全3件 (3件中 1-3件目)
1
<長い一日の始まり> 内閣総理大臣執務室この部屋は、日頃無駄に広く感じられる。 おまけに今日は、あの革張りの大きなソファ-のセットも何処に追いやられたのか見当たらない。それなのにこの窮屈なことは、不快を覚えるほどだ。なにしろ一番大きなデスクに腰を掛け、通訳を介して友好国の首脳と話をしているらしい総理の姿さえ、デスクを囲む閣僚たちや自衛隊の幹部と思われる制服組の男たちの背中に遮られていてほとんど見えないのだ。この部屋を狭くしているのは、彼らだけではない。総理の指示により、運び込まれたテーブル、その上にパソコン、プリンター、電話、そしてキーボードを叩いて情報を集めそれらを次々にプリントアウトする事務官たち。総理の傍には、数人の通訳たちが並んでいて、総理が電話を切り次の国名を告げる度に、役目を終え引き下がる通訳に替わって前に進み出る。 「いや、それは認められない。私が知り得たこの情報は全世界の人々に知る権利がある。しかも、同時でなければならない。直接見たければ、日本時間で明日の正午・・・今から17時間後、富士山の裾野にご案内しましょう。それまでに私は国連加盟国だけでも192・・・貴国を除くので191ヶ国に報せなければなりません。大統領、貴国および友好国で衛星を保有するお国には是非にもご協力をお願いしたいのです!・・・・・そうですか、感謝します!あなたには、ロシアとイギリスに協力を要請していただき、さらに両国からヨーロッパ諸国へ、私はアジア諸国、オーストラリアなどに働きかけます・・・・・そうです、日本時間で明日の正午丁度に皆既日食が富士山の裾野で始まります。彼らにもし悪意があったとしたら私一人の命では責任を取ることはできませんので大使にお出で願えればと・・・・・はい、こちらからお迎えにあがります・・・・・ありがとうございます!よろしくお願いいたします」最重要友好国でありながら、世界一の大国であるアメリカに協力を得るには、特別な配慮が必要だ。前田総理は最初の1国目との交渉を終えた時点で大きく息を吐き、一度自らの椅子に腰を深く沈めた。
2010.04.29
コメント(4)
20日ぶりに書き始めることができました。しばらくは無理だと思っていたのですが・・・ 誰かが後押ししてくれた・・・そんな気がします。 < 総理、多忙を極める > 首相官邸・・・ 一国の首相が、二日もの間行方知れずとなったままであることを嗅ぎつけ集まった報道陣をS・Pに護られて、かきわけるように官邸内に入りながら前田首相は、彼を出迎えた秘書官らしき人物に、そして官邸警備の警官隊に押し返されながらも、必死にくい下がる報道陣たちにも聞こえるような声で言った。 「官邸内および周辺の道路に厳戒態勢を布く、ただちに実行しなさい!」 当然ながら報道陣の追及は過熱するが、何時の間にか現れた機動隊によって、彼らは一人残らず門外に追い出された。 それから約30分後 内閣総理大臣執務室の分厚いドアを開けて、一人の男が廊下に出てくる。ドアの脇に立っていたS・Pが二人、鋭い視線を男に浴びせるが、男は彼らに一瞥も与えないまま、執務室内にむかって一礼するとドアを閉め廊下を歩き始めた。 彼の名は早見 佑介(はやみ ゆうすけ)、前田総理がもっとも信頼する内閣総理大臣補佐官である。早見はさきほど総理から受けた命令を、まるで脳裏に焼き付けるかのように思い返していた。 「総理は、『20時間以内に手配を終えろ』と仰った。『その4時間後に事が起きるからな、頼んだよ、私は君を信頼しているよ』とも・・・」早見はスーツの左胸あたりを手で押さえた。さきほど執務室で総理自身から手渡されたB5サイズのコピー用紙を四つ折りにして内ポケットに入れてあるのだ。彼の歩みが力強く、そして速くなった。早見 佑介の腹が決まった証しなのである。
2010.04.19
コメント(0)
今日は、小説の更新ではなく、逝ってしまった親友に届けたい想いを書いてみました・・・届くかな? 「 涙の理由・・・ 」 立ちつくす理由は 一本の電話 「あいつの笑顔がもう・・・見れなくなった」 別れの切なさは・・・ 音より早く伝わることを知り 一足遅れて思い出させる 出会った頃のあいつの笑顔・・・ 胸の中で 温かい想いと切なさが交錯し、瞬時に満ちてゆくそれでも収まりきれない 温かい想いと切なさとが、涙となって溢れるのだろうか これは、もう、どうしようもない・・・ 涙 枯れるまで・・・
2010.04.11
コメント(2)
全3件 (3件中 1-3件目)
1


![]()