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「警察庁に脅迫電話……発信源は、船の上!? ここか!?」
「これでようやく電車が陽動だと気付きますが、問題は携帯の所有者。――背と和哉さんです」
「待って! 船が爆弾騒ぎで大問題だよ!」
「脅迫電話がかかったと船に知らされるのはわかるが、どうして客に漏れてるんだ。しかしタンタニックじゃあるまいし救命ボートくらい全員分揃って……ば、爆発だ!」
「やばいな、ボートが流されちまった……これが狙いか犯人の」
「だ、誰なの犯人は?」
「待てよ、そういえば野上さん、和哉さんに助成金が取れたことを知っていたな……あれは彼が行方不明になった後ファックスで届いたのに」
「おや、珍しくカンがいいですね。ちょっと瀬戸大臣に聞いてみましょう」
「野上が天野たちを人質に立てこもった。やはり奴か」
「しかし、どうして野上さんが天野を……」
「昔、野上さんの住んでいた村にこの会社の工場が出来た。初めは村が潤ったが、次第に謎の病気が流行る。工場から有毒物質が出ていると思った野上さんの父は工場に訴えたが、当時工場長だった天野さんは相手にせず。裁判を行おうとしたが近くの弁護士は誰も相手にしてくれなかった。唯一相手にしてくれたのは当時弁護士だった瀬戸大臣。しかし、その時は既に有害物質はなくなっていて、瀬戸さんも弁護士をやめてしまった」
「に、逃げた? ともかくその後原告団はバラバラになって、野上さんの両親も死んでしまった。動機はその復讐。根津さんとの関係に気付いた野上さんは、それを利用して船に乗り込ませ、船に同行したテレビに向かって工場と羽田のことを認めさせようとしてけど、根津さんを天野さんが殺してしまったため閉じ込められてしまった。そこで爆弾騒ぎを起こさせ船をパニック状態に。そうすれば根津さんを出せるから……でも、数十年経ってるのにどうして」
「野上さんの妹が死んだんですよ。例の有害物質で。この手の毒は何十年経っても残り続けて体を蝕みます。その時決意したんですね。でも、目的は達せました。もう充分でしょう」
「あ、逃げた! 自殺する気だぞ!」
「させるかぁ!」
「ファインプレーだな姉川さん。いくら犯罪者でも、生きて罪を償わせる。それが民主主義、法治国家の掟だ」
「和哉さん、助かりましたね。最初から彼は罪を着せて瀬戸大臣を辞任させるだけの役目で、殺す気はなかったんでしょう」
「……え? 裁判を続けられなかったのは原告団が分裂したから?」
「当時、天野の奴原告団の連中に金を包んだのさ。ある人には五万、ある人には十万と差をつけることで内部に疑念を生ませ分裂させたんだ。おかげで裁判どころじゃなくなった。自分が辞めたって言ったのは、瀬戸大臣が罪を被ったんだろう」
「お、瀬戸大臣が来たぞ。……何? 裁判を取り下げたのは野上の父だった?」
「自分のせいで村はバラバラになってしまった、と野上さんの父は謝りながら死んでいったそうだ。瀬戸大臣は終わらせることしか出来なかった。以来彼はずっと心残りだったそうだ。哀れだな、父も瀬戸さんも」
「大臣、辞任しちゃうんだってね」
「人々の小さな声に耳を傾けるため、また弁護士として頑張るらしいですよ。そちらのほうが向いてる気がしますね」
「姉川さんは法務省に戻るそうだ。悪くはないコンビだったが、多分もうないだろうな」
「長かったなあずいぶん」
「まあ、量も量だしな」
「書くべきことというか、内容が濃かったんだよなあ。これでもずいぶん削ったんだぜ? さて、来週からは杉下さん1人なのか? それとも新たな相棒が……是非は次で決めよう」
現実VS虚構(ニッポンVSゴジラ) 2016.08.31
レビュー企画 相棒Legend12 2015.09.20
レビュー企画 相棒Legend11 2015.07.28
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