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西川口ってぼくにとってはちょっと不思議な町なのです。というのが出向く前には毎回必ず久し振りに訪れるような気がするのです。でも実際に駅前に降り立ってみると、あら不思議、ついこの間来たばかりじゃん、なんてことになるのです。実際、調べてみると前回の訪問はせいぜい1、2カ月振りだったりするのです。逆の場合もあります。西川口で呑もうと誘われて、最近行ったばかりなんだよなあなんて思って出向いてみると、どうも随分ご無沙汰していたようだぞって場合もあったりするのです。そうした町は実は案外あちこちにあるような気もしますが、今回は西川口の酒場が登場する手前、西川口の特徴の体裁で語ることにします。ここまでの書きっぷりからは、西川口という町がとても没個性的な町という印象を与えかねないような気もします。それは西川口を特徴付けるいくつかの要素が、健全な市民にとってネガティブなものが多いような気がします。この気がしますという言い方も西川口に土着の方や愛着のある方には、気遣っているつもりなんですけど、逆に嫌味と捉えられかねないかもなあ、なんてことを思ってしまうのです。どんどん取り留めのない方向へ話が流れています。ともかく西川口にはちょくちょく足を運んでいると思っていたけれど、今回、実際にはそうでもなかったんだということを思い知らされたのです。 駅の東側にはロータリーに記憶に鮮明な立?みの焼鳥店がありますし、先を進むと視界にちらほら入ってくる風俗店にも見覚えがあったりなかったりします。でもそこを越えると途端に見覚えのない光景が広がります。間違いなく何度か通っている道のはずなんですが未知の光景に思えてしまうのです。こういう時、自分の記憶容量の少なさに少しばかり嬉しくなってしまうのです。毎日のように歩いていたらさすがに見飽きてしまうんだろうけれど、たまに遊びに行くような町だと何度でも新鮮な気持ちで町を散策できるのだから案外悪くない特性に思えます。などという自己弁護をしながらもすぐにちょっと気になる酒場が目に留まりました。はるばる歩かずともそれなりに気になる酒場があるのだから、この時点で早くも西川口、案外面白いじゃんって思えてしまうのだから単純であります。店先では店の女性が焼き台前で煙を上げています。焼鳥がメインのお店なんでしょうかね。テイクアウトもやっていうんだろうなあ。呑み屋店舗の入口はやってるのかやっていないのか判然としない感じで、コロナ後、テイクアウト専門に切替たんじゃないかなって思ってみたりもしたのです。「つむぎや」って店名だったようです。店に入るとすぐに小上がりに通されます。カウンター席は常連で埋まるんだろうなあと思ったら、その後すぐに常連がカウンター席に収まりましたがぼくが出るまでは2名だけでした。店に入ってすぐの長テーブルでは店の男性がいくつもあるタッパーに数々の料理を用意しています。これだけ大量に仕込んでいるということは数日分をまとめて準備しているのかなあ。3点盛りのお通しはこれだけで3杯は吞めそうななかなか立派なものでした。しらすおろし、手羽元とうずら卵の煮付け、マカロニサラダと子供オヤジにとってはこれ以上ないセンスのいいラインナップ。しらすおろしはやきとん、焼鳥と併せて食べるためにとっておきます。と飛び抜けたところがある訳じゃないけれど、過不足ないところにゆったりした雰囲気で、近所であれば確かにここならボトルでも入れて週一位で通いたいと思えるのです。
2025/04/28
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ぼくは酒場好きとしては普遍性に欠けているんじゃないかと思うことがあります。それも結構しばしば感じているからきっと世間一般の基準からは大いに逸脱しているのではないかと思うこともあります。そんなぼくがさも酒場が好きなんだって大手を振って、あちらやこちらの酒場について意見を述べるなんてことをしてしまって本当にいいんだろうかと思うこともあります。滅多にそんなことを思ったりはしないんですけどね。むしろ時には他人とは基準が違っている(らしい)ことが、メリットとして作用することもあるのです。それは、他の人が見向きもしないような酒場がぼくにとっての穴場酒場となる場合が多いってことです。話が逸れてきたので軌道修正を図りますが、ぼくは酒場マニアたちが好んで呑むというホッピーの旨さに対しては、常々疑問を抱く者です。その割にはブログの写真にしばしばホッピーの瓶が映り込んでいるのは至極単純な話で、コストパフォーマンスを重視しているからだけなのです。店に入ると最初に計算するのはホッピーセットにナカ2杯の値段とチューハイ3杯の合計価額の差異です。安価な方を選択するって訳です。無論、一概に杯数のみでお得度を測ることは困難な場合もあり、チューハイがやけに薄いのにナカの量が凄いことになっていることもあったりするのだが、概して一方が薄ければ他方も薄いものなのだ。また、その店が色んな意味で酷かった場合でもソトを呑み切るまでは滞在しなくてはならないってところにあります。そんなに嫌ならソトを残して(もしくは呑み切って)退店すればよさそうなものですが、理由は単にケチだからでそうすることもできぬのです。とにかく人間の小ささ故に好きでもないホッピーを選ぶというのがぼくという人間なのです。 でもまあ、ホッピーなんて元来が代用ビールなんだから、ぼくのような者が好きじゃないとかいいながら呑むのはむしろお似合いなのかもしれぬ。何にせよ基本的にホッピーという酒はぼくにとって打算と惰性で呑んでいるだけのシロモノなのだ。と随分ホッピーという商品には世話になっているのに悪し様な物言いばかりしているけれど、実は生ホッピーに対しては思い入れこそないけれど、時々呑みたいと思うこともあるのです。専門店だったりホッピーハウスなんてのもあるけれど、ぼくの一番のお気に入りが「宝泉」であることは今のところ揺るぎがありません。どこがどう気に入っているのか。とにかく濃いのだ。時折、ホッピーを頼むと店の方が勝手に割っちゃう場合があります。これって迷惑なんですよね。店側にとっては親切心でという言い分もあいそうですが、きっとそれは違うんだろうなあ。ホッピーのソト1本でナカを5杯とか頼んじゃう人もいるしねえ(ぼくではありません。ぼくは遠慮深く3、4杯に留めています)。でもここの生ホッピーは滅茶苦茶濃いし(呑んでいる際にはそこまで濃いという感じはしないけれど)、量もたっぷりだから全く不満は感じないのだ。でもね、ここ生ホッピーもいいけどそれより雰囲気が抜群なのだ。だって他のお客さんたちもみんなご機嫌だからね。そんな愉快な様子を眺めていたら生ホッピーも進んでしまうから必然的に翌朝は辛くなるのだ。ということはぼくにとって辛くなる酒場っていい酒場なんだろうなあ。
2025/04/27
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例のごとく青空文庫で今回のキーワードを検索する。今回のキーワードは日本ではそう古くから食べられてはいないと思われたので、検索が引っ掛かることはあまり期待していませんでした。すると意に反して意外や以下の4件が表示されたのでした。パイとやきがたのはなし富士屋ホテル - 古川緑波ちょびひげサミュエルのはなし石川欣一 比島投降記 ある新聞記者の見た敗戦 さすが食道楽の古川氏、小津安二郎監督の『お茶漬の味』に出演した石川欣一氏は戦争に行って旨いものを食べていたようです。 いかにも児童文学風のタイトルの2件はいずれもベアトリクス・ポッターという人の作品。あらら、ピーターラビットの作者なんですね。己の無知をさらけ出してしまったなあ。ざっと流し読みしたけれど、どうも腑に落ちない点もあってぼくの好みではありません。いずれも登場するのは猫です。いずれにもマフィンが出てきますが、それより気になったのは、『パイとやきがたのはなし』のネズミパイです。『ちょびひげサミュエルのはなし』は猫がネズミに怯えることになるのとは対照的です。いずれにしてもイギリス人にはマフィンやパイなんかは、猫が貪り食う程に密接な関係があるんだなあ。エッグベネディクト(偽物の写真にてご勘弁)【材料】イングリッシュマフィン(トースト) 1個/ハム 4枚/卵(ポーチドエッグ) 2個/酢 適宜/ベビーリーフ 適宜/【オランデーズソース(混ぜる)】マヨネーズ 大さじ2/コンデンスミルク 小さじ1/生クリーム 小さじ1/顆粒昆布だし 適宜【作り方】1. 皿にマフィンを盛ってハム(2枚)、ポーチドエッグをのせ、【オランデーズソース】をかけてベビーリーフを添える。 料理好きとして知られる加山雄三氏のレシピから。コンデンスミルクと昆布だしとは、ぼくにはない発想です。でもご本人がそう語っているかどうかはともかくとしてこれがオランデーズソースってのは無理があるなあ。でもまあちゃんと美味しくできました。ハニーチーズのイングリッシュマフィン(これまたレシピと全然ちゃうやんか!)【材料】イングリッシュマフィン 1個/溶けるチーズ 30g/クミンシード 小さじ1/4/はちみつ 大さじ1/2【作り方】1. イングリッシュマフィンに溶けるチーズ、クミンシードをのせてオーブントースターで焼く。はちみつをかける。 案外悪くないのです。ってか以下の3品は食パンでも似たようなレシピを見たことがあるけれど、パンの仲間だけに当然ちゃんと美味しいのでした。納豆チーズマフィン【材料】マフィン(トースト) 1個/納豆(付属のタレ、練り辛子を混ぜる) 1パック/溶けるチーズ 適宜【作り方】1. マフィン(半分)に溶けるチーズをのせてトースターで焼く。納豆を挟む。 これまた悪くはないけれど、納豆の風味が強いためか、マフィンの粉っぽい風味が損なわれるようです。バジルチーズハニーマフィン【材料】マフィン(トースト) 1個/バジルペースト・溶けるチーズ・はちみつ・胡椒 適宜【作り方】1. マフィン(半分)にバジルペーストを塗る。マフィン(半分)に溶けるチーズをのせてトースターで焼く。はちみつ、胡椒を散らして重ねる。 これまた似てるなあ。マフィンを使ったアッと言わせられるようなレシピはないものだろうか。
2025/04/26
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常々思うのが日本ってどうしてこうも乳製品の価格が高いのかってことです。ニュースでは生乳が余っているといった報道をしばしば目にするのですが、それならチーズなりの日持ちする商品の開発に回せば良さそうなものなのに。なんて安直な疑問を抱きつつ、その理由を知ろうとはせずに過ごしてきたのです。常々常思っているなら調べてみればいいのにねえ。ってまあ、日頃は雑事に追われてしまい、そのうち調べなきゃって思っているうちにすっかりそんなこと忘れちゃうんですね。で、ふとした弾みで思い出してはまたもそのうちってことの繰り返しになります。でも今回はPC前に座っているから調べてみることとなったのでした。そうするとズラリと検索結果が表示されました。以下のページがどうやら真実に近いように思えます。https://agri.mynavi.jp/2023_12_05_247643/ なるほどねえ。なかなか机上で考えるようにはいかないみたいです。そうなんだねえ、特にサワークリームはやはり相変わらずの高嶺の花であることは避けようがないのですね。中沢をはじめメイトーやらタカナシの商品を扱っている店も少なくないのですが、余程のことがない限りは手が出ないのです。でもこれだけ扱う店が多いってことは結構多くの家庭で普通に使われてるってことなのかなあ。仮にボルシチにのせるにしたって、いくら控え目に使ってもあっという間になくなっちゃうもんな。代用品で済ませようとしたこともあるけれど、どれも市販されているのの濃厚なサッパリ感は出ないからなあ。ウフ ココット【材料】卵 4個/バター 大さじ1/塩・胡椒 適宜/バゲット(トースト)・あさつき(みじん切り) 適宜/【A(混ぜる)】サワークリーム 50g/生クリーム 50ml/塩 小さじ1/4【作り方】1. ココット(内側)にバターを塗って塩、胡椒を散らす。【A】(小さじ1)を敷いて卵を割り入れる。湯を張ったバットにのせてオーブンで180℃10分加熱する。【A】(小さじ2)を広げてオーブンで180℃1分加熱する。あさつき、胡椒を散らしてバゲットを添える。 非常に新風な卵料理でありますが、これ美味しいですねえ。これはどうしたってサワークリームなしでは始まらないですね。トワイスベイクドポテト[アメリカ]【材料】じゃがいも(オリーブ油をまぶす) 6個/オリーブ油 大さじ2/牛乳 60ml/サワークリーム(or ギリシアヨーグルト) 60ml/塩・胡椒 適宜/フレッシュハーブ(イタリアンパセリ・チャイブ・青ねぎ etc./みじん切り) 大さじ2/チェダーチーズ 適宜/【トッピング】サワークリーム・フレッシュハーブ(イタリアンパセリ・チャイブ・青ねぎ etc./みじん切り) 適宜【作り方】1. オーブンでじゃがいもを200℃40分焼く。上部を切り取ってスプーンで中をくり抜く。2. ボウルにくり抜いたじゃがいも、牛乳、サワークリーム、塩、胡椒を入れて混ぜる。フレッシュハーブを混ぜる。3. 1.のくり抜いた箇所に2.を詰めてチェダーチーズをのせ、オーブンで200℃20分焼く。皿に盛ってフレッシュハーブを散らし、サワークリームを添える。【備考】US Southern Kitchen アメリカ南部の台所 「トワイスベイクドポテト」https://southern-kitchen.com/twice-baked-potatoes/ これはもうアホみたいにたっぷりとサワークリームを使わないとむしろぼやけた味になってしまう気がします。レシピにはギリシャヨーグルトで代替できるとの記載がありますが、果たしてどうでしょう。ってかギリシャヨーグルトもいい値段だしねえ。トマトクリームスパゲッティ[メキシコ]【材料】スパゲッティ(茹でる) 200g/トマトピューレ 200g/サワークリーム 200g/油・塩 適宜/玉ねぎ(薄切り) 1/4個【作り方】1. フライパンに油を熱して玉ねぎを炒めて玉ねぎを取り出す(別の料理に用いる)。トマトピューレ、サワークリームを加える。塩を加える。スパゲッティを加える。 パスタで使うならこのレシピの分量は多過ぎるかも。日本人の味覚にはもう少し、いやこの半量で十分かも。シンケンヌードル(ハムとパスタのグラタン)[スイス]【材料】パスタ(茹でる) 250g/ハム(短冊切り) 120g/溶けるチーズ 150g/卵 1個/サワークリーム 180g/塩・胡椒・バター 適宜【作り方】1. バターを塗った耐熱皿にパスタ、ハム、チーズの順に2層に重ねる。溶き卵、サワークリームを注ぐ。塩、胡椒する。バターをちぎって散らす。オーブンで220℃20分焼いてパセリを散らす。 こんなに簡単なレシピなのにサワークリームひとつで全く別物に感じられます。また食べたくなってきました。
2025/04/25
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東京って世界で最も多くの酒場を有する都市らしいのだ。以下のページでそう紹介されています。https://worldscities.net/2020/04/16/%e4%b8%96%e7%95%8c%e4%b8%bb%e8%a6%81%e9%83%bd%e5%b8%82%e3%83%bb%e3%83%90%e3%83%bc%e3%81%ae%e5%a4%9a%e3%81%84%e9%83%bd%e5%b8%82%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%82%ad%e3%83%b3%e3%82%b0/ へええ、2位のソウルを圧倒する程の統計データでありますねえ。それにしても日本人ってアルコール耐性が低いらしいのだが(アセトアルデヒドの分解酵素が少なかったりなかったりするとか)、どうしてこうも酒場が多いのだろう。ずっと疑問に思っていたのだが、疑問のまま放置してちょっと思考を巡らせる高尾を怠っていたようです。ということでアルコールを含んで巡らせてみると、ぼくなりの解決に容易に至ったのです。つまり日本人は酒が弱いからこそ適量でそこそこいい気分になれるのだ。というか深酒をして際の失敗の記憶が積み重なってやがては自分なりの適量をある程度弁えることができるようになるのです(今でも失敗は)。アルコールへの耐性がある西洋人なんかだといざ呑むとなると満足に至るにはかない総統用のアルコール摂取が必要となります。呑んでも呑んでもなかなか酔わないから他人と呑んだって楽しくないし、何より金が掛かって仕方がないのでしょう。しかも現在のようなとんでもない物価高が彼らにはのしかかってくることになるはずです。だったら呑まないもしくは外呑みは控えてアルコールは家で呑むってのも納得のいく話に思えるのです。ぼくなんかもそうだったのですが、若い頃は酒に強いのがカッコいいなんて愚劣な考えを抱いていたものです。しかし今ではほどほどに呑める程度で良かったなあって思っています。呑めないのは嫌だし、強過ぎては金がかかり過ぎる、今程度の呑みをまあもうしばらくは続けられるといいなあなんて思っているのです。 って上記の文章が本題とはまったく繋がってこない訳ですが今回は「京の華」にお邪魔しました。ぼくは何度か行っているのでできれば違う店が良かったなあなんて思うのですが、今回呑んだ3名で主役の1人がそこがいいっていうのだからそれを遮るまでの我儘さはぼくにはないのです。でも知らなかったけれど、夕焼けだんだん入口の「谷中の華」。「京の華」隣の「千の華」。魯肉飯と麺線の店は現在、休業状態。なんと挑発的な、有名中華麺店の「馬賊 日暮里店」2階の「京の華 別亭」と系列店が絶賛増殖中とのことであるから別亭なんかでも良かったんでないかななんてことを思ってしまうのです。さて、今回はいくつかお初の肴を食べたのでそのことを中心に書きとめておきます。まず新メニューの五目カタヤキそばです。これはゴージャスで食べ応えもあって素晴らしかったですねえ。エビチャーハン(仮名)も良かったなあ。こちらは麺類に定評があるけれど、チャーハンもいいなあ。シンプルな味付けなのに自分で作るのとは全然違うんだなあ。それと海鮮そば(仮名)も食べたのでした。もしかするとこれがこの3品では一番だったかも。ここは風情もなくちっとも酒場っぽくもないけれど、旨いものをちゃんと食わせてくれるんだということを再認識したのでした。どこの誰がどう評価したのかわからんですけど、荒川区で一番みたいですね。さらなる高みを目指すのは、うーん、やはりそれは難しいかなあ。
2025/04/21
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若い頃に上京してからというもの常磐線に揺られてはるばると東葛地域にある映画館に通い詰めたものです。それなのにどうしたものか町屋という町には、酒場巡りに本腰を入れるまではまったく縁のない町だったのです。先ほど常磐線と書いたけれど、実際に映画を見たのは亀有か三河島で、ならば常磐線の快速も各駅もフォローできていそうなものですが、当時(今でもそう状況は変わらないけれど)、いつだっけ金欠だったぼくは日暮里から北千住までは快速,その先は各駅という乗り継ぎをして亀有を目指したのです。だから町屋を常磐線で通過することもなかったということです。ケチが身に染みているぼくは今でも西日暮里乗換えは贅沢という意識が残っていて、常磐線の快速で遠出した場合もその帰途で乗り換えが面倒であっても必ず松戸や北千住で乗り換えするという習慣が抜けずにいます。以前は町屋で呑むという際でも三河島や南千住から歩いて向かったものです。さすがに今は町屋で呑むとなると常磐線各駅、京成本線、都電荒川線を使い分ける程度の余裕はできたけれど、これは懐が豊かになったというよりは、酒量と食べる量が減ったことに起因するだけのことだと思われるのだ。ともあれ、町屋っていうとこは、降り立って歩いてみないとその本領が見えてこない町のようです。というのは、東京メトロの各駅はともかくとして町並みを舐めるように横断する荒川線に乗ってみてもその車窓からは呑兵衛の町という印象はほとんど窺い知ることが叶わないのです。 町屋では随分多くの酒場を巡ってきましたが、暗い町並を歩いていては見過ごしてしまうけれど、実は大いに繁盛する酒場が少なからず存在するのです。「ときわ食堂 サンポップ店」もそんな一軒。町屋で「ときわ食堂」となると定評のある一軒がありますが、ぼくは駅直結の地下のこちらが好みです。地下だから町に立っていて目に留まらないのはまあ当たり前のことですが、こちらはいつだって多くのお客さんで賑わっている印象があります。単に駅から近いのが理由なのかどうかは判然としませんが、一方が改装されてすっかりかつての風情を失ってしまったのに対して、こちらは風格もないし、老舗感も稀薄だけれど、何より広々としていて少しも窮屈じゃない雰囲気が魅力なのです。それでも難がないって訳じゃないのです。肴は珍味系も豊富で少しも文句はないのだけれど、逆に酒はというと結構お高めの設定となっています。大衆的に思える町中華だったり大衆そば屋なんかがお高めなのと似たような感じです。人数が揃えば焼酎のボトルを入れちゃえばいいんでしょうけど、そうしてまで腰を据えて呑むには、われわえはまだまだ好奇心が勝るのだ。つまり一軒でボトル1本呑み切るだけの時間は費やしたくないのです。また、ここがすでに三軒目ということもあります。と書きましたが、品書きを見ればボトルを頼むまでもないことが分かるはずです。ビールやサワー類は高いけれど日本酒ならお手頃価格が維持されているのです。だからここではひたすらに空の銚子を増やすことになるのです。正直なところ、自宅で呑む日本酒が刻一刻とレベルをアップさせているのに対して、普通酒のグレードは相変わらずのものと思われ、それでも呑み始めるとクイクイ呑み進めることができてしまうものだからついつい必要以上に呑み過ぎてしまうのです。アルコール度数の低めのビールや高めのウイスキーなんかよりその間の日本酒やらワインなんてのが最も呑み過ぎてしまう気がするのは翌朝の辛さからも明らかでしょう。でも駅の改札も間近なものだからついつい店の仕舞いの時間までダラダラと吞んでしまうのであって、要注意なのです。そういえばさっきまで混雑していたお店が気付けば店の人ばかりになっているのです。
2025/04/20
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ぼくは野菜が好きです。サラダも好きですが、お浸しとか炒め物、味噌汁の具材など火を通して食べる方がもっと好きなのです。例えばほうれん草でいうとサラダほうれん草なんかをドレッシングで食べるのは確かに美味しいのですが、お浸しなんかで食べた方がずっと美味しいと思うのだ。レタスだってもしかすると生よりも火を通した方が好きな気がする。でもこれだけは生で食べたいって野菜があります。実はこれだけではないかもしれないけれど、今思い付くのはルッコラです。確かに、ネットでレシピを調べてみるとお浸しにしたり炒めて食べたりするのを目にしたりするのだけれど、いかに調理されたルッコラがきれいな写真に収まっていたところで、普段ぼくが生で食べるルッコラを上回っているようには思えぬのです。一度試してみたいと思うのだけれど、手間なしで食べても非常に旨いルッコラを和えて面倒な思いをしてまで調理しようという気持ちにはとてもなれぬのです。以前、自宅近所の八百屋で量もしっかりとあって、滅茶苦茶安く、しかもそこらのスーパーで買うものよりもずっと辛味、風味が強烈だったから週末にはしょっちゅうそこでルッコラを買い求めていたものですが、2年ほど前からなぜだか値上がりしてしまい残念に思っているのでした。野菜不足が原因であれば、近頃ようやく野菜全般の価格が幾分か落ち着いてきた(乱高下するものの)ら、お手頃だからという理由だけでそこでルッコラを買っていた人も減るんじゃないかとちょっとだけ期待しているのでした。そんな時が到来したなら今度こそ加熱調理したルッコラを食べてみたいと思うのです。ルッコラパン【材料】食パン(トースト)・ルッコラ・ハム・バター・マヨネーズ 適宜【作り方】1. 食パンにバター、マヨネーズを塗ってハム、ルッコラをのせる。 本当はハムなんかなしでルッコラだけでも構わないのだけど、どこぞで見掛けたレシピを踏襲してみました。やはり旨い。タルタルルッコラトースト【材料】食パン(トースト)・ルッコラ・卵(茹でる/マヨネーズ。塩、胡椒を混ぜる)・マヨネーズ・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 食パンにルッコラ、卵をのせる。 これまたハムの代わりに茹で卵です。以前から思っていたのですが、ルッコラってマヨネーズでダメてこともないけど、フレンチドレッシングとかの方が合うと思うんだよなあ。ルッコラ唐揚げトースト【材料】食パン(トースト/マスタード、マヨネーズを塗る)・ルッコラ・鶏唐揚げ(薄切り)・マスタード・マヨネーズ 適宜【作り方】1. 食パンにルッコラ、唐揚げをのせる。 などと言いつつもまたもやマヨネーズで味付けしていました。まあ必ずしもマヨネーズがダメってことでもなくて、パンと一緒だったり濃厚な食材と一緒ならありなんですよね。ハムとしらすとコーンとルッコラのトルティーヤ【材料】トルティーヤ 1枚/ハム(6等分) 1枚/コーン 大さじ2/しらす 大さじ1/ルッコラ 1束/バルサミコ・溶けるチーズ・パルミジャーノ・オリーブ油・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンでトルティーヤにハム、コーン、しらす、溶けるチーズをのせて焼く。火を止めてルッコラをのせ、バルサミコ、パルミジャーノ、オリーブ油を散らす。2024/8/13 へえ、こんなの作ってたんだ。何だかなんでもありな具材になってますねえ。あんまり欲張んない方がいい気がします。これはどっかで拾ってきたレシピなんだろうなあ。
2025/04/19
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物理学者の中谷宇吉郎に『北国の春』という文章があります。ってもしかしたらすでに引用してるんじゃないかなあ。しかもその際に初めて中谷氏の存在を認知したって告白していたとしたら、さもしたり顔に書き出すのは非常にみっともない話なんじゃないかねえ。といった迷いがあったのですが、それはさておくことにする。過去に引用していたという疑念も残ったままであるけれど、気にしないことにする。「北海道の山うど」 北海道の山うどは、少しかおりが強すぎるくらいで、香気の方では全く申し分がない。しかし一面その野性味が勝ちすぎて、少しあくどいのが欠点である。ところがYのおばさんのところで時々出してくれた山うどは、東京の一流の料理店で出すうどに、北海道の山の香気だけを添加したような趣きがあり、味もかおりも、全く申し分のないものであった。(以下略) う~ん。分かったような無理矢理取り繕ったような評ではあります。味覚について文章で直接に表現するのは、土台無理な話なのです。でも実際の味を伝えられずとも他人に食いたいって欲望を喚起することは不可能なものではないのであります。「味もかおりも、全く申し分のないもの」ってことを分からせようと「東京の一流の料理店で出すうどに、北海道の山の香気だけを添加したような趣き」という文章があるのだろうけれど、正直なところ少しも口中に風味が広がりはしないのです。(前略)十年前の山うどの香気を、今ごろになって思い出すというのも、ずいぶん妙な話で、われながら少し可笑おかしくなる。どうもその理由は、アメリカの食い物が一般にまずいからであるらしい。 しかもアメリカの食い物がまずいから山うどの香気を思い出すというのは全く理解ができないのだ。つまりこの短い文章はぼくには少しも響くところがなかったのだ。ぼくはうどが好きだけれど、アメリカ料理だって美味しいものは数多くあると思っているからこういう半可通な文章にはちょっと腹が立つのでした。うどと生ハムのソテー【材料】うど(乱切り)・生ハム(千切る)・にんにく・赤唐辛子・油(オリーブ)・塩・胡椒・バルサミコ・パセリ 適宜【作り方】1. フライパンに油を熱してにんにく、赤唐辛子を炒める。うど、生ハムを加える。塩、胡椒を加える。バルサミコを加える。皿に盛ってパセリを散らす。 うどって洋風の食材とも合うと思うんですね。といってもゴテゴテしてなくてこんな風にシンプルな食べ方がいいみたい。うどのチーズ炒め【材料】うど(乱切り) 1/2本/にんにく(薄切り) 1片/赤唐辛子(砕く) 1本/粉チーズ 大さじ1/酢・油(オリーブ)・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンに油を熱して赤唐辛子、にんにくを炒める。うどを加える。塩、胡椒を加える。火を止めて粉チーズを加える。 これもそう。酢味噌ばかりじゃもったいないですからね。うどのアンチョビ炒め【材料】うど(乱切り) 1本/にんにく(みじん切り) 1片/アンチョビ 2切/赤唐辛子(輪切り) 1/2本/塩・胡椒・油(オリーブ) 適宜【作り方】1. フライパンに油に油を熱してにんにくを炒める。アンチョビを加える。うど、赤唐辛子を加える。塩、胡椒を加える。 これもそう。キンピラばかりじゃもったいない。うどそば【材料】そば(茹でる) 1人前/うど(4cm幅/短冊切り) 1/3本/揚げ玉・めんつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、うど、揚げ玉をのせる。 これは失敗。和風に食べるならやっぱり酢味噌がいいかなあ。皮はキンピラにするのがやはり旨いか。天ぷらもいいなあ。やっぱり和食の食材なのかなあ。
2025/04/18
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怪しい居酒屋が好きです。でも見るからに危険そうな居酒屋は好きになれません。いや、かつてはそんな危険なムードがぷんぷんと香り立つような酒場に抑えきれないほどに魅了されていたのだけれど、今であそういった酒場にもそれなりに慣れてしまったものだから、あえて踏み入ることも随分少なくなりました。こうした酒場は入ってみると見掛けのヤバさに実情が追い付いていないことが多くて、さほど刺激がないということもあうのだ。また、近年の物価高などで酒場の閉業も相次いでいることもあって実際に目にする機会も格段に減っています。危ない目に遭うのを極力回避しようという自身の生き方にも多少は配慮できるようになってきたということもありそうです。たかだか酒場でしかないのに危険などというのは大袈裟かもしれませんが、それでもやはり酒場はそれなりに悪所であるという認識は間違いではないはずです。しかしまあすべてがすべて悪所とまでは言い切れないところもあって、特にガラス張りのような開放的な店構えの店舗で悪所ってことは考えにくいのであって、やはい密閉度の高い閉鎖的な店舗が悪所へと陥りやすいというのは自明であります。そんな密閉度の高い雑居ビルが松戸駅前にありました。もう知り尽くしていると思っていた松戸ですが、女性の接客付きお水系風俗店が蔓延る雑居ビルについては、未踏のものもまだ残っています。と実はこの日、訪れたビルには以前、別なお店でお邪魔しているのですが、別のフロアーには足を踏み入れていなかったのです。 と片手間で書いていたらたどたどしく繰り返しの多い文章になってしまいましたが、その辺はいつものこととご容赦頂きたい。さて、伺ったのは「居酒屋 花火」です。なかなか時間を取って各時間が取れず今回の文章を書くのに飽きてきたので、ここからは駆け足で。この夜はぼくの持ち出しで職場の人間の愚痴を聞くこととなったのだ。愚痴を聞かされて金を出すのは実に不条理だと思うのだが、それはまあいいこととする。せっかくだからネットで未訪の店を探していたらたまたま見つけたのだ。そしてなんと件の日は花火の日とのこと。生ビール、レモンサワー、ジムビームハイボール、ウーロンハイ、肴は牛すじコロッケ、ハムカツ、メンチカツが確か税込み110円、ホームページにはなかったけれどホタルイカに鰹の刺身が220円だったのだ。これは非常にお得ではないかと早速予約までしてしまったのだ。店のあるフロアーはスッキリサッパリのマッサージ店にガールズバーと空き店舗という何とも殺伐とした雰囲気なのです。店内は一見してキャバレーやキャバクラの改装後ってな感じで、改装を終えてなおケバケバしさと淫靡さが残留してる気がするのだ。なので、開店後しばらくして入店したら広い店内でお安いにも拘わらずほとんど客がいなかったのです。この雰囲気ではなあ。そう思ったのだが、30分もするとほぼ席が埋まってしまうのだった。なるほど多少の怪しげな雰囲気も安さに魅力の前では無力なんだなあと思ったのだった。といった訳で安くてまあ奢る人には都合が良い訳だけれど、もう一度行きたいかってなるともういいかなっていう感想が残るのだった。
2025/04/14
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どういう風の吹き回しか、どうしても入れない場所というのがあります。いつも行列ができているとか、いつだって固定客のみで席が埋まっているとか、色々と理由はあるのだろうけれど、その店は空席があっても店内に通してくれないことがあったから、ほとんど入れるとは期待せず、単に意地を張ることを目的としてそこを訪れていたのです。そうやって何度も何度も通っていて分かって来たのは、基本的にはやはりここは固定の常連さんがいるということのようで、もしかすると曜日によって必ず顔を出す常連さんがいるようなのです。思い起こしてみると確かにぼくが王子に足を向けるのは大概決まった曜日だったような気がする。その曜日がたまたま重なっていたんじゃなかろうか。だからぼくが店に到着した時点では空席があってもその後、常連がやってくるので席を確保しておきたいんじゃなかろうか。なんてことを考えてみたりしました。でもきっと違ってるんだろうなあ。全く根拠はないけれど,店の方にも気分というのがあって、ぼくみたいな客を受け入れるのが単に嫌だったんじゃないだろうか。店に客を選ぶ権利があるかないかという議論があるけれど、ぼくはその権利があると思っているのです。だから願わくば仮にぼくの顔を見て帰って欲しいと思うことがあるのなら、正直にそう告げて欲しいのだ。ぼくには二度と顔を出して欲しくないと言って欲しいのだ。無駄打ちを食い返すだけのことに時間を弄するのにはもう懲り懲りしているのだ。 なのにどうした訳か、この夜の「居酒屋 風」はぼくたちを出迎えてくれたのでした。ご主人はちょっととっつきの良くなさそうなタイプの人とお見受けしてけれど、店に入った時点で品定めするような挙動や表情を見せあしなかったように感じられました。偽装が上手いということも予想されますし、どんなに無関心を装っても完全に無関心でいることなどできっこないのである。然るにぼくは店主の好悪いずれの琴線にも触れることなく無事喚問を突破できたらしいのだ。無論、想像をさらに膨らませるとこの日の店主は日中に競馬で勝ったとかの理由で通常営業以上にはご機嫌であったのかもしれぬ訳であるけれど、何にせよ長年何度となく門前払い(この中には休業していたという状況も含んでいるのだ)されたぼくは、己の粘り勝ちと先方の思考など無視する体で勝手に勝利を宣言したのでした。なんてこれまで肘鉄を食らってばかりだったのに余りに唐突に門が開かれたことに興奮して必要以上にテンションが高まってしまったようです。さてさて、こちらの肴の品書きですが一風変わった他の酒場ではそうは見掛けることのできない品が並んでいて目移りさせられるのです。そんな肴をご主人はぶっきら棒な素振りで手際よくこなされるのです。結局、われわれが滞在する間に他のお客さんが訪れることもなく、常連たちを交えた際のご主人の様子を目にする高尾はなかったのですが、きっとわれわれに対するものとは全く別の表情を見せてくれたんだろうなあと思うのです。次はそんなタイミングで店に通してもらえるといいなあなんて思ってみたりもするのですが、念願が叶ってしまうとありがちなのですが、もういいかなっていう気持ちにさせられるのでした。
2025/04/13
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ぼくが子供の頃のサラダといえばトマト、きゅうり、そしてレタスが三種の神器でありました。うちの実家には生野菜神話が根深くあって、とにかく1日に1食は必ずサラダが出てきたのですが、そこに並ぶのは決まって三種の神器だったのです。ごく稀にそこにハムが添えられていたりするのですが、味付けは基本的にマヨネーズ。銘々が好きな量をプリプリっとかけて食べるのでした。栄養面でトマトはともかく、きゅうりやレタスはさほど優れた食材とは思えぬから呑むカロリーのマヨネーズを用いることで健康効果は相殺されてしまっていたんじゃなかろうか。当時は日本の地方都市の一般家庭の住民は今から考えると驚くべき程に変わり映えしない野菜のみを食べ続けていたのだ。しかし、それが当たり前だったから特段に飽きるといった感情が湧くこともなかったのです。人は過剰な知識を得ることによって飽きる感覚というのを若くして知ってしまうようになっているのではないだろうか。そういったことを考えると昔のある意味ではシンプルな食生活って見直してみてもいいのかなあ、なんてことを思ってみたりもするけれど、一度身に付けてしまった多様な味覚への探求心を断ち切ることなどぼくのような意志薄弱な人間になしえるものなのか甚だ疑問なのであります。たまに食べる三種の神器のサラダは確かに懐かしくはあって、普段通う立ち呑み屋ではハム付き豪華版のマヨ仕立てを提供してくれるのだけど、さすがに立て続けに食べようとまでは思えぬのでした。レタスとウインナーのからしめし【材料】ごはん(【辛子醤油】をまぶす) 130g/【辛子醤油(混ぜる)】練り辛子 9g/醤油 小さじ2/【あんかけスープ】レタス(千切る) 2枚/ソーセージ(斜め切り) 2本/創味シャンタン 小さじ1/砂糖 小さじ1/2/水 270ml/片栗粉・水 大さじ1/ごま油 適宜【作り方】1. フライパンで湯を沸かしてソーセージ、創味シャンタン、砂糖を加える。レタスを加える。水溶き片栗粉を加える。丼にごはんを盛ってかける。 以前、京都で知られる辛子そばを作ったことがあります。それがなんとまあひと言で言えば非常に不味かったのだ。それは作り方が根本的に間違っていたことを知ったのは、日本の郷土料理や世界の料理レシピを数多く作っては、マメにネットにアップしてくれているasさんのレシピを見たからです。ならばそれを見て辛子そばを作ったというかというとそれは今後の課題のままで、より手軽なこのレシピに傾いてしまったのです。なるほど、辛子は麺と和えちゃうものだったのね。レタスそば【材料】そば(茹でる)・レタス(千切る/茹でる)・揚げ玉・青ねぎ(小口切り)・めんつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそばを盛ってめんつゆを注ぎ、レタス、揚げ玉、青ねぎをのせる。 そばに青物は付き物だからレタスだっていけるはず。だったのだけど、何かが違ってるなあ。少しも不味いってことはないのだけど、あえてこういう食べ方をしなくてもいいよなあ、て結論に至りました。イタリアン サラダ【材料】油 大さじ2.5/酢 大さじ1/塩 小さじ1/2/砂糖 1g/胡椒 適宜/練り辛子 小さじ1/2/にんにく(切り口をボウルに塗る) 1片/サラミ(薄切り) 10枚/レタス(千切る) 6枚/玉ねぎ(薄切り) 1/4個【作り方】1. ボウルに油、酢、塩、砂糖、胡椒、練り辛子を入れて混ぜる。サラミ、レタス、玉ねぎを和える。【備考】レシピサイト ぷちぐるhttps://oisiso.com/ 地味ですねえ。このサイトで紹介されているレシピはどれも大概はシンプルで時々そこに魅力を感じてしまうのです。これもまさに想像通りの仕上がりなんですけど、不思議とイケるのでした。オイスターソースでやみつきレタス【材料】レタス(割く/茹でる) 1/2玉/オイスターソース 大さじ1/油(ごま) 小さじ1/レモン(汁) 1/8個分【作り方】1. 器にレタスを盛って油、オイスターソース、レモンをかける。2025/3/20 青菜にオイスターソースをたらりと垂らして食べるのは中国では一般的な食べ方のようです。以前、青梗菜で試したら確かに実に旨かった。レタスもなかなかよいですねえ。ただし重要なのはオイスターソースは安物を買ってはいけません。ちょっと値が張るなあってものじゃないと酷く残念な結果になることは申し添えておきます。
2025/04/12
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まんがは面白いのに料理まんがは面白くない。と全てを断じるつもりはないけれど、大方の料理まんがはちょっとした人情話に通常われわれが口にするようなレシピを絡めたもの、もしくは料理人対決が主たるテーマとなっているのだが、これが詰まらない。分かり易く言えばまんがに描かれる料理の大部分が少しもまんが的ではないのがつまらないのだ。近頃は第二次大戦下の軍隊だったり庶民の食生活を描いたり、ファンタジーなどわれわれの住む世界とは異なる世界を舞台にしたりと読むべきものも増えてはきてはいます。でもそこに描かれるほとんどの料理がまんが的であることは極めて稀なのだ。キャラクターとして画家を描くまんがも少なくないけれど、お話やまんがとしての作画は素晴らしかったとしても肝心の画家が描く絵が少しも名画に見えないことがあります。これってあまりにもシラケてしまうのです。それと似ていると思うのですが、いかに奇想天外な世界を舞台にしたまんがであったとしてもそこに描かれる料理が少しも奇想天外でないのはあまりにも虚しいのだ。そこには料理というか食べ物を描く場合の限界のあることが見て取れる。特にグルメまんがの場合は、描かれる料理を目にした読者が美味しそうって感じるかどうかが、料理まんがとして成功するかどうかに直結するからです。近頃はゲテモノ系食材なんかを題材としたまんがも存在するけれど、ゲテモノ食いはグルメのひとつのカテゴリーなのだから事情は変わらないのです。人魂のステーキなるまんが的としかいえぬ料理を描いてしかもそれが旨そうに思えたりもする、そんなまんが的な料理まんがが現れることを願ってやまないのです。あさりミートソーススパゲティ【材料】スパゲッティ(茹でる)・合びき肉・アサリ・玉ねぎ(みじん切り)・ニンジン(みじん切り)・セロリ(みじん切り)・トマト水煮・にんにく・牛乳・オリーブ油・固形コンソメ・ローリエ・トマトケチャップ・醤油・胡椒・ドライオレガノ・ドライバジル・粉チーズ 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して玉ねぎ、ニンジンを炒める。セロリ、にんにくを加える。合びき肉を加える。トマト水煮を加える。水、固形コンソメ、ローリエを加える。トマトケチャップ、醤油、胡椒、オレガノ、バジルを加える。アサリを加える。牛乳を加える。粉チーズを加える。スパゲッティを加える。 よしながふみ著『きのう何食べた?』から。よしながふみ氏は、いつだってとにかく面白いまんがを授けてくれる貴重なまんが家さんではあります。だから前段の自らの言葉を裏切ってしまいますが、氏の料理は、物語と密接に結びついているのだ。こういう料理の出し方は物語的(まんが的)に理に適っているのだ。エッグキーマカレー【材料】ごはん・卵(茹でる/カレー粉、ワイン(赤)、醤油、塩、胡椒をまぶして一晩漬ける)・肉(合びき肉)・トマト(湯剥き/ざく切り)・玉ねぎ(みじん切り)・にんにく・生姜・トマト水煮・カレー粉・醤油・塩・胡椒・ワイン(赤)・コンソメスープ・オレガノ(D) 適宜【作り方】1. フライパンで合びき肉を炒めて鍋に移す。にんにく、生姜を炒める。コンソメスープを加えて鍋に移す。トマト、トマト水煮を濾して加える。茹で卵、漬け汁を加える。カレー粉、オレガノ(D)を加える。塩を加える。皿にごはんを盛ってかける。オレガノ(D)を散らす。 うえやまとち著『クッキングパパ』の料理もよしなが氏と同様に物語と切り離せない関係にあるのだけれど、こちらは料理(レシピ)にまんがが従属的な立ち位置にあるように思えるのだ。まんがの物語の要請に基づく料理とはなっていないと思えるのだ。メカタリアン【材料】スパゲッティ(茹でる)・油(オリーブ)・ベーコン(拍子木切り)・ピーマン(細切り)・マッシュルーム(薄切り)・玉ねぎ(薄切り)・にんにく・トマトケチャップ・ソース(ウスター)・パルミジャーノ 適宜【作り方】1. フライパンに油(オリーブ)を熱してにんにく、玉ねぎ、マッシュルーム、ベーコンを炒める。トマトケチャップ、ソース(ウスター)を加えて煮詰める。ピーマン、油(オリーブ)、スパゲティを加える。皿に盛ってパルミジャーノを散らす。 渡辺保裕著『ドカせん』もうえやま氏に近い。料理名が派手派手しい割には料理も極めてオーソドックスに思えます。ドカ出汁スープチャーハン【材料】ごはん・チャーシュー(みじん切り)・ナルト(みじん切り)・ねぎ(みじん切り) ・卵・ラード・塩・胡椒・旨味調味料・醤油 適宜/【昆布だし(煮出す/塩を加える)】利尻昆布・水・塩 適宜【作り方】1. 中華鍋にラードを熱してチャーシュー、ナルト、ねぎを炒める。溶き卵を加える。ごはんを加える。塩、胡椒、旨味調味料、醤油を加える。【昆布だし】を注ぐ。 こちらも同様。悪くはないけれど、このレシピに独自性を見出すのは困難です。まんが家というのは大変な仕事だと思うけれど、もう少し工夫があってもいいかなあなんてことを思ってしまうのです。
2025/04/11
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桜の開花までもうわずかってタイミングで市ヶ谷にやって来ました。用事が思ったより早く片付いたので急いでネットを確認して「居酒屋 久」が午後2時からオープンしているのを見つけました。この界隈でこの時間から営業して果たして客は入るんだろうかという懸念を抱きつつ訪れてみると地下の店の表通りに看板が出ていて確かに午後2時開店との記載もあります。オープンの札も下がっていたような。なのに階段を降りて行くと店内は暗く、どう見ても仕込み中の様子が窺えたのです。今となっては店に入ったら呑ませてもらえたのかもしれないと思わなくもないけれど、もし営業していないようなら誤ったネット情報や貼り紙は至急の訂正を切にお願いしたいところであります。それはともかくアテが外れてさてどうしようと歩いていると駅前に呑めそうな店がありました。「カレーの王様 市ケ谷店」であります。そうそう確かここって夕方からは吞めるんだったよなといそいそ店内に入っていくと店の人がここでオーダーしてくださいとのこと。あらら呑みの方だよというとああといった言葉を発してお好きな席をどうぞとのこと。まだ桜の季節には早かったようですが、うららかな好転の中を下校中の女子高生を眺めつつ呑むのもよろしかろうということです。花より女子であります。さて、注文しよう。嫌な予感があったのだ。このそこそこキャパのある店内に従業員が2名だから、まあそうだよなあと思うのだけれど、モバイルオーダーのシステムが採用されていたのです。ありがいな話ですが、同行者と担当者の押し付け合いとなりました。押し切ったぼくは面倒はなあいけれど、こうしたひと悶着を客に強いるというのはいかがなものだろう。店員とすら喋りたくない人にはいいのかもしれないけれど、精算時にはコミュニケートの必要が生じるのだ。ちなみに中国人女性が開発したというキャッシュレス決裁が連動したオーダーシステムは悪くないと思うのだ。例えば品書きを見てみたらベラボウな料金が掛かったとすると最小限のミニマムな注文をしてそっと席を立ったなら、店の人はセコいやっちゃと思うかもしれぬけれど、実際にレジで精算するよりはずっと気が楽なのだ。さて、ほとんど300円というメニューから適当に肴を見繕うことにする。それなりに品数がありそうに思えるけれど、大概は温めるか揚げるだけ、もしくは器に盛るだけといった簡単なものばかりだけれど、まあこの時間に呑めるだけでも良しとすべきであります。酒は値段だけを考慮してホッピーにする。ホッピーはさほど好きって訳でもないけれど、基本的には多くの酒場で最もお手頃に呑める酒系ドリンクであります。ナカが100円というのはなんか嬉しいじゃない。でもこのナカがちょっぴりでいっそのこと200円で倍量にしてくれても良いんじゃないかと思うのだ。だってちょっぴりのナカを何度もお代わりすることになるから、その度に独りになった店の方が行ったり来たりすることになるのだからこちらも気まずいわけであります。双方にとって200円で倍量が合理的かつ気分がいいはずなのだ。その度にモバイルオーダーするのもかったるいのだ。もしかするとやっている店があるかもしれないけれどモバイルオーダーを使う客は、5%引きのサービスがあるとかにしてはどうだろうか。そしたら喧しいぼくは口をつぐむはずなんだけどなあ。
2025/04/07
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今時、いくらオッサンだってスマホ程度は自在に使いこなせないとさすがにカッコ悪い。数年前までは世俗に流されてスマホを使う面々を嘲ってみせる輩がそれなりに生息していたもので、ぼくもその徒輩として流されない人を通してみせようと粘ってはいたけれど、世間の半数以上がスマホを利用していると報じられたころにはあっさりと矜持を投げ捨てていたのだ。そこからすでにかなりの歳月が経過したけれど、未だにスマホなしを通している人がわずかながらも存在するのであってちょっぴり尊敬の念を抱いたりもするのでした。さて、そんなスマホなしの人々が生息している一方で、世の飲食店(それは居酒屋も同様である)では、モバイルオーダーがじわじわと浸透してきているようです。こういう場合、スマホ不携帯者はどういう扱いを受けるのだろう。と今想像を働かしてみたけれど、どういう対応をされようといずれ気分のいいものではなさそうです。かくいうぼくもモバイルオーダーは大嫌いなのだ。備え付けのタブレットであればまだしも、自分のスマホを使うのは嫌だなあ。何もパケット料金や電気料金をケチっているわけではないのだ(全くないとは言わないけれど)。店によってはWi-Fi環境や電源が提供されていることもあるしね。とにかくQRコードをいちいち読み取って、注文を決めるのが面倒なのだ。ドリンクに通常サイズとメガサイズがある場合のメガへの変更などどうやって選択したらいいものか判断に迷う場合も少なくないのだ。また、サイトの造りが酷いと注文のたびにQRコードの読み込みから再開しなくてはならないなど実に腹立たしいのだ。 とまあ人件費やらで仕方ないとは分かってるんだけどね。町屋にやって来ました。「チキン南蛮大衆酒場 あんじゅ 町屋店」にお邪魔しました。何となく店探しするのがかったるくて、珍しくA氏とO氏の3名だったから早く合流してゆっくり呑むのが良かろうと思い、駅近かつせんべろの方がお勧めしていたここに決めたのでした。先にA氏と店に入ってO氏を待つことにします。店がイマイチのようならO氏が到着すると連絡が入った時点で店を移ろうという算段であります。入り口付近の席は埋まっていたので繁盛してるかと思ったのですが、奥の広いスペースはかなり空席が目立ちました。席に着くや韓国の方らしき女性が注文はこちらでとモバイルオーダーを進めてきます。側を通ったら口頭でもいいというのでまずは酒を口頭で注文しました。首尾よくメガジョッキが注文できました。こちらはオーダーこそモバイルですが、幸いにも簡易的なものではありますが、紙のメニューもあるのです。でその紙の方を眺めていたらモバイルの方が今日のお勧めなんかも見れて便利ですよと、やはりモバイル押しのようです。でもまあ待合せのつもりだからそれほどには料理に拘るつもりはないのです。って想定より早くO氏の到着の報が入りました。ならまあここでもう少しだけ呑むことにするかと酒を追加しようとすると、今度の店員はモバイルで注文してくれとのこと。ここに至っていちいち指摘されるのも面倒になってきたので観念してモバイルオーダーを受け入れてしまったのでした。結局のところ、ここでの呑みは何を呑んだか食べたかよりも、注文方法を巡る店の方との静かな応酬に終始してしまった感じがあります。こういう徒労感も解決すべき課題であると思うのですがいかがでしょうか。
2025/04/06
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うえやまとち著『クッキングパパ』のレシピを4品。『クッキングパパ』は既刊172巻の大長寿マンガで、これだけ続いているってことはやはり相応の需要があるものと思われます。で、ファンの方は目をつぶって頂きたいのですが、ぼくは正直な話、少しもこのマンガのいい読者ではないのです。どう「いい読者」ではないかを詳述するのは差し控えますが、基本的にはレシピ箇所以外はほとんど流し読みする程度の読者なのです。でそのレシピも、大概の場合、どこかで見たことがあるのだ。それにどうみても材料にもう1品足すもしくは引いた方が美味しいだろうってのが案外あったりして、ぼくならこうするだろうってアレンジを加えたくなるのだけれど、そうしたらマンガのレシピを再現するっていう楽しみが大いに削がれることになるはずです(プラスする場合は、とりあえずはオリジナル通りに作って後から加えるっていうこともできるけれどマイナスの場合だとそれもできない)。また、うえやま氏って自ら実際に作った料理をレシピ化してるって話ですが、大概の場合、分量の記載がなかったりする(ある場合はやけにきっちりと指定されている)。目分量の人ってことで、それはぼくも似たようなものだからさほどは気にならないのでした。でもぼくも分量については、「適宜」なんていい加減な言葉で誤魔化すことが多いけれど、そういうのってレシピとしては不完全なものなんだろうなあ。まあ、ぼくは料理研究家でも何でもないのだか、最低限、しょっぱ過ぎなければ良しとしています。酸っぱいのとか辛いのは平気ですが、しょっぱいのって後から取り返すのは結構難しいと思うからです。なので塩加減は極力控え目にして薄い場合は食卓調理ってことでやり過ごすのでした。辛子高菜明太子スパゲティ【材料】スパゲッティ(茹でる)・辛子明太子(ほぐす)・高菜漬・ハム(ロース/細切り)・赤玉ねぎ(横8mm幅)・にんにく・油(オリーブ)・バター・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンに油(オリーブ)を熱してにんにくを炒める。玉ねぎを加える。ハムを加える。辛子明太子、高菜漬、バターを加える。スパゲッティ、茹で汁を加える。塩、胡椒する。 果たしてこのレシピにハムは必要なんだろうか。なくても十分に美味しいと思うのだ。タケノコのゴロゴロカレー【材料】ごはん・タケノコ(一口大)・鶏肉(ひき肉)・玉ねぎ(みじん切り)・トマト(一口大)・りんご(おろす)・にんにく・生姜・トマト水煮・油(オリーブ)・ローリエ・クミン(H)・ガラムマサラ・胡椒・塩・カレールー・ビーフシチュールー・鶏がらスープ・水・【アレンジ】ワイン(赤)・ブランデー・トマトケチャップ・ソース(ウスター) 適宜【作り方】1. フライパンに油(オリーブ)を熱してにんにく、生姜を炒める。鶏ひき肉を加える。クミン(H)、ガラムマサラを加える。塩、胡椒する。鶏がらスープを沸かした鍋に加える。2. フライパンに油(オリーブ)を熱してにんにく、生姜を炒める。玉ねぎを加える。トマト、ローリエを加える。トマト水煮を加えて煮る。1.に加える。3. フライパンに油(オリーブ)を熱してタケノコを炒める。塩、胡椒する。1.に加える。4. 1.にカレールー、ビーフシチュールー、りんごを加える。皿にごはんを盛ってかける。 タケノコのカレーのレシピって探すと色々ありますけど、今のところこれっていうのに巡り合えていません。トマトの酸味が強いのが多い気がするんですよね。いっそのこと普通のルーのカレーに加えるもしくは粗みじん切りにしてドライカレーにする位がぼくの口には合いそうです。荒岩流 もやしの味噌汁【材料】もやし・昆布・味噌・塩・胡椒・油(ごま) or バター 適宜【作り方】1. フライパンに油(ごま) or バターを熱してもやしを炒める。塩、胡椒する。2. 鍋に水、昆布を入れてだしを取る。味噌を加える。1.を加える。2025/3/9 これ以前はごま油で作りました。今回はバターで。単純な癖にこれが案外旨いんですよね。コブスパ【材料】スパゲッティ(茹でる)・ベーコン(1cm幅/カリカリに炒める)・バター・昆布茶・卵黄・生クリーム・塩・胡椒 適宜【作り方】1. ボウルを湯煎にかけてバター、昆布茶、卵黄、生クリーム、塩、胡椒を混ぜる。スパゲッティを加える。皿に盛ってベーコンを散らす。 昆布茶入りのペペロンチーノ風ですね。生クリームを入れるのは邪道みたいですけど、ぼくには悪くないように思えます。昆布茶の風味もいいですね。感嘆だしこれはまた食べたいかな。でも生クリームってそんなに普通に冷蔵庫にあるものなのかなあ。
2025/04/05
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以前、「林芙美子のトマトのすき焼き」について、書いたと記憶します。それからしばらくしてからのことだったのですが、それに関する文章を円城塔氏が執筆していることを知人から教わりました。幸いにも青空文庫に所収されているという。『鉄道模型の夜』というタイトルだそうな。早速読んでみました。早世した伊藤計劃氏と親交があったといった知識はあったものの氏の作品に接するのは実は初めてのことでした。これがとても好みの作品でした。またまた積読本リストに数十冊が加わることになります。その一節が以下になります。 世に、トマトスキヤキというものがあり、彼はこのレシピを尾道から持ち帰ることになるのだが、別段それをこの町で食べたというわけではなかった。町では店ごとに特徴の異なる尾道ラーメンを繰り返し食べ、オコゼの唐揚げを試してみたくらいにとどまる。海沿いに並ぶ乾物屋で土産などを物色しながら、海鮮が大々的に売り出されていないことに首を傾げ、自転車の客が見込めるだろうに、それらしい軽食処があまり見当たらないことを不思議に思った。 トマトスキヤキに出会ったのは、林芙美子を検索してみた Wikipedia 上でのことであり、そこには、「昭和23年(1948年)の『主婦と生活』6月号」に「林芙美子のトマトのすき焼き」なるものの作り方が書かれていたのだと記されていた。それによると、薄く輪切りにしたトマトを、バターかラードで炒め、火が通ったならば肉を載せ、醤油と甘味料を加えるということである。トマトの旨味と割り下ということだから、試してみるかという気になったが、そのままというのも芸がないから、もう少しレシピを検討してみて、以下のようなものへと至った。 輪切りにした玉葱を炒めておいて、ついで、好きな形に切ったトマトを投入する。割り下を注ぎ好きなだけ煮て、バジルの葉をどさどさ入れる。溺れかけの玉葱やトマトの上に牛肉を広げ、溶き卵につけて食べる。 なるほどうまいものだと考えながら、これはハワイで食べるのだというチキンヘッカの牛肉版ではないかと気づき、しかしチキンヘッカにはそれほど何も思うところがなかったという記憶がそこで蘇り、これは牛肉の力というものなのかどうなのか。いや、チキンヘッカは生姜で味つけするのであったかと記憶を探ることになった。 と書き写すうちにこの文章はすでに読んでいるようだと思えてきました。特に出典のオリジナルレシピをアレンジした辺りなどはいかにも知っているという気持ちにさせられます。しかし尾道の話からトマトすき焼きへの脱線するくだりなど一度読んだらそうは忘れられそうにないと思うのだけどなあ。その位、気になるレシピだし、常に頭のどこかで食べてみたいと思っていながら、この円城氏の文章に関しては記憶が曖昧なのはどうしたことか。しかし、アレンジ部分を読むと記憶が不鮮明に立ち上がってくるということは、もしかするとこのアレンジするのがぼくには気に入らないことだったのかもしれません。とはいえぼくがこのレシピを試したかといえば実は未だに食べていないのでありました。トマトごはん【材料】ごはん 1膳分/トマト(1cm角/生姜、塩を混ぜる) 1個/生姜(みじん切り) 1片/塩・のり(千切る) 適宜【作り方】1. 茶碗にごはんを盛ってのりを散らし。トマトをのせる。 昨今の野菜価格の高騰にはホント嫌気が差しているけれど、トマトもなかなか価格が落ち着きません。ひと頃のとても庶民には手の出ない価格に比べると大分マシにはなってきましたが、まだ日常の食卓に出すのは気が引けます。それでも突如、値札を見間違えたかのような安価で扱っているタイミングがあったものだから、大量に購入しても大事にし過ぎて傷む寸前になることがあった。そういう時に限って面倒な料理がしたくないってことがある。そんな時に作ってみたのがこれでした。結論としては、あえてこれで食べる必要はないかなって結論になりました。トマトご飯(竹村竜二)【材料】ごはん 2杯分/トマト(1cm角) 1個/生姜(みじん切り) 5g/塩・醤油 適宜【作り方】1. ボウルにトマト、生姜、塩、醤油を入れて混ぜる。丼にごはんを盛ってのせる。 その翌月、すっかり似たものを食べていたことを忘れていて似たようなのを作ってしまったのです。これまたどうということもなし。というかどっちがどっちだったかなど覚えてはいないのです。ふわふわ卵とトマトのチャーハン【材料】ごはん・長ねぎ(みじん切り)・塩・胡椒・トマト(乱切り)・【卵液(混ぜる)】卵・塩・豆乳・帆立(P) 適宜【作り方】1. フライパンを熱してトマトを炒める。【卵液】を加えて取り出す。2. フライパンを熱してごはんを炒める。長ねぎ、塩、胡椒を加える。1.を加える。 西ゆうじ原作・ひきの真二作画『華中華』から。まあ悪くはないけれど、あえて高価なトマトを使う程ではないかなあ。トマト抜きでも十分美味しいと思えるのだ。トマトのみそ汁【材料】トマト(種を取る/乱切り) 1/2個/玉ねぎ(くし型切り) 1/2個/豆板醤 適宜/卵 1個/味噌・水・茗荷(斜め薄切り) 適宜【作り方】1. ボウルに豆板醤を塗って卵と混ぜる。2. 鍋に水を沸かして玉ねぎを加熱する。味噌を加える。トマトを加える。1.を注ぐ。お椀に盛って茗荷を散らす。 大井昌和著『ちぃちゃんのおしながき・繁盛記』から。最後は味噌汁です。トマトの味噌汁は先入観の強い人は毛嫌いしそうですが、ぼくはこれは旨いだろうなあと思っていました。ところがこれが想像していた以上に旨かったのです。茗荷が馬鹿みたいに高いから抜いたけれど確かに茗荷も合いそうです。豆板醤がいい働き。この後、しばらく豆板醤入りの味噌汁にちょっとだけハマりました。
2025/04/04
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