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花が咲きはじめたから肥料を買いに来ました、というお客さんは多いのです。でも、花が咲くときには肥料はいらないんですよ、と答えます。お店としては売れたほうがいいのですが、肥料が必要ないときには与えなくていいのです。それではさみしいからと言って、活力剤、栄養剤であるアンプルを買ってくれて帰るお客さんもいますが。花は新芽から若葉が伸びる成長期にいちばん肥料を欲しがります。育ちざかりの時期に肥料は必要なのです。成長期が終わって花が咲くときには肥料は必要ないのです。「花は水で咲かせる」と昔から言われているくらいです。花屋さんで鉢花を買ったばあいは、生産農家が株を育てている時期に充分な肥料を与えていたと考えられます。さらに出荷のときに表面に肥料を追肥しているかもしれません。購入した鉢を見て、表面に粒状の肥料が追肥してあれば、それが効いていますから、さらに肥料を与えなくてもいいわけです。ですから、花屋さんで購入した鉢は水やりだけしていればいいとも言えるのです。鉢花を今年だけ見ればそれでいいと言う人は、わざわざ肥料を与える必要はないのですね。来年も育てたいばあいに、花後に来年の成長期のために肥料を与えればいいわけです。ただしパンジーのように3-5か月以上もの長期間にわたって咲き続ける花は、花が咲くと同時進行で次の花のための若葉も育っていますから、そういうばあいはそのための追肥が必要になりますが。一般的には花が終わると来年のためのサイクルに入って、新芽が伸びたりするパターンが多いようです。花が咲いているときに肥料は必要なくて、花が終わったときから肥料は必要なのですね。花後の肥料のことを昔の人たちは、花が咲いてくれてありがとうと言って、「お礼肥え」と美しい言葉で呼んでいました。花には一年間のサイクルがあり、成長期と花期と休眠期があります。その時期は花によってちがいますが、真冬の休眠期と真夏の休眠期には成長を休んでいる花が多いようです。成長期は若葉がどんどん伸びる時期ですから、眼にみえるのですから判断できますから、成長期には肥料をじゅうぶんに与える必要があります。というわけで、花の咲いている時期には肥料は必要ないとも言えるのです。
2008.02.28
典型的な例を書いておきます。冬に休んでいて、3月のお彼岸ころから若葉が伸びて成長期に入ります。8月の真夏に休みます。9月のお彼岸ころから秋の成長期に入ります。霜が降りるころから冬の休みに入ります。この1年周期でしたら、成長期は春は4か月、秋は2か月ですので、肥料は春に2回、秋に1回になります。4月ころに1回、6月ころに1回、10月ころに1回、だいたい年に3回あたえればいいのですね。液体肥料でしたら、その時期に規定の間隔をあけて与えることになります。これを基本にして、花の時期や植え替えの時期によって調整すればいいわけです。花の時期には与えない。植え替えたばあいは2、3週間たってから与えるというように。そして肥料を与える時期よりも、与えなくていい時期のほうを考えています。1年中ひっきりなしに肥料を与える必要はないのです。肥料を与えなくて枯れることはありません。肥料を与え過ぎたほうが枯れるのです。私は基本的にこの考えかたでいろいろな花を育てています。
2008.02.28
家庭園芸では花が咲くことに価値をおいています。きれいな花が数多くいっぱい咲いてほしい。花が咲くと、とはどういうことなのか、園芸の面から考えてみます。種子から発芽して、若葉が伸びて成長期に入ります。緑が充分にしげったころに成長期が終わって、成熟して、花が咲いて、種(実)ができます。花が咲くことは、花を咲かせて、種を作ることによって、次の世代に引き継ぐことを意味しています。数十年に1回の花が咲いて、木は枯れてしまったという話がよくありますが、これは、自分の成長期が終わってかれてしまいそうだから、花を咲かせて、種を作って、次の世代に引き継いだと考えれば、わかりやすいのではないでしょうか?逆に言えば、成長期が終われば、花が咲くということです。園芸で花が咲いてほしければ、いつまでも成長期が続いていては花は咲かないのですから、むしろ成長期を終わらせれば花芽は付きやすくなります。園芸の本などで、花が咲くようにする秘訣がいろいろとありますが、それは、花の成長期を終わらせる秘訣でもあるのです。そのために肥料を止めたり、水分を控えたり、剪定したり、花をいじめているのですから、わたしたち園芸家は罪作りなことをしているのです。
2008.02.27
お客さんから、花が咲かないんですけれど、と質問されて、その理由をあれこれと考えますが、意外な原因があることがあります。花木や庭木に見られることですが、鉢植えだったものを庭に植えた時に、それまで制限されていたものが根を張る場所を与えられたために、根が勢いよく伸びて、それに合わせて枝葉も勢いよく伸びて、木が若返ってしまうのです。花芽のほうに栄養が行かなくなってしまうようです。地下の根と地上部の枝葉の成長が釣りあいがとれて一段落するまで、1年くらいは花が休んでしまうのですね。鉢植えを地面に下ろしたときに一番にみられる現象のようです。あるいは鉢植えでも、鉢を一回り大きくするよりも、二回り大きくするほうが成長するだろうとした時に、枝葉が伸びるほうに栄養が回ってしまうのです。シンビジウムや君子蘭では根が鉢の上に飛び出してあふれているのをよく見かけますが、そのくらいのほうが花芽が付きやすい。藤の鉢植えでは根の勢いが良すぎるので、少々いじめたほうが花芽ができやすいとは昔からよく言われています。藤の植え替えでは根を巻いて結んでしまうのが植え替えの秘訣と言われているくらいです。花芽ができる時期に、ちょっと鉢がきつくなったくらいのほうが花芽が付きやすいとは、よく言われることですが、そのあたりの釣りあいも家庭園芸では重要なことのようです。
2008.02.26
引き続き、園芸用土の酸性とアルカリ性について考えてみます。★酸性日本の土は弱酸性だそうです。雨が多くて石灰分(アルカリ性)が流れてしまうので、やや酸性が強くなって、弱酸性なのだということです。昔からある日本の土に合った一般的な植物は中性から弱酸性を好みますので、基本用土である赤玉土でもよいですし、酸性の鹿沼土でもいいし、赤玉と鹿沼の混合でもいいようです。あじさい、菊、椿、山茶花、・・・などです。もう少し酸性を好む植物は、サツキ、ツツジ、シャクナゲ・・・は鹿沼土が最適の用土として、長年、専門に使われています。★アルカリ性西洋野菜は中性~アルカリ性の土を好みますので、野菜を栽培する時には、酸性用土を中和するために、アルカリ成分である石灰を混合することは知られているようです。ハーブも一般化してきましたから、ローズマリーやラベンダーなどハーブ栽培をする時も石灰を少々混ぜることは知られてきたようです。家庭園芸ではバラにも石灰を混ぜることが代表的な例でしょうか。地中海式気候などの西洋からの植物を栽培するときには、中和するためにアルカリ分である石灰(苦土石灰など)を用土に混ぜる必要があるのですね。おまけの話をひとつ。西洋あじさいのハイドランジアは青色や赤色の花がありますが、色によって、土の酸性度の好みがちがうそうです。青色は酸性を好むので、鹿沼土やピートモスを混ぜます。赤色は中性~弱アルカリ性を好むので、石灰分を混ぜます。土を変えることによって、色がきれいに発色するのだそうです。
2008.02.25
ここ数年、ブルーベリーを植える人が増えていますが、ブルーベリーのラベルには必ず「鹿沼土かピートモスの酸性の用土で植えてください」と表示してあるはずです。一般的には野菜や果樹類はアルカリ性の土を好みますが、ブルーベリーは逆で酸性の土を好みます。鹿沼土とピートモスは、園芸用土のなかでは酸性度が強い土と言われています。ブルーベリーはこのどちらか、あるいは両者を適当な割合で混ぜ合わせた土で植えるのが最適になります。酸性と言うと以前はサツキやツツジやシャクナゲの専門用土として鹿沼土が知られていましたが、今はピートモスも普及しているようです。ただ個人的に考えることですが、ピートモスは保水性が強くて(水を含みやすいという意味です)、高温多湿な日本の夏には合わない性質のような気がします。水を保ちますので、水やりの回数が少なくてすむという長所はありますが。私はピートモスは単用では使わずに、混合用土としてブレンドして重宝しています。このばあいの酸性土としての使用では、鹿沼土とピートモスの混合用土になります。園芸用土の調整としては、石灰がよく知られています。酸性土をアルカリの方向に中和するのですが、ブルーベリーは逆に酸性の方向に調整するので、酸性用土であるピートモスや鹿沼土に植えるのです。
2008.02.24
植物を消毒するときに、殺虫と殺菌の二つがあります。手軽に消毒する方法として、市販スプレーによる消毒がありますが、虫に殺菌スプレーをしても効果はありません。カビ類に殺虫スプレーをしても効果はありません。アブラムシや幼虫の害虫には殺虫剤です。カビや病気には殺菌剤です。おなじ消毒という言葉を使いますが、殺虫と殺菌はちがうのですね。市販のスプレーには、「殺虫殺菌スプレー」もあります。フマキラー製品のカダンSP、住友(住友武田)製品のベニカX、三共製品のアタックワンAL、等があるようです。消毒のときに、必要な対象をまちがえないようにしましょう。
2008.02.21
ユリの鉢植えは季節を問わずに、一年中じゅう出回っているようです。市場でも数量の多い少ないはありますが、周年に出荷されているのを見かけます。この花屋さんの鉢植えのユリ。株に比べて小さい鉢に植えられているケースが多いのですが、ユリにはもうひとつ重要なことがあります。ユリの特徴のひとつとして、球根の上からも根が出る性質があります。球根の下からの根を下根、上の根を上根と言います。どちらかというと下根は株を支えるための根。上根は栄養を吸収するための根と考えられているそうです。上根が栄養のために重要なのに、小さめの鉢植えでは、球根の上に土がないのですね。余裕がないのですから、上根が育たないのです。上根のスペースのためには球根は深い鉢の真ん中あたりに位置しなくてはいけないのです。上根のためにも、ユリの鉢植えを新しく購入した場合は、一回り大きい鉢に植え替えましょう。縦長の深い鉢(縦長の鉢は懸崖鉢と呼ばれています)が適しています。ユリは植え替えの時には根をいためないように、土を崩さないようにして植え替えます。土を崩さないで植え替える方法を「鉢増し」とも言うそうです。購入したままの鉢で育てたよりも、深植えをしたユリは、上根が充分に伸びるスペースができて、栄養を吸収しますから、花後も丈夫に育つでしょう。そうすれば来年も大きな花が、そして花数も多く咲くでしょう。
2008.02.18
市販の鉢花に、黒いポリポット(ポリエチレンのポット)とプラスチック鉢の二重鉢になっているのをよく見かけることがあります。これは生産農家がポリポットで栽培して、出荷の時にプラ鉢に入れて、花市場に出荷したのですね。1、出荷するときにポリポットからプラ鉢に植え替える手間を省略した。2、出荷の時に二重にすることで、新品のよごれていないプラ鉢なのできれい。・・・という長所があるからなのでしょうか。この二重鉢は、生育のためにはよくないと言われています。その理由は・・・・・プラスチック鉢は生産工程として底の中央は必要なので、底の中央に穴が開いていることはありえないのです。底面の中央にトゲみたいのが出てて、痛い!って思いをしたことがあるでしょう。そのトゲみたいのを芯にして、プラスチック鉢は作られているそうです。底の中央に穴はありえないのですね。黒いポリポットはというと、ポットを作ってから、底の穴を開けるようです。このばあいは底面の中央に穴をあけます。プラ鉢の底の中央には穴がない。ポリポットの中央には穴がある。これを二重鉢としてかさねると、ポリポットの穴をプラ鉢がふさいでしまうのですね。水が流れないのですから、花が育たない、痛んでしまうのです。↑ 上図そういうわけでポリポットとプラ鉢の二重鉢はおすすめできないのだとおもいます。二重鉢だったときは、ポリポットを抜いて、プラ鉢だけに植え替えましょう。
2008.02.17
花屋さんで売っている鉢花は、ちょっと小さい鉢に植えてあるのが多いようです。買った後に一回り大きい鉢に植え替えるとちょうどいいくらいです。生産農家が鉢代と土代を節約したのでしょうか。というか鉢と土代を節約して、販売価格が下がればお客さんのためになるということでしょうか?花が咲き終わるまでの、最少必要分の鉢土があればいいのですから、お客さんが来年まで育てるかどうかわからないのですから、花後に必要な分まで鉢土を殖やして販売価格が上がることを避けたのでしょうか?なにわともあれ、花屋さんの鉢花には、鉢が小さいことが多いようです。花を観賞するだけでしたらそのままでもいいのですが、来年も充分な大きさで花を咲かせたいというのでしたら、一回り大きい鉢に植え替えて、新しく根の張るスペースを広げたほうがいいとおもいます。花期が短い種類の花は咲き終わるまで待ってから植え替えてもいいようです。花期が長い種類は、早めに植え替えたほうが後半の花がたくさんしっかりと咲くので、開花中に植え替えてもいいとおもいます。ただし真冬には、植え替えても鉢が凍って根を痛めてしまうので、最適期になるまで待って植え替えたほうがいいかもしれません。寒さに弱い室内で育てる花も冬の植え替えは避けたほうがいいかもしれません。★鉢の半分くらいの高さまでしか土が入っていない、品物があります。鉢はちょうどいいけれど、土を節約したということでしょうか。この場合は鉢土を浮かせると、下と周囲にスペースができますから、そこに用土を入れて植え替えます。↑ 図のように。根が張る場所がふえたのですから、一回り大きい鉢に植えたのと同じ意味になります。
2008.02.17
菊の育てかたとして、園芸書には春に挿し芽をすると載っていますが、家庭園芸ではわざわざ挿し芽をする人は少ないとおもいます。もうすこし手を抜いた育てかたを考えてみます。なにもしないで株がふえていくのをそのまま育てる人も多いとおもいます。大輪菊はちょっと専門的な育てかたですので別にしておいて、中菊や小菊の育てかたを考えてみます。中菊としてはポットマム、スプレー菊などがあります。スプレー菊はスプレーを噴射したように花が何本も噴き出したように咲くのでスプレー菊と名づけられたらしい。ポットマムはポット(鉢)に適した菊なのでポットマムかな。菊は株分けで育てる人が多いのではないでしょうか。株分けについていくつか・・・★図の左の場合去年の秋に花屋さんで買ったポットマムやスプレー菊は、根元をよく見ると、1鉢に1株植えではなく、何本か5~6本が寄せ植えになっている鉢が多いとおもいます。短い期間でボリュームのある鉢にするためにも寄せ植えにしているようです。寄せ集めで1鉢分に見せてるのか、とあきれる前にこれを逆に良いほうに考えるのです。ケーキを切り分けるように切り込みを入れれば、かんたんに鉢を2つか3つに株分けができます。あっというまに2鉢か3鉢ができあがるというわけです。根が伸びるスペースも増えて株も大きく育ちますから、去年の2,3倍の菊が鑑賞できることでしょう。★図の右の場合枯れた茎だけが残っていますが、冬のあいだに地面から新芽が伸びてきます。去年の茎から遠いほど地中の根はたくさん付いています。↑ 右図のように。鉢植えでは、鉢のふちから伸びてきた新芽が根がしっかりしています。茎から遠い新芽が根が多くて、根付きやすい新芽なのですね。逆に去年の茎のすぐそばの新芽は根の長さが短いということになります。根が出ているのですから、この新芽を植えつけると直ぐに水分を吸いはじめて、かんたんに活着することができます。1鉢に1芽でもいいし、2,3本植えにするのも、鉢の大きさに合わせてどちらでもいいでしょう。菊は丈夫ですので、どういう方法でもだいたい育ちますから、ほんのちょっと、自分でできる程度の手間をかけるだけで、この秋には去年以上の花ざかりになるでしょう。
2008.02.14
シンビジウムの栽培のポイントは、春から秋に、新しい葉(新芽)が一人前の大きさに成長するかどうかです。一人前の大きさになれば、花芽をつけます。そのためにはどういう育てかたがいいかがポイントです。プロの生産農家はどのようにしているのか、そして家庭園芸ではその栽培法そのままでなくても、参考にできることがあるかどうか考えてみます。シンビジュームの根元のバルブ(ふくらみ)の横から、春から新芽が伸びてきます。この新芽(葉)が順調に成長すると、秋10月に親のバルブと同じくらいになります。新しいバルブの根元から10月に来年の花芽が出てきます。★育つ期間が長くなれば、葉(新芽)は大きく育ちます。生産農家は早春の2月から温室で新芽を伸ばしはじめます。真夏は暑さで成長を休んでしまうので、生産農家は夏のあいだは涼しい高原にシンビジュームを引越しさせて、夏も成長を続けるようにします。つまり2月~8月までの7か月が成長期間です。家庭園芸の場合、4月ころ花が咲き終わるまで鑑賞すると、新芽(葉)は5月から成長します。真夏の8月は高温なので成長を休みがちになります。生長期間は5月~7月の3か月になります。極端すぎる二つの例になりましたが、生産農家の7か月と家庭園芸の3か月では、新芽の成長期間がちがうのですから、花芽の付き方もちがってくるのでしょう。★それでは家庭園芸ではどういうふうに工夫すればいいのでしょうか。1、花を早めに切りとる。咲き終わるまでずっと付けておくと、なかなか来年の成長期に入りません。頂点の花が開いたころに切りとって、花瓶で切花として楽しみましょう。(生花として1か月ちかく鑑賞できます)花を切ることによって、シンビジュームは来年のための成長に入ります。いつまでも花をつけているよりも、成長期間が長くなります。とは言っても、鉢花で楽しみたいのであって切花にするのでは楽しみが無い、と考えるのも正解とおもうので、そのあたりはほどほどでいいのでしょう。いちばんいけないのは、花が枯れてぽろぽろ落ちるころまで花がらをつけておくことです。来年のための栄養分がいつまでも花のほうに使われてしまいます。2、バルブの根元の新芽をバルブ1つにつき1芽にする。以前にも書いたことですが、春の新芽は数本伸びてきます。そのままにしておくと栄養分が分散されてどれも一人前に育ちません。基本的にバルブ1つにつき、新芽1芽にします。その1本に栄養が集中しますから大きく育ちます。3、真夏は半日陰に置く。シンビジュームは日光が好きですが、真夏のかんかん照りは苦手です。真夏は風通しの良い明るい日陰に置きます。4、肥料は春から秋までの成長期にシンビジュームは肥料は大好きなようです。4月から9月末くらいまでの成長期にじゅうぶんに与えます。(春のお彼岸から秋のお彼岸まで)来年の花芽ができた10月から冬のあいだは、じつは肥料はまったく与えなくてもいいくらいなのです。家庭園芸ではプロほど専門的に考えることはないのですが、でも、ただまんぜんと育てるよりも、ほんのちょっとだけ、効果的な工夫をするとよいとおもいます。
2008.02.10
宿根草をしゅくねそう、半日陰をはんにちかげ、と読みまちがえている人がいるようです。★宿根草は「しゅっこんそう」が正解。冬にも葉が枯れない。あるいは枯れても根が残って春に新芽が伸びてくる植物が宿根草。しゅくこん、と読むような気もしますが、しゅっこん。耳で聴いた語感では、しゅくね、のほうがイメージが浮かびますけれど。地方によっては、しゅくねと呼ぶ地方もありそうですが、とりあえず正解はしゅっこんそう。★半日陰は「はんひかげ」が正解。直射日光のあたる日なたと日陰の中間の場所。明るい日陰のことを、半分日陰ということで半日陰といいます。園芸ではしばしば使われる用語です。これを半日が日陰になるの意味にとって、はんにちかげと読む人がいるようです。午前中にやわらかい日が当たって、午後からの西日が当たらない場所という解釈なのでしょう。家庭園芸としては理想的な育てかたにもなるのですが、でも半日陰という言葉の意味は、半分日かげ、明るい日かげのほうですので、はんひかげが正解となります。★緩行性は「かんこうせい」が正解。肥料の中で効きめの緩やかな肥料を緩行性肥料と言います。暖房の暖に似ているので、だんこうせいと読みまちがえる人が多いのでしょう。有機質肥料のように、醗酵しながらじわじわと効果があるのが、遅効性肥料。液肥のように、水やりと同時に根から吸収されて直ぐに効果があるのが、速効性肥料。その中間で、化成肥料などで水やりのたびに少しずつ成分が溶けて効果があるのが、緩行性肥料。緩行性肥料は1-2か月くらい緩やかに効きめがあるようです。緩やかにの緩行性ですので、だんこうせいは読みまちがい。
2008.02.08
ローズマリーをかんたんに増やす方法があります。ハーブを長年いろいろな種類を育ててみましたが、いちばん育てやすいのはローズマリーです。匍匐性(ほふくせい)と言って、横に這う性質のローズマリーがとにかく強健で、ちょっとやそっとじゃ枯れないのです。香りも匍匐性は強いようです。そばを通る時にちょっと葉に触れますと、いい香りがします。手のひらで葉をこするとローズマリーの香りがただよいます。料理にも使いたい時は、魚や肉料理ににあうようです。ポテト料理、ホイル焼きにもにあうようです。ハーブを育ててみたいという人には、匍匐性のローズマリーがおすすめです。木立性と言ってまっすぐ低木のように伸びる種類のローズマリーもありますが、なぜか木としての形作りがうまくかないようです。個人的には匍匐性のローズマリーをおすすめします。市場に出回っているローズマリーも匍匐性が大多数なようです。私が地元の花市場で見かけるのも匍匐性です。ハーブは地中海式気候の原産が多いのですが、日本のような夏が高温多湿の気候では真夏の蒸し暑さに弱ってしまうようです。手入れがむずかしいのは、決して家庭園芸の人たちの手入れがまちがっているわけではないのです。人気のあるラベンダーも育つのは北海道や信州のように夏が涼しい地域なのですから。(適した地域に住んでいらっしゃるかたにはおすすめできますが)その点、ローズマリーはだいじょうぶ。うちの裏庭の吹きさらしにローズマリーの鉢が何鉢もあるのですが、真冬には寒風や雪にあたっています。真夏に直射日光に当たりっぱなしでもだいじょうぶです。家庭園芸では、真夏は明るい半日陰に、真冬も軒下くらいですと、好条件ということになるでしょう。10年以上育てていますが、虫が付いたという記憶がありません。ふつうに風通しのいい場所でしたら、害虫の心配はまずないでしょう。匍匐性のローズマリーに唯一ものたりない点があるとすれば、花の色の紫色がうすいことでしょうか。濃い紫色を希望する人はものたりないかもしれません。でも育てやすさの長所がはるかに大きいと私は考えます。★ローズマリーは強健なので、殖やすのもかんたんです。挿し木もできますが、もっとずっと簡単な方法があります。↑上図のように、匍匐性でS字を描いている枝を誘引して、枝の途中を地中に埋めてしまうのです。そうすると、地面に埋まった部分から新しい根が出てくるのです。親木からもつながって、栄養分をもらいながらですから枯れることはありません。埋めるときに浮き上がらないように、太い針金を二つ折りにした金具で地面に固定すると良いでしょう。1年もすると充分に根が育ちますから、親木から切り離して、新しい鉢に植えます。すでに根があるのですから直ぐに根から水分と養分を吸収して育ちます。挿し芽よりもずっとかんたんで失敗がなく、殖やしやすい方法です。真夏と真冬以外はいつでも可能ですが、新しい枝葉が伸びはじめる春が最適期です。ぜひ試みてください。★注匍匐性ローズマリーの枝はS字にカーブしていますから、ちょうどS字に曲がった部分が地中に埋まるように、気をつけて誘引すると、作業がしやすくなります。★注地中に固定するU字型の金具は手作りでいいのです。よく胡蝶蘭の花を支える時の針金の太いみたいのがあるでしょう。緑色か茶色の・・・針金としては太く、支柱とよぶには細すぎるような・・・・・あれを適当な長さに切って、二つ折りにしたものでいいのです。あるいは盆栽の針金かけに使用するアルミニウム製の、茶色い太い針金があるでしょう、あれでもいいのです。
2008.02.06
2月には藤の剪定をする時期になります。藤は、冬にはすっかり落葉して、夏には葉にかくれていた枝がよく見えます。ちょうど今ごろは枝元に花芽がふくらんで、はっきり見えますので、確認できます。藤は、長い枝の元に短い芽が伸びていて、ここに花芽がつきます。長い枝先には花芽は付かないので、冬の手入れとして、長い枝を剪定しましょう。(地植えの藤棚のように蔓を伸ばすことが最優先であるのならば長い枝を伸ばしたままでいいのですが)★鉢植えの藤の手入れの1年間を順をおって書いてみます。冬の間に短い枝(花芽)を残して、長い枝を剪定します。植え替えは2月下旬ころ、新芽の伸びる直前が適期です。根はできるだけ切らないようにします。根はくるくるとまるめて鉢に収めます。長すぎるときは根を結んでしまってもいいのです。4月から9月の成長期には深めの受け皿に水を張って、水に浸したままにします。これを「腰水」といいます。藤は池の端に植えられて、長い花穂が池の水面に垂れ下がるのが風情があるように、水辺が大好きです。夏に蔓(つる)が伸びすぎて、切りたくなるのですが、強い剪定は控えます。放置しておけば、長い枝が出ても自然に勢いが止まりますから待ちましょう。その元から花芽がつくのです。藤の花が咲かないいちばんの原因は、夏季につるが伸びすぎたからといって強剪定をしてしまうことだと思われます。強剪定をすると余った栄養分が新しい枝を伸ばすことにまわって、木が若返って、もう一度、枝が長く伸びてしまうらしいのです。枝が二度伸びしてしまうのですね。枝ばかりが伸びて、花芽になるはずの芽ができないのですから花が咲かないらしいのです。というわけで夏に蔓がのびすぎても放置しておきます。自然につるの伸びは止まります。そしてその枝元からの短い枝に花芽がつく、というのが正解です。そして冬になり、落葉します。以上が1年間のサイクルで、以後は、その繰り返しになります。
2008.02.02
シャコバサボテンは少しぐらい水やりを忘れても枯れないくらいに強健ですので、花の手入れが苦手なかたの家でもよく見かけます。花後には枯れた花がらを摘み取りましょう。鉢についているラベルや、園芸の本には、「花後に茎葉も2,3節を摘み取りましょう」と書いてあるのをよく見かけますが、ちょっと待ってください。もし挿し芽をしてミニの1鉢を作りたいと思うのでしたら(かんたんです)、今、茎葉を摘み取るのではなく、暖かくなる4月か5月まで待ったほうがいいと思います。暖かい時期になれば挿し芽ができますから、その時に摘み取った茎葉を挿すことができます。★茎葉摘み(4月か5月)何年も育てた大鉢によくあるのですが、茎葉が長く伸びて垂れ下がって、鉢のふちあたりで花が咲いているのを見かけます。そういう形もおもしろいのですが、頂上面に花が咲いていないことになります。これは葉摘みをしていないのが原因です。春から初秋までの成長期にシャコバサボテンは3節くらいの新しい茎葉を伸ばします。葉摘みをしていないと先へ先へと伸びていきますから、長くなってしまって、茎葉が垂れ下がって、その先に花が咲いてしまうのです。ではどうすればいいかというと、4月か5月に(ちょうどゴールデンウィークの連休ころ)、茎葉を3節くらい摘み取って短くしてしまえばいいのです。初秋までに新しく3節くらい伸びますから、ちょうどいいのです。摘み取ったところから2本の新芽が伸びてくることもありますから、茎葉がふえて花の数もふえるというわけです。★挿し芽茎葉摘みで摘み取った茎葉を、4月5月ころの時期でしたら挿し芽ができますので、挑戦してみましょう。3節くらいの長さに摘み取った茎葉を用意します。鉢花の大きさにもよりますが、5本くらい取れるでしょうか。それを小さめの鉢に5ヶ所くらいに挿し芽をします。1鉢に1本ではなくて、1鉢にまとめて挿してしまいます。寄せ植えとおなじで、いっぺんでボリュームのある鉢ができるのですから。初秋までの成長期に3節くらいの新芽が伸びてきて、その先端に秋に花芽がついて、12月には花が咲くでしょう。★シャコバサボテンの必殺技(8月中旬)シャコバサボテンの育てかたで、いちばん重要なポイントがあります。よく言われていることですが・・・・・8月中旬から9月の中旬までの1か月のあいだは水やりを少なめにして、勢いを止めることによって、花芽がたくさんつきます。これが重要なのです。この時期が花芽を形成する時期なので、茎葉の成長が続いていると、花芽をつけようとしないのです。水やりを控えめにすることによって、強制的に成長期を終わらせて、花芽をつくる体勢にしてしまうのですね。成長期を終わらせるのですから、肥料も8月中旬で終わらせます。シャコバサボテンは以後、春まで肥料は与えなくてもいいくらいです。肥料は成長期に必要なのですから、4月から8月までの成長期にじゅうぶん与えましょう。植物はどれでもそうなのですが、成長期と休眠期がありますので、その1年間のサイクルを知って、育てることができれば、理想的だと思います。
2008.02.01
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