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大好きな『時をかける少女』の監督・脚本・キャラクターデザインの面々が再び結集した最新作。前作がお気に入りなので、期待せずにはいられません。グッと来ることを予測し、大笑いするつもりでいましたが、こちらは思ったほどは切なくならず、笑いどころは減少傾向・・・。残念。恋愛に関するほのぼのとした懐かしい感覚はそのままに、とてもバーチャルな一本となっていました。 仮想都市OZが人々の日常生活に深く浸透している近未来。天才的な数学の能力を持つ内気な高校生・健二は、憧れの先輩・夏希から夏休みのアルバイトを頼まれ、彼女の田舎がある長野県の上田市を訪れる。そこに待っていたのは夏希の親戚一同、“陣内家”の面々だった。一族を束ねる曽祖母・栄の前で、夏希のフィアンセのフリをする――というのがバイトの中身!戸惑う健二に、その夜、謎の数字が書かれたメールが送られてくる。解読せずにおれない彼は見事問題を解き返送するが・・・そのせいで世界じゅうが思いがけないパニックに陥ってしまうのだった・・・!仮想都市OZが登場する冒頭から、好き嫌いがはっきり分かれてしまいそうな作品ですが、スラップスティックがお好きな方には、ドタバタと楽しめるのではないでしょうか。今、スケールの大きなSF映画を作るとしたら、隕石か核かパンデミックかハッキングか!?というところ。本作の悪はハッカー。その戦いがまたバーチャルで、ゲーム感覚フル回転で、仕舞いの戦闘は“花札”ときた日にゃさすがに驚いたけど(笑)、古き良き日本を織り込むのもいい処なわけで、結局はほのぼのしてしまった。由緒ある家柄ゆえ、曽祖母の孫たちはみんな大物とエリート。医者に消防士に自衛隊、漁師に電気屋と個性で溢れかえっています。世界を狂わすハッカーに、みんなで立ち向かう!家族を描いた物語でもあるのです。後ろ盾はもちろん曽祖母の栄さん。しかし王道を行く展開で、おばあさんの死は、なんとなく予感できてしまう・・・。主人公であるはずの健二が、途中影うすくなり、ストーリーがグダグダするあたりはもったいないです。恋愛もそっちのけになるし、観客が欲しいと感じる「間」が、少かったかなぁ。前作にはあった落ち着きと、切なさがほしい(単なる希望)。親戚一同の個性が強すぎたのかもしれませんね。仮想都市での映像はすべてCGで、その技術には脱帽です。宮崎アニメに圧倒されるのと同じ感覚の怖さが、CGなのに、ここにはありました。色彩を駆使してスケール感を出すことに成功して、圧倒的なパワーがあるのでした。前作のような、大人でもノックアウトされちゃう“いいもの”はあまりなかったけれど、2時間しっかり楽しませてもらいましたよ。カップルの多い、若い客層で、レイトショーにもかかわらず沢山人が入っていました。● ● ● ●監督/ 細田守 脚本/ 奥寺佐渡子 音楽/ 松本晃彦 声/ 神木隆之介 桜庭ななみ 谷村美月 斎藤歩 (カラー/114分)
2009.08.31
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先日、古本とビールの店『アダノンキ』で買い求めた本です。フィルムアート社から1982年刊行。中身は、映画に関するエッセイなり批評なりを、一般に公募して一冊にまとめた感じのもの。写真がそれなりに多くて、字はちっちゃいけど、当時の定評を知れる、参考になる一冊でした。Amazonに古本が出てますが、これを今更買って読もうとする人なんて、自分くらいしかいないかもしれない、、(笑)映画の噺がたくさん、しかも一般人(フルネーム・住所まで載ってる!!)の方々とは思えないような立派な文章だらけでした。自分の書いてるものが稚拙すぎて恥ずかしや。これほど巧みに自分の意見を述べられるって、すごい。少し前の雑誌は、物事に対する目線がかなりシビアで、叩くところはとことん叩き、お世辞なしだったんでしょうか。これまた先日、古い『暮らしの手帖』をお借りして読んだとき、ものすごい辛口コメントの数々に失笑したんですよね、、。ここまで意見できてた時代があったのか、と。今では、流石に見かけないと思うのですが、いかがでしょうか。この一冊のおかげで観たくなった作品といえば、デヴィッド・リンチの『エレファント・マン』。気になりつつ後回しにしてきたけれど、これは観なければ。
2009.08.29
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アイルランドのダブリン。音楽を通じて知り合った男女が、短くもかけがえない時間を共に過ごし、新しい人生のため別れていく物語。音楽映画は数あれど、心から聴かせてくれる心地良い作品は、それほど多くはないはず。私的にとてもフィーリングの合う作品だった。40がらみの主人公は、母親の死をきっかけに、ひとり暮らしの父親の元に戻り一緒に暮らしていた。ストリートで歌いながら、歌手になることを夢見て。そこに、もう一人の主人公、ビッグイシューを抱えた貧しい移民の娘が、彼の歌に導かれるように現れる。これがふたりの出会い。お互いに今はしがない暮らしでも、音楽の才能は息づいている。男の夢、イギリスでのデビューに向けて、ふたりは動き出す。ストリートで見つけた名もなき奏者たちも加わって、最高のデモテープが完成されていくのだった――。短尺の微笑ましい小品で、ふたりの演奏が素敵なのも好感持てる。男を演じたグレン・ハンサードは本業が歌手で、すごくいい声だ。彼には忘れられない人がいる。ワケありの貧乏生活をしている娘にも、遠くで暮らす夫がいる。それでも人は恋をする。この恋愛に関しては、二人ともに自制心あることがさらに好感度が呼ぶのだろうか。ついつい「泊まってく?」と声を掛けてしまった男に、素直に怒る娘。ふいに泣き出した彼女を、ただ抱きしめてあげる男。心が通じ合った後さえ、二人きりで会うことは叶わない。けして過ちを犯さないプラトニックなままのふたりには、確実に新たな人生が見え始めて、それが幸福へ向っていることを観客は感じる、そんな希望のあるラストだ。本作に音楽がなければ『恋人までの距離』か。なんとなく大好きなこの映画を思い出した。そしてラストでは、こちらも大好きな『シャンドライの恋』をふと思い出してしまう。オマージュかもしれない。● ● ● ●監督・脚本/ ジョン・カーニー 出演/ グレン・ハンサード マルケタ・イルグロヴァ ヒュー・ウォルシュ (カラー/87分)
2009.08.27
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ドラマ『時効警察』がおもしろかった三木聡監督。今度のも小ネタ満載、ゆるさ炸裂、ちょっと気持ち悪くてテンションが高い。『亀は意外と速く泳ぐ』ではなかなかに笑ったはずですが、今回はさらにシュールさを増したか、あまり笑えない。「寒い」と心で呟くこと幾度も。フリーライターの“俺”(伊勢谷)は『月刊 黒い本』の編集長から、“死にモドキ”を使って臨死体験をルポするように命令される。さっそく相棒のエンドー(松尾)とともに“死にモドキ”を探す旅に出るが、やがて、偶然出会ったリストカットマニアの女サヨコ(菊地)が彼らの旅に合流、その後も道中で奇々怪々な人物と遭遇しながら命懸けの旅は続くのだった―――。ゲロを焼いたらお好み焼きになったとか、ボウルいっぱいのイカ塩辛をひっくり返すとか・・・気持ちワルイシーンはあるものの、緩さが先に立って煮ても焼いても食えない作品。この、すべてにおいて(たぶん)意味のない出来事が、笑い意外になにかもたらすとすれば、テキトウに生きたい願望の充足かもしれない。“死”さえネタにして、やりたい放題。映画だからこそできる柔軟な遊び心は、ある意味他に類を見ない三木監督のいいところであります。いつも作品に起用する役者が、痩身だったりロン毛だったりするのは、監督自身が負けず劣らずファンキーゆえの、こだわりの所産でしょうか。最新作『インスタント沼』ではあの加瀬亮が、すごい頭になっているみたいです。あまりに遊びすぎて、だからいったいなんなのさと思っても、最後が意外と爽快だったりして、適当さ加減も嫌いではなく、なんの意味もなさない時間を過ごす脱力した時間の贅沢をふと感じたのでした。ついに“死にモドキ”を発見し、俺とエンドーが臨死体験を試みる終盤。ここまでがご都合主義のグダグダであったぶん、試した直後からの、ホラーばりの演出がおもしろかった。臨死体験中の夢なのか、はたまた本当に死んでしまったのか・・・・“俺”の運命やいかに・・・結末はご覧になってからのお楽しみ。● ● ● ●監督・脚本/ 三木聡 音楽/ 坂口修 出演/ 伊勢谷友介 松尾スズキ 菊地凛子 岩松了 ふせえり (カラー/103分)
2009.08.26
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トルンカによる長編第1作。6つのエピソードからなるオムニバスアニメで、小さな村の村人たちが繰り広げる四季折々の行事を描きます。「春」はあるけど、あとは季節というより、イエスに関する物語が続いていきました。お話のタイトルはそれぞれ「謝肉祭」「春」「聖プロコップ伝説」「巡礼」「聖名祝日」「ベツレヘム」。少年合唱団の歌声は、人形たちに情緒を与えて、澄み豊か。長編一作目とは思えない出来映え。たしかに人形の動きはぎこちなく、内容にまとまりは感じないけれど、1947年という製作年を思いながら、イジー・トルンカの歴史を辿っていくのも、たのしいのでは。晩年の作品『真夏の夜の夢』に比べると、完成度は明らかに違う。色彩の鮮やかさがまだなくて、ちょっと地味に見えてしまいます。監督・脚本/ イジー・トルンカ 音楽/ ヴァーツラフ・トロヤン (カラー/83分)
2009.08.24
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ティム・ライス作詞、アンドリュー・ロイド・ウェバー作曲で1971年にブロードウェイで初演されたロックミュージカルの映画化。監督は『ジャスティス』『夜の大捜査線』のノーマン・ジュイソン。イエスの受難という、監督曰く「いつの時代にも通じる超時間的なテーマ」を、聖書の舞台であるイスラエルの遺跡で撮影した異色な作品。出演者たちがトラックに乗ってやってきて、砂漠に小道具や衣装を運び込む場面から始まるという、ユニークな導入部が印象的でした。イエスの映画といえば、メル・ギブソン監督の『パッション』が記憶に新しいです。かなり衝撃を受けた鑑賞当時、おすすめされたのがこの『ジーザス・クライスト・スーパースター』でした。徹底的にリアリティを追及した『パッション』もいいけれど、こちらは、イエスが心を吐露するロックなミュージカルという形式がおもしろい!舞台を飛び出した、映画ならではの自由さとスケールがあります。作曲者のウェバーはこの演出が気に入らなかったそうですが、、。聖書に感じるところはなくても、ひとりの人間としてのイエスには心を動かされますね。イエスばかりじゃなく、マリアが、ユダが、ローマ皇帝が、歌で心を表現していくので間口は広い。ジーザス・クライスト(=イエス・キリスト)というだけで嫌悪してしまう人にもきっと受け入れやすいはずです。 有名な役者は出演していないようですが、歌に力がありました。当時としては斬新だったはずのダンスだけが、今ではちょっと時代を感じさせるかな。私的には、死海のほとりで裁判が開かれるシーンが好きです。この場面で使われる楽曲、どこかで聞き覚えがあると思ったら・・・「さんまのからくりテレビ」ですね! わたしだけが知らなかった(?)磔刑となるイエスの姿を見ると、自分の罪深さにふと気づかされますね。ブルーになるほどではないけど。宗教の別を超えて、人間としてすごい人だとほんとに思う。● ● ● ●監督・製作/ ノーマン・ジュイソン 原作/ ティム・ライス 脚本/ メルヴィン・ブラック ノーマン・ジュイソン 撮影/ ダグラス・スローカム 作詞/ ティム・ライス 音楽/ アンドリュー・ロイド・ウェバー アンドレ・プレヴィン ハーバート・スペンサー 出演/ テッド・ニーリー カール・アンダーソン バリー・デネン ジョシュ・モステル (カラー/106分)
2009.08.21
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夏休み最後の2日間、ルスツリゾートへ遊びに行ってきました♪札幌から1時間半くらい、中山峠を越えたらすぐの留寿都村。冬のスノーボードで行ったきり、夏の遊園地で遊ぶのは初めてです。かな~り久しぶりの絶叫マシーンが、楽しい!! 身長制限や、心臓が弱くて乗れない家人たちを尻目に、たくさん絶叫してきました!!ルスツにはこんなドキドキな乗り物が揃っています。 地上にたたき付けられるような『スリルライド』、時速約90kmで後ろ向きに1回転、前向きにもう1回転する『ループ・ザ・ループ』 一気に地上60mの上空へ、そして次の瞬間に急落下する『スペースショット』、北海道初のインバーテッド型コースター『ハリケーン』 乗る人を縦横無尽に振り回す観覧車『ハートビート』、広々とアップダウンして走る『マウンテンジェットコースター』 90度の急降下・急上昇、キリモミ回転しながら爆走!!『ウルトラツイスター』こんなのに乗ってきましたよ 残暑のこる地域の皆さま、すこしは涼しくなっていただけましたでしょうか。乗り物以外にもいろんなことをしました。まずはラフティング。何度か日本一に輝いているという清流、尻別川にて。おもしろいガイドさんで、水が冷たいことも忘れて濡れて遊びました。あいさつならぬ水の掛け合いが可笑しくて、気づけばガイドさんがパドルを伸ばして、頭に水を垂らしてきたりするの(笑)隣りボートが来たら、すかさずあいさつです。冷たい川に浮かんでた子どもたちは、陸に上がったころには寒さで唇がぶすむらさき状態でしたが、ほんとに楽しかったみたいです。 それからサーカス!私は丸いテントのなかでサーカスを観るのが、小さなころからの密かな夢でした(笑)それが叶って嬉しい♪『グレートモスクワサーカス』という、場末感漂う小さなサーカスなんだけど、手品、曲芸、空中ブランコなど盛りだくさんでした。ブランコは3回も失敗して、安全ネットに落下!! 観客のみんなの悲鳴に近い歓声が、別の意味で轟いて・・・めちゃくちゃハラハラしました。小さいテントなだけにショウとの距離がより近くて、スリリングで充実したひと時。それから『大恐竜展』を観ました。観ましたが、、、ビックリするほどのショボさで、、。期待していただけにがっくりですよ。がらんとした会場は寒いし、展示も寒いというダブルパンチ。これだけはいただけません。写真くらいはリアルに撮影。お泊まりはルスツタワーにて。「なるべく上の階をお願いしま~す」と旅行会社で言っておいたら、ななんと最上階でした。全室スウィートなのですが、最上階は、ふつう一般客は泊まれないというビップルーム リビング、寝室、寝室、と三階ぶんあります。三階建てですよ!!広くて落ち着かな~い。部屋風呂もゴージャスだったので、大浴場へは行かず部屋でお風呂に入りました。らせん♪ らせん♪あとは屋外プールでウォータースライダーをしたり、ゴンドラで山の頂上に登ったり、夜の遊園地へ繰り出したり。豪華なディナーバイキングで腹ごしらえした後の、夜一発目の『スペースショット』はかなりスリリングでした!!一気に目前に広がる大パノラマに、胃の内容物もびっくり!パラダイス!うぎゃ~~ぁぁぁあ!!朝から晩までびっしり遊び倒したルスツ。もちろん行きも帰りも中山峠では、名物のあげいもをいただきましたとさ。おしまい。 はる*
2009.08.18
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ウォーターゲート事件の真相を突き止め、ニクソン大統領を失脚にまで到らしめた、二人の新聞記者カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードの活躍を描いた実話の映画化。 よく耳にするウォーターゲート事件とは、こんな内容だったか!と、またも映画でひとつ知る。ドキュメンタリータッチの、事件のあらましが徐々にわかっていく構成が見事で、長さを気にせずに最後まで集中して観終えた。事件は、ニクソン政権の野党・民主党本部があるウォーターゲート・ビルに、不審者が盗聴器を仕掛けようと侵入したことから始まった。政権は事件との関与を否定したが、ワシントン・ポストの記者による執念の取材で、野党盗聴への関与が明らかになり、アメリカ史上初めて現役大統領が任期中に辞任に追い込まれる事態となった。政治や新聞社の内幕がおもしろく、スピード感溢れる真実のドラマは、実に骨太。少しずつ確信に迫るうち、あまりに大きなバックグラウンドに、身の危険を感じはじめる二人を奮い立たせるのは、冒頭からずっと厳しかった編集長だ。演じているのはジェイソン・ロバーズ。まだ若き、名優ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンが、たくさんの壮年俳優たちに囲まれて、緊迫感溢れる演技を披露しているのは一番の見どころといっていい。どこをとっても、絵面がカッコいいのだ。探偵映画のよう――と紹介している一文を目にしたけれど、たしかにそれに似たおもしろ味がある作品かもしれない。頑なに口を閉ざし恐怖する人々を粘り強く説き伏せて、真実に近づいていく様はエンターテイメント性も十分。新聞という媒体の厳しさをキチンと伝えながらも、腐敗した政界の実態を暴いていく本編は、本物の社会派ドラマだと思う。ホフマンとレッドフォード見たさで鑑賞したようなものだけど(あ、「死ぬまでに観たい映画1001本」に選ばれているからでもあった)、ウォーターゲートについてちょっと知れたのはうれしい。にわか知識のついでに、ニクソン大統領についてをwikiで見てみると≪大統領で最低の支持率、任期中に辞任した唯一のアメリカ大統領≫とあった。それと一緒に≪対外的にはベトナム戦争の終結や中華人民共和国との国交成立など平和主義に尽力した≫ともある。なんだかもったいない人、だったのか?それはそうとして、盗聴は最低だと思う。絶対やっちゃいけない卑怯な行為だよね。他人事と思っていたら、いまは意外と身近にも存在してるそうで、見覚えのないテーブルタップとか・・・コワイのか?監督/ アラン・J・パクラ 製作/ ウォルター・コブレンツ 原作/ カール・バーンスタイン ボブ・ウッドワード 脚本/ ウィリアム・ゴールドマン 音楽/ デヴィッド・シャイア 出演/ ダスティン・ホフマン ロバート・レッドフォード ジェイソン・ロバーズ (カラー/138分)
2009.08.14
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孤島に軍事基地を作り世界征服を企む悪党に、強力な爆発物を研究する博士と助手が誘拐された。助手が気球に託した手紙を見て、連合艦隊が救出に来るが―――。 『80日間世界一周』のジュール・ヴェルヌの原作を映画化。初版本に使われた銅板画の挿絵(上)をアイディアにした、映像世界が魅力的でした。アニメーションと実写の合成された画面は、いままであまり目にすることのなかった不思議な雰囲気。銅板画の繊細さが好きなので、本編は見ていてほんとに楽しかった!時を経て、ジョボいのじゃなくシュールとなっていく、この手の作品の面白さは格別です。ジュール・ヴェルヌが生きたのは1828年~1905年。原作では強力な爆発物となっているみたいですが、いまならそれを原水爆に置き換えられるのでしょう。最新の科学を悪用するという構図は、ずいぶん古くからあるのですね~。海賊の手を借り、誘拐される博士と助手。悪の代名詞のような海賊たちや、登場人物たちは皆古風です。しかし、想像上の乗り物(飛行船や水中バイク)が、古いはずなのに近未来の乗り物に思えてくるあたり、逆転した感覚が起こっておもしろいのでした。製作年が意外と最近なのも驚き。ゼマン作品は、○ISCASにほぼ揃っています監督/ カレル・ゼマン 原作/ ジュール・ヴェルヌ 脚本/ カレル・ゼマン フランチェセック・ハルビン 撮影/ イジー・タランチーク 音楽/ ズデニェク・リシュカ 出演/ ルボル・トコシュ アルノシュト・ナヴラーチル ミロスラフ・ホルップ (モノクロ/82分)
2009.08.11
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北海道では、一月遅れの8月7日が七夕。昨夜は、近所の盆踊りに出かけてきました。元気だったら明るいうちに、浴衣を買いに出てお祭りに繰り出すつもりでしたが、、前日のビアガーデンがきいたか、だるくてダラダラ過ごし結局今年も浴衣ならず。出店はないけど、生ビールはある。さっそくの迎え酒が、美味しい。今年は踊らずに眺めていました。今日も今日とて、野球の集まりまた飲むことになりそうです。いよいよウコンが必要かもしれない・・・。
2009.08.09
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チャウシェスク政権下のルーマニア。望まない妊娠をした寮のルームメイト、ガビツァから、違法中絶の手助けを頼まれた大学生のオティリアの、辛く長い一日を描く―――。 闇市の蔓延する自由のない80年代後半のルーマニア。学生のオティリアとルームメイトのガビツァは落ち着かない。きょうは、望まない妊娠をしたガビツァの、堕胎手術当日なのだ。しかし、違法であることも危険を孕むことも、まるで実感していないようなガビツァの言動が、すべての予定を狂わせてしまう・・・。ガビツァの態度には、ほんとうに腹が立った。中絶についてなにも言う権利はないけれど、責任は、相手の男(一切登場しない)だけでなく、彼女にも十分にあるはずなのに。自分を守るばかりの沢山の嘘をついて、奔走するオティリアの献身的な親切を踏みにじり続けていく。堕胎手術を引き受けた男・ベベは、保身と見返りを当然のごとく要求する。シビアにリアリティもって描かれる、たった一日の物語は、一言でいえば“ 嫌悪感でいっぱいのお話 ”なのだけど、目が離せなくなる独特な強い引きがあった。資金を用立てるためオティリアは、ガビツァの代わりに、恋人にお金を借りる。友人の妊娠を間近に見て、オティリアと恋人の間もギクシャクしてしまう。(ここで大事なのは、当時ルーマニアでは避妊が禁止されていた、とうことだ)明るい展開が待っているなんていう希望もなく、選択肢のない限定された時代背景のあってこそのドラマだった。なぜ今この時代にこの映画? と思わなくもないが、国柄や社会的な背景を描きこんだ結果の良作なのかもしれない。ちなみに、日本でガビツァみたいな娘がいたら、友達はできない気がするけど・・・。オティリアがどうしてそこまでするのか、、理解しがたい部分も多々あるものの、目を逸らさせない演出は流石にすごい。カンヌで最高賞のパルムドールを受賞していますが、まさしくカンヌで評価されるタイプの作品になってます。社会派であり、役者がいい。『ロゼッタ』『ある子供』で二度パルムドールを受賞しているダルデンヌ兄弟監督に、似た雰囲気を持つ作品に思われた。● ● ● ●監督・脚本 クリスティアン・ムンジウ 製作 オレグ・ムトゥ クリスティアン・ムンジウ 撮影 オレグ・ムトゥ 出演 アナマリア・マリンカ ローラ・ヴァシリウ ヴラド・イヴァノフ (カラー/113分)
2009.08.08
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仕事のあいまの会話が、食べ物の話題になることは多いです。「夏野菜がいっぱい食べたい!」といって、みなさんがおススメしてくれたのがこちら。“夏野菜と鶏肉のトマトスープ煮込み” “アンチョビとキャベツのパスタ” 見た目はともかくとっても美味しかったですトマト煮込みには、ナスとズッキーニ。家人の伝手でいただいた新じゃがを入れるつもりが、、すっかり忘れてました。パスタはキャベツとアンチョビ、にんにくのみ。アンチョビは初めて買ってみました。いままで一度も料理に使ったことなかったのです。美味し~い。大人な味が気に入ったので、また作ります。ワンパターンで行き詰った我が家の台所に、新メニューはありがたいですー。「ペッピーノ爺さんのアンテョビ」まだ半分残ってます
2009.08.06
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ニューヨーク。カメラマンのジェフ(スチュワート)は足を骨折し、アパートで療養中だ。身動きの取れない彼にとって、唯一の楽しみは、窓から見える向いのアパートの住人たちを眺める事だった。そんなある日、セールスマンの夫(バー)と激しい口論をしていた病床の妻の姿が見えなくなった事に気づく。夫が女房を殺したに違いないと推測したジェフは、恋人のリザ(ケリー)、看護人ステラ(リッター)とともに調査を始めるのだったが―――。 楽しめたものとそうでないものの差が大きいヒッチコック。こちらは中盤からとてもおもしろかった。誰しも経験のある覗きたい衝動、身動きの取れない焦燥。そういったものがヒッチコック特有のねちっこさで描かれていく。まず、向いの窓から見える住人たちの生活を捉えた画面がおもしろい。世間知らずで金持ちの恋人リザとの結婚を、なかなか決断できずにいる主人公、足を怪我して動けないという設定もまた巧い。独特なスローテンポ、私的には台詞がややしつこく感じるヒッチ作品。それでもサスペンスをあまり意識せずに古典として観ていくと、別の楽しみどころに気づいてきた。たとえば小道具の使い方、小気味よい演出、ユーモア。ヒッチコック作品は、内容はさておき、絵面を楽しむべきなのかもしれない。金髪美女を好んだ変態監督、ではあるけれど、映像技巧にこだわった玄人であることはたしか。 終盤の息つく暇のないスリリングな展開、オチの効いた結末が素晴らしい。映画史にのこる名作に大満足。こちらも「死ぬまでに観たい映画1001」に選ばれています。● ● ● ●監督・製作/ アルフレッド・ヒッチコック 原作/ コーネル・ウールリッチ 脚本/ ジョン・マイケル・ヘイズ 撮影/ ロバート・バークス 音楽/ フランツ・ワックスマン 出演/ ジェームズ・スチュワート グレイス・ケリー レイモンド・バー (カラー/113分)
2009.08.04
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1957年、女諜報員スパルコ(ブランシェット)率いるソ連兵の一団が、米軍基地を襲撃。彼らは、宇宙の神秘を解き明かす力を秘めているという“クリスタル・スカル”を探していた。捜索を強要されているのは・・・なんとインディ・ジョーンズだ!スキをみて脱出を図ったインディは逃げ帰るが、今度は彼の前に、一通の手紙を携えたマット(ラブーフ)という青年が現われるのだった・・・。宇宙の神秘を解く力を持つ秘宝をめぐって熾烈な争奪戦が繰り広げられる。 このシリーズは大好きです。とくに『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』は子どものころ、録画したビデオを擦り切れるほど観たという大のお気に入り。19年ぶりの新作と聞けば、見ずにいられませんでした。名優ハリソン・フォード66歳!にして、期待を裏切らない楽しめる作品になっていました。あんなに憧れたインディが、老いてもなお魅力的で嬉しかった!第四作目ではついに、「父親」(ネタバレ反転)になっていたインディ。『レイダース/失われたアーク』のマリオン(カレン・アレン)も再び登場して、シリーズ通して好きな方には感慨もひとしおでしょう。舞台は1957年。宇宙人やロズウェルといったキーワードで意味もなく楽しくなってくる。時代背景的にも、核実験が描かれ、当時の核PRドキュメンタリー映画『アトミック・カフェ』からとったらしい同地名が登場したりする。宇宙の神秘を解き明かすクリスタル・スカルの謎に至る結末まで―――驚くほど性能の上がったCG画像に口あんぐりしつつ、満足して観終えました。アクションシーンの数々も、現役当時となんら変わることない絵面を造り上げたハリソン・フォードのガッツに感激。ハリウッド大作やCG満載を毛嫌いしているわたしですが、むかしから観てきたシリーズものには甘いです。嗚呼、懐かしい。ハリソンのように、還暦を超してなお体を維持し活躍しているハリウッド俳優はいません―と書きかけましたが・・ちゃんといましたねスタローンが。シルベスター・スタローンも『ロッキー・ザ・ファイナル』『ランボー 最後の戦場』で自ら再び監督をこなし活躍しているようです。映画の評判もなかなかいい。わたしの食指は動かないけれど、いつまでも観客に勇気を与える壮年となった役者さんの姿は立派だと思います。観て楽しい冒険活劇、これ以上感想に触れるのは野暮だし、ご覧になってからのお楽しみ♪ということで、さいごにもう少し役者さんネタで。敵の諜報員スパルコを演じたケイト・ブランシェットが、カッコ良さも美しさも強烈です。話す口元、視線、仕草、スタイルどれをとっても魅力的な女優さんです。しかも演技が巧い!インディの前に突然現れ、一緒に冒険することとなる若造マット役はシャイア・ラブーフ。サプライズを秘めたこの大役、どこかで見たと思ったら『トランスフォーマー』でしたね。地上波でながら見しただけですが、間の抜けた面影は記憶に残っていました。『トランスフォーマー』はスピルバーグが製作総指揮、なるほどのキャスティング。スピルバーグは偉大です。大作をあまり観なくなっても、スピルバーグだけはチェックしています。ハリソン・フォードと同年輩、良質なものを造り続けている職人。(といいながら、観てない作品も近年では多いけど、、)まだまだ撮り続けてほしいハリウッド監督のひとりです。● ● ● ●監督/ スティーヴン・スピルバーグ 製作/ フランク・マーシャル 製作総指揮/ ジョージ・ルーカス キャスリーン・ケネディ 脚本/ デヴィッド・コープ 音楽/ ジョン・ウィリアムズ 出演/ ハリソン・フォード シャイア・ラブーフ レイ・ウィンストン カレン・アレン ケイト・ブランシェット (カラー/124分)
2009.08.02
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