青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2025.07.08
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話題の映画『国宝』、友人と見に行きました。

この猛暑の中での3時間映画なので
映画館選びが大事だと思い、
ちょっと奮発してボックス席にしたんですけど
ほぼ満席の状態だったので
ゆとりがあって隣が気にならない席は大正解でした。

これから3時間映画とか良い席がとれない映画は
ボックス席が良いかなと思います。

肝心の映画の話ですが、

そこは弱かったけど
歌舞伎の名場面やその衣装がアップで見られたり、
伝統音楽・効果音・後見などがプロの技として
完璧に沿ってくるのを堪能出来るのは
映画ならではで素晴らしかった。

歌舞伎音楽や後見・黒子としての話の映画を
見たい位です。
それも本職の方のドキュメンタリーが良いです。

今回の映画は役者さんが演じている以上
仕方ないことかもしれませんが、
歌舞伎の動き動きがカットされてアップになり

継続した動きは名場面ばかりで
見た目は美しいんですけど、
歌舞伎の美しさの醍醐味の
何気ない所を含めた継続した動きが
今ひとつ感じられなかったのが残念でした。


静かな美しさというのは
演目の中で動きとして堪能できるものなので
もう少し継続した動きを出してほしかったけど
演じている人達が俳優さんである以上
難しいのだと思います。

あと見ていて気になったのが、
映画として作ってあるからそうなるんだと思うんですが
いかにも感動的な音楽(時に歌付)が
映画音楽的な音響と入り方で
ここが感動シーンですよ~!って感じで
ど~んと入ってくる。それも何度も何度も。

この映画、取り扱っているのが伝統芸能で
上質感、本物感、豪華絢爛感が半端ないんです。
そこにあえて現代音楽を合わせたのがいけてるという
方向性なんだと思いますが、
私には余分に思えました。
音楽はとても良いけど、この映画の本物感には
必要なかったのでは。
2回位で押さえておくならまだ良かったけど
いかにも感動的な音楽で盛り上げようとしてるのが
映画をぺらっとさせてしまった気がします。

話題の役者さん達ですが、
吉沢亮・横浜流星
黒川想矢・越山敬達は勿論良かった
寺島しのぶも勿論良いに決まってる
だけど、もの凄かったのは
田中泯さん、もう圧倒的にダントツで凄い。

完全に女形の重鎮、
歌舞伎の世界の人(よく知らないけど)に
なっていらっしゃってました。

女形の重鎮なんだけど、凄みがあるんだけど
歌舞伎という伝統芸能の世界の中では
大勢の一人というか
ただの一人の役者というか、
その自分の身の置き所をわきまえているのが
本物の歌舞伎役者。
そういうところも含めて演技されている。
すごいです。

主役級の役者さんは、とにかく俳優さん自身が
表に出がちの人が多いけど、
田中泯さんは全く出てこない。

目の演技が凄かったと監督がおっしゃっていたけど、
目だけじゃない、口の表情も声もすごい。
この方、やっぱり全身で演技されているんです。

『パーフェクトデイズ』のホームレス役で
ちょっと出てこられて、
ホームレスの自由さ・夢・狂気・悲しさ・儚さが
ふわっと出てくる動きをされていて
凄い人だなと思ったんですが
この方こそ日本の演劇界の宝だなと思いました。

高畑充希は可愛らしくて演技も上手くて
私は好きなんですけど、この人、いつ見ても何しても
高畑充希に見えるんです。
声も表情も高畑充希のものばかりで
そこが役者としては問題かなと。

三浦貴大はこういうことを言うと
百恵ちゃん♡友和ファンに怒られると思いますが、
山口百恵のふてぶてしい感じを受け継いでるなあと。
そして三浦友和のもともと持つ雰囲気も受け継いでいて
今回の役に合っていると思いました。
抜擢した監督がすごいのか、ぴったりはまった
三浦貴大がすごいのか
今後の作品でわかってくるでしょう。

ストーリーですが
私は原作をまだ読んでいないので、
映画ではしょってしまっているのか
原作自体がそうなのかわかりませんが、
話の流れがよくわからないところが多々ありました。

例えば、主人公に一途の恋人が
なぜ主人公の友人と一緒に駆け落ちしてしまうのか。

主人公は利用しようとだけ思って
歌舞伎役者の娘に手を出したのか。
そしてその娘はその後どうなったのか。

主人公はもともと極道の親分の息子で
敵討ちをしくじっている身なので
その後、組との関係が切れるとも思えない。

一緒に敵討ちした友人はその後どうなったのか。

主人公の恋人は15位で入墨を入れているので
極道の家の出だと思われるが、
実家との関わりはないのか。

などなどよくわからない部分が多いのですが、
梨園は一般人にとっては
わからない事だらけの世界なので、
映画でその世界を垣間見ていても
見えるのは結果だけで、実際のところはわからない、
なぜそうなっているのかもわからない、
例えば隠し子がいたとかいう話や
愛人や芸子さんとの密会の話も実際聞きますけど
私達一般人が知るのは結果だけで詳細はわからない。
そういう意味では全て説明していないストーリーも
ありなのかなあと思いました。

原作は読みたいと思っています。
作者は黒子としての経験があるそうなので
詳細な描写を期待しています。






上下巻ありますが、読みやすいそうです。

画像をクリックすると詳細が見られます。





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Last updated  2025.07.17 04:38:42
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