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久しぶりに日本橋の丸善に行ってきました。 丸の内オアゾ にある丸善もよく利用するのですが、ここ日本橋の丸善も私のお気に入りの書店の一つです。 本棚に並べられたり平積みされている本を眺めていて感じたのは、やはりiPadやKindle、電子書籍をテーマにした本が客の視線に入りやすいところに置かれているなぁ、ということでした。 帰り道、そんなことを振り返りながら車を運転する中で、 「本ができること、できないこと」 について、改めて考えてみたいという気持ちになりました。 本は・・・ ・ 実体として手に持つことができる ・ 異なる本には異なる質感があり、それを手触りで感じることができる ・ 文字や文章を様々なフォントで表現することができる ・ 紙とインクの香りがする ・ 開いて、めくって読む ・ 線を引いたり、書き込むことができる ・ 読みかけのページには しおりを挟む、ページの端を折る ・ 連続的にパラパラとめくることができる ・ 好きなページをすぐに開くことができる ・ 必要なページを切り取ることもできる ・ 装丁を楽しめる ・ 著者にサインを書いてもらうことができる ・ 本棚に並べることができる ・ 自宅やショップのインテリアにもなる ・ 持ち運びができる ・ 書店や古書店で買うことができる ・ リサイクルや古書店に出すことができる ・ 貸し借りができる ・ プレゼントすることができる ・ モノを挟むことができる ・ 冊数が多くなると かさばる、置き場所に悩む ・ 電源はいらない ・ 動画は入れることができない ・ 索引はあるが、検索の機能はない もっともっと他にもあるかもしれません・・・。 ここでは 「本」 だけについてざっと挙げてみたのですが、 「電子書籍」 についてもこうして書き出してみることで、「本」 と 「電子書籍」 の類似点や相違点、それぞれが持つ可能性や現状での限界が見えてくるような気がします。
2010.05.30
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出版社が著者と交わす契約書に出版契約書というものがあります。この契約書をどのタイミングでどういう内容で交わすかということについては、(出版契約書の雛形は一応あるのですが)出版社によって多少異なっているのではないかと思います。 出版契約書には契約に関わる細かな事項、著作権者名、出版権者名の他、発行年月日、印刷部数、印税率、献本部数などの数字を明記するわけですが、執筆依頼の段階では印税率以外の数字はまだ未定です。 そこで一般的には、著者に執筆をお願いする際には、原稿枚数 (予定のページ数) や脱稿予定日、印税率などの数字を記す欄を設けた (執筆を引き受けて下さったことの証となる) 契約書を交わし、本が完成した際に出版契約書を交わすところも多いのではないかと思います。 通常、出版契約書は2通作って、1通を著者、もう1通を出版社が保管しますが、出版契約書の作成を編集者自身が行うかどうかは、出版社によって異なるのではないかと思います。 著者が遠方に住んでいる場合には郵送という形になってしまうこともありますが、比較的近隣に住んでいるようであれば、出来上がった本 (献本分) と出版契約書を持って直接伺います。 出来上がった本を手にした著者の喜ぶ顔を見るのは、編集者としても何より嬉しい瞬間です。 献本と出版契約書を持って著者へのご挨拶を終えると、ここからは出版社の仕事です。 著者が苦労して書き上げた本を少しでも多くの方たちに知ってもらい、そして読んでもらえるように、広告・宣伝・販売活動に努めます。 営業部が事前に立てておいた販売計画に沿って動き出すことはもちろんですが、編集者自らも (宣伝用のポップを作ったりして) 積極的に書店に足を運びます。 また現在では、出版社にとってネット書店での売上げもかなり大きなものになってきていることもあり、リアル書店 (街の書店) だけではなく、そこへの情報提供も大切な仕事となっています。 そのため、本の内容や宣伝についての書き込みをオンラインで行ったり、本の内容見本を PDF にしたものやカバー画像をネット書店の担当者にメールで送ったりなど、社内から宣伝活動をする機会も増えてきています。 編集者は、常に4、5冊の本の編集作業を同時進行で進めています。 そのため、本が無事に完成した喜びに浸っている間もなく、もう次の本の校正や原稿割付の作業に取り掛かっていかなくてはなりません。 そんなわけで、出来上がった本を持って著者のところへ伺って、ホッとした気分になって帰社してみると、いま進めている別の本の校正刷がデスクの上にうず高く積まれているのを目にして 「うわっ、次のが出たのか」 なんて思うのは日常茶飯事です。 これから編集者になられる皆さんも、きっと同じことを経験することでしょう。 最後に一つ注意しておいて欲しいことは、編集者は常に企画・編集に追われていることもあって、刊行した本に対しては知らず知らずのうちに無関心になってしまう、ということです。 至極当然のことですが、編集者は、自分が担当した本の売上動向をきちんと把握していくことが大切です。 そして、その動向が良くも悪くも、その結果を自ら検討することが次の企画にも繋がることになるのですから、 “本が出来上がった後は営業部の仕事で、編集者の仕事は終り” ではなく、むしろ出来上がった後こそ大切だと思います。 それは、著者との関係についても然りです。 同じ著者に、またいつか執筆をお願いすることも十分に考えられるわけですから、著者との信頼関係をなくさないように努めることも非常に大切です。 今回をもって、 編集者入門ミニ講座 (改訂版) も終了としたいと思います。 このミニ講座が、 これから編集者を目指す皆さんにとって、少しでもお役に立てば嬉しく思います。
2010.05.24
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2011年度に 東北芸術工科大学 の芸術学部に新設予定の 文芸学科 には、編集について学べるコースがあるとのことです。 詳細は カリキュラム を見て頂く方がよいと思いますが、ライティングコースと編集コースが用意されているようです。 また、編集コースには出版社での仕事を経験するインターンシップの制度もあるようで、従来の大学のカリキュラムと比べても個性的のように思います (学科の顧問にも、よく知られた方々のお名前が並んでいます)。 これまで出版や編集について学びたいと思うと、専門学校に進学したり、 (これは自分が経験したことですが) 大学に行きながら専門学校の夜学に通ったり、あるいは、出版・編集の講座やセミナーに参加したりといったことが主なものであったと思います。 その意味では、また一つ、新しい学びのスタイルができたことはとてもよいことだと思います。 もちろん、以前に 「書籍編集者への Q&A」 で記したように、編集者になるには必ずこれを専攻しなくてはならないといったものはありません。 ただ、早い段階から出版や編集に興味を持っている人にとっては、こうして少しでも選択肢が増えることは嬉しいことですね。 資料も頂けるようなので、興味を持った方はアプローチをしてみてはいかがでしょうか。
2010.05.20
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印刷・製本の工程を終えると、出来上がった本が出版社の倉庫に納本されてきます。 そして、そのうちの数冊が担当編集者のデスクに届きます。 編集者にとっては待ちに待った瞬間であり、綺麗にカバーを巻かれて製本された本を手にするのは本当に嬉しいものです。 さて、献本とは、出来上がった本に 「謹呈」 と書かれた短冊を挟み、お礼状や挨拶状とともに 1. 著者 2. 本の完成までにお世話になった方々 3. 新聞社や、雑誌の発行元である出版社に届ける (発送する) ことを言います。 まず1つ目は、本が無事に出来上がったという感謝の気持ちを込めて、著者への本の献本です。 著者に対してどのくらいの冊数を献本するかは出版社によって異なるとは思いますが、 おそらく、 5~10冊くらいが一般的なのではないかと思います。そして2つ目は、例えば、図や表などの転載を許可して頂いた出版社や著者、挿絵やイラストを書いて頂いたイラストレーターの方、装丁をお願いしたデザイナーの方などへの献本を意味します。 3つ目は、宣伝を目的とした献本です。 皆さんの中にも、新聞や雑誌の書評欄を参考に本を購入したという経験を持つ方がいらっしゃると思います。 特に、全国紙の書評欄に掲載されると、その本の売り上げにも大きな違いが出てきます。 ただ、書評欄に載るにしても、それは本が発売になってからしばらくして (数ヶ月遅れて) ということはよくあることです。 しかしそれでも、書評欄に載ることで多くの読者の方々にその本を知って頂くことができますし、また、書店の店員の方々にも大きな関心を持って頂くことができるという点で、その宣伝効果はとても大きいと言えます。 昨今の新刊ラッシュにおいては、書店さんも本を並べるための棚の確保に大変苦労しています。 そのため、そうした数多くの本の中で、少しでも話題性のある本は長期的に置いて頂けるということがあります。また、皆さんも見たことがあると思いますが、“書評で紹介された本” というコーナーを設けて読者に対して積極的にアピールをして下さるところも多く、それは出版社にとっても大きくプラスになります。 そのようなこともあって、編集者は、書評欄を持った媒体には積極的に献本を行います。 これはよく言われることですが、 「下手な広告を出すよりも、書評が掲載されたり、クチコミで広まる方が圧倒的に宣伝効果が高い」 からです。 ただ、業界新聞や専門雑誌など、かなり専門的な分野に限られた媒体の書評欄に載った場合には、書店の方にもそれほど大きくは関心を持って頂けないとは言えるでしょうが、その分野に関心を持っている人たちにアピールできるという点では効果は大きいと言えます。 このように、献本というのは編集者の仕事の中では一見雑用的なものに見えるのですが、とても大切な仕事の一つとなっています。
2010.05.17
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一部の出版社では、編集部とは別に広告 (宣伝) 部のような部署を持っているところもありますが、多くの出版社では、その本の担当編集者が広告作りから広告媒体や方法の選定、広告会社への掲載依頼などもこなしているのではないかと思います。 本文の校正が無事に終わって白焼きや青焼きの確認が済むと、印刷 → (印刷途中での一部抜きのチェック)→ 製本 → 本の完成 となるわけですが、出来上がった本をどのように広告するかということについては、その本を企画した段階から ある程度考えておかなくてはなりません。 「企画の段階から考える必要があるの?」 と思う方もいるかもしれませんが、逆に 「誰に向けて、どのように広告するか」 ということが全く考えつかないというのでは、その企画は まだ十分に練られているとは言えない段階にあるとも言えるでしょう。 一般に、本を広告するために使われる媒体としては次のようなものがあります。 1. 新聞(全国紙、地方紙、専門紙など) 2. 雑誌 3. 中吊り広告 4. ダイレクトメール (メールマガジン) 5. 自社のホームページ まず、1 ~ 3は広告会社を通して各媒体への広告掲載をお願いすることになるのですが、一般的には、本が発売される1ヶ月 ~ 1ヶ月半ぐらい前には広告 (版下) を作成して広告会社の方へ渡しておかなくてはなりません。 ただ、新聞や雑誌の場合は、広告枠が埋まらない (発売が間近に迫っているのに広告枠にアキがある) ために、広告会社の方が発売日ギリギリになって 「すいません、広告を入れて頂けませんか?」 とお願いに見えて、価格交渉の末に急遽入れるということも、ごくたまにあります。 ところで、なぜ本が完成する前から広告を作成しておかなくてはいけないのかというと、雑誌に広告を掲載することを例にとると、これは当り前のことなのですが、その雑誌自体も発売に合わせて印刷にかけるわけですから、例えば 「5月号の広告は3月中旬までに」 などのように前倒しで締め切りが設定されているのです。 そんなわけで、本が印刷に入ってホッとしてから、「さて、そろそろ広告でも作るか」 などとのんびりしていると (さすがに、そんな編集者の方はいないと思いますが) 、その広告が雑誌に載るのは本の発売から1ヶ月も2ヶ月も先になってしまい、本が発売されて書店に並ぶタイミングと全く合わなくなってしまうわけです。 商品は発売されているのに、それが全く宣伝されていない状態が1ヶ月も2ヶ月も続いたまま・・・。 これがどんなに悪い状態かは言うまでもありません。 ということで、広告会社を通して広告を行なうときには、早い段階から準備をしておかなくてはならないわけです。 一方、4の場合は、愛読者カードなどで読者登録をされている方々や、メールマガジンに会員登録している方々へ新刊案内を送るということで、広告会社を通して広告掲載をする場合とは違い、自分のところで広告を流すタイミングをコントロールすることができます。 また5の場合には、自社のホームページへ新刊案内を掲載するということですから、より迅速に対応できることは言うまでもありません。 広告は単に数を打てばいいというものでもありませんし、当然、本1冊当たりに使える広告費にも限りがあるわけで、その本に最も適した広告媒体を決めるのは本当に悩む作業です。 どの媒体を使うか、その媒体選定に際しての自分なりの基準を記すことは控えさせて頂きますが、“その本の読者層が目にする頻度の高い媒体は何か” ということを徹底的に考えることが大切です。 また、 広告媒体の選定に加えて、 いかにわかりやすく、魅力的な広告を作成するかということもとても大切です。 普段 皆さんが読んでいる新聞や雑誌を見て頂ければわかりますが、特に新聞の場合には本の広告が載る場所には定位置があって、他社の本の広告と並んで配置されます。 したがって、多くの広告の中でも埋もれずに、読者の目に止まるような工夫をすることが必要です。 最近では、 上に挙げた5つの広告媒体に加えて、 検索連動型広告も注目を浴びています。 書籍の広告はまだまだ少ないようですが、これから増えてくることも予想されます。 この広告については、皆さんも検索サイトで検索した際に目にしたことがあると思います。 検索結果のページの右サイドや検索結果の最上段と最下段に表示される広告のことです。 人が検索するということは、そのことについて知りたい、調べたいと思っているということですから、検索した結果のページに関連する本の広告を出すことは一定の効果が期待できます。 ざっと、本の広告について記してみました。 本の校正を進めつつ、広告作りも進めなくてはいけないなど、最後まで気は抜けませんが、著者の方が苦労して書き上げた本ですから、少しでも多くの読者にアピールできるように努めることが大切です。
2010.05.11
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著者の原稿を本の形にするために必要な校正作業も、初校 (1回目の校正) → 再校 (2回目) → 三校 (3回目) と進んでくれば、いよいよ最終段階です。 三校で特に問題がなければ、その校正刷を印刷所の担当者に責了 (あるいは校了) と言って渡してから数日すると、白焼きと呼ばれるものが出てきます。 ここで責了とは、 まだ校正刷には若干の赤字 (修正) があるけれども、 それは印刷所の責任で直して校了 (校正を終了) として下さい、 の意味です。 したがって、 印刷所に戻す最後の校正刷 (ここでは三校) に全く赤字がなければ 「校了」 ということになります。 従来のフィルムを作るプロセスを経た (フィルムから刷版を作る) 印刷では青焼きと呼ばれるものが出てきたのですが、現在の本の印刷で主流となっているCTP (Computer to Plate) 印刷では、この白焼きを確認する作業が本の中身に手を入れられる最後の機会ということになります。 (青焼きはどういうものなのかについては 「本ができるまでの流れと製作部の仕事」 で以前に記しましたので、ここでは省きます。) 白焼きが出てきたら、以下のことを1ページずつ確認していきます。 1. 三校に入れた赤字がきちんと直っているか 2. 図やイラストに間違いがなく、綺麗に、かつ周囲が欠けることなく入っているか 3. 各ページの最初と最後の文字に、三校とのズレがないか この中で、特に3については細かいチェックでもあり、うっかりしがちです。 というのも、その場所は必ずしも赤字が入っているとは限らないからです。 編集の経験がまだ浅い人は、赤字や指示を入れた場所だけを確認すればよいだろうと思いがちですが、各ページの頭とお尻の文字にズレがないかどうかを三校 (三校に限らず、最後の校正刷) と照らし合わせることはとても大切であり、この点を注意していないと、思わぬことを見落としてしまうことがあります。 赤字や指示が入っていないからと安心して、この照らし合わせをしないでいると、例えば次のようなことが起こっている可能性があります。 A. ◯◯・・・,や 「△△・・・」 という文章で、最後のカンマやカッコが次の行にズレる B. 年号などの数字が2行にまたがる C. 索引事項として拾った言葉が、三校とは違うページにズレるなどなど。 赤字や指示を入れていないところでそのようなズレなど起こるはずがないだろうと思う人もいるかもしれませんが、三校でページのどこかに修正があった場合、それが例えば5文字減る (増える) ような直しであったとしても、当然のことながら、その5文字分、文章はズレてくるわけです。 そのため、 上のAやBのようなことが、 同じ段落内のどこかで起こっている可能性がゼロではありません。 また、そのズレがページをまたがった段落内にあれば、Cのようなことが起こっている可能性もあるのです。 ということもあって、そのページの頭とお尻の文字をチェックして、全体にズレが生じていないかどうかを確認し、もしズレがあったら、たとえ三校でそのページに赤字が入っていなくても、前ページや次ページにある赤字の影響を受けていないかどうかを注意深くチェックすることが大切です。 白焼きに赤字を入れなければならない箇所が出てきたら、そこに直接赤字を入れて、そのページの上のところに付箋を貼っておきます。 こうしておけば、白焼きを印刷所の担当者に戻すときに、直しのある場所を互いにすぐに確認できるからです。 こうして白焼きの確認を終えて、印刷所の担当者に戻すと、これで長かった編集 (校正) 作業は終了となり、後は 印刷 → 製本 → 出版社への納本 という、本の形になるまでの一連の作業を待つことになります。
2010.05.05
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