いよう、お二人揃って何の用だい
江戸御毒見役の死に端を発し奇怪な波紋を拡げて行く難事件が起り、目明し遠州屋小吉を初めそんな中で途方に暮れていたとき、若さまの名推理で御用商の看板をエサに老中、お納戸役、商人の悪者一味の奸計の核心が絵ときのように解決されて行きます。
橋蔵十八番 ”
若様シリーズ ”3
年ぶりの登場で、若さまシリーズ第 8
作目になります。撮るのは佐々木康監督。
橋蔵さんのデビュー作品「笛吹若武者」は佐々木監督の撮ったもの、それからずっと橋蔵さんを見てきた監督が、橋蔵さん主演ものを撮るのは久しぶりのこと、そして「若さま」シリーズを撮るのは初めてになります。でも、橋蔵さんを知り尽くしている監督ですから、お正月にふさわしい作品の中に橋蔵さんの魅力も満載。作品「若さま侍捕物帖」はお正月映画なので、明るく、派手で、映画館で途中から入って見ても分かる映画にしたと語っています。
そこで華やかにと、橋蔵さんの若さまが着る衣装も一着 20
万円位するものを何回ととっかえひっかえして私たちの目を楽しませてくれるようです。
そして、何といっても、舞台が江戸の両国に戻って来たことです。
◆第 69
作品目 1960
年 12
月 27
日封切 「若さま侍捕物帖」

若さま 大川橋蔵
おいと 桜町弘子
おちか 三田佳子
月美香 藤田良子
お花 円山栄子
お澄 花園ひろみ
鈴木妥女 山形勲
佐々島俊蔵 千秋実
唐金屋総右衛門 三島雅夫
お蝶 清川虹子
英明院 花柳小菊
堀田加賀守 坂東好太郎
山田文五郎 加賀邦男
弥平 沢村宗之助
松造 吉田義夫
頓平 茶川一郎
遠州屋小吉 本郷秀雄
熊谷民部 戸上城太郎
平吉 笑福亭福郎
おとそ気分の松の内、奇怪な事件が持ちあがった。御用商酒問屋伊勢屋の清酒で、毒見役が命を失い、見廻り役も何者かに暗殺される。正月そうそうは野暮用お断りと事件にかかわるのを断っていた若さまが腰をあげその真相を探ります。
スクリーンに表題「若さま侍捕物帖」が映しだされた時の音楽は何か起りそうなと重々しい感じであったが、スタッフ、キャストの画面になると、明るい軽快な「若さま風来坊」の歌にのって流れていきます。
江戸城内の伊勢屋の清酒が収めてある蔵のところで、鈴木采女が蔵の見張り役に何かを頼んだようで金子を与え立ち去ります。その見回り役は家に帰ったところを待ちかまえていた賊に殺されます。
年の初めの祝いをやっていた御用商酒問屋伊勢屋に、城に納めた清酒に毒が入っていたと役人がやってきていました。
目明し遠州屋小吉が慌てた様子で船宿喜仙にやってくるや、「若さま二階か ?
」と、おいとにたずねます。「どうしたんです、お正月そうそう」と呆気にとられるおいとに、「ちょいと上がらせてもらう」といい二階の部屋に行くと、 ”
今年より野暮用一切お断り 佐々島旦那 小吉親分へ 若 ”
と貼り紙が貼ってあります。なんでもかんでもここへ走り込み若さまについつい甘えてしまう、今年は反省しても俺一人でやってみよう、と反省して帰ろうとしたところへ、与力の佐々島俊蔵も若さまのお知恵を借りようとやって来たようです。
その若さまは、丹前風呂が気に入って通っているようです。大広間で大勢の人達がおしゃべりをしている中の職人らしき 4
人ずれが、伊勢屋の件、そして見廻り番が殺された件の話をしている向こう側に一杯やって 楽しそうにしている若さまが
居ます。


「 おう
、 お勘定
」といった若さまの声を聞いて、頓平と兵吉がやってきます。「黙って聞いてちゃずるいや、あっしの情報は瓦版より早いんで」という頓平に、
若さま「ハハッ、だが、聞いていて あんまりうれしい話でもなかったな
」
といいながら、何となくその話に興味を持ったようです。

船宿喜仙では、若さまの帰りを待っていた与力の佐々島と小吉親分が腰をあげ店を出たところに、「 いよう
、 お二人揃って何の用だい
」と声をかけたのは丹前風呂から帰って来た若さまでした 。

若さまのところに用があって来たとはいわずはぐらかす二人に、若さまは歩きだしながらこういいます。
若さま「 二人ともひどく呑気だな
。今朝は見廻り役の侍が殺されたり、御用商人が
お取りつぶしになったり、 大変だぞ
」
佐々島と小吉は「あれっ」と顔を見合わせます 。




若さまが喜仙の暖簾をくぐると、おいとが「 お帰んなさい
」と迎えに出て来ました。佐々島と小吉も店へ入ると、「若さま、もうご存じで」という佐々島についで「こいつは 手っ取り早くていいや
、若さま それですよ問題は
・・・」と小吉がいったところに、若さまが「 おっと
、 親分
」といってきます。
「親分だなんて」と照れる小吉を佐々島が制し、小吉が何でしょうと聞くと、おいとがすかさず「 野暮用はお断りですって
」と、そうだったと 反省する二人
。




すると、若さまが、おいとに「 おい
」と笑顔を見せ、 手でお金をくれ
、という風にするが、おいとが それに答えない
ので、
若さま「 おーいっ
、 貸してくれ
」



それに対し、おいとが「 またお出かけですか
」ときたので、出した手を「うーん」といいながら引っ込めると、
若さま「一緒に来るか」
おいと「あら、どこへですか」
気分よくそれに答えようとする若さまを、小吉の「 あのう
・・・」が遮ります。その小吉は若さまに 事件の現場でも
・・・、と聞いてきたので若さまも・・・・・
若さま「ハッ、二人とも 風呂屋に行ってみな
、 色々なことが聞けるってさ
」
そういって、おいとの方に笑みを見せるのです。









続きます
。
若さま侍捕物帖・・・(14) 2025年02月18日
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