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鬼龍今野敏角川ノベルズ☆☆☆◎ 今、警察小説で有名な人ではないかと思うが、伝奇小説というので読んでみた。が、龍を崇める古代一族と牛を崇める古代一族の対立と融合に邪馬台国や陰陽が絡んで…と結構手垢のついた題材だったせいで、ちょっと物足りない。しかも一族の対立を調べるのがテーマではなく、その古代一族の記憶を受け継ぐ一族の一員が、人々に憑りついた「亡者」を祓っていく、というのがストーリー。「亡者」に憑りつかれた人は、「陰」=「淫」の気が強まる…というのも結構ありきたり。題材自体は好みなのだが、ちょっと料理があっさりしすぎだと思う。が、主人公と父親、祖父の素っ気なく、突き放して捌け過ぎたやりとりは面白かった。この登場人物間のやりとりがあるなら、警察小説も面白いかもしれない。
January 31, 2009
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僧正の積木唄山田正紀文藝春秋 本格ミステリマスターズ 四六並製☆☆☆☆○ 有名なミステリ、ヴァン・ダイン作「僧正殺人事件」の後日譚として、金田一耕助が第二次大戦直前の反日感情の高まるアメリカで、新たに起こった「第二僧正殺人事件」の容疑者にでっち上げられた日本人召使を無罪にするために奔走する。 とはいえ、かなりな海外ミステリマニア兼横溝マニアでなければ、この小説の随所にちりばめてあるパロディや雑学というか衒学趣味が分からないんじゃないかと思う。私も「僧正殺人事件」も読んだことがないし、あまり分からなかった。プロのミステリ作家にファンが多い著者だと書いてあったが、さもありなん。これだけ凝った設定は玄人好みだと思う。それだけに、謎解きそのものが動き出すのは、小説の半分を過ぎてから。それまでは、複雑な設定と登場人物の説明に費やされているようにも感じる。この部分はそれこそ、そこに潜んでいる様々なパロディその他を読み取れていれば、もっと楽しかったんじゃないかと思うが、私は、多分三分の一もわかっていなかったと思う。最後の裁判シーンでは、当時の日系人社会の苦労が偲ばれる。さらに、その結末はもっと重い。そして、その背後に仄めかされている国家機密や、国の事情、登場人物の後日譚も読んでいて気が重い。だが、安直な終わり方ではなく、爽快な読後感も全くもって得られないが、この作品の重厚さには相応しいと思う。
January 30, 2009
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天平冥所図会山之口洋文藝春秋社 四六上製☆☆☆☆☆◎ カバーの可愛らしい絵と天平という時代設定からずっと気になっていた本。だが、著者が日本ファンタジー小説大賞受賞の「オルガニスト」の著者だとは思わなかった。あの話とは随分雰囲気が違うぞ…。 主人公は葛木連戸主と藤野別真人(和気)広虫。ちなみに広虫は女性。第二章からは戸主の奥さんになる。そして広虫の弟が藤野別真人(和気)清麻呂。そう、この広虫と清麻呂の姉弟の名前から、宇佐八幡宮神託事件を思い出したし、登場人物には光明皇后、吉備真備なんかも出てくる。三笠山、正倉院、勢多大橋、宇佐八幡の四章からなる。三笠山は書き下ろしだそうで、これだけ広虫と戸主のなれそめみたいな話になっている。 奈良古代史好きにはかなり楽しめる一冊。というか、私、阿倍仲麻呂の歌に出てきた「三笠山」が今の大仏や奈良公園のあたりだと思わなかったよ…。確かにあそこはず~っと緩い登り坂で、正倉院展に行く時、自転車で行くの後悔したけど…。三笠山は大仏鋳造の時の話、そして、正倉院では宝物を収めるときの話。国家珍宝帖(これが初出時のこの章のタイトルでもある)というのがその目録だけど、その目録を作るときの苦労話だ。正倉院展の時にこの珍宝帖もよく見るけど、その時の状況が小説になっている。藤原仲麻呂、恵美押勝の乱がネタなのが勢多大橋。この勢多大橋も武田信玄の「明日は瀬田に旗を立てよ」の瀬田なので行ったことがあるのだ。そして宇佐八幡が勿論、宇佐八幡神託事件を扱っている。 この小説、最初の「三笠山」と「正倉院」の章では、割と当時の生活を描写する感じで、あまりこの世とあの世をまたにかけて…という内容ではないのだが、「勢多大橋」で主人公の一人戸主が死んでしまい、幽霊になって広虫の元に表れるにいたり、いよいよこの世とあの世のごちゃ混ぜになり、ストーリーは佳境になる。そして宇佐八幡で、この世とあの世から色々あって…。だが、法華寺が光明皇后の御所でそこと平城宮をいったりきたり、さらに海龍王寺も出てきたり…場所の記述も楽しめたし、遣唐使経験のある吉備真備の娘の一人は中国に残り、さらに後宮に入った挙句反乱で殺された…という面白い記述もある。思わず、天平の奈良に観光旅行にいった気分になれる。
January 18, 2009
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新津きよみ角川書店 四六並製☆☆☆◎ 今シーズンドラマの原作。ちょっと面白そうなので原作を読んでみたが、ドラマの演出でかなり謎めいていたが、意外とあっけない話に感じた。また、登場人物の設定が少々違っているような気がするし、ドラマと設定がちょっと違ってきているので、この原作の通りのストーリーにはならなそうだ。だが、結末はかなり意外でこの後の展開が楽しみだ。ただ、ドラマの原作だからと読むことはなかったような気分になっている。
January 17, 2009
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天神のとなり五條瑛光文社 四六上製☆☆☆☆☆◎ 錦糸町近辺でやくざの使いっ走りで探偵みたいなことやってる元准教授が主人公。この地元でやくざと共存しながら商売してる3代目社長とか、風俗関係のお姉さんたちとか、ヤクザ屋さんなんかとともに、地味な事件を解決していく。で、この主人公に何くれとなく世話を焼くのが長身の美青年。ホストの履歴もあるのだが、女に厳しすぎてダメ。でもこの主人公のような甲斐性なしの男には甲斐甲斐しく尽くす、という非常に女性好みの設定。多分女性だろうと思ったら、やっぱり著者は女性だった。 私の立ち回り先がよく出てくるので、読んでいても楽しいものの自宅に一番近いところの地名が出たとき、そこでは死体が見つかってしまった。元ホストの記述を某巨大匿名掲示板の某板の某スレッドで読んで興味を持ち、この著者も初めて読んだのだが、他の作風よりかなり地味めなんじゃないかという印象を受けた。でも、私はこういう方が好みなのだ。他の本は図書館なり書店なりで内容を拾い読みしてみてからかな。
January 16, 2009
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安徳天皇漂海記宇月原晴明中央公論社 四六上製☆☆☆☆☆◎ 二部構成の小説。第一部は源実朝の半生と彼を取り巻く状況がその近侍の(おそらくは)若侍から語られる。第二部は第一部の約60年後の話。その侍(第二部では変わり者の老隠者として筑紫にいるという設定になっている)の話を聞いた元のクビライ・カンの巡遣使(面白い話を仕入れてくる係)マルコ・ポーロの冒険だ。マルコはこの安徳帝の話を聞き、南宋の最後に立ち会うことになるが、その名義上の最後の皇帝も安徳帝と同い年だった。 実朝とマルコ・ポーロが振り回されるのが、壇ノ浦に沈み、子供のままの姿で深い恨みを抱いている幼帝安徳天皇と彼を守る天竺丸をリーダーとする一団なのだ。 安徳帝は日本でも、日本から離れて大陸に向かった後も、南宋最後の幼帝やクビライにさえ、安徳帝は夢という形でメッセージを送り続ける。 実朝もそのメッセージを受け取った一人であり、語り手の近侍の若侍も一緒にその夢を見る。実朝の安徳帝への対応が実にいい。常に「~です」と丁寧で穏やかな口調で話すが、従容として己の死を受け入れ、己の父と叔父の手で幼くして非業の死を遂げた帝の怒りを和らげ、自分の身を捧げて守ろうとするのだ。 安徳帝は琥珀のような球の仲に包まれて、海中を漂い、やがて、南宋の幼帝の元に辿り着く。それは、実朝を弔いたいがためでもあったが、幼い皇帝二人は普通の年相応の子供のように親しくなる。この場面は本当に可愛らしい。しかし、この幼い皇帝も元に打ち滅ぼされる運命だが、ここでマルコ・ポーロは彼の傍にいることになる。この幼い皇帝が安徳が入っている琥珀色の球と同じようなものを作れと彼に命令するのだ。それをマルコは後にヴェネチアングラスと呼ばれるガラスで作ろうとする。南宋の皇帝に近侍する太った宦官(名前は出ない)で「仕方ない」が口癖の親父(?)がここでいい味を出す。そして、遂に元の艦隊に南宋の最後の生き残りが滅ぼされるとき、ガラスで作られた楕円球は南宋の幼帝の棺となるのだ。 やがてマルコ・ポーロは天竺丸と出会う。彼らは安徳帝の入った球体を携えて、最後の目的地に辿り着く。この最後に実朝が再び登場し、安徳帝を守ることになるのだ。また、彼らの変異に引きずり込まれそうになるマルコは、クビライ・カンに怪異に引き摺られることなく必ず帰って来いと釘を刺されていたのに、引きずり込まれそうになる。しかし、そこをずっと一緒にいた鄭文海に引き止められ正気に戻る。 ストーリーも幻想的で楽しかったが、実朝と近侍の若侍(後の老隠者)、実朝と安徳帝、安徳帝と南宋の幼い皇帝、マルコ・ポーロとクビライ・カン、マルコと(ヴェネチアからのガラス職人と)名前の出なかった宦官、彼らのやりとりが読んでいて切なく、煩悩をかきたてられた。また、元寇など、歴史上の事実がたくみにストーリーに織り交ぜられているのも読んでいて楽しかった。この人の小説にはしばらくハマりそうな気がする。
January 15, 2009
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宇月原晴明新潮文庫☆☆☆☆☆◎ 日本ファンタジー小説大賞受賞作。この大賞の第一回の受賞作品は酒見賢一さんの「後宮小説」だ。 この小説が大きな影響を受けているのは、フランスのシュールレアリズム作家アントナン・アルトーの「ヘリオガバルスあるいは戴冠せるアナーキスト」(白水社、多田智満子訳)だ。私はもう10年ほど前になると思うが、この小説を読んだことがある。ただ、今まで読んだうちでも難解さでは1・2を争う。そして今となってはロクにストーリーも覚えていない。また、この小説が単行本で発刊されたときも手にした記憶があるのだが、その時はアルトーの小説の焼き直しのような気がして興味を覚えなかったのだが…。 改めて図書館で冒頭を拾い読みしてみて、小説全体を流れる妖しい雰囲気がすっかり気に入って読み始めたら、止まらなくなった。 日本で誰か一人「戦国武将」を挙げろといわれたら、多くの人がこの織田信長を挙げると思う。しかし、この小説ではその信長が両性具有として描かれている。そして、古代ローマ帝国でも有数の悪帝、ヘリオガバルスの両性具有への嗜好をからめ、さらにその奥に潜むものとしてキリスト教社会では邪教として悪魔におとされたシリアの太陽神と日本の天照やスサノオ、牛頭信仰、更には神農を絡め、そこに信長とその家臣団、そして敵だった今川の軍師雪斎とその諜報部隊、武田信玄と勝頼とその宿老達、上杉謙信など戦国時代のドラマも繰り広げられる。そして、信長とヘリオガバルスの繋がりをアルトーに語って聞かせるのは、総見寺という名の仏語だけでなく独語も操る日本人であり、彼の背後からはナチスまでも顔をのぞかせる…というとてつもなく複雑なプロットが展開される。 アルトーと総見寺、信長と光秀、秀吉の絡み方もかなり妖しい。そして、雪斎と彼の配下である引退した老忍びの一群とのやりとりもスパイ映画と歴史映画を絡めたようで読んでいて楽しかった。 様々な歴史的な事実を絡めて妖しく耽美に解釈(この妖しさと耽美も新しい)し、ストーリーを広げていく大人向きのファンタジーである。正直、今まではオコサマ向きのファンタジーか、大御所の手になる歴史小説に毛が生えたようなお堅いファンタジー、あるいは忍法帖シリーズのような路線のファンタジーしか日本にはないと思っていたが、こんなのもあると思うと嬉しくなった。 ここのところ今まで読んだことのない作家の作品を読もうと新規開拓に励んでいたが、この著者はかなり当たりだった。引き続き、同じ作者の「安徳天皇漂海記」を読み始めた。オアゾの丸善では見つけられなかったし、どういうわけか楽天ブックスのアフィリエイトもできないのだが、他の作品もあるので読んでみよう。
January 15, 2009
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オーデュボンの祈り伊坂幸太郎新潮文庫☆☆☆☆ チンケなコンビニ強盗で逃走中の伊藤は、警察官になったかつての友人城山のパトカーから逃げ出し、荻島と呼ばれる仙台近くの孤島に渡るが、この島は100年以上外界から閉ざされた島だった。そこには優午と呼ばれるカカシの他、射殺することでその人物を裁くことが許されている桜、ゴールデンレトリバーのような日比野、さかさまなことを言う園山、ただ一人外と行き来をしている轟、などなど不思議な人々が住んでいる。そして、そこで優午が「殺されて」しまうのだ。伊藤は日比野とともに、島の人々を回り、優午の死について考えると同時に、島の様々な人間模様が現れてくる。そして、仙台にいる伊藤のモトカノに城山が近づく…。 タイトルのオーデュボンはアメリカの鳥類博物画家の名前。彼はリョコウバトという18世紀には世界最大の個体数、20億を誇った鳥の発見者であり絵をその画集の中に残している。これもウィキペディアに結構詳しい情報がある。この鳥の運命が作中重要なモチーフとして現れる。 更に、名探偵の役割や優午の役割が明らかになるにつれ、ストーリーはクライマックスを迎える。そして、「島の外から来た奴が欠けてるものを置いていく」この解決はとても好みだった。ただ、こんな感じのシュールな小説はちょっと苦手だな…正直。また、このリョコウバト、乱獲されたのは肉が美味しかったせいもあるそうだが、↓の「クレオール料理読本」にある鳩とはリョコウバトのことかなぁ…とか思うとちょっとフクザツだ。時代的にはこの鳥が絶滅する少し前の時代なのだ。全く関連など考えないで読んでいた小説や映画が結びつくのは面白いけど。
January 8, 2009
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ラフカディオ・ハーンTBSブリタニカ 四六並製☆☆☆☆☆ ラフカディオ・ハーン=小泉八雲。ギリシャ系の名前、日本に帰化、「怪談」を書く。とまあ、私の知識はこんなもんで、彼は日本に渡る前、まだ20~30代の頃、ニューオリンズで新聞に寄稿などして、文筆で生計を立てていたらしい。その頃に料理店経営を計画・挫折したこともあったようだ。この本はハーンが出版した分厚いクレオール料理の原書から抄訳し、さらに彼が新聞に連載したクレオールの諺なども掲載している。(「クレオール」とこの後触れる「ケイジャン」については、とても私の付け焼刃では説明しきれないので、興味のある方はウィキペディアあたりを検索してしてください) 実はこの本を図書館から借りた理由は、私が某サンドイッチショップのケイジャンチキンがお気に入りで、そこからケイジャン料理に興味を持ち、アメリカのケイジャン料理を食べてみたかったが、調べてみたところ、ケイジャン料理は割と庶民の料理で、クレオール料理がそれよりちょっとよそゆき、といった感じのように思えた。 まあ、細かいことは気にせずこの本を図書館で借りて読んだのだが、この本、ベテラン主婦のベテラン主婦によるベテラン主婦のための日常料理をハーンが聞き書きしたみたいな内容。レシピの説明が結構分かり難い。しかも、一つだけとはいえ、ちょっと危ないんじゃないかという調理法も載っている。また電子レンジもなかった時代、今とは違い、一つ一つの料理にもとても時間がかかっている。そして、卵がいつでも手に入る食材としては扱われていないし、鳥もしぎを使ってみたり、亀や蛙の調理法がのっていたりで、実は比較的高級で洗練されていると言われるクレオールというようりは庶民の味、ケイジャンの雰囲気もあるのだ。他にも日本人には目新しい食材としては、リス、ウサギ、鶉、鹿、ザリガニなどが出てくる。また「簡単」と言われても今の時代からすると結構手が掛かる。特に、今では買ってくるようなトマトケチャップや今ひとつどんなものか分からないマッシュルームケチャップなどのレシピも載っている。(まあ私料理できないけど…)ただ、パーティー料理や食後酒、そして病人のための料理(あんまり医者にもかかれなかったんだろうな…きっと)も結構載っているし、一つ一つの料理の量も多い。1kg単位で野菜や果物が売られている国だけある。そして、この本の向こうに当時の人々の生活が見えてくるような感じだ。また、この本の随所に挿入されるハーンが新聞に連載したコラムやイラストも非常に面白い。「食は文化」という言葉を実感した。ラストには石鹸の作り方なども載っている。 ただ、ちょ~っと味付けにバリエーションがないような気がしないでもないかな。あと、以前、石鹸作りの本の著者が米国人の旦那と結婚したとき、その両親から料理の本を贈られて、そのラストに石鹸作りについて書いてあった、とエッセイに書いていた。それ、もしかしてこの本の原書かもしれない。
January 8, 2009
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封印された鍵笠原靖光文社文庫☆☆☆☆☆ 真っ白いクーバースという大型犬、フーバーが活躍する。シリーズ2作目。人間は脇役。フーバーの相棒は定年退職した元捜査一課長、長源寺大志。このおじさんの元鬼刑事らしい観察眼とフーバーの聡明さと勇気で事件を解決していく。また、山の風景や格闘、将棋、植木といったおじさま趣味も満載。昔、「名犬ラッシー」や「刑事犬カール」を欠かさずみていた人々(もちろん私もその一人)にはたまらない一冊だ。 今回も老人が貯めた犬の養育費を着服した女や植木泥棒、自分勝手な主婦、凶悪犯が胸のすくようなフーバーの活躍で成敗される。やはり、フーバーが悪人に飛び掛るところはカッコイイ。空手の達人、長源寺に取り押さえられた犯人に長源寺が「フーバーになら殺されていたかも」と言うシーンはまんざら冗談でもないのだ。普段は大人しいわんこなんだけどね。でも、名前はちょっとコワイ。
January 6, 2009
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夕焼け小焼けで殺されて太田蘭三光文社文庫☆☆☆☆☆◎ 1985年角川ノベルズで初版。この人の本を読むのは初めてだと思う。 シリーズものの一作。北多摩署の個性派刑事蟹沢と相馬、そして、忍び込み(ノビ)専門泥棒八島大二郎が始めて出会う本のようだ。 大二郎が忍び込んだ会社の金庫を開けると、そこから男の死体が転がり出てきた。腰を抜かしている間に彼は警備員に捕まり、警察にしょっぴかれる。そして、当然のことながらそれは窃盗ではなく、殺人容疑。だが、大二郎の父親を知っていた蟹沢や相馬は大二郎が脱走するのを見てみぬフリをしてくれる。そして、大二郎は相馬に報告を入れながら、事件解決に協力する。 相馬と大二郎のやりとりがなかなか楽しい。また、ミステリとしても展開は二転三転。思わぬところから思わぬ事実が炙り出されたりして、なかなか面白かった。これ、シリーズものらしいので、図書館で探そう。
January 1, 2009
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