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.戦闘員 「なんだっ !? 」 3人が振り返るその先には、利江 「えっ !? 」 道路の真ん中で巡礼者のような装いのクリクリ頭の坊主が、笑顔で利江に手を振っていた。クリクリ頭の坊主 「いや~、迷子になっちゃったな。 ようやく見つけましたよ、利江ちゃん♪」戦闘員 「また変なやつがシャシャリ出てきたぜ。」利江 「ス・・・・、スンチャさん・・・?」スンチャ( クリクリ頭の坊主 改め ) 「日本大国も争いが盛んなところなんですね。。。 なんと戦車まで持ち出すとは。。。 丁度良かった、お困りの様子。」 なんとそこに居たのは、大少林寺の修行僧の門番をやっていたスンチャだった。戦闘員 「おらおら、そっちでちまちまと話してるんじゃねぇーよっ!」 「お前か、オレ達を邪魔したヤツは・・・・」 椿、武藤への突進を止め、スンチャに向きを変えて歩き出す3人。スンチャ 「先程の動き・・・・ ここにもやつらが居るのか・・・・」利江 「ここにも・・・?」スンチャ 「話は後で。 するとおれ一人では3人相手は、ちときついぜ。」 巡礼者が手にするような、先端に鉄の輪っかをジャリジャリとぶらさげた木製の杖で アスファルトの地面を一度叩く。 ジャリンスンチャ 「おれが相手してやる。」戦闘員 「生意気な坊主だ。お寺で拝んでればいいものを、出しゃばりやがって! 天を拝むことになるぜっ!」 歩いて向かっていた歩幅を徐々に早め、スンチャに向かって3人同時に襲いかかったっ! それを見たスンチャ、顔をこわばらせ気合を入れる。 手にした木製の棒をしっかりと握りなおし、そして構えた。 『いくぜーーーっ!』 『くらぇぇぇっ!』 『うぉーーーっ!』 トン シャリン トントン シャリシャリ 打撃にいった戦闘員、最初の一撃は手の甲を木製の棒で叩かれ、ひるんだところを 左右から木製棒の連打を浴びる。 二人目は、打ちに行った拳を同じく棒先で叩かれ、打ち抜いた拳の腕の横を身体をクルっと 回転させて懐に潜られ、続けざま肘打ちを食らってしまう。 シャリン くるっ ズゴっ★ 三人目はスンチャが肘で打ち抜いた瞬間を狙い、横からの蹴りっ! シューーー さっ スンチャはこれを屈んで避けて身体を捻り、棒の柄の先でみぞおち目掛けて打ち込んだっ! シャリン ゴスっ★ そのまま地面を蹴り、最初の一人目に飛び蹴りをお見舞いしたっ! 『ハィーーーっ!』 ズガン ゴスっ★ シャリン 流れるような動きから相手の攻撃を交わし、打ち込んだ後着地したスンチャ。椿 「す、凄いっ!」 驚く椿をよそに、立ち上がろうとしたスンチャだったが・・・・、スンチャ 「くっ・・・・」 シャリン そのまま片ひざをついたまましゃがみ込んでしまった。戦闘員 「恐ろしいやつがいるもんだ。 だが、悪いな。おまえさんの攻撃はおれ達に効かないみたいだ。」 バランスを崩すなどで倒れていた他の戦闘員も立ち上がる。スンチャ 「ここでも同じか・・・・避けるまではいいが、こちらの打撃が効かない・・・・。 それに、蹴りにいったときに横っ腹に一発くらっちまったぜ・・・・。」 『 だからピンポイントなんだよ。 』戦闘員 『むむ・・・』スンチャ 「なっ!」 戦闘員とスンチャが、その声の主に顔を向けた。利江 「ゆうすけ君!」 道路の隅で離れて見ていた利江の斜め後方、 その道路の真ん中に、ゆうすけが立っていた。ゆうすけ 「スンチャ、 棒術に頼り、打ちに行ったときの防御が出来ていなかったのが今の結果だ。 と、こういちならそう言うだろうな。。。 ひさしぶりだな。こっちに来てたのかよ。」スンチャ 「ゆ、ゆうすけ・・・・・」 苦しそうにしゃべるスンチャ。ゆうすけ 「やつらの攻撃を受けちまったらスンチャといえども生身の体、 そうとう堪えるだろうに・・・・ まっ、安心しろ、助けに来たぜ。」戦闘員 「あ、あのガキっ!」 「あの時の・・・・」 「空港の時のガキだ。」 「よく見りゃあの脇にいる女のガキもそうだぜ。」スンチャ 「な、なんだよおぃ、助けるはずが・・・・カッコ悪り・・・」戦闘員 「今ならあの凄腕の小僧がいねぇから、やっちまうチャンスだぜっ!」 「よしっ!」ゆうすけ 「戦闘員さん達よ、助けに来たんだがやるのはオレじゃねぇの。 まだ気が付かねぇ~のか。。。」 ズコーーン彡 彡うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ 一番後方に立っていた戦闘員が瞬く間に飛ばされてしまったっ! 『この場合、棒術は叩いて防ぐだけに止め、相手との距離を置くべきだった。 懐に入ったのなら、棒も使って相手の拳を受け流しながら 相手からの打撃を交わすことに専念すべき。 この戦闘員相手に、すぐに打ちにいってもスキを作るだけだ。 なにより、踏み込みが甘いから打撃にあと一歩の威力がないんだよ。』利江 「こういち君っ!」スンチャ 「こういちっ !! 」椿・武藤 『こういち君。。。』こういち 「ちょっと遅れちまって悪かったね。。。」戦闘員 『こ、こ、こういちっ !!! 』 顔を仰天させて驚く戦闘員達。ゆうすけ 「他に散乱していた戦闘員の後始末に時間を使っちまってね。 ちょいと遅刻だ。 おい、お前らのお友達、みんな片付けてきたぜ。」戦闘員 「な、なんだとっ!」こういち 「戦闘員の[気]があるのはここに居るあんたらだけになったってことさ。」戦闘員 「く・・・・くそう・・・・・」ゆうすけ 「さぁ、どうすんだ・・・・?」 悔しそうな表情をする反面、恐怖と裏表で複雑な心境の戦闘員二人。戦闘員 「く、このまま黙って引き下がる訳にもいかねぇ。」 「二人で掛かれば・・・・」 顔を見合わせる二人。 そして意を決して襲い掛かる・・・・が、 ズボっ 彡ズゴーーーン ズガっ ドスっ 彡ズコーーーーンゆうすけ 「やれやれ、スペック-1には最近容赦しないなぁ。。。」 最初に向かってきた戦闘員を一蹴! 続いて二人目は返す足で顔面に当て、 そのまま吹き抜けた足を戻すように その足で強烈なボディーへのミドルキックをお見舞いしていた。こういち 「悪さしてるやつらだからね。」利江 「こういちく~ん♪」 こういちの元に駆け足で向かう利江。 ゆうすけは屈むスンチャを、そして こういちは倒れた椿、武藤らの手を取り、立ち上がらせてあげていた。 -つづく-第184話 異変 へ( うぐぐぐうぐぐぐ。 ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。
2007年04月27日
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. ビル横の通路入り口に立ち、椿 「そこで何をしているっ!」 その声に振り向く盗賊達。 腰に手を当て仁王立ちの椿を見て、盗賊 「いるんだよな、でしゃばりなやつが・・・・」 まさにこれから窓を破って中に入る間際だった盗賊達、 その手を止め、椿に向かって歩いてくる。盗賊 「おまえらも何かもらっていかないか? 今ならチャンスだぜ~。」椿 「くだらん。 そんなことをしても何も得をしないことが分からんのか・・・?」盗賊 「おぉおぉ、偉いんだなぁ。」 「だがな、オレ達を止めるのなら、ちょっと痛い目に遭ってもらうことになるぜ。」 そういうと、盗賊の一人がビルの壁目掛けて一発の拳を打ちぬいたっ! ズボっ椿 『 !? 』 その拳は、もののみごとに壁を打ち砕いた!盗賊 「驚いたか。脅しじゃねぇってことが分かったかい。」武藤大介 「ス、スペックの戦闘員か・・・・」 椿の後方でポツリとつぶやく武藤。盗賊 「ほぅ~? オレ達の正体を知っているってことは、ただの住人ではなさそうだな。」 顔をこわばらせ、ぞろぞろと狭い通路から出て来る 盗賊改め 戦闘員の3人。椿 ( なぜスペック戦闘員がこの街に・・・・ ) 少し驚いた椿、急に表情をこわばらせ、椿 「戦闘員もコソ泥の真似もするってことかい。 なら尚のこと、見過ごす訳にはいかないな。」 険しい表情で身構える椿、そして武藤。戦闘員 「オレ達を戦闘員と知っても尚も向かって来るかよ。バカなやつらだ。 格闘技をかじる程度で大きな口を叩くな。 どんな格闘技を身に着けてもオレ達に敵わないことも知ってんだろう。」 「憂さ晴らし、その相手になってもらうか。 少しうっぷんが溜まってるからな。。。」 「軽く片付けてやるよっ!」 戦闘員の3人は、椿、そして武藤に襲い掛かったっ!戦闘員 『おぉぉりゃーー』 椿目掛けて拳をブチかます最初の戦闘員、 ガシっ さっ 腕の甲で外に弾いた後、横に一歩退く椿に、続いて二人目が蹴りをお見舞いする! ビューーー さっ 避けて着地した歩をそのまま地面を蹴り、後方に飛んで避けた椿。 戦闘員の蹴りは空を切る。戦闘員 「覚悟ーーっ」 もう一方では武藤に襲い掛かる戦闘員! ガシっ 戦闘員の蹴りを両肘で防御しながら、自ら後ろに飛び、威力を半減させて受身を取る武藤。戦闘員 「たぁーーっ」 「そりゃ、そりゃっ」 避けた椿を必要に追い、攻め続ける戦闘員二人。 椿は必死に避け続ける。 殴る拳は可能な範囲で交わし、避けきれないものは両手で受け流す。 そしてまた離れて間合いをとる。 武藤も同様に正面から受けることをせず、殴る、蹴るの攻撃に対し、 両腕でガードしつつ、ショックを和らげるように身を引きながら 受け流していた。椿 ( さすがに疲労が足かせになっているか・・・・二人相手では分が悪い。 ) 袖で額から流れる汗を拭いながら息を切らす椿。戦闘員 「ほほぅ、兄ちゃん、中々できるじゃないか。。。」 「だが、余裕は無さそうだな。」武藤大介 ( わしには交わすのは無理・・・、だが、このまま受け流していても 体力がもたん・・・・ ) 同じく受けていた手を腫らせながらつぶやく武藤。額からは大粒の汗が流れ落ちる。戦闘員 「兄ちゃん達、残念だが遊びはここまでだ。 そろそろお寝んねでもしてもらおうかっ!」 戦闘員が再び椿に襲い掛かるっ! ひとつふたつとガードしながら身を引いて衝撃を和らげた椿だったが、その三発目っ! 避けたその先で、二人目の戦闘員の強烈なローキックが椿の左足太ももにヒット! ズガっ!利江 「つ、椿さんっ!」 『うわーーーっ』 彡ドサっ 左足を抱えるようなガード姿勢のまま飛ばされ、アスファルトに転げる椿。 一方の武藤も身を引きながら打撃を受け流すも、戦闘員の強烈な蹴りの前に、 ガードした腕もろとも、体ごと後方に飛ばされたっ! ズガっ!利江 「武藤さんっ!」 『ぐわーーーっ』 彡ドサっ 大きな巨漢が3mはあろうか、見事に空を舞い同じくアスファルトに叩き付けられた。戦闘員 「オレ達を少し手こずらせたのは褒めてやる。 だが残念だったな。 出しゃばるとこうやって痛い目を見ることになるんだよ。」 傷めた左足を引きずるように痛々しく立ち上がろうとする椿。利江 ( だ、だめ・・・・敵わないわ・・・・ このままでは二人が・・・・殺されちゃう・・・・ こういち君・・・・こういち君・・・・助けて・・・・ ) 願いが届けとばかり、両手を胸の前できつく握り締め、目を閉じて念じる利江。 武藤は手を痛め、起き上がろうにも力が入らず、顔をアスファルトに付けたまま もがいていた。戦闘員 「さぁて、トドめを刺させてもらうかよ。」 戦闘員がふらふらと立ち上がる椿とそして路上でモガく武藤の元にゆっくりと 歩を進め、まさに止めの一撃を繰り出さんとしたその時っ! ビューー ビューー バシっ バシっ カラン コロンコロン・・・・・ 木製の短い棒が二本、襲い掛かった戦闘員をそれぞれに直撃したっ! -つづく-第183話 厳戒令をぶち壊せ 7 へ(カッコ悪り) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。
2007年04月25日
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. 2つ目のストアー前もひと段落させた3人は 次のコンビニに向かっていた。武藤大介 「はぁ、はぁ、わ、我々だけではいささか足らんのぉ・・・はぁ、はぁ・・・」 無言で走る椿。利江 「警察には連絡しましたので、それまで持ちこたえれば・・・・・」椿 「ムっ・・・・」 向かう先のコンビニ が道路先の視界に入ったとき、椿の走る足が止まった。 吊られて武藤、利江の足も止まる。利江 「あ・・・、あそこもやはり人だかりが・・・・・」椿 「えぇ。 でも。。。」 何故か、少し ほっ とするように優しい微笑みを浮かべた椿。武藤大介 「椿さん。。。」椿 「あぁ、やつらも駆けつけてくれたんだな。」利江 「やつら・・・って・・・・・あっ!」 利江が送る視線の中には、コンビニの前に立って住民を制止しようとしている 浦羽高校の柔道部員達の姿が。武藤大介 「有り難い。。。」椿 「先程 華夢on を出る前に、副将の藤枝に連絡しておいたのだ。 やつらも連絡受けてからの行動が素早いな。」 やれやれと、ほっと胸を撫で下ろした3人、その時、ビルの谷間から複数のサイレンの 音が鳴り響いてきた。武藤大介 「警察も動きだしたようです。」椿 「そのようだ。 あとは彼らに任せよう。 少し遠回りして別のコンビニ も見てこよう。」利江 「はい。」~ ~ ~ 突然の住民の暴動に街は各所で混乱していた。 椿、武藤らと、浦羽高校柔道部員らの活躍で数箇所は沈静化出来ていたものの、 あまりに広範囲。 時間が経つにつれて警察も介入し、騒ぎが少しずつ静まっていたいたように思われた。 ところが・・・・戦闘員 「住民がこれほど出回りだすとは・・・・」 「ゾルダ様からの指示がないと、我々はどうしてよいやら・・・・」 街をパトロールしていたシルバー服を着た戦闘員達、 次の取るべき行動が分らず、迷走し始めていた。戦闘員 「もうオレ達の受けた命令以外の事態になっている。」 「警察も動き出している。後は自衛隊に預けて我々はズラかろう。」 「なら、銭になるものをこの騒動に紛れて頂こうぜ♪」 「それはいい。。。」 同様な考えを引き起こしていたスペック-1の戦闘員達、 出歩く各所でシルバー服を脱ぎ捨て、暴動の住民に混じって 沈静化しきれていない街中に溶け込んでいったのだった。~ ~ ~ ・・・・市で起きていた招待不明のウイルス事件、 先程政府は、ウイルスの駆除に成功し、安全が確認出来たので発令していた厳戒令を 解いたことを発表致しました。 只今入ったニュースを繰り返しお伝え致します。 本日朝、S県S市において、病院に担ぎ込まれた患者が突然、原因不明で亡くなり・・・・ 居酒屋 華夢on の店内。とくさん 「ようやく解けましたね。」美咲先生 「なにもやってないのに・・・・・安全確認が出来たなんて・・・・」 只今速報が入りました。 厳戒令を解いたS市において、食料争奪のため市民の暴動が数箇所で起きているもようです。 住民の皆さん、ご自宅からまだ出ないようにお願い致します。 繰り返しお伝え致します・・・・・とくさん 「あらあら、こうちゃんの言うように市民のストレスが一気に噴出したみたいね。」美咲先生 「気持ちは分かるけど・・・・ 外に出たら危険ね。 引き続き困ったことになったわ・・・・」とくさん 「後は警察に任せましょう。」~ ~ ~住民 『よし、ここを襲えーーっ』 ガシャーーン 『うぉーーーっ』 サイレン と共に、パトカー が到着する。警察官 『やめなさいっ! やめないと現行犯で逮捕するぞっ!』 後方の住民は立ち止まり、そのまま振り向いて立ち去る者もいたが、 勢いで商店に突入した住民と警察官との間で衝突が起きた。 その近くを小走りに走っていた椿達、椿 「あそこまでいくと、我々ではどうすることも出来ないな・・・・」武藤大介 「警察に任せましょう。」利江 「ねぇ、見て・・・・あそこ・・・・」 利江の指差す先には、ブランドショップがあった。 見ると数人がビル横の狭い通路に入っていった。椿 「うむ、我々はこっちを処理しよう。 警察も数が多すぎて手に負えていないようだし。」武藤大介 「オスっ、そうしましょう。」椿 「利江ちゃんは危険だから、通報したら離れた所で待機していて下さい。」利江 「分かりました。」椿 「行きましょう。」武藤大介 「オスっ」 利江を残して走り出す2人。 辺りを見回し、公衆電話に走る利江。 そして、利江 『もしもし、警察ですか? ・・・・・』 -つづく-第182話 厳戒令をぶち壊せ 6 へ(残念だが遊びはここまでだ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。
2007年04月23日
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. こちらはビル街にある1F宝石店。 案の定、人相の悪そうな連中が大きなハンマー、斧などを手にぞろぞろと店先に集まり 出していた。 一人が、大型の斧でシャッターに向かって一振り! おぉりゃっ ガシャーーン 大きな音と共にシャッターに一筋の線が入り、大型の斧が刺さった。 円弧の陣形となりその様子を見ている他の連中。 シャッター前の先頭では、再び大きな斧を振りかざして次の一撃をお見舞いする。 おぉぉぉりゃゃゃ 斧が唸りを上げて、まさに一筋の切れ間目掛けて叩き込まれんとしたその時、 サッ パシ☆ !? 振りかざした大きな斧が、いつのまにか目の前に現れた一人の少年の手の中に ピタっと納まっていた。こういち 「ねぇ、やめようよ。 こんなこと。。。」盗賊 「な、なんだこのチビ?」こういち 「ね、もうおわりにしようよ。」盗賊 「何言ってかなぁ、このチビは。」盗賊 『おらおら、怪我しないうちにとっとと退きなっ!』 円弧状に待機していた後ろの盗賊達が、こういちの排除にと前に歩を進めて、 大きな斧を片手で受け止めているこういちのドテッ腹目掛けて、最初の一人が アンダースローの様に下から強烈なボディーっ! ズボッ グキっ盗賊 「どうだ、これで少しは大人しくな・・・・・」 まともに入ったはずなのに顔色を変えず、なんとニコっとその盗賊に笑みを返すこういち。 それを見て口が止まり、手が激痛に襲われたことに気が付く。こういち 「ねぇ、やめようよ。。。」 こういちに一発お見舞いした盗賊、盗賊 「う、うわぁぁぁぁ!」 自分の殴りにいった手を見てから悲鳴を上げる。 見ると手首が骨折したかのように逆に折れ、おびただしい鮮血が流れていた。盗賊 「バカ、殴るとこを間違えたんじゃないのか。 退いてろ。」 続いて のこのこ とこういちの横に出てきたのは、大きなハンマーを手にしていた男。 サイドスローのように横から同じくこういちのドテッ腹目掛けて振り回したっ! 『くらぇぇぇぇ』 彡ズボッ★ こういちの腹にめり込む巨大ハンマー。盗賊 「へへ、どうだ小僧。」 だが・・・・こういち 「手加減してあげたのに・・・・・まだ解らないかなぁ・・・・ ねぇ、やめようよ。」盗賊 「な、なんだとっ!」 間違いなく自分の振り込んだハンマーは目の前の少年にヒットした。 だが、ニコニコと笑顔で語る少年の姿・・・・。 血相を変えるハンマーを打ち込んだ盗賊。 無論、他の盗賊達もやっと現実と認識し始めた。盗賊 「くそ、こんガキっ! これでどうだぁぁぁっ! 」 数歩下がり、手にしたハンマーをビュンビュンと振り回し、勢いを付けて 再びこういちのドテッ腹目掛けて気合の一撃っ! 『うぉぉぉぉぉぉぉっ! 』 渾身の力をこめたハンマー、その威力は見ているものが目を覆うばかり! 気合の入ったその先端が、こういちの腹にヒットした瞬間、 キーーーン ボキっ ===== 彡ゴスっ ゴロゴロ 盗賊達が、一斉に後ろのビルの物音で振り返る! なんとそこには こういち目掛けて振りかざされたハンマーの先が、向かいのビルの 外壁に当たり 穴を開けて下に転がる姿だった。盗賊 「う、うそだ・・・・・」 ハンマーを振りかざした盗賊、折れたハンマーの柄を手にしたまま震えだし、 掴んでいた柄を手から落とし、 カラ~ン しびれた手を顔の前に差出しながら、その場にヘタリ込んでしまった。盗賊 「な、なんだ・・・!? 」 今度は掴まれていた斧を引き剥がしに掛かった先頭の盗賊。 だが、こういちの手にする柄が、どんなに力を入れても微動だにしない。盗賊 『バ、バケ物だぁぁぁ!』 一斉に蜘蛛の子を散らしたかの様に逃げ去る盗賊達。 大きな斧を掴んでいた盗賊もその手を離し、オヅオヅと一歩、また一歩と後退し、 逃げた盗賊達の後を追うのであった。 ~ ~ ~ゆうすけ ( よし、大丈夫。 ) 小柄なゆうすけ、屋外に設置されている三階から二階への非常用タラップを 伝って下に降りて周辺を確認し、後続する北見刑事に手で合図する。 背を低くし、玄関脇の厨房の屋根の上の平たいスペースに身を伏せる。 続いて北見刑事も到着。 案の定、この騒ぎがあっても玄関前にはシルバーを着た自衛隊か戦闘員かは分らないが、 3人の見張りと思われる警備員がいる。 ゆうすけの居るその位置からも、街中をうろうろとする住民らしき人影が見える。 数人のシルバー服がその姿を見て駆けつけている。 ゆうすけ 「住人が外に出始めているよ。」北見刑事 「あの騒ぎだからな。 近くの住人が野次馬で見に行ったり、警備の薄いところから区域外に出たりしている のだろう。それがきっと TV で放送されて・・・・」ゆうすけ 「でも、玄関先のシルバーはあそこから動かないや。 やつらが邪魔で、最後のタラップが降りられないよ。」 小声で会話する二人。 ゆうすけは身を低くして、今居る平たいスペースの反対側に行く。 そして見渡した後再び戻った。ゆうすけ 「やはりあのタラップしか降りるルートはないよ。」 その場から下を覗き込んだ北見刑事。 そして、北見刑事 「私がやつらの注意を引くから、その隙におまえはタラップで降りろ。」ゆうすけ 「注意を引くって・・・・」 その時突然、北見の携帯電話が鳴り響いてしまうっ! ♪~ピリピリピリ~♪ 北見刑事 「くそっ、マナーモードにするの忘れたっ!」 そのまま下に飛び降りたっ!ゆうすけ ( おぃっ、普通の一階分よりも高さが・・・・ ) 突然の携帯の音に振り向くシルバーの隊員達。 その視線の先には、二階の屋根から豪快に飛び降りる北見の姿が映るっ! その北見、なんと飛び降りた先には、病院のワンボックスが駐車されており、その屋根に 最初の一歩を、そして続けてさらにその下に降りた! ボン スタ ♪~ピリピリピリ~♪ シルバーの隊員 『そこで何をしているっ!』 『取り押さえろっ!』 一斉に飛び掛るシルバー服の隊員達。 着地した北見刑事は、最初に殴る手を肘で交わし、 続いて後方から来た隊員を伏せてから肘打ち、 そのまま最初に打ちに来た隊員を担いで背負い投げっ! 三人目は、立ちすくんで見ているだけだった。北見刑事 ピっ 『はい、北見。 ・・・・・・・はい、・・・・・はい、・・・・ 分りました、直ぐに向かいます。』 ピっ なんと電話に出てから警察手帳を見せ付けた。 彡さっ北見刑事 「警察だ。 今本庁から連絡で、街で暴動が起きているらしい。 これから駆けつけるところだ。 ちょっと近道をしてここを通った。 じゃましたな。」 立ちすくんだままのシルバーの隊員、そして倒れたまま聞いていた隊員。 そのままだまって北見を行かせたのだった。 この間に下に降りて身を潜めていたゆうすけ、隙を伺ってその場から立ち去ったのだった。 -つづく-第181話 厳戒令をぶち壊せ 5 へ(もしもし、警察ですか) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。
2007年04月20日
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. 突然の出来事にみんな何から話してよいかわからずに まごまごと している中、利江だけがこういちの姿を見て安心したのか、平常通り を装い、普通の会話に場を収めていた。 テーブル下からモゾモゾと立ち上がり始める4人。こういち 「頂きまぁ~す。。。♪」 もぐもぐ みんなの見つめる中、カウンターで一人もくもくとガッついて食べ始めるこういち。 利江も横に座り、その様子を目を細めてニコニコしながら見つめていた。こういち 「ごはん、お代わり~♪」とくさん 「はいどうぞ。」こういち 「昨日から何も食べてなかったんだよね ^ ^;; 」 ようやく椿が口を開いた。椿 「外をそのままの姿で・・・・あの、ウイルスの話は知っているのですか?」こういち 「でっち上げの出来事だったらしいよ。」利江 「やっぱり・・・・」美咲先生 「その情報、どこで手に入れたの?」こういち 「さっき、ゆうすけがおじさんと会話してたから。。。」美咲先生 「ゆうすけ君と北見さんが・・・?」こういち 「うん、一緒にいるみたい。。。」椿 「みたい・・・・って・・・」こういち 「会った訳ではないから。」美咲先生 「会ってないっ・・・・て?」 もぐもぐこういち 「昨日の昼までゆうすけと一緒だったんだけど、途中で分かれてしまって。 ゆうすけは今、おじさんと一緒。 会話からすると、国立病院にいるのかもしれない。」美咲先生 「そのぉ・・・・、会ってないのに・・・・聞いたの?」こういち 「うん。 ゆうすけの考えていることが、不思議とわかるんだよ。 子供のころから。。。」 ぱくぱく美咲先生 「まぁ・・・二人はそんなことも出来るの・・・・」 もぐもぐこういち 「でさっきね、この病院では実は死者がいないと看護婦さんから聞き出したと。 事件の裏には政府が動いてて、その糸引きはあの組織だとか言ってた。 なんでも、何かの時間稼ぎかもねとも。 でさ、マスコミ通じてこの閉鎖を政府にやめさせるとか言ってたの。」椿 「それで花火・・・・か。。。」こういち 「うん。。。 ごちそうさま~♪」椿 「一度に・・・・あれもこれも・・・・頭の整理が付かないよ。」 こういちの食べ終わった食器を流しに運び、自分が洗う利江。こういち 「ふぅ~、生き返った♪ もうお腹ペコペコで動けなかったんだもん。 さてっと、椿さん、武藤さん、ちょっとお仕事を手伝って~。。。」武藤大介 「仕事・・・?」こういち 「お金は出ないけど・・・・ ^ ^;;; 」椿 「何を手伝うんだい?」こういち 「コンビニ、スーパー、その他の店。 食料の争奪、騒ぎに紛れた強盗が起きると思うから、警察屋さんが来るまで、 おいらたちが守らなきゃ。。。」武藤大介 「な、なるほど。。。」こういち 「これだけの騒ぎになれば。。。って、ゆうすけとおじさんが言ってた。」椿 「その通りだ。 よしっ」~~~ ~~~ ~~~ 病院の一室では、二人が窓枠に取り付けられていた鉄格子をゆうすけが手にしていた ドライバーで外していた。ゆうすけ 「あとはこのカーテンを縛ってっと。。。」北見刑事 「逃走なんて初めての経験だな。 カーテンをロープ代わりに下のエントランスに降りて、横のはしごを使ってって、 おまえ良く逃走ルートを割り出すな。。。」ゆうすけ 「ここは病院だもん、火災に備えて避難経路はしっかりとしているだろう? それを使えばいいだけの事じゃん。 そこの扉は鍵を開けることの出来る道具が無ければさ、無理。 そしたらそれしか無いじゃんよ。 普通の選択肢。。。 じゃ、行くよ!」北見刑事 「よしっ」~~~ ~~~ ~~~ 近くのスーパーの前を小走りに通過する4人。 椿 「ここは堅固なシャッターだから大丈夫そうだ。それに人影もない。」利江 「じゃ、この先のコンビニに。」こういち 「おいら一足先にビル街に行って来る。 食料の他に宝石や貴金属店も狙われるだろうから。 そこは凶悪な人が来るだろうし。。。 利江ちゃんは、発見したらすぐに110番に連絡してね。 この人数ではたかが知れてて押さえ切れないから。」利江 「分ったわ。」こういち 「武藤さんも警察来るまで無理しちゃダメだよ。」武藤大介 「おぅ!」 話し終えると スパッ☆ とその場から走り去るこういち。 3人の視界からはあっという間に消えてしまった。 3人が目指したこの先のコンビニ。 案の定、既に店の前には人だかりが出来ていた。椿 「急ごう!」~ ~住人 「開けろぉぉっ!」 バンバンバン 店を覆うガラスに向かって拳を叩き込む住人達。 そこの店主は明かりを消し、施錠をしっかりとかけてひっそりと奥にたたずんでいるようだ。住人 「おい、そこを退け。 この重しでぶち壊そう。」 一人の住人が、手にしたポール立て用のコンクリート架台を持ち上げて、 群集の後方からからフラフラと歩み寄る。 そこへ、武藤大介 「やめんかいっ!」 彡バシっ ゴスン コンクリートの台を叩き落とす武藤。椿 「こんなことをして何になるんですか! やめて下さい!」 さっと店の前に立ち、手を広げて住人に言い聞かせる椿。 その様子を近くの公衆電話から通報する利江。住人 『うるさいっ、そこをどけ! 』椿 「やめるんです、冷静になって下さい!」住人 『この若造をだませらろっ!』 『おぉぉぉ』 気がイラ立ち、前後の見境い、良し悪しの判断が薄れてしまっている住人。 目の前に立ちはだかる椿に向かって一斉に襲い掛かったっ!椿 「仕方ありません、少し寝転がって頂きます。」 そういうと襲い来る住人に身構えて、次々と蹴散らす椿。 はいっ ダン はいっ タン そりゃ、 ダン 後方では武藤も、 そいっ ダン ほぉっ タン とりゃ、 ダン サンダルを履いたおじさん、めがねを掛けたおとうさん、大学生と見られる青年達は、 次々と椿、武藤らにテンポ良く倒されていく。 椿らは、投げられた人達がケガをしないように、掴んでいた襟、袖をきちんと引っ張り、 衝撃を和らげながら地面に倒していく。 後方でその様子を見て、足がすくんで動けない住人もいた。 転げる住人達の中、息を切らすことも無く、椿と武藤の二人だけが身構えて立っていた。椿 「みなさん、私は高校柔道、全国大会個人戦3位、そして彼は中学柔道、全国個人戦優勝 という実績があります。 素人のみなさんが何人掛かってきてもまだまだ投げ続けることが出来る状況です。 でも手荒いマネはこちらとしても願い下げです。 まずは少し冷静になりましょう。」 倒されたまま、椿の話に耳を傾ける住人達。椿 「みなさんが背に腹は代えられない気持ちは判ります。 しかし、このように襲撃してまで自分だけ良ければ・・・・ というのはどうかと思います。 もうすぐこの厳戒令も解けるはずです。 我々の街です。騒ぎを起こさずに、もうしばらく辛抱して下さい。 幸い、ウイルスの危険は回避できそうだとあるスジから聞いてます。」 顔色と形相が変わり、平静を取り戻した住人達。 お互いに顔を見合わせから静かに立ち上がり、その場から立ち去る姿が見れた。 -つづく-第180話 厳戒令をぶち壊せ 4 へ(ねぇ、やめようよ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。
2007年04月16日
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.北見刑事 「そうだ、足止めだ。 つまり時間稼ぎってことさ。 その方法として、知り合いの国のお偉いさんにお願いしたってことだ。 実害が出なければ今回のようなケース、別に不思議ではない。 マスコミに知られず事を沈静化すれば、死者が増えない限り、国民は文句は言わない だろうしな。 ウイルスを突き止めた振りして "駆除をした" で済む。 実害があるとしたら、機動隊、自衛隊を出動させたその経費だろう。」ゆうすけ 「待って。 すると、国はその費用の穴が埋まればある意味、動けたってことだよね。 まぁ、組織はそれ以上に払っているとは思うけど。 その実費の部分で、自衛隊の動員人数を減らす手伝いとして、 やつらの戦闘員を使わせた。 こんなところかな。 そういえば、市民に危害を与えずに、まじめにやってたぜ、やつら。。。」北見刑事 「推測ではあるが、一つの筋が通るな。。。」ゆうすけ 「こりゃ、大方決まりだぜ (^_-)b 」北見刑事 「組織の連中、時間稼ぎってことは、また何か新たな企みがあるってことだぞ。」ゆうすけ 「どこへ行ったかは、皆目見当が付かない。 その資料が全くないんだ・・・・。」北見刑事 「国内の怪しい動きは私が情報を入手するよ。 今回の一連の推測。他の見方は?」ゆうすけ 「出来ない。」北見刑事 「なら決まりだ。 まずここから抜け出さなくては。 そして今回の嘘を国民に知らせなければっ!」ゆうすけ 「うん、相手は国だからマスコミがいいね。 おやじ一人が報告してもモミ消される だけだから。 えっとね、ここの病院内は外部との通信、全部ダメ。 おやじの携帯も建屋内だと もしかしたら妨害か遮断されてダメだと思う。 そして普通の自衛隊に紛れて戦闘員がいるからね。気をつけて。。。」北見刑事 「倒せないまでも、ひるませたり時間稼げればいいんだろ。 そのくらいなら出来るさ。。。」ゆうすけ 「たのんだぜ♪ 師範代~♪」北見刑事 「ばか、茶化すな・・・・。」ゆうすけ 「はぃはぃ。。。」 その時! ドッカァァァァァァン! ズシーーン北見刑事 「な、なんだっ!」ゆうすけ 「何かが爆発した音だ・・・・」 二人の居る部屋の窓から、区域境界線と思われる辺りの一箇所が、 明るい炎に包まれているのが見えた。北見刑事 「何が起きたか判らんが、チャンスだ!」ゆうすけ 「うん!」~~~ ~~~ ~~~ 爆発現場の区域境界線付近。 区域外側の隣接した道路には、通行人などの人集かりが出来ていた。 その境界線で道路の閉鎖に一役かっていた一台の戦車が、甲羅を背にした亀がひっくり 返ったような有様で走行用のキャタピラを上に露出させ、漏れたガソリンが引火して 爆発し、吹っ飛んだようだ。 『 南流 空撃波 』 見る見ると野次馬の数が増えていく。 マスコミ関係者も続々と集結し、生放送でその映像 を流し始めた。 『危ないですから近寄らないで下さい!』 突然の出来事で、警察、自衛隊等、ドタバタとしながらの規制。 統率がうまく取れていないようだ。 ピー、ピー、ピー 『下がって下さい!』 笛を吹きながらの警察官、 野次馬の数が多すぎて、静止しきれていない。 尚も後ろから押され、野次馬の列がどんどん押し寄せてくる。警察官 「おぃ、応援はまだかっ!」 「連絡は取れているんですが、群集が道路を塞いでおり、駆付けに時間を要している もようです。」 すると今度は、1km ほど離れたところで! ドッカァァァァァァン! ズシーーン 群集の顔が、一斉にその爆発音の方角に向けられた。 辺りを見回すと閉鎖区域内、柵の向こう側にも敷地内の住民で溢れていた。 壊れた柵から、その区域内の住民達が、怒涛の如く押し寄せて区域外に流出を始めた! 自衛隊員 「区域内の住民の方は、区域外に出ないで下さいっ!」住民 「なに言ってやがるっ! 俺たちは感染してねーーんだよっ! このまま食料も調達されないまま くたばってたまるかーーーっ!」 「そうだそうだっ!」 自衛隊員の静止もまったく聞く耳も持たず、次から次へと住民が押し出てきていた。 もみくちゃにされる自衛隊員達。 こうなると、もう歯止めは利かなかった・・・・。~~~ ~~~ ~~~ 一階の店内に上がってきていた利江ら3人。 美咲と会話しているときのことだった。 ドッカァァァァァァン! ズシーーン美咲先生・利江 『きゃーーー!』 突然の爆発音で、みなテーブルの下に伏せる。椿 「何があったんだ・・・・」 只今入った情報です。閉鎖されている現場で爆発があったようです。 カメラ をそちらに移します。 店内のテレビに一堂が注目する。 駆けつけるカメラの映像も生映像らしく、カメラマン が走りながらで映像が上下に 揺れながら赤く燃え盛る炎 に向かって近づいていく。 テーブルの下からTVの画面に注目する5人。武藤大介 「せ、戦車がっ!」利江 「ひっくり返ってるっ!」美咲先生 「一体何が起きたの !? 」 すると今度は別の場所から、 ドッカァァァァァァン! ズシーーン美咲先生・利江 『きゃーーー!』 再びテーブルの下に伏せる。 TVの映像でも、音の方向にカメラを振り、遠くビルの合間から明るい火柱が 上がる姿を捕らえていた。 そして映像の片隅に、群集が区域外に流れ出す姿も。 続いてカメラは、流れ出す群集の静止が出来ず、もみくちゃにされる自衛隊員にズーム が寄り、辺り一帯が騒然としている光景が流れ始めた。椿 「住民がチャンスとばかりに押し寄せている!」武藤大介 「わしらも・・・・」 その時、店の入り口の扉が開いた。 ガラガラとくさん 「お帰りなさい。」こういち 「よっ♪」 そこに現れたのは、こういちだった。利江 「こういち君!」椿 「こういち君。」 テーブルの下からそれぞれ顔を上げて。こういち 「今、花火をあげてきたよ。。。」武藤大介 「なんとっ」椿 「で、ではあれは・・・・」 TV を指差し、話す椿。こういち 「あれはおいらさ。」美咲先生 「まぁ・・・・」とくさん 「はい、夕食ですよ。。。」 カウンターに食事を乗せながら。こういち 「かぁ~、ありがて~♪」 一目散にカウンターに駆け寄るこういち。利江 「ダメっ、ちゃんと手を洗ってからよっ!」こういち 「あ、そっか。。。」 -つづく-第179話 厳戒令をぶち壊せ 3 へ(頭の整理が付かないよ。) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。
2007年04月11日
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. 地下室で食事を取る3人。 食する箸を止め、利江 「なんだか不思議ですよね。 私達、別にオリンピックの出場や金メダルを狙っている訳でもないのに。 それ以上に身が入っているっていうのか。。。」椿 「オリンピックを目指して練習したことはないのだが、なんかこう・・・・ 実質的にというか、必然的にやらなければいけないというか。 身に着けないと、自分がこのままでいられない感じがしている。」武藤大介 「わしはオリンピックを目指しとったです。正直なところ。 しかぁし、その夢は捨ててはおりゃせんが、目的が異なっとっても、 今の練習は目指す方向性が一緒ですから、なぁんも気にしとらんです。」椿 「うむ、実に実践的で効果的な練習が出来ている。 半年前の自分と戦っても、見下すくらいの余裕が、あるいは力の差が歴然と分る。」利江 「武藤さんもかなり引き締まってきましたよね、肉体が。。。」武藤大介 「そうかもしれんとです。 以前はそれだけ無駄な贅肉もたくさんあったってことかもしれんですと。」 ごはんとおかずをほお張り、がむしゃらに口に放り込む武藤。 もぐもぐもぐ ぼーっと地下練習場のスペースを見ていた利江、利江 「ここで毎日朝晩、こういち君はお姉さまと練習しているのね。。。」 先程の和恵とリツコの立会っていた姿と、こういち、和恵が立ち会う姿に照らし合わせて 見つめていた。椿 「彼らには・・・・これでも狭い・・・・のか・・・・。 あの空中を行き来するステップの鉄の板、 みると全加重をガッチリと受け止めるのではなく、少したわむように設計されている。 きっと、まともに受けると板が破損してしまうからかもしれない。 それに奥のサンドバックを見てみると、 なんという大きさ、なんという堅固な皮巻きの施し・・・・。 それがうちの体育館同様に、天井真ん中にあるレールにつるしてある。 あの吊るしてある長さ。 仮に動かせても、振り子の様に戻ってきてしまうことだろう。 あれをレールで移動させているってことだ。 上の車輪、ツルツルでピカピカ☆だよ。 つまり常に可動しているからさび付いていないんだ。 なにか重機でもってゆっくりと動かさないと、レールを走ってくれないだろうな。 我々が何人掛かっても、きっとピクリとも動いてくれないことだろう・・・・。 吊るしてあるのもチェーンではない。 幾重にも束ねられたワイヤーだ。 それも、つり橋でも引っ張るような太さ・・・・。 まるで想像もつかないよ、この道具を使って練習だなんて・・・・。」利江 「ですよね・・・・。 でも、まだまだある道具もそうですけど、このくらいの品物じゃないと、 受け切れないって証でもありますよね。」椿 「・・・・・ 確かにそうなるな。 見れば見るほど・・・・・言葉が出ない・・・・。」 もぐもぐもぐ 二人の会話を "我関せず" とばかり、ただひたすら食事に没頭する武藤。利江 「あっ !!」椿 「どうしました・・・?」利江 「ここへ来るとき・・・・」椿 「こちらに来るとき。。。?」利江 「はい、昨日ここに来るときに、一匹の猫に逢いました。」椿 「何かと思えば。。。猫ちゃんですか。。。 それがどうかしましたか・・・?」利江 「普通に、生きてました。」椿 「そりゃまぁ・・・・生きているでしょうが・・・・」利江 「違うんです、私達と同じように。。。 私もそこを通過してここへ来ました。 今のところなんともありません。」椿 「そ、そうか !! 今は正体不明のウイルス事件が・・・・」利江 「そうよ、なんともなかったの。 首輪していなかったから野良猫だと思うんだけど、一晩、それに昨日一日外にいたのに なんともないのっ!」椿 「我々は道路を消毒作業をしていないのだから、どこに居ても同じと見切り発車でここに 来たが、TVの報道では 感染者は 『一時間後に死亡』 と伝えていた。 無造作に外にいる猫、すなわち道路の生物にはまだ伝染していないってことだ。」利江 「ただ、人間には発病して、猫には発病しない病気なら別の話になるけど・・・・」 もぐもぐもぐ 未だ食べることに夢中の武藤。椿 「よし、食べ終わったら美咲先生にも尋ねてみよう。」~~~ ~~~ ~~~北見刑事 「特務機動隊に命を狙われた?」ゆうすけ 「あぁ、あいつら、完全に俺たちを捕まえるために工場に来たんだよ。 俺たちがあそこに行くことを知ってて、そこに差し向けた・・・・。」北見刑事 「だが、特務機動隊は・・・・」ゆうすけ 「総理大臣、または副総理までの指示にしか従わない。」北見刑事 「そうだ。 だとすると・・・・」ゆうすけ 「やつらとその3人の誰かが繋がっていることになる。 だけど、前日の工場での立ち回りで、機動隊が手にするサブマシンガンごときに やられるこういちじゃないことぐらい分っているはずなのに・・・・」北見刑事 「なんと! マシンガンすらも通じないのか! 彼には! 」 驚く北見刑事。ゆうすけ 「弾が止まって見えるから、何十発打っても関係ないらしい・・・・。 で、分ってて差し向けたという意図がわかんねぇ。」北見刑事 「ビルは切断するは、マシンガンの弾も止まって見えるは・・・・ なんという少年なんだっ!」ゆうすけ 「そっちの考察は後後っ!」北見刑事 「あ、あぁ。」ゆうすけ 「そんでもってこっちに帰ってくるとこの有様。」北見刑事 「特務機動隊の人達は・・・?」ゆうすけ 「マシンガン ブッ放したってのに、目の前のこういちの元気な姿を見て、 心はここに有らず。『帰るよ』って言っても返事が無し。 そのままタクシー拾って出てきたから、ケガなんて負わせてないよ。 ところがよおやじ、 このウイルス事件も組織のやつらが一枚噛んでるぜ。」北見刑事 「なんだってっ !? 」ゆうすけ 「しーっ、 デカイ声出すなよ。 なんとよ、自衛隊の中にまぎれ込んでいるんだよ、あの戦闘員達が。」北見刑事 「どうりでバカ強い力で拘束された訳だ。」ゆうすけ 「なんだよ、簡単に掴まっちまうのかよ・・・・」北見刑事 「バカ言うな、自衛隊相手に大太刀回りができるかよ、警察官の身分で。。。」ゆうすけ 「あはは、ちげーねー。 でな、裏が取れたんだよ、今回のウイルス騒動の。」北見刑事 「なんだって !! 裏だと?」ゆうすけ 「だから、デカイ声出すなってーーのっ! そう、こいつはでっち上げの事件だぜ。 まず、防護服を着た自衛隊員達の脱衣所。 消毒も滅菌も無しで脱いでそのまま。 シルバーのは、脱いだらただぶら下げて置くだけだったよ。 自衛隊の体制からしてバイオセーフティーレベルが3以上の取り扱いだろ、 有りえない話だ。」北見刑事 「そうだ。 そう指示を受けている。」ゆうすけ 「なのに入ってきて、コートを自宅で脱いだようにそのままハンガーに掛けるような ことするかよ。 それにな、ここの病院の患者さんには、ウイルスのことは伝えられてない。 そして極めつけ。 ここの看護婦さんに聞いたら、ウイルスなんて発生してないそうだ。 死者は実のところ、0人だとよ。 病院内の行動は、自衛隊の休息地として出入りされている以外は変わってないって ことだよ。」北見刑事 「なんてことだ・・・・。 おまえ、よく調べたな。。。」ゆうすけ 「それより、特務機動隊の件と今回のウイルス騒動の件、自衛隊に国立病院。 どれも [国] が関係している。 そしてやつらの組織もだ。。。 特務機動隊の方は全く世に知られること無く事が済む。 ところがこっちはというと、マスコミの目が光り好き勝手には出来ない、が、 ウイルスならうかつに記者も敷地に入れないだろう。 それに発症がこの国立病院。 事を始めるのも沈めるのにも好都合だぜ。」北見刑事 「どちらも組織と国が・・・・か・・・・ (腕組みをして少し考えてから、) こう考えられないか? 当然、政府に頼める人が居るってことだが、おまえたちが煙たい組織。 今日の工場は夜逃げ同然。すなわち、どこかに場所を移したと考えられる。 すると命が取れなくても時間稼ぎ、何かの足止めが出来れば・・・・。 こう考えると、双方を結びつけることが出来る。」ゆうすけ 「時間稼ぎで足止めか・・・・」 -つづく-第178話 厳戒令をぶち壊せ 2 へ(たのんだぜ♪ 師範代~♪) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。
2007年04月09日
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. 震える手で連射した男の標的となった和恵、 発射された弾がスローモーションのように和恵に向かって飛んでいくっ! (ドックン、ドックン、ドックン)心臓の鼓動が聞こえる 一発目は右手で横に払うようにして、 二発目は再び返す右手で顔の少し右上で、 三発目は左手で少し伸ばすように上で、 四発目はちょっとジャンプして同じく左手で、 五発目は・・・・ そのまま目で軌道を追いながら見逃したのだった。 チューーン 一発だけ、和恵の立つ後方左上の壁に当たった。 店内にいた人には、和恵のジャンプして着地した姿だけが目に映っただけかもしれない。 カチン カチン カチン ・・・・ 無我夢中で、弾装が空になってもまだ引き金を引く黒服の男。和恵ちゃん 「・・・・ おっさん、もう弾はないよ。」 和恵の声に、やっと気づいて引き金を引く指を止めた黒服の男。 例の如くすっと胸を張り、右足体重で左足を少し横に出し、腕組みをした和恵。 そして、和恵ちゃん 「ちゃんと狙いなさいよ。 私はご覧の通りまだピンピンしているわよ。 まったく・・・簡単に引き金を引いたりして・・・ あのねぇ、あんた達! 人の命を何だと思ってるのっ! いいこと、良く聞いて。 この壁掛けになった男のように、戦いに身を投じてきた者はそれなりに 覚悟しているから、万が一命を落としても仕方ないのよ。 でもね 他様の命、自分勝手に殺(あや)めていいはずがないでしょ。 動物でも、昆虫でも植物でも。。。 この世に生を受けたものには生きる権利があるの。 そしてそれぞれに 持って生まれた使命により、それが 別の生き物の血肉になったりして他の 生き物の生きる糧になったり この地球に 生き物に酸素を供給したり、また はその生物が生き続けることで この地球上の何かに役に立つことをしてい るの。 さまざまな形で。 そこに居るあんた達もそう、 子供のころ、足元に居た小さい虫を「踏まれちゃうぞっ」って横に移動させたり、 庭先の花にお水をあげたりしたこと、一度はあるでしょ? その行為が この地球の何かのためになっていたりしているのよ。 助けた虫が その後鳥に食べられ、その鳥をなんだかの動物が食したとすると、そ の連鎖の一部分に関与して、この生物体系に一役かっているってことになるの。 まだ話そうか。 たとえば飲んだ暮れのオヤジ。 こんなやつだってそう。 お酒を飲むために たとえば道路工事の日雇いで働いたとする。 その人の労力のお陰で その後その道路をみんなが使えるってことになるの。 争いごとだって否定しないわ。 それは自分の子孫を守るため、今を生き抜くためだったりだけど、 増えすぎた種の数を調整する大自然の抑制だったりするの。 そんないつかは自分に形を変えて返ってくる、 そしてこの生物共同体のいわば宇宙船『地球号』の共に生活する生き物を・・・ それを人間の、一人の身勝手で無駄に殺めていいはずがないでしょっ!」 それを聞き、手にした銃をフロアーに落とす黒服の男。和恵ちゃん 「今度この人達に手を出したら、壁掛けの人ぐらいじゃ済まないからねっ!」 組んでいた両手を目の前に差し出し 握っていた拳を上に向けて、ゆっくりと 両手のひらを開いて見せた和恵。和恵ちゃん 「全部を取る事ないでしょ。 一発はマジックじゃなくちゃんと機能しているところを示すためにも 見逃したわ。」 そして手のひらを斜めにして、四発全てをフロアに落としたのだった。 ボト ボト ボト ボト和恵ちゃん 「さてっと、あんた達。 これでも、まだ私と遣りたいのかしら。。。」 店内に控えていた黒服の男達、お互いに顔を見合わせてから、 『う、うわぁぁぁぁぁぁ~』 一目散に慌てて逃げ去ったのだった。和恵ちゃん 「割腹(かっぷく)のいい白服のおっちゃん、 葉巻・・・・」 見ると、先程とは反対の足の太ももの上で煙を吹いていた。白服のボス 『うわっ あちちっ!』 パンパン パンパン あわてて立ち上がり、その太ももを両手で叩く。白服のボス 「み、水っ!」和恵ちゃん 「渡さなくていいわ。 白服のおっちゃん 今私が言ったこと、判ったの?」 再び腕組みの姿勢をとる和恵。 ボスは直立不動で立ち上がり、白服のボス 「あつつ・・・・わ、分りまし・・・・あちち・・・・たっ!」和恵ちゃん 「分ったのなら、そこの壁掛けも連れてってちょうだい。」白服のボス 「は、はいっ!」 とても素直に従うボス。 入口付近にいた黒服の取り巻きに指示を出し壁掛けの男を 担いで慌てて出行く。ボスは両方の太ももに穴を開けたままズボンから湧いて出る煙 を残しながら店の階段を上がっていったのだった。 ボスが階段を登り終えたころ、上では。。。白服のボス 『うわぁぁぁぁっ!』 悲惨な光景に驚くボスの声。 見ると、辺り一面黒服男の山。 ある者は白のリムジンのガラスに突き刺さり、ある者は、反対側の電柱にぶら下がり。 通行人の野次馬達がその外周を覆っていたのだった。徳江ママ 「何か・・・未だに良く分らなくて気が動転しているのだけど・・・・ お嬢さん、まずはお礼申し上げます。 通りすがりとは言え、わたくしのこの命を救っていただき、ありがとう ございました。」和恵ちゃん 「気にしないで下さい。 本当に通りすがりの出来事なので。。。」 テーブルの上においてある保険申込書を手にして引き裂く和恵。 ビリビリ徳江ママ 「本当になんとお礼申し上げれば良いのか・・・・」和恵ちゃん 「いいんですってば。。。 でも命は粗末にしないで下さいね♪ じゃ、私はこれで。」 すっと振り向く和恵を引き止める徳江ママ。徳江ママ 「お待ち下さい。 このままお帰りになられてはわたくしが困ります。 せめて夕食でもここで召し上がっては頂けないかしら・・・・」 うまいタイミングで、和恵のお腹が鳴る。 くぅ~和恵ちゃん 「あはは・・・・^ ^;;; 」徳江ママ 「決まりですわね。 この有様では今日は営業できませんから。」_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/とくさん 「この出来事がありましてからのお付き合いをさせて頂いております。」美咲先生 「拳銃の弾も掴んでしまうの !? あの女(ひと)・・・・」とくさん 「私は出会った時にそんな光景を目にしましたから、今では驚くことがありません。」美咲先生 「そうですよね・・・・私もまだまだなんだなぁ・・・・・。 それで、そのホステスさんの借金って・・・・」とくさん 「そのお店、権利書を親しい代議士の方に相談しまして。 お店は五月ちゃんがママになる条件ですが喜んで買って下さいました。 少し予定より多く手元に入りましたので、千紗ちゃんに利子の分まで添えて渡しま した。 かたはしっかりと付けることができました。」美咲先生 「とくさんもしっかりものの強い方なんですね。 でも、突きつけられた選択肢では選ぶことがなかったお店の・・・・ よくそちらでけりをつけることが出来ましたね?」とくさん、 「あのとき。。。 一度は亡くした命ですから。 死んだ気になると、なんでもできるんですね (^ ^ 」 笑顔で返すとくさん。とくさん 「あとは売却した残りの現金と、蓄えの全財産を持参して、 和恵さんのところに私が押しかけたんですの。 当時まだ中学生で、まともに働くことが出来なかった和恵さん、 小さいアパートに一人住まい。 手元の費用は親から予めもらっていた僅かな残りだけでしたから。 そこでこの居酒屋を自宅と抱き合わせで建てて、最初は私がおかみとして 始めたんです。」美咲先生 「そうだったんですか。。。二人にそんな経緯(いきさつ)が。」とくさん 「わたくしは、今申し上げた通り、一度亡くした命です。 これからの人生とこのわたくし自身の全てを和恵さんに捧げるつもりでおります。 ご本人には荷が重くなると思いましたので、はっきりとは申し上げておりませんが。 言葉よりも行動で示す所存です。 それに命を救われた以上に、和恵さんの考え方に感銘を受けた次第でして。」美咲先生 「そういえばこの間、こういち君も中学生らしからぬ同じようなことを口に していたわ。」とくさん 「和恵さんの教えが活きているのか、ご両親からの・・・なのか。 お二人共、素敵なお考えをお持ちです。」美咲先生 「こういち君といい ゆうすけ君といい、子供じゃなく大人にすら見えることが あるんです。一方ではまだ子供だったり・・・・。 変な子たちの担任になったものだわ。 教え甲斐があるのかなんだか分らないわよね ^ ^; 」とくさん 「ひねくれていない、純粋な心をお持ちのところが何よりだと思いますよ。。。」美咲先生 「そうですよね。」 -つづく-第177話 厳戒令をぶち壊せ へ (ここに来るときに、一匹の猫に逢いました) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。
2007年04月06日
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.和恵ちゃん 「はぁ、もぅやってらんない。 そこの割腹(かっぷく)のいい白服のおっちゃん、 咥えてた葉巻、ズボンに落としてるわよ。」 ポカンと口を開けた白服のボスの太ももに、咥えていたはずの葉巻が転がっている。 そして太ももの白いズボンを黒く焦がして煙を巻き上げ始めていた。 じわっとその辺りが黒く変化し始めたころ、白服のボス 『うわっ ちっちっ!』 パンパン パンパン あわてて立ち上がり、その太ももを両手で叩く。白服のボス 「み、水っ!」 中でもいち早く正気に戻った一人のホステスが、コップに水を酌んできて コップをボスに差し出す。 それをむしり取ってボス、 ジャーー ジュっ 太ももにポッカリと空いた穴。 その周りが黒く焦げていておまけにビショビショ。 その中に、赤く腫れ上がったミディアムレアのロースの脂身が顔を出していた。 ちょっとおまぬけな姿だ。和恵ちゃん 「ひと一人を殺めようって人が、そんなちっぽけなことでギャーギャーと騒ぐな!」 この出来事で、店内の全員がほぼ正気に戻り始めた。 立ち上がっていた腰を再びイスに落としながらボス。白服のボス 「お、お嬢ちゃん、あんたがなんでここに・・・?」 突きだした左手でぶら下げたくすんだ色の格闘着を下におろしながら話す和恵。和恵ちゃん 「ただの通行人Aだけどね。 通りを歩いていたら、なにやら怪しい集団が一人の女性を連れ込んでいたでしょ。 それも衣服ボロボロ。 引きずるようにじゃ。 興味が湧いちゃうわよね。 上のおじさん達に聞いたんだけど、教えてくれないから自分で見に来たって訳~♪」白服のボス 「その通行人Aのお嬢ちゃんが、今、ここで何をやったんだ・・・?」 今目の前で起きた出来事を、一つ一つ確かめるように聞いてくるボス。和恵ちゃん 「見ての通り、入ってきて浮いてた塊(かたまり)を止めただけよ。」白服のボス 「塊って・・・・」 その一言でその場に居た一同が、フロアーに転がっている一つの銃弾に注目した。白服のボス 「そりゃハジキの弾だぞ・・・・ それが浮いてるだと?」和恵ちゃん 「そうね。 後ろに空気の[渦]が出来ていたけど。。。」 と話す和恵の後ろから、千紗を担いできた数人の黒服の男たちを掻き分け、 一人のガタイの良い男が前に歩み出てきた。 そして、ガタイの良い黒服男 「ボス、そりゃなんかのトリックですよ。 ハジキの弾を掴むなんて芸当、出来る訳がない。 話も催眠効果のひとつに過ぎない。 この私がマジシャンの鼻を明かしてご覧に入れましょう。」 着ていた上着を脱いで横に投げ捨てた。和恵ちゃん 「あらあら・・・・・ 居るのよね、どこにでもこういう出しゃばりさんが。」 手にぶら下げた くすんだ色の格闘着 を横のイスに放り投げ、次に 足元にへたり込んでいた徳江ママを抱き上げ、和恵ちゃん 「大丈夫ですか・・・? こちらで休んでいてくださいね。」 と、長イスに抱きかかえたまま移動させた。 続いてフロアに寝そべっていたホステス千紗も同様に別の長イスに横たわらせてから、和恵ちゃん 「マジシャンか。 素人さんにはそう言われてもしょうがないかもね。」 すっと胸を張り、右足荷重で左足を少し横に出し、腕組みをした和恵、和恵ちゃん 「出しゃばりのおっちゃん、 なんでも自分が強い、一番、でしゃばればねじ伏せられるなんて思わないことね。」ガタイの良い黒服男 「くっ、口だけは達者なようだな。 その胴着からして、拳法か何かかじっているようだが、 そんなものが何にもならないこと、おれが教えてやるよ。 たった今から、このおれが捻り潰してやる。 断っておくが、女のガキだからって容赦しないからな。」和恵ちゃん 「いいわよ。 私もね、今日はとっても機嫌が悪いの。 身体も気合が入っちゃってるから、手加減できないかも。 だからそのつもりでいてね。 さっ、ごたくはもういいから早くいらっしゃい。」 なんと和恵、腕組みをしていた右手を、ガタイのいい黒服男に向かって差し出し、 人差し指で、おいでおいで と合図したのだった。ガタイの良い黒服男 「なまいきなガキだ! おれに挑発などっ! ゆるさんっ!」 『 うぉぉぉぉぉぉぉ! 』 一気に前に出るガタイの良い黒服男、 完全なボクシングスタイルのステップ。 両手の拳を顔下に収め、低い姿勢で軽やかな左右に振るステップで和恵に迫る。白服のボス 「ヤツはウエルター級の元世界チャンプだ。 あまりに強すぎて、何人もの対戦相手が病院送りに・・・・ その後は試合をさせてもらえず引退。 お嬢ちゃん、死ぬぜ。」 イスに座り、ニヤけながらつぶやくボス。 それを聞いた徳江ママが はっ として今まさに激突する二人を振り返って見た。 ドスっ 店内に響くにぶい音。白服のボス 「かわいそうに、ボディに一発か。。。」 先程落ちた葉巻を拾って、口に咥えたボス。 戦況は見えていない。 だが・・・・和恵ちゃん 「ねぇねぇ、ボディー一発ぐらいで沈まないでよね。」 !! っ その一言で、慌てて店内中央で激突している二人を見たボス、 再び口に咥えた葉巻を下にポロリと落とす。ガタイの良い黒服男 ( うぐぐぐぐ・・・・・ ) ガクンと両膝をフロアに落とす。 顔は赤く力(りき)み、目には血管が浮き出ており、口からは泡を吐く姿が・・・。和恵ちゃん 「ちょっとぉーーー、 話が違うでしょ! 容赦しないでガンバッてくれるんじゃなかったのっ! このぉぉぉぉぉぉ、嘘つきーーーっ! 」 彡ズコーーーーーン! 苦しそうに目の前で膝ま付くガタイの良い黒服をYシャツの襟ごとつまみ上げ、 そのまま上に放り投げると、まさにサッカーのボレーシュートの様に右足で その落下するガタイを "く" の字に曲げるほどに、強烈に蹴り抜いたっ! ぐわっ ガシャーーン ガタイの良い黒服男は、ものの見事に横のスモークガラスに背中から突き刺さり 腰から下だけを無残に ぶら~ん とさらしたのだった。和恵ちゃん 「これでもがんばって手加減したつもりなんだけど、そんなやわな身体じゃ・・・」 店内はシーーンと静まりかえっていた。 その静けさの中、先程銃を撃って立ちすくんでいた一人の男が、 再び店内を緊張の堝へと変えた!黒服の男 「嘘だ・・・ 嘘だ嘘だっ! こんなの現実じゃねぇぇぇぇっ! 夢だ、おれは夢を見ているんだ。 そうだよな、これは夢なんだよ。 夢なら何やってもいいんだよ。 あはははは 。」 狂ったように大声を出す黒服の男。 そして、黒服の男 「おい女。 こいつの弾が、浮かんで見えたと言ったな。 ならもう一度同じことをやってみろーーーーっ!」 震えながら手にした銃を、両手で和恵にかざし、 『うわぁぁぁぁぁ!』 バキューーン バキューーン バキューーン バキューーン バキューーン 方向の定まらないまま、連射で引き金を引いたっ! -つづく-第176話 命の重さ 5 へ(おっさん、もう弾はないよ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。
2007年04月04日
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. 黒服の男が白服のボスの顔を見る。 そのボス、 葉巻を口にして、煙を大きく吐き出した。 そして野太い声で、白服のボス 「待てないね。」 徳江ママの厳しい視線がボスに向けられる。白服のボス 「3日とはスピーディーな日数で、 それは評価できる素敵な数字をくれたのだが・・・・・今回、 残念な事に、この借金の費用を別件に回す予定だったんだ。 それも 明日の午前10時までに都合しなければならない。 つまり、そんなに時間がないってことよ。」徳江ママ 「明日の10時・・・・」白服のボス 「そう、明日の10時だ。それまでに現ナマ、またはそれに代わるものが必要なんでな。」徳江ママ 「無理です。 明日の午前中までになんて・・・・」白服のボス 「まぁ、現金でってことになると中々2億って額がすぐって人も少ないわな。 そこでだ、 現金に代わるものの条件を用意してきたよ。」徳江ママ 「現金に代わる条件・・・・」白服のボス 「ありがたいだろう。それも2つも提案できる。 つまり選択肢があるってことだ。 感謝するんだな。」徳江ママ ( ・・・・ )白服のボス 「早速だが、その提案の一つ目・・・・」 息を殺し、唾を飲み込んで聞く徳江ママ。白服のボス 「この店、『高級サパークラブ クリスティーナ』の権利書だ。」徳江ママ 「店の権利書 !! 」白服のボス 「そうだ、その店の権利と交換条件ならば良しとしよう。 権利書がこちら名義ならば、現金ではなくても相手は納得するからな。 オーナーママと聞く。 これなら時間はハンコ一つだ、十分に間に合う。」 突然の話に驚いた徳江ママであったが、落ち着きを取り戻しながら、徳江ママ 「では選択肢となる二つ目はなんですの・・・?」黒服の男 「二つ目はこれだっ!」 今度は別の数枚一組の紙を懐から取り出し、 徳江ママの目の前のテーブルに叩き付けた! バンっ白服のボス 「そいつに必要事項を書いて戴こう。」 徳江ママがその紙に目線を落とす。 今度は少し予測していたのか、至って冷静な素振りで口にした。徳江ママ 「生命保険の加入用紙・・・・。」ホステス 『えっ!』 驚きをもらすホステス達。白服のボス 「そうだ。 そちらに記載してくれれば後の手続きはこちらでやっておくよ。 額面は 250,000,000- 受取人はこの私だ。」徳江ママ 「命と引き換えですね・・・・」白服のボス 「その通りだ。 手っ取り早くて素敵な名案だろう。」 目を瞑ってしばらく無言の徳江ママ。 しばらく考えごとをしていたのであろう、数分後にようやく目を開けた。 開いたその瞳は、覚悟を決めたようにキリっと視線の先をしっかりと見据え、 見られるとなにか突き刺さるのではないかと思うほど険しかった。 すっと立ち上がると徳江ママ、徳江ママ 「判りました。 その加入用紙にサインしましょう。」 その一言を告げた後、用紙の置かれたテーブルに座り直し、胸元から万年筆を取り出して サラサラと記載始めた。ホステス千紗・他のホステス達 『ママ・・・・』ホステス五月 「ママ、何も生命保険にサインをなんて選択しなくても・・・・」 尚もペンを走らせながら、徳江ママ 「いいのよ、これは私の人生なんだからスキにさせて頂戴。 ただね、ここの権利書だけはダメなの、この人達に渡してしまっては。 五月ちゃん、ここのママ、次期候補はあなたに決めてたの。 それに権利が移ると、従業員だって総入れ替えの可能性もあるでしょ? あなた達を困らせたくないもの。 お客様だって、ここに居るあなた達があってこそでしょ。 後はしっかりと頼むわよ。 五月ちゃん、私のバックを持ってきて頂けるかしら。」 しばらくして走らせていたペンを置き、ホステス五月が持ってきたバックの中から、 判子を取り出し、押すところを確認しながらポンポンと押していく。徳江ママ 「さ、確認して頂戴。」 白服のボスに記載した用紙を差し出す徳江ママ。白服のボス 「こちらを選ぶとは思ってもみなかったが、まぁ私はどちらでも構わないのだがね。」 一通り書類に目を通したボス、 顔を上げて黒服の男にアゴで合図した。 すると黒服の男、数歩下がって今度は胸から拳銃を取り出し、徳江ママに向けたっ! カシャ (安全装置を外す)黒服の男 「さぁ覚悟しな。 ぶっ放したら俺もムショ行きなんでな。」徳江ママ 「ちょっと、店の中で・・・・・」黒服の男 「うるさいっ! おれも覚悟がいるんだ! いちいちあそこで、ここでと殺す場所を選択していられるかっ! 決まったらその場でってのがスッキリ手早く済むからなっ 覚悟っ!」 『キャーーー』 店に悲鳴がこだまするっ! バキューーン 話終えて、有無を言わさず引き金を引いた黒服の男っ! その直前、階段下 入り口付近から 突然疾風の如く人影が動いたかと思うと、 シューーーっ パシ ザッ 銃声音と同時に、何かを掴む音。 と同時に通路付近にいた人達の髪の毛やヒラヒラのスカートが ふわっ と揺れた・・・。和恵ちゃん 「この速度から止まるのって、意外と大変なんだから・・・」 そこには足を踏ん張り、右手を逆手にして、 徳江の目の前に手を出していた学生服の和恵の姿が。 急ブレーキにより前方に向かって伸び切っていた格闘着が振り子のように揺れ始めた。 銃をぶっ放した黒服の男は、目を瞑って拳銃を両手で前に差し出したまま。和恵ちゃん 「ちょっと、相手は丸腰なのよ・・・・。 こんなもの ぶっ放して・・・・何考えてるのよ。」 その声に、ホステス、白服のボス、千紗、さらには徳江ママが伏せていた目を開いた。 黒服の男もきつくつぶっていた目を開き、突然現れた目の前の少女に驚いた。 その男の目の前で、徳江ママの額スレスレのところにある逆手にしていた右手を クルっと回し、手のひらを広げて銃弾を見つめる。 そして手のひらの上に転がっている銃弾を下に ポトン と落としたのだった。 フロアーに居た全員が銃の発砲で顔を背き(そむき)、目を瞑った(つぶった)その直後、 なぜか少女の声・・・。 そして目の前に突如として現れた少女の存在、 見るとその少女の手のひらからは、発砲した銃弾が転がり落ちる・・・・。 緊張の一瞬から一転し、摩訶不思議な空間と化した店内。 その店に居た一同、何が起きたのか訳が判らずにぼー然としている。和恵ちゃん 「ちょっとおっちゃん! 聞いてるのっ!」 覚悟して引き金を引いた自分、発砲の衝撃をズッシリと両手に受けた。 次に目を開いた時には、頭を打ちぬかれ、フロア一面が真っ赤に染まり、 倒れ込んだ徳江ママの姿があるはず。 その後警察に自首して刑務所に・・・・。 そんなストーリーが頭にあり、当然の如く、 それに基づくシーンが目の前に繰り広げられているはずなのに。 なぜか・・・・ 今、突然現れた少女が、 きっと・・・・たぶん自分に向かって何かをしゃべっているのだろうが、 まるで聞き取れない・・・・。 『なんで目の前に学生服の少女が・・・・? 今オレは何をやってたんだ・・・・』 視線はどこにも焦点が合っていない力の無い瞳。 全く現状を把握しきれていない黒服の男がそこに居た。 -つづく-第175話 命の重さ 4 へ(ボス、そりゃなんかのトリックですよ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。
2007年04月03日
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