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「そ、そんなに悪かったのか、フォルトの奴……」
「いいえ、日常生活を送る分には問題ありません。そもそも神速を使うこと自体が人間に耐えれるものではないだけです」
「貴方、どんな病気でも治せる天才外科医なんでしょ? どうにかならないんですか」
「だから、今でも治療中と言ってるでしょう。まあこんなに苦労するのも、患者が悪いんですけどねえ……何せ、医者の言うことを聞かない」
「どうもすみません……後で言っておきますから」
「どうせ聞かないからいいですよ。治療費は貰ってますし……おっと、そうだ。静馬」
「ん?」
「そこで倒れていたサイボーグ、こっちで回収しましたから」
「サイボーグって……風撃か? どうしてまた」
「たまたま見かけたので、一応治療しておきました。あとはこっちに任せておいてください」
「そりゃ、そうしてくれるとありがたいけど……どうしてわざわざ」
「暇つぶしですよ。大した怪我じゃないですし。ま、機械化されすぎてこれじゃ故障と呼ぶべきですがね……では、私はこれで」
「……さて、火もだいぶ鎮火してきたけど、どうしようか」
「まずLE本社に帰ろうぜ……外壁半分くらい吹き飛んで、中も酷いもんだがな」
「えー!? そんなになっちまったのか!?」
「命が助かっただけありがたいと思いなさい……ていうか、結局あなた誰にとっ捕まってたんですか?」
「わからん……風撃でも氷結でもなかったし、見たことない顔だった」
「まあ、静馬が知ってる奴がタクティカルレッド総員じゃないし、新しく入った奴かもね」
「しかし、そいつは何がしたかったのか……結局出てこなかったし、援護したわけでもない。静馬を拘束して、偽の電話をかけただけではないか」
「まあおかげでなんかグダグダになっちまったがな……いてて」
「お、起きたかフォルト」
「起きたかじゃねえや。あいつはどうした」
「とっくに帰っちゃったわよ、あんたに殺されたくないだろうしね」
「あのイカレ頭……全然変わんねえな」
「やれやれ……とにかく戻りましょう。こんなとこいつまでもいたって仕方ないですよ」
「……ふう、ま、こんなもんですかね。せっかく手助けしてやったというのに、正直言って拍子ぬけです」
「何が拍子ぬけだよ。やったの静馬誘拐して電話かけただけじゃぎふうううううううぅ!」
「八年経っても長く喋れないのは相変わらずですね……舌噛み過ぎですよ」
「うう……うるさい。てか、何がしたかったんだ」
「別に……順番が遅いものでね。その間何もしないのも退屈ですから、ま、ほんの暇つぶしですよ」
「いい迷惑だな……まあ、あいつらが相手だしな」
「元よりお遊戯……命がけのゲームに過ぎない。特に、あいつらにとっては」
「しかし、また十六将軍が減ってしまった……まだ補充し切れてなぐぎゃあああああああああああああ!!」
「またですか……とりあえず、風撃将軍には補給の当てがあるからいいでしょ」
「うう……え、あいつ出すの?」
「背に腹は、ってことですよ。ま、あの男の相手には絶好ですからね、あいつは……」
つづく
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