森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.09.03
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月刊誌「生活の発見」の2014年9月号に「なおる」とはどういうことかについての説明がある。
治るとは「精神交互作用の打破」と「思想の矛盾の打破」であると説明されている。
私も同感だ。森田独特の言葉なので、初めての人は面食らうかもしれない。
でも少し、森田理論を学習すると容易に理解できると思う。少し説明しましょう。

まず精神交互作用の打破とは何か。
神経症に陥った人は一つのことにとらわれて、症状以外のことに目が向かなくなります。
注意と感覚の相互作用により、どんどん増悪してゆきます。
そして観念上の悪循環、行動の悪循環が際限なく繰り返されるようになります。
まず、その悪循環に歯止めをかけることが必要になります。


思想の矛盾の打破とは何か。
神経症に陥った人は、普通の人と比べて多くの認識の誤りを持っています。
先入観が強く、偏っており、思い込みが激しいということです。
特に強い「かくあるべし」を持っています。
○○しなければいけない。○○してはいけないといったものです。
「かくあるべし」を前面に打ち出して、沸き起こった感情、自分や他人、物事を価値判断してゆくと、「現実、現状、事実」はとても我慢がならなくなります。それはまずいことです。
事実に従う態度では何ら問題は発生しません。そうゆうことを自覚する。
そういう態度を身につけることが大切です。
ところが神経症に陥るような人は、無理やり「かくあるべし」に合わせようとします。
すぐに強い葛藤や苦しみを生みだします。これが神経症に陥り、苦悩の始まりとなります。
ですから、神経症の苦しみから逃れるためには、「かくあるべし」的思考をできるだけ小さくして、事実本位、物事本位の生活に修正してゆくことが大切になります。森田理論学習ではその手法を学びます。


「かくあるべし」が小さくなり、事実本位、物事本位の生活態度が身についてくると、神経質者は強い「生の欲望」を持っていますから、不安というブレーキを活用しながら、自分に備わった能力をどこまでも活かし、運命を切り開いてゆくようになります。

医師や臨床心理士の森田療法というのは、神経症を克服するためのものです。
現実生活が全く滞ってしまっている。あるいはうつなどを抱えている場合は有効です。
私たちが学習している森田理論というものは、それとはだいぶ違います。
神経質性格を持っている人で、生きづらさを抱えている人が、生きづらさを解消するためのものです。

つまり人生観の確立にかかわるものなのです。
この点ははっきりと区別することが大切です。
仮に森田理論学習で神経症を治すということは、人生観が確立した結果、副次的に治るということです。
治療としての森田療法はそこまで踏み込んで治療しているわけではありません。






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Last updated  2014.09.03 06:59:42
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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