フリーページ
コメント新着
「……俺の家、どんなとこか知ってるよな」
「ええと……1LKの六畳にバストイレ及びエアコン付きで駅から自転車で十五分、大学からは歩いて二十分程度、バス停がなぜか目の前にあって四万五千~五万だったかな」
「別に悪い物件ではないだろ、むしろお前にとっては十分すぎる」
「でも、なんでかお前以外真上の一人しか住人がいなかったんだよな。隣のアパートには人それなりにいるのに」
「ああ、おれも疑問だった。それについての話だ」
「は?」
「契約する時はさ、まだ新入生の下宿探しが始まる前だったから、ああまだ来てないんだなと思ってスカスカでも気にしなかったんだ。地理的に学生マンションみたいなもんだし。でもそれ以降も来なくて、なんでだろうなあと思っていたが、まあ別にどうでもいいかと忘れてたんだ」
「はあ」
「でも、この前里帰りして帰ってきたら、部屋が全部埋まってたんだ。しかも鍵がどう見ても俺のより高そうなのに代えられていた」
「そりゃ、住人変われば鍵替えるだろ」
「いや、それが電子錠、つーかダイヤルロックになってたんだよ。なんでこんな鍵替えて……と思って、少し思ったんだ」
「……!」
「もしかしてここって、昔なんかあったかあるいは幽霊が出るとか噂があって、誰も寄り付かなかったんじゃないかな、と」
「ないでしょ、だったら最初に説明されてますよ」
「いや、わかんないよー、そういうのあえて話さないことも」
「知っててあえて話さなかったら犯罪になるんだけどな。まあでも、別に怪現象あったわけじゃあるまい?」
「まあねえ。俺の自意識過剰かもしれんし、例えそれがマジだとしても一年間何もないってことは俺霊感ないってことだから、別に関係なくなっちゃうけどな。ところで……ヘレナどうした?」
「なんか、耳ふさぎながら走ってっちゃいましたよ?」
「あ……ヘレナってこの手の話ダメだったんだった」
まあ、気のせいでしょうけど。
霊感はある方だと思っていたが……見たこと無いけど(ぉ
PR