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2023年10月12日
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テーマ: 中国&台湾(3292)
カテゴリ: 中国、台湾
 2023年7月31日、中国指数研究院は、売上上位100位内の不動産開発大手の売上総額は前年同月比で34.1%減。前月比で33.8%減と発表した。
 8月11日、中国人民銀行(中央銀行)は、7月の新規人民元建て銀行融資は3459億元(478億ドル)で、6月の3兆0500億元からは89%減と発表した。
 中国政府の思惑通り、不動産バブルは崩壊しつつある。
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 2023年7月17日に発表された2021年と2022年の通期決算によれば、2年間の純損失は単純合計で8120億3000万元(約15兆7021億円)。2022年末時点の総負債は約2兆4400億元(約47兆1818億円)。
 9月16日、中国・深圳市公安局は、経営再建中の不動産大手、恒大集団傘下の資産管理会社、恒大財富(エバーグランデ・ウェルス)の社員の身柄を拘束したことを発表した。2021年9月上旬、恒大財富の違法経営が改めて摘発され、すべての理財商品(高利回り商品)の元本の償還を停止したことから、全国各地で債権者の抗議行動が起きていた。
 9月25日、恒大集団の夏海鈞・元最高経営責任者(CEO)と潘大栄・元最高財務責任者(CFO)が当局に拘束されたことが報じられた。
 同日、当局からの調査を受けているため、新規債券の発行はできないと発表した。香港市場での株価が25%暴落した。
 9月28日、恒大集団の創業者・許家印会長が法律違反の疑いで当局から「強制措置」を受けていると恒大集団が発表した。
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 債務超過が明らかとなり、業績回復も見込みのない恒大集団であるが、香港市場での株式の取引は再開された。
 中国では、民間企業の破綻・再生に関する法令の整備がない。破綻する民間企業の経営者は犯罪者として処罰されると聞く。
習近平政権が怒りの創業者会長拘束で
巨額損失発生の破綻処理は必至
2023/10/3 現代ビジネス
 9月28日、中国不動産開発大手の恒大集団は、創業者の許家印会長が法律違反の疑いで当局から「強制措置」を受けていると発表した。それに先立って25日、中国メディア財新は、恒大集団の夏海鈞・元最高経営責任者(CEO)と潘大栄・元最高財務責任者(CFO)が当局に拘束されたとも報じた。
 これで政府当局はいっせいに、恒大集団の最高経営陣に捜査・摘発などの法的措置をとることに踏み切ることとなったが、それでは恒大集団に残された債務再建・再生のわずかな可能性は完全に潰され、中国屈指の開発大手は事実上の「死刑宣告」を受けた。そして恒大集団が背負う47兆円債務のうち、少なくとも11兆6000億円の超過債務分の返済はほとんど不可能となったわけである。 
  …  (略)  …
     ​
NYでの破産申請はなにを狙ったものなのか
 ここまでの恒大集団を含めて、自らの不祥事や危機的状況をできるだけ隠蔽して延命を図るというのが中国国内企業の一貫としたやり方であるが、今回に限り、恒大集団が当局から調査を受けていることや許会長拘束の一件を迅速にかつ素直に発表したのはいかにも不可思議なことで、まさに謎である。
 その謎解きの鍵の一つが、恒大集団が8月17日、ニューヨークで破産を申請した事実にあるのではないかと思う。
 恒大集団はニューヨークのマンハッタン地区連邦破産裁判所に対し、連邦破産法第15条の適用を申請したが、この条項の適用によって、米国籍以外の企業、すなわち恒大集団は、米国内の資産を保護する目的で資産の強制的な差し押さえなどを回避できるのである。
 そうなると、ここで出てくる可能性の一つはすなわち、恒大集団は今まで、かなりの資産を米国に移しておいて、その中には許会長以下経営陣の個人資産は何らかの形で組み込まれることとなっていることである。そうなると、恒大集団本体が破産したとしても、米国にある、許会長ら経営陣の個人資産は保護されて手元に残すこととなる。
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 彼らにしてみれば恒大集団の破産はすでに織り込み済みであって、本気で再建・再生を図るつもりは毛頭ない。下手に延命を図ろうとすると逆に負債はさらに膨らみ傷が大きくなるから、早めに破産した方が良いとの判断となったのであろう。それなら、恒大集団は前述のように、自分たちの抱える不祥事や危機的状況を自ら進んで公表し、破綻を急ごうとしていることの理由は何となく分かる。
  ー  引用終わり  ー
     ​
 恒大集団が法人としてなくなった後、恒大集団に終の棲家の夢を託した中国人民をどうするかが、地方政府の大きな課題となる。
 中国最大の都市開発企業・碧桂園が破綻しても同じ課題が残る。中央政府の采配が注目される。
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デフォルト回避で綱渡りを続ける
中国不動産開発大手『碧桂園』
#木内 登英
2023/09/13 NRI
■当面のデフォルト危機をなんとか回避
 経営難に陥った中国不動産大手・碧桂園(カントリー・ガーデン)の債権者は9月11日に、同社の人民元建て債券の108億元(約2,200億円)分について、3年間の償還延長に関する投票を実施した。報道によれば、8本の債券のうち6本が承認された。
 これまでも別の人民元建て債券について、同社は返済期限を2026年まで延長する承認を債権者から取り付けていた。また5日には、ドル建て債券で延滞していた2,250万ドル(約33億円)の利払いを実施したことが、明らかになっていた。当面の債務不履行(デフォルト)危機をなんとか回避しているのである。
 ただし、今回の投票では、まだ2本の承認は確定していない。碧桂園の関連会社が発行した今年10月21日償還債と、11月3日に早期償還を要求できるプッタブル債だという。
■不動産市況が改善しない限り碧桂園の流動性危機は続く
 債権者らは、碧桂園が外部から流動性支援などを受けることなく、年内に期限を迎える債務の返済が可能な状態なのか、大いに疑問を持っている。先行き返済できる見込みがないのであれば、今の時点で返済をあきらめるはずであり、そうでないのは、政府から支援の約束を取り付けているからなのではないか、との観測も出ている。しかしそれは根拠がなく、希望的観測でしかない。
 海外の債権者からは、政府などから流動性支援を受けるか、さもなくば、破綻宣言を行い、早々に債務整理を進める方が良いとの意見も聞かれる。
  ー  引用終わり  ー
     ​
 不動産価格騰貴の解消、居住用不動産価格の下落を目指した習金平総書記の下の中国で、不動産市況が改善する見込みは全くない。





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最終更新日  2023年10月12日 06時00分12秒
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