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青いそらが見えました。こえめです 雨が上がって、せみが啼きはじめました、ああ夏だ。 さて、真矛と実夏は小学生になりました。(前のお話)二人の秘密、そしてリカさんは……。(総合目次)魔法の真矛ちゃん(友人・証言)4~8と連動しています。 ―真矛・告白ー (4) かくれんぼで偶然見つけたママのウエディングドレス。実夏が幽霊と見間違えたあのドレス。 ずっと後になってから、それがママの着た物じゃないって、あるときアルバムを見ていて、わかった。似ているけど、よくみると刺繍の柄や、頭にかぶるヴェールのひだの寄せ方が少しずつちがっていた。 じゃあいったい、誰のものだったのだろう。それを聞いてもリカさんは、「気のせいよ」と笑って、取り合ってはくれなかった。 一人っ子で両親が共働きの実夏は、その頃はもう、学校から直接うちに来て、一緒におやつを食べて宿題を済ませ、夕方まで遊んで帰るのが日課になっていた。時には夕飯も一緒のこともよくあったし、長い休みの時には、泊まる日も多く、自分の家で過ごすより私と過ごす時間のほうがずうっと多かった。 出来ればこのまま一緒に暮らせたらいいのにねって、私たちはよく言い合っていたし、 まるで双子の姉妹のようだとリカさんも言っていた。 私と実夏が学校から帰ってくると、リカさんは大抵、サンルームのいすに座っていて、飼い猫パールの白い身体を撫でていた手を上げて、白い歯を見せて笑ってくれた。 私はその笑顔を見ながら、心の中でただいまを、ママにも言っていた。 そして今日のおやつに期待を膨らませ、実夏と競争のようにして玄関に走っていくのだった。 ところがその日は、リカさんの様子がいつもとちがっていた。 私たちが帰ってきたことにも気付かない様子で、いすに腰掛けたまま、じっとしているのが見えた。 私たちが玄関に入って、ただいまを言った時、リカさんはビックリして立ち上がり、パールが私の足元をものすごい勢いで駆けていった。「ああ、お帰りなさい。今すぐおやつの用意をするわ」何だか、まだ夢の続きを見ているような声だった。 そのあとは、出来上がっていたプリンを運ぼうとしてテーブルの脚につまずいたり、ジュースを注ごうとしてこぼしたり、何だか、全くいつものリカさんらしくなかった。 その夜のことだ。夜寝る前には必ず私に本を読んでくれるのに、今夜は頭が痛いからもう寝るといい、その代わりにと、ウサギのぬいぐるみをベッドの枕元においてくれた。私は本棚の右端に目をやり、ピノキオの分厚い本をちらりと見遣り、ピノキオが鯨に呑み込まれる場面を思い出しているうちにいつの間にか眠ってしまった。 そして、不思議な夢を見た。 (つづく) (次のお話)
July 29, 2009

簡単っていい言葉よね。こえめです もうね、簡単じゃなくちゃイヤなんです。面倒なのはお断りよっ。 あの人がああ言った、こう言った、どういう意味だと思う?知りません。直接本人に聞きましょう。 聞けないですって?じゃ、気にしないことよね。いいじゃないの。みんな人間です。間違いもあるし誤解もある。気が付いたときに直せば、いいんでしょ?でも、素直にねっ。 世の中の仕組みがもうどうにもこうにも複雑化してるからって、心の中まで合わせなくたっていいじゃありませんか。簡単バンザーイ!! ってなワケで、簡単ケーキ、いっちゃうもんね。 多分これ、やってる人いるはず。材料ホットケーキミックス牛乳 卵季節の果物生クリーム 作り方ホットケーキミックス、卵2こ、牛乳少なめを混ぜて炊飯器で炊く。はい?今何か変なこといいましたか?炊飯器に引っかかったの?いいんですよ。こえめだから。昔のマイコンぐらいの単純な奴のほうがいいです。単純バンザーイ!!炊飯器がオリコウすぎると、焼けないらしいから。 一気にタネを全部流し込んだら、スイッチオン!…… 炊き上がったら串でさして、何かついてきた?ここでは多分まだ生焼け。も一回スイッチオン!…… ブザーが鳴ったら、お皿にどーん!もしまだ生焼けだったら、電子レンジのお世話になっちゃってください。 生クリーム。こりゃもう、お砂糖入れて泡立てるしかないでしょ。フルーツも、一口サイズに切っとくべし。 さっきのスポンジケーキがさめたら、上から生クリームをドワーッと流しかけて、フルーツ適当に乗っけて。好きなだけ大きく切って召し上がれっ。こだわりたいなら上下2段に切って、間に生クリームとフルーツ挟んで。 うわお!簡単すぎて笑っちゃうもんね。安上がりで泣けてくるもんね。動物性の生クリーム使ったほうが絶対に美味しいです。 以上。美味しくって安くて簡単なケーキこえめ流でした。作ってみてね。
July 24, 2009
夢の国のパティシエ、こえめです作るのは、どんびえアイスだけじゃないのよ。パウンドケーキだって焼きます。リカさんには負けるけどね。お話の総合目次はフリーページにあるよ。(前のお話)魔法の真矛ちゃん(友人・証言)1~3と連動しています。 ―真矛・告白― (3) 「真矛。あなたは特別なのよ」 「特別」という言葉の意味もまだ知らなかったけど、その時のリカさんの顔と声から、少なくともリカさんにとって、私は実夏とは違う存在なんだということが、なんとなく分かった。 彼女の胸には、いつも指輪が下がっている。バラの模様が精巧に施された、古い銀の指輪。普段は服の下に隠れていることが多いけど、私とお風呂に入るときでも、それを外さない。 私は、リカさんの大きくて暖かい手に小さな両手をすっぽりと包まれて、目の前で揺れている指輪に視線を奪われていた。 見慣れたはずの指輪が、なぜかとても重要なもののような気がした。その時、指輪は私にとって特別なものとして、リカさんが着ていたセーターの色や質感までもが、鮮明に私の脳裏に焼きついたのだ。 私は、何かに畏れ驚きながらも、嬉しいような誇らしいような、更には、生まれたてのひよこが初めて動くものを見たときのように、不思議と新らしい気持ちになっていた。 そしてその感覚は、指輪の存在感と共に、それ以来ずっと、私の中に強いイメージで残っている。 ぼうっと指輪を見ている私に向かって、 リカさんが唐突に言った。「実夏ちゃんとは、きっと仲良くなれるわよ」その時はただ、そうかな、と思っただけだった。 次の朝、私は、ウサギ号と呼んでいた幼稚園バスの桃色のステップを踏みながら、夕べのリカさんの言葉を思い出してた。 (実夏ちゃんと仲良くなんて、やっぱりそんなの無理……) でも私たちは実際、リカさんが言ったとおり、とても仲良しになったのだ。幼稚園で一緒にブランコに乗ったその日以来、私たちは姉妹のようにいつも一緒だった。 小学校に上がっても、それは続いた。そして、私はある日、実夏の力に気付くことになる。そして私が私である意味も……。 (次のお話)
July 23, 2009

花火。ゆかた。ヨーヨー。こえめです なんかね。すっかり夏ですよ。エコなんて言葉、脳みその片隅に追いやって、エアコンつけたままになっちゃいますよ。ヒエヒエ~。でも絶対にお腹壊したりだるくなったりしない超健康体の私。変な自慢ですみません。家族からクレームが出て、やっと消します。重ねてすまぬ。今日はとっても普通に、たらたらに喋っちゃうよん。だって蒸し暑いんだからっ。エアコンぴっ。あっ お祭り好きでしょ? みんな。 とくに子どものころは、浴衣着せてもらったり、玄関にそろえて置いてある下駄なんか見ると、たまらなくウキウキしたでしょ?朝から太鼓の音がして、もう待ち遠しいったらねーっ。 大人のあなたも、この時ばかりはいやなあの事なんか忘れてね。準備万端、ワキ汗対策もしたことですし(恥)ね。 さあっ! いそいそ出かけましょうね~。ほら漂ってきましたよ~。 汗と石けんとワタアメとソースが混じりあった匂いが。人ごみ嫌いな私でさえ、この時ばかりは、結構な混み具合じゃないとイヤだ!! という特別な時間です。 ハフハフたこ焼きかなぁ、それともやっぱり焼きそばにしようか?これは真剣に迷うところであります。こえめは最初たこ焼き、間にカキ氷挟んで、シメに焼きそばがいいな。どっちもだったの!? キラキラした思い出をまぶたに残して、家路に着きましょう。まだ余韻が残っているうちに、思う存分浸っておきましょう。 ただいま~。あ~楽しかったね~。…………。明日からまた普通の日だね……。あーあ。毎日がお祭りだったらいいのにぃー。 とまあ、お祭りはたまにしか無いハレの日です。 これに対して、日常はケの日。日常をしっかり生きているからこそ、ハレの日が輝いてくるといったもんです。ケはハレを思う存分楽しむためにある! 3連休が終わったから、日常を頑張って次の連休を待つ。メリハリですねー。人生の彩りは、この下済みのような日常あってこそ、と言ってもいいのではないでしょうか。もちろんそれが全てじゃないですが、こういう一面があるんだって事だけでも、頭の片隅に引っ掛けておいたら、何かの足しにはなるかもよ。 珍しく普通のこと普通に言っちゃった。深く反省しているよ(笑) お気に入りの動画。B’z 「Native Dance」 ランキングです。きょうはエッセイですね
July 20, 2009
願いをかなえる魔法が欲しい。こえめですだけど何でも叶っちゃったら嬉しくない。そんな謙虚な考えもあったりします。魔法のランプで3つ叶うぐらいがいいかな(充分欲張り)お話の総合目次はフリーページにあります。よかったら。では真矛の幼稚園時代の回想。実夏ちゃんとの思い出です。魔法の真矛ちゃん(友人・証言)1~3と連動しています。 ―真矛・告白― (2) 「こんにちは」実夏は、似合いもしない大きなひらひらのリボンをつけてきた。私はその色が大嫌い。 ううん。そうじゃない。本当は大好きだ。少し濃い目のピンクは、ママがよく着ていた色だったの。その色が、私にママのことを思い出させる。きれいでお洒落で、優しかったママ。大好きなママ……。その色を見ていると、涙が止まらなくなる。 だからいつの間にか、自分でも着なくなった色……。それなのに、どうしてこの子が、こんな子が、同じ色のリボンなの?! 突然沸き起こった強い気持ちは、嫉妬にも似ていて、悲しいというより、悔しかったのだ。 私は泣きたいのを、必死になって我慢した。 私が泣いているときママはよく、「ちちんぷいぷいっ」って言って人差し指でクルクルって、してくれた。そうすると本当に、痛くなくなる、不思議な不思議なおまじない……。 実夏がリカさんと話をしているのをみて、リカさん、あの子にも優しいんだって思ったら本当に涙がにじんできて、私はあわててクルクルおまじないをした。ママがしてくれたのと同じように……。 実夏がそれに気が付いたみたいだったけど、泣き顔を見られるよりは、余程ましだと思った。それから実夏が、パイをのどに詰まらせて、何だか大騒ぎして帰っていったんだっけ。 その日の夕食のとき、リカさんが私の目を見て言ったの。「真矛。あなたは本当に、ママにそっくりね」私はそう言われるたびに、とても嬉しかった。なんとなく、ままがそばに居てくれるような気持ちになれるのだ。 リカさんはいつだって私に優しいけれど、その時のリカさんは特別優しくて、でもなんだか泣きだしそうな顔に見えた。その時、(あぁ、よかった。リカさんも私と同じ、悲しいんだ)って思った。 泣きそうな顔のリカさんにおまじないをしてあげようと思い、リカさんに向かって人差し指を出したら、リカさんは椅子から立ち上がり、私の手を、大きな手に包み込んでこう言ったの。「真矛。あなたは特別なのよ」それがどういう意味なのか、その時の私には、全然分からなかったけど、リカさんの真剣な顔がなんだか恐いくらいで、私は思わず目をそらし、リカさんがいつも首から下げている指輪を見つめた。 (次のお話)
July 19, 2009
いつも遅刻してたの。こえめですやっと来た来た、きましたよっ。お待たせしました。真矛の登場です。(総合目次)魔法の真矛ちゃん(友人・証言)の1から3と連動していますよん。 ―真矛・告白― (1) その頃の私は、ずいぶんとっつきにくい存在だったと思う。 その日私は、リカさんとキッチンに立っていた。リカさんはいつものように、レースの付いた真っ白なエプロンをして、久し振りに材料の粉とバターをきっちり量ったパイ生地を練っていた。私は、せいいっぱい背伸びして生地がどんどん畳み込まれていくのを、興味深くみていた。 それは私の大好物のアップルパイで、 よくママとリカさんと三人で、お庭のベンチに座って食べたっけ。でも今はもう、ママは居ない。ママは前の年の列車事故で死んでしまった。 お葬式が終わったとき、仕事で海外に住んでいたパパは、私も一緒につれて帰ろうとしたのだけれど、リカさんが日本を離れるのは嫌だと言い張り、私も彼女と離れるのを泣いて嫌がったらしい。そんな訳で私とリカさんは、この広い家で二人きりの生活が始まった。 ママが死んでから、リカさんがパイを焼くことは一度もなかったようだ。ママを思い出した私が悲しむのを心配してのことだったろうけど、リカさん自身も辛かったのだろうか。 そのとき私は、生地が何度も何度も伸ばされ、たたまれていくのを見ながら悲しいというより、単純に楽しんでいたと思う。 ママを恋しがって泣いた季節は、私の中ではもう大分遠ざかっていたのだろう。 その頃には、「大好きな」の言葉の次に思い浮かぶのが、「ママ」よりも「リカさん」が先になっていたけれど、それでもやはり、ママが私の中で特別な存在だったことに変わりはなかった。 リカさんがいい匂いに焼きあがったパイをサンルームのテーブルに載せた。「今から実夏ちゃんを迎えにいくけど、真矛も来る?」「……行かない」 私は折り鶴のくちばしの角度を確かめながら、昨日幼稚園で彼女が描いた遠足の絵を思い出していた。へたくそなキリンの絵だった。(キリンってあんなに首が太くないわそれに、角の先にリボンなんかつけちゃってたけど、そんなキリンなんて見たことない) 私はリカさんが玄関を出て行くのを廊下から見送ると、猫がいつの間にか私の足元にすり追ってきていた。「パール、いい子ね」抱き上げてその真っ白な毛に顔をうずめると、リカさんと同じいいにおいがした。 (次のお話)
July 17, 2009

恋するこえめですといっても、またまた脳内ワールドですけどね。はいはい。安心したねー。……うぅ。 今回は、恋心をそのまま書いてみるのだ。今まさに恋愛中のあなたも、ひそかに思いを寄せて苦しんでいる君も、 もうそんな前のこと忘れちゃったという人も。読んでどこかに、たとえワンフレーズでも、共感できるものを感じてもらえたら、こえめは本望ですッ。思い残すことはないのね? いや、いっぱいあるっ!(笑) コイゴコロ あまり 夢中になると 苦しいよたまには 立ち止まってごらん あなたが そう云った だから 私は 心を止めてみた酸素不足で イキガデキナイ ゆっくり 好きになれば いいんだよ時間をかけてね あなたが そう云ったでも 私の コイゴコロは 一瞬で 原始の 宇宙に 届いてしまうイキサキガミエナイ 泣く 笑う 怒る揺れて 流れて 逆流して凪いで 私の 全部で あなたが好きです 窒息するより押しつぶされるよりたとえ荒波でも流れていたほうがずっと ずうっとイキテイル はいっ、いかがでしたかー? 恋する人の可愛いところが、一生懸命さが、ひしひしと、或いはふわふわと、それとも何気なく、伝わったことと思います。ということにしておきますか。多分相手の人は、余裕が会って大人で、冷静に物事を判断する人なんです。片や思い込んだら何処までも突っ走ってしまう人。ん?かなりスピード感が違うね、この二人。この二人、いつまでも続くといいですね。どうなんですか?実際?皆様のご意見ご感想、お待ちしています。 こんなふうに思われてみたい思ってみたいと思った人も思わなかった人も↓ ポチッと一押しお願いしますね。ファンタジー小説ブログ村ランキング
July 16, 2009
リアルなこえめです。ドキドキしたよ それは、とっても懐かしい、私が大人になるまで住んでいた家。トイレに続く北側の廊下はまだ擦り切れておらず、子どもの私は、その時なぜか急にその部屋に入らなければならないような気がして、スリガラス障子を、またなぜか音がしないようにと気をつけながらスーッと開け、仏壇のある部屋に入りました。 その畳の部屋は清潔で、雪見障子を透して入ってくる光で明るいのですが、造り付けの仏壇のほかには何も無いはずの部屋に、大きな四角い長方形の箱のような形のものがありました。それは、紫色の上等な布できれいに包まれて、金色の飾りロープで縛られて、 8畳の部屋の3分の一近くを占めていました。 私は、なんだろうと思うと同時に、何か見てはいけないものを見てしまったような気がして、慌てて目をそらしました。でも、残像がはっきりと、その形、布の質感、それに(そんなものがあるのなら)何か重く大きなものが入っている雰囲気を、私の感情にダイレクトに伝えてきました。 途端に体中の筋肉がこわばって、早くこの部屋から出なくちゃと思いました。 でも、私の脚は動かないのです。 その時家には誰もいないと思っていたのですが、いつの間にか4歳の妹が私の足元にきていました。私の視線に入らない後ろから、無邪気な明るい空気が漂ってきます。濃い恐怖の空気が切り裂かれ、救われたような気がして、私のからだが動けるようになりました。そしてとっさに、妹にこれを見せてはいけないと強く思いました。お願い気が付かないで。せめてこれがなんであるかだけは聴かないで! 「おねえちゃん、いらない箱、見つかった?」 こんな大きな物が目の前にあるのに、妹はまるで気付いていないのか、それとも工作の続きのことで頭が一杯なのか、紫の布の包みのことは聞いてきませんでした。 「うん! 確かこの押入れの中にあると思うよっ」私は、わざと元気な声でいうと、仏壇の下のふすまを開けて、四つんばいになると、押入れに頭を突っ込みました。「いま捜すからねー、確かこの辺にあったんだよねー」 ここにはいつも、おばあちゃんがもらい物のタオルや石けんと、その空き箱をしまっておくのです。 でもこのときに限ってなぜか、空き箱が一つも見つかりません。 「ちょっと待ててね、あれ、おかしいなぁ」「確かにいつも、ここにあるはずなんだけどなあ」その時の私は、すぐ目の前に割り込むように頭を突き出している妹が私の手元から気をそらさないようにと、必死になって喋って、様々な大きさの箱をやたらとひっくり返していたと思います。 紫の包みに背を向けながら、その存在をひしひしと感じている私。妹があれの存在に気付いたが最後、その封印がとかれ、私たち姉妹はその恐ろしい何かに飲み込まれてしまう、そんな事を考えていました。 「ないの?」そういうと妹は、視界から消えて、廊下を走って出て行く音が聞こえました。 私はまた、あの重たい冷たい空気が満ちるのを感じながら、せめて妹が残していった太陽の気配が残っていないかと、妹の背の高さ、通って行った空間を意識しながら、押入れから身体を引きました。そしてそれを見ないようにと祈りながら視線を落して、廊下へと出て、一目散に駆け出しました。 眼の端に、ちらっと紫色の布が映ったような気がして、恐ろしくて裸足のまま玄関から太陽の下に飛び出しました。 庭の石の上で寝ていた飼い猫のトムが、ビックリして飛び上がり、逃げていきました。私はまだ安心できず、妹の名を大声で呼んでいました。裸足の理由を何にしようかと考えながら……。 * 目を覚ました大人の私は、布団の中で震えながら、両腕をしっかり胸の上で組んでいました。心臓がドキドキと、暗闇でこだましそうなほどに聞こえていました。あまりにもリアルなので、その夢の一部始終を今でもはっきりと覚えています。 夢でよかった、と本気で思いました。 これは、私が見た夢を脚色したものです。
July 14, 2009

手、きれいですかーっ(´▽`)こえめです いえ、べつに、インフルエンザ対策しろってワケじゃないんですけどね。 手がきれいって、けっこう高感度、高いかなって思ったの。 マニキュア塗るとかそういうんじゃないんですよ。しらうおの様な、とかでもない。う~ん何だろ。ごつごつでも、色が日焼けで黒くても、いたわってくれそうな手? こえめは好きな人と手をつなぐのが好きです。残念ながら、しばらくそういうことが無いんですけどっ。ううっ。親子とか、子供同士の仲良しとか。手をつないでいるっていいですよね。手からは、体温以上に暖かいものが伝わっているって、そう思うんです。 私の理想を言うと、いつまでも手を取り合える関係がいいな……。 …………トリーップ! 具体的には、リタイヤ後、二人で旅行に行ったとき、ちょっと山道を散策するのが好きだったりするお茶目でシニアな、私たちなワケです。 目の前には、けっこうな角度の斜面と、 適当な感じの荒削りな階段。周りの人たちはすいすい登って、私たちを追い越していきます。……時折り感じる非難の目…… (こんなところに無理して来なくたって。邪魔だよ!) でも私たちはノンビリと、でも二人としては頑張って、一歩一歩を進めていくのね。 息が切れて、でも頬にあたる風が心地よくて、以前二人でここに来たのは、ずいぶん前で、あの時はこの階段、もっと軽々と登れたのよね、なんて思い出しながら、人生って案外いいものかもしれないなぁ、なんて思いながら……。その時ですっ!ああっ! この段差は、ちょっときついかなぁ…… はいここで、マイダーリンが役に立つ!!弱った脚で無理して先に上がって、私に向かって手を差し伸べてくれる!! ……再び感じる奇異の目…… ( あーあ、いい年して、やっちゃってくれるねー) そんな視線、むしろ楽しむほどの余裕で、もちろん私もよろこんで手を出す!! 「ありがとう」ちょっとてれた感じでねっ。私ってかーわいー。でもここで、本気で頼っちゃいけないんですっ。そこそこ体重を預けながらも、自力も出すんだもん。注意すべき点は、決して「よいしょっ」って言わないことね。 お互い本当は、分っているの。体重を支えられるはずが無いこと。でも言わない。彼はしっかり私を引きあげたつもり、私はしっかり頼ってあがれたつもり。目が合って、ただお互い、いつもの優しい光を信じているの。うん。 どーよ。羨ましいでしょ。ま、そんな相手がいればの話。「山登りなんて疲れるだけだよ。それより温泉に浸かっていたいなぁ」こういう人じゃ、全くもって残念。 なんちゅー時間に更新してるんだと思った人も思わなかった人も、ぽちっと一押しお願いします。シニアなこえめの夢物語でした
July 13, 2009

ちょっと社会派を気取りかけてみたこえめですまわりくどいっ! 前回は、資源としての石油についてでしたが、 今回は、石油製品について喋るんだもんねッ。好き勝手にッ! 石油から作られるものって、意外と沢山あったんですね。大方忘れちゃったけど。でも調べないッ! (何の意地?)まあ、プラスティック製品や、合成ゴムなんかがそうです。 はいここでっ! 身の回りのもの、ちょっと見てみてくださいなっ。電化製品、ペットボトル、タイヤ、ゴム手袋などなど。これらはみんな、石油が無いと造れないんだってよ、知ってた?こえめもびっくり……! エネルギーは何とか他の代替エネルギーでまかなうとして、これらの原材料の代わりはそう簡単に見つかるとは、なんだか思えないんですよね。 あと50年後、原油が枯渇。そうなる前には当然、国同士、残った原油の取り合いです。アメリカが中近東にちょっかい出したがるのも、こういう背景があってこそなんでしょ?配下におさめておいて、優位に立っておきたいんでしょ? 話がそれました。 プラスティックの代わりになるものって、何があるんですか?わからん。でもきっと、利便性が極端に下がるよ。買い物袋必須。しかも鍋にお豆腐だよ~(笑)家電製品はどうなるんですか?値段だって高くなって、おいそれと買えなくなるよ~。正しい貧富の差ってやつ? (え??家だって、瓦屋根、板引きや漆喰が復活かもよ~。職人が増える! 手に職だよっ! 正直にねっ! あれ、これってもしかして、時代を逆行してません? という訳で、どうやら古きよき時代が復活するようです! いえ、きっと、科学者の皆さんが、何か良い方法を考え出してくれるはずです。はい。 資源枯渇から3丁目の夕日へ……ファンタジーだわ。
July 11, 2009

はい皆さん。今回はいつものこえめとちょっと違うよ たまには真面目にエネルギーについて、喋っちゃうんだからネッ。でも、大層な話じゃありませんよ。だってこえめですから。ちょこっとだけっ(‐ω・) 気になった事を。 エネルギー問題が深刻化、エコを皆で考えるのっ! とか言うと思ったでしょ。ノンノン。それじゃこえめじゃなさ過ぎます。 (笑)石油についてですからね。あっ、今更とか言わないでねっ。かなり観点をずらしたところにこだわっちゃったもんねっ!じまん? 石油資源があと〇年で枯渇する。はい。この言葉、何十年も前から言われてたんじゃありませんか。でもまた今も同じようなこと言ってません?もうそろそろ枯れるはずじゃなかったの?ねーっ、おかしいでしょ? 変でしょ? 計算違い?うそつきとか思っちゃう? さあさあここで、考えてみましょう。石油というか原油は地下深くにひっそりと、でもドドンと存在しています。中近東に特に集まって。イラン、イラク、サウジ。偏ってるのね。 石油って、ほら、化石燃料っていうんだっけ?何か多分、化石が悠久の年月をかけて蓄積圧縮されて ナントカカントカで、それが地中に溜まったものでしたか?(あー、出たね。いい加減な性格。たまには調べたらいいのに? ノンノン。そこまでしないからいいんです。何が?) ということは、じわじわと作られてきたんですね。じわじわと、鍾乳石みたく時間をかけて、出来てくるんですね。 おっとぉ! いま聞いた? 「じわじわと出来てくる」って。時代はつながって動いているんですよ~。だから今現在も、じわじわ石油は出来ているんです。いいたかったのは、これだけなんですけどね……。終わった……。 といっても、勿論、原油ができるペースより使うペースのほうが、かなり速いから、どっちみち、枯渇するのは避けられないでしょう。つまり、今後、代替エネルギーが何処までがんばってくれるかによって、残り年数はまた変わってくるのさっ。 と、ここまでで終りにしようと思ったんだけど、また気になることが出てきちゃった。 石油製品って言葉、聞いたことあるでしょ?じゃ次回は、石油製品について、こえめ流に斬ってみることにします。「斬る」 ちょっとカッコイイから使ってみたかったのっ。/// 以上こえめでした。こえめが資源について真面目に語ってるって?ファンタジーじゃん!
July 9, 2009

ほんとに湿気に弱いんです。こえめですじめじめした日が続きます。一日一回除湿しましょう。カビ防止対策です。 目次、フリーページに移動しました。よかったら。 さて、いよいよ身体の変化が始まるリカム。続きをどうぞ。 【カーラ38】の2 「変わらないで!」必死にリカムの身体を押さえ、くちびるを重ねて、その震えを止めようとするカーラ。 変化を停められるはずがないことはわかっていても、少しでも長くリカムの姿でいてほしかった。 いったいどれくらい時間が経ったのだろう。何かを感じ取ったような気がして、カーラは汗にまみれた身体を起こした。いつしか月はその角度を変えて、冷ややかな光を部屋の奥にまで届かせている。彼の前髪が汗で顔に張り付いているのを手の平で覆うようにして掻き揚げた。 「良かった……まだ……」そこには月明かりに照らされた、リカムの見慣れた顔があった。リカムの身体はいまだ熱を帯びてはいたが、苦しげな様子も収まっていた。呼吸がいまだ少し速いとはいえ、規則正しいものになっていた。 彼のすぐ横に寄り添うように横たわり、彼の横顔、頬のうぶげに月の光がまとわりくのをじっと眺めた。 急にカーラは違和感を感じた。確かにリカムの顔だが、微妙にどこかが違う……。そっと胸に手を載せてみた。硬く引き締まっていたはずの胸板が柔らかく盛り上がっている。変化が始まっていたのだ。 いやそうではない、変化そのものはもうとっくに、薬を飲んだときから内側で進行していたはずだ。それが表にまで現れてきたということだろう。もしその考えが正しければ、彼の内面は、心は……既に別人になっているのかもしれない。 「リカムッ! リカム起きて!」だが聞こえていないのか、深い眠りから覚める様子は無い。 (このまま、もう永久にお別れ……) カーラはその顔を忘れないようにと見つめ、そのぬくもりを忘れぬようにと、くちびるをきつく重ねた。 その瞬間、天は二人に情けをかけたのだろうか。 リカムが身じろいだのを感じて、カーラが目を開けると、すぐ目の前に懐かしい青い瞳があった。 「リカム、私よ、カーラよ、わかる?」「あぁ……カーラ……わかるよ」「あなたを愛している、リカム」「カーラ、愛してる……」 リカムはそれだけ言うと、再び深い眠りに落ち、再びリカムとして目を覚ますことはなかった。 朝が来た。小屋の外はうっすらと明るく、小鳥のさえずりが優しい。 「カーラさん。私ずっと、夢を見ていたんですよ。長い長い夢……」「あら、どんな夢? ねぇ、もしよかったら話してくださる?」カーラは、何かを期待するかのように、背の高い中年の女性に目を向けた。「それがね、私が男になって、愛する人を守る、そんな御伽噺みたいな夢なんです。まるで子どもみたいですね。でも、どうして私が男なんでしょう、いやだわ」その女性はそう言うと、本当におかしくて仕方ないというように、声を立てて笑った。カーラはその笑顔の奥に愛するリカムの面影を見たような気がした。 「さあ、カーラさん、いきましょう。こんな楽しい旅行は、久し振りでしたわ。本当に楽しかったですね」カーラは預言者セテから聞いていた大まかな記憶を思い出した。「ええ。そうね……リカム」「えっ?」「あっ、いいえ。さあ、帰りましょう、リカさん」「はい。未来のご主人様が、お帰りを待っていますからね」穏やかな微笑を返したカーラは、キリリと前を見据えて歩き出した。そのすぐ後ろに背の高い女性を従えて……。 (カーラ終わり)Mr.Children 旅立ちの唄 聴いてみてねっ。ランキングです
July 8, 2009

エッセイみたいなこえめです ブログをやっていらっしゃる 皆さんのところにお邪魔して、色々な考えや、お話を読むのはとても楽しいですね~。 その中で時々思うのは、まあいくつかあるけど、一つは、性別についてですか。 一人称が「私♂」「ボク♀」であっても、男性か女性かって、なんとなく分ってきますよね。本人がわざと錯覚させようと意図した場合はその限りではないかもしれませんけど。 また言葉って、その人が考えたもの。その人の蓄えた知識。 物事に対する考え方というのは、率直にその人を表していると思うのです。ある事柄についてそれをどのように文章で言い表すのかというのは、人それぞれの個性が大きく関わってきますね。 例えば、正確を期した文章。面白おかしくアレンジした文章。自分の意見を強く打ち出した文章。などなど。 また、もし、うそを書いたとしても、そのウソだってその人の考えであることに変わりはありません。ただし見破るのは、文章だけでは難しいかもね……。 だけど、「全て」ウソを書くなんてことは、不可能です。ある事柄について嘘を言ったとしても、言葉の使い方、文章の組み立て方などはやはりその人独自のものだからね。 同じお題で10人が書いたら、意見は10通りですからね。あっ、そしたら其々、だれが書いたか当ててみる、なんていうのも面白そうだなって思いませんか?結構正解率、高かったりしてね(^^うわあ……。私の文章って、どんなんだろっ(‐ω‐; ランキングです
July 6, 2009

ハートのおくりもの。こえめです 「私の 青そら」 まっすぐな道を自転車で風を切る髪がなびく古いわたしを追い越したくて脚に力がこもる景色が早くなる 空はどんより灰色できれいな青を塗りつぶしている 灰色の向こうにあるはずのきれいなそら ねえ、わたしには見えるよ明るいそら 無理しなくても出来ることから始めればいいよって言ってくれてる いつも太陽の暖かさをくれる 優しいそら 大好きな青いそら 負けそうになったらうつむかないで上を向くの 雲の向こう側今日もあなたのことを思います ありがとうsoraさん♪ この詩は、私がブログを始めたときからいつも心の支えになってくれていたsoraさんに贈る言葉。言い尽くせない想いの、ほんの一部分……。
July 3, 2009

おはなしのくに。こえめです 別人になるための魔法の薬。薬が効き始めたリカムの身体は熱をおび、苦しい声を上げるのでした。 【カーラ38】の1「リカムしっかり! 私が付いていますッ!」 カーラの励ます声が、月明かりのさす部屋中に響いた。 薬が効いているリカムの身体が、無意識のうちに暴れだす。リカムの手が、握り合っていた手を振りほどく。胸の前で赤子のように握り締められたその手は、爪が手のひらに食い込んで今にも血が滲みそうで、顔には苦悶の表情が満ちていた。 「リカム……あぁ、リカム、どうしたら…… 神様、お願いです……」カーラは何を願えばいいかもわからぬままに天を仰いだ。 視線の先には小屋裏の梁がうっすらと浮かび上がっていた。 カーラはその時、母の姿を確かに見た気がした。優しい、だがいつもどこかに憂いを隠しているような白木蓮のように穏やかな姿。 カーラは胸に刻まれたバラのアザを服の上からつかんだ。「お母様教えてください! 私はどうすればいいの?ねえ、お願いお母様、教えて!」 その声は涙に霞んでくぐもっていた。 その時、リカムの身体がいっそう激しく震えだした。いよいよ身体の変容が始まったのだろうか。「いやッ、リカム、変わらないでッ!」カーラはリカムの身体を力いっぱい抱きしめた。 まるでそうしていれば、身体の変化を止めることが出来るとでも言うように……。身体の震えを自分に移そうとしているかのように……。 『しるし』 Mr.Chidren いい曲さ~ これランキング次回はついに、だよ。多分。
July 1, 2009
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