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ぼくの呑み友達(?)にやたらと沸点の低いオヤジがいます。これまでもあちこち呑みに行っていますが、事あるごとにお怒りになるのです。確かに気持ちは分からないではないこともあるけれど、そこで怒るかってな場合も多くて面倒臭いと思うこともしばしばです。そんな友達(とはいえないんだろうなあ)なら付き合いを断つという考えもありますが、ぼくは案外義理堅いところがあるので、なかなかそうもいきません。無論、この人が案外奢りっぷりが良いってこともあって、だからこそこちらもある程度の狼藉には我慢することを余儀なくされるのでした。沸点が低いことが即喧嘩っ早いということではありませんが、この人の場合、さらに面倒なのは怒りの表現が先方に伝わるか伝わらないかの瀬戸際であるということです。というのは彼の発する怒りの言葉が直接、怒りを向けるべき先に直接届けられることはなく、店の空間全体に波及して店全体の雰囲気が悪くなるっていう具合なのであります。怒りの矛先となるはずの人も薄々は勘づく程度には露骨なので席を一緒にするぼくも同じ穴のムジナと捉えられているのでしょう。でもこの人のいうことも分からないではないのだ。怒る程ではないかもしれないけれど、腹の底では毒づく程度には不愉快なことも少なからずあるのです。店の雰囲気を悪くしてしまって、当事者以外の方たちには申し訳ない気持ちもあるけれど、他のお客さんでもやはり腹を立てるなり共感を抱く人もいたはずなのです。 この夜は、巣鴨にちょっと前に開店した「町中華酒場 楽楽」というお店にお邪魔したのです。1階席でよかったのですがなぜか2階に促されました。促されるがままに階段を上ると実に不快な応対が待っていました。階下の人たちは恐らく店主夫婦とお見受けしましたが、この方たちは穏やかそうでしたが、調理やなんやらで忙しいので接客は2階に流すようにしておられたのではなかろうか。この2階の女性にぼくの友達は憤りを覚えたのであります。具体的なことは極力発言を控えることにしますが、愛想の悪さとかは受け止め方次第という見方もあるにはあるからこれは置いておくとしても、数度に及ぶ粗忽な給仕ぶりにはプロとしての自覚と振舞いからは遠く隔たっているように思えたのです。それを看過できないのはぼくだって同じ気持ちだったのだ。しかし機先を制されたことと先述のような毒の吐き方に品性がなかったことから、露悪的な態度に加担する気にはなれなかったのです。また、酒に関しては若干の残念さも感じつつも料理そのものはどれもが非常にちゃんとしていたのだ。というか多少の不快な気分を受け入れてでもここの料理はまた食べに来たいという程度には行為を抱いたのです。なんでもないようなもやし炒めでこれだけ満足できるということもそうそうないのではないだろうか。もやしの根を一本一本取り除くといった丁寧な仕事ぶりはここではあらゆる食材に施されているのではないか。次に訪れる機会があるなら必ずや別の心の広い友人と訪れることにしようと思うのでした。
2025/07/28
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池袋駅から有楽町線に乗って和光市方面に2駅の場所に千川駅があります。東京でも指折りの繁華街からわずかに2駅というのに、この界隈まで来ると途端に住宅街めいてしまうのが、池袋という町の限界のように思えなくもないのですが、それはともかくとして千川という地名を持つ以上、この付近には以前、川が流れていたと想像することは容易に想像ができるのです。Wikipediaで調べてみると、やはりな記述が見られます。「千川の名称に関しては、元々北豊島郡長崎村境窪という地名であったが、1932年(昭和7年)区制施行により近くに流れる玉川上水の分水である千川上水が流れていた」ということです。要町付近にも暗渠がちらほら見られるから用水路がそれこそ網の目のように張り巡らされていたんじゃないだろうか。もう少し調べてみると、博識であることで知られる久生十蘭の『魔都』にも以下の描写があります。(……)さらに元祿年間には河村瑞軒の設計によって石神井村三宝池を水源とする千川上水を通じ、市井に大樋を伏せ、各所に溜井戸を設けてこれを市民の飲用に当てた。なお分水としては、三田、青山、亀有の三上水があった。 明治四十四年に刊行された「東京市水道小誌」を見ると、明治四十年に岩崎久弥の千川水道会社の所有になった千川上水の旧伏樋だけは掘り起された事実が見えるが、他の大伏樋の迷路(ラビラント)は、蜿蜒十数里にわたって今もなお大東京の地下を蜘蛛の巣のように這っているのである。 うむうむ。さすが久生十蘭の手に係ると東京の風景が途端に『魔都』に変貌するような錯覚に見舞われます。 しかし、実際の現代の千川駅に降り立つとそんな『魔都』感など吹き飛んでしまう位に平凡で退屈そうな住宅街でしかないのであります。それは池袋駅から伸びる都道441号線、通称要町通りを見る限りにおいてのことで、その地下を走る有楽町線を含む地下鉄が当時の上水に代わったのではないかとも思えるのです。「迷路(ラビラント)は、蜿蜒十数里にわたって今もなお大東京の地下を蜘蛛の巣のように這っている」のだ。なんてことは思いもせずに気持ちは何度か入りそびれていた「中華 ふじ」に向かうのです。この商売っ気のない雰囲気の中華屋さんを見掛けたのはもう随分前のことになり、一度はこのブログでも空振りした際のことを報告したと記憶します。もはや入る機会など訪れることはないのかと諦めが入っていたのだけれど、あな嬉しや営業しています。興奮気味に入店すると店内は狭いながらも小奇麗でちょっと思っていた雰囲気とは違ったかな。それよりも気になるポスターがあります。サンドイッチマンのなんとかいう人がどうやらこちらに何らかの番組で訪れているらしいのです。もはや、都内に残された秘境酒場は残されてはいないのだろうかとすら思ってしまいます。いやいや取材を固辞するお店も少なくないだろうし、それこそハイソサイエティな面々しか入店を認められぬような秘密クラブは思っている以上に多く存在するのではなかろうか。さて,こうした地元に密着し、身を隠すようにして営業を続けるお店について、日の目を当てるようなことはいつもなら気が引けることもあるのですが、テレビに出ているのであれば遠慮はあるまい。料理はオーソドックスでとんがったところなど何一つないのはちょっと物足りないなんて贅沢を言いたくなってしまう。けれど、ここの特筆すべきは焼酎の提供の仕方が呑兵衛泣かせなのだ。たっぷり注がれた焼酎がお銚子で提供されるとともに、割り物として氷水もピッチャーで出してくれるからありがたい。時折、すごく雰囲気も良く料理もいいのに酒の提供がないもしくはビールのみってこともあることを思うと、こちらは呑兵衛にとっても十分に用を果たしてくれるお店と感じたのでした。
2025/07/27
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アナグノストゥ直子氏が公開する以下のサイトについては、以前も言及したことがあったと思いますし、ここで紹介されている料理が実に美味しそうで、眺めていると思わず作ってみたくなるようなものばかりです。ギリシャのごはんhttps://girisyagohan.blog.jp/ でも、通して見ていくと分かるのですが、使われる食材って案外ヴァリエーションが少ないように思えるのです。中には日本では入手困難もしくは不可の食材もありそうですが、いずれにしても一般に日本人が口にする食材に比べるとかなりレパートリーが少ない気がします。調理法や食材の組合せもシンプルに思えます。使用食材の国別ランキングみたいなものがあるかと探してみたけれどどうも見つからない。まあ、日本人が魚類を細かく分類している一方で魚類は一括りで魚と捉える文化もありそうだし、よく言われるように日本の野菜は1品種の種類が少ないなんて言われることもあるからある程度の参考にしかならないだろうとは思う。ギリシャは食材が少ないと書いたけれど、それは別段ギリシャの食文化をバカにするつもりなどは毛頭ないのであって、しかしギリシャにはフェタチーズという最強の食材があるから、無理に食材を増やす必要もないし、調理法や食材の組合せもそこまで工夫する必要はなかったんじゃないだろうかと思ってしまいます。フェタチーズさえ添えればどうしたって美味しいんだから。ベイクドフェタパスタ【材料】ショートパスタ(茹でる) 250g/フェタチーズ 200g/トマト(ミニ) 600g/にんにく 大さじ1/油(オリーブ) 大さじ4/オレガノ(D) 小さじ1/赤唐辛子(砕く) 1本/胡椒・塩 適宜/バジル(みじん切り) 適宜【作り方】1. 耐熱容器にたトマト(ミニ)、油(オリーブ)、にんにくを入れて混ぜる。フェタチーズを中欧においてその上に油(オリーブ)を垂らす。オレガノ(D)、胡椒、赤唐辛子を散らす。オーブンで180℃30分焼く。パスタを加えて混ぜる。 一応アメリカ料理として紹介されていました。そのままで食べて美味しいフレッシュなチーズを加熱するのは、どうしてももったいないと思ってしまうのですが、こうして調理して食べるのも非常に美味しいですねえ。焼きチーズスパゲッティ【材料】スパゲッティ(茹でる/冷水にさらす) 100g/フェタチーズ 50g/バター 大さじ1.5/胡椒 適宜/【ソース(混ぜる)】牛乳 75ml/卵 2個/溶けるチーズ1/4カップ【作り方】1. フライパンにバターを熱してスパゲッティと和える。【ソース】(半量)、フェタチーズ(半量)を加えて火を止める。耐熱皿に移して【ソース】(半量)をかけ、フェタチーズ(半量)を散らす。胡椒をふる。オーブンで200℃10分焼く。 これはトルコのレシピだったはず。これなんぞ、せっかくの羊乳(山羊乳が混じることもあるようです)に牛乳を合わせてしまっていいものだろうかって気もするけれど、これまた濃厚で美味しいなあ。ベイクドフェタエッグ【材料】フェタチーズ 100g/トマト(ミニ) 230g/にんにく 大さじ1/油(オリーブ) 大さじ4/オレガノ(D) 小さじ1/青唐辛子(みじん切り) 1本/胡椒・塩・バジル(みじん切り) 適宜/卵 4個【作り方】1. 耐熱容器にトマト(ミニ)、にんにく、油(オリーブ)、オレガノ(D)、青唐辛子、胡椒を入れて混ぜる。真ん中にフェタチーズをおいて油(オリーブ)を垂らす。オーブンで180℃30分焼く。混ぜる。窪みを作って卵を割り入れる。8分焼く。 こちらはギリシャ料理だそうです。こんなに単純な料理が旨んだからねエ、ってますます自説が案外正しいと思えるのでした。フェタチーズとオリーブのきゅうりサンド【材料】きゅうり(薄切り) 2本/オリーブ(カラマタ)(みじん切り) 15個/フェタチーズ 200g/にんにく 1片/油(オリーブ)・シブレット(代替:アサツキ/小口切り)・胡椒・塩 適宜【作り方】1. ボウルにほぐしたフェタチーズ、油(オリーブ)、シブレット、塩、胡椒を混ぜる。きゅうりにフェタチーズ、オリーブ(カラマタ)をサンドする。シブレット、オリーブを飾る。 これまたギリシャ料理。ホリティアキサラタできゅうりとオリーブとフェタチーズの親和性は分かり切っているけれど、こうしておしゃれに食べるのもたまにはいいものです。
2025/07/26
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さて今回のお題はトマトです。林芙美子の「朝御飯」は、これまでも何度も引用しているのでもしかすると同じことをすでに語っている殻もしれないけれど、繰り返しを気にせず各ことにするのです。--――日曜日の朝などは、サアジンとトマトちしゃのみじんにしたのなどパンにもよく、御飯にもいい。--「サアジン」は「サーディン」なんでしょうかね。鰯のオイル煮ですね。これと「トマト」に「ちしゃ」-これはレタスの事なんだろうなあ-の「みじんにした」-みじんねえ、みじん切りの事であることは間違いないだろうけど、角切り程度のイメージかな-をパンで挟むかあ、まあ、美味しいだろうけど意外性はありません。もう一品の記載もあります。-- これからはトマトも出でさかる。トマトはビクトリアと云う桃色なのをパンにはさむと美味うまい。トマトをパンに挟む時は、パンの内側にピーナツバタを塗って召し上れ。美味きこと天上に登る心地。-- 銘柄指定付き付きとはビクトリアねえ。今でも栽培されているんだろうか。ということで早速ググってみることにしました。……う~ん、見つからないですねえ。お馴染みのWikipediaでトマトの品種を調べてみよう。英語版しかなさそうですねえ。https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_tomato_cultivars ない……、林氏の勘違いもしくはほんの一時または日本だけで栽培されていたのだろうか、理由はともあれ、食べるのは難しいようだ。近頃はご当地野菜を蘇らせようと尽力する意欲的な農家さんもおられるようだから、もしかするといつかビクトリアが食べられる時代が訪れるかもしれぬけれど、それまで待つつもりはない。ここで注目すべきは、トマトと「ピーナツバタ」のマリアージュである。これは怖いもの食べたさでぜひ試してみたい。ヤバい気もするが、こんなに手っ取り早く試せるレシピもそう多くないからぜひ今晩にでも試すことにしよう。トマトのブルスケッタ[イタリア](写真上)【材料】フルーツトマト(ざく切り) 6個/塩・胡椒・油(オリーブ) 適宜/にんにく 1片/バジル or オレガノ 適宜/カンパーニュ or バゲット 適宜【作り方】1. タッパーにトマト、塩、胡椒、にんにく、ハーブを入れて混ぜる。冷蔵庫で冷やす。 2. パンをトースターで焼く。1.をのせて油(オリーブ)をかける。 でもぼくはこの食べ方が一番好きなのだ。きゅうりのサンドイッチも捨てがたいが、トマトほどパンと相性のいい野菜、いや食べ物は他にないんじゃないかと思う程である。と書いた傍からチーズもいいなあ、ハムもいいなあ、いやいや卵だろなどなど浮かんでくるけれど、ここはトマトに華を持たせることにするのだ。パンコントマテ[スペイン](写真下)【材料】バゲット(2等分/縦に切り込み/トーストする) 20cm/トマト 1/2個/にんにく 1/2片/油(オリーブ)・塩 適宜【作り方】1. バゲットににんにく、トマトの順で断面をこする。油(オリーブ)を散らして塩をふる。 さきほど、ブルスケッタを絶賛してみせたが、このスペイン式の食べ方はその上をいくかもしれない。正直ケチ臭い食べ方であるなあと思っていたけれど、トマトの果肉のもったりした要素を削ぎ取って、あくまでもトマトのエキスのみをきっちり含ませたこの食べ方は、試したことのない方であればぜひ試みるべき価値があると思います。トマトの辛味和え【材料】トマト(くし型切り) 5個/万能ねぎ 4本/【たれ(混ぜる)】豆板醤・にんにく 小さじ1/2/ごま油 大さじ1/塩 小さじ1/3【作り方】1. トマト、【タレ】を和える。【備考】dancyu 「甘味引き立つトマトの辛味和え」https://dancyu.jp/recipe/2020_00003735.html 地味なレシピであるなあと思っていたけれど、トマトはシンプルに食べるのが一番であります。トマトドレッシングトマト【材料】トマト(湯剥き/4等分) 2個/パセリ(みじん切り) 適宜/【トマトソース(ミキサーにかける)】トマト 1/2個/玉ねぎ 15g/アンチョビ 1枚/にんにく 1/6片/油(オリーブ) 大さじ1/ワインビネガー(白) 大さじ1/2/塩 小さじ1/2/胡椒 適宜【作り方】1. 皿にフルーツトマトを盛って【トマトソース】をかけ、イタリアンパセリを散らす。2025/5/6 トマトをトマトのソースで食べるってこういうの好きだなあ。同じ食材を複数の方法で料理して組合わせるというアイデアですね。色々試してみたけれど、時に大外れもあったりして、面白いけれどあまりに乱発するとマンネリに陥りそうだし、素材が同じ名だけあって味の膨らみにかけることも少なくありません。でも、これはかなり良かったです。
2025/07/25
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名物に旨い物なしとか言われます。でもそれって本当なんだろうか。それを考察するには、そもそも名物って何なのかを明らかにしておかねばならぬでしょう。でもそれを定義づけるのは思った以上に難しそうだ。デジタル大辞泉で調べてみると、1 その土地で名高い産物。名産。2 その土地や社会で、特有な物事や評判になっている人。「ロンドン名物の霧」「名物教師」3 茶道具類で、美術的、歴史的価値においてすぐれたもの。利休以前のものを大おお名物、利休時代のものを名物、小堀遠州の選定したものを中興名物という。4 植物・動物・器物などの名と性質。また、それを研究する学問。「其の―度数、訓詁、異同を研究するを以て事とす」〈童子問・下〉5 すぐれているもの。名器。「元興寺と云ふ琶琵は―なり」〈江談抄・三〉[類語](1)名産・特産とのことです。諺でいうところの名物となると1の意が該当することになります。「その土地で名高い産物」かあ、しばし便所に閉じこもって考えてみたけれど、どうも適当な答えが浮かんできません。名物を自称、他称するものには旨いものもあるし、旨くないものもあります。そもそも何かしらの食べ物が旨いかどうかなんてのはある程度普遍性はあるものの本質としては個人の好みに左右されるものだから、より話は面倒です。面倒だから現在のぼくにとってしっくりとくるこの諺の理解を記します。例えばとある田舎町(I町)の造り酒屋の限定酒がべらぼうに旨かったとする。それを口にした余所者がこれはI町の誇る名物であると喧伝したとする。I町の酒好きはそんな風に流布されてしまった噂を上塗りするために酒呑み住民たちが結束し、「I町の実物も結局は旨い物なしだなあ」と言い出した、というものです。どうなんですかねえ。 さて、「旨唐揚げと居酒メシ ミライザカ 駒込南口駅前店」にやって来ました。いつ読んでももなんだか印象に残らない店と思っていました。語呂が悪いし、欲張って情報を盛り過ぎているためか記憶に刻まれないんですね。シンプルに「ミライザカ」って訳にはいかなかったのかなあ。以下のような御大層なコンセプトもあるみたいです。和民、坐・和民からの転換として、『ミライザカ』を開発ミライ総合居酒屋を創造し続け、上り坂をのぼるように業績を回復させる思いをこめて命名色々とツッコミどころがありますが、まあそれなりに記憶に残る店名でありますのでゴテゴテと装飾しない方が良いと思うのですが。だって今回注文するまでここが「旨唐揚げ」を売りにしてるって気付かずにいたのだから。正式な商品名は名物・モモ一本グローブ揚げとのこと。これまた面倒な商品名ですねえ。グローブ揚げで充分だと思うんだけど。また自ら名物っていうのってなんだか残念な気がしますねえ。お客さんたちがあそこの唐揚げでっかくて旨いんだよな、あそこの名物料理だよなって言ってもらえるのがいいんじゃないかなあ。SNSを利用すればそれも難しいことではないと思うのだけど。でも久々にたっぷりと唐揚げを食べたけれど、美味しいもんだなあ。これまではここの料理ってあんまりいいって思わなかったけど、案外悪くないのかも。好んで行くつもりはないけれど、今後はこれまでみたく嫌々出向くなんてことはなくなりそうです。
2025/07/21
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近頃は都内のどこをうろついていても外国人を目にするようになりました。マナー違反者や犯罪集団などよからぬ輩もいるそうだけれど、ぼくの印象では日本人よりは幾分はお行儀よく感じられます。まともな人もいればろくでなしもいるのは同じということなんでしょう。ところで日本の人口減少が問題化されていますが、インバウンドの増加だけが原因とも思えぬけれど、一部の町や電車なんかはコロナ前より相当混み合っているような気がします。彼らのガタイが概してでかかったり大量の荷物を抱えているということもあるのでしょうが、加えて路線バスの廃止路線が急増したり、列車の運行が減便となったり交通インフラが衰退しているのが町の混雑の印象を増幅させているんじゃないか。って書きながら無茶苦茶なことを言ってるなあと思うし、そもそもこんなことを少しも語りたくなどないのでした。にしてもインバウンドの人たちはどうやって旅先である日本のビュースポットなんかを選んでいるんだろう。コンビニの上の富士山などに興味をそそられる位だからもっと典型的な観光も精力的に巡っているものと思われるのです。谷根千辺りも彼らの好物らしくて、多くの外国人が散策するだけでなく、飲食店にもせっせと足を踏み入れているようです。もっとも観光目当てらしい日本人も数多く見掛けるから、もともと狭いこの町の住民は迷惑にも感じているんだろうなあ。この界隈の酒場(以前なら外国人客など絶対訪れなかっただろう店)でぼくも何度も彼らの姿を目撃しました。というかむしろ外国人客のいないことが珍しく思える位になりました。 ということでこの町では、外国人客のいない店っていうのは希少なのかもしれません。この夜の「谷中庵」はそんな希少な酒場でありました。って無論、この夜がたまたま日本人だけでむしろ外国の人がいない方が稀有なことだったのかもしれません。加えてこの夜の客が日本人かどうか尋ねて回った訳でもないから、もしかすると彼らは日本人風の風貌をもった日本語堪能な外国人であったという可能性も否定しきれないのである。谷中=インバウンスというイメージから離れられなかったぼくの貧弱な想像力が、ここまでなんとか駄文を連ねることを可能としたのであります。さて、ここに辿り着いた時点でそこそこ酔っていたので正直なところあまり覚えていることもないのだけれど、50歳前後の男性二人でやっておられたような気がします。どういう間柄なのかちょっと気にはなります。カウンターに5席程度、ちょっと広めの卓席は顔見知りらしき面々がわいわいがやがややっています。酒も肴もこの界隈ではお手頃で、肴は手は掛かっていないけれど、酒が進むやつだったはず。日本人が酒と肴をセットで楽しむのに対して、特に西洋の方たちは酒を呑むとなると肴は不要(食事の際のワインなんかは酒ではないのでしょう)と聞いたことがあるけれど、もしそうならここは案外その趣旨に沿った店に思われるから、次に来た際にはインバウンドだらけになっているなんてことも起こりそうです。
2025/07/20
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北大路魯山人は「椎茸の話」という短いエッセイで、「大分の椎茸は本当の椎の木にできた椎茸なので、かさが黒くなめらかで、香りや味がすばらしい。関東で賞味している椎茸は、実は椎の木にできたものではなく、櫟くぬぎの木にできたものだから本当にうまいとはいえない。(中略) さて、櫟椎茸だが、これは噛かみごたえがあるという特徴はあるけれども、椎の木にできた椎茸のように香りがない。所詮、椎の木にできた椎茸にまさるものなしといえよう。」と書いているが、果たして本当の事だろうか。原木栽培が菌床栽培より香りが高いというのは事実と思えるけれど、現在、椎の木を用いた原木栽培がほとんど行われていないことからもどうも疑わしく思われるのだ。橡や楢の木が普及したのも品質が高い椎茸が栽培できるからと聞いたことがあります。しかし魯山人の言葉の真実味はどうであれ、椎茸の銘々の一節にもなった椎の木の椎茸、一度は試したいものです。栽培もそれなりに時間は要するみたいですが、やってやれないほどには難しくなさそうだけど、きっとやらないんだろうなあ。特に7月前後から価格が急激に下落しているから、馬鹿舌の持ち主であるぼくなんかにはそれでもう十分なんですよね。椎茸軸の魔法の粉(相場マナブ)【材料】椎茸(軸/裂く) 90g/塩 3g【作り方】1. クッキングシートを敷いた天板に並べてたオーブンで160℃40分焼く。椎茸(軸)、塩をミルにかける。 椎茸の軸、好きなんですけど、大量袋入りの安物の椎茸を購入したところ、巨大な軸がたくさんになったので、冷凍しても邪魔になるばかりなので、以前テレビで見たこれを試してみることにしました。面倒そうに思えたけれど、やってみれば簡単でした。でも安物だと味や風味はイマイチだったかな。これを作るなら原木栽培のものが良さそうです。あれ、まだ冷蔵庫に残ってたりして。魔法の粉のお吸い物【材料】椎茸軸の魔法の粉 小さじ1/手まり麩 1個/わかめ(乾燥)・三つ葉 適宜/醤油 小さじ1/4/湯 120ml【作り方】1. 椀に全ての材料を入れる。 なんか写真が違ってる気がするなあ。まあいいか。魔法の粉の香りが弱いからどうしても物足りない感じに仕上がってしまいます。つい旨味をプラスしたくなるけれど、ここはぐっとこらえて菌床栽培の繊細、いや、軽めの香りをせいぜい楽しむことにするのだ。究極の椎茸バター【材料】椎茸(一口大) 8個/バター 30g/だしパック 1個/塩 小さじ1/4/砂糖 小さじ1/2/水 400ml【作り方】1. 鍋に水を入れて沸かす。だしパックを加える。椎茸、塩、砂糖、バターを加えて弱火で煮る。 究極のじゃがバターの援用です。旨味の二段、いや三段重ねで確かに旨いのだけれど、旨味を重ね過ぎると味が単調に思えてくる。つまり飽きちゃうのだ。焼きしいたけスパイス塩添え【材料】椎茸 2枚/フェンネルパウダー(塩を混ぜる) 大さじ1/塩(マルドン)・オリーブ油 適宜【作り方】1. 椎茸にオリーブ油をかけてグリルで焼く。皿に盛ってスパイス塩を添える。【備考】ELLE GOURMET 人気の料理レシピ 「焼きしいたけスパイス塩添え」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a40712632/7800/ このフェンネル塩で食べるシンプルなの、実は結構気に入ったのだけれど、どうしたものか、これ以降作っていないのだった。まだ冷蔵庫にフェンネル塩、残ってたかも。
2025/07/19
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子供の頃からメシの友が好きでよく食べていました。酒を呑み出すとそれは酒の友になりました。でも、ある時期からピタリと食べなくなりました。メシの友として食べるにはごはんがそんなにたくさん食べられなくなったし、酒の友としては味が濃すぎてしょっぱ過ぎると感じられるようになったからです。なのにたまたまスーパーでそうした瓶詰を目にすると、買ってきても食べ切れないことが分かっていても、うっかり買い込んでしまい、冷蔵庫にはいつまでも放置されて一向に減る気配がなかったりするのです。酷い場合は開けたばかりの瓶詰を立て続けに購入してしまい、しかも買って来たばかりの方もすぐに開けてしまうことになるということがしばしばあるのです。なので、たんにメシにのせたり、小皿に盛り付けるだけではなかなか消費に繋がらないから、様々な料理へと展開することになります。メシに合う惣菜は、パスタにだってパンにだってほんのちょっとした工夫さえすれば、実にしっくりとメシ以外の食材とも親しくなりうるのでした。時にはこの惣菜はこれを作るために開発されたんじゃないかって位によくできたレシピに出逢うこともあって、上手く当たった場合には本当に興奮させられるのです。だってこうした総菜のアレンジ料理って大概の場合、すっごい楽チンに作れるから、ぼくの好みのレシピのど真ん中なのです。そんな数ある総菜の中からのりの佃煮を使ったアレンジレシピで今回はすべてパスタ料理です。のり佃煮のフジッリ【材料】フジッリ(茹でる)・のり佃煮・オリーブ油・胡椒 適宜【作り方】1. 器にフジッリを盛ってのり佃煮をのせ、オリーブ油、胡椒を散らす。 パスタとのりって馴染みがいいみたいで、和風パスタならなんだって刻みのりを散らして合わないってことがないようです。これはパスタ料理としてもミニマムなものになりますが、これだけでもそれなりにちゃんと美味しくなるのだ。のりわさび豆乳パスタ【材料】ガロファロ(1.5mm/茹でる) 100g/のり佃煮 大さじ1.5/豆乳 100ml/わさび 小さじ2/めんつゆ 大さじ1/バター 10g/小ねぎ(小口切り) 適宜【作り方】1. フライパンに豆乳、バター、のり佃煮、塩を入れて弱火で加熱。めんつゆを加える。パスタを加える。わさびを加える。皿に盛って小ねぎを散らし、のり佃煮を添える。【備考】パスタの聖書https://pastabible.hateblo.jp/ これはもう少しだけ凝ったレシピになります。いかにも和の食材にバターというものですが、これまた至極簡単なのに美味しいのだ。のり佃煮とチーズのパスタ【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/オリーブ油 小さじ2/のり佃煮 大さじ2/めんつゆ 大さじ1/粉チーズ・青ねぎ(小口切り) 適宜【作り方】1. スパゲッティ、オリーブ油、のり佃煮、めんつゆを和えて皿に盛る。粉チーズ、青ねぎを散らす。 先のバターもそうですが、のりと乳製品って相性がとても良いようです。互いの足りない部分を補い合っているようです。和えるだけ海苔と卵のパスタ(パパイズム)【材料】スパゲッティ(茹でる) 100g/湯 1.2L/塩 12g/味付けのり(12切) 10枚/卵 1個/バター 10g/醤油 小さじ1/2/大葉 3枚(1cm角)+2枚(千切り)【作り方】1. フライパンに茹で汁(80ml)、バター、味付けのりを入れて加熱し、乳化したら火を止める。スパゲッティを加える。醤油、大葉(1cm角)を加える。溶き卵を注ぐ。皿に盛って大葉(千切り)を散らす。2025/6/22 あっ、これは佃煮じゃあなかったですね。まあのりをソースに溶かし込んでいるから似たようなものとご理解ください。これまでのレシピの卵を追加してさらにゴージャスで濃厚になってるのでした。
2025/07/18
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随分前のことになるけれど、市ケ谷で働いていたことがあります。その当時、個人的に大変なトラブルに見舞われていた時期でもありました。相当なストレスを感じてもいて、数年に及ぶ憂鬱な日々を過ごすことを余儀なくされたのです。ぼくはどうやら根が能天気らしく、生活のために稼がねばならないという意思は変わらなかったのが救いでありました。でも混雑した電車に乗るのはいやでたまらなかったので、毎日池袋から市ヶ谷を歩いて往復したのでした。朝はいいけれど、仕事上がりは大概、気のいい上司が呑みに連れて行ってくれたから、大概ほろ酔い状態で自宅まで歩いたものです。市ケ谷と池袋までは坂が多くて今のぼくには案外疲れる道程に感じられるのでしょうが、案外、多くのルートが選択肢にあるから、変化もあって飽きることもなかったのでした。所要時間は50分から1時間ちょいで随分この界隈は詳しくなりました(ちなみに池袋から御茶ノ水まで歩いて通っていたこともありますが、こちらは最短で1時間20分程度を要していたことに加え経路もそう選択の余地がなくてそのうち歩くのをやめてしまいました)。とまあ昼の市ケ谷には碌な思い出がないけれど、夜の市ケ谷はそんなに嫌いではなかったのです。嫌いではなかったけど、呑みの場所としてはちっとも魅力を感じませんでした。結構、あちこちを呑んで歩いたけど、ここぞという店がなかったはずです。気のいい上司に連れてかれたのも大概はチェーンのお店だったし。 でも見落としていた店があったんですね。って実は靖国通り沿いやそれに並行した裏通りの店で呑むことはあっても、かつての日テレ通り沿いで呑むことはそう多くなかったのです。同行者が坂道を上りたくなかったのだ(ぼくは平気だったけど)。そのくせ、麹町の渋い構えの鰻店でご馳走になるって場合はホイホイ行ってましたけど。ということでお察しのように今回は日テレ通り沿いのお店に向かいいました。飲食店が数軒入居する雑居ビルの2階にある「麹町はとり」にお邪魔しました。それなりに長くこの場所で営業しているようですが、ちっとも知らなかったです。というかこのビルに飲食店が何軒か入っていることは知ってはいたけれどちっとも興味が湧かなかったのです。今さっき向かったと書いたばかりですが、このお店を根差して訪れた訳ではないのです。早い時間からやっているはずと目を付けていた酒場2軒がなぜか営業していないので、やむなく彷徨ううちにたまたまここに辿り着いたのが実情です。店の前に吊るされた提灯に店名に加えて焼鳥とあります。酒場好きとして大きな声ではいいたくないけれど、ぼくは焼鳥ってあんまり興味がないんですね。嫌いではないけれど、好んで焼鳥屋に足を向けることは滅多にないのです。美味しい焼鳥があるってのは知ってるけれど結構なお値段を取られるので、仮に同じお金を払うならもっと優先順位の高いものがあるんですね。ってそれはともかく改めてこちらのお店を食べログで見ると3.24(だったかな)となかなかの高評価でした。ランチの鶏重が評判いいみたいです。確かにそれなりに美味しいんですけど、やはりぼくにはせいぜいが値段相当と思えるものでした。それと空調の効きが今ひとつでどうも長居する気にはなれないのだ。この時点で他に客はいなかったので、この後、客足が伸びたとしたら相当に不快指数が高くなるという予想がなされました。ということで市ケ谷としてはまあ手頃なのかもしれませんが、ぼくは誰かに連れられない限りは再訪はきっとないんだろうなあ。
2025/07/14
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数カ月前のことだっただろうか、いつもの立ち呑み屋で呑んでいたら見覚えのないお客さんが立て続けに来店しました。社交的な人たちらしくいつしか二人は旧知の仲のように親しく会話を交わし始めたのです。始めこそわれわれ常連組も仲を取り持つって訳じゃないけれど、会話が円滑になるようささやかながら後押ししていたのですが、そのうちわれわれなどいないかのように会話が弾んで、喧しい位でした。そのうち二人は互いの来歴など話し出したのですが、なんと驚くべきことに出身校が一緒であることが判明、しかも年齢も一緒で共通の知人がいることも分かったのです。いやはやこんな偶然もあるもんなんですねえ。こんな偶然がなくてもいい店だからまたお邪魔するよって語っていました。ぼくは彼らより先に店を出たんですが、どうやら閉店まで思い出話に花を咲かせ過ぎて、店の方も迷惑したみたいです。ちょっぴり羨ましい気もするけれど、それ以降、二人の姿を見ていないのでその場限りとなってしまったとしたら、それはそれで物悲しい気もしますねえ。 さて、真間山弘法寺の参道である大門通り会という幾分活気を失った通りを歩いていると数軒の居酒屋があります。以前二度ばかり万葉集の歌人たちも詠われた女性の名に由来する「手児名」という居酒屋で呑んだことがありますが、創業年も同じ昭和53年(?)の「酒処 てまり」にお邪魔しました。お隣の「より道 橋」は何の知らせもなく営業をやめてしまったようですが、お向かいの「焼鳥 市ばん」はテイクアウトの営業は終了したものの立ち呑みスペースはまだ営業していました。今回は古い構えの「てまり」に入ることにします。先客は1名のみ。ご高齢のご夫婦でやっておられます。奥さんが料理担当で、オヤジさんは奥の席に腰を下ろして客たちとのお喋り担当でした。変わりやきそばを頼もうとしたら待ったが掛かってピリ辛やきそばを進められました。一番の名物とのことだけれど、それにしては品書きが見当たらないのであります。具なしとのことでちょっと寂しいかと思ったけれど、お進めとあらば頼まぬわけにはいかぬのでした。唐辛子とねぎだけのやきそばでありましたが、確かに酒の肴にちょうど良いですね。ちなみに変わりやきそばというのは通常のキャベツ抜きの焼きそばに千切りキャベツがのっかってるそうな。そうする間のオヤジさんのお喋りはやむことがないのだ。こうした酒場ではすぐに出身地の話が話題となるけれど、こちらのオヤジさんは仙台のご出身とのこと。へえそうなんだと、するとその口から思いがけぬ校名が発せられたのでした。それはぼくも2年間ではあるけれど在籍したことのある中学校の名前だったのです。それを告げるとオヤジさんもびっくりしておられた。長年店をやって86歳になるけれど、後輩に遭遇するのは初めてとのことでした。それはぼくも一緒。思いがけぬ出会いにほっこりとした気分に浸らせてもらえました。
2025/07/13
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またもやきゅうり+パンであります。というか実はまだまだ相当数のレシピのストックがあるのだけれど、正直どれが美味しかったとかはほとんど記憶していないのであります。それはともかくとしてきゅうりを巡って何か語っておかないとかっこがつかない。てなわけで以前も書いたことがあったかもしれないけれど、きゅうりダイエットについて書くことにするのだ。きゅうりダイエットについては、ネット上にいくらでも詳細な情報が公開されているので興味のある方はそちらをご覧いただければいいと思うけれど、かいつまんでいうと食事の際、最初にきゅうりを1本食べるのがダイエットに効果的であるというのだ。それは、きゅうりに含まれるホスホリパーゼという酵素に脂肪分解を活性化する効果があるからだというのです。どんなダイエットも長続きしたことのないぼくでもこれなら何とかなるだろうと軽い気持ちで始めたのでした。でも結局は2カ月程度で呆気なく挫折。その理由も限りなく予見可能なものでした。まず飽きる。色んな食べ方ができるんじゃないかと思ったけれど、きゅうり以外の食材と一緒に摂取することは避けねばならないだろうということで、パンも当然避けるべきものと考えたのだ。となるとサラダもしくは漬物、さらにはおろしてスープとかにして食べるしかなかったから思った以上に飽きるのが早いのだ。それと値段も問題となりました。運悪く価格が高騰してしまったのです。高騰といっても1本100円とかだったとは思いますが、根がケチなぼくにとって普段1本30円から50円程度で食べられるものがその数倍の価格となるのは耐え難かったのだ。また、昼は職場に持参せねばならないし、夜は呑みに行くから、確実に糠漬けなどできゅうりが確保できる保証がない場合はどこかしらできゅうりを食べてから呑みに行くということになる。面倒なのだ。かくしてまたしてもダイエットに挫折してしまったのだけれど、きゅうりに限らず、大根でもいいから食事前に野菜を生で摂取すると水分で腹が膨れるのでそれだけでも意味はありそうだという当たり前の事実には辿り着いたのでした。まあ、それも実行できてはいないのですけど。きゅうりとゆで卵のサラダのパン【材料】食パン 1枚/きゅうり(小口切り/塩揉み) 1本/卵(茹でる/刻む) 1個/玉ねぎ(薄切り/塩揉み) 1/8個/マヨネーズ 大さじ2/塩・胡椒 適宜【作り方】1. 全ての材料をあえる。食パンにのせる。きゅうり甘酢漬けのパン【材料】食パン・きゅうりの甘酢漬け・バター・練り辛子 適宜【作り方】1. 食パンに辛子バターを塗ってきゅうりの甘酢漬けをのせる。【参考】辛子をつけた酢漬けの胡瓜を添えたパン(林芙美子著『朝御飯』)【材料】パン・酢漬けのきゅうり・練り辛子 適宜【作り方】1. 皿に酢漬けのきゅうりをのせて練り辛子、パンを添える。砂糖のふんだんにはいった紅茶を添える。【参考】きゅうり甘酢漬け[北欧各国]【材料】きゅうり(小口切り) 500g/【漬け酢(混ぜる)】砂糖 130ml/塩 大さじ1/酢 100ml/水 170ml/ディル /ディル(H) 大さじ1/マスタード(H) 大さじ1/2【作り方】1. 保存容器に全ての材料を混ぜて漬ける。きゅうり甘酢漬けと卵サラダのパン(写真不明)【材料】食パン・きゅうりの甘酢漬け・バター・【卵サラダ(混ぜる)】卵(茹でる/刻む)・/マヨネーズ・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 食パンにバターを塗って【卵サラダ】、きゅうりの甘酢漬けをのせる。胡瓜のサンドイッチ【材料】食パン(サンドイッチ用/【A】を塗る) 1斤/きゅうり(皮を剥く[斑状]/薄切り) 2本/【A(混ぜる)】チーズ(クリーム) 150g/マヨネーズ・ディル(みじん切り) 大さじ2【作り方】1. 食パンにきゅうりをのせて食パンで挟み、耳を切って切り分ける。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「胡瓜のサンドイッチ」https://southern-kitchen.com/cucumber-sandwich/ 今回もまとめて感想を。どれも悪くはないのだ。でも西洋の料理できゅうりを用いる場合によく合わせられるハーブにディルがあるけれど、ぼくはどうもこれがそんなに得意ではないのだ。きゅうりの青臭みにこのハーブの甘い香りが合うことは分からなくはないのだけれど、なくたって全然かまわないと思ってしまうのだ。林芙美子氏の食べたきゅうりをのせたパンにはディルが使われていたのだろうか。想像でしかないのですが、バタ臭い料理を好む(らしい)彼女の口にはきっと合ったんだろうなあって思うのです。
2025/07/12
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同じ食材を使ってもその調理次第ではかなり異なる印象になる食べ物があります。一方でそれなりに手を変え品を変えしてみても仕上がりがさほど変化しないものもあります。ナポリタンやカレーライスといった料理はちょっとした隠し味程度ではその差異には気づきにくかったりするものですが、それはもしかするともともとが濃い目の味付けだってことに起因するのかもしれ前ん。薄味ならばちょっとした差異に気付けていたのだろうか。いや、ナポリタンやカレーに薄味ってのも考えにくいから別の食べ物を具体例としてお示しするのがよさそうです。確かに、例えば玉子焼きを思い浮かべてみる。だしを利かしただし巻きと砂糖たっぷりの卵焼きを同じ土俵に上げるのは乱暴だから一般に玉子焼きと呼ばれるものを思い浮かべてみると醤油もしくは塩だけで味付けした潔いものもあってそこに甘味や辛味なんかも加えると相当なヴァリエーションがありそうです。しかも具材を加える場合も少なくないからそれこそ無限に変化を楽しめるということになります。もともと濃い目の味付けの料理というのは変化という面では不利にできているのだろう。そいった次第で、かなり強引で論理性に乏しい展開で話を運んでしまったけれど、概してシンプルな料理であればあるほど、その差異が際立つ傾向があるということです(ってことでここはご納得ください)。そのもっとも典型的な料理のひとつにきゅうりのサンドイッチがあると思っています。これがきゅうりのサラダではダメな訳で、パンと一緒に食べる事で変化がより感じやすくなるように思えるのです。書けば書くだけ無理やり感が強まるから、とやかく言われる前にレシピへと移行することにします。塩もみきゅうりのトーストサンド【材料】食パン(山型/10枚切/トースト) 2枚/マヨネーズ 20g/きゅうり(薄切り/塩揉み/絞る)・塩・白胡椒 適宜【作り方】1. 食パンにマヨネーズを塗ってきゅうりをのせ、塩、白胡椒を散らして食パンを被せ、4等分に切る。きゅうりサンド(槙かおる)【材料】食パン(8枚切) 4枚/きゅうり(小口切り/塩を揉み込む/絞る) 2本/塩 適宜/【ソース(混ぜる)】マヨネーズ・ヨーグルト 大さじ2/塩・白胡椒 適宜【作り方】1. 食パンに【ソース】を塗ってきゅうりをのせ、【ソース】を塗った食パンを被せる。きゅうりとコーンのトースト【材料】食パン(トースト/マヨネーズ、練り辛子を塗る)・きゅうり(小口切り/塩揉み)・コーン・マヨネーズ・練り辛子・胡椒 適宜【作り方】1. 食パンにきゅうり、コーンをのせて胡椒を散らす。きゅうりとチーズのトースト【材料】食パン(トースト/マヨネーズを塗る)・きゅうり(小口切り/塩揉み)・チーズ(ピザ用)・マヨネーズ 適宜【作り方】1. 食パンにきゅうり、チーズをのせてトースターで焼く。 後者の2つではコーンとチーズという食材が使われているから純粋な意味でのきゅうりサンドではないけれど、そこは寛容にお見逃し頂きたい。きゅうりサンドのレシピは目に留まったらこれまで試したものと引き比べることもなく、無反省に作っているから、もしかするとかつて作ったレシピとほとんど変わりがないこともあるかもしれません。それでも作るたびにこれまでのものとどこか違っているなあと思い込んでしまう程なのだ。まあ、当然ながらきゅうりの産地や鮮度でも微妙な差異はあるでしょうし、バターやマヨネーズ、食パンのメーカなんかによっても違いは生じるはずだし、大概は目分量で作っているからその辺も大いに味に影響を及ぼしているはずなのだ。それでも未だにきゅうりサンドにはほとほと飽きてしまったなんてことにはならぬからこれからも当分は変わらず定期的に食べるんだろうなあ。
2025/07/11
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東武東上線の朝霞台駅とJR武蔵野線の北朝霞駅は駅間も近くて両線の乗り換え利用者にとっては、非常に便利です。しかし、乗り換え利用者以外にとっては、少しも便利ではありません。当然ですけど。随分以前のことになりますが、ぼくはこの便利さを享受していたことがあります。つまりは、乗り換え利用者であったということです。雨の日には多少濡れることもあっても、ほんのわずかな距離だからまあ許される範囲ではありました。でも乗換などせずに通勤・通学できた方がよほど楽だと思うとさほど有難くは感じていませんでした。これまた至極当然のことです。しかも鉄道会社も異なるから運賃は当然に割増感があります。その頃の経路は池袋駅を起点に東武東上線で朝霞台駅に向かいそこでJR武蔵野線の北朝霞駅に乗り換えていたのですが、今になって思えば池袋駅からJR埼京線で武蔵浦和駅で乗り換えていたら運賃も割安で済んだんじゃないだろうか。気になるので調べてみた。到着駅は便宜的に新座駅に設定。すると東武/JRの場合は491 円(6カ月定期:66,210円、ちなみに所要時間は乗換・待ち時間を抜かすと21分程度)、全てJRだと483円(6カ月定期:70,350円、所要時間は28分)でありました。ありゃりゃ、あまり大きな差がないですねえ。半年で見ると4千円近い開きがあるから1、2回呑めるし、所要時間も短いという点では前者を選択するのが順当ではあるけれど、気分転換や途中下車の愉しみを取るならたまには後者を織り交ぜるのも今にしてみれば悪くなかったようにも思えるのだ。とはいえ方々を呑み歩いている方であればご存じでしょうが、武蔵浦和駅を始め埼京線沿線(加えて多くの武蔵野線沿線の各駅も)は酒場の不毛地帯だから1カ月だけ後者にしておけば十分だったかもしれません。でも朝霞台=北朝霞駅だって駅周辺はそう大したことはないのだ。ずっとそう思っていました。でも先般書いたように駅からしばらく歩くと面白い呑み屋街が残っているんですね。 先般書いた弁財原商店会の「御食事 お酒の店 みか」はやはりやっていない。いや、薄っすらと店内から灯りが漏れているから、かつての常連のみが集うことを許されているのかもしれません。かつてはそうした酒場への果敢に踏み込むだけの気迫がありましたが、今はそこまでするほどの気合は残されていません。通りがかりで見掛けていたもう一軒のお店「居酒屋 順」にお邪魔することにしたのです。店内はオーソドックスでどこにでもありそうな雰囲気でした。まあ、こんなものだろうと気を抜いてしまったけれど、そのお通しの立派さに驚愕。というか、これだけの立派なラインナップだと追加の注文は無用となりそうなほどです。手作りコロッケに鰹の煮付け、ポテサラとこれだけでもうれしくなってしまう。さすがにこれだけってのも申し訳ないと頼んだ山菜天ぷらも実に見事。女将さんが採ってきたと言ってたかな。写真からはその立派さが伝わらぬけれど、実に独りでは多過ぎるくらいのボリュームがあるのだ。家庭料理風と思いきや、どれも素人料理とは一線を画する実にちゃんとした肴でありました。最初こそ他のお客さんがいなかったけれど、すぐに次々とお客さんが入ってくるのでした。一見客など珍しいのか常連さんたちに絡まれるのも先のお店と同様ですが、皆さんお喋りが大好きって感じでちっとも嫌な感じはないからご安心を。つまり、非常に素敵な酒場なのだ。足繁く通いたいと思ってしまうが、さすがに難儀であります。でも、いずれまたここに来ることがあるなら腹を空かせて出掛けたいと思います。
2025/07/07
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どうでもいい蘊蓄ですが、養老ビールで知られる養老乃瀧の創業者は、なんと木下藤吉郎というお名前なのですね。木下藤吉郎って誰かって? 豊臣秀吉の若い頃の呼び名と一緒なんですね。と知ったかぶりをしたはいいけれど、不安になってネットを調べると、何のことはない、実は別に本名があったのである。矢満田富勝氏というのが実名らしいがそれはまあどうでもいい。じゃあなんでわざわざ別名を使っていたかって疑問が湧いてくるのだが、その答えは調べどなかなか見当たらない。二世の息子が書いた以下の文章を見つけました。 当社がなぜ、このような採用を行っているのか。それは創業者の故・木下藤吉郎の勉学への想いがあります。 木下藤吉郎は1932年、12歳の時に出稼ぎに出て、18歳で当社を創業しました。中学校に通うという選択すらできない家庭環境にあったため、勉学への強い憧れと執着があったようです。https://note.com/yoro_official/n/n2c9121364206 ふうん、ってなんとなく納得しちゃいそうになりますが、よく分からんぞお。そうか、息子なのに創業者の父のことを木下藤吉郎と書いているから混乱を引き起こしているだけで、ここには秀吉については何一つ触れていないってことのようです。てっきり秀吉の貧しい幼少期と重ね合わせているのかという思い込みが招いた誤解だったようです。微塵たりとも答えに迫ってはいなかったのだ。すると出典不明ではあるが以下の書き込みがありました。https://kiyotonr.blogspot.com/2018/05/yoro-beer.html ふうん,まあこれはいかにももっともらしい話ではありますが、大して面白い逸話ではなかったですね。 それはともかくとして松本で産声を上げて、横浜で立身した養老乃瀧も今は、池袋駅西口に本拠地を移しました。グループには、「養老乃瀧」をはじめ、「だんまや水産」、「一軒め酒場」、「韓激」、「からきち屋」があり、この西口のビルには「からきち屋」以外の4店舗が入っています。ちなみに「からきち屋」は、東武宇都宮店、新桐生店、白井駅前店の3店舗しかないようです。鶏唐揚げのテイクアウト専門店とのこと。確かに池袋で唐揚げだけで勝負は厳しいだろうなあ。ところで、地下1階から3階までは先述の4店舗が入っており、8階に本社オフィスがあるとのことだけれど、じゃあ、4階から7階まではいったいどうなっておるのか。4階にYRイベントホールなる施設があるらしいのはグーグルのストリートビューで確認できた。5階にはどうやら養老乃瀧研修センターというのがあるらしい。でも6・7階が分からない。まあどうでもいいんですけどね。 今回は「一軒め酒場 池袋南口店」に立ち寄りました。相変わらずなかなかの入りです。この大入り状況がどうも苦手であまり利用しないんですよね。人手不足かなんか知らないけれど、こちらもいつの間にかモバイルオーダーが基本となっているようです。ぼくの見立てでは人手の不足を理由にして業務の合理化を加速させているんじゃないかと思っているけれど、どうなんだろう。まあある程度は仕方のないことと思うけれど、モバイルオーダーでまた失敗をやらかしてしまった。同一商品を2個頼んでしまったのだ。大きな画面で一望できないので、メニューの肝心の部分を見逃してしまうのでした(先般の町屋の韓国居酒屋でもお通し食べ放題を見逃していました)。でもまあ他人から鑑賞されない状態を好んでいるのだろう、カウンター席で一人の女性客などもお見掛けしました。パソコンなど広げて堂々たる態度で呑んでいます。酒場ズレしたと思っているぼくの方がオタオタしている。こうした店でもやはり店に馴染んだ方が凄しいいのだろうな。でもできればぼくはこういうところで一人で呑むようにはなりたくないかなあ。
2025/07/06
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北大路魯山人に『夜寒に火を囲んで懐しい雑炊』という各種雑炊を列記した短い文章があります。牡蠣雑炊、猪肉雑炊、鳥肉雑炊、蟹雑炊、焼き魚の雑炊なんてのがラインナップされていますが、ここら辺はもし手元にこれらの材料があったなら、ケチなぼくであればもっと別な調理法で食べたいと思うのであって、気にも留めずにいたのだ。そりゃねえ、牡蠣や蟹なんて贅沢品はそのままもしくは最低限茹でたり焼いたりする程度で食べたいし、猪肉なんて希少なものがあったら獅子鍋で優雅な晩餐としたい、鶏はまあ作ってみてもいいけれど、そこまで惹かれない。納豆雑炊なんてのもあります。魯山人ってやけに納豆がお好きなようだけれど、これはまあそんな旨いとは思えないけれど機会があれば試してみたいと思ったりもする。でも目先でまず試してみてもいいかなって思うのがなめこ雑炊です。 なめこは缶詰でよいから、缶から出したらザッと水洗いする。 缶六、七十銭のものを五人前に使えば適宜てきぎといえよう。やはり、これも薄味付けしたお粥を拵こしらえて、できた粥の中へなめこを入れる。温まった程度でよい。煮過ぎるとなめこの癖くせが出て食べられない。茶碗に六、七分目取り、餡あんかけ饂飩うどんの餡で、人の知る餡を別に拵えてかけて食べる。なかなかしゃれたもので、ぜいたく者ほど喜んでくれるもの。餡の上にすりしょうが一つまみ添えて出すことを忘れてはならない。 おお、これはちょっと良さそうですね。でも缶詰でいいのかいってツッコミたくなるけれど、当時は結構希少なものだったのかなあ。ともあれ、なめこ入りの雑炊に餡をかけて生姜をあしらうってのがいいですねえ。と書いたけれど、実はいまだにその機会は到来していないのでした。なめこの炊き込みごはん【材料】米 1合/なめこ 1袋/ニンジン(千切り) 3cm/だし 200ml/みりん 小さじ2/塩 小さじ1/2/醤油 小さじ1【作り方】1. 炊飯器(内窯)に全ての材料を入れて炊く。 こんなのは作ってるのにねえ。なめこってよく言えば繊細、悪く言えば風味が淡いから、ごはんと併せるのが合うんだろうなあ。なめこチャーハン【材料】ごはん・なめこ・ハム・長ねぎ・卵・ごま油・塩・胡椒・醤油 適宜【作り方】1. フライパンにごま油を熱してなめこを炒める。溶き卵を加える。ハム、長ねぎを加える。ごはんを加える。塩、胡椒を加える。醤油を加える。 チャーハンも作ってたのね。これも旨味調味料などを加えちゃうとなめこの持ち味がなくなるのでシンプルにしました。ハム、長ねぎもなしでいいのかも。雑炊同様生姜を合わせるとか。おぼろ豆腐のなめこあんかけ【材料】豆腐(おぼろ/電子レンジ(600W)で1分加熱) 200g/なめこ 1パック/だし 150ml/生姜 小さじ1/醤油(薄口)・片栗粉・水 小さじ1/2/塩・のり(刻み) 適宜【作り方】1. 鍋にだし、醤油、塩を入れて沸かす。なめこを加える。生姜を加える。水溶き片栗粉を加える。器に豆腐を盛ってかけ、のりを散らす。 これって雑炊の米の代わりにおぼろ豆腐に置き換えたようなものですね。確かに生姜は合う!!なめこのベーコン炒め(平野由希子)【材料】なめこ(株つき) 200g/にんにく 1片/ベーコン(1cm幅) 2枚/イタリアンパセリ(粗みじん切り) 大さじ2/オリーブ油 大さじ1/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。ベーコン、なめこを加える。塩、胡椒を加える。イタリアンパセリを加える。 平野氏のレシピ。ヨーロッパにもなめこに似たようなきのこがあるからこういった食べ方があるのかもしれないですねえ。でもなあ、なめこには和だしの風味がやっぱり合うと思うんだよねえ。
2025/07/05
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今回のお題はヨーグルトです。う~ん、あんまし書くこともないなあ。と言っていても課題の先送りにしかならないから無理にでも書き出すことにします。こういう場合、「ヨーグルトと私」みたいに工夫の感じられないものの方が案外思わぬ方向にお話が広がる可能性があるような気がします。ってな訳で、「私」でありますが、思い起こすと、私に限らず昭和の日本人にとってヨーグルトというのはあくまでもデザートであって、甘い食べ物でしかなかったのだ。しょっぱい料理と併せて食べるなんてことは考えてもみなかったのだ。そういった偏見というか固定観念は常に疑ってみるべきであることは分かってはいても実践するのはとても困難なことなのです。ことに食べ物に対するそれは幼少期に植え付けられるものが大部分だからそれを覆すのは至難の業なのだ。ところが私を始めとする多くの呑兵衛かつ旨いもの好きは、酔うことで好奇心を埋めたいという柔軟な感性を獲得する瞬間があるようなのだ。これまで見向きもしなかった食材を食べてみようなんてことを思い立ったりすることがあるのだ。初めてヨーグルトを食事の一部として食べたのもそんなほろ酔い状態でのことでした。ちょうどその頃、トルコ料理にハマっていて冷蔵庫にはヨーグルトときゅうりがあったのです。ならばと課題料理として常に意識しながらなかなか一歩を踏み出せないでいた、スープを作ってみることにしたのです。そしたらあらまあ、何のことはないさっぱりすっきり美味しいじゃないの。ヨーグルトににんにくのすりおろしを入れるなんて大胆なことよって思っていたけれど違和感ないじゃない。あっさりヨーグルトの料理遣いという壁をクリアしたのでした。でもその後、各国の似たようなレシピをあれこれ試しているのだけれど、どうもこの時の美味しさには及ばないのだ。それは当初のレシピをそのまま用いてもやはりそうなのだから不思議なものであります。タラトール【材料】きゅうり(おろす[チーズおろし]) 2本/ヨーグルト・水 200ml/にんにく 2片/ディル 大さじ1/塩・胡椒 適宜/くるみ(砕く) 2個/油(オリーブ) 大さじ3【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 そのきゅうりのヨーグルトスープのブルガリア版であります。これらのレシピは大した差異はないのだけれど、ブルガリア版はくるみが入る場合があるんですね。にしてもやはり感動には到底至らぬのです。タラトル・サラータ(ヨーグルトときゅうりのサラダ)【材料】ヨーグルト・きゅうり(1cm角)・にんにく・くるみ(砕く)・油(オリーブ)・塩 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 水が入らないだけでほとんど同じレシピですが、いちおうこれはセルビア料理として紹介されていました。う~ん、これもイマイチな気がするなあ。ほうれん草と米の煮込み[トルコ]【材料】ほうれん草(茹でる/2cm幅) 200g/玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/オリーブ油 大さじ2/肉(合びき肉) 100g/サルチャ(代替:トマトペースト) 大さじ1/米 1/4合/水 2カップ/塩 小さじ1/にんにく 1片/ヨーグルト 1/2カップ【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して玉ねぎ、ひき肉を炒める。サルチャ、米を加える。2. 水、塩を加える。2. 皿に盛ってにんにく、ヨーグルトを混ぜたものを添える。そうそう、インド料理でもヨーグルトのソース、ライタなんてのがありますね。ぼくはインド料理で食べるこれは好きです。でも自作したトルコ料理のヨーグルトソース(ヨウルトソスっていうみたい)はどうも上手にできません。水切りが足りてないのかなあ。店で食べると美味しいんだけどなあ。ズッキーニのトマト煮[トルコ]【材料】ズッキーニ(いちょう切り)3本/玉ねぎ(粗みじん切り) 1/2個/トマト(1cm角) 1個/ブルグル 1/4カップ/サルチャ(代替:トマトペースト) 大さじ1/水 適宜/ミント(D)・塩・胡椒・パセリ 適宜/油(オリーブ) 大さじ1/2/ヨーグルト 100g/にんにく 1片【作り方】1. 鍋に油(オリーブ)を熱して玉ねぎを炒める。トマト、サルチャを加える。ズッキーニを加える。ブルグル、塩、胡椒を加える。水を加える。沸騰したら弱火にして10分煮る。ミント、パセリを加えて5分煮る。2. ヨーグルト、にんにくを混ぜて添える。 これは食べやすいですね。淡泊な料理だとちょっとヨーグルト臭が勝っちゃってそれがどうもダメだったみたい。ただもっと工夫の余地がありそうです。
2025/07/04
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