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「疑似メモリとガジェットの設計図が事務所に送られてた。おそらくはシュラウド……いったい何者なんだろう。とにかくフィリップは作ってみることに」
「そこに、感動小説に泣きじゃくっていた亜樹子の元へ少女がやってくる。人形の声を聞いてとばかり言って、住所が書かれたメモを渡した。人形を取り返せってことか?……あれ、消えた!?」
「とにかく、書かれている住所に行ってみましょう。調べてみるとそこは文芸評論家の家で、どこかから送られてきた可愛らしい人形が確かにありました。依頼達成ですかね。あ、この本亜樹子がボロ泣きしてた『少女と人形の家』という小説。でもこの評論家は無茶苦茶に貶してますね。……え? 人形がありませんよ。どこいっ……た」
「うわああああああああぁ!! 人形が動いて襲いかかってるぅ!! しかも顔ものすごく怖くなってるし!!」
「評論家はベランダから叩き落とされてしまった。幸い命は助かったが……人形は元通り箱に収まっている。な、何が起こったんだ?」
「で、警察に通報するも翔太郎すら信じてくれません。まあ人形が襲いかかったじゃなあ。身の潔白を晴らそうとメモに書かれてあるもう一つの家へ。ってまた襲いかかってるぞ人形!」
「いや安心しろ所詮人形だ、そんな強くない。亜樹子でも戦え……照井!? よし、アクセルに変身して化け物人形を仕留めちまえ!」
「でもこいつ、力は強くないけどかなりトリッキーですよ。あんな身なりで車を操ったり小細工が効きます。結局逃げられちゃいました」
「実は、似たような事件が前にもあったんだって。じゃあ、犯人はあの呪いの人形? ――え、ドーパントだって?」
「襲われた人たちの共通点は、皆『少女と人形の家』を酷評していたこと。なら犯人は作者の堀之内? しかしガイアメモリとはいえ成人男性があんな小柄になれるものか」
「いや、堀之内の娘かもしれん。著者近影にある娘利香子は事務所に来たリコそのものだ。堀之内が娘にガイアメモリを使わせ襲わせたなら、あの背丈も納得がいく。十代のガキが使ってやばかったんだ、あんな子供じゃどうなるかわからん。一刻も早く助けねば、って、翔太郎さっき亜樹子を信じなかった件で嫌われちまった。照井と捜査に行くことに」
「しかし奴が犯人という証拠はない。ならば、堀之内をわざと貶してこちらを狙って来るよう仕向けるか。これで堀之内がリアクションを取れば……あれ、リコがまた現れたぞ」
「よし、保護してもらいましょう。ってまた人形の声を聞いてですか。意味がわから……あ、また消えた。いったいなんなんですかあの子は?」
「なんか照井に亜樹子を奪われた感じがする翔太郎。そこに……ってまた現れたよ人形! 罠にかかったということだね、変身!」
「力は大したことないから、Wとアクセルが組めば余裕……ああっ! トリガーマグナムが奪われた! おのれなんという奴だ!」
「厄介だ、一気にケリをつける! アクセルグランツァーでメモリブレイクだ! よし、やった……ん!?」
「メモリが排出されない!? こいつは堀之内の娘じゃない、ただの人形だ。てことは、犯人は人形のドーパントじゃなくて、人形を操る遠隔操作型のドーパントということか」
「いました、人形使い。やっぱり堀之内です。とにかくリコちやんじゃなくてよかった……あれ? またあの声ですよ。しかもこれ……人形から聞こえません?」
「で、お前はどう思ってるんだ?」
「考え方はいくつかある。まず一つに、堀之内の娘はとっくに死んでるんじゃないか?」
「え?」
「つまり、本物の堀之内の娘は死んでいて、その娘をモデルに描いた小説を酷評され激怒した堀之内は復讐に走った。しかし娘はそれに耐えきれず、幽霊として人形に取りついて亜樹子の元へ現れたということだな。幽霊ネタはヴァイラスの回でやってるからあり得なくない。これが順当だな」
「でも堀之内の娘は『利香子』という名前なんですよ? なのにその幽霊が『リコ』と名乗るのは変じゃないですか。……ひょっとしたら人形に取りついた霊じゃなく、人形そのものなんじゃないですかね」
「なんだと?」
「ガイアメモリが精神に作用する力を持つことはわかっています。では、ドーパントの力に晒された人形が、その影響で自我を会得したんじゃないですかね。あれは利香子ちゃんの遺品かなにかで、その人形の名が『リコ』なら、全て説明がつきます」
「――その説の変形でもう一つ。堀之内に娘なんか最初からいない」
「え、えぇ?」
「著者近影に映っていたのは別れた奥さんに連れられた娘かあるいはまったくの他人か、とにかく堀之内に娘はいない。あの小説は娘がいるという美化された妄想だけで描いた代物だ。酷評した四人はそれに気付いたんじゃないか? それが原因で襲われた。あのリコという人形は娘がいるという妄想の小道具に使われたもので、それが積み重なっていくうちに自我を会得した――どうだ?」
「いや――面白くはあるけど、それは深読みしすぎじゃないのか? ヴァイラスと同じく妄想しすぎ」
「だといいけど……第三はともかく第一第二が怪しいな。LEの推理はとりあえずこれで」
現実VS虚構(ニッポンVSゴジラ) 2016.08.31
レビュー企画 相棒Legend12 2015.09.20
レビュー企画 相棒Legend11 2015.07.28
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