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2004年06月18日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 入院して、手術前と手術後にかけて読んだ本です。


 簡単に言いますと、この小説は「東電OL殺人事件」をモティーフとしています。
 エリートで一流大学を卒業していたOLが、夜は売春婦をしていて、その末に殺されたという事件はセンセーショナルで江角マキコ主演の「独身時代」というテレビドラマの基盤にもなりました。
 「独身時代」の江角マキコ演じるヒロインは、佐藤浩市演じるヤサぐれてはいるものの、本当は心優しい男性とめぐりあうのですが、この小説にはそういった救いは一切ありません。
 主人公(他にも主人公は複数存在します)・和恵の周りはお金、地位、そして美貌に執着する人間か、もしくは和恵に無関心な人間しか登場しません。
 和恵は、一流大学を卒業した大手企業につとめる父と、教育熱心な母のもとに生まれ、「努力すれば何でもかなう。もしかなわなかった時は、自分の努力が足りなかったんだ」という父親の教育を徹底して受けます。
 和恵は「一流大学を卒業し、一流企業に就職する自立した女性となってほしい」という両親の期待に応えるため、必死になって勉強し、Q女子高校という一流のエスカレーター式高校に
入学します。

 中流家庭に育った和恵は、もともとしゃれっ気のない生活を送っていたためか、「自分はダサい」と引け目を感じ、また周囲からもそうバカにされ始めます。
 自分の得意な勉強で勝負しようとしても、もっと勉強のできる生徒はたくさんいるのです。
 和恵は「私の努力が足りないから、こんなことになるんだ」
と必死で勉強し、また美しくなるためにほとんど何も食べずに
ダイエットします。
 彼女は拒食症になるのですが、ヤセこけた自分の体を見ても
まだ太っている、と満足できません。
 こうして、和恵は努力を続け、念願の一流企業に総合職のOLとして就職するのですが、そこは男社会という大きな壁が
ふさがっていたのです……。


 和恵がなぜ売春に走るのかは、本編をお読みいただきたいと思います。
 私はこの小説を読んで、和恵はとても素直に他人のいうことを聞く女性だと思いました。

 女性雑誌などで、「働く老けないキレイなママになろう」なんていう特集が組まれていますよね?
 あれって、ものすごく無理なことを言っていると思いませんか?
 人間が年を取っていくのは当たり前のことだし、子供ができるとそれだけ手がかかるし、仕事を持っているとさらに疲れも
出ます。そういった現実のトラブルを「すべて努力で解決せよ」と言っているのです。
 そんなことを続けていたら、肉体も精神も疲れ果て、ノイローゼになる人も少なくはないでしょう。たしかそういうのって、スーパーウーマン症候群っていうんですよね。間違っていたらごめんなさい。

 でも、現代社会のタテマエは、「どんなことでも努力すればかなう」である場合が多いです。
 そうして、不可能なことにばかり挑戦し続けると、そこには執着が生まれると思います。執着が始まると、人間は一つの視点でしか、ものが見えなくなるし、自分と違う他人の価値観をバカにするようになります。
 この小説を読んでいて、リアルだと思ったのは拒食症でやせこけた和恵が、「自分はナイスバディ」だと思いこみ、自分より少しでも太っている人間を「デブ」とバカにする場面です。
 たとえその「デブ」な人がどんな才能を持っていても、和恵の目には「デブ」としか見えないのです。

 これって、人間としてものすごく寂しいことだと思いませんか?
 他人のいろんないい面がすべて見られなくなるんですよ。
 そういった思考形態を持っている和恵が、徐々に孤独を極めていくのも当然と言えます。
 和恵がそうなったのは、Q女子高校の生徒たちにバカにされたせいですが、そのQ女子校の生徒もたぶん和恵と同じく、他人に見られた自分、でしか自分を判断できないのです。
 そういった状況を描いたことから、この小説は「グロテスク」と名付けられたのでしょう。


 なんだか、まるで私は和恵と違う人間みたいに書いていますが、私の中にも和恵はいます。
 でなきゃダイエットしたい、とかメイクのテクを磨きたいとか思いませんって(^^;

 だから、この小説を読んだ当初は私はひたすら憂鬱な気分になったのです。
 「私もQ女子高校に入学したら、ダサいっていじめられるのかなあ」などとありえない想像までしていました(^^;
 でも、ある日から、この小説はそれほどまでのインパクトはなくなりました。

 その、ある日とは。

 日記にも書きましたが、私は手術したんです。
 手術後、五日くらいは私は飲まず食わずの生活を余儀なくされ、起きあがることもままなりませんでした。熱は平均四十度。薬の副作用で吐き気までします。
 こうなってくると、人間の思うことは限られてくるのです。

 熱い、痛い、つらい。
 早く元気になりたい。

 ふだん、私も和恵と同じく他人と自分の優劣を比べたりすることも少なくない人間ですが、その手のことは一切頭から吹っ飛びました。
 劣等感とか、優越感とか、そういうものは体が健康なんだからいだけるものだとつくづく思い知りました。

 手術後、初めて飲んだ水のおいしかったこと!

 ようやく食べられたおかゆの味。

 退院後、見た青空の美しさ。

 こういうものを忘れないでいきたいと思います。
 人間は健康で、ほどほどのお金と時間があれば、十分幸せなのではないでしょうか。

 とかなんとか言いつつ、退院後に夏に向けてのダイエットを考えている私でした(^^;





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最終更新日  2004年06月19日 05時57分13秒
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