おしゃれ手紙

2021.08.30
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テーマ: 読書(8665)
カテゴリ: 読書
つまをめとらば
内容紹介(「BOOK」データベースより)
女が映し出す男の無様、そして、真価ー。
太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。
身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようかー。
時代小説の新旗手が贈る傑作武家小説集。
男の心に巣食う弱さを包み込む、滋味あふれる物語、六篇を収録。
選考会時に圧倒的支持で直木賞受賞。

ろうそく 目次(「BOOK」データベースより)
ひともうらやむ/つゆかせぎ/乳付/ひと夏/逢対/つまをめとらば
うす 作者の青山文平という人の名は、この本を読んではじめて知ったが、脱サラして作家になったそうだ。
経済関係の出版社に18年勤務した後、1992年からライターとなる。

「つまをめとらば」は、短編が6編。
どれも男と女の話だ。
■ひともうらやむ■

★長倉庄平 武士 ★
★長倉克己 庄平の幼馴染★

タイトルの「ひともうらやむ」は、主人公の長倉庄平の幼馴染の克己とその妻・世津。
この夫婦は、見目麗しく、克己は、武士の格も上。
しかし事件が・・・。

その後、長倉庄平は、武士を辞め江戸で釣り道具作家になる。
武士からの変身だが、それ以上に妻の変身に驚く。

この釣り竿を作る過程を丁寧に書いていて、はじめて知った。
弁当■つゆかせぎ■

★私(主人公)は、下級武士で趣味は、俳諧。
●彼の妻は
「いつ業俳になるのか」と言い続けた。
業俳は、職業俳人、それに対して別に職業がある者は遊俳と呼ぶ。

歌舞伎役者は、俳諧を詠むことが出来て当たり前とみなされていた。
尾上菊之助家の松禄や、中村歌右衛門家の芝翫など、俳名がそのまま名跡となった例も珍しくない。



その日稼ぎの日用取り(ひようとり)は、雨が降れば働けない。
日用の代わりの仕事のことを「つゆかせぎ」という。
■乳付■
出世コースから外れた父をもつ娘・島崎民恵は、家柄の良い神尾信明との結婚。
二人を結びつけたのは、漢詩。


この短編のタイトル「乳付」とは、生まれた子供に初めてお乳を飲ませること。
あるいは、乳母の女性のこと。


ミルクなどなかった時代、自分の子どもでなくても、困った人がいたら、乳付をするのは当たり前という時代。
下駄■ひと夏■
高林啓吾は、次男であるため、仕事もなく、兄の世話になっていた。
そんな時、呼び出しがあり、採用となる。
しかし、その仕事が飛び地での任務で、その地の任務に就いたものは、精神を患うという。
湯とう■逢対■

●竹内泰朗(たいろう)は、旗本の末席にいるが無役。
暇をいかして、屋敷で算学塾を開いている。

「逢対(あいたい)とは、登城する前の権家(けんか)、つまり権勢を持つ人物の屋敷に、無役の者が出仕を求めて日参すること。
鶴の香合■つまをめとらば■
深堀省吾は幼馴染の山脇貞次郎に家作を貸すことにした。
省吾は、女運に恵まれず、これまでに3度結婚し、2度まで離縁している。
貞次郎も結婚しないまま、ふたりは56歳になった。

◎省吾は、家作を生活資金に
貞次郎は、趣味の本を貸す、貸本屋業をしている。
茶道
「つまをめとらば」といえば、思い出すのは与謝野鉄幹の詩。

「人を恋ふる歌」

妻をめとらば 才たけて
みめ麗しく 情けあり



「娶る」は、<めと-る>と読み、「(男性が女性を)嫁にする、妻として迎える」という意味の言葉です。
「妻(め)を取る」に由来する言葉であり、漢字を見ても「取る」と「女」で成立していることがわかる。
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Last updated  2021.08.30 00:04:08
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