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食の好みというのは、年齢とともに変化することがあります。作家の宮本百合子氏は自身の父親(建築家の中條精一郎)の食の変化について、次のように記しています。『故郷の話』(「文学案内」1937(昭和12)年4月号) 私の父は山形県の米沢に生れて、少年時代をそこで暮した。父の気質は明く活動的であったから、自分の仕事のあるところを生活の土地として、どちらかといえば故郷を忘れて生活した。それでも老年にはいってから、たべものが変るにつれ、いつとはなし米沢でたべたもの、例えば粒のこまかい納豆だの、納豆もちだのを好んで食べるようになった。 一方で、宮本氏はこんなことを書いています。『身辺打明けの記』(「文章倶楽部」1927(昭和2)年12月号) 嫌いなものといえば、何よりも先ず納豆です。北国の人は一体納豆を好むようですが、わたくしは、福島県の生れですし、父祖の生れは山形県ですし、それに父も母も納豆が嫌いではないのですが、わたくしはどうも駄目です。母なぞは「お前は国の納豆をたべないからだよ、たべず嫌いなんだよ」と申しますけれど、わたくしも、その国の納豆――山形県の――を見て知っていますが。――東京の納豆の三分の一ほどの、それは小さな納豆で、東京の納豆のような変な臭いもないのですが、兎も角わたくしには手が出ません。 この文章が掲載されたのは1927年、生年が1868年の中條氏は大体59歳ということになります。ここから考えると1927年時点で「嫌いではない」ということであれば、50代の半ばにはすでに老年であったという認識になります。現在の印象では60歳などまだまだこれからって感じもしますが、当時の感覚、いや当時のこの世代の人たちって実際の見た目などでも老年と捉えるが妥当なんでしょうか。ともあれ、51歳で没した宮本氏は自らは老齢に至ることもなく、恐らくは納豆を好きになることもなかったんだろうなあ。ということで今回は納豆ですが、せっかくなので、納豆パスタをまとめてみました。納豆ペンネ【材料】ペンネ(茹でる)・納豆(ひきわり/付属のタレ、練り辛子を混ぜる)・青ねぎ・バター・練り辛子 適宜【作り方】1. 皿にペンネを盛って納豆、青ねぎ、バター、練り辛子をのせる。 和風パスタを代表するパスタのひとつが納豆パスタといってもさほど誤りではないはずです。これは納豆嫌いの方であってもそうは異論がないと思います。ところがぼくは納豆は好きですが、納豆パスタはちっとも美味しいと思えないのです。今回はまだ出てきませんが、先般とうとう、これならいけるんじゃないかっていうレシピと出逢えたので、これまでのトライ&エラーを記録することにしたのでした。これはもう工夫もへったくれもなく、ショートパスタのペンネを用いた点が食べやすさへの配慮になっているかなってところです。納豆とパスタの味です。どうもこれでは混然一体となった料理とはいえない気がするなあ。ニラ納豆パスタ【材料】スパゲッティ(茹でる)・ニラ(5cm幅)・納豆・にんにく・赤唐辛子(砕く)・バター・醤油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。スパゲッティ、ニラ、納豆、付属のタレ、付属の練り辛子、醤油、塩、胡椒を加える。 こちらはロングのスパゲッティを用いていますが、ニラが加わっている点がポイント。多少、捻りがありますが、まだまだ物足りない。納豆パスタ【材料】パスタ(2.2mm/茹でる) 100g/油(サラダ) 大さじ1/アンチョビ 1片/にんにく 2片/醤油・みりん・鶏ガラスープの素 大さじ1/酒 小さじ2/カレー粉 小さじ1/2/バター 5g/納豆(ひきわり/添付のたれ、辛子を混ぜる) 1パック/粉チーズ 適宜【作り方】1. フライパンに油(サラダ)を熱してアンチョビ、にんにくを炒める。醤油、みりん、酒を加える。鶏ガラスープの素を加える。カレー粉を加える。バターを加える。納豆を加える。パスタを加える。皿に盛って粉チーズを散らす。【備考】メシ通 「「納豆パスタ」作りにハマる→調味料にカレー粉と鶏ガラスープの素を入れるのが秘訣と判明」https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/kin-masataka/2022-00800 ネットで見掛けた自画自賛レシピを調理しました。カレー粉と鶏がらスープの素が決めてとのことですが、想像の域を出ません。ネギ納豆ペペロンチーノ【材料】バリラ(1.6mm) 100g/納豆(付属のタレ、練り辛子、ねぎ、胡椒を混ぜる) 1パック/ねぎ(刻み) 40g/にんにく 1片/赤唐辛子 1本/水 320ml/顆粒だし 小さじ1/鰹節 2g/胡椒 適宜【作り方】1. フライパンに油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。水、顆粒だし、鰹節を沸かしてパスタを加える。皿に盛って納豆をのせる。 鰹のだしの風味をパスタに吸わせて炒めないパスタで食べるという趣向。このだしを利かせるのはいいんですけど、納豆も一緒くたに炒め合わせる方が良かったかも。
2025/02/28
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ささやかな野心などとっくの昔に打ち捨ててしまったし、今ではささやかな願望がなるべく叶えば御の字と思う程度なのです。そんな無気力なぼくではありますが、それでも周囲にはそう年も変わらぬのに変わらず野心を抱き続けている強者が確かに存在するのだ。そういう彼らの事をぼくは案外好きだったりするのだけど、一方で調子よく利用していたりもするのだ。いかにも品性下劣であることはよく分かっているのですが、彼らも望んでぼくに対しているようにも思えるから実のところは持ちつ持たれつのいい関係なのかもしれません。さて、表面上だけでなく案外ちゃんとぼくは彼らに対して親近感を抱いているのでありますが、その実、彼らが抱く野心(無論、それをしゃあしゃあと口にする者もいれば、口にはしないけれど隠し切れていない者もいる)の中身がどうにも理解しかねるのであります。それは彼らの抱く野心が余りにも俗世的に過ぎて、そう長くはなかろう人生の残りの時間と本当だったら家族に残すなり美味しいものを食べるために用いることのできた金を費やすのを目にするたびに切ない気持ちになってしまうのだ。しかも彼らは自分の抱いている野心に対していつだって本気なことがひしひしと伝わってくるのでそれを茶化すことも、宥めることもできないのだからもどかしい。とここまで書いてきて自分が何を言いたかったのか分からなくなっています。それなりのボリュームになったから当然に消し去って仕切り直すまでの気力がないから、かなり強引に続けることにするけれど、案外間違ってもいなさそうに思えてくる。というのが、この夜訪れた馴染みのビストロのワンオペ店主は、野心とは無縁な様子であくまでもその日その時の最善を尽くしていてぶれるところがなく、そうした姿勢にいつだって勇気をもらえるし、共感を覚えるのだ。 なんて本人を目にしたらとても言えそうにないことを書いているが、書いたものを改めて読むと自らがこっぱずかしい心持ちになるのでした。なので、すぐに読むのをやめたのだけれど、「ル・マルカッサン(Le Marcassin)」の店主さんには大いに好感を抱いていることはこれまでも書いたとおりです。互いに引退した後には一緒に腰を据えて呑みたいと思ってもいるのです。店の方と客という立場ではどうしても取り除くことのできない壁があると思うのです。実際、氏のことはご家族の話などもさせてもらってるので、全く知らない訳ではないし、普段の過ごし方などもお聞きしてはいるのだけれど、どうしても埋まらぬ距離感は残るのです。ここで書くのは控えるけれど、ぼく自身がオブラードをかけて接しているから、距離が埋められぬのも無理からぬことなのです。さて、この夜は冬の定番の牡蠣を頼むつもりで訪れたのですが、残念なことにメニューにはなかったのです。聞くと仕入れの際に目の前で売り切れたとのこと。残念だけれど仕方あるまい。価格帯もじわりじわりと上がっているけれど、それまた仕方のないことです。すまなさそうな表情を見せられるとこちらが却って恐縮してしまうのです。思えばこちらが違った店名だった頃は、〆で甘い物をなんて思いもよらず、チーズの盛合せを頼んでひたすら呑み続け、さらには当時メニューにもあったフレンチポテトなどなどを追加オーダーしていたのだから当時のお値段が相場からすると随分と安かったんだろうなあと思うのです。また、それ以上に自信の食欲の旺盛さ、アルコール耐性などが大いに衰えたなあと思わされるのです。そういえば、先日、とある酒場で顔見知りのご隠居が呑み過ぎて大変なことになってしまい、自宅まで送るなんて出来事もありました。基本的に年を取るのは嫌ではないのだけれど、そういう衰えを感じるのはやはり辛いものがあるなあと思うのです。とこの瞬間だけは健康に留意したいなんてことを思うのだけど、なかなか思うようにはいかぬのだよねえ。
2025/02/24
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ルーニー・テューンズってご存じでしょうか。ワーナー・ブラザース製作のアニメーションシリーズでぼくが子供の頃には、頻繁にTV放映されていました。数多くの動物をキャラクターとして登場させていて、ぼくの特別に気に入っていたのがワイリー・コヨーテとロード・ランナーのコンビ物です。ワイリーはそのままコヨーテでロード・ランナーはオオミチバシリというカッコウの仲間がモデルとなっています。この鳥、飛べないくせにとにかく足が速く、頭脳派のワイリーをいつも翻弄するのです。とぼくの贔屓のことは置いておくとしてルーニー・テューンズを代表するキャラクターとなるとやはりその筆頭にバッグス・バニーとダフィー・ダックを挙げるのが順当なところでしょうか。ウサギのバックスと鴨のダフィーのコンビはアニメーション作品を見たことがない方でもその姿はどこかできっとご覧になっているはずです。えっ、ダフィーはアヒルじゃないかって? 確かにダックはアヒルを意味する英単語ですが、同時にカモを意味してもいて、このダフィーは鴨をモデルとしているらしいのです。さて、ここまでお付き合いいただいた方はコイツは一体何が言いたいのだろうと訝ったのではないでしょうか。それは先日お邪魔した居酒屋の店名をご覧いただくと判明します。 もったいぶるまでもなく、巣鴨でたまたま遭遇したのは「よい処 うさぎ」という居酒屋だったのです。そのまんまカモとウサギですね。巣鴨でも散々呑んでいますが、ここの存在はすっかり見過ごしていたようです。店名を目にした瞬間にルーニー・テューンズを思い出せていたらなかなかの教養人、それは言い過ぎとしても物識りだなあとちょっと感心されたかもしれませんが、これに気付いたのはついさっきのことなのです。うさぎなど動物名を店名に充てるのはありがちなことなので、この発見が御大層に吹聴するまでのことではないのかもしれないし、万が一には店主がそれを念頭に置いていたってことも絶対ないとは限らない。実はウサギとカモで最初に思い出したのは、このだまし絵なのです。https://en.wikipedia.org/wiki/Rabbit%E2%80%93duck_illusion もしかするとダフィーとバックスのコンビはここからインスピレーションを得ているのかも知れないなあなんて思ったりもします。ネットで調べると他にもこんなものが見つかりました。https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/a/shortshort/sst03/ これは単なるシャレみたいなものか。と長々と戯言を書き連ねましたが、店の雰囲気はそんな冗談っぽいのとは縁遠い、極めて真っ当なお店でした。ビールを頼んで様子を見ていると肴類が自動的に出されるスタイル。奥の席のオヤジさんがもうお腹もいっぱいだし今晩はここまででってなことを告げていたから、ストップするまでは次々と料理が出てくる式のお店のようです。これは独りだとこの夜の手持ちではちょっとヤバかったなあ、なんてことを思ってしまうのです。店主は女性の一人客と親しくおしゃべりしていて、そんな様子を見ているとなんだかTVドラマの「相棒」の逆ヴァージョンみたいだなあなんて思ってしまうのでした。ぼくにはまだまだ敷居の高いスタイルですが、お気に入りにしている方もチラホラおられるようで、通えば徐々に好きになるタイプのお店なのかもしれません。
2025/02/23
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古川緑波に『牛鍋からすき焼へ』という文章があります。まずはその一節を引用します。 牛肉の鍋では、まだ変ったのがあった。終戦後間もなくの頃、と言ったら、まだ食いものの乏しい頃のことである。京都へ興行に行った時、谷崎潤一郎先生に連れて行っていただいた十二段家の鍋だ。終戦直後のことで、まだ自動車も乏しく、南座からそこ迄、人力車で行ったことを思い出す。 十二段家と言っても、昔の、幕の内だの何か食わせる十二段家ではなく、今のは、祇園花見小路にあって、洋食屋だ。谷崎先生に、その十二段家の、独特の牛肉鍋を御馳走になった。牛肉の鍋と言っても、ここのは頗る変っている。火鍋子(ホーコーツー)が出て、その中へ自分で、ナマを入れて茹でて(というのは、火鍋子の中の汁には味が附いていない)適当なところで引き揚げて、一種の味噌の如きもの(これに秘伝があるのだろう)を附けて食うのであった。ベトベトとした味噌の如きものには、胡麻のにおいがしたような気がする。何しろ、食物の乏しい頃だったから、貪るように食ったので、味についての記憶があんまり判然していない。昂奮する程の味ではなかったが、あっさりしているから、いくらでも食えた。 「火鍋子の中の汁には味が附いていない」ってことは、火鍋子(ホーコーツー)と火鍋(ホーコー)とは別物ということなんだろうか。近頃、日本でも食べさせる店が多くなった火鍋(ホーコー)でありますが、それ以前にはむしろ火鍋子(ホーコーツー)が一般的だったんだろうか。コトバンクの開設が詳しいことが判明しました。それぞれを引用すると長くなるので、詳しくは以下をご覧いただきたい。ホーコー【火鍋 (中国)】https://kotobank.jp/word/%E7%81%AB%E9%8D%8B-1496166ホーコーズ(火鍋子)https://kotobank.jp/word/%E3%81%BB%E3%83%BC%E3%81%93%E3%83%BC%E3%81%9A-3186918 ふうん。全く別物なんですね。今回はホーコー【火鍋 (中国)】もしくはそれに類する鍋です。火鍋【材料】【鶏団子】鶏ひき肉 200g/長ねぎ(みじん切り) 10cm/卵(白身) 1個分/片栗粉 大さじ1/塩・胡椒 小さじ1/2/じゃがいも(皮を剥く/1cm厚) 2個/鶏肉(胸/そぎ切り) 1/2枚/アサリ 50g/白菜(そぎ切り) 2枚/豆腐 1/2丁/長ねぎ(斜め切り) 1本/えのき 1/2袋/春雨(戻す) 30g/キクラゲ(戻す) 5枚/【スープ】花椒 大さじ1/赤唐辛子 5本/米油 大さじ3/豆鼓醤・豆板醤・オイスターソース・紹興酒 大さじ1/生姜・にんにく 小さじ1/牛脂 1個/ごま油 大さじ1/生姜(千切り) 3g/ダシダ・鶏がらスープの素 小さじ2/醤油 大さじ1/八角 2個/シナモン 1/2本/クコの実 20粒/ナツメ 3個/五香粉 小さじ1/水 500ml/【つけダレ】ごま油・老抽(中国醤油) 大さじ1/黒酢 大さじ2/オイスターソース 小さじ1/【トッピング】一味唐辛子・ラー油・花椒 適宜【作り方】1. 鍋に牛脂、ごま油を熱して赤唐辛子、花椒を痛める。豆板醤、にんにく、生姜を加える。残りの【スープ】の材料を加える。具材を加えて煮る。【つけダレ】、【トッピング】を添える。 やたらガシャガシャと数多くの食材を入れているし、スープも老抽などを買い揃えて作ってみたけれど、どうもしっくりきません。不味いってことはないんだけど、火鍋のお店で食べた味とはどうも程遠い。改善の余地があるようです。薬膳火鍋【材料】【具】豚肉(一口大)・鶏肉(一口大) 80g/じゃがいも(皮を剥く/1cm厚) 1個/椎茸(2等分) 4個/キクラゲ(水で戻す) 8枚/春雨(水で戻す) 20g/ほうれん草 1束/豆腐(8等分) 1丁/【スープ】豆板醤・ラー油 大さじ2/赤唐辛子 5本/にんにく 5片/生姜(薄切り) 5枚/花椒 小さじ1/長ねぎ 1本/クコの実 小さじ2/八角 1個/ナツメ 5個/鶏がらスープの素 大さじ1.5/水 1L【作り方】1. 鍋に【スープ】の材料を入れて【具】を煮る。 こちらは反省を加えてもう少しシンプルに作ったものです。うんうん、こっちの方が良い感じだなあ。でも食べ進むにつれてだんだんと飽きてきます。お店で2種もしくは数種のスープが用意されている理由も納得です。麻婆鍋【材料】【麻婆スープ】油(サラダ)・豚肉(ひき肉)・にんにく・生姜・豆板醤・甜麺醤・豆鼓・酒・醤油・水・花椒・ラー油・白ねぎ(みじん切り) 適宜/【具材】豆腐(一口大)・鶏肉(一口大)・椎茸・えのき・キクラゲ(水で戻す/一口大)・タケノコ・じゃがいも(皮を剥く/薄切り)・ニンジン(銀杏切り)・白菜(ざく切り)・ターサイ(ざく切り)・ニラ(5cm幅)・春雨(水で戻す) 適宜【作り方】1. 鍋に油(サラダ)を熱して豚肉を炒める。にんにく、生姜を加える。豆板醤。甜麺醤。豆鼓を加える。酒、醤油、水を加える。花椒、ラー油、白ねぎを加える。【具材】を加えて煮る。 でも実のところは思い付きで作ったこれが一番美味しかった。このスープに水溶き片栗粉を加えたらそのまま麻婆豆腐のオーソドックスなレシピになりますね。麻婆の味付けは、豆腐に限らず、白菜や春雨、じゃがいもなどなどの変化球レシピも多く見受けられるように、万能なスープであることが確認できた次第です。 でもホーコー【火鍋 (中国)】のとっておきのレシピもあるので、そのうちそちらも試してみようかと思っています。ってうかうかしていたら冬が終わってしまうなあ。
2025/02/22
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ぼくの子供時分に過ごしていたところにはコンビニなんてものは存在しなかったし、仮に都会に住んでいたとしてもまだまだ今のようには普及していなかったはずです。いつの頃からか、どこに住んでいた頃の事かはっきりとした記憶はないけれど、そこいら中にコンビニが出没していました。だからといってぼくがコンビニを重宝したかといえばそんなこともないのだ。それは今でもさほど変わりはないのです。何しろコンビニって割高感がありますから。コンビニを使うのは吞み過ぎで午前様なんてことになってさらには猛烈な空腹でやむにやまれぬ状況もしくは激しい尿意または便意に見舞われた際のトイレを拝借といった場面にほぼ限られるのです。ぼくにとってのコンビニはコンビニエンスストア(ちなみにコンビニエントストアじゃないのはなんでだろう)というよりは緊急性を意味するemergent、エマージェントストアなのです。ってそれはともかくとして、トイレを借りて何かを買った方がいいかなって気分になるとたまに買うのが肉まんでした。ホットコーナーっていうのはぼくにはやっぱり贅沢ですが、たまには無性に食べたいという気持ちを叶えることもあるのです。コンビニが広まる以前って肉まんはそうしょっちゅう食べられるものじゃなかったような気もします。その当時はスーパーで3個入りとか5個入りの安っぽい肉まんで満足するしかなかったのだ。でそれでもそれなりに美味しく食べていたのです。今では有名店の肉まんもかなり高い再現度が実現されているけれど、相変わらずの残念な肉まんも普通に販売されている。ということはそれなりに需要もあるということなのでしょう。そこまでして食べたいとはぼくは思わないけどね。っとか思っていたけれど、半額のシールを見て買ってしまったのだ。となればそのまま食うのも芸がないって訳であれこれアレンジしました。ちなみに古川ロッパは変化球を好まないようであります。『古川ロッパ昭和日記』昭和三十三年六月二十一日(土曜)晴 タクシー、維新号へ。冷房利いてゝよし。肉まん、胡麻まん各一個、胡麻まんよし。肉まんにつけるソースを持って来たのが、トンカツソース。何といふ間違ったことをするのだ。醤油をとって、食ふ。焼き肉まん【材料】肉まん(電子レンジで加熱)・油(ごま)・ごま(白)・ラー油・ねぎ(刻み) 適宜【作り方】1. フライパンに油を熱して肉まんを焼く。皿に盛ってごま、ラー油、ねぎを散らす。 井村屋のサイトに載っていた食べ方。ギューッと押し付けるように潰して焼くのだけど、どうしたってやっぱり肉まんの味でしかないのでした。チーズ肉まん【材料】肉まん(電子レンジで加熱)・溶けるチーズ・油 適宜【作り方】1. フライパンに油を熱して肉まんを焼く。チーズを敷いて肉まんをのせて焼く。 この食べ方もメジャーですね。でもかつてのようにあんまんか肉まんかって選択肢しかなかった時代ならともかく、ピザまんなんてのも一般的な現在ではちっとも意外性が感じられないのでした。こんがり中華まんスープ【材料】肉まん・細ねぎ(刻む)・【中華スープ】水・鶏がらスープの素・塩・胡椒・醤油 適宜【作り方】1. フライパンで肉まんを焼く。2. 鍋で【中華スープ】の材料を沸かす。3. 器に1.を盛って2.を注ぎ、細ねぎを散らす。 中村屋が提供するアレンジレシピにあったものです。これは悪い予感しかなかったのですが、想像通りに皮がお麩みたくなってボヨヨンとした食感がガッカリ以外の何物でもなかったのでした。 結論。肉まんはそのままが一番。せいぜい辛子に酢醤油位が穏当だと思うのです。
2025/02/21
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最近、モバイルオーダーの居酒屋が増加しています。モバイルオーダーの意味するところを正確に理解できているか不安があるので、具体的に書くと従来は口頭で注文していたところを客自身の携帯端末から店のHPにアクセスして、そこから注文を行うといったシステムのことであります。これが出始めの頃は、ぼくもオタオタと難儀しながら注文していたのですが、さすがに今のように普及しだすとなんとかさほどの戸惑いもなく使えるようになりました。このシステムが人口に膾炙するようになったのは、店側にも客側にもいくつかの理由が想像できて、確かにメリットの方が多い気がしています。例えばこういうシステムを採用している新しめの酒場では従業員に外国人が多くてオーダーする側、受ける側の双方にとって、言葉の問題がクリアできるし、仮に言葉が通じたとして手書きで伝票に書き留めることができる外国人はそう多くはないはずです。注文内容も記録に留まるから酔っ払ってボラレる心配も軽減しそうであります。しかし、根本的な問題点もあって、未だにスマホを持たぬ人にはどういった対応がなされるのだろう。そうした人たちにはどういった対応が取られるのだろう。懸念しているのは会計がいかにも高額だったりと訝しいことがあるんじゃないかってことなんですが、思い起こしてみるとシステムが従来通りで、店の人が日本人であっても不明瞭会計なんてのは往々にしてあるものだからそこまで気にする必要はないのかもしれません。肝要なのは騙される程には?まない、怪しい店には入らないという基本を守るのは大前提であるっていうのは過去も現在も変わらないのでしょうね。と時間切れなので慌てて適当な結論に落ち着かせて茶を濁すことにするのです。 さて、田端にいつの頃からか出没していた「やきとん八ざい酒場」にお邪魔しました。にしても「八ざい」って何なことなのだ。これが「はちざい」という読みであることは暖簾に擦られたローマ字表記から明らかであるが、肝心の「はちざい」の意味が一向に分からないのだ。ネットで調べると材木なんかもあるけれど、ほぼこちらのお店の事ばかりであります。個人名ではなさそうだし、全くもって訳が分からずもどかしい。店の方に伺ったら謎は判明したのだろうか。店頭ですでに気付いていたから店の方にお尋ねしておけば今になって愚図愚図悩むこともなかっただろうに。でも全ては火の祭。もし再訪する機会があればその時こそ伺うことにしよう。さて、ここには酒呑みには大変ありがた迷惑なサービス商品があって120分千円(位?)の呑み放題が頼めるのだ。大体3杯呑んだら元が取れちゃうのだから腰を据えて呑む場合は非常に重宝するのです。でもこの夜は次のお店を予定していたので、通常価格での注文とします。呑み放題の場合でも追加のお代わりを貰う場合はやはりネットを通しての注文となるのでしょうか。お手頃なのはいいけど、それはいちいち面倒ではあります。店の造りが厨房等、店の方の挙動がレジ以外はまるで見えなくなっているので、妙な想像をしてしまいます。やはり店の方の顔が見えないというのはちょっと不安を感じるものです。ただ、実際に出される料理は案外ちゃんとしていて、すげえうめえってなものではないけれど、値段を考慮すると非常にお手頃と言えそうです。店の雰囲気よりも実利を重視する方たちはすでに常連化していて気に入って利用しているようです。ご婦人方のグループが多いようです。ほどほどに美味しくてお手頃な酒と肴がありさえすれば、あとはお喋りに興じるから小奇麗で安全だったら十分と割り切っているんだろうか。まあそれも一つの考え方だとは思うけれど、ぼくにはやっぱり物足りないなあ。
2025/02/17
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若い頃は孤独を気取るのがカッコいいと思っていました。昔、孤独っていうのは思春期に起こりがちな一過性の流行り病みたいなものと思っていましたが、未だに孤独を感じるのだからさすがに思春期の病ということではなさそうです。落合良行という学者さんが孤独っていうのは、成長段階によって差異があるといったことを述べているようです。幼い頃には家に独りぼっちにされるような状況を孤独と感じるのが、思春期には他者との関係性がもたらす疎外感に孤独を感じるようになる。青年期になると自己の内面にも起因するようになって、老年期は端的に社会とのつながりが減少し、死に近付くことで孤独感が増すということらしいのです。確かにそういう側面はありそうだなあ。だとすれば大概の人は多かれ少なかれ生涯を通して孤独を感じているってことになりそうだ。自分の周辺を見渡すと微塵も孤独感を感じさせない奴が少なからずいるけれど、いくら親しかろうが、他人には違いないからどうしたってそいつの心のうちまでは見通せていないんだろうなあ。ならば誰もが孤独感と無縁ではいられないって訳だからそこにカッコいいと感じるのは実にバカげたことなんだと思うのだ。誰とは書かないけれど、孤独感というのは本人にとっては切実なことではあるけれど、余りにそれをアピールしまくるのは実はかなりみっともないことなのかもしれません。どことなく睡眠時間が短いのがカッコいいと考えるのと似ている気がします。実際には眠りに悩みがあると語る多くの人が実は健康的な睡眠を取れているらしいという研究報告が報道されていましたね。 といったようなことを書いたのは「鳥駒」という酒場が孤独さを気取りたい人にはもっとも縁遠いものに思えたからです。川口の片隅に領家銀座商店会という役目を終えつつある商店街があるのですが、そこに粘り腰で営業を続けているのが先の酒場なのです。このシチュエーションだけでも侘しさが孤独感を煽り立ててくるのですが、店内に入るとさらなる物悲しさに身震いすらしてしまう程なのです。その所以を詳らかにすることは避けておきますが、ぼくは思わず孤独だなあと心の中で呟いてしまったのでした。実際には席を立つ頃には女将さんと唯一のお客さんとは打ち解けて大分孤独感は薄まっていたのですが、ここを出て人気のない通りをバス停求めて彷徨う頃になると改めて孤独な気分に浸ることになるのでした。お客さんから伺ったかつての賑やかなりし頃のこの界隈のお話を伺ったことがより一層の脊梁を誘発したのかもしれません。それはともかくとしてどうもこちらのお店、この先そう長く店を続けるご意思はなさそうです。とりあえずはもし興味のある方は今のうちにお出掛けになられる方が良さそうに思えます。常日頃から書いていますが、酒場の醍醐味の一つが孤独でカッコいいというナルシシズムを満足させるところにあるのだとしたら、こうした酒場は今後ますます貴重なものとなっていくと思われます。喧噪の中の孤独っていうのも悪くはないのかもしれませんが、ガキたちの声高なお喋りや高笑いにはどうしても気持ちがささくれだってしまうから、やはり静寂な孤独を堪能したいとぼくは思うのです。
2025/02/16
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「フェタチーズが好きっ!」ってことはこれまで何度も書いています。でも世界的なインフレの影響からかどうなのか良くは知らないけれど、昨年の暮れ頃までなかなか購入できない日々が続いていました。そこまで真剣に探し求めていたということでもなく、いざとなればネットショッピングで何とかなるだろうと思っていたのです。普段はケチケチ生活をしているぼくも年末年始位は財布事情など気にせぬ素振りで食べたい物を好きなだけ食べたいのだ。例年は成城石井なんかで200gで千円ちょいの商品を買っていたのだけど、これじゃ年末年始の年内になくなってしまう。なので奮発して2個とかまとめ買いしていたのだけど、これがぼくの頻繁に利用する田端駅直結のアトレヴィ田端-atre-(アトレヴィのヴィは何なんだろう?)に入っている成城石井をまめまめしく覗いていたのだけど、一向に入荷の気配がないのだ。やむなくクリスマスのお楽しみに食卓にのせるのは諦めた。クリスマスが明けるともう大晦日も目前です。さすがに慌てなくてはなるまい。ということで、クール便での配送を辞さずに購入することを英断したのだ。すると何たる僥倖、噂に聞くコストコ仕様らしき1kgサイズの大物が何とお得な3,710円で販売されていたのだ。しかも送料無料とは何かと不自由・不満の多くなる楽天市場としては格別の計らいであります。ということで、年末年始は非常に贅沢なフェタ三昧の日々を送ることができたのでした。OLYMPUS オリンパス フェタ スライス 1kg チーズ 冷蔵【Costco コストコ】ホリアティキ・サラタ[ギリシャ]【材料】きゅうり(縦半分/5mm幅薄切り) 2本/ピーマン(5mm幅) 2個/トマト(ミニ)(半切り) 16個/赤玉ねぎ(くし型切り) 1個/オリーブ(黒) 12個/ケーパー 大さじ1/フェタチーズ(2cm角) 80g/ワインビネガー(白) 大さじ1/油(オリーブ) 大さじ2/乾燥バジル 小さじ1/乾燥オレガノ 小さじ2/塩・胡椒 適宜/油(オリーブ)・パセリ 適宜【作り方】1. ボウルにきゅうり、ピーマン、トマト(ミニ)、赤玉ねぎを入れる。ワインビネガー(白)、油(オリーブ)、バジル、オレガノ、塩、胡椒を加えて混ぜる。2. 皿に盛り付けてオリーブ(黒)、ケーパー、フェタチーズをのせて油(オリーブ)を振る。パセリを散らす。 以前も上げていると思うけれど、やはりフェタの一番の食べ方はこれだと思うのです。これと美味しいパンとワインがあればこれだけでそれなりのご馳走気分に浸れます。オリーブは定番の黒、グリーンに加えて、年末年始だけは贅沢して紫色のカラマタも用意します。これ、黒、グリーンとは別物といっても過言ではない濃厚かつ贅沢な風味なのでした。にしても今回のようにフェタが安く買えると、きゅうり、ピーマン、トマト、赤玉ねぎといった野菜たちがこの冬の高騰もあってとんでもなく高額に思えてしまうのでした。地中海風白いんげん豆のサラダ[アメリカ]【材料】白いんげん豆 1缶/トマト(ミニ)(2等分) 200g/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/フェタチーズ 50g/イタリアンパセリ 大さじ2/にんにく 大さじ1/【ドレッシング(混ぜる)】ワインビネガー(赤)・レモン(汁) 大さじ1/油(オリーブ) 大さじ4/塩・胡椒 適宜【作り方】1. ボウルに全ての材料を入れて混ぜる。【備考】アメリカ南部の台所 「Mediterranean White Bean Salad 地中海風白いんげん豆のサラダ」https://southern-kitchen.com/mediterranean-white-bean-salad/ フェタと豆の組合せも抜群です。シンプルなレシピがあったのでそれに従ってみることにしました。当然に美味しいのだ。ドブロジャンスカバニツッァ[ブルガリア]【材料】パイ生地 1枚/卵 2個/ヨーグルト 50ml/油(サラダ) 適宜/炭酸水 150ml/フェタチーズ 適宜【作り方】1. ボウルに卵、ヨーグルト、油(サラダ)、炭酸水、塩を入れて混ぜる。2. クッキングシートにパイシートをのせてフェタチーズをのせる。1.をのせる。オーブンで180℃30分焼く。 パイシートを切らしていた(大概切れているけど)ので、春巻きの皮を使って作ってみました。でも卵液がシャバシャバになり過ぎてこれは失敗したかなと不安になりましたが、見かけは酷いものの何とかギリ形になりました。フェタに火を通すのはもったいなくって勇気がいるんですけど、これまた旨いことをぼくは知っているのだ。で、この見映えの酷いシロモノですが、これでも滅茶旨かったのです。ミニトマトのウゾ風味サガナキ(ドマティーニャ・サガナキ)[ギリシャ]【材料】トマト(ミニ)・にんにく・青唐辛子・油(オリーブ)・フェタチーズ・ウゾ(代替:グラッパ or ウォッカ)・オレガノ(D) 適宜【作り方】1. フライパンにトマト(ミニ)、にんにく、青唐辛子、油(オリーブ)を加えて中火にかける,フェタチーズを散らす。2. ウゾを加えてフランベする。オレガノをふる。 こんな地味な料理が最高の肴になるんだからすごいよなあ。青唐辛子の爽やかな辛みが抜群にいいのです。コストコフェタがあればこんな贅沢も叶ってしまう訳です。
2025/02/15
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常日頃、ぼくは家が好きって書いている気がするけれど、本当にそうなんだろうかと自問することがあります。根が貧乏性なものだから寝る時間と食べる(呑む)時間を除くとじっくりと腰を落ち着けて向き合う何事かがある訳でもないような気がするのだ。料理など家事めいたことをしたり、シャワーを浴びる、葉を磨くなどの時間も常にテレビを流しているのです(必ずしも見たい番組がある訳ではなく、大概はニュース番組もしくはニュースショーを付けている)。できることなら休日位は最低限の家事などの用事を済ませた後は一日、溜まっている本なんかを一心不乱に読み浸ったりしたいと願ってはいるのです。つまり何が言いたいかというと、もしかするとぼくは家が好きっていうことではなく、外出が嫌いってことでもなく、休日には自宅で済ませるべき雑事が盛りだくさんなだけなんじゃないか。だから出掛けたくたって出掛けている余裕がないということになる。しかし、それはやるべきと思い込んでいる無駄な雑事がたくさんあるだけで実はちゃんと精査して整理しさえすればさほどのことはないんじゃなかろうか。仮に整理できたとしたら今の自分の住処を本当に好きって思えるかってなるとどうもそれは怪しい気がするのです。先般、井田千秋著『家が好きな人』というマンガを読みましたが、ここで描かれる家たちのような愛らしさが我が家にあるとは思えないのだ。でもそれでいいのかもしれません。将来、リタイアした後にあんまりにも家が好きすぎたとしたら不健康になり過ぎるだろうし。と今回は題材とは全く関係のないお話でした。今回のお題は明太子です。明太子ポテトサラダ【材料】じゃがいも(皮を剥く/茹でる/マッシュ)・玉ねぎ(薄切り/塩揉み)・明太子・マヨネーズ・マスタード・塩・胡椒・カイエンペッパー・オリーブ油・のり(刻み) 適宜【作り方】1. 全ての材料(オリーブ油、のり以外)を和える。器に盛ってオリーブ油、のりを散らす。 明太子は大好きですが、ぼくにとっては健康上、食べ過ぎは避けたい食材であります。何より贅沢品でもあります。今回博多に出張した知人が土産で買ってきてくれたので嬉々として受け取りました。タラコとポテトといえばタラモサラタが定番(実際は本場では塩漬のコイやボラの卵が用いられますが、日本ではもっぱら代用品のスケトウダラの卵巣であるタラコが用いられます)。タラモサラタはたっぷりのオリーブ油が味の決め手ですが、明太子で作る場合は、オリーブ油を控えめに作っても十分に美味しいのです。青唐明太子【材料】明太子(刻む)・青唐辛子(小口切り)・青ねぎ(小口切り)・ごま油 適宜【作り方】1. 全ての材料を和える。「博多屋台 めでたい屋」なるお店で提供されているとのこと。韓国料理でも似たような食べ方がされてるみたいです。粉唐辛子のコチュッカルなんかも加えることが多いようです。これは当然に旨いし、酒の肴として抜群なのでした。明太子豆腐【材料】豆腐(木綿/水切り/崩す) 1/2丁/明太子 30g/ねぎ・にんにく 適宜/ごま油 5ml【作り方】1. 鍋にごま油を熱して豆腐を炒める。明太子を加える。ねぎ、にんにくを加える。【備考】レシピサイト ぷちぐるhttps://oisiso.com/ 地味なレシピですねえ。ケチなぼくには明太子に火を通すのがとても贅沢に思えてしまいます。あと、せっかくの濃厚な風味を豆腐で薄めるのはもったいなく思えますが、それでもやっぱり美味しいのだ。TKP(たまごかけパスタ)【材料】パスタ(浸水[一晩]/茹でる) 200g/粉チーズ 大さじ1/【卵液(混ぜる)】めんつゆ 小さじ1/2/卵 1個/【トッピング】マヨネーズ・大場(千切り)・明太子 適宜【作り方】1. 耐熱皿にパスタを入れて【卵液】を注ぎ、粉チーズを散らす。オーブンで250℃20分焼く。マヨネーズ、大葉、明太子をトッピングする。 JA全農広報部のレシピです。明太子はトッピング扱いなのが贅沢極まりない。にしてもこれは当たり前過ぎて面白味はないなあ。でも当たり前に思い付くような食べ方こそ、明太子の食べ方としては穏当なのかもしれないなあ。
2025/02/14
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三河島にはちょくちょく立ち寄っていますが、数年前に駅前に巨大マンションが建築されて以来、実に慌ただしく変化しているように思えます。全くの憶測でしかないけれど、この界隈は暗い歴史を今に引き摺っているという背景もあるのかもしれないけれど、不動産業界からも長く見放された土地だったんじゃないだろうか。それが昨今の都内とりわけ都心部の地価高騰の流れに乗っかって売り出しに掛かったんじゃなかろうか。さらには日本人が抱く負のイメージなどには目もくれない中国人を中心とした新たな購買層の出現が売買合戦に拍車をかけているんじゃなかろうか。界隈は以前はコリアンタウンの印象が濃厚だったけれど、近頃は在日コリアンに加えて中国人を始めとした世界各地の人種を目にするようになっています。以上はぼくが想像した全くの憶測に基づくもので一切のリサーチなしの無責任な感想ということをご承知おき願います。無責任ではあるけれど、基本的な立場としては極力偏見を排したいと考えている者であります。ととりあえず言い訳しておきますが、三河島のこの変貌ぶりは日本人のみではなし得ないだけの勢いのようなものを感じるのでした。つい先達てまでは韓国勢の新興勢力が次々と出店しているように見受けられたけれど、中国勢の圧倒的な派遣への意志には及ばなかったように思えていました。ところが、近頃になってそれが逆転してきたように思えるのです。中国勢が数を減らす一方で韓国系の店舗が巻き返しているのではないか。従来の在日の人たちがやっている(いた)店とは違って、実際に韓国からやって来た韓国人の方たちがやってるんじゃないかと推測されます。なんてことを書いてはみたけれどホントかなあ。全くの勘違いかもしれないなあ。弱気になる位なら最初から書かなきゃいいのにね、なんてことを今更考えてくよくよ悩んでしまうのだが、ここまで書いてしまってはもう引き返せないのだ。 さて、今回訪れたのは「中華菜館 松竹梅」であります。このお店、偶然が重なっただけかもしれないけれど、何度かお邪魔しようと訪れているのだけれど、余程人気があるのか、はたまた無茶苦茶巡り合わせが悪いからなのか表から眺めるといつだってお客さんでいっぱいでとても入れそうにない、ってことが続いたのです。これだけ混雑するのだからと一度は入ってみたいと思っていたのです。図らずも今回、呆気ない位にあっさりと入店が叶ってしまったのでした。しかもこれまでの繁盛ぶりが嘘のように他にはお客さんがいなかったのです。これは一体どうしたことなのか。料理2品の付くドリンクセットの値段の箇所に貼り紙で新たな価格が記されているので、これが原因かとも思いましたが、にしては相場よりはお得な感じはします。となると料理人が変わったのかもしれない。出された料理を遅る遅く口にすると、これが案外悪くない。だとすると仮に料理人に変更があって以前の人の腕が上回っていたとすると、これはもうとてもこの値段ではやっていけない程の特級料理人ということになりそうです。さすがにそれはないだろうなあ。ドリンクのグラスがちっちゃいのは気になるがこれも従前と変わらぬものと想像されるのだ。くどくどしく書いてきたけれど、もっともそれらしい結論としてはこれまで目撃していた混雑状況は巡り合わせでたまたま混んでいただけということと考えるのが適当なようです。とまあいつもだったら疑問に思ったことは店の方に聞けばいいじゃんって反省してみせるというちっとも面白味のないオチで終えるところですが、さすがになんで空いてるのかお聞きするのは憚られるところです。でもぼくの感想としては案外良かったし、行き場所に困ったら再訪もあるかもしれないなあ。
2025/02/10
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物心ついた頃から喧騒が大の苦手でした。それは今もって変わることはありません。その理由は恐らく幼少期に過ごした土地の多くが地方の小都市だったからだろうと思っています。具体的には四日市だったり和歌山といった土地がぼくの感受性を形成するのに最も寄与したと考えています。その後はもう少し規模の大きな町に移り住む事になったのですが、既にその頃から賑やかな町に出るとすぐに息切れしてしまい、古書店だったり、入の悪い映画館なんかに避難することが多くなりました。そうそう、思えばぼくが映画、いや映画そのもの以上に映画館という場所を好んだのもそうした心性のなさしめるとここだったようにも思えるのです。なのにいつしか映画趣味が昂じるにつれ映画館はどんどん居心地の良くない場所へと変貌を遂げだしたのです。いつな頃だったか改めて思い出すのも億劫ですが、そこは極めて心地の良くない場所に変わり果てました。そこにはぼくと同じような(気がしていた)明るい場所を羨望しながらもその場に立つと疎外感に苛まれるような暗い青春を甘受せざるを得なかった人達が群れをなしてきだしたからです。それが酷く苦痛に思えてからもしばらくは留まり続けたけれど、些細なキッカケ一つで苦役から解放されることを決めたのです。とやめてしまえばどうにかなる苦しみは如何様にもなるけれど、食っていくためには働かねばならぬ、さらにはほとんどの仕事が社会や町に足を踏み入れねばならぬのだから、雑踏を避け続けるのは困難なのです。だから混み合った町を歩く時、ぼくは心をできるだけ無に近くして、人波をうまくすり抜けることに注力するのでした。 実は近頃、気力がなくてとぎれとぎれに書き継いだ文章の残骸がこれであります。こんなつまらない内容、破棄した方が余程早いのかもしれなかったけれど、どうしたものかそうはできなかったのだ。といったおまけの話はともかくとして、旧知の男が呑みたそうに連絡を寄こしたので何事か相談事でもあるのかと双方に都合の良い上野で落ち合ったのだ。差し迫った事情でもあろうかと以前一度訪れている、どこもかしこも激混み中の上野で確実に空いているであろう酒場を目指したのでありました。訪れたのは東上野のコリアン街の片隅にある「串焼 酒処 のんべい」であります。酒場というのは一見すると空いているに違いないと思っていざ入ってみると絶賛大繁盛中だったりすることがあるものです。でもこちらはいかにも空いていそうで実際には想像を超える空き具合なのであります。それが先の記述と違ってもう間違いなく空いているであろうと信じるに足る根拠のない確信を抱かされるのだからすごいのです。以前は一人だったので、その孤独感は言いようもなく心地良かったのでありますが、むしろ今回のように2人だとむしろ寒々しさを感じてしまうのです。酒や肴には特段のものはないし、店のご夫婦(?)も出すものを出したらさっさと所定位置に引き上げてテレビに見入るなどあまり愛想もないけれど、上野ではあまり味わえなくなっているこの酒場らしい造作に惹かれるお客さんがもう少しいてもよさそうなものだと思ってしまうのです。居酒屋らしい居酒屋っていうのはどこか気だるさを伴っているもので、そうした雰囲気が時間の経過を通常よりも遥かに引き延ばしてしまうらしく、しかもそこに酔いの効果も加味されて知らぬうちにとんでもない時間が経っていることに気付かされるのです。
2025/02/09
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一般にスプラウトというとアブラナ科の種子から発芽した葉と茎からなるかいわれ系(代表的なものとしてはカイワレ大根)が想起されるけれど、実際にはマメ科の種子を発芽させたもやし系もその仲間であるそうな。今回はカイワレ大根が主役だから後者については触れぬけれど、前者の食品といえばは今ではブロッコリースプラウトや豆苗、マスタードなどの多くの種類が販売されています。ぼくが子供の頃はもっぱらカイワレ大根でした。いつ頃からこんなに多くの種類が普及したのだろうと調べてみたら、あっさりウィキペディアで片が付いたのでした。その記述によると「19世紀英国ビクトリア朝時代にメアリー・ジューリーという料理研究家によってマスタードやクレスのスプラウトを使った料理本が残され、スプラウトブームが発生」したというがその影響は日本には及ばなかったようです(もしかするおt英国でも一過性のブームでしかなかったのかも)。世界的に普及したのは「1997年の非臨床試験で、発芽3日目のブロッコリーの新芽に含まれるスルフォラファンが、ラットのがんの発生と増殖を減少させた」という報告があって以降のことだったのだろうと考えられます。その数年の後、「1999年に村上農園がブロッコリー、マスタード、クレス、レッドキャベツの新芽を「スプラウト」として日本で初めて発売を開始し」たようです。今では大概のスーパーマーケットで数種類は売られているスプラウトがこんな近年になって普及した食材に過ぎなかったとは意外なことに思えます。カイワレ大根とニンジンとわかめのサラダ【材料】カイワレ大根(2等分) 1パック/ニンジン(千切り) 5cm/わかめ(水で戻す) 10g/白ごま 適宜/【ドレッシング(混ぜる)】酢・ごま油 大さじ1/赤唐辛子(砕く) 1/2本/練り辛子・鶏がらスープの素・醤油 小さじ1/2【作り方】1. 器に和えたカイワレ大根、ニンジン、わかめを盛って【ドレッシング】をかけ、白ごまを散らす。 野菜価格が高騰を続ける今シーズンのような時期にはこうした水耕栽培の工場野菜が活躍します。特にカイワレ大根は値段も手頃でシャキシャキと食感も良く、爽快な辛味もおいしいのでよく食べています(栄養価も高そうだし)。でも難点もあって洗うのが面倒に思えるのだ。特に趣旨の殻が落とし切れないのがどうにももどかしい。気にしないで一緒に食べちゃっても構いやしないんだろうけどね。これは定番のサラダ使い。当然おいしい。カイワレ大根丼【材料】ごはん 150g/カイワレ大根 1/3パック/卵黄 1個分/鰹節・長ねぎ(みじん切り)・醤油 適宜【作り方】1. 丼にごはんを盛ってカイワレ大根、鰹節、長ねぎ、卵黄をのせ、醤油を散らす。 「魚がし寿司」なんかで食べられる芽ねぎの寿司もそうですが、白米と香味野菜ってのは実に相性がいいです。多くの香味野菜は値段の変動が激しくて大葉にせよ三つ葉にせよ、今シーズンはねぎですら高値だからカイワレ大根の活躍する場面は非常に多くなっているのでした。カイワレ大根とキャベツのタルタルサラダ【材料】カイワレ大根(2等分) 1パック/キャベツ(千切り) 1枚/【タルタルソース(混ぜる)】卵(茹でる/刻む) 1個/玉ねぎ(みじん切り)・ピクルス(みじん切り) 大さじ2/ディジョンマスタード・白ワインビネガー・塩・胡椒・オリーブ油 適宜【作り方】1. 全ての材料を和える。 こういう洋風の食べ方にも合うんですねえ。ぼくはこういうさっぱりこってりしたのをトーストした食パンにのっけて食べるのが大好きです。無論、ごはんでもパスタでもそばでもいいんですけど。豚バラとかいわれ大根の絶品チャーハン【材料】ごはん 300g/カイワレ大根(2等分) 1パック/豚肉(バラ/一口大/【A】を揉み込む) 200g/卵 2個/ごま油 大さじ1/2/白ごま 小さじ1/【A】醤油 大さじ1/みりん・酒・砂糖 大さじ1/2/にんにく 小さじ1/【B】オイスターソース 小さじ1/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンを熱して豚肉を炒める。2. フライパンにごま油を熱して溶き卵を炒める。ごはんを加える。【B】を加える。カイワレ大根(3/4量)を加える。皿に盛って1. カイワレ大根(1/4量)、白ごまを散らす。 栄養価が落ちるんじゃないかとなかなかやれないけれど、こうして炒めたり(写真見たら炒めてないですね)、茹でてお浸しにしたり、さっと煮て卵とじにしたりと自在に使えるのもうれしいところ。返す返すも茶色のプチプチがなければもっともっと愛用するんだけどなあ。
2025/02/08
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鍋ものなんて、どんな味付けにしたって、どんな具材を入れたって構わないものだし、それなりに美味しく食べられてしまうものだったりします。余程のひねくれ者だったらトンデモナイ食材を放り込んでそれまで美味しく食べられていた鍋を台無しにしてしまうなんてこともあるかもしれないけれど、真っ当な人生を送っている人が投入する食材であれば、まず大概の場合は大過なく食べる事ができるはずと思っています。まあ真っ当な人が、こと食の嗜好に関しては時として道を踏み外す場合なんかもあって、油断は禁物ではあります。味付けでありますが、質のいい食材が手に入った場合には酒と塩、せいぜい丁寧に煮出した出し汁だけといったシンプルな食べ方に落ち着かせるのが正道であろうかと思料します。一方で冷蔵庫の残り物だったり見切り品の品質が落ちているような食材を食べざるを得ない場合には、濃い目だったり強めの味付けにしたくなるものです。例えば以下のような鍋の場合は素材の味わいを活かすためにもごく控えめな味付けとなるものです。宮本百合子「十八番料理集」白菜と豚の三枚肉のお鍋 そろそろ夜がうすら寒くなってくると家でよくするお惣菜の一つです。白菜を四糎センチ位に型をくずさない様にぶつぶつ切りまして、三枚肉は普通に切ったのを一緒に水をたっぷり入れてはじめからあんまり強くない火で永い時間に煮ます。味は食塩と味の素と胡椒でつけて一番終いにほんの一滴二滴醤油を落します。白菜がすっかりやわらかくなった時白タキを入れても美味しゅうございます。是はスープもたっぷり一緒に呑める分量にしてはじめから水を入れておきます。家のお料理は疲れている時には、塩もつい余計と云う事になって定った分量をラジオの様に申しあげられません。何卒舌と御相談下さい。 う~ん、そりゃまあ美味しゅございましょう。今シーズンは白菜の価格が跳ね上がっていて迂闊には手出しできない日々が続いています(昨年末頃に一時的な価格が安定した日がありましたが)が、まだ当面は食べられないかもしれません。白菜のドライカレー【材料】ごはん 400g/白菜(2cm幅) 400g/肉(合びき肉) 200g/にんにく・生姜 小さじ1/2/野菜ジュース(無塩) 150ml/ウスターソース 大さじ1/カレールー 20g/サラダ油 小さじ2/温泉卵 2個【作り方】1. フライパンにサラダ油を熱してにんにく、生姜を炒める。合びき肉、白菜を加える。野菜ジュース・ウスターソースを加えて煮る。カレールーを加える。皿にごはんをもってかけ、温泉卵をのせる。 これはTV番組の「ノンストップ」やらで放映されていたメニューの用。昔っから白菜のカレーって好きなんです。水分をたっぷり含んだ白菜が入るとさっぱりとした食べ口で食欲のない時でも箸が進むんですね。ってぼくの場合、どんなに体調が悪くたってちっとも食欲には影響しないんですけど。まあ、日本の優秀なカレールーはそれがあればほぼどんな食材だってカレーとして成立してしまう位のパワーが秘められているようです。白菜とニラのドライカレー【材料】ごはん 1人分/ニラ(5cm長) 1/2束/白菜(葉:5cm幅/芯:2cm幅) 1/8個/肉(合びき肉) 100g/卵(目玉焼き) 1個/カレー粉・トマトケチャップ 小さじ1/ソース(中濃) 大さじ1/油(サラダ)・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンで合びき肉、白菜を炒める。ニラ、カレー粉、ソース(中濃)、トマトケチャップを加えて炒め煮にする。2. 皿にご飯を盛って1.、目玉焼きをのせ、胡椒を散らす。 こちらはカレー粉でさっぱり作っています。ヤスナリオ氏のレシピは時折見掛けますが、レシピにするような料理ではないだろって思いつつ、実際に食べてみるとなかなかにいいのです。白菜と豚肉の中華風カレー【材料】ごはん 1膳分/カレールー(こくまろカレー 中辛) 1/8個/玉ねぎ(くし型切り) 1/8個/豚肉(一口大) 50g/白菜(ざく切り) 2枚/水 125ml/油(サラダ) 小さじ1.5/油(ごま) 適宜【作り方】1. フライパンに油を熱して玉ねぎを炒める。豚肉を加える。白菜、水を加える。カレールーを加える。2. 皿にごはんを盛って1.、油(ごま)をかける。 これは中華風カレー。スパイシー丸山氏のレシピです。普通に美味しいのですけど、パンチに掛ける気がします。しかもほとんど中華風のイメージが感じられませんでした。白菜とニラのドライカレーと白菜と豚肉の中華風カレーの混ぜカレー いずれもちょっと弱い気がしたので混ぜてみました。すると別々よりも相当にパワフルな味わいになりました。白菜をメインに据えたカレーレシピはストイックに具の種類が少ないものが多い気がしますが,併せると美味しさが増すように思えました。
2025/02/07
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子供の頃から寄り道が好きでした。どれくらい好きだったかというと、記憶に鮮明なのが小学校1年生の入学式の朝、幼稚園時代からのうちが近所だったポン友とはじめての登校に連れ立って向かったのでありますが、途中、歩いたことのない未知なる道への興味に打ち勝てずうっかり迷子になってしまったのでした。幸いにも深入りすることもなく何とか学校に辿り着くことができたものの、学校の周辺に人影はまばらあでした。校庭の様子を窺うと大変な数の人たちが壇上に視線を送っています。式はとっくに始まっていたようです。ここで見つからなければどうにか遅刻の件はなかったものと処理してもらえるんじゃないか、といかにも身勝手な浅慮さでそっと学校を抜け出して、開き直って遊び惚けることにしたのでした。今よりは大分のんびりしていて危険な事件なども少なかったりしたものですから(子供だってそうした時代の空気感は肌で感じ取っていたのです)、しまったとかヤバイって気持ちもすぐに消し飛んで、思いがけず引き延ばされたプレ生徒時代を徹底的に遊びで埋め尽くしてやろうという気分へと切り替わったのでした。彷徨い歩いた挙句に白亜の豪邸に迷い込んだ上、おやつまでご馳走になった事、今でも思い起こすことができます。ところが、その頃、大人たちは大騒動となっていたのだ。そりゃそうだよねえ。朝方に家を出た子供が夕方になっても学校に連絡すら寄こさないとなれば、何か事件にでも巻き込まれたと心配され無理からぬことです。当然、帰宅後にいかように誤魔化そうとも誤魔化し切れたものではなかったのです。その後、特に両親にこっぴど叱られたのは言うまでもないことです。 大人になっても寄り道が好きなことには何の変わりもありません。頻度こそ子供の頃から変わらず毎日の事ですが、要する時間は間違いなく長くなっているから、もはや「寄る」というよりは「帰る」に近くなっているともいえるかもしれません。居酒屋を大人の駄菓子屋と例える人がいたと思いますが、それは決定的に間違っていると思う。酒の有無こそが決定的な差異なのだ。また、滞在時間は経済力に関わってくる場合が少なくないけれど、財布の中身によって寄り道時間が左右される大人はそんなに多くはないのかもしれませんが、ぼくはその意味では常に財布を意識しているからこの点はあまり成長していないようです。ということでやって来たのは「よりみち酒場 笑吉」です。駒込の路地に知らぬ間にオープンしていました。店内は明るくきれいだし、あまり酒場っぽくはありません。すでに常連となったお客さんがほとんどで、一人カウンターで呑む方がいると思えば夫婦で買い物帰りに食事がてらで立ち寄るというさまざまな使われ方があるのも居酒屋と駄菓子屋の異なる点かもしれません。さて、どうしたものか酒と肴の写真が残っていませんが、あまり愛想があるとは言えない店主ではありますが、そんなに種類が多くはないけれど、手早く気の利いた肴を一人でも使いやすい控え目な量でお手頃に提供してもらえてぼくの好きなタイプのサービスにお店でした。白身魚フライと鶏ナンコツ唐揚げと揚げ物ダブルを頼みましたがどちらもちゃんと美味しかったのでした。今後の健闘に期待です。
2025/02/03
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近頃は、つべこべ能書垂れて酒場の良し悪しを語ることがアホらしく思えています。そもそも酒場なんてのは良いか悪いか、好きか嫌いか、あとはまあまあ普通だねえ程度の語彙で収まるべきもので、七面倒臭い言葉を弄してまで語るべき対象ではないように感じるようになりました。だから例えば、酒場の屋号などといった枝葉のことをあれこれ述べることは下らぬことでもあるし、名は体を表すとは限らないという現実があることをそれなりに知った今となっては、例え意に沿わない店名の酒場で呑むことになったからといって忌避するほどのことではないはずなのだ。例えば「××ちゃん」といった店名をよく目にします。この「××」は多くの場合、店主の名をちゃん付けしているようでありますが、自らをちゃん付けして呼ばせる、もしくは他人からちゃん付けされることに抵抗のない人は、ぼくにはどうも信用がならないのです。いやまあ他人にそう呼ばれるのは拒否できない場合もあることは重々承知しているのです。かくいうぼくもちゃん付けされることがあったりするのであります。でも他人に対して「ぼくのこと、○○ちゃんって呼んでよ」なんてこと、口が裂けたって言えないのであります。他とえば、芸人さんが自分のことを「××ちゃん」と名乗ってみせるのは、自らを道化めかしていると捉えることも可能に思えます。今でこそ道化の皮をはがされてしまいったフワちゃんを例に挙げて恐縮ですが、彼女が「フワちゃんでいいよ」なんて言ったらまあ許せる、いややっぱり許せないか。ともかく自らちゃん付けを要請するのはあり得ないと思うのだ。 もう一つ、ぼくが嫌うが命名が「夢船」みたいなものです。日暮里に実在しています。どこがどう嫌いなのか説明するのが面倒だし厄介なのでここでは説明は割愛します。屋号の事をつべこべと述べておきながら肝心なところでは投げ打ってしまうのだ。とにかく嫌いなものは嫌いなのだけれど、ここの肴は非常に立派であったことは投げやりにいかにも面倒臭いといった体で取り敢えずこのブログのために撮っておきましたっていうだけの写真からも感じ取ってもらえそうに思うのです。なにせ普段はまず頼むはずもないアワビなんてものを注文していたのだから、あえて高額な料理を注文する程度には美味しかったに違いないのです。美味しいものというのは、その時の気分だったりビジュアルは思い出せることもあるけれど、実際に口に入れる際に感じる瞬間に鼻腔に取り込まれた香りだったり、舌先が感じる舌触りだったり味わいというのは、不思議な位に記憶に留まらないのだ。下手をするとその一口を嚥下した時点ですでに思い出せなかったりするから困ったものなのだ。でももし全ての味や香りなんかをいつでも振り返ることができたとしたら食べる事の愉しみが大幅に減じるような気もします。すぐに忘れられるからこそ食べる事は楽しいともいえるかもしれません。それと今後に期待したいのが何を食べても美味しいと感じられるカトラリーが登場することです。最近は塩味を強化してくれるスプーンなどもあるらしくてこれで食べると塩分の過剰摂取を抑え込むこともできるそうな。料理名を選択すればその味が口中に広がる道具が出現したなら成人病なんかで苦しむ人も減るんじゃないだろうか。その一方で好きなものばかり食べられる状況というのは食への関心を弱めるような気もします。たまに不味かったり、体調次第で過剰に辛かったり苦かったりという特殊な食傾向には向いていないような気がする。脱線しまくったけれど、ぼくの懐では旨いものばかり食べるなんてことは不可能なんだろうなあ。
2025/02/02
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元来ぼくは面倒くさがりなもんですから、食事の記録などをマメに付けるなんてことはしていませんでしたが、ここ数年、本旨であった酒場巡りよりもむしろまめまめしくこうしてレシピ記録を残し始めてからは、最低限のメモは残すようにしている。っていうか実際にはレシピ紹介的な意図もあるのでこれを整理するのがなかなかに大変な手間なのです。いやひたすらレシピを編纂せよと仕事として命じられたなら嬉々として取り組む所存ではあるのだけれど、趣味の一環となるとなかなかに時間が削がれてしまい難儀ではあるのだ。しかも最大の問題というのが、旨くもなく面白味すらない今後二度と作ることがなかろうレシピの文章を機械的にとはいえコツコツと作成するのは案外苦痛なのだ。それなのに飽きもせずナポリタンを作り続けているのだ。単にトッピングを変えるだけではそれこそ本当に面白みがないわけで、実際に世の中で作られているレシピだったり公開されているレシピをもとにしているのである。だからそれぞれにみせそれぞれの個性が反映されているはずなのだが、あえて結論を繰り上げて申し上げると、どうしたってナポリタンはナポリタンなのであった。ちなみに「粗雑な日本料理にすぎないナポリタンなどというものが、味わうべき繊細な味におさまっているはずなど間違ってもない」と蓮實重彦は語っている。ナポリタン(ケチャップ味の濃厚レシピ)【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/玉ねぎ(5mm幅) 1/4/ピーマン(5mm幅) 1個/ベーコン(5mm幅) 20g/ウインナー(斜め切り[5mm幅]) 1本/にんにく 1/4片/オリーブ油 大さじ1/2/バター 5g/塩・胡椒 適宜/【A(混ぜる)】トマトケチャップ 大さじ3/トマトペースト 大さじ1/2/水 大さじ1【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。玉ねぎを加える。ベーコン、ウインナーを加える。ピーマンを加える。塩、胡椒を加える。【A】を加える。スパゲッティを加える。バター、胡椒を加える。【備考】白ごはん.comhttps://www.sirogohan.com/recipe/naporitan/ ベーコンとウインナーの肉加工品およびケチャップとトマトペーストの二種使用、にんにく、バターの濃厚な風味と濃厚さを狙っているようだが、ごく普通のナポリタンでありました。ナポリタン(銀座トラットリア)【材料】ヴォイエロ(1.9mm/茹でる) 100g/玉ねぎ 1/2個/ソーセージ 5本/マッシュルーム 2個/ピーマン 1個/バター 10g/オリーブ油・粉チーズ 適宜/【トマトソース(混ぜる)】トマトケチャップ 70g/ウスターソース 大さじ1/トマト水煮 1/2缶【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して玉ねぎを炒める。ソーセージを加える。ピーマン、マッシュルームを加える。パスタを加える。【ケチャップソース】を加える。バターを加える。皿に盛って粉チーズを散らす。【備考】パスタの聖書https://pastabible.hateblo.jp/ ウスターソース入りです。結構ソース入りのナポリタンってあるけど、ぼくはナポリタンの味付けはケチャップだけで充分と思っている派なので、どうかなって懸念したけど、たまには悪くないってお味でした。喫茶 レインボー スペシャル ナポリタン(喫茶 レインボー)[日本・東京都港区]【材料】スパゲッティ(2.2mm/茹でる/冷水で冷やす) 120g/玉ねぎ(1cm幅) 1/2個/ハム(短冊切り) 40g/マッシュルーム(薄切り) 2個/ピーマン(輪切り) 1/2個/顆粒チキンブイヨン 適宜/バター 大さじ1/塩・胡椒・粉チーズ・パセリ 適宜/【ナポリタンソース】トマト(湯剥き/刻む) 1個/にんにく 5g/玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/油(オリーブ) 適宜/[A]トマト水煮 100g/トマトペースト 5g/トマトケチャップ 30ml/ローリエ 1枚【作り方】1. フライパンに油を熱してにんにくを炒める。玉ねぎを加える。トマト、[A]を加えて煮る。2. フライパンにバターを熱して玉ねぎ、マッシュルーム、ハムを炒める。ピーマン、スパゲッティ、顆粒チキンブイヨンを加える。1.を加える。バター、塩、胡椒を加える。皿に盛って粉チーズ、パセリを散らす。 これはもう具材はナポリタンそのものですが、ソースに気合が入る過ぎていてもはやナポリタンとは異なる何かに化けるかと思いきや、案外ナポリタンになっていました。スパゲッティ ナポリタン(ホテル ニュー グランド)[日本・神奈川県横浜市]【材料】スパゲッティ(茹でる/冷蔵庫に置く[一晩])・バター・マッシュルーム(薄切り)・ハム(細切り)・塩・胡椒・顆粒ブイヨン(茹で溶く)・湯・バジルペースト・バター・エダムチーズ・パセリ・【トマトソース】トマト(刻む)・トマト水煮・トマトペースト 適宜【作り方】1. 鍋にトマト、トマト水煮、トマトペーストを入れて煮る。ミキサーにかける。2. フライパンにバターを熱してマッシュルームを炒める。ハムを加える。スパゲッティを加える。塩、胡椒、顆粒ブイヨンを加える。バジルペースト、バターを加える。エダムチーズを加える。皿に盛ってパセリーを散らす。 3種混合のナポリタンソースが目立っていますが、食べた印象ではバジルペーストがかなりの存在感を示していました。
2025/02/01
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