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2005年05月26日
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カテゴリ: 小説
私は息を詰めて少年Aの次の言葉を待った。少年Aがあいまいとしかいいようのない表情を浮かべ、ぬるい空気が私たちの間に流れる。少年Aのまなざしは、私の顔から胸へ流れ、そして畳の上にある小さなテーブルに泳ぎ着いた。
「これ、ピアス?」
 少年Aはテーブルの上に置かれていた銀色の輪に目をとめて言った。そのピアスは生徒が今日、教卓の上に置いたものだった。私は少年Aが話をはぐらかそうとしているずるさに。嘘で対抗することにした。
「そう。ちょっと知り合った人にもらっちゃってさ、その人がぜひつけてくれって言うの。私にピアスが似合うって。私、困っちゃった。だって私、ピアスホール開けてないんだもん。ピアスホールってやっぱり開ける時、痛い? 教えてよ、少年A」
「……その人って、男の人?」
 少年Aは頬をこわばらせて、慎重そうに訊ねた。
「さあね。ご想像におまかせしまァす」
 私は笑って肩をすくめる。
「ごまかさないでよ、先生」

 私は視線を落として、そこで言葉を切った。少年Aの返答が待ち遠しくもあり、怖くもあった。
「少年Aもどうしていきなりピアスなんか入れたわけ? 君らしくないわよ。ひょっとして誰かさんの影響?」
 私はおそるおそる顔を上げる。少年Aは眼鏡のブリッジに手をやったまま、だまりこくっていた。
「……ただなんとなく。べつに意味なんてないよ」
 嘘つき。一ノ瀬とペアにしてるくせに。私はそう怒鳴りたかった。
 けれど私は思いを吐き出すこともできないまま、うつろな言葉を紡ぐ。
「ふうん、そうなんだ。私も少年Aみたいにイメージチェンジして、このピアスしてみようかなあ」
「やめろよ」
 少年Aは即答した。いつもは慎重に言葉を選びながら話す少年Aがこんなふうにあわてて言葉を返すのはめずらしかった。しかも「やめて」でも「やめてよ」でもなく、「やめろよ」だ。少年Aは私に男言葉の命令形を使っているのだ。生意気だ。私は思った。二又をかけている自信が少年Aをここまで傲慢にしているのではないか。
 それとも愛しの一ノ瀬とせっかくペアにしているピアスと同じデザインのものを私が身につけるのに腹が立つのか。
 私は少年Aに向ける見えないカミソリを探した。

「……だって先生、ピアスなんて似合わないから」
 私の語気に戸惑ったのだろう。少年Aの口調がいつもの自信なさげなものに戻る。私はひとまずの勝利を感じながら、言葉を続けた。
「ピアスが似合わないのはお互い様でしょう? どうして私がしちゃいけないわけ? 少年Aには関係ない問題じゃない!」
 そこまで言い終えた時、私の体は畳の上に押し倒された。
「ちょ、待って、やだ……」

 それでもブラジャーから引きづりだした私の乳首をはむ少年Aの顔は、あいかわらず幼いままだった。少年Aはよく私の乳房を賞賛する。ここに顔を埋めていると心が安らぐのだと。出るはずもない私の母乳を必死に少年Aはすすろうとする。それが自分の救いだとでもいうように。
 私の頭にあるどす黒い考えが浮かんだ。
 この乳首に銀色のピアスがはめられたら、少年Aはどんな表情をするだろうか。

                            つづく





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最終更新日  2005年05月27日 23時31分23秒
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