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「暮れなずむ町の光と影のなか去りゆくあなたへ贈る言葉」(評価 ★★★★☆ 四つ星) いろいろと映画賞で話題になってる問題作で、映画館もかなり混み混み。 日本でもまもなく公開。公式サイト 題名になってるビルボードというのは、道路わきに立ってる巨大な広告用看板のこと。娘を殺した犯人をなかなか見つけられない警察への不信感をつのらせてる母親が、三枚の看板を買い占め、無能な警察への挑戦状を掲げる。<感想> 役者たちの演技が鳥肌立つぐらいにすばらしすぎ。主役から脇役、ちょい役まで全ての役者が上手い。その点では今年観た映画のなかでは最優秀。主演フランシス・マクドーマンド氏といい助演サム・ロックウェル氏といい、お見事。パチパチぃ。 内容自体は恐ろしすぎて現実味がない。でもやっぱりアメリカだと実際にありそうで怖い。登場人物が「困ったちゃん」ばかりで、誰かの味方になって感情移入して観ように絶対無理。ここまで悪人しか出てこない映画ってのも珍しい。そりゃ娘を殺されたら犯人捜して復讐したくなるのかもしれないけど、このおばさんキレまくり。 それにしても、監督さんの技量なのだろうけれど、ここまで十何人もの上手な役者さん揃えて、彼らに上手に演技させられるのって、さすがアメリカ映画界は層が厚い(ん? この監督はイギリス人かも)。日本の映画界ではできないと思う。やたらとイケメン男優だのベッピン女優だのにこだわったり、事務所や後援企業からの圧力があったりで、結果的にどうしても演技が下手な人が紛れ込んでしまってるよーな。
Dec 31, 2017
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「夏のリビエラ、男ってやつは港を出ていく舟のようだね」(評価 ★★★☆☆ 三つ星) マイケルウィンターボトム監督作品。「スティーブとロブのグルメトリップ」として日本にも紹介されてる連作もの。イギリス人二人組による美食取材。 前作「イタリアは呼んでいる」につづき、今回はスペイン。二人はそれぞれに私生活での問題を抱えながらも取材に旅立ち、各地で舌鼓を打つ。<感想> 前作イタリア編と同様、一部の人には楽しめるけれども、そうでない人には何が面白いんだかさっぱりわかんない系。おやじギャグやモノマネが炸裂。彼らの漫才師系キャラに好感を持てて、この作品独特のリズムについていけるならなんとか楽しめるはず。 日本で公開されるかはあやしい。←されるとしたら、前作に合わせて邦題は「スペインは呼んでいる」になるかと ぼく個人としては、前作よりはなぜか楽しめた。てか、訪問先が絶妙。バルセロナとかマドリッドとかの有名都市ぢゃなく、風光明媚な地方の市町村が舞台。サンタンデールで入国し、南下していき、最後はマラガという旅程。かつてぼくも旅したことのある場所もいくつか出てきて勝手に親近感。アンダルシアの港の場面とかも美しく撮影されてた。 出てくる料理は海鮮ものが中心で、日本人的には違和感ない。肩肘張らずフツーに食べてみたいと思った。 もし続編が作られるとしても内容は簡単に予想できるけれど、ぼくはやっぱり観てしまうと思う。やたらとしゃべりまくるやかましいおじさんたちに辟易はするけれど、映像が美しいから各地を旅してる気になれるのはお得。
Dec 30, 2017
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「なーつが過ーぎー風あざみぃー」(評価 ★★★☆☆ 三つ星) こちらアメリカでは映画賞の季節が到来。てか、ゴールデングローブ賞の発表がすぐ年明けに迫っており。 本命と(一部で)噂されてるらしいのがこのCall Me By Your Name。1983年の北イタリアの田舎が舞台。主人公17歳男子が、同世代のフランス人美女とイチャイチャしつつも、父(大学教授)の助手としてアメリカからやってきた大学院生に惹かれていく。<感想> 日本では来春4月の公開が決まったらしい。うまぁく宣伝すれば、ほかならぬ日本でこそ思いっきり売れるはず。何かとお疲れな日々を過ごす平成末期のニッポン人、特にご婦人たちはこうゆう映画をお好みになると思われ。一方、アメリカ人にとってはあまりに繊細過ぎてわかりづらい作品なので、どこまで映画賞を獲るかはビミョー。 耽美系。ゆっくりと物語が進行していく。口論とか暴力とか拳銃とかの場面も皆無だし、当然ながらインターネットとかスマホとかも登場しない。人々は紙で本を読み、湖で泳ぎ、庭でとれた桃を喰らい、葡萄酒を呑み、踊り、語らう。 ちなみに脚本はジェームズ・アイボリーさん。そのため2時間超える長い映画になっちゃってる。 よくできた映画と一瞬思ったけど、ふと冷静に考えてみると内容は深くない。てか、こうゆう「少年時代」系、「ひと夏の想ひ出」系の映画なんていくらでもあるよーな。一番気になったのは、少年少女らを翻弄/悩殺するアメリカ人青年役のキャラ設定が弱い点。彼の心情が丁寧には描かれてないもんだから、いったい何考えてる奴なのかわからずじまいだった。ただのツンデレ男子? そもそも、いい歳こいた成人が未成年者相手にあんなことやこんなことをして戯れるのって、道徳的/法律的にどーよ。しかもこの子たちもまた、お若いのに喫煙したり飲酒したりしまくってて、よゐこのみんなには奨められない映画。 彼らがユダヤ人であるというのも、おそらくかなり重要な伏線になってるはずだけど、なんだかよくわからず。 ま、この映画の素晴らしいところは、ずばり撮影力/演出力、そして主演の思春期男子役ティモテ(ティモシー)・シャラメさんの演技力。彼は非常に難しい役どころを見事に表現なさっていた。オトナなものごとに興味のあるお年頃、自分探しに忙しい。そのくせ、まだまだパパやママには甘えたいわけで。
Dec 26, 2017
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某巨大教会にて演奏いたしました。この教会は信者が多すぎるだか会場が狭すぎるだかで、クリスマスの礼拝を七回にも分けて催すそう。しかも、教会に来られない信者のためにインターネットで生中継とかもしちゃって。 我々弦楽隊はそのうち二回の礼拝で演奏しました。バイオリン七人、ビオラ三人、チェロ二人、コントラバス一人、そして教会専属の鍵盤奏者さん。指揮はトムさんでした。ぼくはビオラの最後尾にて。 ヘンデルのメサイア、「もろびとこぞりて」ほか讃美歌/キャロルもろもろを聖歌隊と共演しましたけど、オケだけでも数曲弾きました。ボーンウィリアムスの「グリーンスリーブス幻想曲」など。 お約束「きよしこの夜」は、会場を暗くして蝋燭のみで。ちなみに今までにいろんな編曲で「きよしこの夜」弾いてきましたけど、今回のが一番かっこよいと思いました。ピアノと弦楽四重奏を中心に、弦楽合奏の伴奏つき。 「Still, Still, Still」というオーストリアの唄も美しかった。弦が12部ぐらいに分かれて弾くという編曲。 ぼく自身は信者ぢゃないし、クリスマスという宗教行事を全身全霊でお祝いなさってる周囲のアメリカ人さんたちにはイマイチに溶け込めないこの時期、しかも、ぶっちゃけ、クリスマス音楽ももう聴き飽きてしまってプチうんざり状態。だけど、こうゆう素晴らしい編曲と出会えることは、個人的にはクリスマスの醍醐味と言えます。そして一年かけて曲選びする教会音楽家さんたちもお疲れさまなわけで。 夜も更け、礼拝が終わり、皆さんにご挨拶して教会の外に出ると、静かに雪が降ってました。
Dec 24, 2017
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「Never mind, I'll find サムワン・ライク・ユー」(評価 ★☆☆☆☆ 一つ星) ただいま絶賛断捨離ちゅうにつきDVD棚を整理してたら発掘。てか、この映画観た記憶が全くなかった。監督はフランソワ・トリュフォー、主演はジャンピエール・レオだし有名な作品に違いなく、よって名作だろうと勝手に推測して鑑賞に臨む。 フランス男子とイギリス人姉妹との三角関係を描いてるっぽい。<感想> 感傷的な青春ものとして(過大)評価されてるのもわからなくもないけれども、自分にとってはチョー苦手、ダメダメだった。撮影の手法とかも凝りすぎててかえって嫌悪感を覚えてしまったというか。 異国の美人姉妹の片方にまず惚れ、やがてもうひとりのほうにも惹かれてしまう社会経験のまだ浅い主人公、これだけで映画を一本成り立たせるには無理があったか。あるいは配役的なものかもしれない。激しくイマイチ。<題名について> 原題は「二人のイギリス女と大陸」の意。あまりに意味不明の題なので、日本公開にあたり原題をマル無視して「恋のエチュード」というふわふわした題にしたのも今となっては納得できる。ここまで上手く捏造したからこそ、この映画が昭和中期の日本市場では特に評価されたのかもしれない。
Dec 23, 2017
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「ハニハ節だよ人生は」手前左から、Vlns 1、2、3、4、Vlc1、Vlc2、Vla2(ぼく)、Vla1 恒例の年忘れ八重奏大会?に参加いたしました。てか、近年は胡桃割りとメンぱち弾いてこそやっと年末を迎えられる、というのが慣例になっており。 今年は第2ビオラを弾きました。どのパート弾いてもそれなりに楽しめる曲だけど、特に1楽章と4楽章はどこを切り取っても名曲ちゅうの名曲。 でもぼくはこの曲のどの部分が一番気に入ってるかと問われたなら、2楽章アンダンテ最後の第2ビオラを挙げさせていただきたく。ただでさえ美しい楽章だし、そのまま無難に美しく終わらせることができたはずなのに、メンデルスゾーンってばここで第2ビオラにいきなり執拗な三連符を弾かせるのでありました。ピアニッシモなのにエスプレッシーボ(←こぶしをきかせる)、しかも基本的にドと♭レのみを使って半音で怪しく動く。そして、何ごともなかったかのように、つづく3楽章は一転して高速スケルツォ。微細な萌えどころ。
Dec 19, 2017
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胡桃割りの公演が終了しました。第二バイオリン最後尾(第三プルト)のウラにて、相棒はオードリーさんでした。 ほんとは全部で七公演のはずだったのだけれど、雪のために一回つぶれたので計六回の上演。 楽しく弾けました。例によってオケピのぼくの席から舞台は全く見られず、どんな世界が繰り広げられてるのかはあれこれ妄想するしかありませんでしたけど。 毎年ながら、最後の最後の曲(←アポテオーズなんとかかんとかいう曲)のトレモロ弾くとこになると、感極まってしまいます。一年を振り返って、いろいろ考えてしまうわけで。 そして、やはり毎年思うのですけど、舞踏家の方々って、身体面や精神面での自己管理がハンパない。衣装や化粧も完璧ぢゃなきゃいけないし、本番前の舞台袖での入念な暖め上げとかをチラ見してると、さすがに鬼気迫るものが感じられます。
Dec 17, 2017
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「ときをかける少女(たち)」(評価 ★★☆☆☆ 二つ星) 公式サイトが見つからなかったので、ウィキのページを。<感想> カンヌ映画祭で「何とかかんとか賞」を獲った作品とのことで、期待して観たのだけれどイマイチ。 てゆーか、頭のいい人が頭のいい人のために作りました系。芸術作品と言っていいとは思うものの、ぼくはついていけず、プチ熟睡。 まず、複数の物語が同時進行していく手法についていけず、題名にもなってる「クラゲ」に関する言及も理解できず、しまいには誰が誰なのかごっちゃになってきて、突然登場しては突然消え、また現れる謎の少女の存在意義すら把握できなかった。降参。 今まで観てきたイスラエル映画はどれもが素晴らしかっただけに、この映画を楽しめなかったのは悔しい。要するに、ぼくはこの映画を楽しめるほど頭がよくはありません、ということらしく。
Dec 14, 2017
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昨日今日とオケの本番でした。第2バイオリン第2プルトおもて。隣席はダン氏。 最初にアダムス「ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン」という短い曲を。高速で躍動的で、聴くぶんにはチョーかっこよいのですけど、特に管打の方々はタイヘンそうな曲。 つづいてベートーベンのピアノ協奏曲4番。独奏はジュリアード音楽院の名物教授J氏。ご高齢とは聞いてましたが、なんと80代半ばだそう。この曲に関するあらゆる音符や強弱記号が頭に入ってる感じ。しかも、カデンツァは二回の公演でそれぞれ違うものをお弾きになりました。←これって、ギョーカイ的に流行ってるみたい ぼくはこのJさんのピアノの稽古のマスタークラスを聴講したことがあるのだけれど、柔らかい物腰で優しく教えているようでいて、実はかなり細かく厳しい。すごいものを見せていただいたという感じ。 後半はなんとラフマニノフの交響曲2番。久しぶり(十数年ぶり)に弾きました。ファーストとビオラで弾いたことはあったけど今回ついにセカンドも弾けて激しく自己満足。こうゆうこってりしたオケ曲って、たまに弾くぶんにはすごく楽しい。
Dec 9, 2017
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雪の舞うなか、カトリック教会での婚礼ミサにてバイオリンを演奏いたしました。オルガン奏者ローズ氏とソプラノ歌手エベリン氏との共演。 新婦ご入場は「サウンドオブミュージック」の婚礼場面の音楽、新郎新婦ご退場は「歓喜の歌」。 今回がおそらく2017年最後の婚礼の本番かと。今年は計21組ものご夫婦の門出に立ち会わせていただきました。
Dec 9, 2017
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「人ごみに流されて変わっていく私を貴方は時々遠くで叱って」(評価 ★★★★☆ 四つ星) 六人家族の物語。母と幼い子供たちは刑務所にいる父の出所を待ちながらもけなげに日常を過ごす。 監督は、当たり外れのはげしい?マイケルウィンターボトム氏。五年かけて撮られたみたい。 日本語のサイトは、http://www.crest-inter.co.jp/every/<感想> ドキュメンタリーかと思うほどに自然。特に子役を演じた四人のお若い俳優さんたち、皆さんご名演。彼らはほんとに兄妹らしい。 こうゆう脚本って流行ってるのかもしれない。つまり、物語の背景をいちいち映画の中で描写せずに、曖昧なところは曖昧のままにしてレリゴー。例えば、本作では、男はどんな罪で服役してるのかとか、妻は不倫してたのかとか、ちらっと触れられてはいるものの、深追いせず、そのままさくさく映画は進行していく。 六人のうち特定の誰かを主役扱いしてるわけではない。それはそれでよかったけど、母親の心情をもう少し奥のほうまで覗き見してみたい気がした。<題名について> 原題は「Everyday」。しかも音楽はマイケルナイマン氏。例によって同じリズム、旋律、和声を延々と繰り返していく音楽で、「毎日」という題名を意識させるよーなさせないよーな。 邦題はなぜか日本語と英語を交えて、「いとしきエブリデイ」。主観の入った「いとしき」という形容詞を勝手に加えて強制的に美化するのはどーかと。ぼくとしては、夫は出所後もいつか再犯しそうな気がして、ビミョーな危機感を覚えたもので。
Dec 6, 2017
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賛助で出演いたしました。「冬」をお題とした音楽会でした(たぶん)。二回公演。演目は以下の通り。プロコフィエフ:「キージェ中尉」よりトロイカチャドウィック:「交響スケッチ」よりノエルフンパーディンク:「ヘンゼルとグレーテル」より抜粋(3曲)ビゼー:「アルルの女」より抜粋(6曲)アンコールはプロコ「三つのオレンジへの恋」より行進曲 個人的にはチョー苦手な「抜粋系」な構成だったので、どっと疲れました。 第一バイオリン末席で弾きました。プルトを組んだのはニューヨークの某名門音楽院の女学生L氏。お若いのにとってもお上手なお方でしたけど、ザ・天然ちゃん。例えば、開演直前に、客にもろに聞こえるようにアンコール曲ばっかしさらいまくってて、周りのオケメンはプチどん引き。
Dec 2, 2017
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今日はメキシコ系大衆食堂にて、メキシコ系音楽を演奏いたしました。十人編成、うちバイオリンはぼくを含む四名。 いつの間にか暦の上ではディセンバー、よってクリスマス音楽もガンガン演奏いたしました。Noche de Paz(きよしこの夜)、Cascabel(ジングルベル)、Feliz Navidad(フェリスナビダ)、ほか。
Dec 1, 2017
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