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DVDで見始めた時、両端がなかったので、古い作品だと思ってしまった。だからか、陰気で古臭い作品に見えてしまった。学生時代に読んだモーパッサンの小説同様、陰気くさい達成感のない感じである。没落貴族と結婚し家名の継続を目論んだ男爵家親子、その娘は夫となる男の不貞により不幸な結婚生活を送ることになる。乳姉妹とも諍い別れ、生まれた息子も道楽貧乏で、と。どこにも幸せがない、感じられない生活の中で、生きていく、生き続けていくことがそれほど悪くないという結末は暗澹たる思いを感じずにはいられない。この作品の良さが私にはわからないのかもしれない。モーパッサンが生きた時代のあるべき姿が描かれているであろうに。2016年/フランス/119分/G監督:ステファヌ・ブリゼ出演:ジュディット・シュムラ、ジャン=ピエール・ダルッサン、ヨランド・モロー、スワン・アルロー、ニナ・ミュリス、オリビエ・ペリエ、クロチルド・エム、アラン・ベジュル、フィネガン・オールドフィールド、リュセット・ボーダン、ジェローム・ラン、メリー・ドヌー 原題:Une vieお薦め度 「女の一生」★★★☆(70%)
2018.09.30
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NHK朝ドラ「半分、青い」が終わった。このような終わり方をするなんて、まるでラブ・ストーリーではないか。(笑)とにもかくにも脚本家・北川悦吏子のドラマであり、作品である。彼女の一世一代をかけた作品は大河ドラマにも匹敵するくらいの傑作であった、と思える。とても感動した。北川の作品としては「素顔のままで」と「愛していると言ってくれ」しか見ていない。(いづれも出演者目的で見た)かの「ロングバケーション」は見ていないので、彼女の大活躍は知らない(?)さて、久々の登場で腕が鈍っていないか、気になり、トレンディ・ドラマの焼き直しのような作品を見せられてはと懸念したが、いざ、始まってみると、昔懐かしい郷愁感を出しつつも、北川ファン垂涎のギャグや物まね、パクリも入れつつ、この時代のある人々の生き様を見せてくれた。彼女の生き様は鈴愛(すずめ)に投影され、自身が経験した片耳が聴こえない生活も作品に描かれている。「半分、青い」。”青い”が何を意味するところか40歳でドラマは終了したけれど人生80年のちょうど半分という意味合いも含まれているのかもしれない。半年におよぶドラマが終焉した時、特に2011年の東日本大地震で裕子(ゆうこ)が還らぬ人となった時、作者・北川は生きるということを描きたかったんだな、と思った。また、あの大地震、津波の混乱の中でメッセージを、遺言を残せるようなことはなかったと思えるのだが、裕子は残した。それは、そこにはあの津波で生きることを絶たれた人たちが家族に残せなかった思いを伝えたかったのでないだろうか。私が学生時代から、”人はなぜ生きるのか?”という命題を抱え続けてきたけれど、北川が表現した『生きて、何事かを成してください』というメッセージにある種の答えがあるような気がした。精根尽き果てて書き表した『半分、青い』には、北川の思いが存分につまっている、と思う。この作品を作るにあたって北川はキャストと話し合い、あてがきしたという。それで生まれた秋風羽織はユニークで、楡野鈴愛は素晴らしい。子役を含め、その人物として存在していて演技というものを感じさせない、とても良い作品になったと思う。実をいうと清野奈名は嫌いだった。見るのも嫌だった。というのも、ドラマ「やすらぎの郷」で登場した彼女を見た時、とても世紀の大女優の若い時には思えなくて、見るたびに嫌悪感を抱いていた。その後、売れ出してCMなどで見かけるたびにムカついていた。それゆえ、今回のキャストも嫌な同僚役で出てくれれば清々するところだったけれど、意外とそうではなく、無二の親友となっていった。お互いに漫画を諦め普通の人となってしまったが、東北へ行ってしまった彼女が看護師となり、地震の津波で命を落とすことになろうとは・・・私の清野奈名への嫌悪感は払拭され、平然と見られる女優となりました。主役、永野芽郁はスマホのCMしか知らなくて、数々の経歴、出演作があることを知らなかった。NHK大河ドラマ「八重の桜」も「真田丸」も、彼女が出ていた記憶はない。この朝ドラのヒロイン役で全国に顔と名を売った彼女が鈴愛を超える役で活躍することを祈念する。とてもとても、とてもとても楽しみな朝ドラだった。
2018.09.30
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この夏のドラマで唯一、見続けた作品である。視聴率は良くなかったみたいだけれど、しっかりとしたドラマとして仕上がっていた。主演の吉岡里帆は良くやっていて、捨てられた子犬のような顔が相談員としての職務にぴったりな感じがする。健気に奮闘する姿も作品とあっていて生き生きとしたドラマになっていたと思う。各話のエピソードもよく描かれていて、生活保護を受ける人たちの暮らしが伝わってきそうだ。しかし、実際の現場はひどく辛い日々のことも多いようで実態を十分に伝えていたかはわからない。ドラマの素材となりそうな特異な内容のものもあったように思う。生活保護について疑問に思ったことをすべて解決していなかったところがあると思えるので、そこが課題であろう。義経(吉岡)を支える同僚として半田(井浦新)の存在は重責で、影になり日向になりドラマとしても役者としても彼女をサポートしていたように思う。栗橋(川栄李奈)の存在が作品にアクセントを与えていて、阿久沢(遠藤憲一)の存在もドラマと並走する出演者として親近感を与えていた。作品としてはとてもよく作られていて、第7話の文字が読めない人が出てくる、栗橋(川栄)がメインになる回はとても感動的であった。全10話で終わるのがもったいないと思える作品である。***以下、wikipediaより***「健康で文化的な最低限度の生活」放送時間:火曜日 21:00 - 21:54(54分)放送期間:2018年7月17日 - 9月18日(10回)制作局:カンテレ演出:本橋圭太、小野浩司、大内隆弘原作:柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』脚本:矢島弘一、岸本鮎佳プロデューサー:米田孝、遠田孝一、木曽貴美子、本郷達也出演者:吉岡里帆、井浦新、川栄李奈、山田裕貴、田中圭、遠藤憲一オープニング:安田レイ「Sunny」エンディング:AAA「Tomorrow」原作者の柏木ハルコは「間違った情報を描かないよう監修をつけてほしい」「視聴者の偏見を助長するような表現はしないでほしい」という2点を条件に、テレビドラマ化のオファーにOKを出した。キャスト:※〈 〉内の年齢は物語開始時に基づく東京都東区役所生活課義経えみる〈22〉演 - 吉岡里帆(幼少期:古山椛葉)一般職の新人ケースワーカー。半田明伸(はんだ あきのぶ)〈45〉演 - 井浦新。えみるの先輩ケースワーカー。栗橋千奈〈22〉演 - 川栄李奈えみるの同期。福祉専門職の新人ケースワーカー。七条竜一〈22〉演 - 山田裕貴えみるの同期。一般職の新人ケースワーカー。後藤大門〈22〉演 - 小園凌央えみるの同期。一般職の新人ケースワーカー。桃浜都〈22〉演 - 水上京香えみるの同期。一般職の新人ケースワーカー。川岸彩演 - 鈴木アメリ面接相談員。須永吉次演 - 佐伯新(第6話・第7話)課長。石橋五郎(いしばし ごろう)〈50〉演 - 内場勝則えみるの先輩ケースワーカー。京極大輝(きょうごく だいき)〈35〉演 - 田中圭係長でえみるの直属上司。片岡麻里(かたおか まり)演 - 阿部純子(第4話 - 最終話)阿久沢が15年ぶりに会った娘。。青柳円(あおやぎ まどか)〈35〉演 - 徳永えりえみるの通う定食屋「アオヤギ食堂」店主。阿久沢正男〈53〉演 - 遠藤憲一えみるが担当した元生活保護受給者。
2018.09.30
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こんな作品が作られて良いのだろうか。戦いが世界的でなく、宇宙に広がり、時空を超えて戦うことになり、虐殺が行われる。ある種、勝者の論理で繰り広げられる戦い。疑問を呈したいことは山ほどある。このような作品は作られてはならないし、公開してはならない。巷での争い事、それはあっていたしかたない。そのいざこざにより争いが繰り広げられ強いものが勝つ、あるいは正しいものが勝つ。それを見て楽しむ。それが、映画であるはずだ。それが、この作品では、何のための戦いかわからなくなってしまう。勝利したものも、勝者なのか。わからない。この結末にて、見るのではなかった、見るべきではなかった、と思えた。ただの娯楽であるべき活劇、アクション・ムービーが大量虐殺を正当化するような筋書。つぎつぎと消えていくヒーローたち。見るも無残。2018年/アメリカ/150分/G監督:アンソニー・ルッソ出演:ロバート・ダウニー・Jr.、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エバンス、スカーレット・ヨハンソン、ベネディクト・カンバーバッチ、ドン・チードル、トム・ホランド、チャドウィック・ボーズマン、ポール・ベタニー、エリザベス・オルセン、アンソニー・マッキー、セバスチャン・スタン、トム・ヒドルストン、イドリス・エルバ、ピーター・ディンクレイジ、ベネディクト・ウォン、ポム・クレメンティエフ、カレン・ギラン、デイブ・バウティスタ、ゾーイ・サルダナ、ビン・ディーゼル、ブラッドリー・クーパー、グウィネス・パルトロウ、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン、クリス・プラット、ダナイ・グリラ、レティーシャ・ライト、ウィリアム・ハート、ウィンストン・デューク、フローレンス・カスンバ、ジェイコブ・バタロン、ケリー・コンドン、アリアナ・グリーンブラット、マイケル・ジェームズ・ショウ、キャリー・クーン、トム・ボーン=ローラー、テリー・ノタリー、ロス・マーカンド、サミュエル・L・ジャクソン、コビー・スマルダース原題:Avengers:Infinity Warお薦め度 「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」★★(40%)
2018.09.29
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今日、LR10周年記念公演『トビウオの翼』を観てきた。大勢が小さい舞台にのる芝居なので、導線やすれ違いが気になり、声の大きさも気になったが、話が進むにつれ慣れてきて見入ってしまった。中学校で起きたいじめ事件。いじめはないとする学校とその真相の行方。傍線というか絡みつく個々の諸問題がありこれが現代の芝居なのかと見た。クライマックスに向けて真実の暴露の畳みかけ。予想しない、できない展開と真実と事実。解決したのかしないのか混沌とした状況ではあったがカラフルなエンディングにほっとしたしだい。芝居巧者の役者たちが演じきった舞台は見る価値があると思う。*****************************㈱オフィスエルアール10周年記念公演『トビウオの翼』 作 川口清人(東京カンカンブラザーズ)演出 谷津かおり●出演河内耕史 下石知美 伊織瞳 岡田晴夏 橘郁美 西河菜月紗名 玉置京都 平良太宣 阿部沙也加 菊池隼人鈴木祥二郎 恒川香織 原田裕史 右近薫子ゲスト:林田葵 花房青也(HUMAN ERROR) 槇由紀子(夢工房)●スタッフ美術 志田原貴子照明 林高士 (Stage Hattori Saurus)音響・映像 木下勝哉 ドラマツルグ・本多ハルチラシ画 八ツ田真彩 チラシデザイン 阿部沙也加舞台監督 川崎耕平(Stage Hattori Saurus)制作:坂内愛 小川原歩協賛:柴野産業株式会社後援:米持建設株式会社プロデューサー:谷津加大利製作 ㈱オフィスエルアール●公演スケジュール9月 27日(木)19:30 28 日(金)14:00 /19 :30 29 日(土)14:00 /18:00 30 日(日)14:0010月 1日(月)14:00 ※全7ステージ予定●チケット料金当日4800 円 前売り4500 円 ペア8000 円学割(小中高校3000 円)●劇場 テアトルBONBON 中野区中野3-22-8
2018.09.28
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う~ん、素敵な作品だ。彼氏のいる女性と同居することになったゲイ男性の話。とっても家族的で人と人がつながり、いや入り乱れ、家族の形、親子の形、男女の形をそれとなく考えさせてくれる。この作品が描いている顛末、結末が良い形かどうかわからないが、クライマックスまではとても見どころがあり、恋愛映画が好きな人たちには歓迎されるだろう。しかし、とても感傷的でもあるし、とはいえ、前向きに突き進んでいく姿はアメリカ女性としていい感じがする。結末の大団円はどうかな?と思える形であるけれど、とてもハートウォーミングな作品を見せてもらった気がする。”アントマン”となったポール・ラッドはいい相手役を熱演しているのに、優しいイケメンなのにブレイクしなかったのは優しすぎたからかなぁ。主役のジェニファー・アニストンもいい。1998年/アメリカ/112分/監督:ニコラス・ハイトナー出演:ジェニファー・アニストン、ポール・ラッド、アラン・アイダ、ジョン・パンコウ、アモ・グリネロ、ナイジェル・ホーソーン、ティモシー・デイリー、アリソン・ジャネイ原題:The Objection of My Affectionお薦め度 「私の愛情の対象」★★★★(80%)
2018.09.25
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ダンス映画を見て思うこと。「ああ、やっぱり、ダンスが好きなんだな!」というわけで、甘い判定になること間違いなし(笑)この作品を見終わった時も、ダンスがしたいと思ったもの。さて、この作品はこどもの時にサルサで世界王者の王手をかけ、いじめが原因でサルサを止めてしまった中年デブ男が主人公。ダンスをやめて25年、もてないさえない中年デブとしてサラリーマンになっていた。馬鹿馬鹿しいおもしろさも、さえない男たち集合も、出てくる女性にデブ女はいなくて・・・ななか複雑(笑)ダンス好きなら見ているだけで血が沸いてくる。楽しめた作品である。2014年/イギリス/98分/G監督:ジェームズ・グリフィス出演:ニック・フロスト、ラシダ・ジョーンズ、クリス・オダウド、オリビア・コールマン、ケイバン・ノバク、ロリー・キニア、アレクサンドラ・ローチ、イアン・マクシェーン、サイモン・ペッグ原題:Cuban Fury お薦め度 「カムバック!」★★★★(80%)
2018.09.23
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この作品は実話であり、第二次世界大戦初期のドイツ軍の対外政策を見る点においても参考になる作品である。とても興味深く見た。ノルウェーという国が立憲君主制の国として毅然とした態度を取り続ける辛辣さ。中立国でありながら、ドイツに降伏を迫られた国。永世中立国であるスイスの兵隊が最強であるというまめ知識を思い起こしながら中立国であり続けるためには武力を保持しなければならないんだと痛感した。デンマーク王国からノルウェーの国王に招聘されたホーコン7世の決断をノルウェー国民が指示し、今のノルウェーがあることを意識し、とても意味のある作品だと悟った。時代に翻弄されながらもゆるぎない信念と間違いのない決断と、国王の矜持が試される国難に立派に対応したことを伝える傑作である。2016年/ノルウェー/136分/G監督:エリック・ポッペ出演:イェスパー・クリステンセンアンドレス・バースモ・クリスティアンセン、カール・マルコビクス、カタリーナ・シュトラー、ツバ・ノボトニー、ユリアーネ・ケーラー、アルトゥル・ハカラフティ、スベイン・ティンドベルグ、ケティル・ホーグ、ゲラルド・ペッテルセン、ヤン・フロスタッド、エリック・ヒビュ、ソフィー・ファルクゴール、イングリッド・ロス・ラフテモ、マグヌス・ケーティルソン・ドビー、ロルフ・クリスチャン・ラーセン原題:Kongens neiお薦め度 「ヒトラーに屈しなかった国王」★★★★(80%)
2018.09.23
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ブルース・ウィリスが出演している作品は間違いがないと思って見ていたが。この作品はどうだろう?実話作品「エデン」さながらの拉致があり、ビックリした。そして、裏社会を生きる犯罪者が警察当局と取引(癒着ともいえるか?)をしているなんて、見ていて暗澹たる気持ちになる。二段、三段と続く展開は紆余曲折し、見ているものをなかなか安心させてはくれない。結末は結末として、導入部、展開、クライマックスの連続は驚きの世界となるが、これが現実となることも嫌だし、フィクションとして見るのもきつい。辛い映画だなぁ。2018年/アメリカ/92分/監督:ブレッド・ドノフー出演:コール・ハウザー、ブルース・ウィリス、ショーン・アシュモア、アシュトン・ホームズ、メリッサ・ボローナ 、ソフィア・ブッシュ 、マイク・エップス原題:Acts of Violenceお薦め度 「アクト・オブボ・バイオレンス」★★★☆(70%)
2018.09.23
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今朝の朝ドラ「半分、青い。」を見て、感動した。ショート・フィルムの完成度に感心した。家族に、「すごかったね、ショートフィルム」と、いい。NHKのすごさなのか、脚本家・北川江吏子のすごさなのか、と感嘆した。すると、家族は、ショート・フィルムなんて何がいいの、と疑問を呈したので、説明した。”そよ風を説明するために、草原を映し、その中に少女が立っているだけでプラス5ポイント、その少女がはらはらと涙を流すことでプラス5ポイント”『ぜんぜん、見てない。涙は何を意味してるの?』”涙はそよ風のやわらかさを意味している。少女がはらはらと流すことでそよ風のやさしさを表現している”『はらはら?(笑)』”涙も両方でなく、片側だけ一筋の涙をはらはらと流す。もう、すごい出来だ!”『へぇ~』”脚本家の北川がすごいのか、演出家が指示したのか、いずれにしてもすごい!すごい出来だ”それからも、”はらはら”という表現が面白かったのか『はらはら?(笑)』と家族は笑うだけ・・・。題名の最後に”。”がついているんだね。「半分、青い。」
2018.09.22
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「アントマン」は興味なかったんだよね。小さくなるヒーローなんか、おっさんだし(笑)。でも、まあテレビで放映していたので、録画しておいたので見てみた。見てみると、それなりにというかハリウッド映画らしい醍醐味はあるし、見どころ満載で楽しめる。最近見なくなったマイケル・ダグラスだと思っていたが、引っ張りだこで出演作は続いているみたい。気になって父親のカーク・ダグラスを調べると100歳を越えて存命のようだ。すごいなぁ。話を本作に戻すと、出演作はあるもののハリウッド映画の主役に抜擢されたポール・ラッドなんて、この「アントマン」がなければ全く知らなかった。知るすべがなかった。その意味では40代での成功、良かったね、といいたい。さて、作品は今公開の「アントマン&ワスプ」に繋がる導線・伏線が仕掛けてあり、ちょっと現象的に無理があるかなと思える点も設定と勢いで押し切り見せてしまう。楽しめる作品として見るにはいいかも。2015年/アメリカ/117分/G監督:ベントン・リード出演:ポール・ラッド、エバンジェリン・リリー、コリー・ストール、ボビー・カナベイル、マイケル・ペーニャ、ティップ・“T.I.”・ハリス、ウッド・ハリス、ジュディ・グリア、デビッド・ダストマルチャン、マイケル・ダグラス、アビー・ライダー・フォートソン、アンソニー・マッキー、ヘイリー・アトウェル、ジョン・スラッテリー、マーティン・ドノバン、ジョー・クレスト、クリス・エバンス、セバスチャン・スタン原題:Ant-Manお薦め度 「アントマン」★★★☆(70%)
2018.09.17
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前作「マンマ・ミーア」から7年がたち、今回主役のアマンダ・セイフライドが大人の女性、というか中年の女性になっていてびっくりした。1985年12月生まれだから撮影当時は30歳を過ぎたくらいなのだが、眉毛ラインも細くきりっとして大人の女性を醸し出していた。小柄だけれどスレンダーでかわいらしく、「マンマ・ミーア」で見たのが最初だろうか。「ジュリエットの手紙」や「TIMEタイム」「レ・ミゼラブル」でも、あどけなさ(若さ)を残していて、「ラヴレース」で大物女優ぶりを発揮したのにはびっくりした。今回、彼女の大人女性ぶりにびっくりしたのは結婚して出産を経験し、大人の女性となった私生活が大きく影響しているのかもしれない。独身から既婚者への変貌である。さて、この作品、いつものように私流儀で予備知識なしで見に行ったものだから、母親役のメリル・ストリープが亡くなって登場しないことに衝撃を受けた。見たい気持ちがしぼんでいったせいか、導入部は退屈で3度も寝そうになった。しかし、改めてこの作品がミュージカルであることを認識し、草食系の顔立ちのメリルの若かりし頃を演じるリリー・ジェームズが肉食系顔立ちであることに消化不良を感じながらもいつしか文化祭や学園祭的ノリに乗っていってクライマックスではレディ・ガガばりのおばあちゃんは誰?と思いながら楽しんだ。このおばあちゃんはシェールだった。久々に見て、年齢不詳な人だなと思った。今でいう美魔女である。メリルの登場シーンはあるので、落胆しないよう。内容は取るに足りないとはいえ、楽しめる作品である。2018年/アメリカ/114分/G監督:オル・パーカー出演:アマンダ・セイフライド、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルド、クリスティーン・バランスキー、ジュリー・ウォルターズ、ドミニク・クーパー、リリー・ジェームズ、アレクサ・デイビーズ、ジョシュ・ディラン、ジェレミー・アーバイン、ヒュー・スキナー、ジェシカ・キーナン・ウィン、アンディ・ガルシア、シェール、メリル・ストリープ原題:Mamma Mia! Here We Go Againお薦め度 「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」★★★★(80%)字幕翻訳:石田 泰子
2018.09.17
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作品を見るまで空海の一生というか、いかに唐で修行して日本に帰ってきたのか、という話だと思っていた。この作品は夢枕獏の原作であり、楊貴妃にまつわる謎、というか伝説の解明に取り組んでいる。いま思うとこのような妖術の作品としては「陰陽師」が面白かったなぁ。映画は映画館で見ないとその世界に引きずり込まれないのかなぁ・・・。さて、作品の内容に対する思い違いはあり、また、阿部寛が絡みで出てくると期待していたところ三分の二を見ても登場しないのでハラハラしてしまった。阿倍仲麻呂という役どころを理解していず、空海と絡みようがないという時系列を全く知らなかった。で、作品である。映像部としてはものすごいものがあったと思える。映像でしか表現できない絢爛豪華さ、変幻自在の妙味、空中浮揚等々、見どころとなる場面は多数。しかし、楊貴妃を演じるチャン・ロンロン(張蓉蓉)には若さはあっても美しさが足りないのでは、と思えた。白玲として登場する松坂慶子の方が美しく見えたのは映像のイタズラか、私の目が節穴なのか。「楊貴妃 Lade Of The Dynasty」で楊貴妃を演じたファン・ビンビンの方が、よほど美女で楊貴妃に似つかわしいと思えた。不敵な笑みを浮かべる不遜な空海が動じることなく、少しずつ少しずつ謎解きをしていくけれど、私はなぜか映画の世界に引きずり込まれることなく、映像美に目を見張るものはあったにせよ、思惑が違ったせいなのか、感動を覚えることはなかった。ちなみにインターナショナル・バージョンで見た。2017年/中国。日本/132分/G監督:チェン・カイコー出演:染谷将太、ホアン・シュアン、阿部寛、チャン・ロンロン、松坂慶子、火野正平、チャン・ルーイー、シン・バイチン、ティアン・ユー、チン・ハオ、キティ・チャン、チャン・ティエンアイ、リウ・ハオラン、オウ・ハオ、シャー・ナン、リウ・ペイチー、チェン・タイシェン、ワン・デイ原題:妖猫伝 Legend of the Demonお薦め度 「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」★★★★(80%)
2018.09.15
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メリル・ストリープにトム・ハンクス、そして、スティーブン・スピルバーグとくれば鬼に金棒のようなもの。最強タッグで傑作間違いなし!と思える。邦題は「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」であるが、原題は”The Post”と、地方紙であったワシントン・ポストのことをさしている。そして、作品を見ればわかるが、最高機密文書のことを描いてはいるが一貫してワシントン・ポスト側の映像である。ゆえに原題の”The Post”がその実態にそっていて、邦題はその主題を表したということになる。ワシントン・ポストの話なのか最高機密文書の話なのかで見る側の心持が違ってくる。そこは日米の観客の視点・感心の差なのだろう。この作品で描いているのは権力におもねるのはマスメディアのすることではないということである。新聞社としての矜持が問いただされ、真実とは何かアメリカ国民が不利益をこうむらないこととは何かと問い続けている。実際の話だから、表立っていることに脚色は出来ないけれど、主役を演じたメリル・ストリープもトム・ハンクスも素晴らしいといっておこう。今の、アメリカの政治も真実を明らかにしていないと思えてならない。まぁ、失態により暴露されている点はあるけれど。2017年/アメリカ/116分/G監督:スティーブン・スピルバーグ出演:メリル・ストリープ、トム・ハンクス、サラ・ポールソン、ボブ・オデンカーク、トレイシー・レッツ、ブラッドリー・ウィットフォード、ブルース・グリーンウッド、マシュー・リス、アリソン・ブリー、ジョン・ルー、デビッド・クロス、フィリップ・カズノフ、リック・ホームズ、パット・ヒーリー、キャリー・クーン、ジェシー・プレモンス、ザック・ウッズ、ブレント・ラングドン、マイケル・スタールバーグ、ジャスティン・スウェイン原題:The Postお薦め度 「ペンタゴン・ペーパーズ」★★★★(80%)
2018.09.11
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難解な作品だ。小難しいというか、単純な話なのに設定やら何やら理解に苦しむということがいえよう。新海監督は時空を超えることが好きなようで、「君の名は。」に通じるような、時空を超えた世界があり、個々ではいくつもの異次元が存在するということになっている。そして、その一つが夢とリンクしてつながる。どこからどこまでが実世界で、どこからが異次元なのか。その境界線を越えること、超える時、何が起こるのか。主人公たちの2対1の三角関係が、その彼らを制御する大人たちにも2対1の三角関係が若かりし頃にあったと思わせる写真などが出てきて、いろいろなエピソードが組み込まれているんだな、と思えた。ところで、北海道の中央に慄然としてそびえたつタワーが東京都心から見えるというセリフはあまりに現実的でなく、それでもそのセリフを言わせたのは、どういう意図があってのことだろう。三年という時を経て、宣戦布告という津軽海峡で戦線の火ぶたが切られるという、その設定の異様さを不思議な感じで見ていた。思いはあれど、その思いを十分に表現できていなかったのではないだろうか。2004年/日本/91分/監督:新海誠 声の出演:吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香、石塚運昇、井上和彦、水野理紗、木内秀信、岩崎征実、竹本英史、平野貴裕、前田剛、中川里江、中尾友紀、齊藤真紀、鯨井康介、ブレット・コールマン、イアン・オニール、上世博及 お薦め度 「雲のむこう、約束の場所」★★★(60%)
2018.09.09
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ケイト・ハドソンが出演していることに驚いた。母が僕の大好きなゴールディ・ホーンなのに似ても似つかない、父親のビル・ハドソン似なのだろう。さて、この作品、法廷闘争の作品である。公民権運動が起こりつつあるアメリカであおきた、白人人妻が黒人使用人をレイプ犯として刑事告訴した裁判、実話の物語である。”男は男、女は女”をキーワードして解決の糸口を見つけるのであるが、自己保身において人は宣誓しようと嘘をつくものなのだ、と明らかにされた。誰が、嘘をついているのか?濡れ衣や冤罪で命を落としていった黒人たち。ここでの被告は無罪なのであろうか?マーシャルという名の黒人初の弁護士。如才ない彼の弁舌が助っ人白人の口から述べられるとき、陪審員たちはどのような判決を下すのであろうか。実際の話はこの通りなのだろうけれど、数々の法廷作品と比べるとインパクトと痛快さと爽快さが足りないかも。劇的に描くことは難しいなぁ。しかし、とらえ方で、あまりに大げさな印象的な感動的なクライマックスにはしたくなかったのかもしれない。見どころはあれど、満足度は十分ではないかも、2017年/アメリカ/118分/監督:レジナルド・ハドリン出演:チャドウィック・ボーズマン、ジョシュ・ギャッド、ケイト・ハドソン、ダン・スティーブンス、スターリング・K・ブラウン、ジェームズ・クロムウェル 原題:Marshallお薦め度 「マーシャル 法廷を変えた男」★★★☆(70%)
2018.09.07
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「ナチュラルウーマン」何が、ナチュラルなのか?登場人物の素性がすぐにわからないという点では「聲の形」と同じ。しかし、呼び方でどういう人間関係なのか、どういう立ち位置なのかわかってしまっては、この手の作品は面白みがない。よって、あえて伏せている。わかりにくくしている。真相がわかった時の衝撃度を強めようとすればするほど秘匿するほうがいい。推理小説ではないが、最初からわかっていては興味も薄れ、面白くなくなる。冒頭から、ずっと緊急病院へ行ってからも、どういう人物なのか考えながら見ていた。物語が進み、展開し、実情がわかってくると、男女の仲だったんだなぁ、とか、親子ほど年が離れていたんだなぁとか、思いつつ、警察の対応にも不思議さを感じつつ見ていた。で、ついにわかった彼女の素性が。驚きをもって見てしまった。時々、幻想のように男が登場するのだが、それは彼女が見た幻影なのだろうか。ショッキングな作品である。そして、とても現代的である。予期した大団円は訪れない。うーん、とうなるしかない。2017年/チリ・アメリカ・ドイツ・スペイン/104分/G監督:セバスチティアン・レリオ出演:ダニエラ・ベガ、フランシスコ・レジェス、ルシス・ニェッコ、アリン・クーベンヘイム、ニコラス・サベドラ原題:Una Mujer Fantasticaお薦め度 「ナチュラルウーマン」★★★☆(70%)
2018.09.05
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こんなにも咀嚼しがたい作品があるのだろうか。難解というわけではない、説明がないのである。映画的手法にのっとって作っていない作品。小学校の何年生なのか説明はないし、ネクタイをして給料をもらっていると大人(正社員)なのかと思ってしまった。主人公が何歳で何をしているのか、説明もなければテロップでの補足もない。これだけつかみどころのない導入部から時空を超えて前後してしまうと、長年培ってきた映画鑑賞経験則から逸脱しているので、摩訶不思議な現代作品として映ってしまった。まわりの気持ちも相手の気持ちもわかろうとせず、否定的でいじめで、またそのことを顧みずもせず。最悪の事態をむかえようとする生死の霧ヶ峰をいきつもどりつする内容は、まったく想定外というしかない。人を傷つけいじめて平気な登場人物たち。被害妄想。ひどいしうちのくりかえし。この彼らが存在する世界は、不協和音ともいうべき複雑な人たちである。現代の人間たちの心にあるひずみはなんというものであろうか。そして、結末はこれでよいのであろうか。こんなにも死に直面し、他人との軋轢にもまれ、それでも大団円。ほんとに、これでよいのであろうか。2016年/日本/129分/G監督:山田尚子 声の出演:入野自由、早見沙織、悠木碧、小野賢章、金子有希、石川由依、潘めぐみ、豊永利行、松岡茉優、小島幸子、武田華、小松史法、谷育子、鎌田英怜奈、濱口綾乃、綿貫竜之介、西谷亮、増元拓也、ゆきのさつき、平松晶子 お薦め度 「聲の形」★★★★(80%)
2018.09.03
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この作品を見るまでは検察として新旧の二人が対峙する話だと思っていた。たしかに、対峙するシーンもあるのだが、そこは見せ場ではなく、タイトルロールで木村演ずる最上が主役かと思いきや、二宮演ずる沖野の方が主役な気がする。見せ場、芝居のしどころも二宮にあり、丁々発止の畳み掛ける罵声恫喝はその熱量とともに圧倒的すごみを演技力を二宮に感じた。さて、作品についてだが、中盤では面白おかしく駆け引きを含め見せてくれる。しかし、事件の真相にせまると予想外すぎる無軌道な最上(木村)の行動が腑に落ちなくなり、性格に異常が感じられ、私は興醒めしていった。作品としての質も高揚感も落ちてしまったと思える。残念である。ある意味破綻した物語であり、展開である。それゆえか重厚で緻密で見ごたえのある作品でありながら、満足度はあまりない。原田監督でありながら残念なことである。吉高由里子の仕事ぶりのうまさも特筆しておこう。2018年/日本/123分/G監督:原田眞人出演:木村拓哉、二宮和也、吉高由里子、平岳大、大倉孝二、八嶋智人、音尾琢真、大場泰正、谷田歩、酒向芳、矢島健一、キムラ緑子、芦名星、山崎紘菜、松重豊、山崎努お薦め度 「検察側の罪人」★★★★(80%)
2018.09.02
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卑弥呼をめぐって、行方不明にて死亡という父を追って、太平洋沖の魔の海の孤島に行くという話。無茶なことではあるが、それが何でなにゆえにトゥームレーダーになるのか。ラストにそのしるしがでてくるので、この作品はその前日譚、1人の小娘だった時の話となる。まぁ、卑弥呼がこのようなところにいてこのような埋葬のされ方をしているというのは、あまりに奇想天外すぎるが、作り物ゆえに見過ごすとしよう。楽しめたか、楽しめなかったかという点においてはフィクションであるがゆえに、卑弥呼を持ち出さないほうがより楽しめたような気がする。2018年/アメリカ/118分/監督:ローアル・ユートハウグ出演:アリシア・ビカンダー、ドミニク・ウェスト、ウォルトン・ゴギンズ、ダニエル・ウー、クリスティン・スコット・トーマス、ハンナ・ジョン=カーメン、デレク・ジャコビ 原題:Tomb Raiderお薦め度 「トゥームレイダー ファースト・ミッション」★★★☆(70%)
2018.09.01
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