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M&Aによる会社価値向上手段のもう1つは、富の移転である。富の移転とは、他のものが享受していた富を、M&Aを通じて新会社が奪ってしまうということだ。1.債券保有者、銀行から、新会社への富の移転もし、ある会社がM&Aによってよりリスクの高い企業を買収した場合、当然のことながら、会社全体としてのリスクは上がるであろう。本来的には、もともとの企業が行っている借入れ(銀行借入れもしくは債券)についても、それに合わせて、適正な金利を求めなくてはならないが、状況によっては、それを実現できないケースもありえる。その場合、本来支払うべきであるが、支払わなくてすむ金利分については、債券保有者もしくは銀行から、M&A後の新会社に富が移転しているということが出来る。2.従業員から会社への富の移転実は、M&Aによる経営統合は、従業員にとっては、賃金カット、リストラされてしまう絶好の機会となってしまう。これは、会社にとってはコスト削減となるので、会社価値向上に寄与することとなる。従業員が損する代わりに会社が得をするわけだ。M&A報道があると、買収企業が被買収企業の従業員をそのまま雇用しつづけるということがよくあるが、それはその懸念が大きいからだ。日本と欧米では企業文化も違うので、この要素は欧米(特に米)で、富の移転がよく起こる。3.消費者から会社への富の移転M&Aによって、消費者が富を奪われる場合もある。経営統合をした新会社が巨大なマーケットパワーを得ることにより、独占に近い形態で価格コントロールなどを行なえるようになった場合、実質的に、消費者にとっては損となり、会社にとって得となる。このことによってM&Aによる企業価値向上を実現することが出来る。経営統合の際に、独占禁止法などの問題が絡んでくることがあるが、それはこの富の移転に関連するものだ。4.税金を逃れることによる富の移転最後に、M&Aは税金を減らす効果をもたらすことがある。第一の方法は、使用していないタックスシールド(税金の計算は、利息を引いた後に行われるため、借入れがあれば、利息支払分×税率の分だけ税金を少なくすることが出来る)をM&Aの結果、使用できるようになるというものである。借入れを行い、タックスシールドがあったとしても、そもそも利益が上がっていないため、税金を支払う必要がなく、せっかくのタックスシールドを使用できていないこともある。この場合、経営統合により利益が増すことになれば、税金は増えるが、使用していないタックスシールドを使うことにより、税金支払いを本来支払うべき金額よりも減らすことが出来るので、新たに使用出来るタックスシールドの分だけ企業価値を上げることが出来る。第二に、そもそも税金を免れるためにM&Aを行う場合もある。有名な事例としては、British PetroleumとAMOCOが合併した際に、数百万ポンドという非常に大きいStamp Duty Reserve Taxを支払わなくてすんだというものがある。この税法の抜け穴はもう無くなってしまったが、両者の合併の際には、税金を支払わなくてすむことが1つのモチベーションとなったようだ。あまり、楽天とTBSの話とは関係なくなってしまったが、楽天の場合には、これらの富の移転を目的とした統合を目指しているわけではないだろう。次回は、キャッシュを使って買収する場合、株式交換方式を使って買収する場合の違いについて述べたいと思う。つづく
October 31, 2005
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昨日からの続きであるが、どんな場合に、M&Aによる新たに価値創造、富の移転が起きるのであろうか。本日は、新たな価値の創造について。第一に考えられるのは、統合効果による価値創造である(10月28日の日記もご参照下さい)。これは大きく、ハード面、ソフト面、その他に分かれる。ハード面での統合効果は、主に重複する事業を統合することによって生じる経済効果で、コスト削減を実現するものだ。経済学でいう規模の経済というのもこの中に含まれる。楽天とTBSの場合には、重複する業務はほとんどないと思うので、この効果は小さい。また、M&Aの発表の際に、コスト削減効果はよく含まれるが、同じ業務を統合するにせよ、片方の業務規模が小さければ、その効果は小さくなるので、どれくらいの規模の業務が統合されるか、というのも注目するべきポイントとなる。ソフト面での統合効果は、統合しなければ得られないビジネス・モデルの創造、お互いのチャネルを使って販路などを拡大するクロスセリングによる効果などがこれに含まれる。楽天は、既にTBSと経営統合した際の効果を提案書という形で提出しているが、統合効果は主にソフト面での統合効果というのが分かる。問題は、楽天の提案というのがどれくらいの効果を得ることができるか、ということであるが、私個人的な考えとしては、テレビ業界とインターネット業界の統合というのは、非常に相性がいいのではないかと思う。テレビ業界というのは、今後、個人が自分の見たいものを見たいときに見る、というような方向へと進んでいっており、インターネットというツールを使って、この方向性がより加速される方向へと進んでいくのではないかと思うからだ(ちなみにプロレスももう少しファンの要望を取り入れるようなシステムを取り入れてもいいのではないかと思っている。インターネットとの融合も結構うまくいくのではないであろうか)。最後に、M&Aのその他の統合効果としては、新市場への参入(今まで進出していない市場に、そこで既に業務を行っている企業を買収することによって参入する、など)、マーケットシェアが増加する、などがある。また、業務多様化については、昨日書いたように、それ自体のみを目的にしたとしても会社全体としての価値は上がらないが、付随する形で多様化を実現出来れば、会社全体としてのリスクバランスはよりよいものとなるということが言えるであろう。価値創造第二の手段は、マーケットにて本来の価値以上に低い評価しか得ていない企業を買収することである。安い価格で買収することにより、本来の価値を反映した価格に戻れば、買収企業がその差を享受出来る。しかしながら、本来、マーケットは効率的に機能しているはずであり、このようなことは起こりにくい。低い評価しか得ていないということは何か理由があり、本当に価値が上がるのかは分からない、とも考えられる。また、それでも敢えて、低い評価の企業を買収して差益を狙うということであれば、経営統合せずに、純粋な投資として企業を買収するということも考えられる。しかし、もし被買収企業の経営陣があまりうまく機能していない、ということであれば、買収して経営を入れ替えることにより、価値を高めることが出来る。経営統合しなくても、新しい経営陣を取り入れることは可能であるが、M&Aは新しい経営を入れる一つの手段となりえるであろう。明日は、M&Aに伴って買収企業が享受出来る富の移転について書いてみようと思う。つづく
October 29, 2005
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M&Aが行われる際に、しばしば、疑わしい動機によって進められることがある。典型的なものが、社長、あるいは経営陣が自らの地位向上、影響力向上などのために行う場合である。本来、M&Aを通じて、彼らの利益が向上するのではなく、会社の利益が向上するべきである。三木谷社長は多分これに当てはならないであろうが、過去のM&A案件では、そのようなモチベーションが強く働いていることも事実である。業務多様化のためにM&Aを行うというのも、若干疑わしい動機である。というのは、経営統合を行わなくても相手方の株式を購入することにより、擬似的にリスク分散を行えるし、また、しばしば衰退している業界の会社が、投資先がないからといって業務と関係ない会社を買おうとしたりするが、この場合は株主に利益を還元すればいいのである。何故ならば、新しい企業を買収しても何ら新しい価値を創造しないからである。M&Aを行えば、デフォルトするリスクが減るので、結果、ファイナンスのコストを下がる(借入金利などが下がる)というロジックもしばしば行われる。しかし、これまた怪しい。少なくともリスクが低い側の企業の金利は、リスクが高い企業を買収することによって、上がってしまうからである。本当にファイナンスコストが下がるのは、両者のリスクが、例えば季節によって違う、年によって周期がある、などの場合、片方のリスクが高いときに、もう一方のリスクが低く、統合の結果、リスクを一定に保つ場合に限られるであろう。また、EPS(Earning Per Share = 一株当たり利益)を意図的に上げるために、M&Aが行われる場合もある。これは、株式交換方式によって企業を買収して、交換比率を変えることにより、意図的にEPSを上げるものである。しかし、この部分だけを見れば、実態的には何も変わっていないのに、数字合わせによってEPSが上がるので、会社本来の価値を上げているとは言えない。これらの疑わしい動機で行われるM&Aは、何ら新しい価値を創造しているものではなく、株主にとってプラスとはならない。その一方で、通常、買収企業は被買収企業を買収するために、本来の価値より高い金額(本来の企業価値+プレミアム)を支払うことが多い。統合効果よりも大きいプレミアムを支払う場合には、買収企業が株主価値を損なうこととなる。また、そもそもは正しい動機でM&Aを進めようとしたとしても、買収競争、相手側の対抗手段などにより、結果的にコストが高くなりすぎる場合もある。それは、株主に対する裏切りと言えるであろう。本来、M&Aを行う企業は、企業価値向上(=株主価値向上)を実現しなくてはならない。これを実現するためには、以下2つの方法がある。1. 新たな価値創造2. 富の移転の2点である。次回はこれらを詳しく述べたいと思う。つづく
October 29, 2005
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楽天によるTBSとの経営統合提案については、海外のマスコミでもよく報道されている。昨年当たりから、外国人の方からも日本がだんだん変わってきているのではないか、という話がよく出るが、その根拠が、失敗に終わったが、三井住友銀行のUFJへのTOB画策や、ライブドアとフジテレビの一連の攻防などである。従って、今回の一件も日本が変わってきている、ということで海外からの注目も高いのであろう。そこで、M&Aの報道に接する際にポイントとなる点を少し整理してみた。まず、経営統合を行う場合に、大きく3つのパターンがある。1.水平統合 (同じ業種の企業同士による統合)2.垂直統合 (同じ業種だが生産などのプロセスで違う段階にある企業同士の統合)3.コングロマリット統合(全く違う業界による統合)一方、統合効果は以下のように分類出来る。1.ハード面での統合効果(オーバーラップする業務の統合、経済規模が大きくなることによるコスト削減、など)2.ソフト面での統合効果(新しいビジネスチャンスの創設、一方の製品をもう一方のチャネルを使って販売するクロスセリング、など)3.その他:マーケットシェア増加、業務多様化、新市場への参入(外国企業買収など)例えば、最近の三菱UFJの統合は、水平統合で主にハード面での効果およびマーケットシェア増加などを期待したものだ。一方、楽天とTBS、ライブドアとフジテレビの場合は、コングロマリット統合で、主にソフト面での統合効果を期待したものであろう。つづく(といって続かない場合もありますが、今回はちゃんとやりたいです)以下の記事を参考にさせて頂きました。かきなぐりプレスさんピーウィーくんさん
October 28, 2005
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昨日のFinancial Timesのビジネスセクション一面に、日本の機関投資家は、アメリカ、イギリスの機関投資家と比べて、よりヘッジファンドに投資しているという記事が出ていた。アメリカの28%、イギリスの10%と比較して、日本は58%と半分以上の機関投資家がヘッジファンドへ投資しているということだ。日本の機関投資家の運用資金は、500兆円と世界最大規模で、もともとはコンサーバティブだと思われていたのに、このような調査結果が出て、大きなニュースとして扱っているのであろう。生保のファンド、年金ファンドなどは、その資金の多くを国内の債券、株式に投資してきたが、リターンが低いために、大部分のファンドが支払い義務をカバーするリターンを確保できていない。それをカバーするために、よりリスクの高いヘッジファンドへの投資へと走っているわけだ。しかし、ヘッジファンドも必ずしもうまくいくとは限らないので、非常に大きなリスクを抱えていると言える。日本の社会的大問題と関連するどちらかというとネガティブなニュースだろう。その他のニュースとしては、企業の研究開発費にランキングが発表されていたのが興味深い。1位から3位は、ダイムラークライスラー、ファイザー、フォード。日本からはトヨタが4位、松下が8位、ソニーが15位にランクされていた。上位には名前を連ねていないが、韓国の躍進が目立つそうで、実際、サムソンなどは、優良企業としての立場を既に築いてきており、存在感がある。今後も発展していくのであろう。逆にヨーロッパの投資額は小さいので、新技術開発の分野ではアメリカ、日本などに劣ってしまうのかもしれない。
October 25, 2005
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PRIDE30でジョシュがミルコに負けてしまった。私はもともとミルコが好きだったし、ミルコにも復活ロードを歩んで是非ヒョードルを倒して欲しいと思っていたが、ジョシュへの思い入れも強い。ジョシュは、もともと総合格闘技の実力者であることに加えて、日本人レスラーよりも日本のプロレスを愛していた。彼は常に新日本を背負っていたし、新日本は強くなくてはならないということを理解していた。おまけに、元々アニメおたくで、日本そのものも好きであるという要素も「ジョシュ、頑張ってくれよ」という思いを起こさせてくれた。新日本は彼をもっとうまく使えば、ひょっとしたらホーガン・ハンセン級の大スターになっていたかもしれないのに、と思う。そんな彼も最近の新日本では、邪険に扱われていたようだ。G1にも出させてもらえなかった。上井さんが中心となって格闘技路線を進めていたときには、東京ドームIWGP挑戦デビューという破格の扱いだったのに、現在は体制も変わり、新日本の方向性が完全に変わってしまったのだろう。そんな彼が、この一戦にかけていた思い入れは、察するに余りある。もちろんミルコもヒョードルへの再挑戦のためには、この一戦を落とすわけにはいかなかったであろう。このように両者引けない状態での戦いというのが、ヒクソン対高田から通じるPRIDEの醍醐味なのであろうが、今回は、両者とも思い入れがあるだけに、何だか結果を知るのがつらいものがあった。でも、ジョシュに勝って欲しかったな。ジョシュには是非ともまたPRIDEに再挑戦して、復活ロードを歩んでいって欲しい。参考記事:カクトウログさん
October 24, 2005
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今週お会いした方の中で印象に残っているのは、現在、EUで教育関係の仕事をしている方だ。彼は、第二次世界大戦が終わった1945年にイギリスで生まれ、それ以来、British Counselで、アフリカ、ヨーロッパ各国で教育の仕事をしてきたとのこと。彼は、14歳の時にドイツ人のペンフレンドのところに遊びに行って、そこでヨーロッパ人としての自分のアイデンティティを発見し、自分をイギリス出身のヨーロッパ人と考えるようになった、と。イギリスとドイツは第二次世界大戦で敵対していたため、ホームステイした家族には、イギリス兵にも殺された人もいて、イギリスのことはよく思っていなかったらしいが、それでもその家族は暖かく迎え入れてくれた。そして、その時からの友情は今でも続いていて、2人でEUの仕事をして、ヨーロッパという1つのアイデンティティを築く仕事をしているとのことであった。EUは、経済は統合しているけど、EU全体としての行動を決める憲法が存在していないため、政治はばらばらだ。でも、人々の距離は非常に近いし、彼らのようにヨーロッパ人としてのアイデンティティを非常に大切にしている人たちも多い。日本のことを考えると、今、アジア諸国との関係はあまりうまくいっていないけど(日本政府はアメリカ追随を最優先に考えているので、わざとそうしているのかもしれないけど)、このように若いうちからお互いの国を知るためにホームステイする、などということは、日本にとってもプラスになるのではないかと思った。
October 14, 2005
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今日、とある人の紹介で、北朝鮮投資を考えている人と会ってきた。お金を集めることは可能であろうかとのこと。米系エネルギー会社の人なのだが、アジアつながりということで日本人の私に聞いてきたのだろう。彼いわく、「天安門事件の時には、中国投資なんて誰も考えていなかったが、今は誰も彼もが中国だ。そこで俺は北朝鮮に目をつけた。今は誰も北朝鮮なんて言わないが、将来は皆投資したがるだろう!現に、韓国も既に動き出している。一番乗りは誰にも渡さないぜ!!!」さすが、米系はアグレッシブだなぁと思いつつ、適当に答えを返しておいたのだが、彼は、既にしかるべき金融機関などにも問い合わせをしており、相当本気らしい。当分は無理だろうけど。それはさておき、自分は1995年にアントニオ猪木が北朝鮮に行ったときに、平壌まで追いかけていったので、リアル北朝鮮の話でも盛り上がった。そのときふつふつと、あの19万の平壌市民の前でのアントニオ猪木対リック・フレアー戦が心の中に蘇ってきてしまった。あの平壌の熱い夜を!そういえば、佐々木健介と鬼嫁北斗は平壌のダンスパーティで出会ったのだ、とどうでもいいことも思い出した。ある意味おしゃれな出逢いだ。というわけで、時間があるときにでも詳しい話を。
October 11, 2005
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この前のWRESTLE1で秋山がボブ・サップに負けた。ノアは他団体の絡みにおいて自団体の選手を負けさせないことにおいて定評がある。三沢、小橋、秋山が新日本、ゼロワンに出たときもそうだった。ノアドーム大会では、三沢も小橋も力皇も他団体の選手に勝った。そこで、何で秋山をボブ・サップに負けさせたのかなぁと不思議に思っていたら、小橋対サップの機運が盛り上がってきた。ノアの本当の目的はこれだったのだか。思えば、敗戦後の秋山のコメントからストーリーは開始されていたのだ(カクトウログさんの記事ご参照)。武道館などの大会場で小橋対サップを行なったら超満員になるだろうし、多分小橋が勝つであろう(小橋にも勝っちゃったらそれは勘弁してくれという話だ)。秋山は負けても価値が下がらないという判断か。新日本は、他団体の選手と絡むたびに負けている感じがする。価値が暴落しまくった天山がいい例だ(今回のドームではWWE勢が主力だったからそういう印象もあまりなかったが)。でもノアを見習って下さい。この記事はカクトウログさんの記事を参考にさせて頂きました。
October 9, 2005
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最近、新日本プロレスが7月に不渡り(1900万円)を出したのではないか、という噂が出回っている。もし本当だったら、2度目を出した場合、銀行取引停止になり、普通は、過去いくつかのプロレス団体がそうなってしまったように、そのまま倒産することになるだろう。1度目の不渡りでも、新日本と商売するリスクが高まるので、商売相手は嫌がり、交渉力も弱くなってくるはずだ(借入金利が高くなるなども含めて)。従って、通常の企業は、例え1回でも不渡りを出さないように最善の努力をするが、もし新日本が本当に不渡りを出していたとすれば、相当資金繰りに窮しているということである。資金繰りに窮しているということは、出来ることは2つしかない。売上増かコスト削減である。そんな中、今日行なわれるドーム大会は大して話題性もなく、多分赤字の失敗興行であろう。サイモン社長は今後、海外に目を向けた新戦略を打ち出しており、それに伴って今回のドーム興行もギャラの高いブロック・レスナーを目玉にしている。しかし、ブロック・レスナーはWWEのストーリーラインの中にいたから日本のファンも見たがっていたのであり、新日本に上がったレスナーは魅力半減だ。つまり、売上は伸びない上にコストはかかる、という最悪の選択である(アメリカでもテレビ放映されるらしいから、こういうところから盛り上がってくる、というのもありえるかもしれないけど)。今後、海外戦略を進めるにせよ、外人招聘コストなどが負担となる一方、戦略がうまく行った場合(多分うまく行かないと思われるが)の売上増加効果が表れてくるのは少なくとも数ヶ月はかかると思われる。つまり、現在の新日の台所事情からすると、少しずれた戦略だ。現在の新日本は、真摯にコスト削減に努める一方、効果のある攻めを見せていかないと、本当に会社として持たなくなってしまうのではないか。草間前社長からサイモン新社長への不可解な社長交代劇、必要以上に派手なサイモン社長就任パーティ、ドームの盛り上がりのなさとピントのぼけたマッチメーク、などなど、最近の迷走振りが以前にも増して際立っているところに、不渡りの噂が出てきたので、倒産するというシナリオも本当に有り得るのではないか、という気がしてきた。そのうち離脱者が続出してくるような気もする。いずれにせよ、もし本当に不渡りを出していたとしたら、2度目の不渡りを出さないようにきちんと資金繰りをして欲しいものだ。果たして今日のドーム大会は?
October 8, 2005
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交渉で勝つためには準備が重要。具体的には、(1)ターゲットポイント(ベスト・シナリオ)を明確に。出来るだけ高い理想を。(2)BANTA(Best Alternative to a Negotiated Agreement=交渉が成立しなかった場合の代替案)を持っておく。より良い案を探し続ける。(3)Reservation Price(ボトム・ライン=BANTAから導かれる)を明確に。ボトム・ラインは交渉中に決して変えてはいけない(BANTAが変わったり、交渉条件の変更があった場合は別)。これを満たさない場合には交渉決裂。交渉中に決してボトムラインを知られてはいけない。以上3つを考えておく。相手のボトム・ライン、BANTAを出来る限り調べておく。交渉開始後。最初のオファー(価格交渉であれば価格)は、自分から、自分にとって最高に有利な形で出した方がよい。何故ならば、自分に有利な条件で最終締結する可能性が高い(研究により証明済み)。ただし、交渉相手が重要であり、かつ相手のBANTA、ボトム・ラインを知らない場合には、注意が必要。タイミングも重要。相手が最初のオファーを出してきて、自分のターゲットとかけ離れているときには、カウンターオファーを出して、交渉を相手のオファーに沿った形では進ませない。譲歩するときは、相手の要求を全部知ってから。こちらも得るものがあるようにする。(つづく)
October 6, 2005
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先日、最近までイラクの民営化のアドバイザーとして活躍していたMF女史とお話する機会があった。印象に残った話をいくつか。彼女は、イラクに限らず、コソボ、アルジェリア、旧東欧諸国などの政府企業の民営化をコンサルティングしてきたということであるが、やはり発展途上国での民営化はなかなかうまくいかないようだ。彼女自身が成功例として自信を以って挙げられるのは、リトアニアくらいのようだ。民営化は、政府にとっての資金調達と、運営の効率化が主目的であるが、実現するためには、トップダウン形式で政府がきちんとした目的意識を持ってやっていかなければままならない、と。これは、日本と全く同じ状況だ。中でも重要なのは、法律をしっかりと整えることで、民間企業の権利がきちんと保証されないと、投資家はついてこない。投資家は、世界中のどこでも投資できるわけで、政府は、資金を集めるために、他の投資先候補国と競争していかなくてはならないが、それを分かっていない国が多すぎる、とのこと(個人的には極度にカントリーリスクが高い国でも投資しようとする人がいること自体が驚き!)。彼女は、治安すら危ういような国で働いていて、Feeの取りっぱぐれなどがないかと心配していたら、契約自体は、国連などの援助機関と直接する形にしているそうだ。途上国自身との契約形態では、信用力がなく、政府のアドバイザー銀行が業務遂行途中に突然契約解除されて痛い目にあっているという話もあると。日本も民営化、民営化と大騒ぎしているが、基本的には投資家がいないといけない。政府機関は必然的に効率が低いであろうから、民営化することが決まってもどのような仕組みを作って投資家をつのるのか、というこれからの方が大変なのであろう。同じようなことをイラクでもやっているのだなと妙に感心した1日だった。
October 4, 2005
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