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ペストの医師のいでたちに、いまや共感。一年経過して、あらためて またおもう・・よろしかったら。↓カラス男とでもいうべきか、あるいは東宝怪獣映画のモゲラのコスプレというべきか、初めてそのルックスをみたときは水木まんがの表現を借りれば ギョギョギョ としたのを鮮明に記憶している出で立ち。。そんな格好といえば・・・ そう、ペストの医師です。長いコートと、同じく長い革手袋。頭をすっぽりと隠す大きな帽子に、長靴。そして患者を、ペストにかかった患者に直接触ることを避けるための診察棒を携えているあの画↑。そしてなにより特徴的[個人的には怖いイメージをもってしまう]なのが、あの防護メガネと一体になっているような、あのクチバシ付きマスクです。 繰り返しになりますが初見したときは、死神コスプレの別バージョンにちがいない・・とも おもいましたものね。しかし。しかしです。2021年現在のいま、新型コロナウイルス及び変異種の蔓延する世界の状況に関するニュースを知るたびに、自分になかでその思いは変わりました。このおおげさとも思えた扮装に関する、その当時の人々の感染症に対する必死さというか真剣さというか、そんな覚悟というようなものが理解できるようになりました。なってしまいました。とくにハーブを栽培している身として、なにより理解できるようになったのが、あの扮装のなかでもっとも特徴的な、あのマスクについたクチバシです。じつはあのクチバシのなかには、ハーブが詰められていたという、このマスクを制作したといわれる17世紀のフランスの医師シャルル・ド・ロルムさんに関する記録を耳にしてからは です。 記録曰く・・・「長さ15センチのクチバシのような形で、中に香料を入れてい た。穴は鼻孔近くの左右に1箇所ずつの2つしかなかったが、 呼吸をするのには十分だった。クチバシに仕込んだハーブの 香りを、吸い込む空気にまとわせることができる」と、いうことなのだそうです。ということで今回は、コロナが蔓延するまで理解できなかったペストの医師の出で立ちが、いまは充分に共感できるようになってしまった・・というおはなしでした。 もちろんハーブが感染症予防に効くのかどうかは現在 を生きる私にもわかりません。しかしたとえばカトリ ック修道院でのハーブ栽培のはなし[こちら]や魔女の 白魔術などにかんする民間療法のはなし、 あるいは 日本の疱瘡絵のはなしなどを耳にするにつけ、なにか 心の拠り所になるものがあってもいいというきがしま すね、こうなってきたら。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
2022.01.28

ウイルスの伝搬力って、まさに妖怪?つづきとなります[前回はこちら]。 ● ウイルスにかかっていたトマトの残滓などから感染します ● 感染していたトマトに触れていた農機具からも感染します ● 感染していたトマトに触れていた支柱からでも感染します ● ウイルスにかかっていたトマトの種からでも感染しますさらには、土壌に残った羅病したトマトの残滓からも感染することが知られており、乾燥土壌中でさえ2年間も伝染力を失わなかったという報告すらあります。という伝播力の強いウイルスのトマトに対する感染力の強さや感染経路の多様さから連想するのは・・・そう、吸血鬼/ヴァンパイアです。 映画や小説の中で、心臓に杭を打たれ日光を浴びたドラキュラは、いちど は滅びて灰になります。しかし、その灰に血液をたらすと・・・ふたたび再生復活するのです。これって、温度や湿度やトマトがあるという条件さえ合えば、圃場で再び動き出すいろいろなウイルス病のウイルスの動きとよく似ています。また、「吸血鬼/ヴァンパイアに血を吸われたものは、あらたに吸血鬼/ヴァンパイアとなって、いままで仲間だった人間を襲う」点。これなども、ウイルス病にかかったことがわからない程度の感染であっても、収穫や芽かぎなどの農作業管理を行ってしまうことで、健全な株に次々とウイル ス病が感染していくことにとてもよく似ています。これまで人間だったはずの仲間が、じつはすでにヴァンパイア化してた というようなシーンですが、このかかっているか・かかっていないかを疑う心理描写は、「吸血鬼/ヴァンパイアの物語」のキモ/売り物です ものね。もうひとついきましょうか/笑。こんどは妖怪ですが、たとえば鬼太郎の友人である一反木綿です。この妖 怪一反木綿は、切り分けられると、いちどはふつうの布切れにもどります。しかし、切り分けられた木綿に、たとえば水などがかかると切り口が自然につながって、ふたたび一反の大きさの妖怪となり、自らの意思をもって動き出すのです〔八百八たぬきのでてくる 妖怪獣 の回参照〕。条件が整わなければ、動かないでじっとしている「もの」が、ある条件が加わることで生物化して動き出すということになるわけですが、これなと は、まさに「生物と無生物の中間の存在」であるというウイルスの性質そ のものといってもよいほどによく似ています。そして思うんですよ。このような吸血鬼や妖怪の話しというのは、「ウイルス病で苦労したわれ われの祖先が、ウイルス病の怖さを伝えるために、妖怪やモンスターの姿として伝承してくださったのではないのか」って。ちなみに・・・宮崎県における鳥インフルエンザの発生した圃場における ウイルの侵入経路の不可思議さや同じく宮崎県を襲った口蹄疫ウイルスの広がり方からみたウイルス感染の恐ろしさというのはまさに妖怪でしたよ。つづく・・・。 ウイルスについて正式名称は濾過性病原体。DNAかRNAのどちら か一方を持ち、結晶化など無生物の特徴も併せ持つ。単独では自己 増殖できないが、生物に寄生することで自己増殖する。そのために ウイルスは、生物と無生物の中間の存在であるとされています。「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」
2022.01.26

ハーブ栽培の効用。 10年ほど前の回ですが、よろしかったら。↓ラベンダー作りの魅力・・・それはお花を楽しむと同時にハーブの一種であるラベンダーの持つ濃厚な香りを楽しめることにもあります。すなわち“剪定や挿し木・植替えなどのガーデニングの作業”をすることによって、同時に香りも楽しめるというわけです。さらには、自動的に頭痛・肩こり・不眠などに効果があるといわれるハーブの持つアロマセラビー効果にも浴することができるわけですから、なんという贅沢、そして効率の良さでありましょうか/笑。たしかに作業が終わるとですね、「樹がきれいになってよかった」という達成感を感じるのに併せて、落ち着きや安らぎというようなものを感じてしまうんですよ。そうこうやって長年して作業[こんなかんじ]しているうちに・・・ ● 肩が凝っている本日には、このラベンダーの剪定や手入れ ● 頭が重い日には、あのラベンダーの剪定や手入れ ● 鼻が詰まるとき、あのハーブの剪定や手入れや植え替えをやってみる・・・といった具合に、その日の気分や症状によっ手世話する植物の種類を変えたりすることまでできちゃったりするようになるんですから、年月と経験いうものはえらいものです。こういったものなどはハーブを長年栽培しているものだけに与えられた特権といってよいもののひとつでしょう。プチな幸せではありますけれど/笑。ちなみにお昼休みにラベンダーのプチ剪定をやった本日は、 デンタータラベンダーの茎葉をいれたお風呂を楽しんだあとに グラスに投げ込んだ ピナータラベンダーの花穂を愛でつつ、 シャーデーでも流しながらのネットサーフィンみたいな、“これっていちおうハーバルライフ?”みたいな夜にしようと思っております/笑。 太古の水ゴケの変化したピートモスや 鉱物であるゼオ ライト、そして ミネラルである化成肥料に、たとえば ボルビックのような清流の水を使った〔生ゴミ臭とか、 餌に抗生物質が入ったふん尿臭とは無縁の〕ガーデニングも ありだとおもうんですよね。よくよく考えてみればむしろこ っちのほうが、 〔薬品とは無縁の〕自然系だったりして。こんなふう。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
2022.01.24

ウイルス病の怖いところは。ヒトでいうならノロウイルスに新型インフルエンザ。そしてコロナウイルス。家畜でいえば豚コレラや鳥インフルエンザに口蹄疫と、ウイルスばやりの世の中です。ということで、今回は農業の、まずは植物・作物のウイルス病についてのおはなしです。2010年前後の再掲載ですが、よろしかったら。 ↓『ウイルス病の怖いところは。』たとえば家庭菜園でも良く栽培されているトマトですが・・・栽培されているトマトの収量減を引き起こしたり、最悪の場合は感染したトマトを枯らしてしまうこともあるタバコモザイクウイルス病や黄化葉巻病黄化エソ病などのウイルス病があります。その伝染の経路ですが、まずはこのウイルスをもっている昆虫から伝染します。そしていちど感染してしまうと、つぎは昆虫がいなくても、かかった株から健全な株へと、次々とウイルス病が感染していくことがあります。これは、ウイルス病にかかってしまった株といまだウイルスにかかっていない健全な株とを、〔ヒトが〕同じ農作業管理をおこなってしまったために感染が拡大してしまうというケースです。また、そのような農業管理だけではなく、前の作でウイルスにかかっていたトマトの残滓が圃場に残っていた場合は、その残滓から感染するケースも場合によっては〔感染力の強いウイルス場合には〕おこりえます。さらには残滓ばかりではなく、前作で感染したトマトに触れていたトマトの樹に使用した支柱や農具から感染する場合もあります。驚くべきことには、かかっていたトマトの種からでも感染したとか、2年前に乾燥土壌中に鋤き込まれたはずの〔ウイルスに感染した〕トマトの残滓からでも感染したというような実験報告すらあります。ということで、タバコモザイクウイルス病などに代表されるウイルス病は ● なんといっても治療する薬がない ● 感染するちから が、強すぎる ● 第三者によって感染が広がってしまう場合がある ● 条件が満たされれば、不活性化していたものが活性化するといった点が、怖れられているわけです。怖れられるあまりに、「トマト栽培されている農家の田畑では喫煙者が嫌われる」といった伝説さえも生まれました。これは喫煙者の吸っているタバコ製品や、生産現場では喫煙を控えてはいても、ふだん喫煙している喫煙者者の手には、ウイルスが付着しているのではないかと疑われたためです。そして、このような感染パワーに満ちたウイルス病に対する対抗策ですが ● 媒介する昆虫をこまめに駆除する ● 作業に使う農具や農機具を清潔にしておく ● 早期発見に努める ● 発見した場合には、すばやく抜き取って処分すると、いったような手段がとられています。いじょう、今回は栽培されている作物に対して様々な病状を引き起こすことで収量減をもたらすウイルス病についてのおはなしでした。ちなみに栽培管理中の作業現場のヒトの手を介した感染を防ぐ方法ですが ● ハサミやナイフを第三リン酸ナトリウムの飽和液で消毒する ● ハサミなどの農具を、煩雑に取り替える などといった対策をおこなうことで、作物の汁液を介した感染を予防する方法 が取られていますよ。つづく。 植物に感染するウイルスの数ですが、世界中でいえば950種 以上、国内では300種以上があるといわれていますよ。 この種類の多さもまた、脅威です。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
2022.01.23

ドライフラワーで楽しむ。植栽にして楽しませてもらっているエメラルドセージ。 すっかり地上部が枯れて ドライフラワー状態となってしまったエメラルドセージの植栽を 毎年1月になったら、次の芽吹きを揃えるためにトリマーなどで根元から剪定/カットしていくのですが せっかくのドライフラワー状態になっているのですから、もちろん お花・花穂の部分は、ポリ袋などに 乾燥&保存しておいて この袋のなかから、必要なときに 必要な分だけ取り出し、ときにはテーブルのうえなどに 無造作にかざって ほのかに香るセージの余韻を楽しんだり、布の袋に詰めて 急ごしらえの枕としたり・・ そうそう、ハーブ好きな方などには、差し上げる方の好みにあわせてラベルやヒモでデコレーション&ラッピングして お持ちしてます。 バシバシ切り花利用しているラベンダー編は こちら、 そしてドライになる前の、切り花にしたりもしてい るエメラルドセージのようすは こちら。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
2022.01.13

咲いたラベンダーも ばしばし利用します。過去分ですが、利用例として。 ↓挿し木で増やしているラベンダー。咲いたら、ばしばし 活用します。の 取立てのストエカスラベンダー。 午前中に行く美容室さんへの手土産です。 この量で 切るのに30分、 調整するのに 10分といったところでしょうか。つづいて ヘルムスデール にかかりまーす。さあ、ひきつづき朝の花壇。 花壇でみるとヘルムスデールの花色もずいぶんちがいます。 日光のもとでは ブルーがかってみえますから不思議なものですね。の ヘルムスデール、カットしてまいりました。 ストエカスに比較すると すこしばかり小ぶりな品種です。 の それにしてもの、このビロードのような 花の触感。。 ・・・・ 豪華です!つづいて ビースティ・ボーイズ(RUN DMCでも可っ/笑)かけながらラッピングにかかりまーす。 袋状にした農業用の不繊布を濡らし、ラベンダーを中にいれます。 そのうえを 家庭用ラップでくるみます。輪ゴムでとめて・・・の 終了ですね。 基本的にはこれでおわりなのですけれど、せっかくのシーズン最初の 贈り物ですので、 もう少し見栄えをよくしてみましょう。。の 用意したのは、 各種ラベンダーの色に合わせた カラー輪ゴム + 紙紐 です。 一度買っとけは、普通のご家庭では 数年もちます。 あ、英字新聞紙を留めるシール・ラベルも、あれば お花が引き立ちます。のさささっと捲いて・縛って これで完成ですね。 そして、ポイントはこれから・・・・ 時間制の美容室。。 せっかくのお花も、予約の時刻に間に合わなければ台無し。 これは社会人としてのルールですよね/笑。では、いってまいりまーす。。 剪定して揃えるときに出たラベンダーの端[はした]は、 お風呂に入れて入浴剤がわりにしたり、 乾燥させて ポプリにしたり。ハーブって つくづく・・・便利。。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
2022.01.13

エメラルドセージが枯れたら冬本格化。今年も たくさんの花をつけてくれた エメラルドセージ。花見をしたり、花びらを集めて匂い袋ふうにして香りを楽しんだり、花束にしていろいろな場所にくばったり[こちら]、切花にして室内に飾ったりと、今期もたくさん楽しませていただきました。そんな植栽にして楽しませてもらっているエメラルドセージですが、最低温度が零度を下回った12月下旬には・・・ すっかり地上部が枯れ、ドライフラワー状態となってしまいました。 セージの近くの、お祀りしている地主神さまのお水も 時期をおなじくして凍りはじめます。本格的な冬は ここから。 本格的に寒風が吹き始めるこの時期になると、特産 の切干大根つくりやマルチトンネル栽培のサトイモ の植え付け作業も最盛期に。そうそうハウスいちご に早堀りタケノコ[こちら]もありましたありました。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
2022.01.13

神さまの乗り物である亀蛇とくれば。農産物や農業をアピールする“キャラやイラストの効用”関連の次回分の資料として、まとめて2回分よろしかったら。 ↓◎はじめにこちら。 『神さまの乗り物である亀蛇とくれば。』でかい亀・・・のような神様の乗り物といえば、熊本県の八代・妙見祭の人気者である亀蛇[こちら]ですが、それでは こちらの このような ぐぉぉぉぉといった声を がなっている かのような いまにも飛びかかってきそうな こんな カメ はいかがでしょう。とはいっても、[亀蛇が妙見神の乗り物であるように]こちら の カメも ある意味 乗り物でありまして・・・ じつはこのカメ。佐賀県唐津の唐津くんちの「亀と浦島太郎」曳山の亀さんなのでした。それにしてもの この亀、すごく迫力のある お顔ですよね~。そしてこんな強そうな亀を、ロデオよろしく 片手で 釣竿を肩に余裕で 乗りこなしているのが ルックがおもいっきり優男/やさおとこの、こんな浦島の太郎さん なのですから、この対比がまたまた みもの。ということで、今回は唐津くんちで見た、乗り物としてのカメの おはなしでした。亀さんのほかにもたくさんの曳山がいつでもみ られる唐津の 曳山展示場には 楽しい発見がいっぱいですので お近くにいかれた折には ぜひ。 からつくんちの曳山をして“日本最大級の漆の美術品”と 表現した友人がおりましたが、その表現にはまさに同感!◎続いてこちら 『イラストの効能。』「エンヤ、エンヤ」「ヨイサ、ヨイサ」との、曳き子たちの掛け声と共に、[例年11月4日に実施される町廻りと同じ約8キロのコースを]5月5日に練り歩いた唐津くんちの曳山ず。これは、天皇陛下即位を祝う「祝賀奉曳(ほうびき)」。大型連休の終盤で好天にも恵まれたこともあり、沿道に集まったたくさんの見物客たちは、迫力ある曳山の動きを堪能しました。 並んだ曳山→ そんな唐津くんちの曳山ですが、14番までの曳山の歴史と由来を説明してある からつ曳山展示場のパンフレットの紹介写真も もちろん素晴らしいものなのですが ← パンフレット ↓ 展示場の売店で、そのあまりのかわいらしさに 飛びついて[笑]購入した 曳山絵はがきも それぞれの曳山の特長を強調した素晴らしい出来だな と思いました。。 ちなみに 刀町の 唐津くんち一番曳山 である「赤獅子」。 この 曳山が造られたのが、1819年の文政二年 ということで、今年でちょうど二〇〇年という節目の年にあたるのだそうです。ということでひきつづき、 アピールするのはやっぱりイラスト という おはなしでした。 こちら 前回とりあげた 三番曳山の 材木町曳山の 亀と浦島太郎」の回は こちら 。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
2022.01.11

普段はおこりにくい場所のほうが恐い雪害。東京でも積雪ということで、定番の回ですが、よろしかったら。 ↓ 『武蔵の国のある村に、茂作と巳之吉という2人の樵が住んでいた。茂作は すでに老いていたが、巳之吉の方はまだ若く、見習いだった。 ある冬の日のこと、吹雪の中帰れなくなった二人は、近くの小屋で寒さ をしのいで寝ることにする。その夜、顔に吹き付ける雪に巳之吉が目を 覚ますと、恐ろしい目をした白ずくめの美しい女がいた。巳之吉の隣り に寝ていた茂作に女が白い息を吹きかけると、茂作は凍って死んでしま う。 女は巳之吉にも息を吹きかけようと巳之吉に覆いかぶさるが、しばらく 巳之吉を見つめた後、笑みを浮かべてこう囁く。「おまえもあの老人( =茂作)のように殺してやろうと思ったが、おまえは若くきれいだから、 助けてやることにした。 だが、おまえは今夜のことを誰にも言ってはいけない。誰かに言ったら 命はないと思え」 それから数年して、巳之吉は「お雪」という、ほっそりとした美しい女 性と出会う。二人は恋に落ちて結婚し、10人の子供をもうける。お雪は とてもよくできた妻であったが、不思議なことに、何年経ってもお雪は 全く老いることがなかった。 ある夜、子供達を寝かしつけたお雪に、巳之吉がいう。「こうしておま えを見ていると、十八歳の頃にあった不思議な出来事を思い出す。あの 日、おまえにそっくりな美しい女に出会ったんだ。恐ろしい出来事だっ たが、あれは夢だったのか、それとも雪女だったのか……」 巳之吉がそういうと、お雪は突然立ち上り、言った。「そのときおまえ が見たのは私だ。私はあのときおまえに、もしこの出来事があったこと を人にしゃべったら殺す、と言った。だが、ここで寝ている子供達を見 てると、どうしておまえのことを殺せようか。どうか子供達の面倒をよ く見ておくれ……」 そういうと、お雪の体はみるみる溶けて白い霧になり、煙だしから消え ていった。それ以来、お雪の姿を見たものは無かった。』 このお話しは、皆さまよくご存知の、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談(Kwaidan)』で紹介されている「雪女」です。美しいけれど、しかしほんとうは怖ろしいという雪の世界を象徴するお話だなと思います。 そしてお気づきになりましたか、この物語は、じつは豪雪地帯が舞台ではなく、しかも2人の木こりも雪に慣れていなかったことに。 そう、物語の情景から、ついつい豪雪地帯の山岳部における木こりの遭難の話しだと勘違いしやすいのですが、じつはこの物語は 多摩川べりの船頭小屋が舞台となっており、しかも茂作と巳之吉という2人の木こりは、雪というものに対してあまりに知識もなく無防備なんです。 船頭小屋って こんなかんじ ですもの。 持ち運びもできたというこんな簡単な小屋に、大雪のなか避難したら、それはむしろ遭難しない方がおかしいですよ。 小泉八雲が東京都西多摩郡調布村出身の親子から採録したというこの物語は、じつは あまり雪が降らない地方における“突然の大雪”に対する警告的な教訓談 であったのかもしれませんね。 そして いま です。 日本各地の、とくに豪雪地帯ではない地方で降雪に遭われている皆さま。寒さ対策は、万全になされてくださいね。 そうそう こんなお話も ありました。よろしかったら。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
2022.01.06

農業の「6次産業化」が推進されたわけですが。2011年2月分。 2012年度から全国の都道府県で一斉に始められた観のあった官主導の農業の「6次産業化」。そろそろ10年間の成績がでるところでしょうがあなたの都道府県での10年目の事業の成否はいかがなものでしたか。ちなみに消費地から遠い〔地元の消費人口の少ない〕地域では、「事業は好調ともいえるのだが農家にはいるお金は予想以上に少ない」「地域間競争が激しすぎる」「類似加工品が多すぎる」「ヒットさせるのは至難の業」といった反省の弁も発表されるようになってきたように感じられます。・・・といったわけで2011年2月分となりますが、次回の資料として、よろしかったら。 ↓『農業の6次産業化が推進されるわけですが/2011年2月分』来年度農業予算で 農家などが加工や流通事業に進出して収益化をはかる「6次産業化」に ついては、官民の「農林漁業成長産業化ファンド」(仮称)で支援。創 設資金として300億円を計上された。 ということで、脚光を浴びているのが、いわゆる「農業の6次産業化」です。しかし、現場にいるものとして気になるのは、 ● 「農業の6次産業化」にさえ取り組めば成功する といった〔威勢の良すぎるとおもわざるをえないような〕論調です。これまでまるで「農業の6次産業化」がいっさいおこなわれてこなかったと思わざるをえないような論調です。 たとえばここに農水省が昨年の11月に発表した「全国の農協」や「農業経営体」が運営する農産加工場の2009年度調査結果のニュースがあるのですが・・・ いちおう全国の農産加工場の数は2009年時点で 27231ヶ所あることになっています。 わかりやすいように言わせていただくとすればですね・・・・ 現時点でさえ6次産業化〔農商工連携も含めて〕の取り組みは、山ほど ある。 といわざるを得ないというのが正直なところではないかと思えるんですよ。さらにこれに加えて〔これから参入する計画以外の〕農産物加工を生業とする既存の一般企業も存在するわけですから。。 と、いったわけで、これから6次産業化に取り組もうかと考えておられる方への、わたくしなりのアドバイスなのですが ● 市場ニーズがあるのかどうか ● よその商品やほかの企業に勝る部分はどこにあるのか を、よくよく考えられたうえで行動を起こされてくださいね、資金を借りるうえで利用する金融機関や行政の担当者などの第三者の視点もしっかりと取り入れられてくださいね、 ということです。 本業が赤字だから起死回生で6次産業化だっ・・・というよりも、 本業に余力があるから6次産業化でもやっちゃうか・・・というほうが よりベターな考えだと思うんです。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
2022.01.05

シマちゃんの帰還[ストライクバック]!夏の旱魃や、カミキリムシやミノムシ、ハマキムシなどの虫たちの容赦ない連続攻撃をかいくぐって4年間でなんとか苗植えから垣根状態にまで仕立てることができたレッドロビン[攻撃例こちらとこちら]。まさに努力の結晶です。 3週間ほどまえに、そんな手塩にかけた愛おしいレッドロビンの剪定をしていたときのこと・・・んんっ、なんかあるぞ・・・幹と枝のあいだ、そして枝と枝のあいだに見つけたのがこちらの映像。 やった。みつけた。シマちゃんだっ。 そう、いわずもがなのシマヘビの抜け殻です。このレッドロビンの垣根は、あのシマちゃんの縄張り。当ブログにおいては季節ごとにたびたび登場し、なんといっても今夏には大型の植木鉢の排水口から抜けられなくなるという事件[こちら]を引き起こした、あのシマヘビの縄張りなのです。救出後にそっとしておいたら、いつのまにかいなくなっていたのできっと無事だとはおもっていましたが、すぱっと綺麗に抜けた抜け殻をみつけたのですから もう安心。かげながら無事をいのっていた自分にとってのよいお知らせになりました。さてそんなシマちゃんの抜け殻を、途中で切れてしまわないように細心の注意を払いつつ、すこしづつゆっくりと丁寧に 葉と枝や枝と枝のあいだから ぬきだしていき・・・ 頭から尻尾までまるまる一匹分の抜け殻ゲットに成功しました♪ この写真に写っているスチール社のトリマーHSA86の長さは115センチほどですので、この抜け殻の長さは120センチ超あることになりますね。ということで今回は・・・夏場の事故による腹部の圧迫による内臓破裂や腹部の骨の骨折を心配されてもいたシマちゃんだったけれど、いま現在は秋の脱皮も順調にすませられるほどに健康体であるというご報告でした。さてそしてそんなシマちゃんの抜け殻です。レッドロビンの垣根で脱皮するたびに採取しているシマちゃんの抜け殻は、今回も縁起物として引く手あまたの状態。好評のうちに引き取られていきましたよ。来年も再来年もシマちゃんには健康のうちにずんずん大きくなっていってほしいものです。 以前は水田に囲まれていた当事務所も今は昔。5年ほど 前には南側だけにのこっていた水田もついに住宅となっ てしまい、それからというもの生物の種類も数も極端に 減少してきてしまいました。つくづく水田って、生き物 のゆりかごだよなあ・・と思うこのごろ。です。こんな 水田の技術も[こちら]あります。「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
2022.01.02
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