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2016.06.05
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カテゴリ: 映画/アニメ
【横山光輝「三国志」第七巻】
20160605

「わしにも三つの条件がある。一つ、わしは曹操に降伏するのではない。漢帝国に降伏するのだ。二つ、主人の奥方の安全を保証すること。そして三つめは、もし主人・玄徳が生存の場合は、いかなるわけがあろうと曹操のもとから離れ、主人のもとへ帰る・・・!」

人間に完全・完璧な者など誰一人としていない。
どれほど義理と人情に厚かろうとも、武芸に秀でていようとも、知性と教養さえも持ち合わせているかどうかは疑問である。
豪傑と謳われた関羽や張飛も、敵の大将一人を斬って捨てることぐらいはたやすいことであったろうが、100万人を一度に倒すことは難しい。
だが、それを可能にした人物がいる。
それは、100年に一人の大天才と謳われた、軍師・諸葛孔明である。
見事な戦略を打ち立てて、敵を木っ端微塵にしてしまうのだ。
いわば、頭脳戦である。

三国志第七巻では、人情に厚く義理堅い劉備が、己の人望と関羽・張飛の英雄、豪傑を持ってしてもまだ足りない何かに気付き始める。
いつまでたっても一国一城の主とはならず、根無し草のように城から城へと流れ、落ち着くことを知らぬ劉備だったからだ。


第25話 孤立の猛将
第26話 乱世の伏竜・孔明
第27話 引き裂かれた主従
第28話 決死の千里行

あらすじはこうだ。
曹操の勢いは、いまや董卓の比ではなかった。
徐州にいた劉備は包囲され、わずか三十騎あまりで落ちのびた。
小沛にいる味方のもとへ逃げようとしたところ、すでに火の手が上がるのが見え、断念した。
劉備は這う這うの体で青洲まで一騎落ちのびるのが精一杯だった。
辺りは一面、曹操の大軍が野山に満ち満ちていた。
あとに残るは関羽の守るカヒの城のみ。

それには関羽が、劉備の妻子を護衛していることが弱点であると思った。
義を重んじる関羽は、容易には降参はしない。
しかし、劉備の妻子を守るため、無事をまっとうするための忠義の降参ならば道理が立つ、と考えた。
こうして曹操は、関羽の旧友であり弁の立つ張遼を関羽のもとに向かわせ、見事、関羽を説き伏せることに成功した。
一方、そのころ劉備は身一つで袁紹のもとに落ちのびていた。


第七巻での見どころは、やはり何と言っても関羽の忠義であろう。
曹操から名馬の誉れ高き赤兎馬(呂布が乗っていた愛馬)を与えられ、見目麗しき十人の美女や、金銀財宝を惜しみなく授けられたにもかかわらず、関羽は心動かされることはなかった。
女たちは全員、劉備の妻の小間使いにさせ、己の傍には一人として置かなかった。
唯一、赤兎馬だけは一日に千里を走る名馬ということで、劉備の行方が知れしだい、千里のかなたでも走って行けると言って、関羽自身の持ち物とした。
この徹底した清廉なる精神は、戦乱の世にあって類まれな高潔さを示した。
このくだりは、後世、ますます関羽を神格化させるにふさわしいエピソードなのだ。

次回、第八巻では、いよいよ孔明の存在がクローズアップされる。
インテリ孔明の登場により、ますます三国志はおもしろくなってゆく!

【発売】2003年
【監督】奥田誠治ほか
【声の出演】中村大樹、辻新八、藤原啓治

※ご参考
横山光輝「三国志」の第一巻は
20160425
コチラ

第二巻は
20160501
コチラ

第三巻は
20160508
コチラ

第四巻は
20160515
コチラ

第五巻は
20160522
コチラ

第六巻は
20160529
コチラ



20130124aisatsu





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最終更新日  2016.06.05 06:54:46
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