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ジーン・ハックマン氏が亡くなった。享年95。 米時間26日、ニューメキシコ州の自宅で夫人と愛犬と共になくなっているのを発見されたという。サンタフェ郡保安官事務所は、夫妻の死因は確認していないが犯罪性は無いと発表した。 出演映画: 「俺たちに明日はない」1967 「父の肖像」1970 「フレンチ・コネクション」1971 「ポセイドン・アドベンチャー」1972 「スケアクロウ」1973 「カンバセーション:盗聴」1974 「ヤング・フランケン・シュタイン」1974 「ミシシッピー・バーニング」1988 「訴訟」1991 「許されざる者」1992 「ザ・ファーム 法律事務所」1992 「クリムゾン・タイド」1995 「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」2001 私は「許されざる者」の悪徳保安官リトル・ビル・ダゲットを演じたジーン・ハックマン氏が忘れられない。クリント・イーストウッド演じるウィリアム・ビル・マニーに銃殺されるシーンのハックマン氏は素晴らしかった。 名優ジーン・ハックマン氏を追悼します。
Feb 28, 2025
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きょうは少しばかり暖かった。まだまだ寒さはつづくようで、来週はどうやら雨つづきらしい。 暖かくなると猫たちの恋の季節。俳句では「猫の恋」は二月の季語である。江戸中期の俳人高井几董(たかいきとう;1741-1789) の句に、「轉ひ落し音して止みぬ猫の戀(ころびおちし おとしてやみぬ ねこのこい)」我が家の近辺のどこからも、まだ猫たちの声は聞こえない。 ところでロッシニー作曲に「二匹の猫のおもしろい二重唱 (Duetto buffo di due gatti)」がある。「ミャーウ」という猫の鳴き声に終始する歌曲である。いま私の手元にその楽譜がある。メロディーはそんなに難しくない。ただ、この割合単縦なとも思えるメロディーを愉快に、可愛らしく、魅力的にデュエットしようとすれば、意外に難しいかもしれない。ピアノの伴奏も大事になってくるだろう。 ・・・低音パートから始まる。F-Majo(ヘ長調)4分の4拍子で、AーD#C(ミァ---ウ)、AーBAFー(ミー---アウ)、Aー↓D♭EBGEDーF♮EDー(ミァ--------ウ)・・・というぐあいである。面白いのは、29小節目の高音部・低音部共に「Soffio (呼吸)」と書かれている。ブレス記号(V)ではないのだ。私はこのような記述を初めて見た。ピアノ伴奏は二分休符になっている。ということは二分休符の長さでこの部分は無音になるわけだ。そして次の小節から8分の6拍子になる。・・・なるほどねー。 というわけで、ただいまロッシーニの "Duetto buffo di due gatti" の楽譜を読んでいるところである。YouTube 仏リトル・シンガーズの二人による猫の二重唱この演奏では上述の「呼吸」の部分を観客サーヴィスのfúnny hahá (おもしろおかし)なインターヴァル にしている。この部分は自由な演出にまかせているのかもしれない。次は同じくYouTubeでみつけたベテラン歌手キリ・テ・カナワとノーマ・ブラウンによる猫の二重唱。キリ・テ・カナワとノーマ・ブラウンによる猫の二重唱
Feb 26, 2025
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トランプ大統領のセルフィッシュ(自己本位)な発言がつづく中で、アメリカの大企業の株価が軒並み下落している。トランプ大統領はウクライナのレア・メタル(希土類資源)欲しさに、侵略者ロシアに加担してウクライナを脅したり賺(すか)したりしている。大統領の「両国停戦・終戦」と「平和」は、彼の「ビジネス・ディール」が成立することにほかならない。 ・・・アーティスティックな話題ではないが、ロシアのウクライナ侵攻による両国全面戦争(それはすでに11年前、2014年のロシアのクリミヤ侵略から始まっている)、引いては全世界パワー・バランスの今後に重大に関わっている問題だ。それは、欠点はあっても人間社会の基盤としての叡智として到達した民主主義を破壊し、独裁政治によって世界を染め上げることになるか否かの瀬戸際にある問題である。自由があってのアートである。 独裁政治を志向する者たちを精神病理学的に観察すると、自己のいわば悪しき心理をそっくり相手に転化して、まるで相手が悪しき心理であるかのように、自己を正当化して相手を侮辱し、罵倒し、その存在を無きものにしようとする。病的なセルフィウッシュ(selfish; 自己本位)は、意識の表層では決して自己の本姓に気づくことがない。軽い言葉で言えば、まるで幼児の駄々っ子みたいな人格。自分の過ちを認めない。外界に対する錯誤と欺瞞と謀略によって生き、自らが仕掛けたその網(ネット)に自らも搦め捕られ、何が真実か解らなくなってしまう。そのセルフィッシュさは、政治家である場合は政治手腕のように見え、支持者や心酔者が蝟集する。あるいは「類は類を呼ぶ;Birds of a feather flock together」。しかし、その精神状態が突き進むと容易に殺人者にもなりうるものだ。戦争を志向し、酸鼻極まる虐殺によって英雄を気取ることになる。英雄視されたいという欲望が目的化するのである。・・・世界の独裁者や独裁傾向者たちを見るといい。そのすべての人物に上述のことが当てはまるだろう。
Feb 25, 2025
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Feb 24, 2025
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昨日2月22日は「猫の日」だった。ニャンニャンニャン、と遊び心ある呼び名が、いつの頃できたのか私は知らない。「猫カフェ」などというカフェがあり、人気があるようなので、「猫の日」という日もおそらく愛猫家たちや商人の発想だろう。 我が家にはもう猫たちはいない。クロ(雌猫である)を親として、子や孫たちが生まれたが、みな長生きして天寿をまっとうした。 女性なのにクロという名はヘンだと思うかもしれない。ギリシャ神話の「ダフニスとクロエ」、フランス語でChloé, ファッション・ブランド「クロエ」のあのクロエを縮めた名前である。我が家では「天才クロ」と思っていた。猫離れした猫、人語を完全に理解し、豊かな「心」をもっていた。 動物と人間との「交感」などあり得ないと考える学者(?)もいるようだが、それはその人の人間性が動物たちに見抜かれているから、と言えなくもない。学術的(?)論説として公言する前に、信頼できる映像を含む膨大な実例と自分自身とをしっかり観察するほうが先かもしれない。 さて、「猫の日」の一日遅れになるが、我が家の猫たちの思い出に、昔の私のスケッチと彼らをモデルに装丁のために描いた絵を掲載しよう。クロ、ミーコ、チョンコ、ルル、チーコ 「猫団子」1986年ミーコ 1987年 クロの長女。逆子で生まれた。クロは出産に苦しみ、生まれるまで4時間ほど要した。私が付ききりで励まし、出産を手伝った。それ以来、クロは人語を理解するようになった。また数年後に重病になり、身体はボロ雑巾のようになった。病院でも安楽死を勧められた。が、私はクロに「きっと救けるよ」と言い、病院から器材を借り、自宅で毎日添い寝をしながら2ヶ月ほど看病した。クロの片目は熱のために溶けてしまったが、ついに完全快復にこぎつけることができた。病院の院長先生は「奇跡」と言った。私はその言葉を容認しない。ただ、器材を無償で貸してくださったことに感謝した。 ミーコはおもしろい猫で、戸袋の小屋根などにのぼっているのを、下から「おいで」と両手をさしのべると、立ち上がって自分も両手をさしのべて私の腕につかまった。クロとサチとフク「ノーサイド」誌(文藝春秋)のためのスポット(カット)クロ、ミーコ、チーコ (蝶はウラナミアカシジミ。私の小学生時代の思い出の蝶) 花輪莞爾「猫鏡」(平凡社)装丁画。この装丁は1992年ブルノ・グラフィック・ビエンナーレで選定され、同展カタログに1ページ大で掲載された。コタン(この名前はアイヌのコタン(村)の熊祭から連想。亡父が笑いながら「なるほどね」と言った。)「イギリス・ミステリ傑作選 '83年版 伯父さんの女」(早川書房)の装丁画
Feb 23, 2025
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【注】ここに書いた言葉は、松尾芭蕉の「朝顔に我は飯食う男哉」を借用しての反語的なモジリである。衆知の名句なので説明をしなかったが、あらためて記しておく。現代戦争の裏にある醜さ、実は侵攻者やその戦争終結仲介者である国々の最高権力者のほぼ個人的な欲得ずくの「本心」を、私は指摘したいのです。およそ普通に誰もが思い描くような人間のいわゆる等しい「平和」を、彼らは意志してはいない、ということです。それを政治と言うのなら、もはや何をか言わんやです。
Feb 20, 2025
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Feb 20, 2025
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Feb 19, 2025
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こりゃーポスターにもならないな、押し込み強盗団長とマフィア式強奪団長どうしが被害者の頭ごなしに握手だってヨ!?。"Birds of a feather flock togeither" かーッ! 狙っている物は何であるか、岡目8目、誰もが判っているゼイ。
Feb 18, 2025
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NASAの宇宙探査機ヴォイジャー1号が1990年2月14日に60億kmの彼方から地球を撮影した「Pale Blue Dot (薄青い点)」という愛称が付けられた人類史上記念的な画像を、その35周年を記念して先日NASAが再び公開した。画像は現在の最先端ソフトウェアーと画像処理技術によって最初の画像より一層鮮明になった。そこにはまさに私たちの地球が「Pale Blue Dot 」として写されている。人類が最も遠くから目にする地球である。宇宙を構成する1,000兆個といわれる星の中の人間が乗るたった1個の星である。愛しい愛しい薄青い点である。点のようなこの星を、守ろうとする人間も、破壊しつくそうとする人間も、等しく乗っている。 ヴォイジャー1号と2号は、太陽圏を抜けて今尚飛行しつづけている。何処へ? 宇宙の彼方、永遠に向かって・・・NASA 'Pale Blue Dot' Revisited
Feb 17, 2025
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何が起こっていたか私は知らないのだが、午後数時間なんだか外が騒がしかった。ヘリコプターが市の上空かなりの高度で旋回していた。2時間も飛行していただろうか。私は家の中にいて、大きな工事が始まったかと想っていた。ところが小用があって近くまで出かけると、ヘリコプターであることがわかった。そしてさらに、その飛行とは無関係だと思うが、交差点で交通事故が発生していた。乗用車とオートバイが衝突したらしい。救急車が誰かを搬送した。さらに同時間に別関係で消防車2台がサイレンを鳴らしながら疾駆して行った。 ・・・まあ、こんな事態は私の居住地ではめったに起こらないのだが・・・
Feb 15, 2025
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きょうは昼食後から始めて午後6時まで明治時代の手書きの史料を読む。手書き行書はまだしも、小さな文字の略字もあり、繰り返し読むには不便。コンピューターで活字体に直しながら読んだのでなかなか時間がかかる。現代ではまったく使わなくなっている言葉もある。たとえば「兵燹(ヘイセン;兵火に焼かれること)」。フォントに入っていないかもしれないと思ったが、入っていた。逆にオドロイタ。 読んでいるのは明治33年に書かれた会津戊辰戦争の、私がこれまで目にしなかった記録で、八月下旬から九月下旬までつづいた籠城時の詳細な身分別の総人数まで書かれている。奥御殿が危なくなったので藩主松平容保と子息は頑丈な鉄門(くろがねもん:現在復元されている)に移った。藩主は将6名を定め、さらに内政に与る者38名を定めている。その全員の氏名も記録されている。ソニー創設者井深大氏の御親族お二人の名もある。この名簿で興味深いのは家老西郷頼母の名前がどこにも登場しないことである。松平容保の勘気を被ったことがここに反映していると見なければならないだろう。しかしながら、文中、城内の或る一室の名称についてその由緒を西郷頼母が話したことがあると書いているので、当時のいわゆる平民(自称)が藩士の下士にいたるまでの役職やその俸禄等の詳細を知り得なかったであろうから、あるいは筆者は明治期に存命していた西郷頼母に「取材」したのかもしれない。ただしこれはあくまでも私山田の推測である。 ・・・これからじっくり読んでいこうと思う。
Feb 14, 2025
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朝から午後5時過ぎまで強風が二階の軒下を唸りをあげて吹いていた。吹き飛ばされたプラスティック袋か何かが、送電線に絡まって、電車がストップしたと聞いた。建築現場の7メートル丈の防音シートが吹き飛ばされた処もあるようだ。まさか春一番ではあるまい。今日の日差しは明るく晴れていたが、またまた寒波が襲来するとか・・・。 それにしても暴風は世界に吹き荒れている。 一国の大統領や首長を選ぶのは実際本当に大事だな。その一人の采配で、国家がまるで押し込み強盗殺人者のようになってしまう。まあ、それは現代に始まったことではなく、人類史に縷々つづられてきたことだ。中世・近世と現代の違いを簡単に言えば、その首長自らがまったく戦場に出ないということだ。国民を狩り集めてまるで己の盾のように矢面に立たせる。あるいは兵を売って懐に金を入れる。・・・この私の指摘が嘘でないのは、たとえば数年前にイギリスのレスターで発掘されたリチャード3世の遺骨を見れば分かる。 その遺骨にはすさまじい傷跡が見て取れる。頭蓋骨を貫き脳まで達した剣による傷。頭蓋骨にはさらに重量級の刃による大きな穴となった傷がある。ナイフによると想われる下顎の傷。死後に加えられた打撃による肋骨のダメージ。骨盤のダメージ。両足の切断。 リチャード3世の戦場での死については、チャールズ・ディッケンズの「イギリス史」にも描写されているが、レスター大学の考古学チームの研究で上述のように明らかになった。 王の戦場でのこのようなすさまじい死に様は、現代の兵士たちには起こりうることだが、彼らの後ろでたらふく食って采配を振っている者には起こりえない。・・・そこに焦点を絞ると、なんだか20世紀21世紀の現代世界は、人類史上でもっとも醜悪な時代のように、私は思えてならない。 ジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画「海の上のピアニスト (The Legend of 1900) 」(1998年・イタリア映画、日本公開1999年)は、ヨーロッパと米国ニューヨーク間を航行する客船内に捨てられた生まれたばかりの赤ん坊が、下級機関士に発見されて国籍も名前もないまま船内で成長し、船内楽団のピアニストとして一度も陸に上がることなく生涯をとじる物語。赤ん坊は1900年に生まれたので「1900 (ナインティーンハンドレッド)」と呼ばれている。 物語の語り手であるトランペッターが、その数奇な話をはじめるときのセリフ。 「It was the first year of this fracking century (イカレタ世紀の最初の年)」 英語の実際のセリフをそのまま訳せば、「この水圧破壊の世紀」であるが、日本語の字幕は「イカレタ」と訳している。これはすばらしい翻訳だ。そしてこのイタリア映画が制作されたのは1998年、日本公開されたのは翌1999年であるが、まさに世紀の変わり目だったことは、私にはジュゼッペ・トルナトーレ監督が意図したとしか思えない。同監督の名作「ニュー・シネマ・パラダイス」のテーマも、いわゆる時代の移り変わりと人生を重ねるものであった。私はそこにジュゼッペ・トルナトーレ氏の映画作家としての一貫した視線を思う。 そして先にのべたとおり、私は、イカレタ君主や大統領や首長によるイカレタ20世紀21世紀の暴風圏を生きていることを自覚する。
Feb 13, 2025
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現在、新宿駅東口と西口の再開発が進んでいて、小田急百貨店と地下広場はすでに取り壊され、新しい建設工事が始まっている。ひきつづき西南口の京王百貨店とルミネも取り壊され2028年に新建設に着工するらしい。東京都と新宿区による共同の再開発計画は2040年の完成を目指している。現在の京王百貨店は9階建のビルディングであるが、完成時には19階建になるという。私は生きていたとしても100歳を超える。まあ、新しい新宿を見ることなく、元素に還っているだろう。 私は現在、京王電鉄沿線に住んでいる。京王百貨店は馴染みというより、その建物に常時出入りしているわけだ。さて、その京王百貨店は昭和39年(1964) に竣工して開店した。私が大学入学した年である。その年に東京オリンピックも開催された。 今、京王百貨店では取り壊し直前の大きなイベントとして「有名全国駅弁とうまいもの大会」が開催されて賑わっている。この「全国有名駅弁大会」は京王百貨店の名物イベントとして知られているが、その第一回は昭和41年(1966) に開催された。じつは私はその第一回駅弁退大会にアルバイトで販売員をやったのである。富山の「鱒の鮨」とか群馬県高崎の「だるま弁当」、あるいは岡山の「祭り寿司」、信越線横川駅の「峠の釜飯」などを私は担当した。思い出せば、良く売れて大忙しの持ち場だった。ハハハ、嬉しかったなー。 私は、高校生のころは会津若松と両親が住む札幌を往復していたし、大学生になってからは東京から帰省していたのだが、北海道森町の「イカ飯」は馴染みの駅弁。その「イカ飯」は「駅弁大会」では、たしか森町から出張して来た料理人が店内のブースで直接作っていたと記憶する。人気駅弁のひとつで長い行列ができていたことを思い出す。 現在では東京駅でも上野駅でも、各地の駅弁が気軽に買える。私もたまに利用する。先日も上野駅で「神戸のすき焼き弁当」を買った。・・・便利といえば便利。おいしく食べながら、しかしこころの何処かで「旅が味気なくなったかもしれないな」と思っていた。もっとも、昔のように列車到着プラットホームを駅弁売りが、首から片肩にかけて、ベルトで吊った黒塗りの平たい木箱(正式名称は何というのだろう?)を胸に抱え、駅弁の折り箱を積み上げ、「弁当、弁当」と駆け足で売り急ぐ姿が消えて久しい。客は車窓を開けて呼び止め、弁当を買った。茶色の陶器の急須に入ったお茶も売っていた。経木箱に入ったアイスクリームの売り子も、「アイスクリーン、アイスクリーン」とホームを駆け足だった。・・・いつのころからか列車の窓が開かない造作になっている。スピードが格段に向上し、危険防止のためであろう。・・・などと思いながら、学生時代のアルバイトを思い出したついでに、京王百貨店の「全国駅弁大会」に行ってみるか・・・
Feb 12, 2025
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ジョン・スタインベックの小説「赤い子馬」(1937) の最初の映画化、ルイス・マイルストン監督、ロバート・ミッチャム、マーナ・ロイ、ピーター・マイルズ(子役)主演の米映画「赤い子馬」(1949) は、原作者のスタインベック自身が脚本を書いている。その映画作品に、老いて同じ思い出話を家族に数百回繰り返して、今や家族にうるさがれ疎んじられている祖父がポーチに座って述懐するシーンがある。それは次のような言葉だ。 「I am nearing the end of into my life and there's nothing I do and nothing I have done that I don't know could be done better but I don't do nothing about.」 (わしの人生は終末に近いのに、わしがすることは何も無い。今までやったことも何も無い。もっと良くできるかもしれないことなのに、しかしわしは何もしていない。) このお爺さんの述懐を、私はここに書き留めておこう。
Feb 9, 2025
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たまたまwebサイトをザッピングしていたら1年半前のテレビニュースに目が止まった。テレビ静岡の2003年9月10日の放送。タイトルに曰く、「戦後にブルドーザーに改造された九五式軽戦車 静岡・御殿場市に到着 博物館での展示目指す」 報道の内容は、1940年(昭和15年)頃に日本で製造された九五式軽戦車が、戦後ブルドーザーに改造されて北海道など各地で活躍してきた。そのおそらく現存する最後の1台が、静岡県の博物館に展示されることになるだろう、というものである。テレビ静岡「戦後ブルドーザーに改造された九五式軽戦車」 私がこの旧聞となるニュースに目を留めたのは、「あれはやはり」と思い当たることがあるからだった。もうすでにこの日記に何度も書いているが、鉱山技師だった亡父の転勤で私たち一家が福島県南会津の住友金属八総鉱山に入ったのは昭和28年9月(1953年)だった。そして間も無く本格的な鉱山町の建設が昭和30年までつづいた。そのわずか2年半ほどの期間のごく初期に使われていたブルドーザーが、九五式軽戦車を改造したものではなかったか。このことについて私はすでに2005年9月12日のこのブログに書いている。当時私は小学校2年,3年生だったので、それが改造戦車だと断言できないけれど、車高の低い、キャタピラーと車輪の関係性に特徴があるブルドーザーを、年上の中学生たちは「戦車を改造したものだ」と言っていたのである。 ・・・まあ、それ以上の思い出が私にあるわけではない。ただ、戦後10年も経っていなかった頃に建設が始まり、すぐに福島県随一の銅鉱山として発展した、鉱山関係者とその家族だけが居住した聚落が、戦車を改造したブルドーザーで造成されたのだということ。20年前に書いた私の舌たらずの八総鉱山回想記をいまだに読んでくださる方が大勢いられる。おそらく私よりずっと若い八総鉱山関係者の御子弟だと思う。あの深い山懐に抱かれた、小さな桃源郷のような場所を思い出されていられるのかもしれない。その人たちも現在は60歳代後半を過ぎていられるだろうが、子供時代を過ごしたあの地の鉱山住宅建設時のブルドーザーについて、私の記憶から拾い出して書いておくのも無駄ではないかもしれない。
Feb 8, 2025
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大雪に降り込められている地方はまことにお気の毒。観測史上記録的という地方もあるようだ。我が東京は天気予報では雪だるまマークが付いた日もあるが、そのマークもいつの間にか削除されて、実際は今日まで降らずに来ている。しかし今夜などは更けるにしたがって冷え込みが厳しくなっている。我が家の水道管は、元栓から家の中の各種蛇口までの距離が比較的長い。そのためであろう、厳寒の深夜に凍結することがある。その用心のため近頃は夜間だけ元栓を止めて水を抜いておく。不便を感じるが、凍結するよりマシだ。背に腹は変えられない。・・・そういえば、昔雪国に住んでいた子供の頃の家の水道には、凍結防止のための水抜き栓が設備されていた。 さて、私の来週の予定のなかに人に会う約束もあり、このまま雪とならなければ良いが、と思っている。
Feb 7, 2025
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東京・上野の科学博物館で開催中の特別展「鳥 ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統」を観てきた。 国立科学博物館が「鳥」をテーマとしたまとまった、しかもここ10年間に分類学上で大きく変わった研究成果に基づく展覧会を開催するのは初めてである。この展覧会は、いわゆる鳥の祖先と認識されてきた「始祖鳥」以前にすでに有翼恐竜が現れていて、鳥の進化の過程を数千万年前まで遡ることを具体的に実物剥製標本や模型で示す。現生鳥類のみならず、絶滅したものや絶滅危惧種の標本も展示している。 ・・・実際に観なければ解らないことはいまだに地球上に無限にある。鳥について私はまさにそのことを実感した。私は鳥の骨格を実際に見たことがなかったので、たとえば空中を飛ぶために軽量である必要性から骨自体が中空であること、しかもその軽量化による脆弱さを補強するため橋桁構造になっていること、他方、捕食のために潜水する水鳥の骨は、中がぎっしり詰まって重量化していることを実物標本で知った。あるいは、鳥は鳴管を使って鳴くが、非常に大きな声で鳴くハクチョウの鳴管はトランペットのように渦を巻いている。鳴管は気管支と分岐して体内に延び、幅広い胸の竜骨に同化している。つまり竜骨で音を増幅しているのである。あるいはまた恐竜時代の四足の前肢が数千万年かけて胸骨に結合、融合して消滅し、二足の鳥になった進化も、骨格標本で私は知った。 私は科学的な近代解剖学の基礎を築いたアンドレアス・ヴェサリウス(1514-1564))が、解剖図譜を著わすきっかけとなった逸話を思い出す。彼が大学で医学生たちに解剖学の講義をしたときのこと、人体解剖をしながらその構造を話しても医学生たちがまったく理解できないらしいことに気づいた。ヴェサリウスが標本(図譜)の必要性をさとったのはこのときであった。・・・私が「鳥」展を観ながら思ったのはそのことだった。 先日もこの日記に書いたが、我が家の小庭には朝になると鳥たちがやってくる。柿が生るころはカラスやハトなどがその実をついばみに。そしてヒヨドリはナンテンの実をついばむ。節分の豆まきの庭にこぼれた豆もついばんでいた。年によってはウグイスもやって来る。日野市の市鳥はカワセミである。市内を走るミニ・バスにもその名がついている。多摩川や浅川にはシラサギが小魚をねらっているのを良くみかける。今は土地造成のために切り払われて失ったがムクドリの一群が巣篭もりしている薮があった。・・・身の回りに鳥はいるが、それらがどんな進化をして現生鳥類として私の目の前にあらわれているか・・・本当のところを私は知らないで来た。「鳥」展を観に行かずばなるまい、と思ったのである。 特別展「鳥 ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統」は2月24日まで。特別展「鳥 ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統」図録 (左)おもて表紙 (右)裏表紙国立科学博物館 表紙デザイン:キャデック【下の2点の画像は私が所蔵する鳥の本】「大図説 世界の鳥類 (The World Atlas of Bird)」日本語版監修:山階芳麿 小学館刊 昭和54年(1979)原本:Mitchell Beazley Publishers Limited 1974「The Living World of AUDUBON(オウデュボンの生き生きした世界)」 by Roland C. Clement(国立オウデュボン協会会長)出版社:The Hamlyn Publishing Group Limited 1977カヴァー写真:David Mohrhardt*この本は、高名なアメリカの画家・博物学者ジョン・ジェイムス・オウデュボン (1785-1851) が、ミシシッピーに生息する野鳥を描いた手彩色の版画64点を、1点につき見開きページで掲載。加えてそれぞれに、次の見開きページで、現代20世紀の17人の写真家が実写した写真を添えて、国立オウデュボン協会会長ロランド・C・クレメント氏が解説執筆した。
Feb 5, 2025
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上弦の寒月あかし不動橋 青穹(山田維史) 寒月に横たう星や米軍機
Feb 4, 2025
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大きな寒気団が北海道および日本海側の東北地方から北陸地方に大雪をもたらすかもしれない。さらに四国・九州にも降雪の予想がでている。東京都心に出ていた降雪予報はどうやら解除されたが、はたしてどうなるかは分からない。 昨年の2月5日の午後、東京に初雪が降った。現在予想されているマイナス40度以下の大寒気団ではなかったはずだが、東京に雪が降った。そしてその残雪は、我が家の近辺では2月11日ころまであり、雪の重さで収穫もせずに放ってあった小庭の土佐文旦の実がいくつも落下した。ところが3日後には暖房を切る暖かさになったのだった。 暦のうえでは立春である。大寒気団が南下しているとは言え、そのすぐ後ろに春の歩みが来ているのかもしれない。各地に大雪の被害が出ないことを願いながら、春を待つのである。 八十の春を待つ日の寒さかな 青穹(山田維史)
Feb 3, 2025
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寒かろう鬼に蓑貸せ節分会 青穹(山田維史) 豆撒けばあすは鳥食う福となろ 老いてなおこころに鬼の節分会
Feb 2, 2025
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我が家の小庭には数本のナンテンがある。また、常緑樹も種々あるのだが、花のない冬にその緑の葉叢を彩っているのが赤いナンテンの実である。この赤い小さな実をヒヨドリが食べに来る。ナンテンの実には毒がある。ほかの鳥たちは食べない毒の実を、ヒヨドリは食べることができるのだ。 じつは我が家のナンテンは、他の種々の木々も同様に、人間が(つまり私や家人)が植えたものではない。鳥たちがどこかで食べた実を糞として小庭に落としていったと思われる。数本のナンテンは一箇所にまとまっているのではなく、こっちに一株、あっちに一株という具合なのだ。犯人はヒヨドリ。「ああ、こんなところにまた新らしい芽が・・・」と、呆れながらもそのままにして、やがて舞妓さんの簪のように小枝にたくさんの赤い実をつけるのを待っているのである。 寒い朝、「赤い鳥、小鳥、なぜなぜ赤い。赤い実を食べた・・・」と口ずさみながら、ヒヨドリの食べかすと敷石や石段の糞の痕を掃除している。
Feb 1, 2025
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