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「……面白い。私に楯突くか」
「ならば、ここでは狭すぎるな。もう少し広くしよう」
「なに?」
「ふんっ!」
ゴゴゴゴゴ……
「な、地震? 違う、これは……うわあああああああぁ!」
「く、くそっ。何が起こったんだ? 突然研究所が崩れて……」
「ほう、生きていたか。それを持ち得るだけの力量はあるみたいだな」
「貴様の仕業か! いったい何をした!」
「このグレッド・スコーニルが岩石将軍と呼ばれる理由をお教えしよう。この両腕に組み込まれたナノマシンは無機物を自在にコントロールできる。もっとも、技術力不足で直接ふれたものに限るがな」
「な!? まさか、最近多発している地震は貴様の仕業か!?」
「いかにも。昔はここまでの力はなかったが、八年という年月にバージョンアップしていったので腕試しも兼ねてな。おかげで完全にコントロールできるよ。こんな風にな!」
ビュン! ビュン!
「ぬおっ! 瓦礫が飛んできた!?」
「これぐらいは余裕だよ。ほらほらほら!」
「舐めるなぁ!」
ブオォン!
「な!? 光の刃で瓦礫を消滅させた!?」
「この剣は元々貴様のだろう? ならば何故驚く。――貴様ひょっとして、その両腕の力で遠隔操作してたんじゃあるまいな?」
「ぐっ……!」
「愚かな……だったらこの剣の思いが理解できなくて当然だ。それを自らの剣とは笑わせる」
「ええい、わけのわからんことをゴチャゴチャと! ならば、これでどうだ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
「くっ! また地震か!」
「今度は先ほどのようにぬるくはないぞ! 地に割かれ土に埋もれ、魔剣と共に大地の糧となるがいい!」
「負けるか! うおおおおおおおおおっ!」
ブオオオォォォ!
「う、浮いた!? 発生した光があいつを包んで、地面から――馬鹿な、ディスプにそんな力があったのか!?」
「と、ぬおっと!」
「空中浮遊は制御が難しいな……仕方がない。慣れるまで使えんなこれは」
「……なるほど。どうやら私は貴様を、貴様とディスプを甘く見ていたようだ」
「ディスプではない、オブリージュだ」
「どちらでも構わん。ならば、この岩石将軍、全力を持って立ち向かおう!」
ゴゴゴゴゴ……
「なんだ、また地震か? 性懲りもなく……」
ゴゴゴゴゴ、ベキィ!
「!? 瓦礫が、奴の手に集まって……巨大な腕に!?」
「これが私の全力……かつてその魔剣を操った巨人族を思わせる異形の腕。故にこう通称された――」
「『握殺巨腕(パンツァーギガンテス)』!!」
「ちいぃ!」
グシャアァ!!
「な、なんという威力……これが奴の力か」
「驚いている暇があるのか? おおおおぉ!」
「なんの!」
ザシュ!
「ふん、所詮はただの瓦礫、このオブリージュなら断ち斬ることなど容易……ん!?」
「はぁっ!」
「さ、再生した!? ――そうか、元はただの瓦礫なんだから、斬っても意味がないのか」
「ならば、根元を断つのみ!」
「させるかぁ!」
オオォン!
「せいっ! せりゃ! くそっ、キリがない」
「やはり、距離を詰めて一気に仕留める! うおおおぉ!」
「――かかった!」
「……なに!? 腕が、二股に……!」
バキィ!
つづく
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