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陳腐な邦題である。昔、「9時から5時まで」というコメディ映画があったけれど、同様に原題と同じ「5時から7時」あるいは「5時から7時まで」という題名で良かったのでは、と思える。不倫の映画であるので、ちょっと先進的な考え方の男女関係のとらえ方で描かれるのはややこしいというかすぐには納得しにくい感じであった。でも、そういうものの考え方があるんだと抵抗せずに見続けると、二人の関係が周知されていくにつれ、戸惑う親族も登場したりして一般的な考え方も示している。そして、真摯なる恋にして、行きつく先があるべき形なのか、意外な形というか、映画を見慣れた私でもまったく予見もできなかったクライマックスであり終幕であった。クライマックスまでは、予想だにできない展開であった。思ったより真摯でナイーブでそれなりに楽しめるといえる普通の作品だと思えたが、その後をなぜ引き続き描くのか疑問だった。終幕、その疑問が解決されただけでなく、そのワンカット、ワンシーンで血圧が急上昇するくらい印象的に感じた。このために余談があったのかと。とてもお勧めしたい作品となった。主演のベレニス・マーロウが素敵な婦人を演じていて素晴らしい。アントン・イェルチンが作家の卵を演じている。冴えない感じの青年の彼を見た記憶のない俳優だなと思ったけれど、活躍していた若手俳優であった。しかし、不運な事故死で27歳で亡くなっている。残念である。2014年/アメリカ/97分/監督:ビクター・レビン出演:アントン・イェルチン、ベレニス・マーロウ、オリビア・サールビー、ランベール・ウィルソン、フランク・ランジェラ、グレン・クローズ、エリック・ストルツ原題:5 to 7お薦め度 「5時から7時の恋人カンケイ」★★★★☆(90%) <ネタバレ> こんなに真摯な愛の物語があったとは。出逢ったときは相寄る魂で、お互いが見初めあったことが後々わかる。そのことは冒頭ではわからないまま、男が女を街でナンパした始まり。不思議な再会の約束をして逢瀬を重ねる。二人きりで部屋に入ってもベッドシーンはない。裸体をさらすこともない。昔の映画作品のように、ことがあったことを観客に想像させるシーンで表現されるけれど、この撮り方でいいと思える。まともな作品にはベッドシーンが必ずしも必要とは思えないから。(ベッドシーンがあることによって興醒めする場合もあるかなと思えるので)5時から7時までの2時間だけがデートできる時間。フランスには5時から7時は不倫の時間ということわざがあるとのこと。男は作家の卵というか、無職のような生活。女は仕事をしているようなのだけれど、それもわからず、家庭を守る生活。たとえ不倫をしようとも家族崩壊はさせない。それだけでなく、とてもオープンで夫にもすべてを打ち明けている。そして、その夫が彼を突撃面会して歓待する。おどろく展開だ。家族パーティにも招待されるが女性の生活を知るにつれて、自分の立場に困り、深まっていく女性の愛にプロポーズを決行する。クライマックスは驚きの展開だ。そして、その後の余談。エピローグ。見ていて、なぜエピローグを描くのかと思ったけれど、ラストの指輪を見た時にわが身は沸騰した。このためのエピローグ。このための映画作品。とてもとても感心した。フランク・ランジェラとグレン・クローズといった年配の有名俳優が作品に花を添え、グレード・アップした感がある。
2019.08.31
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レイチェル・ワイズが出ていたので見てみた。ただ、彼女は脇役助演なのでわずか後半にしか出てこない。主演マイケル・ファスベンダーは知らないなぁ、とチェックしてみると、彼の出演作はかなり見ていた。「X-MEN:ダーク・フェニックス」「エイリアン コヴェナント」「それでも夜は明ける」「プロメテウス」「SHAME シェイム」「300 スリーハンドレッド」。「SHAME シェイム」の若者が今作の主人公とは意外だ。アリシア・ビガンダーはかわいらしくて魅力ある女優だ。「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」が記憶に新しい。「トゥームレイダー ファースト・ミッション」では華奢な点が気にはなったが、「ジェイソン・ボーン」でも魅力を振りまいた。「エクス・マキナ」でのアンドロイドが彼女とは驚きだな。「リリーのすべて」も見てるし、「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王室」はとても良かった。こうして見てみると、結構、見ているものだなぁ。さて、この二人が二つの大洋にはさまれた孤島の灯台守夫婦として暮らす話。そこで、起こった出来事。それに伴う事件。親が子を思う気持ち。相手を思いやる気持ち。愛し合う気持ち。光をくれた人は、イザベル(アリシア・ビカンダー)だと思ったが、見終わってみると、トム(マイケル・ファスベンダー)も光を与えたのかもしれない。2016年/アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド/133分/G監督:デレク・シアンフランス出演:マイケル・ファスベンダー、アリシア・ビカンダー、レイチェル・ワイズ、ブライアン・ブラウン、ジャック・トンプソン原題:The Light Between Oceansお薦め度 「光をくれた人」★★★☆(70%) <ネタバレ>西部戦線で生き残り、身内もなく、孤島の灯台守を臨時で引き受けた男。夢も希望もなく生きるしかばねのような男。赴任する孤島の近くの住人が住む島での歓迎会に”光をくれる”女性がいた。ひとり娘で”妹”と呼ばれている彼女は2人の兄を2人とも戦争で亡くしていた。彼女の積極的アプローチから、生活に輝きを取り戻した男は夫婦として孤島で灯台を守ることになる。孤島での暮らしは大変だ。流産を二度繰り返し精気を失ってしまった彼女の前に、子どもが流れ着く。灯台守が発見したその小舟で親と思える男は死に絶えていた。真実を町に報告するのか偽りの親子を家族をはぐくむのか。彼女の懇願に夫はなすすべがなかった。そして展開していく物語。自責の念。偽りを拭い去りたい気持ち。自暴自棄。家族愛。などなど。心情を思えば、深い深い愛があったように思える。折々に手紙によって展開される物語。ラストシーンも感無量という気がした。
2019.08.25
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エル・ファニングが出演しているので見てみた。そしたら、ニコール・キッドマンも出ていた。題名からしても、チラシの写真からしても10代の若者が女の子に話しかけられないオクテなませガキなので、どのように初対面の女子に声をかければいいのかというハウトゥーものかと思う。ところが、全く違う。なんだ、これ!?というほどぶっ飛びの展開になりキテレツSF作品であった。ていねいな説明も謎解きもなく、感情の発露としてのパンクがパンクゆえにパンクなので、SFとの融合体がぶっちゃけはっちゃけわけわかんない。クライマックスからラストシーンは何か胸にせまるものを感じるが、これについていける人は相当若いか、ぶっ飛んでいる!!こんな作品にニコール・キッドマンが出演していていいのか?エル・ファニングは豚鼻だな、なんて。ラスト・カットのエン(アレックス・シャープ)は著名人らしくて良かった。2017年/イギリス・アメリカ/103分/G監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル出演:エル・ファニング、アレックス・シャープ、ルース・ウィルソン、マット・ルーカス、ニコール・キッドマン原題:How to Talk to Girls at Partiesお薦め度 「パーティで女の子に話しかけるには」★★★☆(70%) <ネタバレ> ラスト・カットのエン(アレックス・シャープ)は売れっ子ミュージシャンらしくて良かった。エル・ファニングはキスするとゲロを吐くのだが、あれは妊娠を表していたとは思わなかった。ちがうのかな?ザン(エル・ファニング)とエン(アレックス・シャープ)の物語だと思ったが、原題を見ると少女もパーティも複数形になっているので多数の体験模様を描いているんだと思った。若者たちはよくつるむけれど、今作でもティーンエイジャーは男子3人組なので、三人三様の状態を描いて見せた作品なのだろう。中心はザンとエンの二人ではあるだろうけれど。ニコール・キッドマンが卑猥な言葉、卑猥な表現をずけずけと言い放つのは痛快であり、驚きであった。しかし、彼女(ニコール)はなにゆえに、このような作品に出たのであろうか?あるべき映像とは違った、ぶっとび作品で頭の中、ぐしゃぐしゃにされちゃう(笑)
2019.08.24
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WEBをコピペして申し訳ない。何か画像があった方が良いと思えたから。久々に高校野球を見た。1回戦から数試合見た。本日の決勝も見たかったけれど、仕事でリアルタイムで見ることができず、得点のあった回を中心にビデオを見た。どちらが勝ってもおかしくないゲーム。星稜の奥川投手は連投の疲れか精彩を欠いたように思う。1、2回戦であたっていれば、なかなか打ち崩せなかったのではないだろうか。ファーボール続きで、おきにいったというか、ストライクを取りに行ったボールで3ランを浴びてしまった。打力をあげてきた履正社が星稜を打ち崩した形に見えるがヒットの本数も履正社11に対し星稜が13安打。星稜の度重なる盗塁失敗が勝敗を分けたように思う。リアルタイムで見ていれば、手に汗握る攻防。ハラハラドキドキしただろうなぁ。どちらのチームも健闘、お疲れ様。
2019.08.22
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エマ・ストーンが出演していたので、見てみた。好きじゃないウッディ・アレン監督の作品だったので、びっくりした。(笑)<ネタバレあり>ホアキン・フェニックスがいかにも変な教授役で出演しているけれど、女学生や同僚を食い物としてきた、いや女性関係が豊富な教授らしく、恋愛感情というものはあまり介在しないらしい。しかしながら、ファミレスで小耳にはさんだ、いけ好かない判事への嫌悪に突き動かされて、犯罪にまでおよんでしまうとは。不思議な話である。そして、事件を発端にしてかわる人間関係。にぎやかで輝かしい人生を取り戻した教授の行動はますますエスカレートする。落ちは跳んでも発奮な落ちである。これが、ウッディ・アレンなのかと思えるが、教授という名声と頭の良さを武器に女性といろいろ関係を持つのはアレンの経験から描かれたものと思えた。原題は『不合理な男』お薦めはしない。(笑)2015年/アメリカ/95分/G監督:ウッディ・アレン出演:ホアキン・フェニックス、エマ・ストーン、パーカー・ポージー、ジェイミー・ブラックリー、ベッツィ・アイデム、イーサン・フィリップス原題:Irratinal Manお薦め度 「教授のおかしな妄想殺人」★★★(60%)
2019.08.21
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ようやく「天気の子」を見てきた。「君の名は。」が記録的大ヒットをとばした新海誠監督の新作である。期待はしたが、鑑賞後に落胆しないように心構えしていた。まずまずの作品といえよう。傑作の後に、それ以上の傑作を作ることは難しい。まして、全国的に知られ注目され、期待された今となってはなかなか製作が難しく思えたであろう。音は良かった。陽菜や帆高の声も、RADWINGSの音楽も、主題歌も三浦透子も。平泉成の声はすぐに成さんとわかった、わかりやすい(笑)。もちろん映像も良かった。新宿や池袋を丁寧に鮮明に描いていて、とても良かった。物語は、どうだろう? この作品でも時空を超えた世界が出てくるけれど、それはまた「君の名は。」とは違うし、他の新海作品とも違う。天気、しかも大雨を取り上げたことはとてもタイムリーだと思う。そして、描いた天気の子が人身御供という、浮世離れした時代錯誤のものが出てくるとは。若者は、子供たちは、人身御供という言葉を知っているだろうか? この作品を見ていて、どういうものかは理解できるとは思うけれど。描かれる世界、描かれる現実、描かれる結末。誰しも天気がいいといいと思うに決まっている。という大前提。豪雨は嫌だろうけれど、雨(水分)がないと世界は始まらない。日照りが続けば雨乞いをすることだってある。雨は悪者だろうか?感動はした。楽しめたし、面白かった。ただ、「君の名は。」を超える作品ではなかった気がする。次回作に期待しよう。2019年/日本/114分/G監督:新海誠出演(声):醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、吉柳咲良、平泉成、梶裕貴、倍賞千恵子、小栗旬、神木隆之介、上白石萌音お薦め度 「天気の子」★★★★(80%) 注!!ネタバレ!!東京の、というより都会の、いや社会のきびしさ・つめたさが帆高の上京時に描かれているけれど、未成年者を浮浪させないということは健全なしっかりした社会であるとも思うわけで。社会のつめたさはひとり都会に出てきた主人公が感じる主観的なものである、と思う。それを同じように感じたのは新海監督が上京し体験し、見聞きしたことから描かれているようにも思う。単身田舎出身者でなければなかなか直面しない問題であろう。3年後の東京が水没したと描かれるが、変だと思った。東京が地盤沈下でもしない限り水没することはありえない。昔、あの辺は海だったとセリフであるけれど、海であったところを埋め立てているわけだから、どんなに大量の雨が降ろうとも、洪水になることはあっても、水没することはありえない。そして、3年もの時間が経過しているならば、国も東京都も何か手立てを打って水没しないようにしているはずだろうし。海抜0メートル以下のオランダだって水没せずに都市が機能しているのだから、と思ってしまった。騙されてしまった。陽菜が18歳だということに。観客は素直に信じすぎる。これが一番の驚き。新海誠監督は10代の恋を恋心を描くことが好きなようである。これまでもずっと10代の青春を生活を恋を描いてきた。時空を超え、奇想天外な世界で、描いてきた。「秒速5センチメートル」の第1話「桜花抄」が一番好きだ。彼の最高傑作だと思う(現在のところ)。「言の葉の庭」も好きだ。とてもいい作品だと思う。だとすれば、現実世界の話が好みなのかもしれない。いや、心の襞を心の起伏をシンパシイをもって描かれているものが好きなのだと思う。大いに心を揺さぶられ衝撃と感動を味わった「君の名は。」は最高の出来であろう。無軌道な家出人の作品を作るなんて。16歳で働くということ。何があったかは描かれていないけれど、高校を卒業するまで待てなかったのか。高校1年だったと思う、母親も父親も嫌いで一刻も早く家を出たいけれど、生活力がないので、高校卒業まで我慢すると告白した同級生がいた。それを思い出した。世界を救うために、天気にするために、人ひとり人身御供として送り出す。それが当然だと、セリフにあった。映画「アルマゲドン」を思い出した。地球を救うために、命を賭して大隕石に宇宙船もろとも体当たりする主人公に大感激した。日本で昔、川の氾濫などをおさめるために人身御供、人柱を立てた。その地域を救うために人命を捧げた。国を守るために特攻隊があった。世界(国・社会)は人命よりも重い時代があった。けれど、福田赳夫元総理が1977年「ダッカ日航機ハイジャック事件」で「一人の命は地球より重い」と身代金を支払い、人質解放したことを思い出した。地球がなくなれば、人類はいなくなるわけだから、地球と人命とどちらが重いとは言えないけれど、現在は命を捧げることはしなくてもいいのではないだろうか。陽菜の体がホテルの一室から消えてしまうまではいいけれど、消えてしまってから、クライマックスまでは腑に落ちないというか、納得がいかない。時空の問題とそのからくりがよくわからないせいだと思う。しかし、そのからくりを説明したところでわからないだろうし、理解できないかもしれない。世界を天気にしようとして陽菜は消えた。陽菜を現実世界に取り戻そうとして帆高は祈った。そして、現実世界に雨が降り続く。雨はこのまま降り続くのだろうか。
2019.08.18
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こんな作品があるなんて知らなかった。チラシを見て、おもしろそうだと見てみた。風変わりな作品だ。しかし、出演している面々は著名スターたち。そのことに驚く。役所広司の役どころは役所には役不足。彼を使うのはもったいない気がした。ジョシュ・ハートネットは懐かしいと思えるハリウッド・スター(?)で、まだ役者をやっていたんだと思った。冒頭でアメリカ帰国で消えるので、カメオ出演なのかなと思ったが、後半重要な役どころを演じる。忽那汐里はちゃんとした自然な芝居をみせる。意外だった。きちんと芝居ができても注目されないものなんだなぁ、と感じた。南果歩の出演にも驚く。何も知らないで見ると、こんな驚きもある(笑)。酸いも甘いも知り、人を見る目を持ち合わせた女性をやりすぎず、やりなさすぎず、絶妙に演じている。寺島しのぶに関しては見ての通り、思い切った演技を如実に演じきっている。見事である。作品の完成度も高い。それは平柳敦子監督が自身の短編映画を長編に撮り直したことで、短編では描き切れなかった細かい事象を盛り込み、しっかりとした演技陣でしっかりとした芝居を構築したからであろう。行動だけ見れば、チャラ男のジョシュ・ハートネットが、結果チャラ男になってしまっているというところは見ていて納得できる。内容はともかく、しっかりと人物を描き切っていて、実生活ではとても言えない内容を登場人物たちに、特にルーシー、こと節子に言わせているところにこの作品のユニークさがある。悪くない作品だ。2017年/日本・アメリカ/95分/R+15監督:平柳敦子出演:寺島しのぶ、南果歩、忽那汐里、役所広司、ジョシュ・ハートネットお薦め度 「オー・ルーシー!」★★★☆(70%)
2019.08.17
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「未来のミライ」予告編を見る限り、見たくないなぁ、と思っていた。家族が面白かったと薦めるので、見てみた。やはり、ついていけない。この作品の面白さがわからない。見ていて「未来のミライ」だと看板に偽りあり、これは「くんちゃん物語」ではないだろうか。細田監督作品は3作品見ているが、「おおかみこどもの雨と雪」と「バケモノの子」には奇想天外、絵空事過ぎるのか、ついていけず、唯一「サマーウォーズ」だけが傑作に思える。空前絶後の世界スケールの話が現実と相まって面白かったのだと思う。【ネタバレあり】さて、「未来のミライ」である。くんちゃんが手の付けられない幼児として描かれていて、そのくんちゃんが時空を超えた旅に出るのだが、当初、それはくんちゃんの空想の世界なのか現実に起こりえた出来事なのかがわからない。ありえない動物(犬)との人間語としての会話など、何の迷いもなくこの作品世界に入っていかないと、疑問に思った時点でついていけないかも。そして、そのような異次元の空想世界が続くのかと思いきや現実世界のドタバタ、悪戦苦闘と異次元空間(時空を超えた旅)がリンクし合って、タイムトラベルがどういうものなのか説明なく進んでいくのでわけがわからなくなる。< このボタンを押すと時空を超えるとか、くんちゃんが眠ると時空を超えるとか、その時空を超えるきっかけが判然としない >くんちゃんが迷子になってしまったのは、どういうことなのか、そして、ミライちゃんがなぜ登場するのか理由づけがなされていないと思えた。この作品を見て、子育ての大変さとか、子供の成長の早さとか、描かれているけれど十分でなくて、かゆいところまで手が届かない感じの作品に思えた。自転車に乗ることだって大変なはず。あっさり乗れたので、子どもに自転車乗りを三日かけて教えた経験がある私からすればあまりに簡単すぎる、と思えた。言ってることはわかるのだけれど、遠くを見ただけで自転車に乗るようになるわけではない、と思える。今思えばオムニバスとなった各エピソードは取るに足る内容があり楽しめる物なのだろうけれど、作品全体としたとき、感動まで昇華されない。2018年/日本/98分/G監督:細田守出演(声):上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光男、宮崎美子、役所広司、福山雅治お薦め度 「未来のミライ」★★★(60%)
2019.08.17
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映画「ライオン・キング」を日本語吹き替え版で見るとは思わなかった。外国映画に関しては字幕派の私であるので、当然、選ぶのは字幕のはずだった。池袋にオープンしたグランドシネマサンシャインへ見学を兼ね出かけたので、話題で評判の【4DX3D版吹替】を見てきた。見て思ったが、字幕でなくてよかった。字幕を読むことに慣れているので、問題はないけれど、吹き替えで(字幕を読まないことで)映像に集中できた。久々に見る3D映像は若干違和感があったけれど、すぐに慣れた。座席シートがすごい。前席とのスペースは大人一人が通行できるほどの幅があるのは驚きだ。とはいえ、足は投げ出さない、投げ出せない。シートと一体の足置きに足を乗せ、アミューズメントのアトラクションの乗り物のように、上下前後に動くのだ。斜めに傾くし、風、風圧、腰背中に圧力がかかったり、ミストシャワーや雨も降る。煙も出てたし、まさしく体感型映画鑑賞である。それゆえ、字幕を気にすることなく映像を見るには吹き替えだな、と了解した。そして、とても楽しめた。「ライオン・キング」のストーリーはまったく忘れてしまっていたが、映像と体感・体験に魅了されて楽しませてもらった。吹き替えではプンバァ役の佐藤二朗が痛快だった。とてもおもしろく、楽しめた。音楽のリズムにのせての歌(?)もセリフも二朗さんらしい味わいが出ていて良かった。この吹き替えを聞くだけでも、吹き替え版を見る価値はある(?)本当に楽しめた。この作品を見る前に驚いたことは、監督がジョン・ファブローだということ。このまえ見た「シェフ」まで名前を気にしたこともない俳優だったが、「シェフ」で監督を兼ねていることに驚き、この「ライオン・キング」の監督をしていることに驚いた。「アイアンマン」「アイアンマン2」の監督をしていて、「アベンジャーズ」の監督を断って、「シェフ 三ツ星フードトラックを始めました」を監督・主演したという才能の持ち主である。彼が、とても良い作品に仕上げてくれている。グランドシネマサンシャインの【4DX3D版】は必見、いや体験すべきである。2019年/アメリカ/119分/G監督:ジョン・ファブロー出演(吹替):賀来賢人、江口洋介、佐藤二朗、亜生(ミキ)、門山葉子、大和田伸也、沢城みゆき、加瀬康之原題:The Lion Kingお薦め度 「ライオン・キング」★★★★(80%)
2019.08.15
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気にはなっていたが、見ていなかった作品。マルグリッド・デュラスが脚本を担当していてアカデミー賞にノミネートされていたなんて知らなかった。前半というか冒頭というか広島の原爆についての資料館の映像が映されたり被爆者が映されたり、原爆についての作品かと思いきや、映画撮影に来たフランス女性と行きずりの恋に落ちた日本人男性の二日間の物語。フランス語で進行されるが、とつとつと話すフランス語はたどたどしくはないが流ちょうとはいえない。そんな言葉と同じように二人の行動も遅々として進まず、というかつかず離れずが延々と延々と延々と続く。フランスでの彼女の初恋について、大二次世界大戦でのドイツ兵とのならぬ恋の結末も映し出され、ならぬ恋に身を置きたい彼女の苦悶も映し出す。延々と続く、つかず離れずは、その結末は・・・。見るべきものがあったのか、反戦映画ともいえるのだろうか。評価は難しい、ならぬ恋である。1959年/フランス・日本/91分/監督:アラン・レネ出演:エマニュエル・リバ、岡田英次、ステラ・ダサス、ピエール・バルボー、ベルナール・フレッソン原題:HIROSHIMA MON AMOURお薦め度 「二十四時間の情事」★★★(60%)
2019.08.14
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おもしろい、これほど面白い作品だとは思わなかった。それに有名スターが脇役で登場する。スカーレット・ヨハンソン、ダスティン・ホフマン、ロバート・ダウニー・JR.。それぞれの役どころも要所を押さえていていい!主役ジョン・ファブローの元妻役もソフィア・ベルガラという美女なのでいい!物語は三ツ星レストランのシェフに美食評論家が訪ねてくることになり、いつも以上に腕を振るって新作を食べさせようとしたところ、10年定番メニューを続けているレストラン・オーナーの大反対を受けて、「定番メニュー」に固執するオーナーに従えず、辞めてしまう。(というか、クビになる)それからの展開。美食評論家とのネット・バトルやマイアミへの家族旅行を経て、フードトラックでのアメリカ横断となる。そこでの息子との交流、今どきのネット利用など、微笑ましく楽しめる内容だ。クライマックスからラストへの急展開は脱帽するほどステキである。いい作品だ。主役ジョン・ファブロー自身が監督だなんて!これまた、脱帽!!2014年/アメリカ/115分/PG12監督:ジョン・ファブロー出演:ジョン・ファブロー、ソフィア・ベルガラ、ジョン・レグイザモ、スカーレット・ヨハンソン、ダスティン・ホフマン、オリバー・プラット、ボビー・カナイベル、ロバート・ダウニー・Jr.原題:Chefお薦め度 「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」★★★★(80%)
2019.08.13
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実話の映画化。「フランケンシュタイン」の原作者が若き女性であったということは、知らなかった。これほど、波瀾万丈というか悪戦苦闘の夫婦生活を送っていたとも思わなかった。自由恋愛の果て、夢見る幸福はあるのか。とても深遠で、とても含蓄があり、とても重い内容の作品。これほどの作品が公開されているとは知らなかった。評価されていなかったのか、一般に広まらなかったのか。主演のエル・ファニングはみごとな演技だ。19歳だった彼女が16歳から20歳までを演じる。演じきる。若き女性の美しさはその泥まみれの生活の中にあって痛々しく映る。実話だったショック。とても素晴らしい作品だったショック。見るべき作品であり、とてもとても考えさせられた。2017年/イギリス・ルクセンブルク・アメリカ/121分/PG12監督:ハイファ・アル=マンスール出演:エル・ファニング、ダグラス・ブース、スティーブン・ディレイン、ジョアンヌ・フロガット、ベン・ハーディ、メイジー・ウィリアムズ、ベル・パウリー、トム・スターリッジ原題:MaryShelleyお薦め度 「メアリーの総て」★★★★☆(90%)
2019.08.12
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「羊と鋼の森」山崎賢人はこのように気の弱い覇気のない人を演じることが多い。彼自身気が弱いのか、それともすべて演じているのか。世の中に草食系男子という言葉が流布して以来、彼の演じる役のように気弱な男子が平均的なのかもしれない。さて、この作品は原作がある。一読して、とても感動して感心して、この作品の映画化を心待ちにしていた。しかし、公開当時は見逃し、その後、宅配レンタルでは注文するも借りられず、見るまでに一年以上を要した。本日、TUTAYA店舗にてレンタルしてきた。原作はほとんど覚えていず、この映画作品のようなないようだったのか?と思いながら見た。ピアノ調律師としても感動も感心もなく、北海道という地域性も十分には表現できていなかったという気がしてならない。原作はどうだったのか。今一度読み直してみたいと思う。2018年/日本/134分/G監督:橋本光二郎出演:山崎賢斗、鈴木亮平、上白石萌音、上白石萌歌、堀内敬子、仲里依紗、城田優、森永悠希、佐野勇斗、光石研、吉沢和子、三浦友和お薦め度 「羊と鋼の森」★★★☆(70%)
2019.08.11
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