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個人的な感想だが、『仮面ライダーW』は平成ライダーが失ってしまったものを取り戻した作品だと思っている。
平成ライダー最大の魅力は、そのリアルな人間たちを描いた大人にも受ける高いドラマ性だと思う。『クウガ』から始まったこのスタンスは様々な人間模様を描いて子供のみならず一般の人たちからも評価されるようになっていった。このストーリー性こそが十年続いた平成ライダーシリーズの人気の根幹であることは勿論、否定もしないし表彰されて然るべきだ。
しかし、そういったリアル路線を進んで行くうちに『仮面ライダー』が単なる看板というか、名前だけになってしまった感がある。仮面ライダーの名を冠さないライダーは勿論、劇中でライダーと呼ばれる者も特に理由があって呼ばれているわけではない。本当にただ付いているだけである。
さらに、アギトや龍騎から始まった『悪のライダー』がこれに拍車をかける。かつてなら怪人が行うであろう非道を平気でやる仮面ライダー、自分の欲望のため戦うライダーなど、人間間のドロドロとした部分を浮き彫りにさせたライダー同士の戦い。無論これこそ平成ライダー最大の魅力のうち一つではあるものの、いつの間にか『仮面ライダー=正義の味方』という概念は薄れ、変身ヒーロー物から『ヒーロー』が抜けてしまったような気がする。確かに他のライダーにだって正義のため戦うライダーはいた。しかしそれは個人的な正義感であり、『仮面ライダー』としてではなかったのだ。
しかしWは『仮面ライダー』の名を背負い、平和を守る戦士の『称号』として大事にしたのがよかった。愛する街の人たちが付けてくれた称号として誇りに思い、期待と信頼を一身に背負って街のため戦う。そして、その名前を堕としめる輩には怒りを露わにし、街を泣かせるものに『ライダー』の名を使わせることを決して許さなかった。そうなのだ。正義の称号とはみだりに使ってはいけないのだ。
『仮面ライダーW』は、私にとってドラマ性や大人にも見応えあるストーリーの中でとうに忘れてしまっていた、『仮面ライダー』が自由と平和のために戦うヒーローであることを思い出させてくれた作品である。
「なんか、これ以上ないくらいベタボメですね」
「うわっ! いたのか麻紀」
「ずいぶん気に入ったことで……ここ数年のライダーでお前が面白かったって言ったのこれぐらいじゃねえか?」
「てか、ライダー自体全部見るのカブトからディケイドまでやってなかったからな……うむ。素晴らしかった。過去の平成ライダー否定する気ないけど、ライダーって正義の味方であって欲しいのよ俺にとっては」
「OOOはどうなるのかねえ……スタッフまた元通りみたいだけど」
「個人的にはこのスタンス続けてほしいなあ。ライダー同士の殺し合いはもういいよ。でもなあ……また脚本あの二人か。響鬼から電王、キバ飛ばしてディケイド好きくなかった身としては全然期待が持てない俺がいる。神と駄作の差が激しいんだよ」
「そう言ってやるな。贅沢言っても始まらんだろう。もうWは終わってしまったんだし……」
「――いいや、まだだ」
「え?」
「ええ、まだです」
「まだ――Wは終わっていない」
「MOVIE大戦2011、上映決定!」
「いやあ十周年記念だけと思ってたが、定番になったか! こりゃ嬉しい限りだ!」
「しかし、本編は完結してるのに、どういったストーリー展開になるんだ?」
「一つ片付いてない問題あるんでしょ? 最後の最後でポッと出てきたあの連中」
「財団X、か」
「財団Xが敵かはわかんないけどな。劇場版がラストなディケイドと違うから、あくまでOOO主役でWはゲストみたいなもんかもしれないし。とにかく楽しみだ!」
個人的に、平成ライダー最高傑作だと思ってます。楽しい一年間だった。
次回作OOO、第一話見た時点ではなかなか楽しそうです。果たしてW越えはなるのか
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