森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.11.20
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フロイトは、神経症は悪い記憶を抑圧していると無意識の領域に押しやられる。
この無意識の領域に押しやられたものが、症状として表面化してくるのだという。
治療としては、治療者がクライアントの無意識の領域に踏み込んで顕在化させることによって治癒できるという。

これに対してアメリカの認知心理学者の、エリザベス・ロフタスは、不快な記憶を思い出させるような治療を受けた人は、かえってフラッシュバックが起こりやすくなり、人間不信に陥るケースが頻発するという。
離婚が増え、人生を悲観して自殺未遂も増えていった。また入院期間や治療期間も長くなる。

森田では、どちらに言い分があるかというと、明らかにエリザベス・ロフタスのほうである。
森田理論の感情の法則4を思い出してもらいたい。
感情は、その刺激が継続して起きるときと、注意をこれに集中する時に、ますます強くなるものである。
感情は刺激しないで流していくことが重要である。


森田理論では、この方法は医者が精神交互作用を促進しているようなものである。
これでは増々神経症を強化してしまう。

森田理論はそもそも不安の取り扱い方が他の療法と全く違う。
不安は欲望の反面であり、コインの裏表の関係にある。
あるいは欲望を本体とすると、不安はその影であるという。
神経症に陥っている人は、その影が気になり、箒で掃いて無くそうとしているようなものである。
不可能で無毛な消耗戦にエネルギーをつぎ込んでいるのである。
注意と感覚の悪循環が続き蟻地獄の底に落ち込んでいくことは明らかである。

つまり不安は取り去る相手ではない。不安は役に立っている。
不安はなくてはならない大切なものである。ここに森田理論の神髄を見ることが出来る。
不安と共存し、不安に学び、不安を活用しながら生きていくという考え方は、世界に誇ってよい普遍的な考え方である。

我々はその森田理論を学習できる機会を与えられていることに感謝したいものである。





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Last updated  2014.11.20 06:42:53
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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