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2023年06月02日
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テーマ: ロシア(99)
カテゴリ: 中国、台湾
 中華思想の国である国中国は、基本的に文治の国、国民性だ。
     ​
 1979年に中国・人民解放軍がベトナムの国境3カ所から攻勢を仕掛けた。中越戦争が始まった。
 開戦理由の建前は、領土紛争をめぐって起こった事件への制裁。根底には中国の支援を得ていたクメール・ルージュを崩壊させる為にカンボジアに進攻したベトナムに対する制裁だった。
 1979年1月1日、人民解放軍は56万人の兵隊をベトナム国境に集結し威圧を開始。2月15日、中国共産党の中央委員会・鄧小平副主席は「同盟国カンボジアへの侵攻と同国内の中国系華人の追放」を理由として、「ベトナムに対する懲罰的軍事行動」を正式発表し、宣戦布告した。
 ランソンを中国軍が占領した3月5日、カンボジア方面に展開中だったベトナム軍主力が合流し、ハノイ郊外の巨大陣地に5個師団が加わった。ベトナム軍主力と軍事衝突すれば、野戦軍のさらなる被害増大と占領地の維持が危うくなることから、中国共産党中央軍事委員会は撤退を決定。
 3月6日の「ベトナムへの軍事的懲罰の完了」宣言とともに、中国軍に対し撤退を命じた。
 3月16日までに人民解放軍はベトナム領から撤退した。中越双方が勝利宣言したが、中国は小国ベトナムに勝てなかったということだ。
     ​
 指揮命令系統の崩壊が多く、得意の人海戦術でベトナムを圧倒できなかった中国は、人民解放軍の近代化を最優先の国家目標として推進した。
 国産ではあるが現代的な装備を備えた現在の人民解放軍ではあるが、諸兵科を統合的に指揮・運用できる体制になったという話は聞いたことがない。諜報活動の得意な中国の人民解放軍は、情報と指揮の統合で最も先進的であると考えられている米軍から十分に知識を得て、密かに指揮統制、組織体系に反映しているのだろうか。
     ​
 下記記事の筆者の見解通り、いまだにロシア軍を基盤としているとするならば、統合された兵科運用はなされていないことになる。
 では脅威ではないかというと、人命の犠牲を恐れない人海戦術の脅威は、ウクライナ侵略戦争でみられる通りだ。
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「またやってる…」それこそが中国軍の“真の狙い”!
【元・陸上自衛隊幹部学校長が解説】
幻冬舎ゴールドオンライン / 2023年5月20日 11時15分
  …  (略)  …
中国は本当に脅威なのか?
 一方、軍事的脅威は、一般的に国家の主権、領土の一体性及び独立を侵害しようとする外国の「意図」と「能力」によって測られる。
 もし、ある国が他国を侵略する悪意ある意図を持っていても、その能力(軍事力)が伴っていなければ必ずしも「脅威」とは言い切れない。他方、ある国が軍事大国といわれる能力があっても、侵略する意図がなければ、同じく「脅威」とは見なされない。
 このように、脅威の概念は、「意図」と「能力」の相乗積によって測られ、その二つが結びついた時に初めて脅威の顕在化として明確に認識されるものである。
     ​
 では、中国は脅威か?  中国は言うまでもなく、日本にとっても、また台湾にとっても明らかな脅威である。しかし、その脅威が直ちに侵略の形で現実化するかどうかについては、冷静かつ慎重な判断が求められる。
 なぜならば、中国は、尖閣諸島と台湾を自国の領土であると一方的に主張し、それを奪取し統一する意図を繰り返し宣明すると同時に、猛烈な勢いで軍事力を強化しているが、果たして真にその能力(実力)を備えているか否かは依然不透明・不確実であるからだ。
 能力には、ハードウェアとソフトウェアの両面がある。兵器や装備に代表されるハードウェアは、比較的計測し易いが、それとて、軍事大国・核大国のロシア軍がウクライナ戦争において「世界が思っていたような強力な軍隊ではなかった」と酷評されているように、その正確な判断は難しい。
 戦略(strategy)や作戦術(operationalart)・戦術(tactics)、教育訓練と部隊の練度、統合作戦、兵站(後方支援)、団結・規律・士気、将校や兵士の質などのソフトウェアに係わる能力の判断はさらに困難を極めるのは間違いない。
 ましてや、中国軍が尖閣諸島を焦点とする南西地域や台湾に侵攻するには、過去に経験したことのない東シナ海や台湾海峡、南シナ海を越えた着上陸(水陸両用)作戦の遂行に依拠しなければならないからだ。
 …  (略)  …
     ​
中国軍は「ソ連型の軍隊」
 翻って、中国人民解放軍(中国軍)は、いうなれば「ソ連型の軍隊」である。ソ連軍(ロシア軍)と中国軍は共産主義革命軍としての共通項を持ち、その中で、中国人民解放軍(中国軍)はソ連の支援を受け、ソ連軍の組織、兵器・装備、戦い方、指揮統制、教育訓練、人事制度などに学びつつソ連軍をモデルに建設してきた歴史がある。
 今日においても、中露は「包括的・戦略的協力パートナーシップ」を確立し、それを基盤として中国軍は、ロシアから戦闘機や駆逐艦、潜水艦など近代的な兵器・装備を購入し、定期的な軍高官などの往来に加え、共同訓練・演習など行い、ロシア製兵器の運用方法や実戦経験を有するロシア軍の作戦教義などの学習を通じて、いわゆる相互運用性(interoperability)を向上させている。
 つまり、中国軍は、世界の中で、最もロシア軍と類似的特性を共有している軍隊の一つである、と言うことができる。
  ―  引用終り  ―
     ​
 9月18日、米軍の船団よりM115 8インチ榴弾砲が金門島の中華民国軍に直接提供され、9月26日以降、中華民国軍は対岸のアモイの大嶝、二嶝の中国人民解放軍砲兵陣地を攻撃し大きなダメージを与えた。
 人民解放軍は、10月5日「人道的な見地より金門への砲撃を7日間停止し中華民国軍船舶による補給を許可する」と発表、10月13日、再度2週間の攻撃中止を発表、中国人民解放軍の作戦は転換した。10月28日、中国人民解放軍は隔日攻撃の方針を発表し、戦闘は次第に終息化していった。
 人民解放軍は470,000発の砲弾をもってしても金門島を攻略できなかった。
     ​
 中国政府と人民解放軍はウクライナ侵略戦争のロシアの失敗から、有用な戦訓を学んだのだろうか。
 ロシアは民間軍事会社や囚人兵を使った力業、人海戦術で現代戦を乗り切ることができなかった。ウクライナの戦略・戦術の巧みさと、湾岸戦争に続いて欧米の兵器の優秀さが改めて示された。
 ちゃんと学んでいれば、中国・人民解放軍は台湾侵略戦争を始める前に、兵器・兵科を統合的に運用できるよう全面的な見直しを始めるはずだ。
 運用できない空母、墜落の多い戦闘機、所在が明らかな潜水艦などの使えそうもない兵器類の見直しとともに。
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 中国侵略・満州国建国で見事日米開戦に導かれた帝国陸軍ばりに意気盛んな人民解放軍は、大したことは学んでいないと思われる。日ごろは計算高い中国人だが、毛沢東のように自分の影響力の確保と共産党の大義のためなら人民の命を毛ほども煩わない独裁者ではないと習金平主席を断定できないことと合わせて中国の存在は大きな脅威だ。
 外交面で先進国のルールに沿った運営をできない中国は、非民主的な国々を糾合して、先進国に向かって吠える。相手が弱いと思えば、威圧にかかる。
     ​​ ​​
2023年5月20日 時事通信
 中国外務省は20日夜、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の首脳声明などに反発する報道官コメントを発表した。「G7は中国を中傷し、内政に乱暴に干渉している」として、「強烈な不満と断固とした反対」を表明。日本に「厳正な申し入れ」をしたという。
 G7による台湾海峡や中国の人権問題、経済的威圧や核戦力の不透明さなどについての言及に反論。「西側の少数の先進国が世界情勢を動かす時代は終わった」「排他的な小サークルを形成し、他国を抑圧するのをやめよ」などと強い言葉で非難した。
  ―  引用終り  ―
     ​
 中国が本気なら、米国に抗議するはずだ。自国の経済の基盤、欧米の市場を切り崩しながら、中国政府と中国共産党の機関である人民解放軍による小日本への威嚇・威圧行為は続く。





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最終更新日  2023年06月02日 06時00分11秒
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