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小説すばる 2024年1月号武家女人家 深雪花 砂原浩太朗この目で雪のかたちが見たい・・・。学問への並々ならぬ憧憬を抱く穂波は、武家の娘として生まれた己の身に歯痒さを覚えていた。(小説すばるより転載)五百石の番頭・山岸家の一人娘の穂波は雪が好きで仕方がない。雪国に住んでいるので、雪は重荷になっている人が多い中、家の女中・さえに呆れられている。雪の結晶が描かれている書物が藩校にある、と聞いて兄に持ってきてもらうようにお願いする。その本を見て興奮してしまう穂波。女、というだけで藩校では学べず、学問を学ぶことは出来ない、という現実に打ちのめされる穂波はせめて顕微鏡なるものは何か知りたい、と思うのであった・・・。江戸時代に学問を学ぼうと思う女性には全く門戸が開かれていませんから、穂波のような女性がいたら(いたでしょうが)悔しかったでしょうねえ。今でもガラスの天井があるとはいえ、女性でも学問が学べるから、全くよい時代になったものです。どころで、この小説、最後は前半と違う方向に話が進むのですが、読み終わって、山本周五郎さんを連想してしまいました。話の転換の妙味、終わり方の清々しさ、まとめ方の上手さ、山本周五郎さんテイスト満載。すごく心に残る短篇でした。
2023年12月27日

小説すばる 2024年1月号カット・イン/カット・アウト 第一回 私は誰のために 松井玲奈3年ぶりとなる、作家・松井玲奈の新作小説。隔月連載がスタート!ベテラン舞台俳優のマル子は脇役ばかりの人生に複雑な思いを抱えていた・・・。(小説すばるより転載)おおお・・・、松井玲奈さんの新連載です。これは大注目ですね。第一回の主役はマル子という舞台俳優の話。現在五十二歳のマル子は、長い間舞台俳優を務めているが、ずっと脇役ばかり。劇団には属しておらず、客演で出演する日々。主役が休んだ日、代役を見事に勤め上げるが、それだけだ・・・。当たり前ですが、マル子のような俳優さんは大勢いるのでしょうね・・・。舞台では主役や有名どころはほんの一握り。台詞の無い俳優さんも沢山いるはず。もちろん誰もが主役になれるわけがないのですが、注目されたり、名前が売れたりしたほうがいいに決まってますよね。マル子の高校の先生の台詞が胸に刺さります。先生の言うことは、正論かも知れませんが、正論で人生は生きているわけではないですよねえ。松井玲奈さん、相変わらず、鋭いところついてきます。次回もすごく楽しみです。
2023年12月26日
invert II 覗き窓の死角 相沢沙呼「invert 城塚翡翠倒叙集」の続編。城塚翡翠シリーズの第三作です。「生者の言伝(ことづて)」「覗き窓(ファインダー)の死角」の二編が収められています。「生者の言伝」はテレビドラマで映像化されました。先に見てしまったので、驚きはありませんが、真ちゃんのTシャツの話に爆笑。「覗き窓の死角」は、城塚翡翠が珍しく苦戦する話。城塚翡翠の最後の決定打が爽快です。真ちゃんの活躍も楽しい。そしてこの二編で、城塚翡翠の過去がチラチラと見えてきます。コレは興味津々ですね。相沢沙呼さん、是非続編を書いてください。
2023年12月25日
invert 城塚翡翠倒叙集 相沢沙呼完璧な犯行計画による殺人。用意された鉄壁のアリバイ。事件は事故として、他殺は自殺として処理される、はずだった。霊感によって視えないものを視る美しい娘、城塚翡翠が現れるまでは。ミステリランキング5冠を獲得した衝撃の結末から一転、犯人の視点で描かれる倒叙推理小説集。探偵の推理を推理せよ!「霊媒探偵 城塚翡翠」の続編。どれもテレビのドラマ化の時に映像化されているので、本書を読む前にテレビで見てしまいました。なので、キャラはドラマの俳優さんをイメージしながら読んでしまいました。あのドラマ、素晴らしかったですね。城塚翡翠役の清原果耶さんも素晴らしかったし、何より、真ちゃん役の小芝風花さんが最高にハマってました。ところでこの続編、三話目が白眉。小説の構造から、映像化は不可能ですが、ドラマでは細部を変えて実現していましたね。しかし、話としてはやはり小説のほうが面白いです。見事に騙されますよね。それにしても城塚翡翠のキャラが次第に明らかになってきて、真ちゃんの言うところの「不気味な女」具合がよくわかるようになってます(笑)もちろん推理小説部分も面白いですけど、城塚翡翠と真ちゃんのキャラを楽しめるほうが強い。これは3作目も読まねば。
2023年12月21日

小説すばる 2023年12月号イグアナの花園 最終回 上畠菜緒は虫類と会話が出来る八口美苑の成長を描いた小説の最終回。ずっと黙っていたソノとの会話の再開。涙が溢れてきました。ソノの録音テープには驚きましたが、美苑の母の秘密にはもっと驚かされました。でも、おかげで全ての謎が解けました。キキちゃんやつばめちゃんも素敵だけど、ソノと美苑の母が最高。ちょっと不思議な物語だけど、とっても心が温かくなる素敵な話でした。すごく面白かった!連載が終わって残念。淋しいです。
2023年12月21日

小説すばる 2023年12月号地面師たちⅡ ファイナル・ベッツ 第十九回 新庄耕ついにターゲットが騙されたことに気付きました。お気の毒、としか言いようがないです。地面師を追い詰める警察。しかし、ハリソン山中は、やはり一筋縄ではいかないですね。稲田はどうなるのか?次回も大注目。どのような決着が待っているんですかね?
2023年12月19日

小説すばる 2023年12月号ヒトラー 第四部 第三回 佐藤賢一ヒトラーユーゲントに入り、十八歳になったハンス。勧誘されたのはエリートたちが所属する親衛隊だった。(小説すばるより転載)ハンスが親衛隊に勧誘されます。しかし親衛隊は見習い期間から定期的な訓練に参加して、十九歳からは六ヶ月の労働奉仕、さらに最低一年は国家機関での就労経験が求められる。その後親衛隊に戻って十五ヶ月の訓練及び研修を受けたあといよいよ正式な隊員になれる、という凄い教育プログラムが組まれています。生粋のドイツ人のエリートを造り上げるシステム。驚きですね。ヒトラーがエン・エスを作ってからこのようなプログラムを組んだのでしょうから。そして、親衛隊の内情が見える話に。ねつ造、奸計、何でもありの世界になってます。権力を持った人間が、よこしまな心を持つとこうなってしまう見本のような話・・・。恐ろしいの一言です。
2023年12月18日

小説すばる 2023年12月号うまれたての星 第十四回 大島真寿美経理補助の辰巳牧子は組織変更で、編集管理課になる。その肩書きに「編集」が入っていることで、舞い上がる辰巳牧子。仕事内容は変わらず、名前だけの変更なのですが、もう嬉しくて仕方の無い辰巳牧子に周りは理解出来ません。私も理解出来ません(^^;)でも、辰巳牧子にとっては、すごく重要なことなんでしょうね。微笑ましいです。
2023年12月15日

小説すばる 2023年12月号翳りゆく午後 第六回 伊岡瞬遂に父親から、恐ろしい電話がかかってきました。事実なら大変なこと。父親の言うことは本当なのか?信じたい気持ちと、信じられない気持ちの両方がありますよね・・・。胃が痛くなりそう・・・。次回、真相が明らかになるのか?大注目です。
2023年12月13日

小説すばる 2023年12月号浮雲心霊奇譚 邪鬼の泪 第三十九回 神永学浮雲や近藤勇を斬り殺す幻を見た歳三。自らの本性を思い知った歳三にまたしても試練が。(小説すばるより転載)蘆屋道雪に狩野遊山と敵役が色々ちょっかいを出してきます。どちらも敵なんですが、単純に敵というわけでもなく、手助けをするような時もあり、単純な関係ではないですね。そして、遂に鬼の正体が判明。鬼と対峙する歳三。次回決着が付きそうです。
2023年12月12日

小説すばる 2023年12月号海風 第八回 今野敏目付として多忙な日々を送る永井。そこへ新たにやってきた長崎奉行、各地から集められた海軍伝習生たちもみな曲者ぞろいのようで・・・。(小説すばるより転載)新たな長崎奉行・川村対馬守がやってくる。還暦の川村対馬守は温厚だが、人を使うのがうまい。江戸では老中首座の堀田備中守が首座を譲ったという情報が入ってきて、永井は衝撃を受ける。海軍伝習生の艦長候補は永持亨次郎、矢田堀景蔵、勝麟太郎の三人。海軍伝習生のなかには超優秀な小野友五郎のような者もいるが、勝麟太郎のようにダメなヤツもいる。いやはや、もうとにかく大変の一言です。永井さん、ご苦労様です。
2023年12月11日

小説すばる 2023年12月号待兼山奇談倶楽部 第六回 増山実喫茶マチカネの閉店が近づく中、奇談倶楽部に話し手の立候補者が現れる。「らんぷ堂書店」に関わる話らしいが・・・。(小説すばるより転載)第六話は「風をあつめて」というタイトルです。昔大阪大学の学生で、今は豊橋で介護士をやっている山脇恭子という女性が、話をさせてくれ、と申し込んでくる。山脇恭子が阪大の学生だった頃、アメリカによるイラクの空爆に衝撃を受けて、ある行動を取ります。その行動で知り合った人の話とは・・・。意外な過去と意外な歴史。レコードの話には感動してしまいました。そんな歴史があったんですね。らんぷ堂書店の話も、「染み」ます。ええ話やなあ・・・。とっても面白かったです。
2023年12月07日

小説すばる 2023年12月号君のための淘汰 人間六度謎の生命体に寄生された婚活中の港藍子(29歳・東京都)。ダメ男ホイホイだった彼女は、その日を境に一変する。「選ばれたい」願望の先を描く次世代婚活潭、開幕。(小説すばるより転載)いやはや、滅茶苦茶面白かった!SFと婚活の合体なんてアイデアがどこから湧いてくるんだろう?そもそも、SFと婚活の合体は可能なのか?いや、可能なんです。それがこの小説。謎の生命体に寄生された、と聞くと古いところだと、ロバート・ハインラインさんの「人形つかい」を、ジュブナイルだと、K.A.アップルゲイトさんの「アニモーフ」あたりを思い出しますが、ココに出てくる謎の生命体は異性に対して魅力を発揮するという21世紀型。そして主人公の藍子はひたすら婚活、婚活(^^;)どうなるのかと思ったら、後半は意外な展開の嵐で、驚きの結末が待っています。一件落着した後の、後日譚がすごくいいです。傑作。
2023年12月06日

小説すばる 2023年12月号青の純度 第二回 篠田節子不覚にも感動したヴァレーズの絵。ウェブマガジンの仕事から外された真由子の中で、ヴァレーズへの興味が膨らみ始めた・・・。(小説すばるより転載)バブルの頃にピークを迎え、今では忘れ去られた画家ヴァレーズが何故かまた売られようとしている。美術界では全く価値がないヴァレーズだが、真由子はリゾートホテルで見た絵には感動してしまう。ヴァレーズを追うことにした真由子の前に旧知の社長と出会う。いや~、面白いですねえ。絵画とデート商法。怪しい世界です。真由子はどう切り込むんでしょうね?次回も楽しみ。
2023年12月05日

小説すばる 2023年12月号猪之噛(いのがみ) 第三回 矢野隆公民館に集う人々。マリアは目撃した猪について語りだす。(小説すばるより転載)面白すぎる連載。見たこともない大きさの猪の話をするマリアだが、村民にはあまりピンと来ない様子。猪を目撃しているはずの一郎は見ていないと言い張る・・・。その訳は・・・。大きな猪がいるのは確かですが、恐ろしいのは山で獣の気配がしないことですよね。獣が逃げ出すって・・・。猪は村に迫っているような気がします。次回緊迫しそう。
2023年12月04日
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