ちょっと本を作っています

ちょっと本を作っています

Jan 4, 2005
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カテゴリ: 本を作る
本は背中で売るという話


百里の道も九十九里が半ば

先にベストセラーの怖さを紹介しました。

常に返品のリスクを背負った、委託販売が出版販売の基本です。

詰めの甘さは、取り返しのつかない損害をもたらします。

出版では『売れたけど儲からなかった』ことが多いのです。


売れていれば売れているほど、慎重にならざるを得ません。

市場在庫(店頭の売れ残り)を予測する能力が問われます。

とはいえ、販売のチャンスも逃がすわけにはいきません。

ある程度はリスク覚悟で本を送り込むことになります。


そこで問題になるのが最終的な実売率です。



この数字、返品率と同じように捉える方が多いようです。

ところが、返品率の高い本、イコール実売率が低いわけでもないのです。


ちょっと頭の体操です

これまたタネを明かせば、簡単な話です。

本屋さんに1000冊の本を預けたとします。

500冊返って来ました。当然、返品率は50%です。


その返品で返って来た500冊の本を、もう一度本屋さんに預けました。

今度は250冊返って来ました。返品率は50%で変わりません。

でも、作った本に対する売れた率(実売率)は75%なのです。


これでお分かりでしょう。返品率と実売率は、連動しないのです。

本屋さんや出版取次は、販売効率から考えると、返品率が大きな問題です。

ところが、出版社にとってはこの実売率こそ最大の問題です。




返品率を下げ、実売率を上げる方法

もちろん返品率が高ければ、出版社も経費がかかります。

それでも一冊でも多く売るために店頭に並べてもらう努力をします。

少しでも返品率を抑えながら実売率を上げるのが出版営業の根幹部分です。


本の商品寿命が短くなりました。

以前だと返品率が高くても、四、五回回転させればほぼ売り切れました。



その段階の売れ残りは、すべて死に在庫となります。デッドストックです。


本の販売が、短期決戦型になってしまったのです。

当然、ロスは大きくなります。実売率が下がってしまうのです。

今まで以上に、余分な部数を印刷しないことも求められています。

でもただそれだけでは、販売のチャンスを逃しかねません。


売れていても売れ残る

今では棚に差し込まれた本は売れないと言われています。

確かにほとんどの本は平積みでないと売れません。

平積みとは、何冊かの本を積み上げて売る方法です。


平台と呼ばれる新刊コーナーのような平積み陳列重視です。

どの本屋さんも本棚を減らして、平台を増やしています。

だからどの出版社も表面の表紙のデザインに工夫を凝らします。

問題は平積みで売れ残った場合です。


10冊の本を平積みして2、3冊売れ残ったとします。

当然、本屋さんは新しい新刊と入れ替えます。

もしその本がそのまま返品されたとしたらどうでしょう。

それだけで、20~30%の返品率です。


売れた本でさえ20~30%の返品率なら、全部合わせばその倍にはなります。

これでは出版社は大赤字です。採算が取れません。

返品率を下げ、実売率を上げるには、もう一工夫必要です。


背中で本を売ることの大切さ

平積みだけだと、よく売れた本にも関わらず、結構な返品率です。

そのまま出版社に返品されたとしたら返品率はドンドン上がります。

さらにそれが売り時の峠を越えていれば、すべてデッドストックです。

売れるけれども返品率を上げるのが平積み販売の特徴なのです。


でも本屋さんは、売れていた本ならば、残った分は棚に陳列します。

このとき露出するのは『背表紙』なのです。

本を棚に差したとき見える本の背中です。


もし、10冊配本された本が平台で7冊売れただけなら、返品率3割です。

ところが棚に置いてから、たとえ1、2冊でも売れたとしたら。

一気に返品率は、1、2割まで下がります。


最後のフィニッシュを決められる本にするには、まさに『背中』です。

『背表紙を軽視する編集者は、出版販売が分かっていない』

ここまで言い切っても過言ではないと思います。


誰もがあまり気にしない背表紙です。

意外と意外で、そのような些細なことが大きく影響するのが出版と言えます。



※いけない、いけない。またちょっと小難しくなってしまいました。反省ー。まー、出版業界にはこんなこともあるんだ程度に思っておいて下さい。









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Last updated  Jan 4, 2005 11:51:05 PM
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聖書預言@ Re:ネットを再開するぞーっ! と思ったとたん(04/28) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
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第五章 自分の本を売ってみよう


第六章 安く本を作る方法を考えよう


第七章 物書き稼業と編集者稼業の裏表


第八章 昨今の出版業界のお寒い事情


第九章 いまどきの本屋さんと物流事情


第十章 出版業界こぼれ話


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第四章 竹の子で仲間を釣り上げる


第五章 森の天使の小さな落し物


第六章 小悪魔『チビクロ』参上


第七章 チビクロ砦とチビクロ王国


第八章 まったくもう、田舎暮しってヤツは


第九章 チビクロ、チビコゲへ変身中


第十章 隠れビーチで日向ぼっこ


第十一章 チビクロ、何処へ行こうか


第十二章 何で、お前まで行ってしまうの


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