音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2019年08月28日
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カテゴリ: クラシック音楽

長らく録音をしていなかったポゴレリッチのソニー移籍第一弾が発売された。
ハイレゾで配信されていたのでHDtracksから20%オフの$14.4で入手。
ポゴレリッチはあまり聞いたことがないピアニストで、CDはないくせに、なぜかDVDだけ持っていた。
特異な才能と波乱に満ちた経歴などから、気になるピアニストではあった。
1996年の妻の死以来長い低迷期に入っていたことまでは記憶にある。
ところが2006年に復活し、最近日本にも定期的に訪れていることは全く知らなかった。
このレコーディングはショパンの「スケルツォ」(1998DGG)以来21年ぶりの録音ということで、大きなニュースになっているらしい。
曲目はベートーヴェンとラフマニノフのピアノ・ソナタでともに初レコーディングの作曲家だそうだ。
ジャケ写では髪を短く刈り込んで、黄色いシャツを着ていたので、なんとなくタイあたりの仏教の僧侶を思い出してしまった。

これほど明晰な音を聴くのことも珍しい。
バスはここぞというところでしか響かせていない。
ベートーヴェンは22番と24番「テレーズ」という小ぶりなソナタだが、ポゴレリッチの演奏はスケールが大きい。
どちらも他のピアニストに比べると多少遅い感じはする。
特に刺激的な表現は聴かれなかった。
参考までに、シフの新盤や小菅優、ポリーニなども聴いてみた。
シフのように安定感のある(安定しすぎている?)表現ではなく、小菅のような考え抜かれた、言い換えると小細工の目立つ表現でもない。
適度にエッジのきいたサウンドが心地よい。
アコーギグが独特だが、嫌みを感じさせるようなやりすぎ感はなく、ピリッと来るくらいだ。
激しいところはそれなりに激しくメリハリがついている。
なので、演奏に身を任せるという演奏ではなく、従来の演奏とは一味違った曲の側面が感じられる。

小菅に比べると2分も遅い。
全体的にモノローグみたいな思索的な感じで、ポゴレリッチの感情が伝わってきそうだ。
ピアノの軽やかで繊細なタッチが素晴らしい。
第2楽章の旋律はもともと流麗なものではないが、ポゴレリッチの場合はごつごつ感が目立つ。
演奏時間もシフに比べると20秒ほど長い。

ラフマニノフは1931年の改訂版を使用。
この曲はそれほど聞き込んでいないのだが、しばらく前に、多分グリモーの演奏だったと思うが、第2楽章中間部の息苦しくなるようなロマンティックな表現に気づき、少し気になる曲になりつつある。
ポゴレリッチの演奏はことさら強調しているわけではないが、巧まずしてラフマニノフのロマン性が現れている。
ただし、暑苦しくはなく、あくまでも透明だ。
第2楽章についていえば二楽章が11分程。
参考までに聞いたアシュケナージは9分半ほどで、この開きは大きいが、遅いとは感じられない。
ここでも思索的で詩的な表現が曲の精髄を表しているかのようだ。
第1楽章もアシュケナージに比べて1分10秒ほど長い。
あまり遅いとは感じられず、表現の弛緩も皆無。
第3楽章もアシュケナージに比べると40秒ほど長い。
第3楽章は音の粒立ちがはっきりしていて、アシュケナージよりもスケールが大きい。
曲自体は力業で押し切った感があり、表面的でいまいち盛り上がらないのはポゴレリッチでも同じだった。

ディストリビューターによると、ポゴレリッチは昔ソニーの盛田昭夫氏から最新リマスタリングされたラフマニノフのCDセットを贈られていて、このセットには今回のピアノ・ソナタも含まれていて、この不思議なご縁をとてもうれしく思っているとのこと。

2020年2月に来日が予定されているので、都合がつけば、是非生で観たいものだ。

Ivo Pogorelich Beethoven:Piano Sonatas opp. 54 & 78 Rchmaninov Piano Sonata No. 2 op. 36

1. Piano Sonata No. 22 in F Major, Op. 54 / I. In Tempo d'un Menuetto
2. Piano Sonata No. 22 in F Major, Op. 54 / II. Allegretto
3. Piano Sonata No. 24 in F-Sharp Major, Op. 78, "A Thérèse" / I. Adagio cantabile - Allegro ma non troppo
4. Piano Sonata No. 24 in F-Sharp Major, Op. 78, "A Thérèse" / II. Allegro vivace
5. Piano Sonata No. 2 in B-Flat Minor, Op. 36 / I. Allegro agitato
6. Piano Sonata No. 2 in B-Flat Minor, Op. 36 / II. Non allegro - Lento
7. Piano Sonata No. 2 in B-Flat Minor, Op. 36 / III. Allegro molto

Ivo Pogorelich(p)

Recorded Schloß Elmau, Germany, September 2016(Beethoven)
Liszt-Hall Raiding, Austria, September 2018(Rachmaninov)





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Last updated  2019年08月28日 17時55分06秒
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