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もう20年以上料理をしていると、作ったことがない料理というのは少なくなってきます。和食から中華まで大体まかないなどで一通り作ったことがあります。フランス料理は12年もしておりますので、すべての料理を作ったと勘違いしていました。プラトー・ドゥ・フリュイ・ドゥ・メール日本で言う海の幸盛り合わせです。この料理大好きで、ブラッスリーなどでよく食べます。しかし作ったことがない。実は、そんなことを知ったのは作ったあとで、この海の幸盛り合わせを作った理由は、お店で海の幸フェアをして、そのときに出したオードブルです。このお皿には、生牡蠣、ビゴルノ(日本で言うタマキビガイ)、ビュロ(エゾバイガイ)、手長エビ、大きなエビ、そして小さな灰色のエビ。フランスでとてもポピュラーな海の幸の盛り合わせ。これらは良く冷やして、酸味の利いたリースリングと一緒に食べます。作ってみると、シンプルながらなかなかのおいしさにびっくり。次作るのが、いつになるかわからないけど、僕もお客さんとして席に座って食べたいです。
2008年11月29日

ジビエといえば、毎年僕の定番「リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル」前回にもロワイヤルとかかれるものは、王様の為に作られた料理と書きましたが、最近面白いことを耳にしました。ロワイヤルと名前がつくもののほとんどが、やわらかいものが多い。そう、王様は歯がほとんどなかったのですね。ですので、噛み切ることができない。それでも大好きな野うさぎをどうしても食べたいということで、考案された料理だそうです。さて、昨年まではウサギの肉を何時間もかけて煮込んだものを、リエットのようにもみ崩し、スプーンでも食べれる状態で供していました。しかし今年は、本物のリエーブルアラロワイヤルに挑戦。もともと、皮を剥ぎ取った野うさぎを、丁寧に1枚に開き、その中に、野うさぎのミンチ、フォアグラ、トリュフ、子牛の足の肉を入れて、24時間煮込みます。簡単に書きましたが、すごく時間も手間もかかります。ソーセージ状に仕上げてあとで切ります。付け合せに、きのこ、根セロリのピューレをつけて出来上がり。そうそう、たっぷりのトリュフもお忘れなく。この料理は24人前だけ作りました。この冬24人前限定のリエーブルは、なくなり次第終わります。
2008年11月27日

秋から冬にかけて気温もぐっと下がり先日初雪も5センチほど積もりました。この時期、温度が下がると同時に食材の変化も見られます。特にジビエ。フランスの野鳥は、物によって微妙に時期が違うと思います。たとえば鴨の場合、秋ごろの寒くなってきたときに脂を蓄え、また運動も少ないのでお肉の質が細かいです。そして、ヤマウズラは丁度冬トリュフが出る時期。初雪が降るころと考えていますが、そのころ、身がぷくぷく太り、しっっかりした胸肉に、ゼラチン質の多いモモ肉ができるのです。さて、今回のヤマウズラは、そうしたぷくぷくの太ったヤマウズラを調理します。普通なら、ローストしてキャベツやトリュフと食べたり、パサつきやすいので最後にソースと軽く煮たりしてしっとり仕上げます。でも、それらの調理法は僕のほかの素材ですでに使っている。もっと面白そうな調理がないかなって思っていたところ、トゥルトゥを見つけました。パイ包みですね。本来なら、肉のミンチをパイ生地に入れて焼き上げる簡単料理。それを僕のレストランに合う、料理に仕上げました。まず、鶉の胸肉は1センチ角に切り、モモ肉はミンチにします。そこに、たまねぎとトン足のみじん切り、レーズンをゲヴェルツトラミネールのワインに2週間漬け込んだものを入れて、1晩寝かします。その後、ハンバーグの要領で空気を抜き、真ん中にフォアグラとトリュフを挟み、パイでくるみます。写真の料理は、日本から来てくださったおなじみの常連さんのためのスペシャルトリュフですが、本来なら付け合せにモリモリのクレソンのサラダをつけます。お肉の本来のうまみ、ジューシーさを保つため、パイはさくさくにはなりませんが、こういううまみを少しすったしっとりしたパイもすごくおいしいですよ。ソースは、ヤマウズラの骨からとった濃厚ソース。12時間以上煮詰められたソースは、いやみがなく赤ワインがほしくなります。
2008年11月26日

ルージェ・バルベ。日本語表記ではヒメジとなっていますが、僕は全く別物と思います。日本でヒメジは扱ったことがありますが、白身で臭みがなく淡白で非常においしい魚と思いましたが、フランスのこのお魚は、白身ですが香りが強く味も独特で個性が強いです。そのためどうしても、個性の強いものをあわせます。今回は、まずヒメジにカキのジュース、生牡蠣、鳥のブイヨン、サフランを加えたソースを作りました。カキのうまみ、サフランの香りの高さがルージェの個性をまとめてくれます。そして、付け合せに色々な野菜と、トン足のチュイル。トン足のチュイルは、3回ほどゆでこぼし、その後ブイヨンで煮たトン側をミキサーにかけて、裏ごしします。それをクレープのようにフライパンに載せて煮詰めるとゼラチン質がキャラメルになりカリカリになります。それで、お皿の中の別の食感を作ります。トン足が苦手な方も食べれるというチュイル。僕の昔からのスペシャリテです。
2008年11月22日

日本でもフランス料理で供されるスズキ料理の新しい料理です。まず、僕はこの時期の天然のスズキが好きです。身はやわらかく、脂ものっていてふっくらおいしく焼けます。新鮮で皮が反りやすいので、軽く切り目を入れて、僕は小麦粉とコーンスターチの混ぜたものの中に皮目だけつけて、片面だけゆっくり焼き上げます。そうすることにより、皮目がぱりぱりでふっくらおいしいスズキのポワレができます。付け合せですが、レギューム・ウブリエ。フランス語で忘れられた野菜ですね。そう、昔よく食べた根菜は、今はほとんど食べなくなりそこで、もう一度見直してみようということで、つけられた名前です。僕がのせているのは、チョロギ、黄色い蕪、カブカンラン、アメリカぼうふう、きくいもです。辞書で調べながら書きましたが、日本語でもほとんど知らないような野菜たちですね。ソースはシンプルにモンサンミッシェルのAOCムール貝のソース。贅沢に、貝汁だけを使い、ムール貝は巻かないで食べてしまいました。すでにたくさんのフランス人にほめられたこの新しい料理。またスペシャリテが増えそうです。
2008年11月21日

冬といえばりんごがおいしい季節になりました。フランスにも日本と同様にたくさんのりんごの種類があり、生で食べておいしいもの、デザートにしておいしいものなどさまざまです。フランスのりんごのデザートといえば、タルトタタン。僕も大好きなのですが、少し甘すぎるのが難点。そして、家庭でもできるデザートなので、レストランには不向きですね。そこで、りんごを使って軽くおいしいデザートを作ってみました。フロマージュ・ブランのムースの上に作ったりんごの再構築。青りんごのシャーベット素材の基本はりんごとフロマージュ・ブラン。この2つはとても相性がいいですね。まず、りんごといえばブルターニュということで、サブレブルトン。その上に、フォロマージュ・ブランのムースを置き(ムースの中には、蜂蜜風味のりんごのコンポートを隠しています)その上に、りんごで作ったチュイルでりんごを再構築して出来上がり。シンプルですが、とても軽くフロマージュブランの酸味とりんごの香りがたまりません。シャーベットは、青りんごで作るシャーベット。色粉を使わないため、自然な色で仕上げました。
2008年11月15日

ホタテのカルパッチョです。フランス料理では、というかフランスでは、ホタテの解禁が10月中旬にあり、それと同時に秋トリュフ(ブルゴーニュ産トリュフ)とマーシュが出回ります。それらを組み合わせた料理が、あちこちのレストランで出されます。では、僕の店では、まずホタテ。エルキー産の最高級の物を仕入れて、しかも5年もの。すごく大きいものを取りました。そして、シンプルにトリュフのドレッシング、トリュフ、マーシュで食べます。とりあえず、初物ですからシンプルに素材の味だけ味わいたいものです。
2008年11月13日

チョコレート好きなら必ず知っているデザートの一つ、モワルーショコラ。モワルーとは、やわらかいとかとろけそうなイメージのことをさして、チョコレートの生地をオーブンに入れて、中心はとろとろに仕上げるのがこのデザートの特徴です。ほかにも、有名なとあるシェフが考案した、ビスキュイクーロンショコラ。こちらは、小麦粉が入ったチョコレート生地で中にソースを入れるため、割った瞬間に大量のソースが流れ出る仕組み。僕が今回考案したデザートは、上に書いたチョコレート生地をより軽く、より甘味を抑えて作り、その代わりにチョコレートソースではなくヴァニラ風味のキャラメルソースを入れてみました。僕は、チョコとキャラメルの組み合わせ大好きなんです。難しいところは甘味。甘すぎないようにメリハリを利かせるのが特徴ですね。それから、今回は盛り付けにも力を入れました。レストランのデザートは、たとえばチョコレートのモワルーとヴァニラのアイスクリームで十分にデザートとして成り立つのですが、そこに、全く違う渦巻状のキャラメルとチョコレート、そしてチュイルを置くと、僕の店でもすごくクオリティが上がったデザートになります。デザートは特に、味はもちろん、視覚が重要な部門ですので、こういういろんなアイテムを作れること、大切ですね。
2008年11月13日
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