようであり、それは決して濁っておらず澄んでいる。プロの演奏者であっても、アルペジオが濁ってドロ水激流のようになってしまっているものもあったりして、それだけにこの曲の難解さを感じるのだが。前奏曲の9番は付点進行(主旋律)と3連符(伴奏部)があいまった重厚な曲であるが、付点進行と3連符を合わせて弾くか付点のほうが3連符より後に弾くか、演奏者によって異なり、興味深いところでもある。ちなみに、ブレハッチは付点進行と3連符を合わせて弾く派である。これは、エキエル版に準じたというよりも、ショパンの自筆譜を重んじたことによる、ということだとか(昨年のショパン公開講座で話題に出た)。注)パデレフスキ版は付点と3連符の位置がずれているのに対し、エキエル版では譜面上でも付点と3連符を合わせて掲載している。前奏曲16番も、譜面指定のペダリングだとどうしても重くなりがちだが、ブレハッチは軽快な演奏でそれでいて丁寧に音を紡いでいる。彼はまだまだ若きピアニストだというのに、その音楽性に青臭さを感じないのは、既にこの前奏曲たちをしっかりと自分のものにしているからだろうか。よくよく考えてみれば私は巨匠と呼ばれるピアニストたちの、ショパン前奏曲集をしっかり聴いていないではないか。私が所有するショパン前奏曲集はいずれも若手のピアニストたちのものばかり。特に女性陣の演奏はダイナミックで勝ち気さを感じるものが目立つ。それだけにブレハッチの演奏がドンと腰をすえたものに感じるのか。今更ながらポリーニ演奏の前奏曲集を聴かねば、と思ってしまった私は既にショパン道に乗り遅れ過ぎだ。おまけに、一時期ショパンの前奏曲集をプレエチュードとして弾き重ねていきたいと続けていたのに、結局数曲弾いただけで立ち止まったまま。生涯のなかで一体何曲触れることが出来るだろう。
Jan 12, 2008
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体調は最悪、起きあがるのも一苦労、そんななか、私の体調を癒すといったら「あかりの寝顔」と、そう、忘れてはならない「のだめカンタービレinヨーロッパ」。1月4,5日2夜連続でテレビ放映された、人気爆発のクラシック音楽ドラマである。毛布にくるまり、HDDプレイヤーのリモコンをモソモソと操作。さぁ、変態の森へGO!■のだめカンタービレinヨーロッパ 第1夜第1夜放映分は、のだめと千秋がヨーロッパへ留学、千秋の指揮者コンクールエピソードがメインである。多少オリジナル部分はあったりもしたが(特に峰などの国内面々の出演シーン)、原作をうまく描写しており、更に臨場感がある分、満足度もアップだった。実は今回のキャストのなかで心配だったのがターニャとフランクだったり。ところが、これがなかなかハマッているではないか。特にターニャ役のベッキー、強烈な印象ながら見事なターニャであった。また、フランクのオタク部屋も、実に凝った小道具ぶりが伺える。そこまで作る?と思わず感心してしまう。コンクール中に開催されたアニメフェスタはうまくかわしてしまうかと思ったら、これまた「そこまでやる?」といった表現ぶり。指揮者コンクールエピソードに関しては、多少時間的に足りなかった感がチラホラ見られるが、最後はうまくまとめたといった感じか。それにしても、片平さんの指揮はジャンプ箇所があんなにあったのか(少々しつこく感じられてしまったのは私だけか)。■のだめカンタービレinヨーロッパ 第2夜第2夜放映分、こちらは「のだめがコンセルヴァトワールで授業についていけない苦悩」~「千秋がシュトレーゼマンの演奏旅行で長らく旅に出る(すれ違い)」~「のだめに強力なライバルが出現?」~「のだめ初リサイタル」~「千秋ヨーロッパデビューコンサート」だいたいこんな流れであった。第1夜は割と原作の流れのままだったが、第2夜は原作の目立ったエピソードをかいつまんでつなげた形になっている。とはいえ、今回はのだめの苦悩が実に奥深く表現されていて、思わず涙を誘う部分もあった。特に、のだめが焦るがあまり己の演奏を見失ってしまったところは、原作では伝えきれなかった思いまでも丁寧に演じられていたように思う。そんななかオクレール先生とのだめの「もじゃもじゃ組曲」演奏は、とてもワクワクさせられるものだった。(楽譜が出版されないかな、なんて思ってしまったり)逆にリストの超絶技巧練習曲の4番マゼッパ、孫RUIの技巧派な演奏をのだめが真似て演奏するその音に青ざめてしまった。私自身、マゼッパをそれほど多く聴いている訳ではないのだが、のだめはまさしく「ガツガツ」という表現にふさわしい弾き方をしている。千秋もオクレール先生も呆然とするわけだ。(私はあのドラマを観た後、横山幸雄氏が弾くマゼッパを聴き直してしまった)そんな感じで、作品を彩る演奏たちもなかなかの凝りようであった。ただ、のだめリサイタルや千秋のヨーロッパデビューの演奏が原作とちょっと違っていたのが残念、まぁドラマを盛り上げるための選択だったのかもしれない。とまぁ感想は全くまとまっていないが、体調が悪いなかでついつい観てしまったゆえ、また改めてじっくり観直そうと思っている。しかし、テレビドラマとしてはかなり作り込んでいる作品だと改めて感じさせてくれた。それにしても、この作品を見ていると無性にピアノの前に走りたくなるのは、きっと私だけではないだろう。送料無料!のだめカンタービレ DVD-BOX【送料無料】ドラマ「のだめカンタービレ」新春スペシャルの音楽をたっぷり収録♪【CD】
Jan 7, 2008
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11月にDVDが発売され、すぐに入手した映画「神童」だが、観る時間がなかなかとれずじまいのまま、現在に至ってしまった。「神童」は、ピアノ天才少女うたと音大受験をひかえた浪人生のワオが出逢い、音楽を通して成長していくドラマ。もともと原作を読んでいた私は、今回の映画化を期待と不安が半々であった。ここのところのクラシック音楽ドラマブームにのっかっただけの作品だったらどうしよう、そんなふうにも感じていた。(のだめカンタービレのドラマ化が予想をはるかに超えて良かっただけに、つい比較してしまう)そんな複雑な思いを抱えながら鑑賞した「神童」は、当然のことながら原作とは多くの面で異なり、生々しい原作の進行をそぎ落として、どこかアンニュイな雰囲気が全体を包み込んだようなゆるりとした作品に仕上がっていた。勿論、ピアノの演奏はドキドキさせられもしたのだが、かんじんの主人公である「うた」の神童ぶりがいまひとつ描ききれていないような気がしたのが残念。また、本格的なクラシック映画というキャッチフレーズの割には作品のなかでクラシック音楽が登場する率が少なかった点、映画のなかでキーポイントとなる曲が、映画用に作られたオリジナル曲だった点がいまひとつ感情移入できない部分であった。とはいえ、主人公を演じた成海璃子、そして松山ケンイチにしても好演だったと思う。出来ることならば、同じ役者さんたちで原作をもう少し丁寧になぞってくれたら良いのに、と感じたのは私だけだろうか。個人的に、原作のクライマックス(耳がきこえなくなった後の「うた」の復帰コンサート)が好きなので、特にそう感じるのかもしれない。映画化された時点で、原作と比較せずにその作品そのものを楽しめば良いはずなのだが、原作を読んでいないと分からないエピソードがあったりすると、どうしても原作の知識を絡めながら観る羽目になる。そこが、映画の評価を微妙に変えてしまうことにつながるのではないだろうか。12月には映画「ピアノの森」のDVDも発売される。こちらも映画化するにあたって原作から変更せざるを得ない部分があったと思われるが、それが作品全体に影響せずに楽しめることを期待しつつ、DVDが手元に届くのを待つことにしよう。
Dec 11, 2007
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毎年楽しみしているヤマハ所沢店主催のショパン公開講座、今年もなんとか参加することが出来たので、復習がてら受講メモからかいつまんで、まとめてみよう。【セミナー名】ショパンを弾こう「ショパンの記譜」【受講日時】2007年8月30日 10:30~12:30【開催場所】ヤマハ所沢店【講師】下田幸二さん(解説) 高橋多佳子さん(ピアニスト)【概要】今回の講座はこれまでの楽曲ごと(例えばノクターン、バラード等)の解説とは異なり、ショパンの記譜についての勉強である。つまり、装飾音やペダリングなど、ショパンならではの演奏法、といった楽曲全般に関したものである。時代の流れによって、譜面の読み方においても少しずつ変化をみせているなかで、ショパンの時代はどんな解釈で演奏して欲しかったのか等、実に興味深いところだ。■装飾音について・バロック~古典派の装飾音講座はいきなりバッハの時代における装飾音から始まった。インヴェンション等のバッハ楽譜の巻頭末に目を通した人ならば何度か目にしているだろう「バッハの装飾音表」(トリルやモルデント、カダンス等といった各装飾音の奏法)の解説から、話はモーツァルト時代にまで及ぶ。私自身、モーツァルトのソナタはかいつまんで弾いたに過ぎなかったため気にとめていなかったのだが、ソナタK.310以前のトリルにおける後打音は全て書かれていないものの、K310以降のソナタでは後打音を記載するようになったとか。モーツァルトのピアノソナタの楽譜を見ると分かるように各所に装飾記号がちりばめられており、これをどのように弾くか悩んでしまうこともあったり(って私だけか)。が、そんな人にも嬉しい楽譜が全音から出版されているらしい。というのも、装飾記号部分が全て実音で掲載されているのだ。これは一度見てみたい楽譜である(モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 第1巻・第2巻/S・サディ編)全音 モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 第1巻〔S・サディ編〕と、話はここでショパンへと進む。・ショパンの装飾音まずショパンの装飾音というと、楽曲によっては装飾音の弾き始めと伴奏部を点線で記載されているものもあるが、基本は拍始めに合わせて演奏される。また、トリルの開始音については→前打音がトリルの主音と同音だった場合は主音から開始 (前打音ド 主音ドだったら、ドレドレドレ・・・)→前打音の記載がないトリルも主音から開始 (前打音無し 主音ドだったら、ドレドレドレ・・・)→前打音が数音の固まりで、その最後の音が主音と同じ場合は上から (前打音ドレ 主音レだったら、ドレミレミレ・・・)→前打音が主音より上だったら上から開始 (前打音レ 主音ドだったら、レドレドレド・・・)■アルペジオについてノクターンロ長調Op.62-1の67小節を例に、1音目の大きな括弧について「これはアルペジオです」なる解説。アルペジオというと波腺が普通であるが、まれに括弧表記のものが登場する。■アクセント・ディミヌエンドについてショパンの楽譜には幾つかの曲についてアクセントなのかディミヌエンドなのか疑いたくなる表記がある。実際に、楽譜の版によってアクセント表記のものがディミヌエンドになっていたりするこどかあるのだ。講座内では軍隊ポロネーズの41小節からを例に、ヘンレ版とパデレフスキ版の違いをあげていた。また、ディミヌエンド表記についても、単に音量を落とすというものではなく、ふっと自然に消えるような、それこそ息を抜くような、そんな情緒的な意味で用いられる場合もあるのではないか、ということだ。■三連符ここでいう三連符の解説というのは、三連符に絡むメロディーに付点進行がある場合、どう弾くかというニュアンスのものであった。ここでの譜例はプレリュードホ長調Op.28-9、三連符の伴奏にメロディとバスが響くドッシリ感溢れる曲である。冒頭から三連符伴奏に付点進行(付点8分音符+16分音符)の主旋律が絡む場合、パデレフスキ版などの譜面どおりに弾くと三連符の3音目の後に16分音符が入る格好になるのだが、エキエル版においては三連符の3音目に16分音符を合わせて弾くように掲載されているらしい。これだけでも随分と曲のイメージが変わってしまうが、どうやらエキエル版は自筆譜の意向に沿ってそのように掲載したということだ。(このような話を聞くと、自筆譜をもっとじっくり見てみたくなるものだ。)■ペダリングショパンは比較的細かくペダル指示を記載した作曲家だったそうだ。原則的に指示は守って弾きたいところだが、例えば拍終わりに指示されたペダル踏み替えをあまりに従順に守り過ぎると、踏み方ひとつで流れを切ってしまうこともあるので要注意。その他、エキエル版が他の版と異なるエピソードを幾つか。なかでも、エキエル版においてはソナタ2番第1楽章リピート位置が他の版と異なっており、冒頭に戻るのだ。(他の版は数小節後から)。今後、どちらでの演奏が増えていくのだろうか、興味深い。GYM2896 ショパンピアノ・ソナタ集/エキエル版(英語版) (PWM)...さて、この日の演奏は前回と比べて少ないのが残念だった。講義の途中でモーツァルトのピアノ協奏曲第17番2楽章をピアノ2台で、最後に即興曲第1番。即興曲第1番は、高校時代にレッスンを受けた曲でもあったので、とても懐かしい思いで聴いていたのだが、私が弾くものとはあまりにかけ離れた美しさに、ただただ感激するばかりであった。今回の講義のなか、バラード第4番223小節以降の演奏法が話題にあがったことは、なによりも嬉しかったりする。というのも、223小節以降数小節にわたり、右三連符・左付点進行が続くのだが、付点進行タッカ タッカ・・・に三連符タタタ タタタ・・・の1,3音を合わせて弾いても何ら問題がない、というのだ。ゆっくり弾けば譜面どおりに弾けるものの、テンポをあげていった時にどうすればいいのだ?とずっと疑問に思っていたことだったりする。(レッスンを受けずに独学でやっているから、いつまで経っても出来ないのだ、なんて突っ込みがどこからか飛んできそうだ。)それにしても、久々にピアノの世界にどっぷり浸かることが出来た半日であった。お留守番をしてくれた家族とあかりに感謝せねば・・・というわけで、ありがとうの意をこめて、帰宅してからドッグカフェへ。
Aug 30, 2007
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あかりが落ち着くまでは自分の楽しみは後回しにしようと覚悟していた。それとなく、オットにも「そろそろショパンの公開講座の時期(毎年、夏になるとヤマハ所沢店でショパンに関する公開講座が開かれているのだ。今年も8月30日に開催される)なんだけどなぁ」と言ってみても、反応は鈍い。こりゃ今年は諦めるしかないかな・・・と思っていた。ところがある晩、オットが会社から帰ってくると「会社の夏休みはどうしても8月中にとらないといけないんだって。9月にゆっくりとろうと思っていたのに」と残念そうにつぶやいた。8月中・・・?土日を絡めると必然的に8月の最終週に休みをとる、ということか。あぁ、神様は私を見捨てなかった。オットが8月29,30,31日と休みをとるため、私は大手を振って30日のショパン公開講座に行けることになったのであった。ゆるせ、あかりよ。父ちゃんと一緒に留守番していておくれ。まぁあかりからしてみれば、父ちゃんさえいれば何の問題もないので、久々にピアノの世界にどっぷりと浸かることにしよう。今回のショパンの講座はこれまでの「ノクターン」や「バラード」といった楽曲ごとのテーマとは異なり、「ショパンの記譜」について取り上げるらしい。ショパンならではの楽譜の読み方など、演奏するにあたって実に興味深い内容である。講師はお馴染みの下田幸二さん、そして憧れの高橋多佳子さん。実に楽しみである。受講レポートは、時間がかかるかもしれないが、なるべく掲載したいものだ。
Aug 21, 2007
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少々ぬるま湯気味な我がピアノ熱、これはいかんぞ、とやかんのお湯の如くフツフツと沸騰させようと思い、先日放映開始されたアニメ「のだめカンタービレ」Lesson01をようやく観てみた。おっと、アニメ版「のだめカンタービレ」は2007年1月11日深夜よりフジテレビの「ノイタミナ」枠で放映。昨年秋のドラマ化ですっかり有名になった"のだめ"ゆえ、アニメの方も観る人はかなり増えたのではないだろうか。しかもかなりの期待をこめて・・・というわけで期待の第1回目は、千秋の子供の頃の回想シーンから始まり・・・おや、これはドラマ構成と一緒かと思いきや、ほどなく原作の流れに入っていき、あの"のだめ"との衝撃的な出逢い、そして、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ ニ長調 KV.448」のエピソードまでが話の中心であった。私はのだめのドラマ化が決定した当初、ドラマ化よりもアニメ化のほうを強く望んでいた。しかし、しかし、どうしてだろう。ドラマのほうが「のだめワールド」を強くイメージづけているような気がしてならなかったのだ。理由はわかっている。ドラマのだめを演じた上野樹里チャンがあまりにのだめの変態チックな部分をうまく表現していたので、アニメのだめがあっさりし過ぎているのだ。いや、アニメ版を先に見ていたら、きっとそれなりに受け入れていたのだろうが、今となっては少し物足りなさを感じてしまう自分が・・・コワイ。それと演奏シーン、鍵盤と手のクローズアップの際には忠実に動きを再現しているというのに、人物が絡むシーンにおいては静止画像が結構多い(そのバックで音楽だけが流れるというのは、少々安っぽい描き方ではないか?)。ドラマがきっかけでのだめ好きとなってくれたオットも、それなりに期待してこのアニメを観ていたようなのだが、終了後ひとこと「ドラマのほうがよかったな(ぼそっ)」あぁ、アニメ化を強く望んでいた私としては、その一言だけは口がさけても言いたくなかったが、まぁ今後にもう少し期待してみよう、と思うのであった。そうそう、エンディングのテロップに「おなら体操」の作曲が「野田恵」(つまり、リアルのだめさん)と書かれていたのには思わず「お~」と声を上げてしまったり。この「おなら体操」はドラマ放映でも使われていた曲だが、ドラマのエンディングテロップには登場していなかったので(わざわざ確認したのは、私ではなくオットであった。既にマニアだ)、アニメ版も芸が細かいな、と思わずニンマリ。って、ま、まさか、CDかDVD化の予定でもあるのか????アニメ版のオープニング曲は「Allegro Cantabile」(SUEMITSU & THE SUEMITH)、そしてエンディング曲は「こんなに近くで...」(Crystal Kay)。エンディングのほうはベートーヴェンの交響曲第7番をフィーチャーした曲。で、実際に聴いてみたところ、(本当に本当にごめんなさい)個人的な感想を言ってしまえば、オープニング・エンディング共にドラマのほうが映像・音楽共に華やかさたっぷりだったせいか、アニメ版は地味に感じてしまい、ついつい聴き流してしまった。結局、ピアノ熱の沸き加減がいまひとつだったため、ドラマ版のだめカンタービレの学園祭シーン(Sオケのラプソディ・イン・ブルーとAオケのラフマニノフピアノ協奏曲2番)を観て、心熱くしたのであった。さぁ、明日はピアノ弾くぞ!!(明日も、と言いたい)
Jan 13, 2007
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最近オットがやたら「次の"のだめ"はまだ?」と言う。今クールのテレビドラマのなかではかなり楽しみにしてくれている存在らしい(って後は、Dr.コトーと僕の歩く道しか観ていないが)。しかし、ここのところずっと夜中0時近くに帰ってくるオットは、とてもじゃないがノンビリとテレビを観ている時間はない。というわけで、私だけがこっそりと先に「のだめ第3回放映分」を観てしまったのであった。あぁ、ごめんよ・・・今回のお話のポイントは・千秋がSオケの副指揮者、いや、騒動から正指揮者へ・Sオケのコントラバス担当桜ちゃん、貧乏と闘うお話だいたいこのあたりがメイン進行となった。私自身、第1,2回は結構浮かれ気分で熱く観ていたのだが、どうも第3回あたりから少しずつ冷静さを取り戻しつつある。と同時に気になる点が見え始めてきたのも事実。でも、頭が固いままで観てはいけないドラマだな、と思い直す。だって、あくまでギャグドラマなのだ、これは。それでも、やっぱり気になるのは、千秋にしてもミルヒーにしても、どうしても指揮っぷりが気になってしまう。ピアノ演奏と違って映像マジックでごまかしがきかない指揮は、特に役者側に全てがかかっている。それだけ責任が重い役でもあるのだが、あの状態のままでは「観衆を魅了する指揮者」と称するのは"少々"難がありそう。どうしてだろう、指揮者のオーラのようなものを感じないから?うまく表現できない自分も、まどろっこしい。しかし、第1回のヴィエラ先生の指揮には安心感・安定感があった(ヴィエラ先生を演じていた方が、正真正銘の指揮者であることは、後になって知ることになるので、当時ドラマを観ていた時は先入観は無かったハズ)。決して比較してはいけないのだろうが、今後に期待・・・したい。でも、でも、やっぱりドラマのなかで、のだめがピアノに向かってくれないと、どうもいまひとつ自分も盛り上がらないのは、やはりピアノ弾きとしてはどうしようもない宿命?ピアノといえば・・・とうとう楽譜たちも、引越段ボール箱に詰め込む日がやってきた。今、練習している最低限の楽譜のみを手元に残し、可愛い楽譜たちは全て段ボールのなかに押し込まれてしまったのである。この楽譜たちが、次に明るい場所に出られるのは、何時の日のこと??(って、たった数週間後ではないか。それまで我慢していてね)というわけで、結局引越までの数週間、練習できるのはクラーマー=ビューローとバッハの平均律、フランス組曲、シューマン数曲、そして最後にひっそりとショパンのバラードくらい。だいたいこれだけ手元に楽譜を残していたって、まともに練習できていないのに。
Oct 30, 2006
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毎週月曜日のお楽しみといえばドラマ「のだめカンタービレ」。第2回(10月23日放映)のポイントはといえば、・のだめと峰のソウルフルなベートーヴェンヴァイオリンソナタ「春」・のだめと真澄ちゃんの千秋争奪戦、ただし両者あえなく撃沈・天才千秋、しかし、まだ何も報われてはいない・・・?(指揮者の夢)・ミルヒーは原作以上に「変人度」爆発なかでも、のだめと峰のヴァイオリンソナタ「春」は、熱かった(熱すぎてぶっ飛び過ぎ?)。ノリノリでキュイ~ンな音色な「春」なんて初めて聴いた。そんな演奏を聴き、千秋はドラマの中では「おまえらの"春"は梅雨だ」と言ったが、実は原作では「正月」と表現している。はて、この違いは何??私には「燃えたぎる夏」にきこえたゾ。といってもある意味、峰は己のなかの"春"のイメージ「光る青春の喜びと稲妻」どおりの演奏をしっかりしているように思えたり。が、試験で峰と千秋のコンビで演奏したあの春は、ちょっとバランスが悪かったようにも感じられるのは、私だけ??原作では幾つかの別々のエピソードを、ドラマではうまく混合させて展開させているので、原作のテンポより更に急ピッチで進んでいきそうだ。あぁ、ドラマを見終えてから、頭のなかを「春」が回る回る。チャーン チャラリラチャラリラ チャーン チャラリラチャラリラ チャーンチャ チャチャチャチャ チャーンチャーン♪気が付けば、洗い物をしながら口ずさむ、トイレで口ずさむ、寝ながら口ずさむ、そんな自分がいる。今回のドラマエピソードは以下の巻が原案となっている●ベートーヴェンヴァイオリンソナタ「春」をめぐるエピソードのだめカンタービレ(#1)●のだめ・真澄ちゃんの千秋争奪戦エピソードのだめカンタービレ(#2)
Oct 24, 2006
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10月16日から放映開始のフジテレビ月9ドラマ「のだめカンタービレ」、ようやく録画した第1回分を観ることが出来た。あんなに楽しみにしていたのに、なかなか落ち着いて観る時間がなかったのだ。って、思いっきり「出遅れ組」になってしまったではないか。ドラマは千秋真一の子供時代から始まる訳だが、いやはや、予想以上に原作の流れがしっかり組み込まれているのにはビックリ。千秋の子供時代を演じていた男の子が実に良い味を出している。当初、イメージが違うかな、と思っていた千秋役の玉木宏さんも、いざこうしてドラマを観てみると違和感なし。それ以上に、のだめ役の上野樹里チャン、まさしくあれは「のだめ」だ・・・それにしても、コメディを映像化すると、結構わざとらしくなってしまい、その効果にしらけてしまうこともあるのが心配だった。まぁ、演出に漫画チックなCGを使ったり、飛行機事故表現をリアルとはかけ離れた映像にしてみたり、このあたりにこのドラマにおける演出路線をかいま見たような気がする。さてさて、かんじんかなめの音楽のほうだが、きっとこの第1回ドラマを観てベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」を弾きたくなったり、はたまた、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」ニ長調 KV.448を誰かと合わせてみたくなったピアノ弾きさんが結構いるのではないだろうか。いいないいな、モーツァルトって楽しそうだな、ついつい画面に見入ってしまった私。ということは、つまり、すっかりドラマのなかの音楽に魅了されてしまっていた、ということだ。その点、これからも安心して見続けることが出来そう、とニンマリ。これまで、のだめカンタービレの原作を読んだことがないオットも今回のドラマを観て「えっ、これ、面白いよー。原作読んでみたくなっちゃったよ」とかなり絶賛している。私にとってはこれがかなり嬉しかった。やっぱり自分が好きなものを、同じように好きになってもらえるってことはこのうえなく嬉しいことだし、これからも原作もせっせと買いやすい!このドラマのおかげで、我が家にもう一人、「のだめ」好きが増えてくれたようだ。のだめカンタービレ(#1)▲原作をまだ読んだことが無い人はとりあえず1巻を読んでみよう〔送料無料キャンペーン中〕のだめオーケストラ 「のだめオーケストラ」LIVE!-CD-(11/15)▲ドラマにも登場するのだめオーケストラのライブCDが11月に発売!!ただ、今のオットには「のだめ」よりも「ねだめカンタービレ」な気分らしい。ここのところ多忙な業務続きで、毎日帰宅は23時過ぎ。遅い夕食をとってから寝るのは毎日3時近くとなれば、必然的に慢性睡眠不足である。たまの休日は、寝だめしたいのだ。といっても、それも叶わず・・・こうしてドラマを観た影響は少なからず私にも良い方向に表れ、少ない時間ながらもピアノに向かっては日々戯れている。バッハの平均律2番プレリュードも楽しく弾けるようになってきたし、良い指慣らし代わりにもなってくれている。そのせいか、ここのところ、クラーマー=ビューローの練習はストップ状態だ。シューマンの「森の情景」は、結局全曲弾きかじる羽目になってしまった。しかも、後回しにしていた曲たちは、割ととっつきやすい曲ばかりで仕上がりにもそれほど時間はかからなさそうだが、以前から練習していた曲のほうがいまだ暗中模索状態。全曲通して弾いてみると、自分の苦手分野が改めて浮き彫りになる。私はやっぱり重音が苦手だ。和音掴みも美しくない。重い、重い課題だ。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】●バッハ 平均律第1巻#02#02前奏曲:プレスト部分はまだプレストとはいえないが、全体的に形は出来てきた。ただ、まだまだ練習曲っぽい弾き方になってしまうのが辛い。●バッハ フランス組曲 全曲全曲:弾きこみ●シューマン 森の情景 Op.82全曲#01森の入口:弾きこみ段階#02待ち伏せる狩人:両手ユニゾンがビシッとしていない。和音連打に関しては全体的なテンポを少し控えめにしてとりあえず様子をみる。#03孤独な花:上声、内声の動きを感じて。#04呪われた場所:とりあえず譜面どおりに弾く段階#05こころよい風景:所々登場する装飾符をもっと綺麗に入れよう。#06宿:譜面どおりに弾く段階#07予言の鳥:弾きこみ段階#08狩の歌:結局、この曲が私にとっては最も上達しにくい曲となってしまったか。和音が綺麗につかめていないまま、現在に至っている。#09別れ:弾きこみ段階●ショパン バラード第4番久々に練習してみたら・・・・無惨であった。この無惨な状態を一体何度繰り返すことだろう。早く落ち着いて練習できる日が来ることを祈りながら、今は耐えるしかない。
Oct 19, 2006
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8月31日は前々から楽しみにしていたショパン公開講座。ヤマハ所沢店での「ショパンを弾こう」講座は毎年1回テーマを絞って開催している人気講座であり、私も昨年から受講しはじめた(昨年はバラード編)。今年のテーマは「ノクターン」、これまたかなり興味深い。というわけで、朝早くからせっせとヤマハ所沢店に出向いたのであった。今回は、ピアノ友人であるゆみろまんさんも講座に参加するということで、一緒に並んで受講である。更に昨年会場で知り合ったピアノ弾きIさんとも再会だ。思えば昨年は台風の影響で所沢まで行けるかどうかも心配したのだが、今年は実に良い天気。まさしくセミナー日和である。それでは昨年同様、まずはセミナー概要から。【セミナー名】ショパンを弾こう「ノクターン編」【受講日時】2006年8月31日 10:30~12:30【開催場所】ヤマハ所沢店【講師】下田幸二さん(解説) 高橋多佳子さん(ピアニスト)【概要】今回は、ノクターンを通してショパンのルバートとカンタービレの秘密についてたっぷりと解説。そしてピアニスト高橋多佳子さんによるノクターン第3番、13番の演奏。■ノクターンとは?下田氏によるノクターン第1番(Op.9-1)の演奏。演奏が終わると、いよいよ講座の始まりだ。いきなりだが、ノクターンとは何か、それを説明するのは難しい、と下田氏は語り始めた。ポロネーズやマズルカ等のリズム的特徴がある訳ではないのだが、いわゆる「歌があって、そして叙情的。右手の歌う旋律に対し、左手側が伴奏をなす」がノクターンの基本である。そしてノクターンに必要なのは「演奏自体に歌があること」「歌うことと技巧は切り離して考えてはいけない」。確かに一般的に「表現面」と「技巧」はついつい切り離して考えがち。しかし、ある表現を出すためには技巧面が大いに関係する。(存分に歌ったつもりが、実はひとりよがりで単なる本能的な演奏になってしまっている、ということは多々あるのだ)そして、ノクターンを演奏するにあたって切り離せないのが「カンタービレ」と「ルバート」。■カンタービレカンタービレ、この言葉は音楽に携わる者、そうでない者にも既に聞き慣れた言葉となったが、音楽用語で「歌うように」。まず、歴史的背景から話は始まり、そしてカンタービレに弾くためのポイントについて話は続く。・レガート「歌うように」、しかし、ピアノで「歌」そのものを再現するのは実は非常に難しい。つまり、声楽や他の楽器においてしばしば使われる「発声後に音をワーっと膨らませていくこと」と「ポルタメント」、これをピアノで表現するのは困難である。しかし、レガートを使うことで、ピアノでも上記の表現にもっていくことが出来るのだ。・タッチここでは実際にノクターンを弾きながらタッチの多様性について学ぶ。例えば、ノクターンOp.9-1の第3小節などに用いられているスタッカート、ここはいかにはかなく弾くかがポイント。また、タッチの硬軟についてはノクターンOp.9-2を例にして弾き比べてみる。このノクターンを硬いタッチで弾いたらどうなるか、もはやそれはノクターンではない・・・と私ふゆのほしも思うのであった。・フレーズの入り出下田氏の言葉「フレーズの最初にアタックを付ける付けないについては、ふさわしい場所にふさわしい使い方をすること」、これは簡単なようであって実は簡単ではない。その曲をどのような意思をもって弾きたいか、十分に分析できていないと、判断できない人も少なからずいるのではないだろうか。・ディナーミク旋律の上下行における強弱の使い方、リズム、和声などについてカンタービレを学ぶ。特に「強弱の指示がないものでも、和声を分析することで微妙な強弱をつけることが出来る」といったことに、今更ながら深く納得させられる。(私個人的にも、和声の大切さについては、昨年の講座「バラード編」でも感じていたのに、あれから1年、ほとんどまともに勉強できないままでいる自分を反省するしかない。)■ルバートルバートというと、ショパンの演奏に密接な関係をもつ演奏法。特にショパンのルバートの場合、基本となるテンポはそのままで、あくまでもそのなかで各音の配分に変化をもたせる、といった解釈のようである。ただ、下田氏が言うには「時と場合によっては、テンポ全体を揺らさなければならない事もある」とのこと。「ショパンのルバートはこうだから」とあまり頭を硬くしてしまっては、表現力も半減してしまうのかもしれない。それにしても、非常に興味深かったのはルバートの要素として「メロディの距離感」があげられているところ(バラード1番のテーマを例にあげて実際に試してみる)。その他、バラード4番冒頭をメトロノームに合わせながらルバートの有無を実験した。■高橋多佳子さんのノクターン演奏今回、高橋多佳子さんが演奏されたノクターンは第3番Op.9-3、そして第13番Op.48-1。いずれも私にとっては練習途中だったりする曲だったゆえに、今回の選曲はとても嬉しかった。高橋さんの演奏を聴いてふと思うのは、「切なさのなかにピーンと筋が通った演奏」と感じること。各曲でのウナコルダの活用や、第13番のクライマックスの奏法など、間近で聴きながら非常に勉強になった。ちなみに高橋さんが最も好きなノクターンはといえば、第17番Op.62-1だとか。後期の名曲である。■今回の講座を受けて今回の講座は、昨年受講したバラード編よりも非常にリラックスした空気が会場に流れていた。というのも、下田・高橋さんコンビがまさしく夫婦漫才の如く楽しい会話を繰り広げてくださったことにあるのかもしれない。また、上記の他に、ノクターンを作曲した背景にあるショパンの生涯を織り交ぜながら、ノクターンの各曲における軽い解説もあったりと、楽しく、且つ充実した講座であった。◆ ◆ ◆ ◆ ◆講座終了後は、ゆみろまんさんとIさんと一緒に食事をしながら、ピアノ話なひとときを送る。やはり、こうして身近にピアノを弾く友人がいると、とても心強く、また嬉しくもある。更にゆみろまんさん宅にまでお邪魔させて頂き、ピアノ勉強会(講師ゆみろまんさん、生徒ふゆのほし(笑))が繰り広げられた。懸念事項だったノクターン13番のクライマックスの奏法、教えて頂いて本当に感謝感謝!である。そして、ゆみろまんさんが弾くバラード4番を聴いて、幸せの骨頂に。ピアノって、ピアノってやっぱりステキ。この日はそれを改めて実感できた、そんな1日だった。ショパン : ノクターン集/パデレフスキ版第7巻(PWM社日本語ライセンス版)
Aug 31, 2006
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2005年秋にテレビ放映された「題名のない音楽会」ショパン特集、そのなかでスタニスラフ・ブーニン氏がショパンのバラード第4番を演奏していたことを思い出した私は、久々に録画したDVDを引っ張り出してきた(当時の番組レポートは、2005年9月11日の日記 題名のない音楽会~ブーニンのショパン特別レッスン編~を参照して欲しい)。バラード4番を本格的?に練習して以来、プロのピアニストの演奏を聴くことを封印し、己の貧素な解釈のもとに練習をしてきたのだが、そろそろ様々なピアニストのバラード4番の演奏が聴きたくなってきた。昨年、ブーニン氏のバラード4番を聴いた時には、まだ自分がこの曲を練習するだなんて考えてもいなかったため、逆に純粋に演奏そのものを楽しめたのだが、改めてこうしてじっくり聴いてみると、あの頃はかなり異なった印象を受ける。「な、なぜこの場所をこんな激しく?」「上声を意識し過ぎるよりもハーモニーそのものを楽しむのも、またひとつの手なのか」などと考えさせられたのだ。・微妙な強弱表現譜面上にも割と細かく強弱表現が記載されているが、それ以外においても進行の「型」にそって微妙な強弱をつけたり、ひとつのフレーズの終止で呼吸をつくような、ブーニン氏はそのような表現も大いに取り入れている。これについては、昨年度のバラード公開講座でも同様のことを耳にしていたため、改めて「実践せねば!」と心に刻みつけた。・えっ、ピアニッシモなのに激しく?38小節から45小節にかけては、テーマ後に現れる「静」の部分である。右の静かな和音進行に左のオクターブ進行がまるで穏やかな時が流れるような調子とでもいおうか、そこをブーニン氏はピアニッシモから早くも激的な流れで盛り上げていっている。ある意味、独自の感性に基づく表現であることをしみじみと感じさせられる。(しかし、ここは自分の感性の方を大切にしようと思ってしまった・・・)・上声重視よりもハーモニー重視?58小節から内声を絡ませながら再びテーマ登場。私にとって最初の悩みどころがココ。個人的には上声である旋律を前に出し、内声は後部で静かに響かせる、という流れでいきたいところ。それが出来ずに、いまだずっと苦しんでいる。一方、ブーニン氏はというと、割と内声側も主張しており、重なり合う響き重視という感じを受けたりも。うーむ、ここは一体どうすれば良いのか、と更に悩む羽目になってしまった自分。(だからむやみにプロの演奏に振り回されるな、ということなのか・・・)・左のスケール的進行のペダリング後半部、169小節からは左伴奏側がスケール的進行(上行)と分散音型を組み合わせながらクライマックス部に徐々に近づいていく箇所。私が最も好きな箇所である。しかし、特にスケール進行部におけるペダリング、これも非常に悩ましい。パデレフスキ版譜面においては各小節はじめにサクッとペダルを踏むだけであとはノンペダル。左側の流れとしてはそのままでいきたいところなのだが、右側の進行を考えるとやっぱりペダルが欲しいところ。ブーニン氏はどうしているのかな、と耳を傾けてみると、全体的にわずかにペダルを使用しているようにきこえる。小節始めはグッとペダルを使い、ハーフペダルで響き調整をする、こんなふうにしてみると良いのだろうか。今更ながらペダルの難しさを実感している今日このごろ。・とことんエネルギッシュ「題名のない音楽会」におけるブーニン氏演奏のバラード4番をご覧になった人はきっと思い出すであろう、あの汗しぶきを。あれは本当にすごかった。ブーニン氏の演奏スタイルをみていると、特にオーパーアクションをすることもなく、肩をすぼめて地味な弾き方にもみえるのだが、バラード4番のクライマックスは実にエネルギッシュ。テンポもめまぐるしい速さ。久々にプロの演奏をじっくり聴いた後の第一声は、「どうして私ったら、この曲を練習してしまったのだろう」「自分にはまだまだ高嶺の華だった・・・」現実は厳しいのだ。そういいながらも・・・ショパンバラード4番だったら、このピアニストの演奏を聴け!といったそんなオススメがあったら、是非是非教えて欲しい。
Jul 11, 2006
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金曜日の夜といったら、テレビ番組「たけしの誰でもピカソ」。いや、テレビのチャンネルをあっちだこっちだ変えていたら、「大人のためのギター教室」と題し、タレントのヨネスケがギターに挑戦する特集を放映していたのである。そういえば、以前は「ピアノに挑戦する」特集も組まれており、これまた偶然にも観た記憶がある。どうやら「大人のための挑戦シリーズ第二弾」っぽい。ヨネスケが練習に練習を重ね、スタジオでギター演奏(曲は確かミッシェルだった)を披露する姿に、いいようもない熟年パワーを感じたのはいうまでもない。そしてそのヨネスケを指導した講師 菅原しのぶさんの言葉、これがなかなか印象的なので思わずこの場で紹介したくなってしまった。それが音楽の心得(っと私が勝手に命名してしまったが)ドレミファソラシ!・ド・・・・・・努力・レ・・・・・・練習・ミ・・・・・・耳・ファ・・・・・ファミリー・ソ・・・・・・ソウル(魂)・ラ・・・・・・楽観的・シ・・・・・・師匠ギターに限らず、ピアノだって、その他の楽器をするにしても、心得として頭に入れておくと良さそう。それにしても、何歳になっても「挑戦するパワー」ってステキだ、と本当に思う。そんな気持ちを自分もずっと持っていたい、改めて感じさせられたひとときだった。ある程度、年を重ねたらまた何かに挑戦してみたいな、と思うこともある。といっても、何かに挑戦するならばそれなりの体力も知力も必要だし、それだけの身体を維持していけるだろうか、ふと不安になったりも・・・。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】ショパンバラードに時間をとられて他の曲はおろそか気味(基礎練習省略)●クラーマー=ビューロー60練習曲 #28,#29#28:3度の練習。とりあえず本日でひとまずおしまい。おさらいモードに追加するか悩み中#29:重音練習。手首の使い方がまだまだいまひとつなのか。重音が浮つき気味な部分がある。#28で学んだしなやかさがまだモノに出来ていないのか。●バッハ フランス組曲第5番 アルマンドアルマンド:とりあえず形にはなったものの、伸ばすべき音、切るべき音がいまひとつ明確でないため、横の流れが悪い。そのあたりを解決していこう。●ショパン バラード第4番 Op.52128小節までを重点的に取り組む。56小節以降の旋律と内声の動きが一緒くたになってしまっている。この内声に限らず、どうも旋律に対して伴奏部が出しゃばり過ぎになりがち。各所に登場する重音もクラーマーでの重音練習同様に浮つき気味なので、十分に練習をすること----------------------------------------------------本日の弾きこみ曲●シューマン 花の曲 Op.19---------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #24,27(両手),#8,#22(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型),#20(左分散音型)●バッハ フランス組曲第1番 全曲
May 26, 2006
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父に録画してもらっていた鈴木弘尚氏のピアノリサイタルの模様を、今ようやくゆっくり観ることが出来た。番組で放映されたのは、ちょうど私も実際に聴きに行った昨年9月22日紀尾井ホールでのリサイタルゆえ、こうして改めて観ていると、あの時の感動が再びよみがえってくる。直接訪れた際も、席はかなり前でしかも鍵盤が非常によく見える位置を確保していたのだが、いやぁ、テレビの力ってやっぱりすごい。こんなに間近で指の動きや演奏表情を観ることが出来るのだもの。画面いっぱいに映し出された鈴木弘尚氏の鍵盤さばきにしばしウットリ。会場で聴いている時よりも冷静な耳で聴けるのだが、それだけにあの心の高揚と臨場感はやっぱり生演奏でしか味わえない、それを大いに実感してしまった。ただ、交響的練習曲の練習曲VIあたりからちょっと疲れがみえてきたような気がする。会場で聴いていた時には気付かなかったのに・・・。といっても、アンコールのアルゼンチン舞曲は、あれほど大曲たちを演奏してきた後だというのに、疲れも吹き飛ぶ熱い演奏に思わず踊り出したくなってしまうほど。思えば、アルゼンチン舞曲に惚れたのも鈴木弘尚氏の演奏がきっかけだった。放映された演奏は以下の曲たち・ラフマニノフ 練習曲「音の絵」からOp.33-2,Op.33-5,Op.39-9・シューマン:交響的練習曲 Op.13・ヒナステラ:アルゼンチン舞曲から「はぐれ者のガウチョの踊り」あぁ、まずいぞまずいぞ、交響的練習曲を聴いているとまたまたシューマン愛がふつふつとよみがえってしまいそう。思えば今年はシューマン没後150年、シューマンイヤーではないか。今年は堅実に練習を進めようと思っていたけれど、やっぱり徒然なるままに譜読みしたい病が再発しそう。本格的な春になったら、今年はシューマンの「花の曲」あたりを譜読みしてみようかな。(ここで交響的練習曲を、と言えないあたりがいかにも私らしいか)◆ ◆ ◆ ◆ ◆それにしても、こうしてプロの演奏をじっくり聴いていると、いかにひとつひとつの音を、フレーズを愛しんでいるか、という思いが伝わってくる。普段から常にそういう気持ちをもってピアノに向かおう、と思っているはずなのに、ついつい日々の練習では技術面でアップアップになってしまい、演奏に余裕がなくなってしまう。音を愛する気持ちを忘れないで・・・今日もまた自分に言い聞かせよう。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】(基礎練習省略)●クラーマー=ビューロー60練習曲 #26,#27#26:手首の上下運動。12小節の左32分音符進行の休符部分がリズムよくいかない。13~16小節の右進行が大きくつまずき気味。要部分練習。#27:両手レガート練習。左側進行がまだ甘いため、今日はスタカートにて繰り返し練習。ヘ短調に転調する部分でいまだつまずく率が高し。だいぶ記憶し始めてきているのだが、己の左手の弱さを実感する。●バッハ フランス組曲第1番 メヌエットI,II,ジーグメヌエットI:弾きこみ段階。メヌエットII:弾きこみ段階。トリルが潰れ気味なので要注意。ジーグ:軽やかさはまだ遠いが、曲の感覚はつかめてきた。慣れてくると、自分にとってはメヌエットよりも弾きやすいのではないかと感じてきたり。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #17#17:弾きこみ段階。はぁ・・・やっぱり和音が汚い。ひとつひとつの音をもう少し魂をこめて弾いてみては?●シューベルト=リスト「水車屋と小川」今日も29~83小節までを重点的に練習。なかなか進歩せず、33小節からの左手側の広音域アルペジオで音を外してしまう率高い。64小節以降の短調部の左進行に早く慣れること。----------------------------------------------------本日のおさらい●バッハ フランス組曲第1番 アルマンド,クーラント,サラバンド●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1,5
Mar 10, 2006
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昨年12月に訪れたピアニスト高橋多佳子さんのクリスマスコンサートの際に購入した「ロシア・ピアノ名曲集」のCDを、今ようやくゆっくり聴いている。ついつい現在練習しているバッハやショパンのCDを中心に聴いてしまうことが多く、普段縁遠いロシアの曲たちは後回しになってしまっていたのだが、あぁ、こうして聴いていると、心はすっかりロシアに向いている。(そういえば、ピアノブログ仲間のかおるさんもロシアの音楽に心奪われている最中だったような?)さて、高橋多佳子さんのCDに収録された曲たちは以下のとおり(1995年ワルシャワ録音)。●プロコフィエフ:ピアノソナタ第7番 変ロ長調 Op.83「戦争ソナタ」●スクリャービン:幻想曲 ロ短調 Op.28●ラフマニノフ:楽興の時 Op.16 ・第1曲 変ロ短調 Andantino ・第2曲 変ホ短調 Allegretto ・第3曲 ロ短調 Andante cantabile ・第4曲 ホ短調 Presto ・第5曲 変ニ長調 Adagio sostenuto ・第6曲 ハ長調 Maestosoプロコフィエフのソナタ7番といえば、ちょうどスーパーピアノレッスン「大曲に挑む」のレッスン曲のひとつではないか。なんたる偶然か、と思いながら耳を傾けるが、やはりプロコフィエフは弾くどころか、聴くのも難しい。10歳の子供がテキーラでも飲んでしまった気分だ。「おっ、ようやく耳慣れた曲が出てきた」と思ったら、いつの間にかスクリャービンだった。スクリャービンの幻想曲Op.28といったらまだまだ初期に属する曲ゆえ、そこそこロマン派の香りが残されている。聴きやすいと感じてしまうのも仕方がない。しかし、こうして聴いているとやはり自分はラフマニノフが好きなんだな、ということを改めて認識させられる。上記3曲のなかで最も心奪われたのは、やっぱりラフマニノフの「楽興の時」だったのである。初めてそのタイトルを耳にした時は「おや?シューベルト?」と思ってしまったが、全6曲から構成された楽興の時のどの曲たちも、皆ラフマニノフ節満載である。楽興の時のなかで一般的に好まれる曲はどれだろう?私が好む楽興の時は、第2曲のあの大うねりのような進行、第4曲のどことなく怒りにも似た感情のような進行、第6曲の華やかな進行・・・って偶然にもどれも偶数番の曲たちではないか。ラフマニノフといえば、前奏曲Op.23-5の練習を途中で放置したままショパンブーム再来となってしまったため、とてもじゃないが過去練習していたレベルにすら戻れずじまい。こんな調子ではどれひとつとしてまともに仕上げられぬままの曲たちばかりのオンパレードになってしまう。そういえぱ、ここのところピアノの練習もおろそかになっている。どうも疲れてしまって・・・なんて言葉はただの言い訳に過ぎない。そんな自分に自己嫌悪である。今宵は高橋多佳子さんのラフマニノフを聴きながら心のうねりに身を任せよう。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】●ブラームス51練習曲 #07~#10,#16abc#07(3度を4-1,5-1指で)#08(アルペジオ)#09(指広げ)#10(5指押さえ指均一)#16a(4指押さえ指均一),#16b(3指押さえ指均一),#16c(2指押さえ指均一)●全24調4オクターブスケール●クラーマー=ビューロー60練習曲 #26,#27#26:手首の上下運動。まだまだ譜面にかじりついて弾く状態のままである。技巧的には難箇所は感じられないが、手首を硬直させずにリラックスして弾くことがコツ。左右手の交差箇所は音ミスしがちなので要注意。#27:両手レガート練習。弾きこみ段階●バッハ フランス組曲第1番 メヌエットI,II,ジーグメヌエットI:弾きこみ段階。メヌエットII:弾きこみ段階。ジーグ:ジーグにかける時間があまりとれず、なかなか進まず。●シューベルト=リスト「水車屋と小川」長調部はだいぶ慣れてきたのだが、その後再び短調部に戻ると、特に左進行(分散音型)が音ミス率高し。まだ指が完全には進行に慣れていない証拠である。----------------------------------------------------本日のおさらい●バッハ フランス組曲第1番 アルマンド,クーラント,サラバンド----------------------------------------------------
Mar 6, 2006
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先日、ジョルジュ・シフラのショパンエチュードに卒倒したばかりであるが、今度はマレイ・ペライアの「ショパン エチュード集」をじっくり聴いてみることにした。私もだんだんとショパンエチュードコレクターの道を歩き始めそうな、そんな予感である。先日の日記でチラリと話題としてあげた際、ペライア氏のエチュードを既にお持ちの方も何人かいらしたようで、それぞれに感想を聞かせて頂き、更に聴きたい度が急上昇中だったのだ。そんななか、胃カメラの呪縛から解き放たれた私のもとに届けられたペライアのエチュードのCDを、早速聴いてみることにした。■春の陽射しに光る水しぶきのようなエチュードOp.10-1まずエチュード第1番から、あぁ、それはまるで春の温かな陽射しのなかにみる噴水の水しぶきのよう。かなりの超技巧のピアニストであることはわかるのだが、それをあからさまに押しだすのではなく、余裕に満ちた歌い方をしている。特にOp.10-1のアルペジオの連続など、勢いにまかせて突風のごとく弾く者も多いが、ふっと自然に息を抜いて弾いたりするあたりが、妙に心地よい。また、同じくOp.10-1前半部での短調部に変わる際、ピアニッシモ的に、且つペダルをかなり控え目(ほぼ踏んでいないくらいに)にして弾くあの弾き方は、私が所有するエチュードCDのなかではアシュケナージも同様の表現を用いている。が、アシュケナージはどうしてもアルペジオの流れが途中で分断しがちなところを、ペライアは見事に1本の流れを貫き通しているのも印象的だ。ポリーニのエチュードOp.10-1を聴いた時も非常に衝撃的だったのだが、ペライアのエチュードもなかなか耳に心地良い。■テンポに違和感を感じるエチュードOp.10-6ただ、ひとつ気になったのは、ペライアのエチュードOp.10-6、つまり第6番変ホ短調のエチュードの解釈が、自分が考えていたものとは大きくかけ離れていたことにある。エチュードOp.10-6は、エチュード全曲のなかでもかなり地味な存在ではあるが、アンダンテで多声的な進行が美しい曲である。普段、ポリーニの演奏で聴き慣れている私としては、ペライアのこのOp.10-6には唖然。「はっ、速すぎ・・・そこまで速く弾かなくても・・・」非常によく歌いこまれている流れではあるのだが、いかんせんテンポが速いのだ。■上声が美しく歌い、内声は深みあるエチュードOp.25-1(エオリアンハープ)ペライアのエチュードのなかでも、とても印象深かったのがこのエチュードOp.25-1通称「エオリアンハープ」。ショパンのエチュードを弾かれている人ならばこの曲を弾いた経験がある人も多いと思うが、上声と内声のアルペジオが美しく響く曲。ペライアの演奏は上声が美しく歌うだけでなく、内声のアルペジオに非常に「深み」を持たせているのだ。個人的には、ポリーニのOp.25-1よりも好きだったりする。◆ ◆ ◆ ◆ ◆とまぁ、さすがに全曲についてあれこれ書いている時間はなかったため、特に印象に残った曲について数曲あげてみたが、全体的な印象としては、「己の技巧を最大限に活かしながらも存分に歌いあげた芸術的なエチュード」といったところだろうか。ルバートの仕方など、人によってはちょっと違和感があると感じられる人もいそうだが、最近の技巧派志向の流れが強いなか、こういうエチュードにはハッとさせられるものがある。参考までに、シフラのエチュードレポートの時と同様に、全曲演奏時間を参考までに記しておこう。ついついポリーニと比較してしまうが、まぁこれは自分のなかでどうしてもポリーニがデフォルトであるがゆえ、である。エチュード番号マレイ・ペライア氏演奏マウリツィオ・ポリーニ氏演奏Op.10-01 ハ長調1分59秒1分57秒Op.10-02 イ短調1分24秒1分28秒Op.10-03 ホ長調3分51秒3分42秒Op.10-04 嬰ハ短調2分01秒2分02秒Op.10-05 変ト長調1分40秒1分40秒Op.10-06 変ホ短調2分25秒3分10秒Op.10-07 ハ長調1分28秒1分30秒Op.10-08 ヘ長調2分21秒2分22秒Op.10-09 ヘ短調2分09秒2分07秒Op.10-10 変イ長調2分12秒2分04秒Op.10-11 変ホ長調2分15秒2分16秒Op.10-12 ハ短調2分32秒2分38秒Op.25-01 変イ長調2分15秒2分13秒Op.25-02 ヘ短調1分34秒1分29秒Op.25-03 ヘ長調1分41秒1分53秒Op.25-04 イ短調1分42秒1分43秒Op.25-05 ホ短調2分53秒2分55秒Op.25-06 嬰ト短調1分54秒2分04秒Op.25-07 嬰ハ短調5分08秒4分51秒Op.25-08 変二長調1分08秒1分06秒Op.25-09 変ト長調1分00秒0分58秒Op.25-10 ロ短調3分51秒3分58秒Op.25-11 イ短調3分34秒3分31秒Op.25-12 ハ短調2分38秒2分34秒◆ ◆ ◆ ◆ ◆余談だが、このペライアのCDジャケットを初めて観たとき、「黙ってオレ様の音楽を聴け」と言っているようにしか見えなくて、なかなか手が出せなかった、という裏話があったりして・・・ごめんなさい、ペライアさん。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日、ハウスメーカとの打ち合わせにつき、ほとんど練習できず●クラーマー=ビューロー60練習曲 #27#27:両手レガート練習。一部両手がしっかり合っていないところがある?レガートだからといって1音1音を曖昧に弾かないで。
Feb 23, 2006
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先日、ジョルジュ・シフラ氏が演奏するショパンエチュードを聴く機会に恵まれた私であったが、それについてまだこの場で語っていなかったので、今日はこの件についてぽつぽつと話をすることにしよう。ジョルジュ・シフラ氏といえばハンガリー生まれの、まさしく超絶技巧なピアニスト。リスト弾きとしても知られているが、なんといっても彼の録音でビックリなのはリムスキー=コルサコフの「熊蜂の飛行」のシフラ自身の編曲バージョン。聴いたことがある人も、勿論実際に弾いたことがある人もいると思うが、シフラ編曲版では、あの半音階的進行をなんとオクターブで弾いているという超絶技なのである。一体、シフラ以外に誰がこれを弾けるというのだ?というほどの、ある種の恐怖すら感じる。そんなシフラ氏のショパンエチュードも、聴けばビックリ仰天である。なんというか、とにかく豪傑というか、まるでリストのようなショパンとでもいうか、火山噴火というか、あぁ、うまい言葉がみつからない。そして、エチュードのなかで私が最も注目している第4番(Op.10-4)に至っては、「は、はやっ!!はやすぎる!!」速すぎて、頭がついていかない。といっても、テンポに割と緩急がある。それでいて1分47秒(2分ジャストでも速い部類である)で弾ききるというのは、超人技である。おまけに最後には聴き慣れない音までオマケ付きときたものだ。(オマケといえば、Op.25-11の木枯らしの最後の音にも和音のオマケ付きが??)シフラ氏のエチュードを聴いていると、バス音に強烈な印象を受けることが多い。突如、ドーンときたり、伴奏部であってもあえて浮き出してみたり、わざとムラっ気を出してみたり。それでいても、歌うところはしっかり歌っているから、聴いていて飽きない。とにかく100面相のような変化に富んでいるのだ。ただ、万人に受ける演奏ではなく、好き嫌いがハッキリ分かれそうな解釈だったりも。そんな印象を受けた。というわけで、これはどう考えてもシフラ氏にしか弾けないショパンエチュードであり、他の誰もマネは出来そうにない、ということがよくよく分かった。テンポ話が出たついでに、折角なのでポリーニ(つい基準にしてしまう)との演奏時間比較をオマケにつけておこう。豪傑でとにかく全体的に爆走気味なのかと思いきや、いやいや、速いところはより速く、ゆっくりな部分はよりゆっくりと、それらが絡み合った曲においては、「超速な印象を受ける割にとは、トータルの演奏時間は決して異常過ぎるわけではない」といったところである。それでもやっぱりOp.10-4は誰もが認める超速であるが。エチュード番号ジョルジュ・シフラ氏演奏マウリツィオ・ポリーニ氏演奏Op.10-01 ハ長調1分52秒1分57秒Op.10-02 イ短調1分21秒1分28秒Op.10-03 ホ長調4分19秒3分42秒Op.10-04 嬰ハ短調1分47秒2分02秒Op.10-05 変ト長調1分34秒1分40秒Op.10-06 変ホ短調3分34秒3分10秒Op.10-07 ハ長調1分31秒1分30秒Op.10-08 ヘ長調2分16秒2分22秒Op.10-09 ヘ短調2分24秒2分07秒Op.10-10 変イ長調2分06秒2分04秒Op.10-11 変ホ長調2分31秒2分16秒Op.10-12 ハ短調2分36秒2分38秒Op.25-01 変イ長調2分25秒2分13秒Op.25-02 ヘ短調1分19秒1分29秒Op.25-03 ヘ長調1分33秒1分53秒Op.25-04 イ短調1分31秒1分43秒Op.25-05 ホ短調3分12秒2分55秒Op.25-06 嬰ト短調1分43秒2分04秒Op.25-07 嬰ハ短調5分09秒4分51秒Op.25-08 変二長調1分01秒1分06秒Op.25-09 変ト長調1分00秒0分58秒Op.25-10 ロ短調4分36秒3分58秒Op.25-11 イ短調3分34秒3分32秒Op.25-12 ハ短調2分36秒2分34秒◆ ◆ ◆ ◆ ◆あぁ、こういう演奏を聴いてしまうと、私も早い時期にショパンエチュードの練習を復活させたいな、と思ってしまう。しかし、「まだ技術が未熟な状態なのに、無理して難曲に挑戦しても思うようには進まないぞ」、と囁く自分と、「人生は限りあるのだから、弾きたい曲を弾かなくてどうするのだ!」と囁く自分、ことある度にこの狭間で悩んでしまう。ショパンエチュードの名盤をまたまた探していたら、某サイトにて「マレイ・ペライアの盤はエチュードの決定盤その2」と評価されていた。近くの山野楽器でもペライアのCDは見かけたものの、なかなか手にしないまま現在に至っていたため、なんだか無性に聴きたい気がしてきた。実際に聴かれたことがある人は、いるだろうか。出来れば感想などをぼそっと教えて頂けると嬉しい。自分が好きな曲となると、ついつい様々な演奏家のCDを買いあさりたい衝動にかられるのは、仕方がないこと・・・と思いたい。そういえば、そのノリでシューマンの「クライスレリアーナ」のCDを一体何枚買ったことか。ピアノを再開しなければ、ここまでクラシックのCDが増殖することはなかっただろうに。きっと同じような目に遭っている人も結構多そうだ(笑)。これはもう宿命?----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】●ブラームス51練習曲 #07~#10,#16abc#07(3度を4-1,5-1指で)#08(アルペジオ)#09(指広げ)#10(5指押さえ指均一)#16a(4指押さえ指均一),#16b(3指押さえ指均一),#16c(2指押さえ指均一)#32a(3-4指を交互に保持)●全24調4オクターブスケール●クラーマー=ビューロー60練習曲 #25,#27#25:手首を使う練習3。弾きこみ段階。数日安定したらとりあえず一区切りということで。#27:両手レガート練習。指遣いを極たまに我流で弾いてしまいがち。よくよく楽譜をみて。今はそれでも弾けていても、テンポを上げていけば我流過ぎな指遣いではうまく弾けなくなる恐れもあるのだから。●バッハ フランス組曲第1番 メヌエットI,IIメヌエットI:どこまでも優雅さは保って!下声と中声がごっちゃになることがあるので、整理して。メヌエットII:17小節からテーマ再現部手前まで、特に下声のトリルがいまだすっきりせず。じっくり練習は続く。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #16,#17#16:テンポ120→126で練習。及びノン・メトロノームで。#17:弾きこみ段階。あまりテンポを焦らないで弾こう。盛り上がってくると自然と駆け足になりがちなので注意。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8,#22(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型),#20(左分散音型)●バッハ フランス組曲第1番 アルマンド,クーラント,サラバンド(おさらいモードに移行)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1,5----------------------------------------------------
Feb 10, 2006
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2月7日の朝、いつものように弁当を作るべく7時20分に起き、まずはテレビをつける。ここのところ、「今日のわんこ」コーナーを楽しみに、毎日フジテレビの「めざましテレビ」を観ながら弁当を作ることが多い毎日なのだが、なんとこの日、いきなり画面に現れたのは、ドーンとピアノである。思わずテレビの前に座り込み、「今日はピアニストの特集でもしているのかな」と、まじまじと画面を見つめる。すると「学校の数学教師であり、ピアニストでもある金子一朗さんが・・・」とナレーションが入る。そ、そのお方って、もしやピティナのピアノコンペティション2005年度に特級グランプリを受賞した先生ではないか。そう、現在ではリサイタルも積極的にこなす、教師兼ピアニストである。リサイタル前の密着取材だったのか、通勤途中に楽譜を真剣にチェックする姿や(その楽譜にはビッシリと書き込みがされていた)、学校内で「今日も練習できそうにない・・・」と頭をかかえていたり、夜間にレンタル練習室を借りて真剣にピアノに向かう風景が映し出された。そしてリサイタル当日、演奏前の緊張がひしひしと伝わってきて、観ているこちらがドキドキしてしまう。しかしいざ始まれば、余裕たっぷりの顔つきと演奏に、プロたる貫禄が感じられる。(この時は、ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」、そしてベートーヴェンのソナタ「ハンマークラヴィーア」の一部が放映された)音楽と数学は共通しているだったか、似ているだったか、と語られていた金子さん、きっとどちらか一方が欠けてはいけないのだろうな、両方あるからこそ、きっと今のような素晴らしい演奏が出来ているのかな、なんて感じてしまった。私は、ピティナのWebサイト内でしか金子さんの演奏を聴いたことがないので、一度生で聴いてみたい。(ピティナのサイト内ではショパンのノクターン第16番の音源が公開されている。私の大好きな1曲でもあるこのノクターン、金子さんの演奏は上声と内声ともにそれぞれが美しく歌われていてとても心地よい。割とテンポが速めに感じられたのだが、最近ゆったり目な16番を聴くことが多かったせいかもしれない)というわけで、またまた偶然にもピアノ関連番組に遭遇してしまい、録画すら出来なかった。あぁ、失敗!!後でよくよくピティナのWebサイトを読み返してみたら、この日のテレビ出演のことも事前にニュースとして掲載されていたではないか。ここのところ、ピティナのサイトを読む時間がなかったため、全く気が付かなかった。◆ ◆ ◆ ◆ ◆余談だが、ピティナサイトのお楽しみのひとつである連載漫画「ショパン物語」もいつの間にか未読分がたまっており、さきほど一気に読んでしまった。現在の進行は、ちょうどノアンにてショパンとサンドが暮らしているところであり、ショパンがその生活にちょっと飽きを感じ始めてきている、実に微妙な時期だったりする。さぁ、この後、どのように描かれるのか、ドキドキ。◆ ◆ ◆ ◆ ◆話は戻るが、ひとつの分野にて大成するのも非常に大変だというのに、同時に複数の分野で活躍するとは、いやはや、素晴らしい。そういえば、芸能人でも、様々な副業をお持ちの方もいたような。例えば、俳優の片岡鶴太郎さんや歌手の八代亜紀さんは美術の分野でも活躍されているし、名前は忘れたがどなたかタレントさんだったか、宝飾デザイナーとして活躍されている方も確かいた、と記憶している。音楽の分野では、「音楽」という広い業界のなかで活躍の場を多数広げていらっしゃる方は多いだろうが、全く異なる分野で並行して活動するというのは、やはりなかなか大変なのだろうな・・・と思ってしまった。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日も練習時間がほとんどとれず、なんとか以下の曲のみ練習●全24調4オクターブスケール●クラーマー=ビューロー60練習曲 #27#27:両手レガート練習。まだまだ譜面どおりに弾く段階。前半、そして前半の再現となる最後の部分はきちんと弾けるようになってきたのだが、中間部がいまだ慣れず。中間部をもう少し重点的に弾く必要あり。●バッハ フランス組曲第1番 アルマンド,クーラント,サラバンド,メヌエットI,IIアルマンド:弾きこみ段階。(まとめ段階)クーラント:弾きこみ段階。サラバンド:弾きこみ段階。(まとめ段階)メヌエットI:譜面どおりには弾いているのだが、どうもいまだ舞曲らしさに欠ける。メヌエットII:17小節からの左トリル、いまだしっくりこない。17小節からテーマ再現部手前までをゆっくり部分練習。
Feb 8, 2006
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日曜日の朝10時過ぎ、寝ぼけ眼のまま何気なくテレビをつける。チャンネルをウロウロしていると、いきなり目に飛び込んできたのが、トラックに載せられたピアノを子供たちが見送るシーン。な、なんだなんだ?これは、といきなり目が覚めた私はそのまま画面に見入る。そう、私がそのまま引きこまれてしまった番組、それはNHK総合テレビの「思い出の音色ふたたび~老ピアノ復活物語~」なるドキュメンタリー番組であった。事前に、この番組の存在を全く知らなかったため、つい先日掲載した「2月のピアノ関連テレビ番組」で紹介できず、自分自身も番組の途中からの視聴となってしまい、あぁ残念。(って、この番組自体、既に再放送であった。)舞台は島根県浜田市のとある小学校。戦前、この小学校の旧木造校舎が完成した際に、地元の方からグランドピアノが寄贈された。そして先生や生徒たちに親しまれたグランドピアノだが、長い長い年月と共に痛みも激しくなってしまい、まともに音を奏でられる状態ではなくなってしまった。そんなピアノを、新校舎のオープンに合わせて修復しようということになり、関西にあるピアノ修復技師の元にピアノが送られた。修復前のピアノが画面に映し出された時は、思わず絶句してしまった。長い間多くの人々に愛された証拠ではあるものの、鍵盤が摩耗し、白い鍵盤が剥がれおちて下地がむきだし状態になっている。修復技師が最も心配していた響板は幸い割れていなかったが、塗料を全て剥がして再度塗り直したり、鍵盤をひとつひとつ修復したりと、職人の作業風景がしばし流れる。そうして半年もの期間をかけた甲斐あり、ついにピアノは72年ぶりによみがえり、小学校に戻ってきた。当時の生徒さんだったのだろうか(番組の冒頭を観ていなかったため定かでないのだが)、その知らせを受けて小学校に駆けつけた年輩の男性が、早速試弾する。その曲は、クレメンティの「ソナチネ9番」、そして、ベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」本当に嬉しそうに、そして懐かしい気持ちであふれんばかりの思いでピアノを弾き続けるそのシーンに、思わずこちらまで涙がほろりと流れる。クレメンティのソナチネ9番といえば、私も小学生の頃、よく弾いたものだ。今でもこの曲を弾くと、当時の思い出がよみがえる。2005年10月、この小学校ではピアノ復活コンサートが催され、生徒たちと一緒にモーツァルトの「おもちゃのシンフォニー」が演奏された(他にも数曲演奏されたようだが、放映されなかったので割愛)。その後、当時の生徒さんたちがピアノに駆け寄り、皆それぞれにピアノとの思い出に浸りながら音色を楽しんでいた。年輩女性がおもむろに鞄から当時使用していたと思われる古い古いモーツァルトの楽譜を取りだし「ピアノソナタ イ長調 K.331」を弾き出したり、ピアノの前で記念写真を撮ったり。現在、修復されたこのグランドピアノは、小学校の玄関ホールで生徒たちとふれあう日々だ。おっと、書き忘れるところだったが、このピアノ、なんとなんとスタインウェイだったりする。戦前にスタインウェイのピアノを寄贈する人とは、一体どんな人だったのだろう。先日の日記で、「私は年をとってもずっとピアノを続けていくだろうか」なんて話をしたばかりであるが、こうして、年輩の方々が皆、楽しそうにピアノに向かう姿を見ていたら、私もそんな人生を歩きたい、そう思ってしまった。だって、みんなピアノに向かう時の表情が、とても若々しいのだもの。ステキに年をとっていきたい。本当に本当に、そう思う。◆ ◆ ◆ ◆ ◆午後になって、気になる住宅物件が2軒ほどあったので、神奈川の某所に観に行ってみた。私の条件は「とにかく1階に居間以外に6畳程度の洋室があること。他は多くを望まないから」だったのだが、その希望を上回る間取りの物件を見つけたのである。しかも、その間取りにしては無理をすればなんとかなりそうか?という価格(って当然長い長いローン生活になるが)。しかし、世の中そんなに甘くはない。実際にその物件がある場所に行ってみると、家前の道路幅が3ナンバーの車がギリギリ通れるかどうかのところ。車の切り返しも容易ではなさそう。2軒目にいたっては、物件の前にまで車で行けない・・・という場所であった。おまけに周囲には「墓地建設反対!」なる立て看板が幾つもあり、「あぁ、これだけの間取りでこの値段、なるほどな。」と納得せざるを得なかったのである。はぁ・・・、そんなに簡単に自分の好みの家が見つかるとは思えないが、やっぱり家探しは難しい。まだまだ闘いは始まったばかりだ。へこたれるな、私。(実のところ、既にへこたれ気味)
Feb 5, 2006
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ここ数日、掲示板に2月放映の要チェック!ピアノ関連テレビ番組情報が寄せられたので、ここでまとめて掲載しよう。情報提供者は、浜Qさん、かおるさん、sakurairoさん、以上3名のピアノ弾きの皆さん。本当にありがとう!!ついでに私のほうでもちょっぴり発見したので、一緒に混ぜておくことにしよう。興味ある番組があったら、皆さんも要チェックだ!■「スーパーピアノレッスン」大曲に挑む[1~3回の再放送](情報提供者:浜Qさん)放映日:2006年2月4日(土曜日)放映局:NHK教育テレビ時 間:15:00~15:25,15:25~15:50,15:50~16:15(3回分)備 考:ハイドン「ピアノソナタ 変ホ長調 Hob.16-49」1~3楽章のレッスンふゆのほしから一言:ピアノ仲間の浜Qさんから早速のスーパーピアノレッスン再放送情報だ。本放送でプロコフィエフのソナタのレッスンが始まったため、再放送では一気にハイドンのソナタレッスンが放映される。ということは、この次はベートーヴェンのソナタ再放送も控えていることだろう。ちなみにショパン編は夜中の再放送だったが、「大曲に挑む」編では再び土曜日の午後に再放送枠が設けられたようだ。午後のひととき、世界の巨匠のレッスンを今一度振り返ろう(あぁ・・・レポートがとまったままな私である)■「芸術劇場」アントルモン モーツァルトを弾く(情報提供者:ふゆのほし)放映日:2006年2月5日(日曜日)放映局:NHK教育テレビ時 間:22:00~24:15(そのなかの一部)曲 目:スーパーピアノレッスンモーツァルト編の模範演奏と思われる・モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K.475・モーツァルト:ピアノソナタ ハ短調 K.457ふゆのほしから一言:今年はモーツァルトイヤーということで、昨年放映のスーパーピアノレッスン モーツァルト編の講師アントルモン先生の模範演奏が再び聴ける。レッスン番組の後半での模範演奏コーナーでは、長曲の場合、放映時間の制限で1曲まるごと聴けずじまいだったのだが、この機会にじっくり聴いてみよう。■「BS2クラシック倶楽部」鈴木弘尚ピアノリサイタル(情報提供者:sakurairoさん )放映日:2006年2月13日(月曜日)放映局:NHK-BS2時 間:10:00~10:55曲 目:2005年9月紀尾井ホールでのリサイタルから・ラフマニノフ 練習曲「音の絵」からOp.33-2,Op.33-5,Op.39-9・シューマン:交響的練習曲 Op.13・ヒナステラ:アルゼンチン舞曲から「はぐれ者のガウチョの踊り」ふゆのほしから一言:実はこの番組、BSハイビジョンで今年の1月に本放送があったばかりのものだが、私はそれを見逃してしまった。すっかり気落ちしていたところにsakurairoさんから再放送の予定を聞かされ、本当に感謝!!というわけで、見逃した皆さんも是非いかが?このリサイタル、実は私も聴きに行っていた・・・というのは昨年9月の日記を読んでご存じの方もいるかな?■「芸術劇場」ルイサダ ショパンを弾く(情報提供者:かおるさん)放映日:2006年2月19日(日曜日)放映局:NHK教育テレビ時 間:22:00~24:15(そのなかの一部)曲 目:スーパーピアノレッスンショパン編の模範演奏と思われる・ショパン:華麗な大円舞曲 変ホ長調 Op.18・ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31・ショパン:ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2・ショパン:ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1ふゆのほしから一言:スケルツォ第2番練習中のかおるさんならではの鋭い番組チェックに感謝!2月5日放映の芸術劇場でのアントルモン先生に引き続き、19日放映分ではスーパーピアノレッスン・ショパン編の講師ルイサダ先生の模範演奏をまとめて聴くことが出来る。もしかして、スーパーピアノレッスンの視聴者から「模範演奏をまるごと聴かせて」という声が多かったのかな?と思ったりもしている。■「BS2クラシック倶楽部」小山実稚恵ピアノリサイタル(情報提供者:ふゆのほし)放映日:2006年2月22日(月曜日)放映局:NHK-BS2時 間:10:00~10:55曲 目:2005年6月の王子ホールでのリサイタル模様・スクリャービン:即興曲 嬰ハ短調 Op.14-2・スクリャービン:3つの小品 Op.2・スクリャービン:前奏曲 Op.11-1,4,5,6,7,10,13,20・スクリャービン:ピアノソナタ第3番 Op.23・スクリャービン:2つの詩曲 Op.69-1「アレグレット」・スクリャービン:ピアノソナタ 第10番 Op.70ふゆのほしから一言:オールスクリャービンリサイタルの一部が放映される。実際にこのリサイタルに行かれた方もいると思うが、他にソナタ9番や詩曲 「焔に向かって」も演奏されたようだ。小山さんのスクリャービンはCD「ファンタジー」のなかに収録された幻想ソナタしか聴いたことがないので、これだけ一気に聴けるとなると、あぁ幸せ!!6月の小山さんリサイタルのチケットのプレオーダーももうすぐだ!◆ ◆ ◆ ◆ ◆と、2月の気になるピアノ関連テレビ番組をチェックしてみたが、他にも何かあるだろうか。しかし、2月後半の放映となると、ついつい録画を忘れてしまいがち。時々、日記を読み返しながら思い出さねば!と自分に言い聞かせる私であった。他にも何かオススメ番組があったら、是非教えて!◆ ◆ ◆ ◆ ◆全然関係ない話だが、最近、白髪が一気に増えた。とても悲しい。長い髪に白髪が交じっていると、無性に抜きたくなる。そしてブチッと抜いた真っ白な髪をみて「これ、たこ糸になりそう」ってそんなに頑丈じゃないよ、私の髪の毛。それにしても、年とったな、と感じる場面がここのところ、一気に増えたような気がするのは、気のせいか。一体、何歳くらいまで、この指はガシガシと動いてくれるのだろう。何歳までピアノを弾き続けられるのだろう?ふっと考えてしまった。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】●ブラームス51練習曲 #07~#10,#16abc#07(3度を4-1,5-1指で)#08(アルペジオ)#09(指広げ)#10(5指押さえ指均一)#16a(4指押さえ指均一),#16b(3指押さえ指均一),#16c(2指押さえ指均一)#32a(3-4指を交互に保持)>#15,16の応用として今日から開始●全24調4オクターブスケール●クラーマー=ビューロー60練習曲 #25#25:手首を使う練習3。弾きこみ段階へ。苦手意識ある17~小節の手前で力まないで。自然とつながるように弾こう。●バッハ フランス組曲第1番 アルマンド,クーラント,サラバンド,メヌエットI,IIアルマンド:弾きこみ段階。(まとめ段階)クーラント:ついついいつも聴いているシフの演奏のテンポを標準に考えてしまっていたが、もう少しゆっくり目でも良いのでは。どうもそのせいで余裕がない騒がしいクーラントになっているのだから。サラバンド:弾きこみ段階。(まとめ段階)メヌエットI:昨日机上であれこれ検討したテーマの浮きだしを実行に移してみると、なかなかメリハリがあって良い感じ。よし、この調子でいこう。メヌエットII:昨日に引き続き2拍目のトリルで奮闘中。つくづく自分はトリルが苦手であることを認識させられる。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #16,#17#16:まずい・・・スランプ気味。今まで出来ていたことが軒並み出来なくなってきている。ここは冷静になって右はリズム変奏で、左手はいまいちど跳躍を意識して。(どうもその原因のひとつは、やはりペダルを付加したことにより、左の和音のつかみの悪さが表面化してしまったことにある)#17:弾きこみ段階へ。伴奏部の和音をもう少し丁寧に粒良く弾きたいところ。旋律は浮き出ているのだが、どうもデコボコしている感があるので、もっと歌って。いや、自分で実際に歌いながら弾いてみるのも良いかも。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8,#22(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型),#20(左分散音型)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1,5----------------------------------------------------
Feb 2, 2006
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つい先日、「モーツァルト生誕250年」で世間はモーツァルト色満載、という話をしたが、個人的にはこの2006年といったら「シューマン没後150年」のほうを意識したい今日このごろ。なにしろ2005年、つまり昨年はあれほどシューマン熱を周囲にまき散らし、寝ても覚めてもシューマン三昧だったのだから。とそんな思いを見透かすかのごとく、今日立ち寄った山野楽器のクラシックコーナーにドーンとディスプレイされていたのが、「シューマンピアノ独奏曲全集」なるCD。なんとなんと13枚組のお手軽ボックス仕様、どこからどう見ても輸入盤である。演奏者はオーストリア出身のピアニストであるイェルク・デムスだ。しかも、お値段が6,000円ちょっとという超破格。おっ、今ならばポイントで交換できるぞ!実に衝動買いであった。いや、衝動交換であった。しかし、これでシューマン全曲聴けるならば安過ぎるくらいではないか、と自分に言い聞かせ、ホクホク顔で家に戻ったはいいが・・・ここからが一騒動のはじまりである。◆ ◆ ◆ ◆ ◆まず、愛用のノートPC(SONYのVAIO)で早速このCDを聴こうとする。すると、CDを挿入した途端、いきなり、ギーギーガーガー、ガコガコッ・・・・・ドライブから強烈な異音な、なになに?慌ててCDを取り出す。その後何度繰り返しても同じ状態である。このCD、読めないのか?ムッとしながらオーディオ棚に納められた民生用のCDプレイヤーで再生しようとする。ここ何年も、ずっとPCでCDを聴いてばかりいたせいか、この民生用の、これまたSONYのCDプレイヤーの電源を入れるのは久しぶり。すると、なんとライン出力系統が壊れているではないか。ウンともスンともいわない。長年、電源を入れてあげなかったことに対する反抗期か?ガーン・・・お気に入りのCDプレイヤーだったのに半べそになって、今度は家族が独身時代から使っていたCDプレイヤーで再生を試みる。ガーン・・・CDが読み取れない。ここまでくると、このCDは不良品なのではないかと思い始める。あと、我が家で再生できるCDの類といったら・・・おっとまだあったぞ、プレステ2だ!と、問題のCDを入れてみるとおっ!出た出た、音が出た!!その音楽に感動するよりも、CDが再生されたことに感動する我が家の面々。しかし、プレステ2はただいま家族がセガラリーを楽しんでいる最中。これを独占するわけにはいかぬ、と再びCDをもって放浪の旅へ。次は寝室にあるミニコンポのCDプレイヤーで再生を試みると、これまた再生できず。一体なんなんだ、このCDは。半ば諦めた表情でコンポに接続された私の旧愛用25連奏CDプレイヤーにつっこんでみると、今度はあっ、出た出た!また音が出た!!!到底再生できそうにない古いCDプレイヤーで再生できたことに、感激して良いのか、この読み取り不安定なCDを恨んでいいのか、さっぱり分からない。くディスクとCDプレイヤーとの相性がかなりシビアなのか、再生できない機器が多すぎるだなんて、こんなCDに遭遇するとは初めてである。私は、私は単にシューマンが聴きたかっただけなのに。こうして暖房の無い寒い寝室で震えながら、とりあえずディスク2に収録されたシューマンの「アラベスク」に耳を傾けることが出来たのは、CDを開封してから既に1時間半ほどが経過していたのであった。◆ ◆ ◆ ◆ ◆デムスが弾く「アラベスク」は割とあっさり目で、テンポも速めで揺れも少ない。それでいて、中間部のMinoreIIだけはかなり揺れ気味でペダルも多用し流れるように弾いている。私の好むアラベスクとは多少方向性が異なるが、まぁ様々な演奏を聴いて、自分の方向性を更に定めるというのも悪くない。ちなみにこのボリューム満点13枚組ディスクの内訳は以下のとおり。【DISC.01】ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6/3つの幻想的小曲 Op.111/暁の歌 Op.133/4つの小曲集 Op.32【DISC.02】謝肉祭 Op.9/アルバムの綴り Op.124/アラベスク Op.18【DISC.03】ピアノソナタ第1番 Op.11/クララ・ヴィークの主題による10の即興曲 Op.5/6つの間奏曲 Op.4【DISC.04】子供の情景 Op.15/3つのロマンス Op.28/フゲッタ形式の7つのピアノ小品 Op.126/パガニーニの奇想曲による6つの演奏会用練習曲 Op.10【DISC.05】幻想曲 Op.17/幻想小曲集 Op.12/パガニーニの奇想曲による6つの練習曲 Op.3【DISC.06】交響的練習曲 Op.13/5つの変奏曲(遺作)/4つの夜曲 Op.23/ペダルフリューゲルの為のスケッチ Op.58/花の曲 Op.19【DISC.07】クライスレリアーナ Op.16/子供のための3つのソナタ Op.118【DISC.08】子供のためのアルバム Op.68【DISC.09】森の情景 Op.82/ピアノソナタ第3番 Op.14【DISC.10】ユモレスク Op.20/ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26/トッカータ Op.7/子供のためのアルバム Op.68から追加曲【DISC.11】8つのノヴェレッテ Op.21/ペダルフリューゲルのための練習曲 Op.56【DISC.12】色とりどりの小品 Op.99/4つのフーガ Op.72/4つのマーチ Op.76/アレグロ Op.8【DISC.13】アベック変奏曲 Op.1/蝶々 Op.2/ピアノソナタ第2番 Op.22しかし、1989年の録音という割には、音質的にはあまりよろしくないように感じられるのは気のせいか。ピアノを愛する者としては、音質の悪さはこの際差し引いて聴かねば、と思うものの、良い買い物をしたのか失敗したのか、いまだ悩ましい。いずれにしても、シューマン三昧のはずが、シューマン散々になってしまったというわけで、この話はおしまい。もし、同じCD集をお持ちの方がいたら、このCDを聴くにあたり、なにかコツでもあるのか、こそっと教えてほしい。私は多分、全世界に対し、大恥をさらしているような状態だろうから。◆ ◆ ◆ ◆ ◆シューマンの「アラベスク」といえば、ちょうど今練習しているクラーマー=ビューローの25番が、そこそこ類似音型に感じられてしかたがない。上声の付点進行のなかに内声進行がある、という点が特にそう感じられるひとつの理由だが、クラーマー=ビューロー25番を弾くたびに、シューマンのアラベスクが弾きたくなる。◆ ◆ ◆ ◆ ◆CD大騒動ですっかり疲れてしまった私であるが、夜、テレビをつければニュースでは、やたら「偽装」「偽装」が耳につく。住宅・ホテルの耐震強度偽装にしてもライブドア事件にしても、この世の中、偽装の固まりなのか。偽装の先にあるものは一体何??しかし、考えてみればインターネットの世界でも、己を偽りつつその世界に身を置く者、名こそ明かさぬものの自分をさらけ出す者、つまり、真実と嘘がごった煮のようになって蔓延している場所なのかもしれない。情報だって何が真実で、何が偽りあるのか、判断するのは己自身でしかない。それでも、こうして成り立っているこの世界は、とても不思議である。もしかしたら、私という存在も、ホントはいないとか??大丈夫、確かに私は、そこにいる・・・カナ?----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】●ブラームス51練習曲 #07~#10,#16abc#07(3度を4-1,5-1指で)#08(アルペジオ)#09(指広げ)#10(5指押さえ指均一)#16a(4指押さえ指均一),#16b(3指押さえ指均一),#16c(2指押さえ指均一)●全24調4オクターブスケール●クラーマー=ビューロー60練習曲 #25#25:手首を使う練習3。曲にだいぶ慣れてきたので、そろそろ強弱を意識すること。●バッハ フランス組曲第1番 アルマンド,クーラント,サラバンド,メヌエットIアルマンド:弾きこみ段階。(そろそろまとめ)クーラント:しばらく現状態で練習を続け、全体的に余裕が出たら弾きこみ段階へ。8小節の内声と上声が濁り気味。サラバンド:弾きこみ段階。市田氏の解説を読むと「初期の版にはほとんど装飾符はないのだが、ゆっくりとした曲ゆえ、装飾符をつけて弾いてみてほしい」旨が書かれていたため、そこまでいわれたら・・・と指定箇所全てではないものの少し装飾をつけてみることにした(なるべく流れをこわさない程度に)。メヌエットI:こちらも巻末の市田氏の解説を改めて読み直してみる。すると、装飾は最小限でも良さそう。テンポをあげると凡ミスがみられるので要注意。なにぶんメヌエットなので弾みすぎないように。(本日時間切れにつき、ショパンなどの楽曲すべてカット・・・)----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8,#22(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型),#20(左分散音型)
Jan 28, 2006
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1月22日、この日は待ちに待ったコンサートの日。そう、「第15回ショパン国際ピアノコンクール入賞者によるコンサート with ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団」日本ツアーの東京公演の日である。しかし、前日に見舞った関東の雪は、都内でも8年ぶりの大雪となり、本当に行けるのだろうか、と頭の中は不安でいっぱいだった。ところが22日は、思わず笑顔がこぼれてしまいたくなるような青空が広がり、そんな不安も一気に解消だ。というわけで、電車を乗り継いで、本日の会場である「東京オペラシティコンサートホール」に向かった。最寄りの初台駅から連絡通路を歩けばすぐにオペラシティに入ることが出来る、という実に便利な場所ゆえ、方向音痴の私もこれならば迷子になることもない。安心安心。13時過ぎにホール入口に着くと、既にぽつぽつと人が集まろうとしていた。そしてそれは時間の経過と共にふくれあがり、開場時間である13時30分には入口付近は、人の嵐であった。あぁ、やはりこれだけ多くの人たちがショパンコンクールに注目していたのだな、と実に感慨深い。金曜日の神奈川公演は女性が多かったという話を聞いたが、この日は日曜日ということもあってか、男性の姿もかなり目立つ。■ロビーではロビーでは、ヤマハ銀座店からの出張販売コーナーが数カ所にわたって設置されており、1月21日にビクターから発売になったばかりのショパンコンクールのライブCDや、入賞者たちがこれまで世に出しているCDなどがズラリと並んでいる。また、月刊ショパンの2月増刊号として「ショパンコンクール総集編」なる本もちょうどタイミング良く発売になったのか、CDと共に売れ行きも良い。勿論、本日のコンサートプログラムや、ショパンコンクールinASIAで見かけた卓上カレンダー、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団のCDなども置いてあり、いやはや、各販売コーナーには黒山の人だかりである。ついつい空気にのまれて、何か買わずにはいられない、というのは私だけでなかった、人々の嵐を見ながら確信するばかりであった。それでは本日演奏された曲目を一気にご紹介!本日の曲目関本昌平氏による演奏・ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11・バッハ:フランス組曲第6番ホ長調 BWV817から「サラバンド」~15分間休憩~山本貴志氏による演奏・ショパン:ノクターン 第16番 変ホ長調 Op.55-2・ショパン:スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54・ショパン:エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4イム・ドンヒョク氏による演奏・ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.21・韓国ドラマ「冬のソナタ」から「初めて」~15分間休憩~ラファウ・ブレハッチ氏による演奏・ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11・ショパン:ワルツ 第7番 嬰ハ短調 Op.64-2・ショパン:マズルカ 第34番 ハ長調 Op.56-2・ショパン:ワルツ 第6番 変ニ長調 Op.64-1「小犬のワルツ」■演奏に心を傾ける3時間あまりのひととき開演14時、ホールの客席が暗くなり、いよいよ始まる。その時の胸の高まりといったら、それはもうどんな言葉でも言い表せないだろう。管弦楽団の奏者たちがステージ上に着席し、チューニングを終えると、さぁいよいよ第1奏者の登場だ。・関本昌平氏~冷静ながら歌心を大切にした演奏を~トップバッターは、コンクール4位入賞の関本氏。彼が演奏するのは、「ピアノ協奏曲第1番」。コンクールのインターネット視聴で聴いた時よりも、歌い方がとても伸びやかに感じられる。それでもあくまでもクールに弾きこなすというのは、彼のスタイルなのだろうか。ただ、以前聴いた時には多彩に音色を使い分けるイメージがあったのだが、この日は起伏はあるのに音色的には全体的に印象が薄かったのは、あぁ、私の耳が久々の生音をきちんと聴き取れてなかったせいか。アンコールは、ショパンが愛したバッハをチョイス。しかも、思わず私がニンマリした「フランス組曲」である。第6番サラバンドを奏でる関本氏は、一本、スッと筋が通った凛々しい演奏であった。・山本貴志氏~強烈!山本節 エチュードOp.10-4をありがとう!~15分の休憩後、プログラムでは2番手はイム・ドンヒョク氏のはずであったが、順番が入れ替わり、コンクール4位入賞の山本氏による演奏となった。彼はオーケストラとの共演ではなく、独奏の曲を2曲披露である。まず1曲目は「ノクターン第16番」Op.55-2、長調なのにとても切ないこの美しいノクターンを、山本氏は実にどっぷりと歌いあげる。ピアノという楽器と身体が一体化した、あの独特の奏法も勿論健在、まるでひとつひとつ音色が全身から生み出されるかのごとく、丹念に音楽をつくりあげている。そして2曲目は、「スケルツォ第4番」。この曲、スケルツォのなかでは技巧はもとより表現的に取り組みにくさを感じる曲だが、持ち前の表現力で楽しませてくれた。そしてなんといっても感激したのは、アンコールの「エチュード 嬰ハ短調」Op.10-4。思わず飛び上がって踊りたくなる衝動を必死にこらえる私がそこにいた。おまけに速い速い!超速である。ネット中継を聴いていたときも「うわっ、速いっ!」と思ったが、世界的に超々速といわれる1分台には及ばぬものの、CDの時間表示をみると2分ジャスト。今回もバリッとキメてくれたのであった。・イム・ドンヒョク氏~高い技術と表現力に改めて魅了される~おや、山本氏の演奏の後でピアノ・チェンジである。そして作業が終わるとドヤドヤドヤと管弦楽団員たちの登場、さぁ、ここからは再び協奏曲の世界だ。3番目に登場するはコンクール第3位入賞のイム・ドンヒョク氏(韓国)。コンクールのネット中継を聴いていた時には、どことなく「オレ様」的な印象を感じたりもしたが、安定した技量と表現力にあふれている。今日の演奏は「ピアノ協奏曲第2番」、コンクール本選でも演奏した曲である。メジャーな1番と違って2番を選択する人は少なく、本選でも2名のみだった。そんな2番を、イム・ドンヒョク氏は完全に自分の世界として消化しているといった印象を受ける。個人的には本選の演奏よりも数段印象が良い。独特な歌い回しも嫌みではなく、音には立体感もある。協奏曲の2番も良い曲なんだな、と思わせてくれてありがとう!と言いたい。アンコールは、日本のファンへのサービス?なのか、なんとあの韓国ドラマ「冬のソナタ」から「初めて」を披露。私、このドラマを観ていないため、最初はよくわからなかったのだが、前席のほうで「あっ、冬ソナ!」と囁く声を聞いて、「あぁ、なるほど、そうきたか(笑)」と納得。既に韓国内では多くのファンをもつイム・ドンヒョク氏だが、これを機会に日本のファンもしっかりと獲得しそうな勢いである。・ラファウ・ブレハッチ氏~謙虚さのなかに己の強き信念を感じる~15分の休憩を経て、いよいよ最後はコンクール優勝者であるブレハッチ氏の演奏だ。コンクールでも常に聴衆を魅了し続けてきたブレハッチ氏は、ワルシャワの会場だけでなく、ネット中継を見守る世界じゅうの人をも心を惹きつけてしまったのではないだろうか。決して派手でなくどちらかといえば控え目な印象が強いのだが、音のひとつひとつが聴衆の心に直接語りかけてくる。この日の演奏は「ピアノ協奏曲第1番」。ピアノにおけるテーマも決して自己陶酔することなく、常に音色は聴衆に向いている。2楽章になると、月夜の明かりのなかで"想い人"に語りかけているようにもきこえたり。3楽章では一気に華やいだ空気のなか、心地よいテンポ感で弾いていく。アンコールは、ブレハッチ氏ならではの小品オンパレード。ピアノ学習者にはお馴染みの「ワルツ第7番」Op.64-2に始まり、得意の「マズルカ」Op.56-2、そして「子犬のワルツ」でしめくくった。まさか3曲もアンコールに応じてくれるとは思わなかったのだが、とにかくこの日の観客は皆、しぶとく食い下がり(笑)、拍手拍手の大攻撃である。ブレハッチ氏は、なんといっても曲中の緩急の付け方が絶妙。アレを素人がマネするとただの演歌調になってしまうのだが、うまくバランスを整えて弾く技はブレハッチ氏ならではなのだろう。ブレハッチ氏の子犬のワルツならば、きっと子犬もせっせと回ってくれそうだが、私が弾けば間違いなく子犬暴走どころか、子犬脱走になること間違いない。◆ ◆ ◆ ◆ ◆さすがにこの日は、家に帰ってピアノに向かえなかった。折角のこの余韻を自分の音色で汚したくなかったから。素晴らしい演奏を聴いた後、それに触発されて自分もせっせとピアノに向かえればいいのだろうが、自分の音に自信がもてるようにならないと、なかなか出来そうもない。それにしてもこの素晴らしいひとときに、演奏者の皆様に対し、感謝感謝である。こうして音楽に間近で接すると、「あぁ、私も自分の確固たる演奏形態をみつけたい」と思うのである。私ったら、いまだそれが定まっていいないから、困ったものだ。(最後に、あれこれ感想は書いたものの、これは私一個人が感じたものであって、人によっては異なる感想を持たれた方も当然多数いると思われるので、その点はご了承頂きたい。100人聴けば100通りの感想がある、ということで(笑))
Jan 22, 2006
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1月5日から8日にかけて、第7回ショパン国際ピアノコンクールinASIAの全国大会が開催され、私は初日の5日であるシニア部門(午前の部)を観にいくこととなった。というのも、楽天のピアノ仲間であるhさんが出場するのだ。これは応援に駆けつけなければ、と朝の弁当づくりもうわの空で、電車の時間ばかりを気にしていた。会場である洗足学園前田ホールは、初めていく場所。いかんせん極度の方向音痴な私は、無事にたどり着けるのか。案の定、溝の口駅で降りたはいいが、途方に暮れてしばし立ちつくす。あぁ、地図を印刷してきて良かった。と、すっかりおのぼりさん状態で印刷した地図を頼りにてくてくと歩いていくと、やがて大きな建物が見えてきた。おぉ、これがあの洗足学園か・・・会場に到着したのは10時15分過ぎ、既に演奏は始まっており、ホールからかすかにエチュードOp.10-12がきこえてくる。演奏中はホールに入る訳にもいかず、しかたがないので受付でプログラムを買う。「地区大会と全国大会2冊お買い求めのお客様には卓上カレンダーがつきます」の言葉についついつられて、両方買う私。まぁ、これも記念だ。カレンダーはショパンゆかりの場所の写真が掲載されており、ピアノの横に置くには丁度良さそう。さて、エチュードOp.10-12の演奏が終わり、そのタイミングで慌ててホール内に入ったはいいが、ガーン・・・ちょうど10分間の休憩であった。トイレは済ませてきたし、特にロビーで観るものもないため、ピアノの鍵盤がよく見える位置を探して座ってただひたすら演奏を待つ。シニア部門の演奏順は以下の順。(シニアA)・舟歌 嬰ヘ長調 Op.60・エチュード Op.10-3,12(シニアB)・幻想曲 ヘ短調 Op.49(今回棄権)・ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2,バラード第1番 ト短調 Op.23・エチュード Op.10-12,Op.25-5,12・バラード第3番 変イ長調 Op.47・アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22・スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31(3名続く)・舟歌 嬰ヘ長調 Op.60・スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31(シニアC)・3つのマズルカOp.59,舟歌Op.60,ソナタ第3番 Op.58・ノクターン第9番Op.32-1,第20番(遺作),第8番Op.27-2,スケルツォ第1番Op.20私が視聴したのはシニアB部門のみだが、ちなみにこのシニア部門というのは18歳以上の経歴問わずピアノ愛好家を対象した部門だったりする。A,B,C区分は演奏時間の違いのようだ。それにしても、B部門はスケルツォ第2番がやたら多い。ま、まさかスーパーピアノレッスンのショパン編の影響からか、と思ってしまったりも。【視聴後の私感】コンクールを生で聴くのは本当に久々。それこそ、学生時代のエレクトーンコンクール以来(笑)である。あの時は自分も出場する立場だったゆえ、こうして客席に座っていても、演奏者たちの緊張が肌で感じられるようでもある。きっと、いつもは当たり前のように弾けていることがその場で出来ない、ホールの残響に慣れずにペダリングに戸惑う、そんな人もいたのではないだろうか。そんななか、安定して弾けていたと感じたのは、「バラード第3番」と「舟歌」。ある意味、舞台慣れをしているとも感じられる。スケルツォ第2番は今回4名が演奏したのだが、それこそ多種多様な解釈のスケルツォが1日のうちにこれだけ聴けるのは、やはりコンクールならではの醍醐味だ。決して贔屓目に語るわけではないが、hさん演奏のスケルツォは安定したテンポ感、そして1音1音がくっきりと客席につたわってくる臨場感、起伏に富んだ流れを感じた。ステージ上の極度の緊張からついついテンポアップし過ぎて音が潰れてしまうような、それこそ突風のような演奏になる人が多いなか、よく、あれだけがっしりと己のテンポ感を持てた、と私は大いに拍手したい。冒頭のミスは惜しかったが、あれから動揺することなく見事に復帰したことにも大きく評価できるものと思う。コンクール前に、hさんに対し本田美奈子さんの言葉を伝えたことがある。「挑戦することは何かを得ること」常に挑戦し続けてきた本田さんの言葉はとても重いものだが、挑戦するからこそ得られるもの、それは結果うんぬんというよりも、挑戦する過程において、多くの大切なものを感じたり、手にいれたりできるのではないだろうか。「挑戦し続ける限り、人は大きくなれる」これは今、私が考えた即席の言葉だが、これからも様々な挑戦を続ける全ての皆さんに送りたい言葉だ。どんなちっぽけなことでもいい、挑戦してみようよ。そして、hさん、本当にお疲れさまでした。まだまだあなたの前には無限大の可能性が広がっているのだから、今年もどんどんチャレンジしていこうね。◆ ◆ ◆ ◆ ◆そうそう、これはコンクール視聴の裏話だが、偶然にも私は審査員の方々の席と通路を隔てて隣に座ってしまった。それがゆえに、演奏中に聴いている審査員の方々の表情が横目にチラチラ見えてしまったりも。これがなんともコワイ。ちょっとしたミスに、おもむろに反応し、何やらメモメモ、ノッてくると上半身は揺れるわ、更にノッてくると足まで揺れるわ、なかなか強烈である。あぁ、座る席を誤ったか、私。◆ ◆ ◆ ◆ ◆自宅に帰った途端、無性にピアノが弾きたくて弾きたくて、ピアノ部屋に直行だ。でも、なにか忘れていないか。あっ、6日は洗濯機のリコール処理をしに、業者が出張修理にくるのだっけ。洗濯機回りを掃除だ掃除だ大掃除。って・・・年末やらなかったの?えーん、いきなり現実に引き戻されてしまったよ。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】●ブラームス51練習曲 #07~#10,#16abc#07(3度を4-1,5-1指で)#08(アルペジオ)#09(指広げ)#10(5指押さえ指均一)#16a(4指押さえ指均一),#16b(3指押さえ指均一),#16c(2指押さえ指均一)●全24調4オクターブスケール●クラーマー=ビューロー60練習曲 #23,#24#23:音型に合った腕と手首を使う練習。弾きこみ段階。このまま数日間この調子で弾ければ次へ。#24:音型に合った腕と手首を使う練習2。両手ゆっくり合わせ。11~16小節の中間部の右進行はもう少し、進行自体に慣れる必要あり。最後の20~21小節、16分音符音型の固まりの終わり2音、つまり4-5指がリズムを狂わせ気味なので、かっちりと弾けるように。余談だが、オリジナルクラーマーでは左進行はスラーがかかっているのに、ビューロー版はスタカート進行だったり。両者を比較すると曲想が思いっきり変わって感じるのは気のせいか。●バッハ フランス組曲第1番 アルマンド,クーラントアルマンド:弾きこみ段階。しかしながら11小節の2拍目のトリルがネックとなっている。譜面では下からの開始音があるトリル指定なのだが、様々な音源を聴く限りでは下からの下からの開始音を無視した弾き方が多い。自分自身でもこの部分のトリルが弾きづらいため、もう少し要検討。クーラント:本日から開始。しかし、早くも冒頭から指保持がうまくいかずに苦戦中。おまけに弧線付きのトリルの扱いがうまくいかず、今しばらくは弧線指定を抜いてまずは音符だけを追いかけていくか。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #16#16:テンポ120から先に進まないどころか、後退状態ゆえ、テンポ116にて再挑戦。その後、指を馴染ませてテンポ120で。どうやら手首に余分な力が入っているためにスムーズな移動が出来ていないものと思われる。もっと柔軟性をもって。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1ある程度形になったからといって安心するな。粗はまだまだ目立つし、中間部の和音(アルペジオ)進行も更に煮詰めが必要(流れが悪い)。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8,#22(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型),#20(左分散音型)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1,5,7----------------------------------------------------
Jan 5, 2006
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大晦日の23時30分から始まったテレビ生中継「東急ジルベスター・コンサート」(テレビ東京系)を見つつ、年越し蕎麦を食べていると、まもなく小山実稚恵さん演奏のショパン「子犬のワルツ」が始まった。やっぱり2006年の弾き初めは「子犬のワルツ」でキマリでしょ!固く心に決めた私である。そして、いよいよベートーヴェンの交響曲第9番最終楽章(第九)で新年へのカウントダウン開始。テレビの画面端に「後何分何秒」と表示され、否応なく新年に近づく一歩一歩が目に見える形となって訴えかけてくる。終曲がちょうど新年1月1日0時0分0秒に合うように、指揮者の小林研一郎さんのコントロールによって演奏は進んでいく。蕎麦をすすりながら観ていることが申し訳なく感じる。が、まぁこれは仕方がない。さぁ、23時59分、画面の時計がデジタル表示からアナログへと変わり、秒針が一秒一秒刻まれていく。曲もクライマックスをむかえ、今、まさに終わろうとしている。2006年1月1日0時0分0秒、ベートーヴェンの第九は新年と共に終わった。ブラボー!!◆ ◆ ◆ ◆ ◆「新年明けましておめでとうございます!今年もどうぞよろしくお願いします」◆ ◆ ◆ ◆ ◆その後、楽しみにしていた小山実稚恵さんのラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番第1楽章を聴きながら、新年の喜びに浸る・・・のは私だけであった。家族はといえば「"行く年来る年"観ないと新年の気分にならないよー」とか「シルベスタ・スタローンって面白い名前のコンサートだね?」などと訳のわからぬ言葉で私を困らせる。シルベスタじゃなくて、ジルベスターだってば。ドイツ語で「大晦日」という意味。しかし、ラフマニノフのピアノ協奏曲を聴きながら「なんだかピアノの低音にちょっと違和感を感じるね」という意見だけは共通であった。テレビ中継だから、そのように感じただけ?? ピアノの音色が全体的に乾いていて、オーケストラと調和していないようにきこえてしまったのは、我が家のテレビのせいか。そうであって欲しいような・・・。でも小山さんの演奏は優雅でそれでいて筋の通っていて、やっぱりステキだ。今年から12年間にわたって24回のリサイタルをオーチャードホールで開催するとか。画面には予定曲目が流れていったのだが、聴きたい曲が幾つも目にとまり、あぁ、リサイタルに行きたい!と、年明け早々、そんな思いでいっぱいになってしまった。◆ ◆ ◆ ◆ ◆っと、新年になってただいま2時間が経過したところ。さすがにこれからピアノを弾くわけにもいかないので、また、日中にでもきちんとした形で、ピアノの弾き初めが出来たらいいな、と思っている。というわけで、今年もこんな調子でマイペースにピアノと取り組む私であるが、どうぞ末永くおつきあいのほどよろしく・・・・。今年1年皆様にとっても、良い年でありますように。今年のピアノもしくは楽器弾き初め、聴き初めは何かな??(多分、追記予定あり・・・だってまだ弾き初めしていないのだもの)
Jan 1, 2006
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ピアノ仲間のかおるさんから「ショパン1月号にショパコンCDが付いている」というありがたい情報を頂いた。というわけで、慌てて楽器店に走り、月刊ショパン1月号(株式会社ショパンから発行)を探す。しかし、見慣れたショパンの文字が踊る表紙が見当たらない。「はて?」とウロウロ探していると、なんと2006年1月号から表紙のレイアウトが変更され、雑誌タイトル文字が「ショパン」から「CHOPIN」になっているではないか。いやはや、気付かなかった。というわけで、ピアニスト関本昌平氏の写真がドーンと表紙を飾るショパン1月号を入手する。余談だが、表紙の関本氏をじーっと眺めていると、どことなく歌手の槇原敬之に似てないか?えっ、似てない??(なんだかいずれのファンからもクレームがきそうなので、このへんでやめておこう・・・)さて、付録のCDには以下の曲たちが収録されている。・ワルツ第4番 ヘ長調 Op.34-3 (辻井伸行/第1次予選)・マズルカ イ短調 Op.59-1 (ソン・ヨルム/第2次予選)・プレリュード 嬰ヘ長調 Op.28-13 (工藤奈帆美/第1次予選)・エチュード イ短調 Op.10-2 (大崎結真/第1次予選)・プレリュード 嬰ヘ短調 Op.28-8 (大崎結真/第1次予選)・マズルカ ト短調 Op.24-1 (根津理恵子/第2次予選)・マズルカ ハ長調 Op.24-2 (根津理恵子/第2次予選)・エチュード ホ短調 Op.25-5 (リー・カ・リン・コリン/第1次予選)・ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53「英雄」(関本昌平/第2次予選)・スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39 (山本貴志/第1次予選)・プレリュード 変ホ短調 Op.28-14 (イム・ドンミン/第1次予選)・プレリュード 変ロ短調 Op.28-16 (イム・ドンミン/第1次予選)・エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4 (イム・ドンミン/第1次予選)・ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2 (イム・ドンヒョク/第1次予選)・舟歌 嬰ヘ長調 Op.60 (ラファウ・ブレハッチ/第1次予選)・マズルカ ハ長調 Op.65-2 (ラファウ・ブレハッチ/第2次予選)収録された演奏者たちは、本選に出場した者を中心に構成され、またコンクール内でも特に注目を浴びた辻井伸行氏の演奏も含まれている。月刊ショパン編集部が厳選したということもあってか、なかなかバランスのとれた収録である。これだけの曲を集めようと思ったら、ショパンコンクールの輸入盤ライブCDを何枚買わねばならないか・・・、それを考えるとかなりオトクともいえるCDである。私としては、エチュードOp.10-4とスケルツォ第3番、舟歌、プレリュードOp.28-16が入っているだけでも機嫌がよい。しかも、山本氏が演奏するスケルツォは、ペダルをドンっと踏みならす音やら例の息漏れ音が克明に収録されていたりも。イム・ドンミンのエチュードOp.10-4はまさしく突風のように駆け抜けていく。そしてブレハッチの舟歌は、あまりに美しい。本誌のほうでは、2006年にアニヴァーサリーを迎える作曲家たちの特集や、2006年来日のピアニストたちの特集が掲載されており、生演奏の魅力にハマッてしまった私には、目に毒な感じもなきにしもあらず、である。2006年といえば、モーツァルトが生誕250年というのは記憶していたのだが、シューマンの没後150年であったりもする。さぁ、没後150年、シューマンを偲んで何を弾こうか。って、ショパン熱から再びシューマンに戻るのか、私。あぁ、あっちだこっちだとフラフラと忙しい??◆ ◆ ◆ ◆ ◆この日の夜は家族が忘年会で帰りが遅いということなので、冷蔵庫から飲み残しのワインを取り出すと、ゴクゴク飲みながらひとり宴会を開催だ。こんな時は、手軽に食べられる、しかも自分の好物料理を思いっきり楽しみたいものだが、白い私が「さぁ、何を作りましょうか」と折角ささやいているのに、黒い私が「面倒じゃ面倒じゃ。作るなんて面倒じゃ」と吠える。結局、黒い私が勝ち・・・うーん・・・カップラーメン?(爆)だいたいワインにラーメンだなんて、合わないこと、このうえない。やめておこう、ワインが勿体ない(ってテーブルワインだが)。結局、スーパーに慌てて出かけていき、ちょっとしたミニサラダと鶏の唐揚げを買ってくると、冷蔵庫の奥で眠っていたチーズをゴソゴソと取り出す。うん、やっぱり気分は宴会だ。で、BGMは入手したての雑誌付録のショパンコンクールCD。あぁ、至福のひととき。だ、誰?、なんたるわびしい宴会か、なんて陰口たたいているのは。そういえば、独立したてのころは、自炊することが楽しくて調理器具を無意味に揃えてはあれやこれやと家で作ったものだが、仕事で疲れて帰る日が続くと、とてもじゃないが自炊するどころじゃなくなったっけ。隣のコンビニエンスストアで、今日買って来たような惣菜を並べては、夜な夜なひとり宴会をくりひろげていたっけ。それが物足りないと、あぁ、夜中のラーメン屋通いが懐かしい・・・・こうして、昔を思い出しながら、いつの間にかコテンと眠りこけていたのであった。ふぅ、5分で出来る手抜き好物料理のレパートリーでも考えておくことにしようか。刺身買ってきてお皿に盛っておしまい、この確率が最も高くなりそうな私であった(笑)◆ ◆ ◆ ◆ ◆音楽と料理といえば、ショパンに似合う料理とか考えるのも面白そう。ポーランドの家庭料理ってどのような感じなのだろう。フランスの作曲家には、やっぱりフレンチ?イタリアの作曲家にはイタリアン?おいおい、それじゃ安直過ぎるか。あぁ、思いは尽きない。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15,#16ab#07(3度を4-1,5-1指で)#08(アルペジオ)#09(指広げ)#10(5指押さえ指均一)#15(3指押さえ指均一)#16a(4指押さえ指均一),#16b(3指押さえ指均一)>>>#15はとりあえず今日でおしまい●全24調4オクターブスケール●クラーマー=ビューロー60練習曲 #23#23:音型に合った腕と手首を使う練習。数日間クラーマーから離れていたものの、特に後退することなく弾きこみ段階へ。冒頭数小節の上り音型、もう少し勢いをもって一気に駆け上がるように弾きたいところだ。●バッハ フランス組曲第1番 アルマンド私はどこをどう弾きたいか、ビジョンがまだみえていないように感じる。ただ単に弾いているだけ、といったところか。まぁ、最初はとにかく楽譜どおりに弾けないと話にならないのだが、素直な進行で進行自体にはだいぶ慣れてきたので、もう少し肉付けをしていこう。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #16#16:テンポを110から段階的にアップして126まで繰り返し練習。今はとにかく弾いて弾いて弾きこむしかない。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1通し練習。中間部がどうも荘厳な流れにならずデコボコした流れになってしまう。アルペジオの弾き方ももう少し工夫が必要。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8,#22(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型),#20(左分散音型)●バッハ シンフォニア #01~#15●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1,4,5,7----------------------------------------------------今日の語呂合わせ練習→無し
Dec 26, 2005
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12月18日は、ヤマハエプリプラス立川主催の「高橋多佳子さんクリスマスコンサート」。この日は、いつもにも増して北風が舞う極寒の日曜日ではあったが、コンサートを待ちわびる自分の心は、まるで北風と一緒にダンスしているようで、寒さすら楽しく感じられるから、いやはや不思議だ。今日は珍しく家族と一緒にコンサートに行くということもあってか、ちょっと早めに車で出発、立川まではすんなり来られたものの、休日の立川って日中は駐車場がどこも満車状態ではないか。数百台収容可能という巨大駐車場にすら、どこまでも延々と続く車の列が出来ており、とてもではないが、停められそうにない。「休日に車で立川に来てはいけないってことか・・・」と思い知らされることになるが、小規模な駐車場の前でふんばって待っていると30分ほどしてようやく駐車できた。これはかなり運が良かったようだ。うむ、日頃の行いが良かったから、とでもいっておこうか。まずは山野楽器で、家族がカラオケで歌うと言い張っているポルノグラフィティのアルバムを1枚、そして映画「皇帝ペンギン」(実は私、ペンギンマニア)のDVD、更にはあまりお薦めとはいえないとは教えて頂いたものの、ピアノ演奏での収録の店頭在庫はこれしかなかったという理由から、シフ演奏のバッハ・フランス組曲のCDを買う(ピリスのフランス組曲も欲しかったのに、トホホ、売ってなかった)。このシーズン、山野楽器は年末まで毎日ダブルポイントだとかで、ポイントがドーンとついてかなりニンマリだ。そしてちょっと遅めの昼食をとると、私は先にヤマハへ。家族は買い物があるから、とビックカメラへ。ヤマハにたどり着くと、先程買えなかった全音の「フランス組曲」集(市田儀一郎版)を無事発見、よし、これで更にフランス組曲に一歩近づいた感じだ。(単純である)◆ ◆ ◆ ◆ ◆さて、開場は16時30分であるが、更にその30分前に会場入口に向かうと既に人が並んでいた。「あらら・・・」それでも、なんとか前回のショパン公開講座に引き続き、演奏が間近で観られる席を確保してこれでひと安心だ。会場はちょっと広めな会議室で、椅子がズラリと並んだまさにサロンコンサートの雰囲気であるが、ふと気が付けば会場は満席状態となっている。「あぁ、早めに来ておいて良かった・・・」そして開演17時をまわり、ピンク色のロングドレス姿の高橋多佳子さんが登場。軽いトークから始まった和やかな雰囲気のなか、「実はクリスマスコンサートなのに、今回のプログラムにクリスマス的な曲がないのには理由がありまして・・・」と、多分お客さんが気になっていたであろう種明かしをここで語る。「昨年もこの立川でクリスマスコンサートをさせて頂いたのですけど、その時に私のクリスマスレパートリーを全て弾ききってしまって、今回はネタ切れになってしまいました」ここで会場が爆笑。というわけで、今回の演奏された曲目は以下のとおりである。・ルーマニア民族舞曲(バルトーク)・ワルツ 第2番 Op.34-1 (ショパン)・マズルカ Op.30全曲 (ショパン)・アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22 (ショパン)~休憩~・リゴレット・パラフレーズ(リスト)・ピアノソナタ第2番 変ロ短調 Op.36 (ラフマニノフ)~アンコール~・ピアノ協奏曲第2番第2楽章 自己編曲バージョン(ショパン)・パガニーニ狂詩曲から第18変奏曲 とあるお客様編曲バージョン (ラフマニノフ)休憩をはさんで前半は全て舞踏曲、そして後半、特にラフマニノフのソナタは、高橋さんの「挑戦」的な意気込みが感じられる選曲である。実は1曲目の「ルーマニア民族舞曲」を聴くのはこれが初めて。実に格好良い曲であり、高橋さんの奏でるキリリとした音色にとてもマッチしている。そして2曲目からはショパンの舞曲が3曲続くのだが、特に前半最後の「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」は、そのタイトルどおりに実に華麗で且つダイナミックな演奏であった。この秋、ショパンコンクールの第2次予選をネット上で何度となく聴いていた私であるが、やはり目の前で繰り広げられる華やかな音のダンスに、思わず鳥肌がたってしまった。後半は大曲が2曲ということで、まずは「リゴレット・パラフレーズ」。これはヴェルディのオペラ「リゴレット」をリストがピアノ用に編曲したものである。これまで高橋さんというと「ショパン」というイメージが非常に強かったのだが、リストの華やかで凛々しい進行もしっかりと自分のものにして、たっぷりと表現している。こういう演奏を聴いてしまうと、あぁ、リストの曲ももっと弾いて欲しいと思ってしまう。そして最後はラフマニノフのピアノソナタ第2番。私自身、ラフマニノフといえばこれまで練習曲や前奏曲、ピアノコンチェルトあたりはよく聴いていたのだが、ソナタはほとんど聴いたことがなかったため、今日のプログラムは私にとってもまさしく新境地を切り開くような状態だったりする。高橋さんの解説によれば、この曲はもともととてつもなく長くそして難関な曲であったらしい。ところが、周囲から山のような批判に遭い、打たれ弱いラフマニノフはこの曲をもう少し短く作り直したとか。それが、いわゆる「改訂版」である。今日は改訂版のほうのピアノソナタ2番であったが、それでも曲のボリュームは満点、しかも会議室全体には強烈なパッセージと火の玉が落ちてくるような激しい音が轟き、そこに別の高橋多佳子さんをみたような気がする。そういえば、コンサート中のトークのなかでフィギュアスケートの話がとびだし、本番前の緊張感、そして芸術を生み出すという点でスケートと音楽はよく似ている、と語られていた。そして、勿論ピアノの技術を磨くことも大切、でも、それだけでなく、些細なことにも感動したり、その思いを音にしてみたい、そういう感覚を磨くことも大切だと。そう、技術だけでなく感性磨きもしていかねば。それにはただピアノの前に向かっているだけでなく、もっと様々な分野に興味をもつことも必要。プロの演奏家のお話を聞くと、この言葉を口にされる方がとても多いと感じる。技巧寄り志向に傾き過ぎて表現力が欠如してしまわないように、その警鐘の意味もあるのかもしれない。アンコールは、ショパンのピアノ協奏曲第2番の第2楽章を高橋多佳子さん流にソロバージョンに編曲して演奏、あぁ、オーケストラとの共演とはまた違った魅力がある。むむ、この楽譜を出版してくれないしから、なんて思っちゃったりも(笑)更にはラフマニノフのパガニーニ狂詩曲の第18変奏曲、これはとあるお客様がアレンジしたものだとか。非常にドラマチックで、それでいてスッと筋の入った一本の旋律とそれに絡み合うハーモニーが心に染み通る、本当に素晴らしいアンコールだった。(最近、高橋さんのコンサートではこのアンコールが定番になっているようだ)◆ ◆ ◆ ◆ ◆2時間ちょっとのひとときはあっと言う間であった。コンサート後、お待ちかねのサイン会があり、いそいそと楽譜とCDを持って並んだのはいうまでもない。そしていざ高橋さんと目があうと「あら、夏の所沢(のショパン講座)にもいらっしゃいましたよね」と高橋さん。うわっ、平々凡々な私を覚えていてくださるとは、このうえなき感激である(実は、この後、家族から「おまえ、会場で何かやらかしたのか」と指摘されたりもしたのだが・・・)。私の後ろに並んでいた女性も、高橋さんのお知り合いだったようにお見受けする。高橋さんの演奏はもとより、人柄に惹かれて、またコンサートに足を運んでしまう、きっとそんな人は多いはず。本当に、本当に素敵なクリスマスコンサートのひとときであった。帰りの車のなかでも、サインして頂いた「アンダンテスピアナートと華麗と華麗なる大ポロネーズ」の楽譜を握りしめながら「幸せ!!(ここにハートマーク)」を連発する私がそこにいた。普段クラシックを聴かない家族も「クラシックのコンサートってもっと堅苦しいものなのかな、と思っていたら、結構楽しいんだね」とまんざらでもない様子。こうしてパワーも頂いたことだし、また明日からはりきってピアノに向かおう、そう決意した。
Dec 18, 2005
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今朝、いつものようにテレビの番組欄をチェックしていたら、いきなり「ショパンコンクール」の文字に目がとまった。「全盲の天才少年ピアニスト・ショパンコンクールに挑戦!」って、もしかして辻井伸行さんのことか?そのとおりであった。放映日:12月4日 20:00~21:55放送局:BS Asahiタイトル:全盲の天才少年ピアニスト・ショパンコンクールに挑戦!内容は、全盲の天才少年ピアニスト辻井伸行さんが第15回ショパン国際ピアノコンクール挑戦。カメラが追い続けた2500日間、その成長の記録を放映するらしい。つい先日もTV朝日放映の「報道ステーション」で辻井伸行さんの特集が組まれたばかりであるが、今度はBS朝日の開局5周年記念特番として、2時間のボリュームある番組である。って、放映日は今晩ではないか。BS朝日が視聴可能な人は、是非観てみよう。私も慌てて実家に電話をして録画予約してもらい、後日実家に帰った際に見せてもらうことにした。ちょうど「あんた来週誕生日なんだから帰ってらっしゃい」と親から再三言われていたので、タイミングもバッチリ・・・なのか?。以上、とりいそぎ ふゆのほし番組欄ウォッチャーからの報告おしまい。◆ ◆ ◆ ◆ ◆今日はあまりに寒い、寒すぎる。寒すぎて、まだピアノ部屋に行けていない。練習したいのに、寒さが私を阻んでいる。甘酒でも作って景気づけしようか。
Dec 4, 2005
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夜、NHK教育の「芸術劇場」を観ていたら、ピアニストであるイーヴォ・ポゴレリチ氏のインタビューが放映されていた。スキンヘッドになっていて、あらまぁビックリ。えっ、知らなかったのは私だけ?2005年10月の日本公演については、ネット上を徘徊していても賛否両論ぶりが伺えるが、インタビューを受けるポゴレリチ氏のお顔は、艶も良くどことなく神がかった表情すら感じられたりもした。最愛の妻の死によって演奏活動を停止してしまったポゴレリチ氏だが、新たな師の存在によって、今後は意欲的に活動されそうである。彼は、インタビューのなかで最愛の妻であり師であったアリスさんのことを「音楽院ではひとつひとつの音について追求することもなく、彼女は譜面のたった1段に4時間の時間と熱意をかけて、そして生徒にも作曲家にも敬意を払う先生は初めてでした」と語る時、表情は愛情に満ちあふれていた。そして最も印象に残ったのは「次第に自分を強く表現できるようになり、常に同じ理念のもとで演奏が出来るようになった」という一言だったりする。常に同じ理念どころか、土台もできあがっていない自分は演奏する精神状態と未熟な技巧によって、どうしてもふらつきが出てしまう。もっともっと精進せねば。。。ポゴレリチ氏といえばどうしても思い出してしまうのが、第10回ショパンコンクールに関するあの事件。第3次予選で落ちてしまったポゴレリチ氏の評価に不服とし、あのマルタ・アルゲリッチさんが「彼は天才よ」と怒って審査員を降りてしまったという話はあまりに有名なはず。確かにポゴレリチ氏、演奏中にガムはかむわ、独特の衣装だったりと異端児ぶりを思いっきり発揮していたようであるが、あれからすっかり話題の人となってしまった。ファンも多いようである。それにしても、マルゲリッチさんが言い放った「彼は天才よ」、ふと、シューマンがショパンのことを「諸君、帽子をとりたまえ 天才だ」と絶賛したのを思い出してしまった。(インタビュー放映中に流れたボゴレリチ氏の演奏)・バッハ イギリス組曲 第2番・ショパン ノクターン第16番 Op.55-2/他そういえば、その日の芸術劇場のゲストであったジャズピアニストの小曽根真さん、最近はクラシックの演奏活動もされているとか。こちらにもビックリなのであった。様々な演奏家がジャンルの垣根をとっぱらって音楽を広める、とても素晴らしいことだと感じている。また、小曽根さんの「自分の音のパレットが、ポゴレリチさんのリサイタルを聴いた後で1つか2つ増えたような気がする」という言葉を聞いて、やはり生演奏はもっともっと聴く機会を得たいものだ、と思ってしまった。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●全24調4オクターブスケール●クラーマー=ビューロー60練習曲 #22#22:左手のための練習。まずはゆっくりテンポで譜面どおりに。2小節をはじめとする右のトリルがいまひとつ綺麗に入らない。27小節の2音目の指使いに気を付けて。17小節から20小節にかけての流れがスムーズにいくように要部分練習。●バッハ シンフォニア #10~#14#10~13:おさらい#14:弾きこみ段階。あと数日安定して弾ければ次へ。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #05,#16#05:弾きこみ段階。更に少しテンポ上げて八分音符170で。だいたい中程度のテンポだろうか。これである程度は弾けているが、更に余裕ある凛々しい音を目指して繰り返し練習だ。#16:今日もテンポ四分音符116で繰り返し練習。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1残念ながら進展は無し。70小節や54小節の和音進行はまだまだ改善の余地あり。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型),#20(左分散音型)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1,4,7----------------------------------------------------本日のおためし~ライフワーク的取り組み●ショパン 幻想曲 Op.49----------------------------------------------------本日の語呂合わせ復習●ショパン 即興曲 Op.29ピアノを再開してから数回練習したものの、学生時代に弾いた頃のようにはいかないのが辛い。が、無理して速く弾こうとせず、穏やかに中テンポで弾くことで徐々に慣らしていこう。
Nov 27, 2005
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11月14日20時からNHK教育テレビにて放映の「福祉ネットワーク」に、ピアニスト舘野泉氏が出演、演奏とトークの30分間はあっという間に過ぎていった。それとともに、音楽に向き合う姿勢についてまたひとつ考えさせられたような、そんな時間となった。■吉松隆作曲 タピオラ幻景~「風のパヴァーヌ」の演奏からはじまるNHKふれあいホールの風船いっぱいのステージ。どことなく可愛い?雰囲気が漂う会場にドーンとおかれたスタインウェイのピアノはちょっぴり違和感すら感じさせる。そんななか登場した舘野氏は、まず吉松隆作曲のタピオラ幻景から「風のパヴァーヌ」を演奏。明らかに空気が変わる。そう、それはフィンランドの空気に。というのも、この曲は吉松氏がフィンランドの森をイメージし、舘野氏のために作られたものであり、そして、フィンランドといえば舘野氏には故郷的な場所でもある。■ステージ上での悲劇、舘野氏自らが語る演奏後のトークでは、まず演奏活動40周年のリサイタル風景(2001年)が映し出された後に、翌年である2002年1月9日、フィンランドのステージ上で起きた悲劇について、舘野氏自らが語ってくれた。それはあまりに生々しい。「最後の曲の、譜面でいえば最後から3ページ程のところで調子がおかしくなっていった。右手がどんどんと遅れていき、指が動かなくなり、それでもなんとか最後の和音を左手で弾いてステージを後にしようとしたところで倒れた」・・・と。それは脳溢血だった。予兆もなかったし、右手が徐々に動かなくなるなか、特に頭が痛い、なんていうこともなかったらしい。病院でも意識は途切れたり復活したりと、いわゆるもうろうとした状態だったという。■膨大なレパートリーを一瞬にして失った~苦しかった入院当時~脳溢血により右半身不随となった舘野氏の入院生活、それは想像をも絶するどん底な思いだっただろう。ある日突然引きこまれた過酷な運命に、すぐに前向きになれる人なんて早々いないものだ。だって、今まで弾けていた数々の曲たちを、もう演奏することもできないのだから。そんななか、友人たちが見舞いにきては、「ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲があるじゃないか、あれを弾けばいいじゃないか」なんて元気づけるために言ってくれたらしいが、当時の舘野氏にしてみれば「くそくらえ」としか思えなかった。当時、舘野氏自身も「ピアノは両手で弾くものだ」と思いこんでいたから。だから、誰がそんな曲を弾くものか、と頑なな思いだった。■左手だけでも十分に音楽は出来る~決して制約でなく~そんな岩のような思いだった舘野氏の心に変化がみられたのは、息子さんがプレゼントした1冊の楽譜。ブリッジ作曲の「3つのインプロヴィゼーション」という、左手のための曲であった。その楽譜を手にした時、舘野氏はハッと感じたのだろう。「そこに音楽がある」、それは「左手のみ」という制約されたなかの音楽ではなく、ひとつ完成された音楽であることに変わりない、そのことに気付いたのだ。「左手だけでも十分に音楽は出来る」、その思いが舘野氏を演奏復帰へと導いたのであった。私たちは、どうしても固定観念にとらわれてしまいがち。頭ごなしに「出来るわけがないじゃないか」なんて思わず、今、使えるものをいかに使って、そのなかで最大限を表現するか、それも音楽の楽しみではなかろうか、と。■スクリャービン作曲 左手のための2つの小品~「夜想曲」の演奏この演奏の前に、舘野氏は左手1本で全ての音楽の要素を受け持つことで、音楽がひとつの手にまとまって見える、と語っている。「親指と人差し指で旋律を奏でれば中指・薬指・小指で伴奏を」と言いながらスクリャービンの夜想曲を、まずは旋律のみ、そして伴奏を加えてサラサラっと弾いてみせる。(会場と司会者から感嘆の声。)そして改めてスクリャービン「夜想曲」の演奏がはじまった。この曲、実はスクリャービンの数ある曲のなかでも、私自身かなり好きな曲の部類だったりする。演奏中、画面には舘野氏のエッセイである「ひまわりの海」から、闘病中、そしてリハビリ中の思いを綴った文章が画面を流れていった。「音楽をするのに手の1本も2本も関係無かった」という、その言葉が心を刺す。■生きている、すなわちそれは音楽に携わっている舘野氏にとって、「生きている」イコール「音楽をしている」、そして聴衆と一体となるあの感覚は、演奏家としては忘れられないという。多分、一度どん底に落ちた時には、その思いを無理矢理消してしまおうと思ったにちがいない。しかし、家族や周囲が願う復帰への道、そして舘野氏自身の気持ちの変化、これらが一体化したからこそ、現在があるのかもしれない。番組の最後を締めくくる舘野氏の「ピアノがあればよい、生きているのが、また楽しくなった」この一言は、きっと大なり小なり、そんな思いを抱えてピアノに向かっている人も少なくないのではないだろうか。◆ ◆ ◆ ◆ ◆私自身も思う。「今日もピアノに向かえることに、幸せと、そして感謝の思いを忘れない」と。何に感謝?って、それこそ、今、いろいろな問題を抱えながらもピアノに触れていられる全ての状態に・・・とでもいっていこう。まぁなかなか上達しないのは、自分自身の問題ではあるのだけれど、それでもひとつの譜面から広がる世界があまりに壮大過ぎて、それこそ一生向き合っても終わりは見えなさそう。しかし、その底辺をウロチョロしているだけの状態ではあっても、その曲に触れられていられるのはやっぱり嬉しい。ピアノって、ううん、それだけでなく、音楽を奏でるって、楽しい。こうして時々原点に戻ることで、また、音符のひとつひとつに対するいつくしみ度も再認識できるかな。舘野泉著:エッセイ「ひまわりの海」----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●全24調4オクターブスケール●クラーマー=ビューロー60練習曲 #21#21:右手明確な指さばき練習 テンポアップ開始したが凡ミスが増えてきた。●バッハ シンフォニア #10~#14#10~13:おさらい#14:21小節の下声と中声の弾き分けが出来ておらず、どうしてもつまずいてしまう。他の部分も符号通りに伸ばす・切るが出来ておらず、全体的にのっぺりした状態になっている。8小節の1拍目の中声は左で弾くところを毎度間違う。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #05,#16#05:弾きこみ段階。停滞気味#16:練習段階。快調に進み出したと思ったのは妄想か、26小節の3拍目の1-4-2-3、これがテンポアップでかなりしんどい。同様に10小節の3拍目も1-5-2-3のパターンがテンポアップでつまずき始めた。指の伸縮練習は毎日しているはずなのにここで思わぬ壁か。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1弾きこみ段階。通し練習後に後半を中心に葛藤は続く。どうも和音の汚さを改善するのが時間がかかりそう。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型),#20(左分散音型)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1,4,7----------------------------------------------------本日のおためし~ライフワーク的取り組み●ショパン 幻想曲 Op.49数日ぶりに練習してみると、どうにも無惨。109小節を始めとするオクターブ進行は音外しだらけだし、164小節以降はほぼやり直し状態。
Nov 14, 2005
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2日の夜、夕食後に何気なくインターネットテレビ番組表を観ていると、同日のテレビ朝日放映の報道ステーションで「ショパンコンクールへの挑戦 17歳、全盲のピアニスト」なる特集があるではないか。慌ててテレビのスイッチをつける。既に時計は22時半近くになっており、もしかしたら特集は終わってしまったかもしれない、いや、きっとまだかもしれない。テレビ欄では報道ステーション特集欄の後半に記されていたため、それに一筋の望みを託す。「報道ステーション」といえば、あの古舘伊知郎氏の司会でお馴染みのテレビ朝日系の報道番組。最近は、食事を終えると早々にテレビを消してしまい、ヘッドフォンで音楽を聴いていることが多いため、今日の特集に気付いたのは本当に偶然であった。あの時、オンライン上でテレビ番組表を観なかったら、気付くこともなかっただろう。(実は我が家、新聞をとっていないもので・・・)◆ ◆ ◆ ◆ ◆番組の後半で10分程度ではあったが、特集「ショパンコンクールへの挑戦 17歳、全盲のピアニスト」が始まった。そう、この特集の主人公は、今回のショパンコンクールに出場した17歳の若き全盲ピアニスト、辻井伸行氏である。辻井氏は生まれつき全盲であるが、音に対する興味は人一倍。4歳からピアノを習い始め、7歳では全日本盲学生音楽コンクールの器楽部門、ピアノの部にて第1位を受賞している他、国内で開催されている数々のコンクールで賞をとり、更にはオーケストラとの共演も数多く果たしている。そしてこの秋、挑戦したのがあの第15回ショパン国際ピアノコンクールだったのである。海外におけるコンクール出場はこれが初めてらしい。番組では成田空港からワルシャワへ飛び立ち、予備予選にのぞむところから映像が流れる。辻井氏の横で審査前の練習を見守るのは、彼のピアノの師でもあり、またピアニストでもある川上昌裕氏。ホテルの一室でソナタ第3番やエチュードOp.10-1を練習している風景が流れる。辻井氏の母、いつ子さんは「ピアニストの憧れのコンクールにこうして来られたことが不思議で、まるで夢のよう」と語る。ここまでくるのには、辻井氏本人の努力はもとより母親の協力や支えは必要不可欠であっただろう。息子を「育てるというよりも、一緒に歩いてきた」という言葉はまさしく、親子二人三脚を意味する。番組は彼の幼い頃の活躍を紹介、11歳での初リサイタル、12歳ではカーネギーホールで演奏、14歳では佐渡裕指揮京都市交響楽団との共演、16歳では東京交響楽団定期演奏会で演奏、16歳といえばちょうど昨年のことだ。さて、映像は予備予選会場。エチュードOp.10-1を演奏する風景は堂々たるもの、演奏後のインタビューでは辻井氏の「やったーといった感じです」がとても可愛らしく感じた。まだ純粋さが残る若い男の子なんだな、と。更にはロビーにはりだされた予備予選の結果を前に喜ぶ姿は、多分この番組をみていた人もついつい拍手したくなったのではないだろうか。全ての結果がわかっている現在なのに、何故かつい私まで「よっしゃー」と言ってしまったり。そしていよいよ1次予選。映像は辻井氏が演奏する「スケルツォ第2番 Op.31」。あぁ、ネット中継で観た興奮がよみがえる。師である川上氏の言葉をナレーターが淡々と伝えるなか、今更ながらではあるが心に重くのしかかったのが、以下の言葉。「楽譜をそのまま弾いただけではショパンにならない。」「伸行さんには17歳では考えられない1音1音にこめる表現力がある」そう、彼の演奏をネットを介して聴いていても、音を丁寧に扱い、命を吹きこんでいるような印象が非常に強かったのだ。そして無事、辻井氏は1次予選をクリアし、2次予選へ。辻井氏は「今の17歳で出来る限りのことを精一杯やるだけで、それでいいです。やるだけのことはやってきたから、もし、落ちても悔いはない」・・・と。本番前のプレッシャー、不安、それは想像を絶するものだろう、でも既に辻井氏はそれを超えて、非常に穏やかであるように感じた。今の17歳の自分の演奏に誇りをもっている、そんな姿だった。映像は、2次予選の「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」のクライマックス。演奏後の拍手はネット中継で聴いた時のほうが、ダイレクトに感じる大喝采だったのだが、会場から多くの「ブラボー」の声は今でも耳に残っている。拍手はいつまでもなりやまず、異例の4回のカーテンコールだった。残念ながら本選には進めなかったものの、ショパンコンクール音楽評論家賞を受賞。「世界の人に感動を与えるピアニストになりたい」、若きピアニスト辻井伸行氏の願いの言葉で特集は締めくくられた。◆ ◆ ◆ ◆ ◆東京都下の田舎町に住む私は、既に十分感動を感じているのだが、きっとそんな思いの視聴者も多いはず。でも、更に飛躍的に伸びる可能性がたっぷりあるピアニストではないだろうか。2次予選全曲を聴いていたなかでは、「各音の純粋な響きと安定した技巧面が印象に残り、これに更なる音楽のふくよかさが出てくると、更に音の広がりが増しそう。でも年齢と経験によって自然と身に付いていきそうだ」なんて、ふゆのほしメモが残されていた(笑)。今後の活躍が更に期待されるピアニストである。でも古館さん、折角、特集後に人が感動している時に、「そういえば、ピアノマンは今、どうしてるんでしょうね」のコメントはちょっと余計だったのでは??◆ ◆ ◆ ◆ ◆辻井氏のピアノの師である川上昌裕氏、実は国内におけるメトネル演奏の第一人者でもある。今年の初めに購入した全音の「メトネル 忘れられた調べ」の楽譜の運指解説は川上氏であるし、また、メトネルのCDも数枚、世に出している。メトネルの「回想ソナタ」が聴きたくて川上氏のCDを通販で買ったっけ。今でもお気に入りの1枚であり、回想ソナタはmp3プレイヤーにしっかり格納されている。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●全24調4オクターブスケール●クラーマー=ビューロー60練習曲 #21#21:右手明確な指さばき練習 かなり慣れてきたがまだまだ凡ミスが各所に。焦らず1音を確実に。スフォルツァンドがないところまで強調しないように。●バッハ シンフォニア #10~#13#10~12:おさらい#13:弾きこみ段階へ。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #05,#16#05:弾きこみ段階。・・・のはずだが、前進したり後退したり。もっと腕を楽にして弾かねば・・・#16:今更言うのもなんだが、この曲はやはり難しい。どうにも右指を鍛える練習と化しているが、今はそれに甘んじよう。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1弾きこみ段階。全体的にもう少し表情をつけよう。中間部から後半へとつなぐオクターブ連打箇所も、熱くなりすぎず、そしてペダルが汚くならないように。後半の3連符伴奏、細かな音ミスがチラチラと発生するが、弾きこんで綺麗に整頓していこう。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1,4●ブラームス 2つのラプソディ(No.2) Op.79-2----------------------------------------------------本日のおためし~ライフワーク的取り組み●ショパン 幻想曲 Op.49冒頭から154小節まで徹底練習続く。納得いくまで次には進まない。
Nov 2, 2005
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日曜日の23時10分からはNHK総合テレビにて毎週「NHKアーカイブス」なる番組で、過去に放映されたNHKの特集番組を再度放送されているのはご存じだろうか。10月30日放映は、当時大反響を呼んだ1999年2月放映の「フジコ~あるピアニストの軌跡」、そして7月放映の「フジコふたたび ~コンサートin奏楽堂~」(演奏抜粋)であった。1999年といえばすっかりピアノから離れてしまっていた時期ゆえ、私はその番組の存在を知らなかった。しかし、フジテレビで2003年に放映されたドラマ「フジ子・ヘミングの軌跡」を通して、NHKのドキュメンタリーがきっかけで彼女の存在がより一般に広まるようになった、ということを知り、機会があればそのNHKのドキュメンタリー番組を観てみたいと思っていたのだ。なにしろ、このNHKの番組直後から問い合わせや手紙などが1000通にも及んだといい、更にはあまりの反響の多さから再放送も何度もされたというから、この番組の影響力の大きさは計り知れなかったのではないだろうか。そんなNHKの番組「フジコ~あるピアニストの軌跡」のメイン舞台は、当時住んでいたフジコの下北沢の家である。この家での日常を通して、彼女の生きてきた栄光と陰の時代、そして日本での復帰コンサートに至るまでを紹介している。スウェーデン人の父、そして日本人の母に生まれたフジコは幼い頃から母から厳しくピアノのレッスンを受け、やがて才能を開花させていく。しかし、ドイツ留学を前に彼女が無国籍であることがわかり、パスポートもとれず、避難民として国外に出るしかなかったという。留学できたのは30歳になってから、それでもフジコは順調にヨーロッパでの成功をおさめていた。更にはあのアメリカの作曲家バーンスタインに才能を認められ、順風満帆だと思われたピアニスト人生だが、フジコはあるリサイタルの前に風邪をこじらせ、聴力を失ってしまう。折角つかみかけた大きなチャンスがここで崩れてしまったのだ。フジコは当時を振り返りながら「悪魔がいる、悪魔がいると思ったね。あの時のことは思い出したくない・・・」と語っている。その後、治療に専念したものの、2年間は全く聴力を失ったままであり、その後40%ほどの回復しか得られなかった。世間も彼女の存在を徐々に忘れていき、フジコ自身ももう人前で演奏することはないと思っていた。フジコの母の死がきっかけで日本に帰国、ピアノ教師をしながら収入を得ていたのだが、もう一度ステージに上がりたい、彼女の思いが新たな人生を開くきっかけに・・・そして復帰コンサートを上野奏楽堂で開催・・・ここまでが番組で紹介された彼女のストーリーだ。日常の風景として、下北沢の家にて9匹の猫ちゃんと暮らす日常(1999年当時)が映され、夜は物思いにふけりながらピアノを弾くという。母が決して手放さなかったピアノでフジコがしみじみと弾くベートーヴェンの「月光」、朝が苦手だというフジコがじゃがいものみそ汁を台所で立って食べる姿、日々の買い物風景などが次々と流れていく。フジコは語る。「私よりもテクニックが上の人なんていくらでもいる。でも機械的に演奏するのはいや。間違えたっていいじゃない。人間が演奏しているんだもの」確かに彼女の演奏は、まるでひとつひとつの音に、自分の人生の重みをずっしりと刻みつけるような演奏をする。鍵盤に向かう彼女のタッチはまるで何かを押さえ込むような、そんなところがみられる。彼女が最も得意とするリストの「ラ・カンパネラ」、あの鐘の響きは、彼女の人生そのものなのかもしれない。◆ ◆ ◆ ◆ ◆番組後半は、「フジコふたたび ~コンサートin奏楽堂~」(演奏抜粋)として、彼女が1999年4月に開催した復帰コンサートのなかから、5曲を放映。その曲は、以下のとおり。・愛の夢 第3番 (リスト)・伝説から 小鳥に語るアシジの聖フランシス(リスト)・3つの演奏会用練習曲から「ため息」(リスト)・エチュードOp.10-12「革命」 (ショパン)・パガニーニによる大練習曲より第3曲「ラ・カンパネラ」(リスト)「リストとショパンを弾くために生まれてきたピアニスト」ということもあってか、選曲は彼女の得意なリストを中心にショパン1曲を含む計5曲が放映された。これまでテレビ等で何度も彼女の演奏を聴いてきたのだが、1999年時点での演奏をこうして改めて聴いていると、彼女は「音色」と独特の「間」をもって、聴衆に訴えかけるピアニストなのだな、ということをしみじみと感じさせる。(ただ、「ラ・カンパネラ」と「ため息」は非常に心に強く残ったのだが、ショパンの「革命」は全体的になだらか過ぎてしまい、私の感性とは少々異なっていたりも。)それにしても、久々のリサイタルに全身で緊張して楽屋に佇むフジコの表情が、とても可愛く見えた。◆ ◆ ◆ ◆ ◆人生、何事も諦めちゃだめだ、挑戦できる力が少しでも残っている限りは、どんな小さなことでもいい、挑み続けよう、この番組をみて、少しパワーを貰ったような気がする。これまでの人生に、何か諦めたまま放置してしまったもの、ないだろうか。いまいちど、掘り起こしてチャレンジしてみたいもの、あるだろうか。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●クラーマー=ビューロー60練習曲 #20,21#20:左手分散音型練習。本日でとりあえず一区切り。左分散音型練習としておさらいメニューに追加。#21:右手明確な指さばき練習 本日から開始。解説によれば3-4指や4-5指が含まれる音型が弾きづらいため予備練習を要すると書かれていたのだが、別段それほど弾きづらさは感じず、どうやら難箇所はなさそう。後は進行に慣れていこう。●バッハ シンフォニア #10~#13#10~12:おさらい#13:中間部以降、各声の運指がまだ慣れきっていないせいか、フレーズの各所で分断されがち。ゆっくり確実にさらって。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #05,#16#05:弾きこみ段階。#16:左の音域広い跳躍箇所で余裕無い音になってしまい、その点は頂けないが、右進行はだいぶ慣れてきた。実テンポにはまだまだほど遠い状態であるが、ようやく形を成してきたというレベルか。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1通し練習及び、後半重点練習は続く。懸念事項であった69~70小節はここにきて余裕度が見え始めてきた。前半の特に右旋律、今一度指使いを確かめながらさらう。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1,4----------------------------------------------------本日のおためし~ライフワーク的取り組み●ショパン 幻想曲 Op.49時間切れにつき、77小節以降154小節までのみ練習。今はとにかく進行に慣れるべし。
Oct 30, 2005
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第15回ショパンコンクールで見事1位に輝いたラファウ・ブレハッチ氏のデビューCDが、10月21日に発売された。それが「英雄ポロネーズ~ピアノリサイタル」である。10月21日といえば、ちょうどショパンコンクールの本選最終日、しかもその最終日はブレハッチ氏が本選最後の奏者として演奏する日でもあったわけである。これは単なる偶然だろうか。というわけで、発売日当日いそいそと立川まで電車で出かけていくと、お馴染みの山野楽器へ。クラシックCDがそこそこ充実している立川の山野楽器ならば当然おいてあるだろう、と思っていたのだが、なんと「無い・・・」。店員さんに聞いたところ「取り寄せになります」、な、なぬ!!!ここで取り寄せに甘んじる私ではない。今度は別のビルに入っている新星堂へ。実は立川の新星堂に入るのは初めてであるが、こちらもクラシックのCDはそこそこ並んでいる。しかも、新譜コーナーに堂々とブレハッチ氏のCDが掲げられているではないか。よっしゃー!!そのすぐ近くには、小山実稚恵さんの新譜「バラード」(ショパンのバラードが全曲収録されている)もドーンと置かれている。あぁ、こちらも心惹かれる。しかし、財布のなかはそれを許さない緊迫財政、「こ、小山さんごめんなさい、今度買います~」と言いながら泣く泣くCDを棚に戻す。とまぁこうして、ブレハッチ氏のCDは無事に買えたのであった。しかし、ショパンコンクール期間中はとてもとても時間にゆとりなんぞ無かったため、のんびりとCDを聴ける状態ではなかった。というわけで、コンクールも終わって一息ついた23日の午後のひととき、ようやくブレハッチ氏のCDに耳を傾けることが出来たのであった。■ラファウ・ブレハッチ「英雄ポロネーズ~ピアノリサイタル」2005年4月にポーランドで収録された曲たちは以下のとおりだ。CDタイトルが英雄ポロネーズなので、ショパン三昧かと思いきや、ショパンの楽曲は英雄ポロネーズのみで、他はシューマン、リスト、ドビュッシー、そしてシマノフスキといったロマン~近代派の楽曲で構成されている。・シューマン ピアノ・ソナタ第2番ト短調op.22・リスト 3つの演奏会用練習曲から「森のささやき」S.145-1・リスト 3つの演奏会用練習曲から「軽やかさ」S.144-2・リスト 3つの演奏会用練習曲から「小人の踊り」S.145-2・ドビュッシー ベルガマスク組曲・シマノフスキ 主題と変奏曲 変ロ短調 op.3・ショパン ポロネーズ 第6番 変イ長調 op.53「英雄」ショパンコンクールで十分にブレハッチ氏の演奏は堪能させてもらったのだが、こうしてCDを聴いていると、つくづく彼の音には粒の揃った細かな細かな粒子のようなものを感じる。決して1音も適当に扱うようなことはしない、音に対する「いつくしみ」といってよいだろうか。程よい叙情、つまり、過度に歌い過ぎるようなことはなく、それでいてテクニックだけにおぼれない、小気味よい旋律の処理をしてくれる。後半に収録されているシマノフスキの作品、実はシマノフスキは初めて聴くのだが、結構好きな部類だ。シマノフスキといえばポーランドの近代作曲家であるが、初期の作品にはショパン等のロマン派の影響を受けているようなので、こうして素直に聴けるのだろうか。こうしてCDも発売になったことだし、日本でのリサイタルもそのうちまた・・・あるかもしれない。いや、あって欲しい。でもショパンコンクールの影響で、リサイタルがあったとしてもしばらくはチケットを買うだけでも苦労しそうな予感がするのは、気のせいではあるまい。◆ ◆ ◆ ◆ ◆ショパンコンクール関係で、ネット報道を幾つか発見したので、興味がある人は読んでみてはいかがだろうか?・Infoseekニュース(ショパン国際ピアノ・コンクール、地元のブレハチさんが優勝 (ロイター))・TBS News i (ショパンコンクール入賞、2人の喜びの声)ロイター発のニュースだが、「ブレハチ」という表記がちょっと悲しい。また、TBSニュースのほうは関本氏と山本氏のインタビュー等を含む映像が観られるニュースだ。このニュース、確か、朝方にテレビで同じようなものを観た記憶があるが、お二方のインタビューはなかったような気がする。いや、寝ぼけていて記憶違いか。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●4オクターブスケール24調全て●クラーマー=ビューロー60練習曲 #20#20:左手分散音型練習。弾きこみ段階。●バッハ シンフォニア #10~#12#10~11:おさらい#12:弾きこみ段階。後2,3日安定して弾けたら次へ●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #05,#16#05:すっかり跳躍練習と化しているが、もう少し上腕を使ったほうが楽に跳躍出来るのではなかろうかとあれこれ検討中。#16:ゆっくりテンポで全体をさらう。右の進行は練習すればそれなりに進歩していくのだが、左はこれまた跳躍に泣かされることになりそう。特にオクターブを含んだ跳躍は音はずしっぱなし。まだまだ先は長い。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1通し練習後、後半部の粗が目立つ箇所を取り出しながら部分練習。いまだ69~70小節できちんと和音をつかめていない箇所あり。かなり時間をかけて練習しているのに、どうしてもこの部分だけがクリアできない。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1
Oct 23, 2005
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長かったショパンコンクールも10月21日に本選を終え、6名の受賞者が決定した。あぁ、私にとっても、これで20日間にも及ぶインターネット中継とも別れを告げることとなるのだが、その最後を締めくくるのが、「コンクール受賞者披露演奏会」。22日27時、つまり翌日3時からインターネット中継されるため、それに備えて昼間は寝ておくはずであった。ところが、22日未明から午前中にかけて受賞者の発表を聞いた後もしっかり起きており、それからすぐに寝れば良いものを、昼過ぎからはついついショパン熱に冒されてピアノに向かっていたら、寝る時間がどんどん消えていってしまったではないか。しかし、やはり私はそんなに若くはなかった。体力ゲージがエンプティとなった途端、急激に睡魔におそわれ、19時半頃から23時まで爆睡してしまった。それから慌てて夜遅い夕食をとる羽目となり、なんて不健康な生活をしているのだろうと反省しつつも、それも今日でおしまいだ。さてさて午前3時、インターネット中継が始まった。しばらくの間は授賞式の模様が放映され、本選進出した全てのメンバーに花束贈呈、続いて入賞者の紹介などが延々と続いていた。入賞者以外の面々は既に平服なため、入賞者の紅一点、カー・リン・コーリン・リーさんのドレス姿が妙に浮いてみえたりも。ステージ上に座る演奏者の皆さんの表情は、それこそ様々である。それにしても、どうも演奏会の始まる気配が感じられず、だんだんと途方に暮れかけてきた。そう、ちょっぴり眠くなってきたのだ。本選が終わって、観る側のこちらもすっかり気が抜けてしまった状態だ。あんなに張りつめた気持ちで日々観ていたというのに。ようやく、朝4時半頃になって受賞者披露演奏会が始まった。演奏された曲目は以下のとおり。皆、1次予選や2次予選で演奏された曲目ばかりなので、今回は私もくつろいだ気分で観ることにした。演奏者名エントリー国順位曲名カー・リン・コーリン・リー Ka Ling Colleen Lee香港6幻想曲 ヘ短調 Op.49関本昌平 Shohei Sekimoto日本4スケルツォ 変ロ短調 Op.31マズルカ Op.59-1 (アンコール)山本貴志 Takashi Yamamoto日本4ノクターン 変ホ長調 Op.55-2スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39マズルカ Op.59-2 (アンコール)イム・ドンミン Dong Min Lim韓国3ノクターン ハ短調 Op.48-1バラード第3番 変イ長調 Op.47イム・ドンヒョク Dong Hyek Lim韓国3バラード ト短調 Op.23ワルツ ヘ長調 Op.34-3ラファウ・ブレハッチ Rafal Blechaczポーランド1マズルカ Op.56(全曲)ポロネーズ 変イ長調 Op.53「英雄」ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2 (アンコール)ワルツ 変ニ長調 Op.64-1「子犬のワルツ」(アンコール)マズルカ 変ロ長調 Op.17-1 (アンコール)トップバッターのカー・リン・コーリン・リーさんや、そして山本貴志さんはコンクールでの緊張から解き放たれたのか、やや凡ミスが多めであったが、伸びやかに演奏されていた。一方、関本昌平さんやイム兄弟、彼らはコンクールと何ら変わることなく堅実に弾きこなし、特にイム兄弟の演奏を今こうして聴いていると、まぁこの順位もある意味納得かもしれない、と思うようになってきた。そして、ラストを飾るは1位のブレハッチ氏。心地よいマズルカのリズムで会場内を心地よい気分にさせた後、英雄ポロネーズで一気に華やいだムードに。今回の英雄ポロネーズは第2次予選で演奏した時よりも一層内容の充実した演奏だったと思える。彼の演奏は、受賞したからといって浮き足立つということは無い、ということを確信した。丁度日本時間で朝6時半頃、ブレハッチ氏をたたえるブラボーが会場から上がり、大声援のなか、アンコールへ。まずはピアノ習得者ならばお馴染みのワルツ第7番(Op.64-2)でしっとりとした気分にさせた後、今度は子犬のワルツで軽快に、最後にマズルカ Op.17-1で締めくくった。曲が終わるたびにアンコールを求める会場の拍手は、それはもうすさまじく、改めて30年ぶりにポーランド人が1位を受賞したことの喜びを感じられる、会場の風景であった。ふぅ・・・・すっかり燃え尽きてしまった。◆ ◆ ◆ ◆ ◆しかし、このままショパン熱まで燃え尽きるだなんてことは、どうやらあり得そうにない。ノクターンがまだ仕上がってもいないというのに、休日のお遊び感覚で「幻想曲」をぽつぽつと弾いてみたりしているのだから。そう、弾くたびについつい「雪の降る街を~」と歌いながら。ショパンコンクール前まではそれほど好きな部類ではなかったのに、今、無性に幻想曲が好きになっている自分がいる。ショパン(に限らずだが)を弾くにはまだまだ技量が到底ついていけない私であるが、弾きたいという気持ちは誰にも止められないし、弾きたいという気持ちこそが大切なのだ、と思う。だからもっともっと様々な曲を弾き散らかして、そのなかから自分にピッタリの1曲を探せばいい。さぁ、もっともっと弾こう、自分のピアノを。でも、ちょっと疲れた。そういえば、NHKやTBSのニュースでも、今回のショパンコンクールの報道がちらほらと流れているようだ。TBSのニュースは朝方見かけたのだが、画面いっぱいに山本氏の個性的な演奏スタイルが映し出された時には、あらびっくり。でもニュースメディアさんにお願いしたい。日本人の受賞ばかりとりあげないできちんと他の受賞者も取り上げて。せめて1位が誰だったくらいは伝えてくれても良いのではないか。まずい、なんだか支離滅裂になってきた。
Oct 22, 2005
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2005年9月23日の予備予選から始まった第15回ショパン国際ピアノコンクールも、10月21日に本選終了、そして今、その結果が発表になった。きっと、各所のブログでも今日はこの話題を取り上げる人は多いのではないだろうか。というわけで、折角、本選中継終了から結局寝ないまま、結果発表中継を待っていたので、私も勿論のこと、この話題を取り上げることにしよう。とその前に、コンクールに出場された全ての皆さん、素晴らしい演奏を聴かせてくれたことに深い感謝と、そしてお疲れ様といいたい。更に、ショパンコンクール本選最終日の中継から結果発表に至るまで、共に感動を分かち合ってきた皆さんに感謝感謝。そのおかげで、連日の中継観戦疲れも心地よい疲れと変化してくれた。さて、気になる結果は以下のとおり。1位 ラファウ・ブレハッチ(ポーランド)2位 該当無し3位 イム・ドンヒョク(韓国)3位 イム・ドンミン(韓国)4位 関本昌平(日本)4位 山本貴志(日本)5位 該当無し6位 カー・リン・コーリン・リー(香港)ベスト オブ マズルカ賞/ポーランド賞/コンチェルト賞 全てラファウ・ブレハッチ(ポーランド)さぁ、この結果にどう思われただろうか。1位の結果は納得である。文句の言いようもない、満足の結果である。しかし、発表自体が混乱していて、威厳のかけらも感じられず、正直がっかりしてしまった。入賞者発表の中継を観るのはこれが初めてなのだが、毎度こんな感じなのか?まぁなにはともあれ、ブレハッチ氏が予想どおり圧勝ということで、とにかくめでたい。素直に嬉しい。イム兄弟がそろって同着入賞というのも面白い。というか、面白いとしかいいようがない。(実はちょっと納得がいかない。いや、かなり納得いかない、これが本音)関本氏の入賞は確実であろうと思ったが、個性あふれる山本氏が審査員に認められたのは喜ばしいといって良いだろう。それにしても、1位以外は同着入賞ばかり、結局こういう形でしか無理矢理順位をつけることしかできなかったのだろうか。なんだか肩透かしを食らわされた気分である。これまた折角なので、本選における各人の演奏の独断コメントも以下に掲載しておく。毎度書いていることだが、あくまでもこのコメントはネット中継を視聴した印象でのコメントに過ぎないので、会場で実際に聴いた人のコメントとは異なる場合が多々あることをご了承頂きたい。(最終日演奏者のコメントは前日日記のコメントと重複)No.演奏者名(演奏順)エントリー国本選を視聴した際の独断コメント25ヤツェク・コルトゥス Jacek Kortusポーランド(ピアノ協奏曲第1番 Op.11)第1,2次と聴いてきたなかで本選が最も印象が良い演奏。オーケストラと一体化しているが、1,2楽章はオーケストラに埋もれがちで割と控えめに感じたりも。その分、3楽章のピアノパートの出だしはなかなか華やかな音を楽しませくれた。ただ、まだ余裕がないのか、指揮者をほとんどみることがなかった?しかしながら、最年少17歳の若々しい演奏だった。27工藤奈帆美 Naomi Rachel Kudoアメリカ(ピアノ協奏曲第1番 Op.11)ピアノパート冒頭から実に堂々たる弾きっぷり。厚みあるボリューム満点な音は2次で受けた印象と変わりない。指揮者のほうをしっかり見ながら余裕たっぷりな演奏しているのだが、ちょっとひとりよがりなところが見えてしまう場面も・・・。楽章が進むにつれてやや疲れもみえてきたか。29カー・リン・コーリン・リー Ka Ling Colleen Lee香港(ピアノ協奏曲第1番 Op.11)独奏の時はやたら硬質な印象の強かった音色だが、今回、オーケストラのなかで非常によく生きている。表情も豊かながら軽やか。ただ、やはり彼女のもつ音色の特徴からか、2楽章のようなゆったりとした曲においては、表情は豊かなはずなのに何故か退屈な印象も。 46大崎結真 Yuma Osaki日本(ピアノ協奏曲第1番 Op.11)1,2次よりも音が硬質になったか?1楽章はちょっと気負ってしまったか、各フレーズが力んでしまっているようなところもあったが、2楽章はピアノの音色の存在感をたっぷりアピールするとともに、実にたっぷり歌ってくれた。3楽章は彼女の得意としそうな高速パッセージが多いのだが、独奏の時よりもやや大雑把にも感じた。しかし、1,2次とは全く異なる面、パワーのようなものがよく出ていた。31イム・ドンヒョク Lim Dong Hyek韓国(ピアノ協奏曲第2番 Op.21)ピアノパートの冒頭がいきなりヒステリックだったのでおいおい、と思ったものの、その後はなかなかどうして豊かな歌いっぷり。しかし、どことなく「オレ様についてこい」的な印象も?エキサイトすると音が濁り気味になるのは2次で聴いた印象と同じか・・・と2楽章手前でいきなり退席。ピアノにクレームをつけたのか、スタインウェイの調律師が慌ててピアノの蓋を外して調整し、なんとか再開。2楽章は熱く歌い、3楽章は技術力の高さを見せつけてくれた。会場の声援もかなり高い。 55関本昌平 Shohei Sekimoto日本(ピアノ協奏曲第1番 Op.11)フォルテは華やかに、そしてピアノは穏やかで、実に表情豊か。緊張からかちょっとミスが目立ってしまったのが残念。1楽章の後半はやや焦りも感じられたが、その分、2楽章のノクターンは非常に美しく歌い上げ、音をいつくしむ様子が非常によくわかる。音色の使い分けも絶妙。3楽章はかなり急ぎすぎな印象が強かったか。というか、走り出したらとまらないような状態で、この点がかなり勿体なかった。 58ソン・ヨルム Son,Yeol Eum韓国(ピアノ協奏曲第1番 Op.11)1楽章から実にどっぷり歌っているものの、実に安定したリズム感。それゆえか、にどことなく平坦に感じたりも。終始、明るめな音色で押し通してしまった感もあり。技量的には非常に安定感がある。ただ、自分の演奏に没頭してしまっているように見えたのは気のせい?44根津理恵子 Rieko Nezu日本(ピアノ協奏曲第2番 Op.21)全体的にかなり響き重視な音で華やいだ演奏。やや演奏が固い印象とともに、オーケストラとマッチしない部分もチラリと見えたり。2楽章はもう少し夢心地な音が欲しかったが3楽章の軽快さはなかなか好印象。75山本貴志 Takashi Yamamoto日本(ピアノ協奏曲第1番 Op.11)冒頭からたっぷり歌いあげる演奏。個性的な演奏スタイルなのに、奏でる音は決して自己中心的ではなく、オーケストラとよくマッチしており、オーケストラの音色まで映えてくる。なんといっても心温まる音色と、そして泣かせどころのツボをとらえた拍感が良い。1次,2次と聴いてきたなかで最も光っている。ただ、激しいパッセージが続くと走り出してしまう点が勿体なかったか。終楽章が終わらぬうちに会場からブラボーと大喝采がとんだ。78アンドレイ・ヤロシンスキ Andrey Yaroshinskiyロシア(ピアノ協奏曲第1番 Op.11)最終日のプレッシャーからか冒頭から痛恨のミスがあったものの、滑らかな旋律でロマン派の骨頂というべき演奏で立ちなおっている。フレーズの処理が実にしなやか。ただ、テンポがやや不安定に感じる。第2楽章は何とも心地良い響きよ。決して遅すぎず、慌てすぎず、美しい月夜のノクターンを表現してくれた。第3楽章のテーマがちょっともたつき気味か?軽やかな音で楽しげに弾いている箇所もあるので、彼なりの解釈なのか。いまひとつ盛り上がらないままフィナーレを迎えてしまったような・・・ちょっと残念。32イム・ドンミン Lim Dong Min韓国(ピアノ協奏曲第1番 Op.11)1,2次と観てきた独自性の流れのままいくのかと思いきや、予想に反して割と正統派な演奏。1楽章を聴いていると、音色も演奏自体もかなり硬質、持ち味の表現力もかなり控え目。オーケストラと合わせることを意識したのか。第2楽章は自己の表現をアピールした演奏。もう少し様々な表情がみられると良かったのだが、歌い方がパターン化してしまっている感がある。第3楽章は華やかに弾ききってくれた。5ラファウ・ブレハッチ Rafal Blechaczポーランド(ピアノ協奏曲第1番 Op.11)なんと叙情的な音の語りだろうか、音の一粒一粒が生きているかのよう。フレーズの処理も絶妙。コンクールであることの緊張感すらほぐしてくれる余裕たっぷりの演奏だ。第2楽章はどこまでも甘く、そして聴き手の感性に訴えかける小技をチラッと見せたりも。第3楽章は勢いだけで突っ走る者も多いなか、彼特有の情緒深さを忘れず、それでいて軽快さを出している。終楽章終わらぬえちに会場からはブラボーの嵐だった。22日27時(23日午前3時)からは、受賞者披露演奏会が3時間にわたって中継される。あぁ、あと1日は夜更かしが続く羽目になりそうだ。それにしても、今日の昼間はピアノの練習ができるだろうか。非常に非常に不安である。
Oct 22, 2005
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10月21日は第15回ショパンコンクールの本選最終日。今日は何故かちっとも眠くならないのはどうしてだ?やはり年甲斐もなく興奮しているのか。後ほどきちんとした形でまとめようと思っているが、本日演奏する3名のうち、2名の演奏を聴いた印象は以下のとおり(午前3時時点にて)。●アンドレイ・ヤロシンスキ氏(ロシア)「ピアノ協奏曲第1番Op.11」最終日のプレッシャーからか冒頭から痛恨のミスがあったものの、滑らかな旋律でロマン派の骨頂というべき演奏で立ちなおっている。フレーズの処理が実にしなやか。ただ、テンポがやや不安定に感じる。第2楽章は何とも心地良い響きよ。決して遅すぎず、慌てすぎず、美しい月夜のノクターンを表現してくれた。第3楽章のテーマがちょっともたつき気味か?軽やかな音で楽しげに弾いている箇所もあるので、彼なりの解釈なのか。いまひとつ盛り上がらないままフィナーレを迎えてしまったような・・・ちょっと残念。●イム・ドンミン氏(韓国)「ピアノ協奏曲第1番Op.11」1,2次と観てきた独自性の流れのままいくのかと思いきや、予想に反して割と正統派な演奏。1楽章を聴いていると、音色も演奏自体もかなり硬質、持ち味の表現力もかなり控え目。オーケストラと合わせることを意識したのか。第2楽章は自己の表現をアピールした演奏。もう少し様々な表情がみられると良かったのだが、歌い方がパターン化してしまっている感がある。第3楽章は華やかに弾ききってくれた。・・・・で、ただいま30分の休憩というわけである。次はいよいよ最終奏者ラファウ・ブレハッチ氏(ポーランド)の演奏。あぁ、泣いても笑ってもあとひとり・・・・・・・で、みなさん、起きてます?慌てて書いたので誤字脱字などがありそうだが、差し引いて読んで欲しい。ブレハッチ氏の演奏後、追記かはたまた新たな文章を追加する予定。◆ ◆ ◆ ◆ ◆・・・・はい、22日午前4時をまわり、ここから追記分である。ただいま本選の大トリであるラファウ・ブレハッチ氏の演奏が終わったところだ。まさしく「午前4時のブラボー再び」である(というわけで、日記のタイトルも「ショパンコンクール本選最終日!ネット視聴の合間に」から「午前4時のブラボー再び」に変更させてもらった)。実際に聴かれた皆さん、いかがだっただろうか。終楽章が終わらぬうちにあの激しいブラボーの嵐とともに、真夜中にもかかわらずブラボーを言いまくっていたのは、私だけだっただろうか?というわけで、とりあえず一言感想を。●ラファウ・ブレハッチ氏(ポーランド)「ピアノ協奏曲第1番Op.11」なんと叙情的な音の語りだろうか、音の一粒一粒が生きているかのよう。フレーズの処理も絶妙。コンクールであることの緊張感すらほぐしてくれる余裕たっぷりの演奏だ。第2楽章はどこまでも甘く、そして聴き手の感性に訴えかける小技をチラッと見せたりも。第3楽章は勢いだけで突っ走る者も多いなか、彼特有の情緒深さを忘れず、それでいて軽快さを出している。終楽章終わらぬえちに会場からはブラボーの嵐だった。人によって感想は様々だと思うが、私は十分満足させてもらった。しかし、それと同時にすっかり燃え尽きてしまったような気がする。睡眠時間を削って観ていたこの数週間、「生きる屍」状態であったが、もしかしたらこれからしばらくの間のほうが、真の意味で「生きる屍」になりそうな、そんな予感がする。さて、日本時間で午前6時頃、結果発表らしいのだが、ネット中継の「次の中継時間」の案内をみると、なんと現地時間20時、つまり日本時間でいえば翌日午前3時から、となっている。あれ?結果は中継されないのか??????----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●クラーマー=ビューロー60練習曲 #20#20:左手分散音型練習。とにかく弾きこめ。時々、左の分散和音進行の際、音をひきずるように残してしまうことがあるので要注意。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #05,#16#05:弾きこみ段階#16:まだまだ進行に慣れる段階。課題についてはこれから。ただ、左手の跳躍の際、スラーを意識して弾き続けていたら、手に若干の傷みが?無理な移動をさせているのではないかと反省。タコの柔軟性を目指せ。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1通し練習後、後半部中心に練習。荒れがちな和音伴奏を丁寧に。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1
Oct 21, 2005
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ショパンコンクール本選も今日で3日目。いつもは出場者全ての演奏が全て終了次第、まとめて感想を掲載していたのだが、今日は中継を観てちょっと興奮気味でなかなか寝付けないため、その思いを書き留めておくことにした。10月20日本選3日目の演奏者は、韓国のソン・ヨルムさん、そして日本から根津理恵子さん、そして山本貴志さんの3名。午前1時を回ってまずは女性陣2名の演奏を聴いていたものの、途中の30分の休憩で急激に眠気がやってきた。ま、まずいな・・・次は柔軟系?個性派ピアニスト山本貴志氏の演奏だというのに。仕方が無く、夜中3時だというのに棚からお菓子を引っ張り出すと、お煎餅とクッキーをぽりぽり。あぁ、これで目は覚めるが、健康に良いはずがない。こうして己の体重はまたしても増えていく一方である。でも、真夜中の飲食に妙な楽しさを感じる自分って、やっぱり変だろうか。とまぁそれはさておき、3時を過ぎて山本氏の演奏が始まった。山本貴志氏といえば、1次予選で強烈な演奏スタイル、そう、鍵盤に吸い付かんばかりの接近体勢、はたまた、柔軟体操をしているかのごとく身体をくねらせて表現する、実に個性的なピアニスト。その歌いっぷりも印象的で、一度見聴きした人は決して忘れないのではないか、というほどの強烈なオーラを発している。(でも、顔はある意味母性本能をくすぐる可愛さがある?)2次予選時ではその個性を少し控え目にしたものの、無事に本選進出、そして本日演奏となったわけである。彼が演奏するのは「ピアノ協奏曲第1番」、オーケストラの序奏がしばし続くといよいよピアノパートへ。やはり本日も冒頭からたっぷりと歌いあげる演奏を披露してくれた。しかも、個性的な演奏スタイルなのに、奏でる音は決して自己中心的ではなく、オーケストラとよくマッチしており、オーケストラの音色まで映えてくる。指揮者も心なしか嬉しそうにタクトを振っているようにも見えたり。1次、2次と山本氏の演奏を聴いてきたが、私にとっては今回のコンチェルトの演奏が最も印象に強く残る結果となった。人によっては、彼の粘りある演奏があまり好きではない、という意見もありそうだが、聴かせどころのツボをおさえた演奏はやはり見事である。まぁ、激しいパッセージが続くと走り出してしまうのは若さゆえか??終楽章が終わらぬうちに会場からはブラボーと大喝采、拍手はいつまでもなりやまなかった。いやいや、眠気もいつの間にかどこかへ吹っ飛んでしまい、ついつい午前4時前だというのに、ここでもブラボーとともに拍手喝采する者が約1名いたのであった。ショパンコンクール本選も残すはあと1日。注目株のポーランドのブレハッチ氏と韓国のイム兄弟(兄)がひかえている。しかも、ブレハッチ氏は最終演奏ゆえ、日本時間で午前3時過ぎの中継。ということは、またしても睡魔と闘わなければならないのか。おっと、21日はブレハッチ氏のCDの発売日でもあるし、CDショップをチョット覗いてみようかな。まずい・・・5時過ぎだ。もう寝よう。このままでは2時間しか寝られない。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●クラーマー=ビューロー60練習曲 #20#20:左手分散音型練習。昨日に引き続き、まだまだテンポは上がらぬ状態だが感触は良い。あとは強弱をきちんとつけることと、テンポアップだが、テンポのほうはもうちょっと安定してからの方が良いか。●バッハ シンフォニア #10~#12#10~11:おさらい#12:弾きこみ段階。あと数日安定して弾けるようであれば次へ。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #05,#16#05:弾きこみ段階・・・だがあくまでもテンポは中程度のまま。テンポの壁は高い。#16:今日は18小節以降を中心に、音符を追いながらゆっくりゆっくり読んでいく。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1ここのところ前進せず停滞気味。主題~中間部まではかなりまとまってきたのだが、どうしても後半がネックになってしまっている。しばらくは後半中心の練習を続けるしかないだろう。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1
Oct 20, 2005
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10月13日から16日にかけて行われた第15回ショパン国際ピアノコンクール第二次予選では、32人の出場者たちが以下の「マズルカ」「ソナタ」「ポロネーズ」のなかから選択して演奏した。第一次予選よりも曲の選択自由度がぐっと制約されたのだが、まぁ折角なので、どの曲が多く選択されたか集計してみた。ちなみに2次予選の課題曲指定は以下のとおり。●マズルカから1作品選び全曲弾くこと Op.17, 24, 30, 33, 41, 50, 56, 59●ポロネーズから1曲・アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22・ポロネーズ 嬰ヘ短調 op.44・ポロネーズ 変イ長調 op.53「英雄ポロネーズ」・ポロネーズ 変イ長調 op.61「幻想ポロネーズ」●ソナタから1曲・ソナタ 第2番 変ロ短調 op.35・ソナタ 第3番 ロ短調 op.58■マズルカ曲名人数マズルカ Op.5912マズルカ Op.338マズルカ Op.244マズルカ Op.304マズルカ Op.172マズルカ Op.501マズルカ Op.561■ポロネーズ曲名人数アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.2213ポロネーズ 変イ長調 Op.53 「英雄ポロネーズ」12ポロネーズ 嬰ヘ短調 Op.444ポロネーズ 変イ長調 op.61「幻想ポロネーズ」3■ソナタ曲名人数ソナタ 第3番 ロ短調 Op.5822ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.3510だいたい予想どおりの結果となっている。私自身、これまでマズルカはあまり着目していなかったため、ほとんど聴くこともなかったのだが、今回の第2次予選で随分マズルカを堪能してしまったような気がする。そして、ポロネーズに関しては予想通り「アンダンテスピアナートと華麗な大ポロネーズ」と「英雄ポロネーズ」が僅差であった。演奏効果も高い点が大いなるポイントだったのだろう。さすがにこの場で幻想ポロネーズを選択する者は非常にわずかであった。ソナタは、やはり第2番を大幅に上回って第3番を選曲する者が多かった。第2番といえば「葬送行進曲」を含むソナタであり、フィナーレの表現もかなり難しい。おまけにこの2番、シューマンから酷評された曲としても確か有名だったような?第2番よりも3番の方が音楽性的にも好んで弾く人が多いのだろうか。という私もソナタは第3番の方が好みだったりするが、好きなのは1楽章と終楽章のみという、なんともふとどき者といわれてしまいそうだ。今更言うのもなんだが、「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」って、あぁ、良い曲だなぁとしみじみと思ってしまった。ちなみにこの曲、ポロネーズのほうが先に作曲され、後にアンダンテスピアナートの部分が付け加えられたとか。もともとはピアノとオーケストラのための曲だったそうだが、そういえば私、オーケストラ付きのこの演奏を聴いたことがなかったりする。現在はピアノソロのみで演奏される方が多いせいか??----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●クラーマー=ビューロー60練習曲 #20#20:左手分散音型練習。昨日に引き続き、まだまだテンポは上がらぬ状態だが感触は良い。あとは強弱をきちんとつけることと、テンポアップだが、テンポのほうはもうちょっと安定してからの方が良いか。●バッハ シンフォニア #10~#12#10~11:おさらい#12:弾きこみ段階。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #05,#16#05:テンポアップは諦め、確実に、そして余裕のある音で最後までたどり着くことを重視しよう。まだまだ練習曲レベルである。#16:まずは前半部17小節までのおさらい、その後、最後までよたよたと弾き進める。まだまだ音符を追いながらゆっくりさらう段階。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1通し練習後、後半部の粗が目立つ箇所を取り出しながら部分練習をしっかり。エキサイトして右旋律がヒステリックにならぬよう、十分ふくよかな音を意識して弾くこと。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#8(左手),#16(3-4-5指強化),#19(右分散音型)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1
Oct 19, 2005
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ショパンコンクールも本選2日目。ところがところが、さきほどからネット中継を観ようとチャレンジしているのに、一向に接続できない。やはり本選ともなると全世界からのアクセスが凄まじいのか。それとも、今日は韓国のイム・ドンヒョク氏が登場するので、いつもよりもアクセスが多いのか。そういえば、1次予選の時もイム・ドンヒョク氏の演奏前後は音が途切れ気味になって、非常に大変だった。でもこんなことで負けてはいられない。ポートランドテレビがだめならば、ポートランドラジオを聴くしかないではないか。というわけで、ネット中継が観られないとお嘆きな方はポートランドラジオの中継を聴いてみてはいかがだろうか?→ポーランドラジオこれからブログのコメントへの返信を書きながら、今日はラジオ中継に耳を傾けることにしよう。・・・・・・・・・ってこの日記を書いていたらいきなりポートランドテレビ中継もつながった。とりあえず一安心。ただいま大崎結真さん演奏中。最終日が近づくにつれ、いよいよネット中継も混雑によって見づらくなるかもしれない。そんな時は、ラジオでチェックしなければならない可能性も大きくなりそう。おっと、今日のピアノ練習メモはおって追記することにする。
Oct 19, 2005
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10月13日から16日にかけて行われたショパンコンクール第2次予選だが、日本時間16日の夜に本選への進出者12名が決定した。というわけで、進出した演奏者の方々を紹介するとともに、第2次予選での演奏印象を私なりにまとめてみた。あくまでも「ネット視聴」且つ「私の個人的感想」であるため、これが全てではないこと、また人によっては異なる印象をもたれているであろうことをどうぞご理解頂きたい。No.演奏者名エントリー国2次予選視聴した際の一言コメント25ヤツェク・コルトゥス Jacek Kortusポーランドソナタ2番はどっしりとした音を奏でているが、ところどころ大雑把な感はある。マズルカOp.18、特に第4曲あたりは哀愁漂いながら、ふくよかな音色で聴かせてくれた。英雄ポロネーズは華やかでそれでいて非常に豊か。27工藤奈帆美 Naomi Rachel Kudoアメリカソナタ3番は1次同様、響きのある透明且つ粒良い音を聴かせてくれた。演奏も非常に安定しているが、3楽章は感情をたっぷりこめている割と大雑把な感も。フィナーレはもう少し熱き情熱とキレのようなものが欲しかった。マズルカOp.33はどことなく優雅なワルツに近い感じ。そしてふくよかでどっしりとした英雄ポロネーズ。29カー・リン・コーリン・リー Ka Ling Colleen Lee香港彼女は幻想ポロネーズを選択、1次の硬質なイメージがかなりとれ、自然に歌う感じが好印象。ただ、音色は薄目。ソナタ3番は全体にわたってクリアで安定した演奏。個人的にはもう少し厚みも欲しいところだが。31イム・ドンヒョク Lim Dong Hyek韓国アンダンテスピアナートと華麗な大ポロネーズは若干硬質だが、実に音が煌めいている。旋律が生きているようである(聴き手によっては多少しつこいと感じることも?)。エキサイトするとやや大雑把になる。マズルカOp.59は全体的にたっぷり歌い上げているがOp.59-2のリズムがどうもつんのめり過ぎに感じるのは私だけか。ソナタ2番はキレの良い華やかな演奏。やや打鍵がきつめで和音が濁り気味のところもあった。44根津理恵子 Rieko Nezu日本マズルカのリズムをかなり強調した印象。思わず踊り出したくなるがちょっと露骨な感じも?ソナタ3番はあくまで小技派なのかと思っていたら今回は力強い演奏を聴かせてくれた。それだけに細かなミスが耳につき勿体ない。46大崎結真 Yuma Osaki日本アンダンテスピアナートと華麗な大ポロネーズは繊細且つクリアな音色で且つ表現も豊か。全体的に線が細く、デリケート。マズルカOp.59は美しい流れのうちに通り過ぎてしまった感はあるが、終始優美であった。ソナタ3番は高い技術に裏付けられた正統派の演奏。クリアでそれでいて耳に優しく通り過ぎていく・・・1次以上の好印象。55関本昌平 Shohei Sekimoto日本マズルカOp.59全曲通して生き生きとしたリズムと旋律が印象に残る。ソナタ2番においても凛々しい演奏は健在。フィナーレの展開での繊細さも耳に残る。また、躍動感に満ちた英雄ポロネーズは、ここぞというところでうまく歌ってくれる。58ソン・ヨルム Son,Yeol Eum韓国アンダンテスピアナートは平坦気味だったが、ポロネーズに入ると軽やかな音色で実に表情豊かに歌ってくれた。全体の線はちょっと細めか。彼女の場合、技巧は既にエチュード三昧の第1次で証明されているが、ソナタ3番においては折角たっぷり歌っているはずなのにいまひとつ聴き手に伝わってこないところもある。フィナーレもかなり冷静であった。75山本貴志 Takashi Yamamoto日本マズルカOp.59はとことん叙情派なマズルカ。前の出場者(ヴンダー氏)の音色がやたら明るかったため、その差に最初耳が戸惑ったが、どこか憂いをひめた灰色な音色は狙いか?ソナタ2番においては、他の人がサラリと流してしまいそうな旋律の処理もかなり細かい。聴かせどころを心得た演奏。英雄ポロネーズは少々気負ってしまったか、力が入りすぎてしまった感がある。和音の処理が雑になってしまった。1次の評価がプレッシャーとなったのだろうか。78アンドレイ・ヤロシンスキ Andrey Yaroshinskiyロシア線の細い薄味のポロネーズOp.44はリズムが若干もたれ気味なところもあり。マズルカOp.30は叙情的だがどこかさっぱりなのはやはり平坦な音色使いのせいか。ソナタ2番では、各楽章ほとんど間を開けずに演奏。彼のなかで確固たるストーリーを感じる。第3楽章の葬送は静寂で荘厳なイメージで、そのままフィナーレへ。ピアニッシモの表現が上手い。フォルテが荒削りなのがちょっと勿体ない。32イム・ドンミン Lim Dong Min韓国冒頭からかなりたっぷり歌う英雄ポロネーズ。主題の各所でたっぷり過ぎるタメがあり、ちょっと重々しくリズムにのれていない感じもした。マズルカOp.33は、独自の感性で演奏している感がありありと伝わってくるが、脈略なくテンポを上げたり、かと思ったらとことん叙情に満ちたマズルカになったりも。旋律は心に響いてくるだけに勿体ない。ソナタ3番はユニークな感性はあるものの変化に富んだ音楽で聴いていてある種のハラハラ感があったり。賛否両論ありそうだが、良くも悪くも個性的。ただ、フレーズの「ため」感のしつこさがどうしても耳についてしまった。5ラファウ・ブレハッチ Rafal Blechaczポーランド英雄ポロネーズは激情に流されることなく、実に優雅で落ち着き払ったポロネーズ。しかも非常に丁寧に仕上げられている。そしてマズルカOp.56を選択したのは彼だけであるが、リズム感、旋律の聴かせ方、いずれも非常に好印象で安定した演奏だ。ソナタ3番は1次での印象変わらず、丁寧な歌い方で終始安定した演奏。もっと聴きたいと思わせてくれた。エントリー別でいえば、日本4名、韓国3名、ポーランド2名、香港1名、アメリカ1名、ロシア1名という日韓強し!という結果となっている。また、今回は残念な結果となってしまったが、個人的にもっと聴いてみたい!と思える演奏者も発掘できて嬉しい。佐藤卓史氏(日本)、辻井伸行氏(日本)、大嶺未来さん(日本)、マルコ・ムストネン氏(フィンランド)、ベン・キム氏(アメリカ)、インゴルフ・ヴンダー氏(オーストリア)、皆さんいずれも私の感性をくすぐるステキな演奏を披露してくれた。リサイタルの際には是非とも聴きに行きたいものだ。勿論彼らだけでなく全ての演奏者の今後の活躍を期待したい。そういえば今回のコンクールにおける注目株であるラファウ・ブレハッチ氏は、今月にCDも出るらしい。リストやシューマン、ドビュッシー、シマノフスキー、ショパンなどの楽曲が収録されたものである。あぁ、買ってしまいそうな予感・・・本選は18日から、今度はコンチェルト三昧となりそうだ。演奏する側の負担は想像を絶するだろうが、こうして聴いている側もそろそろ体力限界気味。◆ ◆ ◆ ◆ ◆ちょっとちょっと、ピアノ練習は?本日はショパンノクターン Op.48-1の練習だけかろうじで出来たのだが、あいかわらず後半部にさしかかると火山が噴火したようなエネルギッシュな音になってしまう。あぁ、これはノクターンなのに、ノクターンなのに・・・でも好きな曲に向かっていると、どんなに苦しくてもその苦しさがまた幸せだったりする。私ってちょっと・・・変?
Oct 16, 2005
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ここのところ、毎日ショパンコンクールのインターネット中継を観ているせいだろうか、やたらポーランド語が耳につく。ポーランドテレビの中継なのだから、ポーランド語が飛び交うのは当然のことである。こんな時、言葉の壁というのは非常に高い。何を話しているのか、トンチンカンなのだから。時々、日本人ピアニストの名前が耳に入ると、ホッとするのは私だけだろうか。しかし、これら中継を観ていて学んだことがある。そう、日本人が「ヤポーニ」であることを。ついでにいえば、ポーランド人は「ポルスカ」、なんだか踊り出したくなる。曲名もなんとなくだが、うっすらと聞き取れるようになってきたような気もする。一方、どうしても空耳状態に陥るものもある。その代表的なものが、「Konkurs Chopinowski」(ショパンコンクール・・・で良いのか??)この「Chopinowski」がどうしても「ショパの助(すけ)」と言っているように聞こえてならない。なんなんだ、「しょぱのすけ」って。毎日放送を聴きすぎて耳が疲れているのか、頭が回っていないのか。それこそ「ショパン漬け」状態なのだから。5年後のショパンコンクールのために、ポーランド語でも勉強するか。そんな勢いも、コンクール期間が過ぎるとそんな思いも自然消滅してしまいそうだが。まぁポーランド語は無理にしても、もう少し英語程度は話せるようにはなりたいものだ。海外に出張した経験があるといっても、私自身はほとんど貝のような状態だったのだから、なんとも情けない。うぅ、ここ数日の日記の反動からか、一気にレベルダウンな内容・・・・◆ ◆ ◆ ◆ ◆毎日、なんとか時間を作ってはコンクール2次予選も視聴しているが、スケルツォ第3番に続いて今度は「ソナタ第3番」が頭のなかを回り出した。ショパンのソナタは聴く側としても苦手と感じていたのだが、これだけ何度も聴かされていると、まるで暗示にかかったかのごとく、その魅力に取り憑かれる。おそるべし、ショパンマジック。「ソナタ第2番」の第3楽章あたり(何を隠そう、葬送行進曲)が頭のなかを支配するよりはまだマシか。次楽章のフィナーレに至っては、「これ、指の体操にならないか?」などと不届きなことを考えてしまう今日このごろ。やっぱり疲れてるのだ。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●クラーマー=ビューロー60練習曲 #20#20:左手分散音型練習。ゆっくりテンポで音ムラの発生を少しでも減らすべく、1音1音に均等な量が伝わるように丁寧にさらう。しばしこれを続けようか。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #05#05:テンポ(八分音符)160・・・はまだ早すぎたので再び156に戻して跳躍運動代わりに練習。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-169~70小節だけを何度も何度も繰り返し練習。その後、再現部に戻る手前の数小節のオクターブ連打も部分練習をしつこく。再現部以降後半から最後までゆっくりゆっくり弾きながら、旋律を浮き上がらせる練習。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10(両手),#08(左手),#16(3-4-5指),#19(分散)●ショパン 24の前奏曲 Op.28-1
Oct 14, 2005
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ショパンコンクールも既に第2次予選が開始されたというのに、いまだに第1次予選の曲たちを相手に訳のわからない分析ごっこを楽しんでいたのだが、それも今日でおしまい。というわけで、今回は最終回と称して「ショパンコンクール第1次予選で最初・最後に演奏される頻度の高い曲は?」についてまとめてみることにした。何故そんなことを思いついたかというと、限られた時間内で己の演奏をアピールするには曲の順序も大いに影響してくるのではないかと思ったからである。しかし、選曲された全ての曲をまとめていると途方もない時間がかかりそうだったので、今回は1曲目、そして最後の曲に何を選曲したかのみにターゲットを絞ってみた。■1曲目として演奏される曲の選曲頻度1曲目の演奏曲目人数 系統別1曲目の選曲頻度人数ノクターン ハ短調 Op.48-18 ノクターン群 (Op.9.27.48.55.62)25舟歌 嬰ヘ長調 Op.605 バラード群 (1,3,4番)10バラード第 1番 ト短調 Op.235 エチュード群 (Op.10,25 新3)8ノクターン ロ長調 Op.62-15 スケルツォ群 (1,2番)8スケルツォ第1番 ロ短調 Op.205 幻想曲 ヘ短調 Op.495幻想曲 ヘ短調 Op.495 舟歌 嬰ヘ長調 Op.605エチュード ハ長調 Op.10-15 プレリュード群 (Op.28,45)5ワルツ 変ホ長調 Op.184 ワルツ群 (Op.18,34)5プレリュード 嬰ハ短調 Op.454 即興曲第2番 嬰ヘ長調 Op.364ノクターン 変ホ長調 Op.55-24 序奏とロンド 変ホ長調 Op.163即興曲第2番 嬰ヘ長調 Op.364 華麗な変奏曲 変ロ長調 Op.121バラード第3番 変イ長調 Op.473 ロンド ハ短調 Op.11ノクターン ホ長調 Op.62-23 スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.313 序奏とロンド 変ホ長調 Op.163 バラード第4番 ヘ短調 Op.522 ノクターン ロ長調 Op.9-32 ノクターン 嬰ハ短調 Op.27-12 ワルツ 変イ長調 Op.34-11 ロンド ハ短調 Op.11 プレリュード Op.28 No.7-121 ノクターン 変ニ長調 Op.27-21 華麗な変奏曲 変ロ長調 Op.121 エチュード ホ短調 Op.25-51 エチュード 嬰ハ短調 Op.25-71 3つの新練習曲1 ■最後の曲として演奏される曲の選曲頻度演奏曲目人数 系統別最終曲の選曲頻度人数スケルツォ第4番 ホ長調 Op.5415 スケルツォ群 (1,2,3,4番)41スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.3913 バラード群(1,2,4番)14スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.3111 幻想曲 ヘ短調 Op.497バラード第4番 ヘ短調 Op.527 プレリュード Op.28 No.19-246幻想曲 ヘ短調 Op.497 エチュード イ短調 Op.25-114プレリュード Op.28 No.19-246 ワルツ群 (Op.18.34)4バラード第1番 ト短調 Op.236 舟歌 嬰ヘ長調 Op.601エチュード イ短調 Op.25-114 ノクターン ロ長調 Op.62-11ワルツ 変イ長調 Op.34-13 序奏とロンド 変ホ長調 Op.161スケルツォ第1番 ロ短調 Op.202 子守唄 変ニ長調 Op.571ワルツ 変ホ長調 Op.181 舟歌 嬰ヘ長調 Op.601 バラード第2番 ヘ長調 Op.381 ノクターン ロ長調 Op.62-11 序奏とロンド 変ホ長調 Op.161 子守唄 変ニ長調 Op.571 これで分かったことといえば、まず最初にノクターンなどでゆったりとした叙情を演出、又は1曲目からバラードなどの大曲で一気に観客の心をつかむ、という2パターン。そして、最後はスケルツォで華麗な終曲を迎えるというストーリーである。だいたい予想はしていたのだが、最後に演奏する曲としてスケルツォ(番号問わず)を選択した人は、今回の第1次予選出場者80人のうちの半数を超えるということだ。おそるべし、スケルツォ。というわけで、あまり意味のなさない選曲分析(第1次予選)はこれにて終了。私は一体何をやっているのだ・・・それにしてもテレビにおける日本の音楽業界はだまだ消極的。大リーグやサッカー中継を夜中に放映してくれるならば、同様にこのようなコンクールも放映してくれても良いのに。そういえば、昔はあのヤマハ主催のポプコンもテレビ放映していたっけ。ましてショパンコンクールはインターナショナル規模、1局くらい放映してくれてもバチは当たるまい・・・と思ってしまう私こそ、ただの音楽バカか?やはりクラシック限定だと視聴者も限定されるか・・・【本日のピアノ練習メモ】は文字数オーバーにつき同日の別日記でひっそり掲載
Oct 13, 2005
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既に各所のブログなどでも掲載されていて今更「ショパンコンクール第2次予選進出者32名決定」のニュースを掲載するのは、非常に気が引けるのだが、折角なので1次予選をネット視聴した際に感じた一言コメントを加えて、進出者32名を掲載しておくことにした。あらかじめご了承頂きたいのは、この感想はネット視聴における感想であること、それゆえに実際の印象とは異なる可能性も大きく、また私の主観がたっぷりと注がれているため、実際にお聴きになった人のなかには「そんな印象ではなかった」という人もいるかもしれない。というわけで、これはある意味 私自身が彼らを記憶しておきたいがためのメモ代わりだと思って、読み流して頂けると嬉しい。コメント欄が空欄のものは視聴できなかった、あるいはコメントが浮かばなかったいずれかである。No.演奏者名エントリー国一次予選視聴した際の一言コメント19河村尚子 Hisako Kawamura日本安定した巧さ21菊地裕介 Yusuke Kikuchi日本 22ベン・キム Ben Kimアメリカ絶妙な歌いップリ。技巧面も良い感じ!24シチェパン・コンチャル Szczepan Konczalポーランド 25ヤツェク・コルトゥス Jacek Kortusポーランド 26オルガ・コズロヴァ Olga Kozlovaロシア 27工藤奈帆美 Naomi Rachel Kudoアメリカ響きの良い音色が印象的29カー・リン・コーリン・リー Ka Ling Colleen Lee香港ばりばりの技巧派。音も硬め。演奏の際の目線がちょっとコワイ30ディミトリ・レヴコヴィッチ Dmitri Levkovichカナダ鍵盤に椅子が近づき過ぎな印象が強いが、演奏は人を惹きつける何かがある。爽やか系のカナダのショパン頭31イム・ドンヒョク Lim Dong Hyek韓国誰もが言うが確かに別格。安定した巧さがある41マルコ・ムストネン Marko Mustonenフィンランド絶妙な呼吸感がたまらない。技巧に走りがちな練習曲Op.25-11を音楽的に弾きこなしていた44根津理恵子 Rieko Nezu日本小技がピリリときく、そんな演奏45大嶺未来 Miku Omine日本音楽的解釈がステキ。おおらかな演奏46大崎結真 Yuma Osaki日本奏でる音色が実に綺麗。安心して聴け、ある意味模範演奏風な感じがしたりも。47エスター・パク Esther Parkアメリカなんといっても本当に楽しそうに弾いているその姿が良い。かなりどっしりかまえたショパンといった感じ54佐藤卓史 Takashi Sato日本おだやかで実に音楽的な印象。安定感もある。55関本昌平 Shohei Sekimoto日本凛々しい演奏58ソン・ヨルム Son,Yeol Eum韓国演奏がどうのこうの、というよりも予選でエチュードを10曲も弾いたことにビックリ仰天。63グラツィアン・シムチャク Gracjan Szymczakポーランドスケルツォは少々荒削りな感じがしたものの、ノクターンやワルツはとても耳に心地よかった66クシシュトフ・ツシャスコフスキ Krzysztof Trzaskowskiポーランド正統派な演奏。風貌が映画俳優?67辻井伸行 Nobuyuki Tsujii日本変な小細工的な表現無しに純粋な音色と演奏を楽しませてくれた72スワヴォミル・ヴィルク Slawomir Wilkポーランド全体的に雑なイメージが強かったが、華やかな面もあり好みが分かれるところ74インゴルフ・ヴンダー Ingolf Wunderオーストリアかなりの技巧派なのかエチュードの超速にビックリ。クリアな音が印象的だが、スケルツォは割とあっさり目であった75山本貴志 Takashi Yamamoto日本鍵盤に顔を吸い付けるような独特の演奏スタイルが印象的。うまく歌えており、しかもメリハリもあるから聴き手は飽きない。場内の観衆も大声援であった78アンドレイ・ヤロシンスキ Andrey Yaroshinskiyロシア全体的に耳に優しい演奏で、エネルギッシュな曲でもそつなくまとまっているような気がする2アン・スージュン Ann Soo-Jung韓国模範演奏っぽい感じがする3ピオトル・バナシック Piotr Banasikポーランド音が綺麗、弾き方は優等生風だったが、聴きやすい5ラファウ・ブレハッチ Rafal Blechaczポーランド全体的にどれも丁寧に歌い上げられていて、安定した美しさがあった。もっと聴きたいと思わせる演奏家である。6ニコラス・ブランギエ Nicolas Bringuierフランス 8チャン・チャオイン Chang Chiao-Ying台湾バラードの歌いどころをよく把握して演奏している。音色も全体的に柔らかく温かい。32イム・ドンミン Lim Dong Min韓国よく歌い、安定感もあり。演奏の途中で退席した、あれはなんだったのか?エチュードOp.10-4はかなりの超速、しかもきちんと弾ききっている。13アレクセイ・ゴラッチ Alexej Gorlatchウクライナ こんな感じであったが、第2次予選ではソナタ・マズルカ・ポロネーズに限られてくるため、第1次予選で受けた印象とは大きく異なる可能性もありそうだ。今回、第2次予選の進出への道に漏れてしまったが、個人的に応援したいのは演奏No.38のアレクサンドラ・ミクルスカさん、内声の響かせ方が実に心に沁みた。そして76番のリョー・ヤナギタニさん、ちょっとシブガキ隊のヤックン似の彼は終始爽やかな演奏で、聴いていてとても楽しかった。今回は残念だったが、こうして個人的に良いなと思っている人間も結構いるはず。他の出場者の皆さんに対してだって、進出有無に限らず予選を通して「あ、またあの人の演奏を聴きたい」と感じた人だっているだろう。これを機会に、更に大きく羽ばたかれることを、大いなる活躍を願ってやまない。【本日のピアノ練習メモ】●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1本日は外出していたため時間がとれず。後半部が嵐に、オクターブが津波のようにならないように、冷静になって耳を傾けること。早く弾けるようになりたいからって、ただがむしゃらに弾けば良いってものではないのだ。冷静になれ冷静に。
Oct 12, 2005
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10月11日の日記その(1)にて「第15回ショパン国際ピアノコンクール第一次予選において、演奏された曲目の多い順」について掲載したが、こちらでは更に詳しく各部門ごとに分けて集計してみた結果が以下である。「へぇ~」程度に読み流して頂ければ幸いである。本来ならば、課題曲の指定に沿って区分したかったのだが、課題曲指定がやや入りくんでいるため、面倒になって単純に曲集ごとに区分してしまった。あぁ、つめが甘いか。■エチュード編曲目演奏人数エチュード イ短調 Op.25-1123エチュード ロ短調 Op.25-1021エチュード ハ長調 Op.10-120エチュード ヘ長調 Op.10-816エチュード イ短調 Op.10-215エチュード 嬰ト短調 Op.25-613エチュード ホ短調 Op.25-512エチュード 嬰ハ短調 Op.10-410エチュード ハ短調 Op.10-1210エチュード 変イ長調 Op.10-1010エチュード 変ト長調 Op.10-510エチュード ハ長調 Op.10-79エチュード イ短調 Op.25-44エチュード 嬰ハ短調 Op.25-72エチュード 変ホ短調 Op.10-62エチュード 変ホ長調 Op.10-1123つの新練習曲1エチュード 変イ長調 Op.25-11エチュード 変ト長調 Op.25-91エチュード ホ長調 Op.10-31■ノクターン編曲目演奏人数ノクターン ハ短調 Op.48-117ノクターン 変ニ長調 Op.27-214ノクターン ロ長調 Op.62-114ノクターン ロ長調 Op.9-313ノクターン 変ホ長調 Op.55-28ノクターン ホ短調 Op.62-27ノクターン 嬰ハ短調 Op.27-16ノクターン 嬰ヘ短調 Op.48-24ノクターント長調 Op.37-23■バラード・舟歌・幻想曲編曲目演奏人数舟歌 嬰ヘ長調 Op.6019幻想曲 ヘ短調 Op.4917バラード第4番 ヘ短調 Op.5216バラード第1番 ト短調 Op.2315バラード第3番 変イ長調 Op.477バラード第2番 ヘ長調 Op.386■ワルツ編曲目演奏人数ワルツ 変イ長調 Op.4228ワルツ 変イ長調 Op.34-118ワルツ 変ホ長調 Op.1817ワルツ ヘ長調 Op.34-311ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-27ワルツ 変イ長調 Op.64-36ワルツ 変ニ長調 Op.64-1 4ワルツ イ短調 Op.34-22■スケルツォ編曲目演奏人数スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.3920スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.3118スケルツォ第4番 ホ長調 Op.5415スケルツォ第1番 ロ短調 Op.2011■プレリュード編曲目演奏人数プレリュード Op.28 No.13-1814プレリュード Op.28 No.19-2413プレリュード Op.28 No.7-128プレリュード 嬰ハ短調 Op.456■即興曲編曲目演奏人数即興曲第2番 嬰ヘ長調 Op.367即興曲第3番 変ト長調 Op.516即興曲第1番 変イ長調 Op.291■その他作品曲目演奏人数子守唄 変ニ長調 Op.579序奏とロンド 変ホ長調 Op.166タランテラ 変イ長調 Op.434華麗な変奏曲 変ロ長調 Op.123ボレロ ハ長調 Op.192ロンド ハ短調 Op.11ところで、プレリュードの演奏規定はOp.28のNo.7~12、No.13~18、No.19~24おのおの6曲を1セットとして演奏することになっていたが、No.1~6は最初から課題曲に含まれていなかったのは、やはり難易度が低いから??ノクターンのなかではやはり、13番、つまりハ短調Op.48-1の演奏率が高かった。これに影響されて、私も練習を始めただなんて・・・あぁ、否定できない。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●ハノン #22,23,25(3-4-5指を元気に)●クラーマー=ビューロー60練習曲 #20#20:左手分散音型練習。分散音型の下行が苦手なのはやはり4-2-5指の動きが非常に不安定だから。進行に慣れ始めてくるとその弱さがかなり目立ってきた。だからリズムと力配分が不安定となり、ムラのある下行となってしまうようだ。これをクリアしなければ・・・●バッハ シンフォニア #12#12:弾きこみ段階。テンポを上げるとかなり雑になりがち。もっと丁寧に。●ショパン ノクターン第13番 Op.48-1中間部の和音進行はだいぶ慣れてきたものの、その後のオクターブ連打が汚く濁ってしまい、悩みは深い。更に後半部はいまいちど片手ずつ練習し、自分が今どんな音を発しているかに耳を傾けること。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10,#08,#16,#19(指強化)
Oct 11, 2005
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10月3日から11日にかけて行われた第15回ショパン国際ピアノコンクール第一次予選では、80人の出場者たちがおのおの40~45分の間で、課題曲のなかから自由に選択して演奏したのだが、ここでふと思った。「80人の出場者たちが選んだ曲のなかで、最も多く弾かれたのはどのショパン曲だろうか」と。そこで、予選中継を観ながらメモした曲目一覧と、欠けた部分はネット上で調べながら各出場者の演奏曲を集計してみたところ、以下のような結果となった。(データ自体は、中継を観ながらちまちまとExcelに曲目を入力していたので、そんな手間ではなかったのだが、かんじんのExcelの使い方を忘れていた)えっ、なんて意味のない集計をしてるのだ?って。ちなみに1次予選の課題曲指定は以下のとおりだった。●エチュード2曲をa,bグループから各1曲。1曲は予備審査と異なること・(a)Op.10-1,4,5,8,12 Op.25-11・(b)Op.10-2,7,10,11 Op.25-4,5,6,10●ノクターンから1曲・Op.9-3 Op.27-2 Op.37-2 Op.48-1,2 Op.55-2 Op.62-1,2●バラード、舟歌、幻想曲のなかから1曲●ワルツから1曲・Op.18 Op.34-1,3 Op.42 Op.64-3●次のなかから1曲以上 コンサートアレグロOp.46 子守唄Op.57 ボレロOp.19 エチュード(予備,1次以外)、 即興曲Op.29,36,51 ノクターンOp.27-1 プレリュードOp.28 (a No.7-12) (b No.13-18) (c No.19-24)を1セット以上 プレリュードOp.45 ロンドOp.1 ロンド・ア・ラ・マズールOp.5 序奏とロンドOp.16 スケルツォOp.20,31,39,54 タランテラOp.43 ワルツOp.34-2 64-1,2 変奏曲Op.12曲目演奏人数ワルツ 変イ長調 Op.4228エチュード イ短調 Op.25-1123エチュード ロ短調 Op.25-1021エチュード ハ長調 Op.10-120スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.3920舟歌 嬰ヘ長調 Op.6019スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.3118ワルツ 変イ長調 Op.34-118幻想曲 ヘ短調 Op.4917ノクターン ハ短調 Op.48-117ワルツ 変ホ長調 Op.1817エチュード ヘ長調 Op.10-816バラード第4番 ヘ短調 Op.5216エチュード イ短調 Op.10-215スケルツォ第4番 ホ長調 Op.5415バラード第1番 ト短調 Op.2315ノクターン 変ニ長調 Op.27-214ノクターン ロ長調 Op.62-114プレリュード Op.28 No.13-1814エチュード 嬰ト短調 Op.25-613ノクターン ロ長調 Op.9-313プレリュード Op.28 No.19-2413エチュード ホ短調 Op.25-512スケルツォ第1番 ロ短調 Op.2011ワルツ ヘ長調 Op.34-311エチュード 嬰ハ短調 Op.10-410エチュード ハ短調 Op.10-1210エチュード 変イ長調 Op.10-1010エチュード 変ト長調 Op.10-510エチュード ハ長調 Op.10-79子守唄 変ニ長調 Op.579ノクターン 変ホ長調 Op.55-28プレリュード Op.28 No.7-128即興曲第2番 嬰ヘ長調 Op.367ノクターン ホ短調 Op.62-27バラード第3番 変イ長調 Op.477ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-27序奏とロンド 変ホ長調 Op.166即興曲第3番 変ト長調 Op.516ノクターン 嬰ハ短調 Op.27-16バラード第2番 ヘ長調 Op.386プレリュード 嬰ハ短調 Op.456ワルツ 変イ長調 Op.64-36エチュード イ短調 Op.25-44タランテラ 変イ長調 Op.434ノクターン 嬰ヘ短調 Op.48-24ワルツ 変ニ長調 Op.64-14華麗な変奏曲 変ロ長調 Op.123ノクターン ト長調 Op.37-23エチュード 嬰ハ短調 Op.25-72エチュード 変ホ短調 Op.10-62エチュード 変ホ長調 Op.10-112ボレロ ハ長調 Op.192ワルツ イ短調 Op.34-223つの新練習曲1エチュード 変イ長調 Op.25-11エチュード 変ト長調 Op.25-91エチュード ホ長調 Op.10-31即興曲第1番 変イ長調 Op.291ロンド ハ短調 Op.11というわけで、ワルツ 変イ長調 Op.42が堂々一位であった。エチュードは、「木枯らし」(Op.25-11)とオクターブ連打曲(Op.25-10)を組み合わせて弾く者が多かったことも特徴である。そして、数日前に「1日に何回もスケルツォ第3番を聴いていると・・・」なるお題目の日記を書いたことからもわかるように、スケルツォ第3番を選曲する者が非常に多かったことが証明されている。今回のコンクールの予選における珍しい選曲といえば、「即興曲 Op.29」「ロンド Op.1」「ボレロ Op.19」あたりだろうか。演奏したのは1~2名のみであった。なかにはエチュードをぶっ通し弾く者などもいて、別の意味で驚かされたりもした。そして、今回の予選で全く演奏されなかった1曲を発見、それが「ロンド・ア・ラ・マズール Op.5」である。これまで、ショパンといえばバラードやノクターン等にばかり心が動いていたのだが、今回様々な曲を聴くなかで「タランテラ Op.43」あたりも私好みであることが判明した。頭のなかでただいま、タッタラッタ、タッタラッタ、タッタラッタ ラ~♪というリズムが踊り続けている。参考までに、各部門別における順位もつけてみたが、一気に掲載しようとしたら、日記の文字数制限につき別日記に分けざるを得なかったといっておこう。やはり、htmlを使ったのが文字数を増やす要因となってしまったか。
Oct 11, 2005
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まずは休日の蜂の巣騒ぎが、その後一体どうなったか、の話からすることにしよう。月曜日の朝、業者の営業時間である9時をちょっと回ると、慌てて電話をかけた私、「ハチの巣を駆除して頂けますか」と。駆除業者が同じ地区内にある、ということが幸いしてか、なんと電話から1時間もしないうちに自宅にやってきた。「5分か10分もあればハチの巣は撤去できますので」と、さすがプロは頼もしい。しかし、駆除に現れたのは一人だけ、蜂の巣退治といったらそれこそ分厚い防護服を身にまとってやってくるものとばかり思っていたのに、かなり軽装である。おいおい、大丈夫だろうか。そんな心配をよそに、実に見事な手さばきであっという間に軒下の蜂の巣を撤去してくれたのであった。確かにものの5分である。あぁ、プロはすごい。幸い、攻撃性の少ないアシナガバチの巣ではあったが、脚立と専用スプレーが無ければ到底駆除できるはずもなく、また、それを揃えればそれなりの金額がかかる。ということは、やはり頼んで正解であったと思う。まぁこれで一安心。◆ ◆ ◆ ◆ ◆さて、次に本題といこう。「第15回ショパン国際ピアノコンクールの予選中継がWebで視聴可能」という話は同日の別日記で掲載済みであるが、あれから夜は夕食の準備をしながら、夜中はブログのコメントを書きながら、早朝はウトウトしながら弁当を作りつつ、ひたすらWeb中継三昧となってしまった。各出場者のレビューについては、専門家による現地レポート~即日レビューがPTNAのサイト内に掲載されているので、是非ともそちらを参考にして頂いたほうが良いだろう。即日だけあって更新も実に早い。実は私もWeb中継を観ながら演奏曲を必死にメモしていたのだが、後ほどこのレビューを拝見したら、曲目もしっかり掲載されていた。というわけで今後はこの労力を演奏を聴くほうに集中させようかな(笑)→「諌山隆美のショパンコンクール即日レビュー」さて、その話題のWeb中継であるが、時間帯によっては回線が混雑するせいか、なかなか安定して視聴出来なかったりする。たまに画面が上下逆さまになってみたり、緑スクリーンが覆い被さったような映像になったり、ハッと止まったり。「おーい、そこでとまるかー」と何度吠えたことか。それでも、なんとか演奏の様子は伝わってくるので、結局、観るのを諦められずに、こうしてPCの前でふんばってしまうのだ。それにしても、10月3日の9人の演奏者たちのうち、「スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39」を演奏する者がなんと5人にも渡り、否応でもスケルツォ第3番が頭から離れなくなっていく。スケルツォ第2番の冒頭が「ところてん」ならば、第3番は「うにくらげ? うにくらげ?」にきこえないでもない。何故うにくらげ?。我が家の食卓では毎晩のように、うにくらげが登場する、そのせいである。そういえば、私が最近まともにスケルツォ第3番を聴いたのは、実は今年の7月8日の清塚信也氏のサロンコンサート。それまで、スケルツォといったら第2番ばかりだった。しかし、そこから第3番の魅力にとりつかれつつあり、今回のコンクールの予選中継でまさに決定的となってしまった。「ええわ~、スケルツォ第3番。完全に惚れたわ」・・・・といっても、さすがにすぐに練習できるレベルでないことは自分が一番よく知っているのだが。いやはや、皆さん実に高レベル(当たり前だが)な競い合いである。この日出場した清塚氏、ちょっと緊張気味だったようだが、サロンコンサートで聴いた曲が幾つか登場していき、緊張が徐々にほぐれていくのがWeb中継を通してもわかるくらいだった。本当にお疲れ様でした。河村尚子氏の安定した演奏はもとより、予選の演奏を聴くまで全く気に留めていなかった(失礼)アメリカのベン・キム氏、彼の演奏にとても好感をおぼえたのは、私だけだろうか。いやいや、みんな頑張っているのだ。だから、みんな頑張れ!!言えるのはそれだけ。私も頑張ってWeb中継観よう。家族に呆れられない程度に。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●ハノン #22,23,25(3-4-5指を元気に)●クラーマー=ビューロー60練習曲 #19#19:分散音型練習。本日もまずはテンポ(八分音符)110で練習。ようやく細かな音ミスも減少傾向にあるので、更なる弾きこみを。当面の課題はスラー内の音凸凹感をいかに美しく自然な上下行にするか。●バッハシンフォニア #10~#12#10~#11:おさらい(今日は何故かミスが多く、ややイライラしたりも)#12:テンポを上げだすと途端に各声の流れを忘れてしまいがちなので、もう少し中程度テンポで弾き慣れること。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #01,#05#01:弾きこみ段階。バッハシンフォニア音ミス連続でイライラ度が増したまま取り組んだら、バス音は濁るわ上声は埋もれるわ、とこちらにまで影響が。ここで一旦休憩後、気持ちを冷静にして取り組み直す。全体的に形になったものの、ff手前3小節5連符の小節はいまだ納得できていない。#05:1番と違ってこちらはなかなか形にならず苦しい。まだ指使いの修正箇所に慣れておらず必ず指がとまる箇所あり。一旦慣れた指使いの変更は必要以上に苦労する、ということを痛感しながら、今日もテンポを落として練習。特に前半集中して。----------------------------------------------------本日のおさらい●クラーマー=ビューロー60練習曲 #10,#08,#16(指強化)
Oct 3, 2005
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ミュージカルバトンに始まり、ブログ界をかけめぐる「××バトン」、なにやら最近は「好きなモノバトン」なるものもあるらしい。このバトン、どうやら問いをみていると10代の若者っぽいノリのようであるが、心はいつでも10代を目指す私としては、とりあえず答えずにはいられない。というわけでいってみよう。質問は以下のとおり。Q1.ずばり!!好きな人いる??Q2.好きな男性有名人BEST3Q3.好きな女性有名人(俳優など)BEST3Q4.最近、読んでる本・雑誌は??Q5.好きなキャラクターは??Q6.次にバトンを渡すお友達5人って心は10代のつもりで回答しようとしたのだが、どうも10代というよりも、ただの音楽好きの戯言で終わりそうな予感がするのは、気のせいか。Q1.ずばり!!好きな人いる??何かに打ち込んでいる人、がんばってる人、みんな好き!Q2.好きな男性有名人BEST3こんな回答あり?といわれてしまいそうだが、みんな有名なピアニストということで、・ホロヴィッツ氏(私にとっての永遠の憧れ)・鈴木弘尚氏(ピアノを再開してから初めて出向いたコンサートが鈴木弘尚氏のレクチャーコンサート。それ以来、演奏も人柄も大のお気に入りのピアニスト)・リヒテル氏(子どもの頃、リヒテルやルービンシュタインのLPを聴きながら育った私としてはとりあえず名をあげておかねば気が済まない。)Q3.好きな女性有名人(俳優など)BEST3あんたはピアニスト以外に好きな人はおらんのか、といわれてしまいそうだが、まぁそれはさておき、・高橋多佳子さん(ショパンへのこだわり、そして華奢な外見からは予想もできぬパワーが好き)・小山実稚恵さん(私にとっては音楽界における聖母マリア様のような存在)・クララ・シューマンさん(彼女のような女性になりたいという憧れから(天地がひっくり返っても絶対に無理なのだが))Q4.最近、読んでる本・雑誌は??実はまだシャンドール・ピアノ教本を行ったり来たり・・・。雑誌はムジカノーヴァを時々、なぜか少年ジャンプを毎週、というのはまぁ漫画好きゆえ?。Q5.好きなキャラクターは??パデレフスキー版のショパン全集の楽譜の表紙に書かれたショパンマーク。えっ、あれはキャラクターではないって?キャラクターといえば、NHKで放映している「おじゃる丸」、あれが好き。あとはスヌーピー、ポケモンなどなど。ここだけは思いっきり10代な回答をしているような気がするが、基本的にほんわかまぁるい感じのキャラクターが好きなのだ。でも、その反面、ホンダのの二足歩行ロボットASIMOやソニーのAIBOのようなものも好きだったり。Q6.次にバトンを渡すお友達5人このネタで書いてみたいという人みなさまにお渡ししたい!◆ ◆ ◆ ◆ ◆現在、この日記を書きながら、先日買ったばかりのベレゾフスキー演奏「ショパン・ゴドフスキー練習曲集」のCDを聴いているのだが、この人ってものすごい技量の持ち主なんだろうな、ということが音を介して伝わってくる。ショパンのエチュードを楽々と弾きこなし、難解なゴドフスキー編のショパンエチュードをも軽々と弾き流しているようにさえきこえるのだ。しかし、ゴドフスキー編のショパンエチュードをこれほどじっくり聴いたのはこれが初めてなのだが、正直いって「な、なんですか、これは」という実に驚きの編曲である。それはまるでデコレーションケーキに許容量を超えたデコレーションを施したような状態ではなかろうか。一度聴いたらしばらくはもう良いや、と思ってしまう。このCDでは、ショパンオリジナルのエチュードと、ゴドフスキー編のエチュードが交互に収録されているため、聴き比べが出来るのは面白い。私の好きなエチュードOp.10-4も含まれているのだが、ゴドフスキー編では左手のための練習曲とされ、これがまた難解そうである。体力や精神的に元気な時は、ゴドフスキー編のショパンエチュードも聴きたくなるのだが、ちょっと疲れ気味な時はそれこそ、ベレゾフスキー演奏のショパンエチュードのほうが耳に心地よく聴けそうな気がする。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●ハノン #22,23,25(3-4-5指を元気に)●クラーマー=ビューロー60練習曲 #18,#19#18:右分散音型練習。弾きこみ段階。テンポアップでの音ミスに少々苛つき気味。#19:分散音型練習。弾きこみ段階。スムーズな上下行を目指して。●バッハシンフォニア #01~#12#01~#11:おさらい#12:本日から開始。各声別々にしばらく練習後、全声合わせて弾くところまで。●ショパン 24の前奏曲 Op.28 #01,#05#01:弾きこみ段階。#05:パデレフスキー版での指使いに変更。跳躍部分は相変わらず荒く、跳躍時の手の使い方がいまだ勘を取り戻せず。----------------------------------------------------本日のおさらい今日はおやすみ----------------------------------------------------期間限定練習●カスキ 「秋の朝」苦手箇所の集中練習。本楽譜には一切指使いが掲載されていないため、自分で確立しなければならないのだが、どうしてもスムーズな指運びが出来ない小節(30小節付近)があり、今日は改めてゆっくりとさらってみる。
Sep 28, 2005
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9月22日は待ちに待った鈴木弘尚氏のピアノリサイタル。数ヶ月前にチケットを手に入れて以来、ピアノの横に飾ってこの日を待っていたのだ。特に今回のリサイタルでは、シューマンの交響的練習曲の他にも、私のお気に入り曲であるバッハの「半音階的幻想曲とフーガ」も演奏予定曲に組み込まれており、期待度は増すばかり。というわけで、今日はいつものようにピアノに向かう時間がとれなかったため、必要最低限の練習と、今日のリサイタルのアンコールで演奏してくれると良いな、といった想いをこめながら「アルゼンチン舞曲」をサラリと弾き流して、本日はおしまい。そして、いざ向かうはリサイタル会場である都内 四谷にある紀尾井ホール。・・・って、私、実は紀尾井ホールに行ったことがない。今年になってから、ようやく何年かぶりに生演奏を聴きに行く機会が増えたものの(これもピアノ再開のおかげか)、よくよく考えてみたら私ったら埼玉の所沢ばかり足を運び、都内のホールでのリサイタルは、それこそ何年ぶり?といったところ。マズイぞまずいぞ、迷子になるかもしれない。なにしろ筋金入りの方向音痴だ。案の定、JR四谷駅の改札で呆然と立ちすくむ。「ど、どこじゃい・・・ここは」。恥を承知で、プリンタで印刷した地図を取り出すと、まず麹町方面に出ることを確認。外に出ると今度は辺りを見回し、ほどなく上智大学と教会の横に暗い暗い細道を発見した。ここを歩いていけば紀尾井ホールに着くはずだ。あぁ、皆、当たり前のように向かうなか、ひとりオロオロしながら向かう様はちょっと滑稽である。会場に着いたのは18時を少し過ぎていたか。既に会場前には何人もの客が開場を今か今かと待っている。集まってくる人々は、やはり女性が目立つが、所沢でのコンサートよりは男性の姿もかなり見える。年齢層も女子高生から年輩までとかなり幅広い。18時半に開場、初めてみる紀尾井ホールは、木のぬくもりが感じられる温かな空間、そして、天井に輝くシャンデリアが印象的だ。2階、そして1階にまでバルコニー席が設けられている。私が座ったのは1階の左側。鈴木氏の演奏する手、つまり、鍵盤が見える場所ということで選んだ席であるが、傾斜がないため、前方に座高の大きな人が座ったらどうしよう、なんて心配をしてしまった。と思ったら、この心配は無用であり、前方の各人の頭の隙間からステージが見えるように、座席配置が考慮されている。◆ ◆ ◆ ◆ ◆さぁ、19時を少し過ぎ、会場が暗くなると、ステージに鈴木弘尚氏がさっそうと登場した。ダークな衣装に身を包み、やっぱり今日もスタイリッシュである。今日のプログラムは以下のとおり。・バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903・スクリャービン:ピアノソナタ第5番 Op.53・カール・ヴァイン:ピアノソナタ(1990) (20分休憩)・ラフマニノフ:練習曲「音の絵」からOp.33-2,Op.33-5,Op.39-2,Op.39-9・シューマン:交響的練習曲Op.13 (アンコール)・シューベルト=リスト:水車屋と小川・ヒナステラ:アルゼンチン舞曲から「はぐれ者のガウチョの踊り」■第一部:バッハそして時代は一気に飛びスクリャービンとカール・ヴァインでピアノの椅子に座ると一呼吸、いや、精神を整えているのか、そして奏でられたバッハ「半音階的幻想曲とフーガ」、それはまさしく鈴木氏のバッハである。キレがあって情感があって、鋭くたたみかけるようなパッセージと天へと舞うアルペジオ、3声のフーガも各声が非常にくっきりと輪郭が現れている。スクリャービンの「ピアノソナタ第5番」やカール・ヴァインの「ピアノソナタ(1990)」はそれこそ聴衆を未知の世界へと導くかの如く、神秘的で魅惑的な響きが会場内を包み込む。スクリャービンのソナタについては今までアシュケナージ演奏のものは時々聴いていたりするのだが、鈴木氏が演奏するスクリャービンはドキッとする程、妖しい光があり、それでいて何処か冷淡(悪い意味でなく良い意味で)。カール・ヴァインのピアノソナタは、実は私、今日初めて聴く曲なのであるが、不思議な進行に戸惑いながらも気がつけばあの強烈なリズムの炸裂に身も心もぶっ飛んでしまっていた。この曲、聴く人以上に弾く側がかなりはじけてしまいそうな箇所が満載。鈴木氏はやっぱりこういった曲が上手いなぁ、とつくづく感心してしまう私であった。それにしても、激しいパッセージのなか、スーツの裾が邪魔になるのか、何度も手で直していたのがちょっと気になるところ。着慣れぬスーツだったのか?■第二部:ロマンティック・エチュード~ラフマニノフ・シューマン~待ってました!第二部。ラフマニノフの練習曲「音の絵」からOp.33-2,Op.33-5,Op.39-2,Op.39-9、と4曲が続く。鈴木氏のラフマニノフは聴いていてとても安心する。他に演奏について語る表現が無いのか、と言われてしまいそうだが、「キレがあって、それでいて詩心がある」、この一言に尽きるのだ。そんな音色はラフマニノフにピッタリではないか。いつか、ラフマニノフ前奏曲&練習曲全集CDを出して貰いたい、と思うほど。そして、最も楽しみにしていたシューマン「交響的練習曲」が始まった。5月のシューマンレクチャーコンサートでは、シューマンを語るにあたって主題の一部だけをサラサラッと弾いてくれた鈴木氏であったが、それ以降、ずっとずっと全曲通して聴きたい度が上昇していたのである。それも今日、ようやく叶った。あぁ、生演奏はCDの演奏とはひと味もふた味も違う。ゆっくり歌いあげるところは、それこそたっぷりとためながら歌い、そして、シューマンの多声的な進行では実に立体感あふれる音場を形成したり。技巧の固まりのような箇所では、えっ、そんな速度で弾きこなしてしまうの?とちょっとギョッとするような箇所もあったが、練習曲XIIのあの迫力の終曲には、思わずゾワッと鳥肌がたってしまった。うん、来て良かった。交響的練習曲がもっと好きになった瞬間だった。■アンコール:願い叶って?アルゼンチン舞曲第3曲アンコール1曲目はシューベルト=リストの「水車屋と小川」。それは、白熱した会場がゆったりとした気分に包まれていくような感覚であった。でも、私はずっと心のなかで願っていた。「お願い、アルゼンチン舞曲も弾いて!」と。願いは叶った。しかも、演奏されたのは「アルゼンチン舞曲」の第3曲目「はぐれ者のガウチョの踊り」である。今日の午前中、アルゼンチン舞曲の第1,2曲を弾いて気分を盛り上げてきた私であるが、まるでその気持ちを引き継いでもらったかのようだ。第3曲のあの強烈なリズムとたたみかけるような和音の迫力に会場圧倒、気がつけば私も、そして私の隣の席の女性も身を乗り出して観ている。CDを聴いていても「す、すごいな」と思っていたが、目の前で演奏されるともっとスゴイ。それこそ、「スゴイ」という言葉しか出てこない。うんうん、来て本当に良かった。でもアルゼンチン舞曲は当面第1,2曲だけ練習しよう・・・と思った瞬間だった。◆ ◆ ◆ ◆ ◆「終了後、CD購入者にはサイン会をします~」なるアナウンスが流れていたが、私は5月のレクチャーコンサートで既にCDにサインを頂いていたため、すごすごと退散するしかなかった。実は5月のレクチャーコンサートの際、ただただサインを貰いたいだけに、CDを買い増したのである。だから、実は同じCDが既に2枚あったりする。さすがに3枚目ともなると、躊躇もするだろう。だから、鈴木氏には早く次のCDを出して欲しいと思っている今日このごろである。そうそう、この日、会場にテレビカメラが入っていたため、後日、このリサイタルの模様がテレビで放映されるようである。時期未定であるが、NHKの「クラシック倶楽部」なる番組らしい。・・・・・・・・・・って、それってもしかして衛生放送?とほほ、実家に帰って観るしかないじゃないか。それにしても、生演奏は良い。リサイタルに行くたびにそう思う。そういえば、リサイタルで刺激を受けてピアノに没頭してしまう人、はたまた、リサイタルの余韻を自分のピアノで上塗りしたくないという人、2パターンが考えられるが、はたしてどちらが多いのだろう??えっ?私??本来は没頭したいのだが、没頭すると嫌でも現実に目を向けなければならないのが難点か。----------------------------------------------------【本日のピアノ練習メモ】本日のメイン練習●ブラームス51練習曲 #07~#10,#15#07:3度を4-1,5-1指で弾く運動。#08:アルペジオ練習。#09:各指を広げる運動#10:5指押さえながら他指の均一運動。#15:3指押さえながら他指の均一運動。●ハノン #22,23,25(3-4-5指を元気に)●クラーマー=ビューロー60練習曲 #18,#19#18:右分散音型練習。弾きこみ段階。今日はサラリとさらう#19:分散音型練習。昨日同様の課題を抱えたまま、サラリとさらう。詳細練習はまた明日。----------------------------------------------------本日のおさらい●シューマン 「ウィーンの謝肉祭の道化」#04----------------------------------------------------本日の息抜きタイム(メイン練習の合間に息抜きを)●ヒナステラ アルゼンチン舞曲から #01,#0201年老いた牛飼いの踊り:弾きこみ段階。今日のリサイタルを想って・・・02粋な娘の踊り:弾きこみ段階。
Sep 22, 2005
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先週に引き続き、テレビ朝日「題名のない音楽会21」9月11日の放映では、40周年記念企画としてピアニストであるスタニスラフ・ブーニンをゲストに迎え、ショパン特集である。しかも、今回は「目指せ!ショパンコンクール~ブーニン特別レッスン」と称し、未来のピアニストの卵たちにショパンを特別にレッスンする、という企画である。というわけで、今回、ブーニン氏と共に登場したのは、14歳のK君と10歳のNさん、といったふたりの若きピアニストの卵たち。外見は可愛らしい子供たちだが、既にコンクール経験もある、まさに将来が楽しみな子供達である。レッスン前に軽いトークがあったなか、Nさんからこんな質問がブーニン氏に。「素敵なピアニストになるためにはピアノ以外にどんなことをやったら良いのですか」回答はだいたい想像がつくであろうが、ブーニン氏は「音楽だけでなくあらゆる芸術に熱中するだろう」と語る。そう、どのような芸術もみな音楽につながっている、という言葉はブーニン氏だけでなく、きっと多くのピアニストたちも口にする内容だ。(個人的には、芸術だけにとどまらない、と思っているのだが)さぁ、それでは早速レッスンのはじまりはじまり。■ショパンレッスン基礎編 (レッスン曲:エチュード ヘ短調 Op.25-2)まず1曲目のレッスンでは「ショパンをショパンとして聴かせる」ことを目的としたショパン基礎編レッスン。そして、レッスン曲として選曲されたのはショパンのエチュードOP.25-2である。この曲は、各手別々の動きにて3連音符の進行が延々と続く練習曲であり、これをまずは10歳のNさんが演奏する。この曲の実テンポはかなり高速であるが、Nさんは割とテンポを控えめにし、それでいて丁寧に音を奏でているといった印象だ。ブーニン氏も、彼女の演奏について音楽的でとても良い、展開もダイナミックだと評す。・レッスンポイントその1:リズムについてこの曲の大いなるポイントは「3連符」進行。この3連符を意識して演奏しないと、ショパンの意図した演奏とはならないのは、このエチュードに携わった者であればなんとなく分かって貰えるだろう。(♪♪♪)(♪♪♪)で弾くべき感覚を、(♪♪)(♪♪)(♪♪)といった3連符を見失った演奏にならないことが、この曲のポイントである。・レッスンポイントその2:曲想について65小節以降、つまり曲の最後の部分は、各版の譜面においてはディミヌエンド指定のみであるが、暗黙の了解のごとく、終曲に向かってrit気味で演奏される。ブーニン氏もこの部分について、テンポを控えめに弾くことを勧めていた。■ショパンレッスン応用編 (レッスン曲:ノクターン第18番 ホ長調 Op.62-2)さて、続いてのレッスンでは、表現方法含め、コンクールまでを視野に入れた応用編。レッスン曲はノクターン第18番 ホ長調 Op.62-2、ショパン晩年の作品である。これを14歳のK君が演奏する。さて、彼の演奏は・・・と耳を傾けようとしたら、いきなり演奏画面からブーニンの話に切り替わってしまった。・レッスンポイントその1:タッチについてブーニン氏は、まず「ホールで柔らかい音を良く響かせるためには滑らかな部分でもしっかりとしたタッチで、つまり、正確なタッチで弾くことが弾くことが必要。音をずっと押し続けないで弾くこと(鍵盤を指で押さえ込むような弾き方はダメ、ということ)」と指摘する。そして、ノクターン Op.27-2を実際にブーニン氏が弾いてみせながら、「音はフォルテでなくとも、(聴衆に)音を届けるような感覚で」と、ピーンと張りつめたような音色を聴かせた。だから、アジタート後の再現部に戻った箇所(58小節以降)では、ピアノ(弱)であっても、もっと音を響かせる工夫をしなければならない。70小節以降コーダの左手16分音符進行は、弱音であっても生命力のある音が要求される。・レッスンポイントその2:強弱の表現法強弱のコントラストはとても必要なことであり、と同時にクレシェンドも豊かな表現が大切。アジタートの49小節からのフォルテを弾かせながら、「フォルテを怖がらずに。大胆に」と何度も指摘する。他、幾つか指摘点があったのだが、番組の時間の都合上、レッスン模様が切り貼りされた状態だったため、いまひとつ理解出来ない部分があり、残念・・・やはりスーパーピアノレッスンと違って、ほんの10数分の間に2曲のレッスンを放映するのは、なかなか難しいということか。テレビを観る側にとっては少々中途半端な気分になってしまった特別レッスンではあったが、きっとレッスンを受けた彼らにとっては、少なからず良い経験になったに違いない。この回の公開録画を実際に観られた方々はどう感じられたのだろう??■ブーニン氏からのメッセージ「ピアノを愛するすべての"若者"のために」から始まったブーニン氏のメッセージ・・・この若者という点に、少々沈んだ気持ちになってしまったのは、あぁ、私だけ?まぁ、これはブーニン氏からこれからコンクールを目指そうとする若い人たちへの言葉ゆえ、仕方がないだろう。(字幕の内容が少々わかりづらかったので、個人的に解釈した言い回しをさせてもらうならば)「ピアノには、音楽的であり、また哲学的、更には詩的といった、それこそ信じられないような豊かな表現力をもつ。そして、若い時には新たな発見が多数あり、非常に面白いものだ」「練習を重ねるなかで、ピアノの新たな音や陰影に気がつき、表現や音そのものの幅広さがだんだんと理解出来てくる。演奏するにあたり、これらの表現力や音の広がりを忘れないで欲しい」「小さな世界を作ってそこに閉じこもってはいけない。ピアノは広い世界を見るチャンスを私たちに与えてくれるのだ」そして最後にブーニン氏によるショパンバラード第4番の演奏へと続く。改めてじっくり見るとブーニンは割と肩をすぼめて演奏しており、あれでよくパワーある音が出せるものだ、と感心してしまう。それしてもあの大量の汗、あの汗しぶきは本当に凄かった。鍵盤に落ちたら指が滑ってしまうのではなかろうかと、そんな変なところを見てしまう自分が・・・悲しい。◆ ◆ ◆ ◆ ◆おっと、いきなり話は変わるが、昨日の「キーワードdeピアノ曲を探せ」にコメントくださった皆さん、本当にありがとう!!実は日曜日は日記を掲載してからすぐに所用で出てしまっていたため、自宅に帰ったら、新たなキーワードのリクエストや追加曲などが多数寄せられており、涙が出るほど嬉しかったのだ。これからも少しずつリストを充実させていくとともに、不定期ながら新たなキーワードdeピアノ曲を掲載・募集していこうと思っているので、協力者、そして茶々入れ、差し入れ(爆)、どうぞお気軽に!!これまでに頂いている曲たちは、今晩ドドッとリストに追加するので乞うご期待~!少々見づらいリストだが今しばらくはご勘弁を。◆ ◆ ◆ ◆ ◆それにしても、ピアノ曲ってこんなにこんなにあるとは・・・恐れおののく今日このごろ。私たちは、一体これまでどれくらいの曲たちを弾いてきたのだろう、本当にカウントしたくなってきた。譜読みレベルのものも含めればかなりの数に・・・まだまだならないか。数えてみようと思っている奇特な人、募集中(笑)さ、さすがに、いないか・・・
Sep 11, 2005
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