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妖しい詩韻内田康夫(短歌:辺見じゅん)角川春樹事務所 四六上製☆☆☆☆☆○ 短歌に本文イラストにと非常に豪華なブックデザイン、と思っていたら、角川春樹事務所創立10周年記念作品だったようだ。 血や死を連想させるおどろおどろしい(失礼)短歌に著者がこれまたおどろおどろしい掌編小説を組み合わせている。個人的には、旅行気分を味わえる浅見光彦のイメージと離れて(実は離れてないけど)こういうエロス・タナトスが表裏一体になったような作品は好きだ。二つは元になったネタも分かったし。そう。この掌編集は著者の既刊からの自作パロディともいえる作品だ。結構こういう二次創作とかスピンオフのような傾向の作品は好き。最後に出展元を公表しているので、今度、その作品も読んでみよう。また、辺見じゅんさんの作品集も読んでみたいかも。 このブログでは28日に3作の感想をアップしたが、実際は「予知夢」は26日に、その後すぐ「ア・ソング・フォー・ユー」を読み始めて27日未明に、そして「妖しい詩韻」は今日、28日に一気に読み終わった。このペースでいくと、年末年始用に本を買いだめしたのだが、足りなくなる…にしても、積読も大量にあるからいいか。
December 28, 2007
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ア・ソング・フォー・ユー柴田よしき「ブルーライト・ヨコハマ」「アカシアの雨」「プレイバックPart III」「骨まで愛して」の4篇。多分、全部昔の歌謡曲のタイトル。新宿の無認可保育園の園長で元刑事で探偵の花咲慎一郎のシリーズ。何が好きってホモで美男子で悪魔のようにアタマのいいヤクザ、「聖なる黒夜」の大内練が実にいい役どころで準レギュラーで出てくるのだ。最初は図書館で買っていたのだが、我慢できなくなり、ついに単行本を購入。 この作品は最初のブルーライトヨコハマ以外、相互に関連のある連作短編集。ロジックを積み上げるというより、人情味のあるハードボイルド風味。登場人物の設定も、美人のニューハーフ、ロックボーカルの保母さん、ふつーのおばちゃんの凄腕探偵(このモデルは外谷さんだろうか?舞台も新宿だし)などなど、登場人物も個性的で好み。 そして、その繋がりは作中に複数の事件が起こるのだが、メインの事件の脇にある事件が次につながって、というところだ。そしてこの最後の「骨まで愛して」でさらに先の作品への大きな複線になりそうな話が出てくる。次が楽しみだ。
December 28, 2007
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予知夢東野圭吾文春文庫 ☆☆☆☆ シリーズ最初の「探偵ガリレオ」は以前に読んでいる。 やはり、ドラマで観てしまったいたのでネタが分かってしまったのが残念。原作知っててドラマを見ても、損した気にはならないが、逆は残念。また美男美女だったドラマと違って、おじさん(?)2人だ。が、ドラマなら見栄えのする男女も小説だと顔が見えない。かえっておじさん二人のほうが現実味がある。ジェットコースタードラマになってしまうのが落ち着いた短編集になる。幸い、ドラマを全部見たわけではなかったのでおぼろげにネタを覚えていたのと、全く分からなかったのと、これ観た、と三つに分かれた。また、著者のイメージでは、ガリレオこと湯川助教授(今なら准教授だよね)は、佐野史郎さんとのことだが、やっぱりドラマのイメージになってしまった。そして、草薙は、あの女性ではなく、一緒にいる男の刑事のイメージに…。まあ、いいけどね。
December 28, 2007
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月長石ウィルキー・コリンズ創元推理文庫☆☆☆☆◎ 二ヶ月以上かかってようやく読み終わった。長かった~。 確かに、ディケンズ風(昔英語の時間にD・コッパーフィールドを読んだことから想像)ではある執事の覚書、しかし、ここが長い…。正直、人物像を造形して、ドラマ仕立てにしなければ、もっとさくさくっと謎解きはできたように思う。なんだか、ムダが多いような気がしてしまった。意味のない死人のムダも多いような…。それに、レイチェル・ヴェリンダーが気に食わん。描写が上手いところではあるのだが、うざいよ、この小娘。 ただ、最初ディケンズ風、ドラマ、しばらくして、ミステリ、そして最後は冒険小説の結末のようだった。快刀乱麻なミステリを求めてしまうと(私のように)少々冗漫に感じるが、ドラマとしては面白いと思う。正直、かなり長大にはなるが、映像化したら面白いだろうな。 また、エズラ・ジェニングスがかなりいい役どころではあるのだが、この人、この著者のほかの作品に登場していてもおかしくないくらい、人物造形がしっかりしている。それに、他にももしかして、スピン・オフめいた小説でもあるんだろうか、と思ってしまうくらい、色々な設定が出てきた。そんな小説があったら、もっと面白いのだが。 確かに、個性的な登場人物が織り成す何気ないようでいて、読者の目を離さないドラマ、いかにもイギリスの小説、という感じがした。なんだかんだと頑張って二ヶ月かけてでも読もうという気になったし。 本当は、月長石のピアスをした記念で読み始めたが、作中出てくる宝石はイエロー・ダイヤモンド。これを「Moon Stone」と呼んでいて、それを直訳したタイトル。個人的には「月の石」と訳したいかな。だが、月長石との違いもきっちり作中で言及されている。原題の英語はこの原語自体のもつ曖昧さにひっかけて、イメージが広がるようなところもあるのだが、日本語だとそこを弁別してしまって、あんまり面白くない。 この著者のもう一つの代表作、「白衣の女」これがロイド・ウェッバーのミュージカル「ウーマン・イン・ホワイト」の原作だ。いつかこの「白衣の女」を読んで、ミュージカルも観てみたいな。
December 25, 2007
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