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一般に 「ユーザビリティ」 と言えば、使いやすさや、わかりやすさといったことを意味していることもあって、 身近なものでは、家電製品やウェブページの操作性やデザインなどに対して使われることが多いのではないかと思います。 それに対して、「本のユーザビリティ」 といった話は、これまでほとんどされたことがなかったように思います。 本のカタチは、 扉・序文・目次・本文・後書き・索引・奥付といった中身 (内容) をカバーと表紙で包み込んだシンプルなものであり、「それを手に持って、開いて読む」 ことになるわけですが、あえてユーザビリティを評価するとすれば、目次や索引のわかりやすさ、本文のレイアウト (これらはエディトリアル・デザインにも属するものだと思いますが)、 紐のしおりの有無などといったことになるのでしょうか。 前に記したように、 電子書籍の登場によって紙の本が消滅してしまうということではなく、 紙の本と電子書籍は読者の好みやその目的に応じて使い分けられ、共存していくことになると思っています。 でも、今後、ユーザビリティの優れた電子書籍端末が次々と登場してくることを考えると、これまではおそらくほとんど考えられてこなかった紙の本のユーザビリティについて、考えてみたい気もします。 もちろん、紙の本は今のカタチで十分と思っている方も多いと思いますし(それ以前に、本のカタチについて考えたことがある人がほとんどいないかもしれませんが)、本は中身 (内容) が一番に大切でしょう、ということもあると思います。 でも、 そうしたことを踏まえた上で、 もしかしたら、 まだ私たちが思いもしないような、読書することが楽しく、そして心地良くなるような、全く新しい (そして、ユーザビリティにも優れた) 斬新なカタチの本があるかもしれません。 紙の本のカタチは、 時代を超えて、 今に至っています。 でも、 その当たり前と思っているカタチを一度リセットし、もう一度、一から考えてみたらどうなるでしょうか。それでもやっぱり、今のカタチに行き着くのか、それとも、何か思いもしないようなカタチが生み出されるのか・・・。 そんなことをちょっと考え始めただけでも、紙の本にも、まだまだいろいろな可能性が潜んでいるのではないかなぁと、紙の本が大好きな私は思ってしまいます。
2010.09.27
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本というものが誕生してから今日まで、 読書というものは、 (グループで読書を楽しむといった場合などを除けば) 基本的には、 読者が一人でその作品の世界に入り込むことができる、 とても個人的な楽しみ・行為であったと思いますし、そのことは、今後も、紙の本でも電子書籍においても変わらないものだと思います。 しかし、 電子書籍は、 これまで個人的な行為であった読書というものを、 これまでにない新しいカタチにする可能性を持っていると思います。以前少し記したことがあったかもしれませんが、ネットにつながる環境にある端末を使っての読書は、同じ本を読んでいる人同士がリアルタイム (同期) あるいは非同期でつながることを可能にするからです。 電子書籍は読者がネット上で本を購入した後に各自の端末にダウンロードして読むわけですが、ダウンロードした本のページを開くと同時にネットとつながることが可能です。 そのため、 例えばその本を開くと同時に、出版社側が予め用意しておいた、その本に付随したサイトとつながり、同じ本を購入した人同士がコミュニケーションをするということも可能となります。 さらに、 もっとつながり感を感じるカタチとして、 同じ本の同じページを今まさに読んでいる人同士がコミュニケーションをするということも可能になるかもしれません。もちろん、本は一人でじっくりと味わって読むもの、ということからすれば、読書しながら他人とコミュニケーションをとる必要などない、ということもあるかもしれません。 でも、こうしたことが技術的に可能であるならば、逆にそのことを積極的に取り入れて、 「つながり感のある読書」 という新しいカタチも考えられるのではないかと思っています。 例えば、推理小説というのは最終的には犯人がわかってしまうものですが、本の中では犯人をあかさず、読者に犯人探しをさせる、という本も考えられます。 確かに、紙の本であれば、 「最後まで読んだのに、 結局、犯人がわからないまま?」 と独りで悩むことになってしまいそうですが、 同じ本 (同じページ) を読んでいる人たち同士がつながることで、「ここに書かれているこの行動が怪しいから、この人が犯人では?」 と読者同士で犯人探しを楽しむということもできるかもしれません。 (メールやパスワードの入力で、 最終的には読者に犯人をあかすことが必要となるでしょうが・・・) ここでは少し安易な例となってしまったのですが、電子書籍の特性をうまく使うことで、これまで非常に個人的な行為であった読書というものから、 他の人とつながることで楽しむ読書、 という新しいカタチを生み出すこともできるのではないでしょうか。 電子書籍はそんな新たな可能性も秘めたものではないかなぁと思っています。
2010.09.16
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先日、入社して数年になる若手の編集者が、とある失敗をしてしまいました。 彼の中では、この程度のことは周りに (先輩や上司に) 相談しなくても一人で何とかなると思い、自分を過信してしまったのでしょう。 結果として、大切な著者を怒らせる事態となってしまいました。 入社して間もない頃というのは、すべてがわからないことばかりで、毎日必死になって仕事を覚え、心にも余裕がありませんが、3年を過ぎた頃になると、編集作業も一通り経験して仕事の段取りも覚え、作業の全体を見渡しながら、先を読む余裕も生まれてきます。 でも、この “ちょっとした自信が芽生えた頃” が、 “思わぬトラブルを起こす頃” なのかもしれません。 僅かな経験から掴んだ “ちょっとした自信” 。 このこと自体は、次へのステップとして、とても大切なことだと思います。 でも、途中で何か問題が起こったときに、この僅かな経験だけに照らして事を判断してしまい、胆略的に (自分には正解と思える) 方針を導き出してしまいがちであることも確かです。 でも、自分も新人時代に経験がありますが、何か問題が起こったときに (自分なりの考えを導き出した上で) 先輩や上司に相談してみると、 「そんな方法や解決策があったのか・・・」 と感心させられる (勉強になる) ことが多かったものです。 自分に (自分の仕事に) 自信を持つことはとても良いことですが、決して、独りよがりになってはいけませんし、わからないことを他人に聞くことは決して恥ではありません。 恥なのは、わからないのに、わかったふりをすることです。 判断に悩んだら、自分の周りの人に聞いてみる。 そのために、先輩や上司はいるのですから。 私が知る、 経験豊富な敏腕編集者の方々は、 決して “自信過剰” ではなく、“自分に自信があるからこそ、謙虚であることを大切にしている” ように思います。
2010.09.08
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私が出版社に入社した頃は (実際は、もっと以前からですが)、「出版社は机と電話一つあればできる」 と言われていました。 もちろん、実際には印刷会社・製本会社・取次会社などとの繋がりも大切になるわけですが、 「出版というものは企画力こそが勝負であって、それさえ他に負けていなければ、小さくてもやっていける」 ということを言い表したものではないかと思います。 だからと言って、これが誇張した表現かというと決してそういうことではなく、実際に個人で出版社を立ち上げているところもそれなりにあるわけで、そういう意味では、昔から出版というものは小回りがきくものであったと言えると思います。 そして、現代における電子書籍の登場は、これがさらに小さくなって、出版社という形態はとらずとも個々 (著者と編集者) の繋がりだけで出版原稿を完成させ、それを電子書籍として販売するということを可能としてしまいました (実際には、著者だけですべてを行なうことも可能となっていますが)。 これは、もともとは生物用語ではあるけれども、社会における 「アメーバ」 の用法でいけば、これからの出版は “アメーバ化する” ということが予想されます。 出版社というような組織を作らなくても、役割分担の機能を持った小さなかたまり (アメーバ) で出版が手軽にできることになり、そのことで、「私も電子書籍を出版しよう」 という動きが高まり、このアメーバがどんどん増殖していく、というのが (近い) 未来の出版の姿なのかもしれません。 このことによって、これまで以上に多様な出版物 (電子書籍) が誕生してくると思いますが、多くの読者の共感を得る内容 (質) とするためには、著者の執筆力は言うまでもなく、編集者の編集能力もこれまで以上に問われてくるのではないかと思っています。 (著者自身が執筆と編集までも行なうということになれば、それはなおさらのことでしょう。) そうした未来の姿を想像した上で、力のある出版社には力のある編集者がおり、優れた企画力・編集能力が備わっていることを考えれば、出版社 (編集部) の組織内もアメーバ化し、例えば、「編集部全体での企画会議で検討してOKが出なくてはいけない」 という形ではなく、より小回りのきいた組織でその都度判断して動く、という変幻自在のスタイルも求められてくるのではないかと思っています。
2010.09.01
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