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「また小菅からだ。駅のホームに来い? なんだこの注文……と、捕まった!」
「ゲームをしたいんだっら相手の顔を知らないのは大きな不利。だから顔を確認しようとホームで待たせて自分は発進する電車で悠々自適に……と思ったんでしょうが甘い甘い。そんなやり方通用する方じゃありません」
「こんなやり方読まれたら逃げようないだろ。顔確認するくらいならもっと安全な――待て、こいつアンプル持ってやがる!」
「ぶ、ブラフだって!」
「そんな危険な賭けができるか。電車に何人乗ってると思う。ここは逃がすしかないな……」
「ちょっと待て、何故小菅からの電話に出ない?」
「夜中まで待ったんですよ。その時刻になるとかける場所は恐らく隠れ家、ウイルスを置いてある場所です。その交換局を調べれば、なんとかなるかもしれません。案の定かけてきましたよ」
「日本人はのん気?」
「さっきも言ったろ。レベル4の施設は稼動していない。もし仮にエボラや天然痘と思われる患者が出ても日本じゃ確定診断ができなくて、外国に委託するしかない。遅れれば遅れるほど被害は増えるのに。まあ、実際レベル4ウイルスが自然に日本へ来るのはないだろう。誰かが持ち込む、つまりバイオテロじゃない限りね」
「言いたいことはわかるが、だからと言って危機感を煽るため自らバイオテロを起こそうとするとはね、馬鹿か」
「場所は大方特定できたけど、まだずいぶん広いからねえ」
「手がかりはありますよ。押収された小菅のバックにあったコンクリートの粉末、あれは多分解体途中の、それも何らかの事情で中断されているビルのものです。それともう一つ、携帯から流れてきたヘリコプターの音、あれはタンデムローターと言って軍隊使用のものです。あの夜中にそんなヘリが飛んでいるのは珍しい。ということは、それを見つけて飛行ルートを特定すればあるいは……」
「ビンゴ、自衛隊だ。今回の件に備えて必要物資を運んでいたらしい。これでだいぶ特定できたな。あとは、さっきの条件に該当する物件を探すのみ……」
「とうとう見つけた隠れ家。ああここで六回目に繋がるのか……」
「この人本当に人質にされるの好きですね」
「別に好きでなっているわけではない。しかし、さすがに学習している。足の甲を踏んでなんとか捕まえたぞ」
「よかった。これで万事解決……」
「……そう、甘くなかった」
「え?」
「ウイルスのアンプルが爆発したぞ!」
「やばい、汚染された!」
「あの野郎、最初からそのつもりで……」
「これから何が起きる?」
「まったく予想できん。いや、予想したくない」
「亀山さん……」
現実VS虚構(ニッポンVSゴジラ) 2016.08.31
レビュー企画 相棒Legend12 2015.09.20
レビュー企画 相棒Legend11 2015.07.28
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