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「未盗掘古墳と天皇陵古墳」松木武彦 小学館 現役考古学者では最も尊敬している松木武彦氏の最新刊(2013年6月発行)。ラッキーにも県立図書館で1番最初に予約が取れた。 考古学者は小説家ではないので、人生の終わりにならないと自伝的な文章は書かない。自分の成り立ちを振り返らない。ここでは、氏の学問領域の方向に大きな影響を与えた二つの未盗掘古墳の経験が語られていて、松木武彦ファンとしてはたいへん興味深かった。もちろん学術的な本なのだが、読み物としても優れている。佐原真氏の本もそうだった。 古墳時代の人々は、実は周りに現在のコンビニの三倍以上、お宮の二倍の数の古墳に囲まれて暮らしていたらしい(16万基)。だから、奈良平安になると意識は薄れたかもしれないが、古墳時代の頃はまさに精神的にも経済的にも古墳とは切っても切れない日々の営みを送っていたのだという。その古墳時代のことは実はまだ多くの事が明らかにされていない。そして、その時代を明らかにする決定的に大きな発掘が表題二つの発掘である。 発掘の真髄は、掘り方ではない、記録にある。未盗掘古墳からは、破壊される前のありとあらゆる情報が復元出来るように記録が出来る(しかも、最近では上に積もった塵から有機物の布などの情報も復元出来るという)。天皇陵古墳を発掘したからと言って、別に被葬者の人種がわかるわけではないという。築造年代は既にわかっている場合が多い。わかるのは、その質と量が明らかになることだと云う。人類史上、文字が現れない以前の巨大古墳文化をつくったのは、エジプト、マヤに次いで日本だけだという。そういう意味では、その文化全体を明らかにするのは人類史上とても意義のあることだと、著者はいうのである。 そういえば、四大文明には全て文字があった。それ以前の人類の意識はどうだったのか、とても興味がある分野のような気がしてきた。 天皇陵古墳では、天皇が現人神だった明治や大正の時代にすら陵墓の治定の変更は行われ、真実に近づける当時なりの努力が払われていたのに、むしろ戦後の象徴天皇制の時代になってから治定の結果が凍結され、そのような努力が一切行われなくなったという。2013年2月の箸墓古墳墳丘の観察と踏査、13年までに行ったニンザイ古墳のすそ部分のトレンチ調査などは、天皇陵古墳の学術的調査の端緒となればいいと著者はいう。私もそう思う。 2013年7月7日読了
2013年07月31日
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「道具と人類史」戸沢充則 新泉社 2012年に亡くなった考古学の重鎮、戸沢充則氏の遺稿を集めたエッセイ集。新泉社の「遺跡を学ぶ」シリーズは氏の発案だったとは知らなかった。たびたび私も感想を書いているが、素人が読んで面白い遺跡報告書はこのシリーズを嚆矢とするだろう。 勅使河原彰氏が巻末に小評伝を書いている。そこに「戸沢充則は、学問を背負う研究者が社会の中で自己責任を果たすために、積極的に社会にコミットすることを実践的な行動で示してきました。文化財保護運動は当然のこととして、1960年代の紀元節復活問題、1970年代の元号法制化問題、1980年代の核兵器廃絶の運動、1960年代から今日まで続く歴史教科書問題などで、つねに主体的に関わるとともに、その時々に適切な発言をし、社会にコミットしてきた数少ない考古学者の一人です。(126p)」と書いている。戸沢充則氏は佐原真、近藤義郎と同様に「未来の人類史」のために考古学をやっている学者だった。 原発事故に対しても「文明の進歩の おごった結果の事故ですよ。ところが、「文明の進歩は、人類にとって本当は危険かもしれない」という問題を1番追求してきたのが考古学者なんです。それなのに、具体的なことは何ひとつ提言できなかった。考古学とは何だったのか‥‥。市民のために歴史を描く学問として構築し直さないと」(132P)と言っている。 戸沢充則氏の専門は石器時代と縄文時代である。私の好きな弥生時代研究では思いつかない視点もあった。22pには、数万年前の石器つくりの再現を丁寧に描写している。それは現代に生きる匠と同じかそれ以上の技術と智恵を必要とするだろう。石器時代の人類が現代の我々よりも劣っているという認識を改めるに十分な「実証」である。また、こんな指摘もあった。 不思議なことに地球上のある一地域に起こった新しい石器技術は、まったく離れた別の地域でもほとんど時をおかずに開発された。それは石器技術に対する人類史的な共通のこだわりによるものだろう。だとすれば人類500万年の歴史が未来にむけて永遠であるためには、現代においても技術は全地球人の共有の財産でなければならない。(25p) 人類をどのように定義するのか。未だ確かな答えのない重要なテーマがある。人類は道具を使い、それによって鍛えられてきた生物なのかもしれない。道具の使い方(例えば原発)は、いつの時代でも人類の永遠の課題である。 2013年6月27日読了
2013年07月30日
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「AKB48の戦略 秋元康の仕事術」秋元康×田原総一郎 アスコム にわかAKBファンと言っても、田原総一郎はやはり小林よしのりとは違い、「いかにAKB現象を大人の商売に活かすか」という発想から離れられない。まあ、だからこそ一般の人にもわかりやすいAKB論並びに秋元康論になっていたと思う。 目次を少しだけ見ても、 ●企画の原点は「根拠のない自信」。根拠を求めるから みんな同じところへ行ってしまう ●ネット時代の「口コミ」は、作り手の予想以上に急速に拡大する ●「共犯意識」がドミノ倒しのように広がるとき、ヒットが生まれる ●雑談の中にこそ、企画のヒントがある ●左右アンバランスのブラウス丈にも意味がある ●リーダーシップとは天性のものではなく、環境が作るもの ●成功する人は、成功しない理由を見つけない ●「戦略がない」のが戦略 ●「秋元康、今日をもってAKBを卒業します! 」と言うときがくる 等々と、ビジネスノウハウがいろいろあって面白い。以下、私なりに「ハッ」としたところを書き写したい。 ●オーディションで完成した娘はとらない。一つだけいいところがあればいい。必ず変わってどんどん良くなっていく。やっぱり見られることが、彼女たちには何よりのエネルギーなんです。 ●AKB劇場は予想よりもはるかに早く満員になった。 →これは私には意外。250人の満員に四ヶ月かかっているが、1-2年の雌伏のときを考えていたらしい。その四ヶ月で第一期生は本気で辞めることを考えていたのに。反対に言えば、必ず当たるという自信が秋元康にはあった。これは彼の凄い処。 ●チャンスは順番に回ってくる。ベランダに置いた鉢植えの様に、光の当たり方は時間や季節によって違う。順番があるんだと。(略)メンバーに「歌も芝居も何でもできる人になりたいですっていうのは無理だ。一つに絞り込め。自分のなかに、これだけはという武器を見つけなさい」と言っています。僕は研究生含めてAKB全員の名前を覚えていますけど、覚えた順番は、たぶん「この子はこんな努力を始めたのか」と気づいた順番なんですよ。 ●「認知」と「人気」は違うと。テレビは何千万もの人ににさせることができるけど、それは「あ、知ってる」というだけのこと。「この人のためなら行列してもいい」とか「どこそこに出かけてこの人に会いたい」というのが人気で、そこまで刺さらなければ、ダメなんだと。 ●400-500曲を聞いて1曲に絞って作詞する。 ●企画書は書かない。奇を衒うのもしない。それも「裏なんだ」と予定調和になるから。何も制限をかけない。どんな提案でも、先入観を持たずに「いいんじゃないの」と考える。それをどこまで出来るかなんです。 ●どんな仕事でも企画はある。仕事がたくさんくる人は必ず何かを考えています。 ●大衆は、ある分野で1人のスターを作って、それで飽きてしまう。AKB48ブームが去っても、ポストAKBはなかなか生まれにくい。きっと、僕たちが予想もしなかったところからブームが起こりますよ。 ●やっぱり人は、初めてのことが1番エキサイティングなんだ。 ●でも、ドーム公演が終わって黄色いビルのふもとの橋を渡って帰る人が「あっちゃんとたかみなの歌が良かった」とか「指原のMC、おもしろいじゃん」という具体的なものが、やっぱり必要です。興奮冷めやらぬ状態で出て来て「いやあ、おもしろかった。」と思っても、冷静になってくると「さて、何が面白かったんだっけ?」というのでは、リピートを生まないんですよ。 ●僕はリーダーシップを高橋みなみから教えられました。リーダーシップとは天性のものではなく、環境がつくるものだと。 ●AKBに嫌がらせとかは最初はあったかもしれないけど、今はない。みんなで目標に向かって悪戦苦闘していたら、隣の子をいじめているヒマなんかないんです。 ●テレビ露出を減らす選択もあるのだろうけど、それはしていない。このまま全力でメディアに露出し続けていたら、大衆はいつ飽きるんだろう、どこからAKBのほころびが始まるんだろうということを、実験しているようなものです。 また、高橋みなみのインタビューもあって、彼女の以下のような「リーダーシップとしての認識」も素晴らしかった。 ●キャプテンは、歌もダンスもみんなより一生懸命やらなくちゃいけない。それプラス「できすぎてもよくない」完璧すぎる人間には、やっぱり誰もついていきたくない。 ●(リーダーとしてやってはいけないのは)「わからない」って言っちゃダメだな、と思っています。例えば、今日は何をやるのとか、この曲の次は何なのというとき。そういうときは必ず「ちょっと待ってもらっていい」と言って、私が聞きにいき、みんなに答えを教えるようにしています。 若干21歳がこの真髄を分かっている。いかにAKBとして鍛えられたのか‥‥。凄い。 私自身は「AKBという現象」を「日本の世直し」に活かせないかな、と考えている。少なくとも、「若い世代の大衆はこの様に動く」ということの見本がここにある。 ●ネットの口コミというのは、数ヶ月から一年で「すべてを覆す」ほどの力がある。 ●何か一つ、徹底的に訴える何かで輝くことが必要。後は「ファンが育ててくれる」 ●幅広く自由な発想で、企画を考える。大きくなればなるほど、簡単に「人は酔う」。しかし、リピーターをつくるためには、「確実な何か」が必要である。認知と人気は違うのである。 等々。 2013年7月3日読了
2013年07月28日
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ご存知だろうか。韓国でのジブリ作品の位置は、日本のそれと遜色はない。ジブリ作品はその初期段階から必ず直ぐに全国上映されてきている。五年ほど前に韓国の旅で一緒になった20代後半の青年は日本語が非常に上手かったが「日本語は独学です。ジブリ作品を見て覚えました」と堂々と言っていた。彼ほど喋れない韓国映画大好きな私が心底恥ずかしかった。 宮崎駿の新作「風立ちぬ」も早9月には上映されるらしい。主人公が戦闘機を作った男だということで、韓国内ではいろいろな憶測が飛んでいるらしい。日本人にもいますが、映画を見る前にその作品を批判するのは最低の映画ファンである。幸いにもこの取材をした韓国の女性記者は真っ当に作品を見ているようだ。 私は既に「風立ちぬ」の映画評を書いているので、くどくどは書かないが、この作品を好戦映画と見るのも反戦映画と見るのも大間違いである。この作品の射程は10年や20年ではない。もし10年ならば、宮崎駿は明確に改憲反対戦争反対の作品を作るだろう。 私は宮崎駿は「人間なんて滅んでしまえばいい」という想いと「人間は大好きだ」という想いがいつも闘っている作家だと思う。基本的にとってもネクラなオヤジだと思う。 でも、数年先のことでは、この記事に書かれたようなことを勇気を持って明確に云う男なのである。
2013年07月27日
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7月23日(火)に放送されたNHKの「検証“ネット選挙"」をあとで録画でみた。 (番組紹介より)自民党が圧勝した参議院選挙。今回、新たにインターネットを使った選挙運動が解禁された。中でも党をあげて積極的に取り組んたのが自民党。インターネット上を飛び交う膨大な有権者の声などを分析するチームを独自に立ち上げ、選挙戦略に役立てた。(略) なるほど、自民党のネット戦略は良くわかった。そういう内容の番組だった。50人の専門チームが世の中の呟きを分析して「アベノミクスの化けの皮が剥がれそうだ」となればそれを糊塗する言い訳を一生懸命考える。「原発再稼働」に国民がナーバスになっていると分析すれば、下手なことは言わないし、安全性の言及は「慎重に」言う。「今日の演説キーワード」をメールで候補者に伝える。 NHKで放送されたのは、もちろん自民党戦略の一部だろうとは思う。それでも、それはさすが金と組織を持っている自民党さんならではの戦略だった。これでいくと、これからは自民党は決して選挙で不利になるような「失言」はしないだろう。(石破「徴兵拒否死刑発言」は四月の発言であり、東京新聞のスクープだった)大きなミスはなくなる。もちろん、自民党はそれ以上のことを考えているだろう。広大な無党派をいかに「取り込む」か、という戦略である。それは多分ネットの中の呟きを都合の良いように「囲い込む」戦略だと思う。 しかし、それは出来ない。何故ならば、自民党のチームは「世界を解釈(分析)して来ただけだからだ。肝要なのはそれを変えることである」(←マルクスをもじりました)。ひとつだけ不安なのは、いっときの「事件」がネットを通じて国民的ヒステリーに転換する可能性を否定出来ないということだけ、ではある。 当初私は、自民党に対抗し得る唯一の政党である共産党はネット戦略で「出遅れた」と評価していた。安倍首相のTwitterのフォロワーは15万だし、確か5月ぐらいになって始めた共産党志位委員長のTwitterは一週間たっても一万弱だった。勝負にならないと思っていた。しかし、都議選の蓋を開けてみると、共産党の候補者のTwitterの呟き数は他党を圧倒していたのである。何故か。ひとつは、親分1人が頑張らなくても語るべき言葉をもつ所謂「同志」たちは他党を寄せ付けないほどに多くいたということである。ひとつは、「語るべき言葉(政策)」が他党を圧倒するほどあったということである。 京都新聞の25日の記事を読むとその辺りの詳しいことがわかる。 ネット選挙に一定手応え 参院選京都、5陣営に聞く 参院選はインターネットを使用した選挙運動が初めて解禁され、京都選挙区で争った候補者もネットをさまざまなPRに使った。ネットは今後の選挙でも一つのツールとして活用が見込まれる。効果や課題について5政党の陣営に聞いた。 <自民>西田昌司氏の陣営は、ホームページで本人が1日の動きや手応えを語る動画を毎日配信し、街頭演説や個人演説会の日程も告知した。公示から数日間と投開票日はアクセスが倍になり、担当者は「投票の参考にした人がいたのでは」とする一方、「集票にどこまで効果があったかは測れない」とも話した。 名簿を基にした電話作戦では最近、相手が知らない番号でかけると出てもらえないケースが多く、メールで投票を呼び掛けたり、演説会の日程を知らせたりするネット選挙は、電話作戦と両立する可能性があるとみている。 <共産>倉林明子氏の陣営は、漫画で党を紹介するなど親しみやすいホームページ(HP)作成と、ツイッターなどSNS(会員制交流サイト)での情報拡散を柱に据えた。HPを頻繁に更新し、党員にはSNSで「新しい情報がHPに掲載されたよ」と発信してもらうことで「文章を書くのが苦手な党員にも、手軽に情報発信してもらえた」(担当者)という。 事前に党員向けのSNS使い方講座を府内約20カ所で開催した。ネットは無党派層の関心を喚起するツールになったとみており、「選挙後も継続して情報発信していくことが大事だ」と話す。 <民主>北神圭朗氏の陣営は、ネット対策にスタッフ2人を配置した。ブログとフェイスブックを主に使い、街宣活動や個人演説会の告知などを日々、発信した。府内で知名度アップを図るため、動画サイトも立ち上げ、政策一辺倒ではなく、人となりも紹介した。 ただ、担当者は「有権者の投票行動にどこまで結びついたか分からない」と話す。今後は「ネットですべて完結できるわけではないが、どの有権者層に支持を求め、どうしたら他候補との対立構図を分かりやすく伝えられるかなどを検討し、さらに戦略的に使う必要がある」とした。 <維新>山内成介氏の陣営は、山内氏本人がフェイスブックで政策の考えや日々の活動を発信し、届いたメッセージにも返信した。選挙戦を支えた妻も夫の様子を書き込み、人柄が伝わるような軟らかい話を織り交ぜた。 陣営は「書いた内容を街頭で話題にしてくれる人もいた。意外と見ている人が多いんだと驚いた」と反響の大きさを語る。ただ、「ネット投票ができないと、投票率は上がらず直接的な効果は出ない。今の時代にあわせるべきだ」とも指摘。今後もフェイスブックによる情報発信を続けていくという。 <みんな>木下陽子氏の陣営は、ホームページでフェイスブックの書き込みや動画が見られるようにした。陣営は「立候補表明が公示直前と出遅れ、チラシを街頭で配る活動の時間が十分にとれない中、代わりにネットを使って政策を伝えることができた」と利点を説明する。 一方、陣営側が候補者の活動日程を発信したのに対し、有権者からホームページに掲載していない政策の考えを聞きたいとの声もあり、「伝えたい情報と有権者が知りたい情報にギャップがあったかも」と分析。「ネット効果が、どの程度あったのかは分からない」とした。 2013年07月25日 09時30分配信 確かに普段はその存在さえも知られなかった共産党京都地区党委員会のホームページで、共産党を知らない女の子が描いた共産党の紹介マンガが話題なっている、という話題が岡山の私の処まで届いたのはその「カクサン」力のたまものだろう。選挙終盤では、「京都民主党が公明党に票を回してもらっている」という情報を私自身がブログで「カクサン」したぐらいだ。 以下のことを書くと、必ず一定以上の年齢の方からはサーと「引かれてしまう」のであるが、私はAKB総選挙と実際の国政選挙は相関関係があると思う。去年の衆議院総選挙、大震災と原発事故を受け戦後初めての20万人国会前デモが実現して革新票が増えるのではないかと期待されていた。しかし、結果は自民党・維新含めて保守党の大勝利に終わった。AKBも絶対的センター前田敦子の卒業を受けて上位組の大幅な入れ替えがあるのではないかと言われていた。しかし蓋を開けてみると、指原の四位以外は上位組は微動だにしなかったのである。 今年はどうだったか。5月20日のAKB総選挙速報を受けての私のブログ記事を再録する。 速報はあくまで速報ではあるけれど、最終結果とガラッと変わることは過去なかったことを考えると、今回の選挙の結果はハッキリしたように感じます。 去年起きなかった「政権交代」が今回は起きるということです。 さっしーが一位というのは意外だったが、よく考えればアリかなと思う。指原は要するに高橋みなみと大島優子の若返りなのである。歌が上手いとは思えないが、「顔」としては1番そつなくやっていけるだろう。踊りと歌と女優とモデルは他のメンバーがやればいい。 残念ながら、優子の三連覇はありません。今回優子が二位か三位に着けたとしても、神7と言われた篠田麻里子、高橋みなみ、板野友美(卒業なんだから、この女性はむしろ居なくなって欲しい)、小島陽菜などが脇を固めない政権はあり得ない。もちろん、最終結果で彼女たちがまた10位以内に入れば様相はごろりと変わる。 ところで、私は去年からずっとAKB総選挙は現実総選挙の先取りになると予測してきました。去年、脱原発勢力が台頭するのではないかと言われた総選挙が保守の独り勝ちになった結果はその半年前のAKB総選挙に出ていたのではないか、という仮説である。なぜならば、AKB総選挙は、「ガチ」であるだけに如実に無党派層の投票行動が反映されるからである。 そういう意味では、今回参議院自民党圧勝の予想がされているけれども、十分脱原発勢力や共産党、社民党が台頭する可能性が出て来ました。 しかし、AKB総選挙がそうであるように、努力しないものに勝利はあり得ません。 今回、AKB総選挙のメンバーとファンたちの「選挙活動」を観察する中で、現実総選挙でも参考にするべき点は少なくとも3つあるように感じました。 ●ネット選挙として、Twitterの活用をひつこいぐらいにやること。今回珠理奈の躍進は、他候補に比べて珠理奈押したちのTwitter呟き数がずば抜けていた事によるものだと私は推測します。珠理奈は次世代としては1番実力はあると思うが、メデイア露出は上位5人では1番少なかった。ブログ更新も1番少ない。しかし、Twitterによるモバイル投票(4票分)の呼びかけ、投票の仕方、速票に間に合わす事の重要性の徹底などは珠理奈のファンが1番多かった(←「AKB総選挙」や「投票」で、Twitter検索をした結果で推測しています)。総選挙で、相応しい候補者が出るのが最低条件ですが、それを活かすのはやはり支持者による広め方だろう。 ●もう一つ、ネット選挙の活用方法であるが、YouTubeを徹底活用すること。今回躍進した、宮澤佐江、渡辺美優紀、松井珠理奈、島崎遥香、渡辺麻友にはファンたちが作ったプロモーションビデオが多数存在して、高回転していることで共通しています。彼等はそれを作り、FacebookやTwitterでひつこいぐらいに広めている。見たら、3-4分で非常によくまとまっています。ファンたちが「かってに」作るそういうプロモーションビデオは、現実総選挙では、残念ながらひとつも見たことはありません。参議院選挙まであと二ヶ月、こんなんでいいのかな?と思います。 ●最後のひとつは、候補者のやる気です。どれだけ本気で「当選」しようとしているか、その本気度でファンたちは本気で動くのです。ブログの更新回数もその目安ですし、今までの「物語」もそのひとつです。少なくとも、候補者は現在はビックリするぐらいにTwitter、Facebook、ブログの更新をするべきです。もちろん、リアル世界での活動がその基礎になければなりません。(5月23日の私のブログより) さて、結果はご存知のように優子の二連覇はなく、「まさか」の指原の一位、そして松井珠理奈と松井玲奈の初めての神7入り。宮澤佐江の10位入りという結果でした。ただ、残念ながらものすごい変革とまではいかずに10位に入れなかった元神7は卒業する板野友美1人でした。 つまり、AKBオタに代表される若い無党派は、去年は保守を選択し、今年は少しの革新を選択したのです。選挙有権者の主役は若い無党派ではなくて、50代以上の有権者と広範な無党派だということを考えると、AKB総選挙から実際の国政選挙の「傾向と対策」を見ることは有益だ、というのが私が強調したいことです。 つまり、「ネット対策」はこれからも重視してし過ぎることはない、ということです。
2013年07月26日
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「ある哲学者の軌跡 古在由重と仲間たち」岩倉博 花伝社 力作である。森鴎外「渋江抽斎」に匹敵すると言っても、みんなイメージが湧きにくいかもしれない。 作者は「この書は、表題・副題にみるようにいわゆる「評伝」ではなく、まして古在由重の哲学を体系的に語るものではない。筆者の関心は、哲学者古在由重がひとりの同時代人として、戦争に突き進み拡大する戦中、そして平和と民主主義を希求する戦後の中で、何を学び、考え、仲間たちとどう交遊・談話し、どう生き闘ったかということ、やや堅苦しく言えば、哲学者古在由重という人物とその仲間たちの実践と思想を、その時代と歴史のなかに位置づけて見ることにあった」と書く。 まさにその通りであり、だからこそ、日本史伝のなかでの最高傑作と言われる「渋江抽斎」と比べることがこの作品の紹介で最も適当だろうと思ったのである。学術書ではない。思想書でも、歴史書でも、小説でもない。しかし小説のように、古在由重と吉野源三郎の出会いを細かな日常描写と共に書いていた。 「初めて雑司ヶ谷の酒屋の二階を訪ねたとき、吉野はドテラを着て煙管を吸っていた」(74p) もちろん想像は一切加えない。全て日記や関係者聞き取りからの叙述なのである。 必然的に作品は707ページと大部になり、値段も4600円と最賃生活の私では買いにくい値になった。しかし図書館で借りてでも読むべき本である。途中で借り出し期間が過ぎてしまったために、感想は前半の「戦中」までここに載せ、後半は後で書きたい。 古在由重(1901-1990)は、私の思想信条の基礎を作った高橋庄治、真下信一、吉野源三郎、加藤周一を読んでいたら必然的に辿り着く人物だった。この間本棚の整理をしていたら、著作集が三巻分と関連本が四冊出てきた。一時期はかなり入れ込んで読んでいたらしい。 加藤周一が90年代から突然京都でのサークル活動(白沙会)や頻発な講演活動を始めた。私はその大きなキッカケに、古在由重の1990年の死があると見ている。しかし、そのことは後半を読んだあとに検証したい。 私が世界観を唯物論でゆくことを決めさせた「ものの見方考え方」の著者高橋庄治氏が、戦中古在一家と家族ぐるみで特高と闘っていたことは、この本で初めて知った。ハゲさんと呼ばれていたらしい。 もしかしたら、当時の哲学者の誰よりも才能があったかもしれない戸坂潤の最後の日々も詳細に記されていた。非常に頑健だった戸坂が死んだ理由を著者は推測する。「金を無心した看守の岩田某が戸坂潤の拒否にあい、弱っていた戸坂をコンクリートに投げつけた可能性がある」(254p)と。1945年8月9日だった。もしその通りだったならば、日本の進歩にとってなんとも言えない無念さが残る。 古在は特高に捕まったあとに偽装転向をした。「その意味で古在の上申書は、本式の転向書だったにもかかわらず、そのことは内実は、「本式の非転向」であった。」(213p) 鶴見俊輔の転向研究を待つまでもなく、戦前の古在の高度な唯物論研究書を読み戦後の活躍を知る私は、この著者の判断は正しいと思う。私はこの時ふと思いついたのは、「古在由重のこのアクロバット式の理論展開が後年の共産党除名に繋がったのではないか」ということだった。これも後半を読んだ時に検討したい。 古在由重の母の清水紫琴についても詳しく書いていたことは嬉しかった。女性自由民権運動の嚆矢である彼女が古在豊子になるまでは少し知っていたが、どうして彼女の活動が止んだのか、どういう思いでいつ亡くなったのか知らなかったのでとても参考になった。 前半は2013年6月25日読了
2013年07月25日
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去年の五月の倉敷の山を縦断したときに、初めて福山に上りました。とっても眺めのようところで、そこから古代吉備王国の村が広がっていたに違いない平野が広がっています。登ってみて初めて知ったのですが、ここは福山城があったところなんだそうです。看板にはそれを示す遺構の位置が載っています。でも、実際はこんな感じであまりよくわかりません。この城は戦国時代の城というよりは、建武の時代、湊川合戦の前哨戦の有名な城だったそうです。とても高いところにある城で、こんなところまで何千という兵士が登ってきたのかと思うとびっくりです。最初は登るのに一時間以上かかったのですが、慣れると約40分ぐらいで登れます。でもしばらく行かないと、また登るのに時間がかかる。実はこのあと何回も登っていて、そのたびごとに時間もあとの筋肉痛も違うという自分の体力を測るバロメーター山になっています。ここからの景色が最高で、これは秋に見た風景。古代の姿をしのんでいます。
2013年07月24日
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参議院選挙の翌日22日、炎天下の国民平和大行進を歩きました。その日は正に地元を通る倉敷市役所から船穂役場までのコースでした。途中から途中までの参加でしたが、やっぱり一度は歩いておかないと、「夏が来た」という感じがしません。 11時に水島寿町公園に迎えて、12時前に水島支所、13時過ぎに水島健寿病院で歓迎を受けて 14時過ぎに連島公民館で休憩。ここでは、キュウリとトマトのお接待がありました。特製バジルコショウをかけたキュウリが身体に染みます。 15時前に岡山三大河川のひとつ高梁川を渡りました。 ここは旧霞橋が歩行者二輪車専用道路になっているために広い道路をどうどうと歩いて渡れます。橋の上特有の強風が旗なびく行進に涼を持って来て、とても気持ちの良い行進になりました。 夕方に水島平和委員会主催で、倉敷の中華料理店で国民平和大行進歓迎会をして、通し行進者の頑張りをねぎらいました。 五月に東京を出発して広島までずっと歩いて来ている通し行進者の村田澄夫さんは真っ黒で元気です。「労働組合の役員などいろいろやってきて、「定年後は平和行進を歩く」と公言して、ずっと環境整備をしてきた。今回やっとチャンスを活かすことが出来た」「倉敷に入った夜に天領祭りに遭遇した。ラッキーだった」「あいさつは毎回バージョンを変えています。今日は選挙結果を得て、東京では吉良佳子さん、大阪では辰巳孝太郎さんも一緒に行進したことを話の中に入れました」等々いろいろ裏話も聞けました。 県内通し行進者の中島正智さんはずっと行進のシュプレヒコールのリードを元気いっぱいにしてくれています。「だんだんとあいさつが出来るようになりました。今日の健寿病院前のあいさつも、急に振られて、すっと言葉が出てきて、自分でもビックリした」と言っていました。
2013年07月23日
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今回の選挙、久し振りに「勝った」という実感が持てました。憲法改悪に消費税増税、社会保障代改悪、TPP、闘いはこれからです。さて、韓国の旅があってなかなか国内の旅の記録が出来ませんでした。詳しく書くと、また時間がかかるので、ポイントだけこういうところに行きました。というシリーズも作ろうと思います。去年の5月に倉敷の山を総社から倉敷まで縦断しました。そのときに行ったのはおっぱい神社で有名な総社市軽部にある軽部神社です。そのなかにこんなふうに一面「おっぱい」が奉納されています。決してお笑いを取りたいとか、いやらしい気持はさらさらなくて、「乳癌の平癒」とか「乳が良く出ますように」とか、切実な願いばかりなのにびっくりしました。山のふもとの本当に小さな神社ですが、全国にお祈りに来ているようです。病気や老いは避けられぬ人間の宿命です。宿命は神頼みして、せめてその周りの環境だけは政治の力で安心できるものにしたいものです。
2013年07月22日
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Facebookの「東京新聞を(かってに)世界イチにする会」から転載します。やはり、参議院選挙を前に確信的にこの特集を組んだようです。写真が大きいかもしれませんが、ご勘弁を。 皆さん、明日は日本の未来に向かって投票を! 「憲法を変えるなどもってのほか」。スタジオジブリ(東京都小金井市)が、毎月発行している無料の小冊子「熱風」の最新号で「憲法改正」を特集し、宮崎駿監督(72)が寄せた記事が話題を呼んでいる。全国の書店では品切れが続出。ジブリ出版部は反響の大きさから、「参院選の投票日(二十一日)前に読んでほしい」と十八日、急きょジブリ公式ページで公開を始めた。 (樋口薫) 熱風は「スタジオジブリの好奇心」が副題で、毎月趣向を凝らした特集を組む。過去には「デモ」「グローバル企業とタックスヘイブン(租税回避地)」など、社会的なテーマも扱ってきた。 編集長の額田久徳さん(50)によると、今回の特集を発案したのはプロデューサーの鈴木敏夫さん(64)。意見の分かれるテーマだけにためらいもあったが、参院選を前に「ジブリとしての旗色を鮮明にしよう」と腹を決めた。 執筆もジブリの重鎮に依頼。宮崎監督に加え、高畑勲監督(77)が「60年の平和の大きさ」と題して寄稿。本紙に五月、掲載された鈴木さんのインタビューも、「9条世界に伝えよう」として収録された。いずれも憲法九条や改憲手続きを定めた九六条の改憲に反対する内容だ。 宮崎監督は談話形式の記事で「選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです」と明言。また、日本の戦争責任や産業構造の問題点などについても率直に語っている。 十日から全国の書店で配布した約五千部はあっという間になくなった。出版部にも「読みたい」と電話が殺到するなど、過去最高の反響という。「憲法を守るための最大の敵は国民の無関心。興味を持ってもらえたのがうれしい」と額田さん。 二十日に公開される宮崎監督の最新作「風立ちぬ」は、ゼロ戦の設計士が主人公で、戦前が舞台。戦争の直接的な描写はないが、平和について考えさせられる内容も含んでいる。「たくさん考えて投票に臨んでほしい」。それがジブリの願いだ。 <スタジオジブリ> 宮崎駿、高畑勲両監督のアニメスタジオとして1985年設立。「天空の城ラピュタ」以降、「となりのトトロ」「もののけ姫」など、宮崎監督の全アニメ作品を製作。2001年公開の「千と千尋の神隠し」が米国でアカデミー長編アニメ賞を受賞するなど、作品は国内外で高い評価を受けている。
2013年07月20日
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今回の選挙、素人が作るこんなチラシがすぐに出回るようになった。私はこういう雰囲気を待っていた。少し遅すぎるけど。 これぐらいのチラシ、前回の選挙でも作ることは出来たのだけど、多分みんな遠慮していたのだと思う。 ともかく、選挙に行こう。 入れる政党がない?それで棄権すれば実質的に自民党を推したことになる。それで貴方は本当にいいんですか? 私は共産党に入れる(既に入れた)。 それを今展開する余裕はない。 ともかく自公民にいれちゃヤダ! 選挙に行こう!
2013年07月19日
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岡山県労会議の機関紙に連載している「映画ってエェが」46回目の今月は、初めての新作映画の紹介です。転載します。 私的にはネタバレはしていないつもりですが、かなりテーマに踏み込んでいます。真っ白な気持ちで作品に臨みたい方は、読まない方がいいかもしれません。 「風立ちぬ」 試写会で観ました。この映画評では初めてこれから上映される新作を紹介します。 話は一見単純。大正から昭和にかけて、ゼロ戦の設計者・堀越二郎と作家の堀辰雄をモデルに、希代の高速戦闘機を設計した青年と、薄幸の女性菜穂子との恋愛を描くアニメです。 しかし、作品の構造はストレートに人の胸を撃つという風になっていません。かなり複雑な内容です。 「宮崎駿が初めてファンタジーを排してリアルに徹した」ともいわれているし「日本の戦争の時代を描いた」ともいわれています。可とも不可とも言える、と私は思います。監督の意図は「反戦」ではありません。ただ、戦闘機設計士を主人公にしたから「好戦」だとは決して言えません。堀越二郎の眼を通して、関東大震災、不景気と貧困、特高警察の存在は描かれています。ナチスを嫌ってアメリカに亡命したトーマス・マンのようなドイツ人を登場させて、昭和初めの戦争前夜の情勢を語らせたりはしています。それは確かに現代と重なる処もあり、だからこそ監督はこの作品を作ったのかもしれません。ただ、同時に堀越二郎自身には時代を批判する思想は全くないのです。堀越二郎自身はひたすら「美しい夢」を追っているだけなのです。この「美しい夢」と「風」がこの作品では何度も何度も出て来ます。この二つの言葉が、たぶんこの作品の核です。 堀越が一時期住む家に「天上大風」の額が飾られていていました。意味を調べると「地上には風がふいていないように思えても、天の上には大きな風がいつもふいている」というものらしい。風は時には地獄の業火(大震災)にもなるし、時には鉄の塊を宙に浮かせて素晴らしい景色を観させてくれる力にもなります。「風」とは何だろう?この「風」がとても魅力的に描かれています。 謎かけみたいで、気がひけるのですが、描いているのは宮崎駿が過去の作品でずっと描いて来たものです。「もののけ姫」で描かれた鉄砲技術の発達と自然との戦い、「風の谷のナウシカ」漫画版の後半で描かれた人間の業と人類の未来の姿が、この作品と重なって仕方ありませんでした。私は面白かったです。 美しい 映像は数多く素晴らしく、特に関東大震災の場面はアニメならではの表現で圧巻です。(7月20日全国公開) produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月18日
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これでも貴方は自民に投票しますか? 東京新聞:平和憲法に真っ向背反 石破幹事長の「軍法会議設置」発言:特報(TOKYO Web) http://t.co/nxoXuRQDFb 自民党は同党の改憲草案で、憲法九条を変更して自衛隊を「国防軍」にすることを掲げた。それに伴い、国防軍に「審判所」という現行憲法では禁じられている軍法会議(軍事法廷)の設置を盛り込んでいる。防衛相の経験もある同党の石破茂幹事長は四月に出演したテレビ番組で、審判所設置に強い意気込みを見せた。「死刑」「懲役三百年」など不穏な単語も飛び出した石破氏の発言とは-。 (小倉貞俊) 軍事裁判は秘密法廷である。そこでなにが行われるか。この記事によると、上官の命令に従わなかったとき(例えば民間人を殺すのを拒否したようなときか⁉)、それは最高で死刑になるのである。 対象は軍人だけではない、その他公務員だという。 自分の息子たちがそんな目に遭ったらー それでも貴方は自民党に投票するのですか? それでも貴方は公明党、民主党に投票するのですか? 朝日朝刊『攻勢共産に保守包囲網 京都財界危機感 民主後押し』。公明・学会の民主肩入れを示唆する記事。 ここに今回の選挙の本質がある。改憲や増税、その他の政策で少しの違いがもしあったとしても基本的には自公民は「一体」なのである。その一議席が最も衝撃力がある共産党の議席を阻止するためには「なりふり構わない」こともやるのだ。 それでも貴方は公明党、民主党に投票するのですか?
2013年07月17日
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今回でまたもや少しお休みします。とは言っても、釜山最終日と日本での移動日を残すのみなんですが(^_^;)。 朝鮮通信使歴史館から駅方面に戻る。 釜山に特有の細長いビル。最初に道が有り、そのあとに建物を作る。最後はケンチャナヨで作る。 釜山鎮支城の麓には、裁縫屋(?)さんが多い。 地下鉄で南浦へ向かい、映画を観に来た。映画館の前にはホットクの有名店が列を成していた。食べるために並ぶことを韓国の人はあまりしない。けれども、店ごとに全く味が違い、並ばないと手に入らないこういう店は例外である。 お土産モードです。自分用の韓国DVD。1959年の名作と言われる「馬夫」とアン・ソンギ出演なので名作だと踏んだ「ホワイトページ」、そして最近の作「モーテル・カクタス」。見るのが楽しみだ。3本で10000w(700円)。→結局今観たのは「馬夫」のみ。社会派リアリズム作品。 マクドナルドで時間つぶし。私はこの超安セットを頼みたかったのに 出て来たのは何故かチキンバーガ一個。ちくしょう、このリベンジは必ずしてやる!(と、思ってそう日記に書いているのだけど、今一度上の写真を見てみると、写真はセットだけど、文書はセットだとは書いていない。と云うことは、単品が午後はお買い得2900wということだったのか⁉) 映画「공모자들(共謀者たち)」(邦題「共謀者」)を観た。最初何の話なのか、全然見えなかったのだが、臓器売買の話だと、途中でわかった。とてもオススメ出来る作品ではありません。韓国でも中国という国は無法地帯だと思っているのかな。作りは一見重厚なようで、結局は安直な設定だったと思う。どんでん返しに次ぐどんでん返し。話に意外性があれば、話に奥行が出るとでも思っているのだろうか。まさかこれが日本に輸入されるとは思ってもいなかった。 そのあと、真珠食堂に行くと居ました、suzuさん。マッコリの上澄みで乾杯!ニラチヂミを頼む。ニラが半端ない。やっぱり美味しい。 ちょっと写真は汚いけど、オカズは美味しい。キュウリの和え物と目玉焼き。 この時、すずさんという女性がsuzuさんのブログを見て、「噂の真珠食堂はここに違いない」ということで入って来た。ご承知のように真珠食堂は店の名前ではなくて、日本人用の通り名。興味本位の一見さんを防止するためにつけた名前である。ブログから「ホルモン屋ではない店」とかいろいろ推測して辿りついたらしい。うーむ、その推理と勇気に乾杯! 場所を移してトースト屋へ。 ビールで乾杯! こんな風に、道路へ椅子や机を出して涼みながら、食べたり飲んだりするのがチャガルチの屋台です。 ここのトーストは分厚い。ここのママさんは気さくで社交的。ここに来たのは2回目。前回の写真はカメラと共に紛失しました(^_^;)。いわゆる韓国の夜の屋台を、ここで初めて体験させてもらったのでした。suzuさんが常連客で、夜が更けたらたらかなりの確率でここにくるようなので、まさかこの時がこのママさんとのお別れになるとはつゆとも思いませんでした。このあと数週間後、ママさんの最愛の息子が交通事故死、絶望して店を畳んだそうです。 11時40分に私は退去。バスも地下鉄もギリギリ。一瞬の判断で地下鉄を選ぶ。一号線は難なく乗れたけど、西面駅で二号線への連絡は12時5分発の最終、走り込んでギリギリセーフでした。危なかった。 チャージ5000 コーヒー400 小皿 7000 昼食10500 敷布3000 布巾1300 靴下4000 マクド2900 映画 7500 夕食16000 Wi-Fi5500 合計 63100w 歩数 12051歩 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月15日
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駅構内の展示館に戻り、気になっていた敷物「幸福」購入。だんだんと(自分用への)お土産モードに入っている。手元の掃除ようにこんなものも買ってみる。(結局一度も使ってない)靴下は毎年韓国で調達している。ここのが比較的大きなサイズの割には安かったので購入。凡一駅で降りる。もう雨は止んでいた。しかし、吹き返しの風が台風並である。市場は全部品物が濡れないように布で覆っていた。女性の髪も、ぐちゃぐちゃになっていた。この駅で降りたのは釜山鎮支城にくるためだ。説明は以上。小山に上がってゆく。これは日本式の石垣だろうか。下に降りると朝鮮通信使歴史館に出逢う。最近出来たのか、完全に予想外の嬉しい出会い。ここの展示は全て日本語でも読めるようになっている。展示コンセプトが日韓交流なので、その視点で作られている。やればできるじゃないか、と思う。徳川家康は日韓交流を進めたイケメンとして描かれている。遺物は少なかったが、展示解説に読み応えがあった。日本人はもっと来て欲しい展示館である。 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月14日
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8月30日(木)雨 またもや、台風が釜山北を一日かけて通ることになった。いろんな処へ行こうと思っていたテンションは下がって、雨にあまり濡れないコースをたどることにした。9時半に宿を出る。フェリーの明日の予約を公衆電話でする。「明日は必ず出港します」と力強い御言葉。 先ずはカメラを無くした為に写した写真も無くした東菜村城壬辰倭乱歴史館に寄った(←写真は既に載せたので、ここへは一枚だけ載せます)。 寿安駅から東菜駅へ。そこで一号線に乗り換え。駅にはたいてい300-400wのコーヒー自販機が置いてある。朝飯は食べてないので、甘いこれを飲む。昼メシ夜メシと酒を飲むつもりなので、自主規制である。 電車の中で。迷彩服の若者と恋人がイチャイチャ。厳しい訓練の合間の逢瀬なのかもしれないが、腹が立ったので、パチリ。 梵魚寺駅に着いた。私は今だにこの駅で降りたことがなかったのだ。寺に興味がなかったためである。しかし、これほど釜山を訪れているのだから、一回は来ないとね。すると、駅構内に展示館があった。博物館フェチの私はいそいそと入る。 晴れたならば、梵魚寺はこんな感じらしい。 歴代の座主のお顔らしい。 必ずある半跏思惟像。なんでかなー。 ここでもやはり経典の印刷作業をしていたらしい。 今日は雨(台風)なので、寺まで行くつもりはない。本当の目的は、ここで生産しているという美味しいマッコリを飲みに来たのである。と、その前に私としては珍しく焼き物屋に入ってみる。 干支の置物があった。私は子年なので、かなり真剣に購入を検討したのだが、表情がイマイチ気に入らない。 でもって、この小皿を買った。オカズ入れによさそう。7000w。 駅前は餅屋が多かった。 食べ物屋で同時に目当てのマッコリを置いてある店を選んで入る。この山城マッコリである。銘酒と言われている。確かに濃い。しかも酸味が強い。この味の濃さがあるから、この酸味が生きているのだろうか。管理がむつかしく、この地域と限られた酒屋しか置いていないと聞いている。 メニューはこの通り。普通のマッコリが2500wなのに対して、山城マッコリは3500wです。それでも、私がいた間に近くの人なのか、その山城マッコリを二本買って帰りました。持ち帰りだからといって安くなるわけでもなさそうです。 この店は豆腐に拘った店みたいだったので、豆腐キムチをつまみに頼んだ。国産大豆で作っていると謳ってはいるが、それ程特別な味とは思えなかった。 でも、酒が美味しかったので、オカズも満足のお店でした。 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月13日
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金海に回ろうかと思ったが、バスが無くなっていた(実際礼安里遺跡に行く時間はとうていなかったろう)。残念だけど、釜山に逆戻りだ。釜山の朝の鳶職人は順調に作業を続けていた。ね!命綱つけてないでしょ?ホント危ない。いったん宿に戻って部屋の掃除を確認。よし!よく出来ている。宿のとなりの気になっていたカルククスの店に入る。1番安いカルククス4000wを頼む。具にジャガイモが入っているのが新鮮。麺のコシはまったくないけど、非常に美味い出汁がとれていた。今度はもっとグレードの高いやつを頼もう。西部バスセンター横のロッテシネマで映画を見る。今日は水曜日で、開店記念セール最終日の5000w(350円)均一デーなのである。観なきゃ損!「바람과 함께 사라지다(風とともに去りぬ)」です。某米国映画とは何の接点もありません(^_^;)。朝鮮時代の悪大臣にひと泡吹かせるために立ち上がった11人の一癖二癖ある者たち。コメディタッチの時代ものです。会場は笑いに包まれていましたが、観た端から忘れるような作品に思えました。「猟奇的な彼女」のチャ・テヒョンが主人公。構造は仲間ぎ集まるまでが前半の「七人の侍」構造。夜食は前々日に食べたテジカルビの店で、今日はマッククスを。これも大変美味しかった。パンチャンにはスンデが出た。肉厚で良かった。宿2日分50000 朝飯2300 釜山・昌原往復7400 バス1100 昼食9000 夕食4000 映画5000 夜食6000 つまみ1000 Wi-Fi5500計 91300w歩数 18832歩 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月11日
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城山貝塚は街の南側、工場群の中にある小山の上に展開されている。 工場群を歩くのは初めて。ひとつわかったのは、建物の造りがとても丁寧だということ。このレンガなんか、目地が向こうの方まで全て線が通っている。 ブロックも日本の水準でいうと完璧じゃないけど、釜山の個人住宅のそれとは雲泥の差がある。 この飾りレンガは頑張っている。けれどよく見ると、左の下から8番目と10番目だけ数ミリ寸法が合わなかったのか無理やり入れているので歪んでいる。あとはよく出来ている。韓国の職人は大企業には弱くて個人住宅にはいいかげんな仕事をすると云うことではないか。やれば出来るのにしないのはどういうことか(♯`∧´)。 城山貝塚遺跡は小さな小山の中に資料館が二つもあった。一つは野窯館。製鉄作業所がテーマのもの。 と、思ったら閉まっていた。おいおい。 その上の城山貝塚遺跡物展示館まで閉まっていたら切れるゾと思いながら上がって行った。なんとか開いていた。管理人は1人もいない。建物だけは作るが、あとは野となれ山となれ、これはいつも通りである。 青銅器時代から新羅時代まで営まれた貝塚だったらしい。 赤丸が新石器時代の貝塚、三角が初期鉄器時代の貝塚らしい。なぜか青銅器時代の貝塚の表示がない。上の説明と違うぞ?どちらにせよ、日本のように縄文時代だけに貝塚が集中しているわけではなさそうだ。 昌原市内の地図。赤丸がすべて貝塚である。どうやら保存されたのはこのひと山ある城山貝塚ぐらいで、あとは道路や用地の開発で破壊されたらしい。 この写真のようなひと山削るような、大掛かりな発掘だったらしい。 残念ながら、展示品はあまり見るものがなかった。これは無文土器である。 これは砥石。バリエーション多く出土していた。韓国の磨製石器はこのような砥石が大きく関与しているのだろう。 こういうジオラマもある。ここまで作るのならば、もう少しそれに関係する遺物も展示して欲しかった。 三韓時代の土器群。 三国時代の土器群。 謎の石製品。 城山から工場群を眺める。このように工場地帯が整然と整備されている。 さて、バスセンターに帰ろう。おや、大通りのところに韓国では珍しい駐車禁止を知らせる紙が貼ってある車。罰金は10万w(0.7万円)だそうだ。韓国国民にとっては高いんだろうな。 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月10日
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韓国の生協に希望はあるのか。ざっと見た限りでは、この最新の店も坪数が少なすぎてとうてい台所の全てを賄い切れる規模に達していない。価格もまだ高い。多分今はまだ韓国の持ち家世帯で子どもが小さく添加物や環境問題に関心があるようなお母さんだけが利用するような店なのだろう。パンフももらったが、理念は日本の生協と同じ理想を求めているように思えた。パンフには安全性を主張する産直の記事に多くを割いていた。日本と違い、共同購入よりも通信販売によるコープ商品の販売に力を入れている。しかし、チラシをみてもまだまだ数が足りない。コープ商品の開発はまだこれからという気がした。アイコープは2011年売上額3000億ウォン、組合員世帯数15万5000人を記録した。 毎年10~20%の高成長を続けている。 「2018~2019年には全世帯の3%を組合員に引き込む」というシン・ソンシク アイコープ生協経営代表との意見もある。(ハンギョレ新聞より)従業員は1500人程度。日本の県単位の中堅生協と同じぐらい。多分全国組織なので、これがあと10倍ぐらいになれば韓国の流通は少しは変わるかもしれない。そうなった時、(企業の論理に取り込まれなければ)スケールメリットを活かした高品質低価格の商品を手にするのと同時に地域の発展にも寄与する「生協らしい」流通が実現するかもしれない。期待したい。昼飯はこの高級住宅街で食べてみたい。ユッケビビンバを頼んだ。9000wなので一見豪華なのだが、パンチャン含めて、味はいただけなかった。やっぱりお客が入っていな店に入るもんじゃないね。この一帯、食堂の価格は一様に1000wほど高い気がした。やっぱり高級住宅街なのだ。バスに乗って城山貝塚へ。低ステップバスだった。妊婦にも優しい構造。日本でも増えている。 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月08日
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この昌原では、韓国の生協を見てみようと決めていた。ホームページを調べて、やっと昌原という地方都市に最近オープンしたばかりの生協の住所を確認したのである。バスを乗り継いで、なんとか辿りついた。 なぜ生協なのかは、あとで述べる。 昌原は街全体が住宅地のような気がする。この辺りは高層住宅がいくつも立ち並んでいる。 その隣町には一軒家の住宅が立ち並んでいる。ソウルではあまり見かけない住宅地である。 生協の店に入り、こっそり写真を撮った。客層は完全に若いママたちである。日本で言うと、ミニストアに位置づけられると思う。自然食品がよく揃っている店という感じ。 野菜は品数が少ない。 肉売り場も店頭で切り売り出来るようになっている。 魚売り場がなかった。卵の値はこんな感じ。ただし、下の数字が会員価格だそうだ。そう見ると、少しは安いかも。 パン売り場が充実している。ピザが作れる窯もあった。注文ピザを焼いているのだろうか。パンも焼いているのだろうか。こんな小さな店で、それはあまりにもやりすぎではないか。 全体の雰囲気はこんな感じ。 なぜ私が韓国の生協に注目するか。韓国の流通は現代でも昔ながらの伝統市場が支えている。いわゆる零細個人商店だ。安いけど、品質の安定性はない。何箇所も店を選んで、品選びと交渉に時間をかける。買い物をするにも一仕事だ。もう一つの流通を担っているのは、イー・マート並びにいくつかのビックマートだろう。品質管理は一応できている。しかし、スケールメリットがあるはずなのに、日本のダイエーのような「価格破壊」は起こらず、むしろ伝統市場より高いものが並んでいる。そして、無理やり市場のそばにこれが建つと地域を壊すということで問題を起こしている。 なぜそうなるのか、私はロッテなどの大企業が食品流通を独占しているからだと思っている。競争がないから、自分の都合のいいように価格を調整出来るのである。 私は、消費者が自分たちで商品を作り売り消費する生協ならば、それらの矛盾を解決する道が開けるのではないかと期待しているのである。もちろん、企業競争に取り込まれた日本の生協の現実もあるので、理想とおりいかないのはわかる。しかし、ゼロから始めるというのは、希望があるということでもある。 韓国の生協に希望はあるのか。 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月07日
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小銭は手に入れたので、公園を横断したところにあった停留所でしばらく待ち、昌原大学に向かった。大学はたいてい小山の上にある。弥生墳丘墓をちょっとした小山に作るのと同じ意識が働いているのだろうか。博物館は、学生に聞いたらすぐに場所を教えてくれた。図書館の中に併設されていた。博物館はなかなか充実していた。古代の金海湾である。緑の筋は現在の洛東江。釜山は海の中だ。もみ殻を入れる土器。磨製石剣と砥石。骨で作られた刀子の柄。牛の足跡。韓国で鴨形の土器は本当によく出てくる。分布は南に限られているのかな?説明板には(朝鮮の)「三国史」の記述を紹介していた。死者を祀る儀礼を研究する上で貴重な土器なのである。そうして(今気がついたが)この土器は日本で作られることは遂にはなかった。日本でも祭りに鳥のお面を被っていたり、トリ自体は神の使いだった可能性が高い。しかし、倭国は技術やその精神の中枢は輸入しても、おそらくその文化をまるごと輸入することはなかったのである。それは即ち、倭国が韓半島の住民によって「征服」されたことがないことを裏付けてはいるだろう。土器の地域比較。土製首飾り。透かし彫りのカップ。蛇の模様がある土器。すべて出土遺跡と時代をかかれていないように思えた。そういう意味では不十分な博物館だった。外に出る。韓国の大学には立て看はない。立て看文化ではなくて、張り布文化?なのである。たいていは布で張って知らせる。そういうのばっかり見ていると、このような掲示板の(多分)部活のお知らせを見るとホッとする。 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月06日
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幹線道路を隔てた向かいは非常に大きな公園になっていた。何か遺跡の碑みたいなものを発見!遺跡のあとか?急いで行ってみる。遺跡ではなかった。しかし、昌原という地方都市の開発物語がよくわかる「碑」であった。その碑文に云う。「70年代昌原公園造成のために失郷した海亭地区の人首丘初心の気持ちを明らかにするために建立した。30名の海亭会会員と本部落出身の在日同胞李昌稿氏の支援で竣工した。海亭人よ!この契機に篤い兄弟愛と永遠なる心の故郷を高く간직하소서! 2002年4月14日海亭会会員一同」40年前の一斉立ち退きのことを想って建てた碑でした。婉曲に書いているけど、「恨み節」ですね。韓国の地方都市は、70年代から80年代にかけて朴正熙の時代に漢江の奇跡と言われるほどに高度経済成長をした。しかしそれは独裁政権が土地を強権的に取り上げ、再開発し、幹線道路と巨大な公共施設と、工場群を誘致することが出来たから可能だったことなのだろう。(←古里原発もおそらく同じ)写真はそこに住んでいた人たちなのでしょう。永遠なる海亭人。上が父親、下が息子でしょうか。全員の名前が入っているかどうかは不明。そして出来た、無駄に大きな公園。こんなゴルフ練習場もあります。当然海亭地区だけが立ち退かされたのではなく、斗大地区も記念碑を作っていました。サッカー場もあります。いくらなんでも、立退料はもらったとは思う。しかし、スズメの涙ほどではなかったか。韓国の高速道路の利用料が怖ろしく安いことから、私はそう思う。もちろん経済的なことだけではなく、フクシマの例にもあるように、強制立ち退きは住民たちのアイデンティティの喪失の危機にも繋がるだろう。韓国の人たちは、その「恨」をどのようにして「解いて」いるのだろう。小銭は手に入れたので、公園を横断したところにあった停留所でしばらく待ち、昌原大学に向かった。 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月05日
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8月29日(水)晴れ また台風が近づいている。今日は貴重な晴れ間だ。頑張ろう! 沙上バスセンター前に出来上がっていたお店みたいな喫煙室。バスセンターでは吸うな、ということですね。 今日は昌原に行って大学博物館と生協を回って、出来たら金海の礼安里遺跡まで行くぞー! 朝飯はコンビニで買ったおにぎりと牛乳。最初5万w札を出したら、コンビニのお兄ちゃんが慌てたので可哀想に思いありったけの小銭を出したら足りてしまった。これがのちに今日の旅に大きな影響を与えるとは、この時は思いもしなかったのでした。 バスから見えたビルの作業場と作業員。どう見ても命綱はしていない。下に板を通していないこのような組み立て場であんな作業をしたら、日本では違法です。韓国の建設技術は確かに荒いけど、安全環境も荒い。労働者を大切にしないということは、技術が継承されないということだ。それが周り回って、商品の質の低下につながる。それは決して対岸の火事ではないだろう。 昌原のバスセンターに着いて、昌原大学行きのバスに乗ろうとしたら、小銭がないのに気がついた。5万w札ではバスは受け付けないのは確かめるまでもないだろう。こういうときに限って周りにコンビニはない。本当はバスセンターに戻って売店で両替すればよかったのだろうが、この時は少しでも初めての昌原を楽しもうと当て所もなく歩き始めた。まさか一時間も歩くとは思わずに。 機械部品街を通り過ぎて、今度は工場街になった。コンビニはない。諦め掛けた頃、ある流通センターに小売店の小さな看板があった。 そこは流通センターの職員用の食堂だった。 職員が食事しているところをおじゃまします(^_^;)。 「ジュースが欲しいんだけど、お釣りある?」 快くお釣りを出してくれました。 こういう小売店でした。 幹線道路を隔てた向かいは非常に大きな公園になっていた。何か遺跡の碑みたいなものを発見!遺跡のあとか?急いで行ってみる。 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月04日
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6月に観た映画は全部で9本でした。粒が揃っていたと思います。 「はじまりのみち」 先ず企画ありきの作品なのだと後で思う。「松竹の財産である木下監督のソフトを活かすために生誕100年で映画を作ろう」多分松竹の常務辺りがそう宣い、紆余曲折の末に原恵一監督が選ばれる。とは言っても、木下監督に波乱万丈な生涯はない。道は二つ。戦中から戦後にかけての世相を織り込みながら、作品解説映画を作るか(←しかし、面白くないし、予算もない)、唯一劇的エピソード、戦意高揚映画ではない「陸軍」を撮った後に干されたこと。それに腹を立てて松竹を辞めた後の生活をじっくり撮るか。賢明な原監督は当然後者を選ぶ。しかし、監督には作品ソフトを出来るだけ紹介するという宿題も背負っていた。 この作品が、結果的に盛り上がりに欠けたのは、原監督のせいだけではない。 結局全てをもって行ったのは、便利屋の濱田岳だった。ほとんど渥美清の役どころをそのままコピーしたかのような役だった。 最後の5分ぐらいかけての木下監督フイルム紹介が、作品全体にリンクしたならば良かったのであるが、そもそもそういうことならば10作品近くを最後に紹介しないだろう。原監督の責任にするのは酷というものだ。結局記念作品をこんな凡作に終わらした松竹という会社の力量の問題だったのだろう。 有名な「陸軍」のラスト。出征する息子を追って人混みを駆けて、転び、最後に手を合わせて祈る処で終わるシーン。大画面でこんなにじっくり観たのは初めて。いったい何百人のエキストラを使ったのか。昭和18年の東京のあらゆる顔がいた。見応えがあった。 (解説) 『二十四の瞳』などさまざまな傑作を世に送り出し、日本映画の黄金期を築いた木下恵介監督の生誕100年記念作。戦時中、同監督が病気の母を疎開させるためリヤカーに乗せて山越えしたという実話を軸に、戦争という時代の荒波に巻き込まれながらも互いを思いやる母と子の情愛を描く。『河童のクゥと夏休み』などで知られる日本アニメ界で著名な原恵一が監督を務め、初の実写映画に挑む。若き木下恵介役には加瀬亮、母たまを田中裕子、恵介の兄・敏三をユースケ・サンタマリアが演じる。 in movix倉敷 2013年6月1日 ★★★☆☆ 「グランド・マスター」 「父が言った。武術を極めるには三段階あると。 自分を知り、世間を知り、そして人生を知るのだと。 私は世間は幾ばくか知ることが出来たが、人生は知ることは出来そうもない」 いつものカーウェイ作品と同じ様に、嵐のような文句は出て来るだろう、ことは容易に想像出来る。あらすじを見たならば、天下統一武道会みたいな話かと思いきや、全然違うじゃないかと。そもそもカミソリ役のチャン・チェンなんか全然話にも登場人物にも絡まないで、詐欺じゃないかと。 それを無視して愉しめるかどうかが、 この作品の肝だろう。私は愉しめた。司馬遷の「史記」に刺客列伝がある。刺客たちは世の歴史の大局からは、外れた人たちではあるが、これがなくては大作「史記」は大きな魅力を失っていた。簡潔な文章と、名文、そして少しだけ時代と関わりあう彼らたち。 1936年、南京事件の前夜の江南中国に始まり、1940年の満州、1950年52年の香港を舞台に、これはカーウェイ監督による近代中国「武術家列伝」である。要所要所を美しく激しい武闘で繋ぎ、武術家たちの朴訥とした短い台詞で、人生と運命を描き出す。中国らしい凝縮された史伝物語だった。 結局、最も印象に残ったのは、詠春拳の達人・葉問(イップ・マン)でもなければ、国民党の元スパイで八極拳の達人・一線天(カミソリ)でもない、八卦掌の奥義六十四手を極め、女としての幸せを捨てたゴン・ルオメイの一生だった。多分不治の病で死んだのであろう彼女が最後に葉問に会ったときに16年間の秘めた愛を吐露し、おそらく20歳ほど年上で妻もいる葉問が当たり障りのない言葉で別れを告げたのが、なんとも哀しかった。 13年前に初めてチャン・ツィイーを観たときから、彼女の美しさは変わらないどころか、さらに美しくなった気がする。顔のアップを多用したカーウェイ監督に感謝です。 (解説) 『ブエノスアイレス』『マイ・ブルーベリー・ナイツ』などの鬼才ウォン・カーウァイが、おそよ6年ぶりの監督作として放つ美しくも切ないアクション・ドラマ。中国拳法の中でも有名な詠春拳の達人にして、ブルース・リーの師匠としても知られる実在の武術家イップ・マンが織り成す激闘の数々を活写する。イップ・マンにふんする『レッドクリフ』シリーズのトニー・レオンを筆頭に、チャン・ツィイー、チェン・チェンといった中国圏の実力派スターが結集。ウォン・カーウァイ監督ならではの映像美がさく裂する格闘描写にも目を見張る。 in movix倉敷 2013年6月5日 ★★★★☆ 「オブリビオン」 さて、ハリウッドが仕掛ける「宇宙人に侵略された地球」シリーズ第一弾です。 古典的な「驚愕の真実」には驚かなかったが、話も持って行き方は安定していて楽しめた。結局「生きている」ってことは、「記憶を共有している」ってことなのか。それは独りで生きていても、本とかインターネットとかで、記憶を共有していれば生きていることになるのかな? 「ホントの妻」のお顔を何処で見たのか思い出せなくて、なんか不安でたまりません。(解説観てわかりました。007でしたの) (解説) 『ミッション:インポッシブル』シリーズなどのトム・クルーズ主演によるSF大作。エイリアンの襲撃で半壊して捨てられた地球を監視していた男が、謎めいた人物との遭遇を機に自身と地球の運命を左右する事態に巻き込まれていく。『トロン:レガシー』で注目を浴びたジョセフ・コシンスキーが監督を務め、名優モーガン・フリーマン、『007/慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコら、実力派たちが脇を固めている。壮大かつ予測不可能なストーリーに加えて、半壊した地球の鮮烈なビジュアルからも目が離せない。 in movix倉敷 2013年6月6日 ★★★★☆ 「奇跡のリンゴ」 日曜日のお昼、小さめの5番館(129席)の客層はシニア世代を中心に若い親子連れが交じる。割引きはあまりないのにもかかわらず八割方が埋まっていた。雰囲気としては「おくりびと」の最初の頃に似ている。音楽は同じく久石譲。 愚直なまでに一つのことを追求した映画である。悪人は出てこない。しかし、自然は厳しい。10年間リンゴ収入ゼロで6人家族が暮らすのは確かに「戦場」のような瞬間もあったことだろう。それでも、「一つのわからないことの答えを探し続ける」ということは、それだけで立派なことなのである。そんなことを愚直に描くとこんな作品になる。 夫婦の間に理解があって、子供が親の背中を見て応援してくれている。ビンボーの話は今ごろ珍しいけれども、テーマは貧乏克服、成功物語じゃない。家族の話になっている。菅野美穂の泣き笑いが見事だ。 中村義洋監督の作品に外れがない率、今のところ100%である。そして、津軽地方の自然をいっぱいに映していた。この映画はきっとヒットする。 (解説) 『ポテチ』の中村義洋がメガホンを取り、『舞妓 Haaaan!!!』の阿部サダヲと『ジーン・ワルツ』の菅野美穂が夫婦を演じた感動作。石川拓治原作のノンフィクションを基に、夢物語だといわれていたリンゴの無農薬栽培を成し遂げた農家の苦難の道のりを映し出す。笹野高史や伊武雅刀、原田美枝子や山崎努らベテラン俳優たちが豪華共演。実話をベースに描かれる、地道な研究から奇跡を成し遂げた家族の波瀾(はらん)万丈の生きざまに感極まる。 in movix倉敷 2013年6月16日 ★★★★★ 「リアル~完全なる首長竜の日~」 周辺から不気味な映像と音をチラ見させる手法は、かつて私が生涯で1番怖かったホラー映画「回路」(黒沢清2001)で多用された方法である。全編いつも不安にさせる要素をちりばめて、心理ホラーとして有効に使われている。 最終的にラブストーリーとして落ち着かせるエンタメ作品に仕上げたのは、黒沢清作品としては、最大のサプライズだったのかもしれない。 ただ、中谷美紀だけが謎として残った。 (解説) 2011年に発表し話題となった乾緑郎の「完全なる首長竜の日」を、『アカルイミライ』などの黒沢清監督が映画化した異色作。自殺未遂で昏睡(こんすい)状態になった恋人を救うため、最新医療技術を通じて彼女の意識下に潜入した青年が、現実と仮想が入り乱れる意識の中に潜り続け、やがて衝撃的な真実にたどり着くさまを活写する。主演は、日本を代表する若手実力派の佐藤健と綾瀬はるか。共演には中谷美紀、オダギリジョー、染谷将太など多彩なメンバーが顔をそろえた。 「華麗なるギャツビー」 華麗なる(壮大なる)恋物語。前作は見ていない。身につまされる恋だった。 ディカプリオは最近の役では最も良かった。彼の格好良さと強さと弱さが如何ともなく出ていたと思う。 バズ・ラーマン監督の外連味溢れる、まるでファンタジーのような作り方は残念ながら私の趣味ではなかった。 (解説) 数々の名作を世に送り出した作家F・スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」を実写化したドラマ。快楽的な生活を送る謎の富豪ギャツビーの意外な正体を、ある女性との恋を絡めながら映す。レオナルド・ディカプリオが、人並み外れた容姿と富を兼ね備えたギャツビーをクールに演じる。『マイ・ブラザー』のトビー・マグワイアやキャリー・マリガンらが共演。『ムーラン・ルージュ』などのバズ・ラーマン監督ならではの絢爛(けんらん)を極めたビジュアルも見ものだ。 in TOHOシネマズ岡南 2013年6月19日 ★★★☆☆ アラビアのロレンス(新・午前10時の映画祭) アカバ攻略の前後にロレンスは「2人を殺した」と後悔をする。ベドウィンの首長の白い服をきた時はロレンスは「英雄」てあるが、イギリス少佐の時には単なる軍人にすぎない。 英雄はアラブの独立を願い、軍人は政治の延長としての戦争の駒の役割しかしない。 前半は「英雄の誕生」を描き、後半は「英雄と戦争がいかに矛盾するか」を描くだろう。 最後の場面。絶望してダマスカスからイギリスに帰る帰途の道。今や大佐となったロレンスの車を砂煙をあげてバイクが追い越す。そこで初めて分かったのは、この作品の冒頭ロレンスがバイクに乗っていたのは、アラブを全て忘れて近代文明に回帰したのではなかったのである。あのバイクはアラブの騎馬そのものだった。 in TOHOシネマズ岡南 2013年6月19日 ★★★★☆ 「天使の分け前」 サッチャー元首相が亡くなった時にケン・ローチ監督はこのような辛辣なコメントを発表した。 「どのように彼女に敬意を払うべきか? 彼女の葬式を民営化しましょう。競争入札にして最安値の商品を選んであげましょう。それこそ彼女が望んでいたことだからです」 英国の財政を立て直したという日本のマスコミが流した評価とは全く次元の違う見方を、この英国の至宝ともいわれる監督はしているということだ。 英国の若者たちが直面している現実は、映画では少ししか現れないが非常に厳しいものがある。だからこそ、100万ポンド(約1.3億円)もするウィスキーの樽から天使の分け前を若者たちにあげても英国の人たちは「よしよし」と思ったことだろう。 ところで、人生で三度目くらいです。劇場の中でビックリしたあまりつい大声出して叫んでしまったのは。 (解説) ユーモアと人情たっぷりの新境地 カンヌ国際映画祭の最高賞〈パルムドール〉に輝く名匠ケン・ローチは、これまでも『ケス』『SWEET SIXTEEN』などで厳しい現実から抜けだそうともがく若者と向きあってきたが、本作は一転、愛と人情とユーモアにあふれ、笑いあり、涙あり、スリルも満点!若者が直面する問題を見据えながら、はみだし者ではあるけれど陽気な登場人物を親しみと温もりをもって描きだす。スコットランド版『フル・モンティ』と絶賛され、感動作『ブラス!』にも連なる本作は、30本を超えるローチ作品の中でも英国における最大のヒットとなった。脚本は、監督の長年の盟友ポール・ラヴァティ。この名コンビが熟成させたウイスキーのように、香り高く軽快で、アフターフレーバーこそが醍醐味の逸品をぜひご賞味あれ! 出演 ポール・ブラニガン、ジョン・ヘンショー inシネマクレール 2013年6月23日 ★★★★☆ 「100回泣くこと」 CM調査のための鑑賞です。公開二週目、土曜日最終、入りは78/204、16-19歳が40%、20-34歳が58%、小学生、中学生は各2人、50代は私1人、友人同士が50%、カップルが40%、家族が5%、1人が5%という見たてです。CMは無事流れました。 肝心の内容ですが、桐谷美玲は頭を丸めるような根性も見せなかったし、大倉忠義含めて2人は抑えた演技と言うべきなのか大根と言うべきなのか、微妙でした(^_^;)。いや、むしろ2人とも大根であったと言うべきだろう。終始2人は泣いているのだけど、何処か一つでもウソだと思わせたら、もうダメだ。 (解説) 記憶の一部を失った青年と病魔に侵された女性との切ない恋愛を描いた中村航原作のベストセラー小説を映画化したラブ・ストーリー。関ジャニ∞の大倉忠義が単独での映画初主演を務め、ヒロインを『荒川アンダー ザ ブリッジ』シリーズの桐谷美玲が演じる。監督は、『恋する日曜日 私。恋した』といった作品で、男女の関係を繊細に映し出すことに定評のある廣木隆一。また、脚本を『ソラニン』などの高橋泉が手掛け、原作とは異なる設定に組み変えている。次第に明かされる二人の過去、やがて訪れる悲しい運命に号泣すること必至。 in movix倉敷 2013年6月29日 ★★☆☆☆
2013年07月02日
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南浦でsuzuさんと合流。豚足(チョッパル)の店오륙도족발に連れて行ってもらう。乾杯~流石にsuzuさんオススメの店だけあって、オカズが美味しい。これはドングリのコチュジャン和えかな?うまうまのスープサラダやスパゲティなどのいろんなオカズ、そして大盛りの豚足!中を頼んだのだけど、結局飲んでばかりで食の細いsuzuさんのせいか、2人で食べきれなかったよ。シシトウに見えるこれは、洛東江流域ではオカズに何度も出て来て実は案外辛くない、ということは既に何度も書いた。と、思い私はsuzuさんの忠告を振り切り一口齧って一部飲み込んでしまった。そうしたら、もっとも辛い青唐辛子だった!!!しばらくのたうちまわった。口の中で辛いうちはまだいいけど、胃の中に入れてしまったら、長いこと苦しむものなんですね。suzuさんのいうには、見た目には区別出来ないので、食べる前に必ず臭いで確かめること、だそうです。勉強になりました。以後気をつけます。このあともなんか飲んだような気もするのですが、写真がありません。多分バッテリーが切れた。ここで今日はお開きです。チャージ10000 昼食7000 コーヒー3000 夕食19000 Wi-Fi5500計 44500w歩数 21215歩 produced by 「13日の水曜日」碧猫さん
2013年07月01日
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