Last Esperanzars

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紫静馬

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サジタリウス~神の遊戯~


プロローグ 崩壊の序章


第1話 その出会い、運命にあらず


第2話 日常(地獄)の喪失


第3話 神の矢 来る(前編)


後編


第4話 鏡映しの悪魔


第5話 野犬達の咆哮


第6話 放浪者達の邂逅(前編)


後編


第7話 好奇と狂気(前編)


後編


第8話 小悪魔賛歌


第9話 信奉者達


GIGANTOMACHIA


GIGANTOMACHIA設定


麒麟キャラ、ロボット紹介


戦姫キャラ、ロボット設定


巨神戦車・駆け抜ける咆哮


プロローグ 亡霊達の夢


第一話 地より這い出し亡霊(前編)


後編


第二話・刻まれぬ英雄伝


中編


後編


巨神戦姫ブレイブノルン


プロローグ 未来を告げる神話


第一話・目覚めるは女神なり(前編)


後編


第二話・決意、紅く燃えて


後編


SS-50


濡れたベール


座敷わらしは大喰らい


擬人化シリーズ


汚れなき咎人


想いは雪に埋もれて


消し屋


自傷碧


赤いスカート


後編


LE社員紹介


新訳サジタリウス1


新訳サジタリウス2


新訳サジタリウス3


新訳サジタリウス4


新訳サジタリウス5


新訳サジタリウス6


新訳サジタリウス7


新訳サジタリウス8


新訳サジタリウス9


新訳サジタリウス10


新訳サジタリウス11


新訳サジタリウス12


新訳サジタリウス13


スーパーロボット大戦B


第一話 蝶はただ地を進む


第二話 アポトーシスXII


第三話 神が望みし戦い


後編


第四話 風速四十メートル


後編


楽園のサジタリウス3


楽園のサジタリウス3 二


楽園のサジタリウス3 三


楽園のサジタリウス3 四


楽園のサジタリウス3 五


楽園のサジタリウス3 六


楽園のサジタリウス3 七


楽園のサジタリウス3 八


楽園のサジタリウス3 九


楽園のサジタリウス3 十


楽園のサジタリウス3 十一


楽園のサジタリウス3 十二


楽園のサジタリウス3 十三


楽園のサジタリウス3 十四


楽園のサジタリウス3 十五


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2010.02.16
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カテゴリ: SS

さうんどおんりー「……剣とは、何のためにあると思う?」

さうんどおんりー「何の、ため? それは勿論、人々を、国を守るために……」

さうんどおんりー「ふふ、優等生らしい解答だな。しかし、だったらその解答が矛盾してることにも気づいてるんじゃないか?」

さうんどおんりー「…………」

さうんどおんりー「お前が色々悩んでるのもわかる。でも、何も解答は必要ないんじゃないか?」

さうんどおんりー「え?」

さうんどおんりー「優等生だなやっぱり。頭だけで結論を急ごうとする。そこまで急くこともないさ。周りと自分を見つめなおせ。拙速で物事を推し進めようとするな。本当に必要なのは間違えないことでも、決断することでもない。自分が満足する答えに、どんなものでもたどり着くことだ」

さうんどおんりー「……では、一つお聞かせください」

さうんどおんりー「なんだ?」

さうんどおんりー「貴方は……どうして剣を振るうのですか?」

さうんどおんりー「おっと……改めて話すのは恥ずかしいな。まあ、使い古された言葉だが、これが私の唯一の理由だよ」

さうんどおんりー「貴族が貴族たる理由を示せ――それだけさ」

「……う、うう……ん、ここは……」

「ど、洞窟!? どうして私がこのようなところに……あ」

「そうだった……クリス殿かの地図を頼りにここまで来て、うっかり足を滑らせたんだ……なんて間抜けな」

「ううむ……ずいぶん滑り落ちたようだな。これを昇っていくのは無理だ。しょうがない。道は続いているようだし、歩くか。しかし、クリス殿もよくもまあこんな山奥に封印したものだ。まあ、『魔剣』がそんな危険なものだとすれば、これでも足りんくらいなのかもしれんが……」

『……山奥の廃棄された研究施設? そんなところにあるのですか?』

クリス『ええ。昔あそこに知り合いが勤めていてね、閉鎖されたけど設備は残ってるから、そこに置いといたの。ちょっとやばい研究してたらしくて、機密性と防犯は十分だから』

『どうしてそんなところに……処分してしまえば済んだでしょうに』

クリス『そうね、言ってみれば、私もカードが欲しかったというとこかしら』

『カード?』

クリス『あの『魔剣』は存在自体が戦術兵器そのもの。『魔剣』自体の力だけじゃなく、フォルトにすら扱えなかったという事実がね。だからこそ、廃棄するか所有しておくか戦いの後ずいぶん揉めたのよ。私が預かっておく形にしたけど、フォルトは廃棄したものだとばかり思ってるし。……でもね』

『?』

クリス『必要だと思ってたから処分しなかったの。正直、あの頃はフォルトの奴すぐに死ぬと決めつけてたから』

『な!? 何故そんなことを……あ』

クリス『そ。あいつの持病、相当悪かったからね。ビリーの腕を甘く見てたわけじゃないけど、八年経ってピンピンしてるのが今でも信じられないわ。……ま、ピンピンってわけじゃないんでしょうけど』

『なるほど。つまりフォルトが倒れた時のために『魔剣』をとっておく必要があると思い、こっそり隠していたわけですか』

クリス『まあ、それもあるけど……どちらにしろ、私には扱えないから手元に置く意味がなかったの。だから安全そうな場所に隠していたわけ。それを拾いに行くなら、地図あげるけど、本当に行く気?』

『はい。覚悟は先ほど申し上げた通りです』

クリス『わかってる。もう何も言わないわ。ちょっと待ってね、たしかこっちに……あ』

『ど、どうかしましたか?』

クリス『なんでもないわ。ちょっと目の調子が悪いみたい』

『目? その目は……』

クリス『……義眼よ。八年前の戦いで一頓着あってね。まあ、アナライズツールも兼ねてるから便利なんだけど、精密機械は華奢でいけないわね。あった、これよ』

『ありがとうございます。それでは……』

クリス『待って、やっぱり一つだけ聞かせてもらっていい?』

『――はい、なんでしょう』

クリス『どうして貴方は、そこまで覚悟できるの?』

『――覚悟など、していないのかもしれません』

クリス『え?』

『正直、自分もその解答を抱いていません。ですが、私の師はこう申してくれました』

『貴族が貴族たる理由を示せ――剣の本分、その身で果たせ、と』

つづく






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最終更新日  2010.02.17 00:00:19
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