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「KUROさんがアンダラ?」と私を知る石好きさんに怪訝な顔をさせた(らしい)アンダラです。自他共に認める「パワーわからん人」の私が、見た目と触感のみで感じたところでは、先日書いたように手触り・温度・重さは水晶(石英)よりもガラス。似た形の最強引っかけ要員の水晶(石英)のかけらと比べると、割れ方がなめらか、つやつやであるように思えますが、ガラスでもそのようなものがあり、逆にアンダラでもごつごつ割れているものを見たことがあるので、これはこのピースが、たまたまこのように割れたということでしょう。一カ所気泡によると思われるような穴があり、これも水晶(石英)ではないことを裏付けています。実は、今回の参加型実験企画でアンダラをネタに取り上げ、名前候補の中にアネラクリスタルを入れたところ、アネラクリスタルについてのメッセージを続けて複数の方からいただきました。たまたま、アネラ・クリスタルには問題(?)が持ち上がっており、そのためであると思われます。本来なら直接お返事すべきところですが、もしかしたら、今後同じような思いでメッセージをくださる方もいらっしゃるかもしれませんので、今回、個人的意見を書かせていただきたいと思います。なにぶんにも、今回、企画としてアンダラやアネラの名前を上げはしましたが、私個人はアンダラを買うにもその説明ではなく、手元の人工ガラスと比べてみたいという、ある意味失礼な興味で手にしたので、ちょっと素っ気ない言い方になってしまう点はご容赦ください。アネラ・クリスタルとは、見た目アンダラそっくりの、アクアマリンのような淡い水色のガラス状の石です。2008年1月、(アンダラクリスタルの発見者)ネリー氏がヒンズー人に寄贈したアンダラ(シエラネバダ産)が「爆発」するという出来事があり、これを母胎にして生まれたのがアネラクリスタルである……というのが、最初の情報でした(と、記憶しています)。ところが、9月に入ってやや情報が変化したようなのです。アネラクリスタルにはアンダラの発見者ネリー氏は関わっていない、アネラクリスタルは爆発したアンダラのかけらではない……という情報が出たかと思えば、ネリー氏がアンダラとアネラはいとこだと言っている……という情報も。私がとりあえず頭の中を整理したところでは、アネラクリスタルは爆発したアンダラではない。アンダラとは「いとこ」ということだが、では何かというといまいち不明……というところでしょうか。……で、いただいたメッセージおよび、いくつかのブログを拝見したかぎりでは、販売サイドの説明が根拠だったのに、その根拠が一気に揺らいだことで、返品すべきか否か? 産地や正体が不明なものを売るのは違法ではないのか? 店の対応はこれでいいのか? アンダラは? ……など、かなり疑問や不安を抱えておられるようす。もちろん、返品するもしないもそれは個人の判断です。私はそれに対して何を言いませんし、言う権利もありません。逆の立場だったら言って欲しくありません。「違法では?」という点については、一般的に考えるなら変だと思います。ですが「違法」という厳密な言葉のもとで判断を……ということなら、それ相応の機関の判断を仰ぐのが適切であるとしか言えません。「お店の対応に納得がいかない」……これについてもショップ側と納得がいくまで(冷静に)話し合いをされることをおすすめします。参考までに、私自身が見聞きしたケースでは、お店で販売された石が名前が違っていて返品受付……という場合は、間違っていたその石のみが対象でした。アネラクリスタルの情報が間違いならアンダラも不安で返品したい……という方もいらっしゃるでしょうが、たとえば、スーパーマーケットで牛肉に産地偽装があった。となると豚肉も不安だから返品したい……という話として考えると、それはちょっと。やはり問題が商品のみ……というのが妥当ではないでしょうか。いきなり「返品したい!」ではなくて、まずはアンダラの情報を求めてみてはいかがでしょうか。産地が違っていた、石の種類が違っていたというのは、間違いです。そのままでいいはずがありません。販売側として訂正し、対処する義務があると思います。ただ……石は、ともすると個人の主観と深く結びついているので、商品の情報違い→返品という対応にも主観が入り込んでこじれてしまう可能性もあるかと思いますので、ここは努めて冷静に、客観的に……。たとえばのお話ですが、二つのお店が同じ石を売っていたとして、A店は店員の対応が親切だからいい石、B店は店員の態度が悪いから、あそこの石は偽物だ……というのは変ですよね。今回この問題が持ち上がったことで、石の産地、この石が本当にその石なのか……という点について、改めて考えた方もおられたことでしょう。説明を信じて買ったのに、それが覆ったときの不安な感じ……。失礼を承知で申し上げますと、最近のヒーリング系の有名な石、ロシレムにしろ、アゼツライトにしろ、アンダラにしろ、「どこ」というのがよくわかってない石が多いのです。ロシレムはウラルの「ブルーエンジェル」である、アゼツライトはノースカロライナとバーモントと南インドのサチャロカである。そういう話は出てきますが、ではそれはどこだ……となった場合、実はよくわからない。ノースカロライナ州と言っても広いし、南インドでサチャロカがどこだかわからない。アンダラに至っては未だに天然説・人工説がある。アンダラもアゼツライトも、最初は「限られた量しか採れなかった(もう採れない)希少な石」というふれこみだったと記憶していますが、その後新しいタイプが続々と……アネラばかりがわからないわけではないと思います。これがほかの石だと、鉱物標本としても流通するので、そちらの方面から調べて、たとえば確かに水晶らしい、海外サイトで同じ産地のラベルで特徴が似通った石が出ているから、産地としても間違いではないらしい……などと確認し、ミネラルショーでちゃっかりゲットできたりします。私は、隙間系石好きとして、説明でその石に興味を持ったとしても、買うか買わないかの段階になると、「そういう説明がついている石だから」ではなくて、石の形や内包物やそういったものが占める割合が大きいので、自分が調べた結果に納得できれば、売っている店や売られ方は問題にしません。ただ、ヒーラーが名前を付けた石では、違う方面からの確認が難しいです。スーパーセブンやボージーストーン、ロシアンレムリアンくらいまでは、なんとか鉱物標本としても見かけることがありましたが、アゼツライトやアンダラは、名付け親のヒーラーやその関係者が流通も一手に握っていて、鉱物標本として売られた場合、どのような表示になるか……というような確認もとれません。石を買う場合、自分が価値を置くポイントはどこなのか、そのポイントや値段と石そのもののバランスは納得できているのか……、そのような点について自分に問いかけ、自分で答えを出さなければならないと思います。自分の価値基準に問いかけるのですから、自分でなければ最終決断できないはずです。アゼツやアンダラの場合、私がポイントを置く産地や石の情報についてが不鮮明、値段については財布の中身と相容れない……ということで、「買わない」という選択をしてきました。今回企画に登場しているのは、値段の点が何とかクリアされたからです。(アゼツに至っては320円でしたから……汗)相場について気にされている人がおられましたが、これまで何回か述べてきたように石の相場は一概に言えません。石一つ一つの条件も違えば、店や流通経路によっても大きく違います。石そのものとは関係ない店の必要経費で差が出る場合も多いです。同じ店に同じ産地・種類の石が入荷しても、そのときの為替相場や産地の政治情勢で変動したりもします。慣れと勘と自分の希望で判断するしかありません。最後にある意味ショックな写真をもう一枚。撮り方を変えた、同じアンダラクリスタルです。撮り方ひとつで、こんなに見た目大変化するんだから、自分で納得できないと買えない!写真を撮ることで、そんな考えが身に染みついたのかも……。
2008/09/14
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北アメリカはユタ州のダグウェイ産アゲートのジオードです。ダグウェイ産なのでダグウェイ・アゲート。そのまんまのネーミングなのですが、このアゲートのジオード、アゲート部分がブルーグレイ、内部が粉砂糖のような微細な結晶に覆われています。ちょっと目を惹く風情なので、「ダグウェイ・アゲート」という名前が書かれていると、それが特別なことのように思えてしまうのが困ったところ。写真の石は、幾つか並んでいたダグウェイ・アゲートの中でも一番大きく、ジオードの内部が複雑な形状になっているところが魅力。ダグウェイの綴りを調べるために検索していたら、ここで産出するアゲートは、ブルーグレイで粉砂糖のような微細な結晶付きのものが多いようでした。アゲートは比較的地味なイメージがありますが、なかなかどうして侮れません。アゲートだけを収集するコレクターがいるのも解ります。中でもジオードはアゲートならではの色や模様に加えて、内部世界というもう一つの魅力がプラスされて、意外にツボなのです。
2008/08/24
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新宿ショー戦利品です。初日、例年よりも人出が少ないという意見がありますが、私にとっては前年と同じくらいのぎっしりすし詰め状態だと思っていた人混みのなか、知り合いの石好きさんと、あっちこっちのお店をチェックして回っていたときのことです。小さいけれど、遠目にも鮮やかな色彩の石。表示を見ると「Red Beryl」。同時に目に入ってきた「Each \1000」えーと。一瞬理解できませんでした。レッドベリルということはわかります。エメラルドやアクアマリンと同じベリルの仲間で、マンガンによって濃いピンクに発色している石。採れるのは世界でわずかに数カ所。数センチの結晶が最大級のものという、ベリル族きってのレアな石。鉱物名はビクスバイト(Bixbite)。ところがビクスビアイト(Bixbyite)という、一文字違いで全く別の石があるので、ややこしいためにレッドベリルの通称の方が知られています。宝石業界の方では、「レッド・エメラルド」と呼ばれていたりもしますが、エメラルドは誰がなんと言おうと緑の宝石の代表格。赤い緑の宝石なんて、変です。……とそんなことが頭を駆けめぐり……。えーと。「Each \1000」ってことは、ひとつ千円?「¥」だからドルじゃなくて円だよね?思わず、一緒にいた石好きさんにも同意を求めました。「ひとつ……1000円?」「だよねえ……?」石の大きさはわずかに7、8ミリ。小さいです。しかし、大きさはもうちょっとありましたが、ずっとずっと色の淡い石を3倍以上の値段で買いましたよ?結晶の頭(端面)はないけれど、柱面はばっちり。それにこの色。濃いピンクと言うよりホット・ピンクとでも言いたい、鮮やかな色!これはもしかしなくても掘り出し物!……ということでめでたく色鮮やかなレッドベリルをゲット♪最終日にものぞきに行きましたが、3分の2以上が売れていて、色が浅い結晶ばかりが残っていました。やっぱり、皆さん気が付いて買ってる。初日に見つけたのはラッキーだったかも。どころで、色が浅い結晶を見るとわかりますが、レッドベリルのピンクは、赤に白を混ぜたピンクよりも、若干紫がかっています。なので、某「クリスタル百科事典」で、レッドベリルが「オレンジ・赤の石」に分類されているのが納得できません。
2008/06/25
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謎の水晶です。その名も「レッド・デーモン・クォーツ」。なんだかゲームに出てきそうな……というより、実際検索するとゲーム関連サイトが山ほどヒットするのですが。最初二個の水晶の名前を見たのは、メタフィジカル系(パワーストーン系?)のショップでした。なので、クリスタルヒーラーとか、そういう人が付けた名前だろうと思っていました。次に見かけたのは、パワーストーンとは関係のない鉱物ショップサイト。「パワーストーンのネーミングじゃなかったのか?」……とややびっくり。写真の石を買ったのは、鉱物標本とパワーストーンを扱っている店で、鉱物標本として、ちゃんとしたラベル付きで売られていた石です。いずれも説明は共通していました。アメリカ、コロラド州のRed Feather Lakes産。酸化鉄によって赤くなっている。写真の石は、芯の方は、不透明白で、錐面のあたりは透明な結晶になっており、透明な部分の一部が赤~茶色にちょっぴり色付いています。上記の別サイトでみた水晶は、もっと透明で赤い(赤茶色)ものがありました。レッド・デーモンのレッドは、この色でしょう、たぶん。もしかしたら産地の「Red」かも。では、デーモンは?産地にはDemonは入っていません。何より、「Red Demon Quartz」の名前で検索しても、海外サイトがヒットしてこない。いったいこの名前はどこから来たのだろう?ただ、レッドクォーツというのではなく、レッド・デーモンとまで言うのなら、何か由来があるはずです。名前の由来を気にするには、いくつか理由があります。ひとつは、由来を知ることで、この水晶を発見した人の印象や、発見された場所や状況がわかる場合があるからです。たとえば、メテオラ水晶というのがあります。今回の写真の石と同じコロラド州産の水晶で、「隕石のクレーターから見つかった」という説明が付けられていました。ところが、改めて調べてみたら、クレーターではなく、隕石が落ちたように思われたので、隕石を探しにいったが見つからず、代わりに風変わりな水晶を見つけ、見つけた場所を「Meteo Pocket」としたのだそうです。想像するに、「Meteo Pocket」→隕石ポケット→クレーターと誤訳&勘違いがあったのでは……。このように、正しい謂われがわからないままだったら、今も隕石が落ちたクレーターのそこから発見された、と間違ったままで、そこから得るイメージも違ったものになってしまっていたでしょう。レムリアンシードも、採掘場所のようすがまるで遺跡の発掘現場のようだったことにインスピレーションを得て付けられた名前だと知らず、ただ外見のみでレムリアンシードという名前を覚えてしまうと、中国産でもヒマラヤ産でもレムリアンシード、似ても似つかない水晶なのに、柱面に横筋が入っているだけで国産水晶がレムリアンシード、挙げ句の果てには柱面に横筋(成長線)が見られる様子を「レムリアンシードが見られます」という羽目になります。(実際、そういうショップサイトを見かけました)そういうことではちょっと悲しいので、外見や産地から付けられたのではなさそうな名前の場合は、由来に注意しているのですが、レッドデーモンの由来は不明。もしかして、発見者の名前?写真の石は「そういえば、鉄分で赤」程度ですが、本来はもっと真っ赤っかで「デーモン」な感じの石だった……とか?どなたか、ご存じの方は教えてください。
2008/01/23
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アーカンソー産の水晶です。アーカンソーは、水晶の産地としてはおなじみで、透明でぴかぴかな水晶の代名詞といっても過言ではありますまい。以前は、「もっとも美しい水晶」の異名を持っていたとかいないとか。もちろん、アーカンソー産でも白い曇りが入った水晶はありますし、時には表面に鉄さびがびっしりくっついている物もあります。一方でぴかぴか透明なブラジル産水晶もあります。にもかかわらず、アーカンソー産水晶、と聞くと、無条件で透明、ぴかぴかと連想してしまうのは、石好き初期のすり込みの結果でしょうか。ところが、石好き初期は取りあrず透明な水晶ポイントを買うので精一杯。その後「へんてこ水晶」「ヒマラヤ水晶」にのめり込んだ私は、気がついてみると、透明ぴかぴかなアーカンソー産水晶をほとんど持っていませんでした。あるとすれば「エンジェルブレッシング」という名前を持つ先端が剣山になったような白濁したタイプや、ふらっとした淡い曇りが入ったタイプ、もしかして黒水晶にのめり込むきっかけになった人工黒水晶もアーカンソー産かもしれません。うーん、透明ぴかぴかが、ない……。そんな中で、写真の水晶は、貴重な透明・アーカンソー。小さくて、おまけに買ったのがアジアン雑貨のお店ですが、「アーカンソー産」と書いてあったのでアーカンソー産でしょう、たぶん。ところで、こんな話があります。日本でも知られているクリスタルヒーリングは、アメリカが発祥です。ニューエイジと呼ばれる考え方のかたすみで、クリスタルヒーリングが始まったとき、ヒーラーさんたちが手に入れられるのは限られた産地、おそらくアメリカ国内の石しかありませんでした。
2007/08/09
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今回の石は、ごらんの通りの地味~な石。しかし、名前……というか、クリスタルヒーリングの分野(たぶん)で付けられた名前は、外見に反して、かなり気合いが入っています。人呼んで「ヒーラーズ・ゴールド」。癒し手の黄金とは、名前だけでもなんだかすごそうです。海外サイトに出かけていって、ヤフー翻訳「様」にお世話になりつつ、(あやしげな日本語に訳されますが、様と付けたいほどお世話になってます)その効能書きを調べてみたところ……「地球のエネルギーとつながり、エネルギーのバランスをとる。自分自身のエネルギーを減らすことなく、他の治癒を行うことができる。生命力、創造性、明快さ、スタミナ、忍耐力などを高める……」(↑正しく訳せていないかも)のだそうです。さて、見かけは、ややつや消し状の黒い地に金色の粒が散っている、「黄金」というにはシブい見かけのこの石が、鉱物としては何なのかというと、マグネタイト(磁鉄鉱)にパイライト(黄鉄鉱)が混じったもの。パイライトが多い部分は、それなりに華やかに見えるものの、他の、色鮮やかだったり光に透ける鉱物に比べれば、断然地味。ふと気になってさらに調べてみました。マグネタイトとパイライトそれぞれでは、どんな効能があるとされているか。マグネタイトは……チャクラを一直線に並べる(?)。瞑想の深め、グラウンディングの力を持つ。持久力と洞察力を高め、展望する力を助ける。……よくわかりませんが、こんなところらしいです。次、パイライトインナーチャイルドとうまく融和し、ハートを地球に対して開く。自分自身と地球を光でつなぎ、心と体を光で満たす……らしいです。一般的パワーストーンの意味合いだと、金運アップと説明しているのが多いです。キンキラしているから金運……? これはこれでわかりやすいんですが。要するに双方とも地球のパワーにつながって、心身をパワーアップしてくれる石であるようで、それが一つになって、さらに効能アップ……と考えると、なんだかわかるような気がするヒーラーズゴールドです。さて、この石数年前に買ったもの。タンブルで、ちょっと高めの数百円でしたっけ。当時「メンブレス・ゴールド」という名前で売られていて、私の周りでは、ちょっと話題になった石でした。かくいう私も「そんなにスゴイ石か」という野次馬根性で買ってしまいました。「メンブレス」という言葉の綴りも意味もわかりませんが、『地味な見かけの割りにスゴイよ』……というような評判だったのです。ヒーラーズゴールドという呼び方を知ったのは、比較的最近です。ところで、ちょっと耳にいたいこんな出来事があります。ヒーラーズゴールドは、鉱物として言えば「マグネタイト・パイライト」。私がタンブルを買ったのと似たような時期に、(つまり、この石が話題になっていた時期に)、鉱物店ではなくて、どちらかというとヒーリング系の別のお店が「マグネタイト・パイライト」という名前で丸玉を置きました。言うまでもなく、これはメンブレス・ゴールド(ヒーラーズ・ゴールド)の丸玉です。しかし……、タンブルに対して丸玉という大きさや値段の差もあったかもしれませんが、その丸玉はかなりの間売れませんでした。(まだあったりして)メンブレスゴールド(ヒーラーズ・ゴールド)のタンブルを売っていたお店と、丸玉を売っていたお店の客層は、かなりに通っていました。では、皆さんその丸玉からはパワーを感じなかったのか。それとも、名前がメンブレス・ゴールドではなかったから、気がつかなかったのか。野次馬でタンブルを買った私に言えた義理ではありませんが、ネーミングが持つ力は絶大です。ある意味言霊の威力かもしれません。私の場合、自分が「感じない」タイプだとわかっているので、この石を買ったのは興味本位。「すごいパワーがある石」だから買ったのではなくて、「みんなが騒いでいるのはどんな理由だ?」という興味です。その後は、いかにも岩っぽい質感を写真に撮ってみたり、完全不透明濃色石を、如何に撮影するかの練習台になっています。では、あのとき買われていった、他のタンブルたちは、今、どうしていることでしょう。
2007/07/01
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アリゾナはモレンシ(モレンチ)産のアズライト・マラカイトです。ラベルではアズライト、マラカイト、クリソコラだったんですが、あちこちひねくり回してみてみても、クリソコラらしき水色が見えなかったので、省いてしまいました。もこもこしたマラカイトの上に、端の方がちょっと透けるアズライト。どちらもほぼ不透明コンビで、以外に写真に撮るのが難しい……。明るい陽射しでとっているのに、撮れた写真は、どことなく「夜のジャングル」(笑)。モレンシ(モレンチ)といえば、ターコイズの産地としても有名です。ターコイズと、アズライト、マラカイトって……? と思っていたら、何のことはない、ターコイズのあの青も発色は銅によるもの。銅の鉱山の副産物としてターコイズが採掘される場合もあるそうです。なるほどなるほど。アズライトもマラカイトも銅の鉱物で、良く一緒に産出します。アズライトがマラカイトに変化して混じっている場合もあります。ビーズやルース、時には原石でも、写真のようなアズライトとマラカイトが混じっている物を「アズマラカイト」と呼ぶようです。ところで、アズライトの和名は藍銅鉱物、マラカイトは孔雀石です。アズライトやマラカイトは、それぞれ英語のAzurite、Malachiteをカタカナ表記したものです。日本語には内発音を持つ言葉をむりやり日本語表記するので、当然、いろいろな表記があります。アズライトをアジュライトと書いたりする場合も多いです。(Azuriteとそっくりな綴りのAzulite(天藍石)という石があり、Azuriteをアズライト、Azuliteをアジュライトと書き分ける場合もあります) これがアズマラカイトになると、アジュマラカイトとか、アズールマラカイト、アジュールマラカイト、アズロマラカイト……。ああ、日本語ってややこしい。私は「アズマラカイト」で覚えたので、これを使っていましたが、一体どれが一般的なんでしょう?Googleで検索してみました。その結果アズマラカイト:1070件アジュマラカイト:371件アズールマラカイト:138件アジュールマラカイト:175件アズロマラカイト:17300件……単にヒット数だけですが、アズロマラカイトがぶっちぎりで多いです。そうか、アズロマラカイトだったのか……とうなずきかけて、ふと疑問。アズマラカイト、もしくはアズロマラカイトは、原石を見てわかるようにアズライト(Azurite)とマラカイト(Malachite)をくっつけた言葉でしょう。では、アズマラカイト(アズロマラカイト)の綴りって?もしかして、和製英語みたいな物だったりしないだろうか。元の綴りと、日本語表記を見比べて考えられる綴りは4つ。日本語表記でも「~マラカイト」は共通しているので、語尾の「malachite」は確定でしょう。あとは、「アズ」だの「アジュール」だの「アズロ」だのと書き表される部分のバリエーションです。「Azmalachite」「Azumalachite」「Azurmalachite」「Azuromalachite」では、同じように検索です。ただし、今回は日本語サイト以外も数に入れることにします。結果!「Azmalachite」:2件「Azumalachite」:6件「Azurmalachite」:2660件「Azuromalachite」:276件「Azurmalachite」が一番多い!アズライトの名前はそのままずばり「青い石」という意味。アズライトはすりつぶして粉にすることで、美しい青い絵の具となります。その名も、ペルシャ語の「lazward」(天、空、青の意味)に由来すると言われています。でも、Azuriteと「Lazward]では、あまり似ていないと思ったら、「lazward」は、英語の「azure」(空色・紺碧)の語源なのだぞうです。「Lazward]が「Azure」になり、「Azurite]になったのだとすれば、うなずけます。「Azurmalachite」の頭の部分は「azure」、むりやり日本語表記すれば「アズール(アジュール)」でしょうから、アズールマラカイトやアジュールマラカイトは、ヒット数は少ないものの、意外に正統派ではあるわけです。残りにしても「ー(長音)」で伸ばすか、短く表記するか、あるいは「r」を「る」と聞き取るか、略すかは、まあ「表記揺れ」の範囲だと言えるでしょう。しかし……「アズロマラカイト」は、ちょっと毛色が違うようです。私が「Azuromalachite」のつづりを考えたように、「アズロ」ときたら、どうしたって「Azur」の後ろに「o(オー)」が入りそうな雰囲気。「Azuromalachite」の検索でも桁は違いますが、2番目の多さです。ところが。この綴りによるヒット数の内訳には、続きがあります。「Azmalachite」:2件→すべて外国語サイト「Azumalachite」:6件→すべて外国語サイトこれは、単に綴り間違い、誤字脱字の世界でしょう。「Azurmalachite」:2660件→日本語サイトも外国語サイトもありそして驚き「Azuromalachite」:276件→日本語サイト+韓国語サイト1件もしかして、アズロマラカイトという表記、「Azuromalachite」という綴りは、日本オリジナル……というか、日本語なまりなんでしょうか。どうも、ヒマラヤ山脈の世界三大パワースポットみたいに、どこかが言い出して、広まったっぽいなあ……。そんなことを考えながら、手持ちの本をめくっていたら、某有名パワーストーン本が「Azuromalachite」でした。……震源地はここ?サイト数は日々刻々変化すると思いますが、日本語サイト外国語サイトのここまであからさまな差は、ちょっとやそっとではひっくり返らないでしょう。検索のヒット数からすれば、「Azurmalachite」が一般的だと思います。そして読み方は、「アズロマラカイト」以外ということに(笑)。
2007/02/12
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キラキラ・ラメラメ度ランキングというものがあれば、我が家の石の中では間違いなくトップクラスに躍り出るであろう石。ヘマタイトです。そのキラキラ具合はまるで銀河。その正体は、ヘマタイトです。どうやら、ヘマタイトの薄片が表面にちりばめられた状態になっているらしく、それが光を反射して、キラキラと輝くのです。「どうやら」と言っているのは、この石が天然未加工の状態ではなくて、表面が樹脂でコーティングされているからです。おそらく、コーティングなしでは、キラキラの薄片がボロボロと剥がれ落ちてしまうのだと思われます。ところで、このヘマタイト「スペキュラー・ヘマタイト」として買ったのですが、検索していくと、どうもおかしいのです。「スペキュラー・ヘマタイト」で画像検索すると、写真と同じタイプの石がヒットします。それはそれでおかしくないのですが……。「specular」とは「鏡のような」という意味。日本語にすれば「鏡鉄鉱」です。そこで、「鏡鉄鉱」で検索すると……、ヘマタイトはヘマタイトでも、いわゆる「アイアン・ローズ」と呼ばれるタイプの、金属の薄板ような、平らな部分が大きいタイプのヘマタイトが出てくるのです。一方、写真のようなキラキラ・ヘマタイトは「雲母鉄鉱」と呼ばれている様子。英語では「Micaceous Hematite」です。写真の石は、鏡と言うよりは雲母のキラキラに近いので、そうだと言われればそんなような。いったいどっちだ!?……と調べていくと「鏡鉄鉱とは、薄片状で光沢の強いヘマタイトのこと」と言う説明がありました。アイアンローズ・タイプもよく見れば花びらのように薄い薄片が重なった構造です。写真の石も樹脂のおかげでよく見えませんが、小さな小さなラメ状薄片のはずです。また別の説明では、「とくに光沢のいちじるしいものは鏡鉄鉱. (specularite)」「結晶が 薄片の集合状をなすものは雲母鉄鉱(micaceous hematite)」だというのです。やはり、写真の石は「雲母鉄鉱」だとした方が良さそうです。雲母は「きらら」ともよばれていたそうですから、このキラキラぐあいにも似合いの名前ではないでしょうか。それにしても……なぜ、このキラキラがスペキュラー(鏡のような)という名前になっちゃったのでしょう。今度はそっちがちょっと不思議だったりします。
2006/09/22
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アリゾナ州、キングマン鉱山のターコイズです。ターコイズは、銅やアルミニウムなどを含んだ湿気の少ない山岳地帯に雨水が染み込み、岩の間に堆積して結晶したもの。染み込み、堆積し、結晶するプロセスが繰り返されて濃度を増し、まるで空の青を映したかのような石になったのだそうです。ターコイズは、古くからインディアン(ネイティブ・アメリカン)が儀式などに使っていたターコイズが、インディアン・ジュエリーとしてシルバーと組み合わされ、広く流通するようになったのは、ここ100年ほどのことで、さほど古くはありません。以来、この空の青の石は多くの人々を魅了してきました。たくさんの人々にもてはやされたと言うことは、同時にイミテーションが多く生み出されたと言うことでもあります。くわしくはこちらに書きましたが、ざっとあげるだけでも●エンハンス(ト)……加工により、硬度を上げたもの●スタビライズド………透明な樹脂を染みこませたもの●カラートリーテド……色つきの樹脂を染みこませたもの●練り……………………粉末にしたターコイズを樹脂で固めたもの●イミテーション………ガラスやプラスチックの模造品●ハウライト・ターコイズ……ターコイズとは全く別の鉱物であるハウライトを ターコイズ・ブルーに染めたもの●他の石…………………バリサイトなど、ターコイズに似た、別の石。などがあります。石好き視点から見れば、もちろん未加工のナチュラル・ターコイズが良いのですが、ターコイズは樹脂を染みこませる加工が可能なことからもわかるように、たくさんの細かな隙間がある多孔質の石なのです。そのため、ナチュラル・ターコイズはもろく、水や汚れにも弱いという欠点があります。ですから、アクセサリー、特にビーズなどはほとんどがスタビライズド以上の加工を施されていると見て間違いないでしょう。もろく、水や汚れに弱いターコイズを、肌に触れる可能性のあるビーズにしようと思ったら、樹脂か何かを染みこませておかないと、とても使えないからです。願わくば、それが透明樹脂どまりであることを願うのみです。さて、写真はアメリカはアリゾナ州、キングマン鉱山のターコイズです。ジュエリーとしてのターコイズの価値を求めるならば、美しさや質の高さの他に、鉱山名がはっきりしていること、余計な加工が施されていないことがポイントになります。ターコイズ鉱山はすでに閉山しているところも多く、中にはほんのわずかしか掘れなかったところもあり、それらは、幻のターコイズと化しています。写真のターコイズの産地であるキングマン鉱山は、銅と共に採掘され、昔から、そして今もターコイズを産出している現役の産地。淡いブルーから濃いものまで、バリエーション豊かなターコイズを産出します。多くはスタビライズドされるとのことですが、この見かけからするに、写真の石はナチュラルでしょう……。たぶん。灰色で、ゴツゴツしていて、ちょっと青みを帯びて見えなくもない石の石の一部が欠けて(欠いて)あって、鮮やかな水色が見えています。雨水がターコイズの成分を溶かして岩の隙間に堆積させた様子がわかります。これを磨くと、ターコイズらしい模様(マトリクス)になるわけです。色は、なかなかきれいな水色ですが、ちょっとばかり粉っぽい感じ。これは単に割っただけで磨いていないため、そして樹脂を染みこませていないことの証だと思っています。石の中から現れた空の青。雨の少ない山岳地帯で、石をどけ、岩を割り、危険と隣り合わせで掘り進んだ末に岩の中に空を見つけた喜び、そんなにまでしてターコイズを求めたネイティブ・アメリカンの人々の思いを、ちょっと想像してしまいます……。
2006/08/04
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いいかげん、耳にタコを通り過ぎているかもしれませんが、私は原石派です。自然が作り出した結晶の形が良いのです。とはいえ、ポリッシュも買うし、丸玉だってエッグだって持っています。それでも、ポリッシュならばもとの形に忠実なもの、エッグや丸玉は、磨いた方がきれいだったり、結晶の形を持たないもの……とある程度こだわりというか、自分の基準を持っているつもりです。そんな中で、根拠はないけれど何故かこだわって集めている石がこれ。フローライトの劈開割り八面体です。「劈開割り八面体」という用語はありませんが、天然の状態の形ではなく、フローライトの劈開(一定の方向に割れやすい性質)を利用して作った八面体なので、こう読んでいます。聞くところによると、熟練の職人さんがいて、ハンマーでぱりんぱりんと割って作っているのだそうです。はたして、辺の長さが1センチほどの小さい八面体も手作業で作っているのでしょうか。この劈開割り八面体は、形もかわいいし色も美しいのが多くて人気です。何を隠そう、初めて買った石は、確か紫色のフローライト八面体でした。そして時は巡り、手元にはいくつかフローライトの八面体がありますが、最初に買った一つを覗いて、すべて「パイライト入り」という共通点があります。そうです。何故かこだわって集めているのが、「パイライト入りフローライト八面体」。理由はありませんが、何か基準を設けておかないと、際限なくころころ増えそうで……。それともちろん、パイライト入りが美しいから。フローライトは、水晶にはないみずみずしい美しさがあります。その中に内補されたパイライトの金色の粒は、まるで石の中に浮かぶ星くずのよう。永遠に浮かび続ける浮遊感とでもいいましょうか。そこには小さな宇宙があるように思えるのです。
2006/07/30
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エルムウッド・パート2こっちはフローライトです。ちっちゃなサイコロ状結晶が集まって、やはりサイコロな形を作っています。こういうのもフラクタルな構造と言うんでしょうか。カルサイトの色と輝きは、柔らかさを感じさせます。フローライトのそれは、みずみずしくありながら、形はどこか人工的。私にとってのフローライトの結晶は、「都市」のイメージです。さて、エルムウッドのフローライトといえば、色はだいたい紫色~紺色の濃淡バリエーション。スファレライト(閃亜鉛鉱)を母岩としているものも多く、いかにもエルムウッドらしいこのタイプをねらっていたのですけれど、写真の石を見て、あっさり方向転換しました。写真のフローライトは、母岩部分はなく、(母岩のように見えているのはミネラルタックです)写真では裏側に当たるところに、ちょうど枝のような付着部分があります。似た標本で、これがスファレライトだとされていましたが、定かではありません。この部分が、もっとしっかり残っていたら、ちょうど枝にフローライトの結晶が果物のようにくっついているような感じになったでしょう。そして、その「枝」に当たる部分の先っちょには、かわいらしいサイコロ結晶がおまけに一つ。フラクタルでシャープな立方体シェイプと、このかわいいおまけ結晶、そして、この深い紫色を前にしたら、よろめかないわけにはいかないではありませんか。
2006/05/14
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何度も言ってしまいますが、我が家ではカルサイトは少数派。ただ、水晶に比べて軟らかいというだけで、選ぶ機会がぐぐぐっと減っているのです。もしかしたら、水晶以上に色と形のバリエーションがあるカルサイトにまで手を出したらヤバい……という、無意識のなせる技かもしれませんが。そんな無意識ガード(?)をかいくぐってやってくるカルサイト達は、ある意味強者揃い。形か、色に特徴が……と、改めて見てみたら、どうやら水晶にはない鮮やかな色合いにやられているようです、私。アメリカはテネシー州、エルムウッドのカルサイトです。母岩はスファレライト(閃亜鉛鉱)。エルムウッドは、フローライトの産地としても知られていますが、こんなカルサイトも出ます。スファレライト(閃亜鉛鉱)が母岩になっている、産地不明のフローライトやカルサイトを見たら、まずは、エルムウッドを疑ってみても良いのでは……。さて、このカルサイトの形は「犬牙状(けんがじょう)」といいまして、いかにもカルサイトらしい結晶の形です。他にも釘頭状や柱状など、いろいろな結晶の形がありますが、この形が一番好きかもしれません。カルサイトは、きっちり結晶していてもなお軟らかいというか、みずみずしく優しい感じがする石が多いですが、犬牙状の結晶は、すっきりシャープな感じがします。そして写真の石の最大の魅力は、色。光に透ける金色……あるいは蜂蜜色。なんて豊かでおいしそうな色!光に透けて黄金に輝くシャープな結晶を見ていると、なぜか、この石がどこか虚空の一点を指し示しているイメージが浮かんでなりません。石の指し示す先には一体何が……。……カルサイト・コレクターの道へGO! だったら、どうしよう……。
2006/05/13
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ニューメキシコ州産のブルー・フローライトです。水晶には本来あり得ないはずの色が、内包物によって作り出される青水晶も好きですが、フローライトの青も好き。みずみずしい色合いのフローライトでは、青の美しさは一層映えます。そんなフローライトで青といえば、「フレンチ・ブルー」と異名を取るフランス産がまず頭に浮かびます。しかし、忘れちゃいけないのがニューメキシコの青。冴え冴えとした、氷の青を思わせるフランス産に対して、いくぶんやわらかな、「青空の青」とても言いたいような色合いです。そんな青い結晶が群れているさまは、泡立つ波のようでもあります。フローライトの発色は水晶とは違い、希土類元素によるもので、産地固有の色がない、つまり、緑であれば産地を問わず同じ色だと言うことなのですが、私にはそうは思えません。水晶と違って、「これはたぶんここ(産地)」と見分ける自信はありませんが、フランスの青と、ニューメキシコの青のニュアンスが違うように、フローライトも産地によって、同じ緑、紫でも感じが違うように思うのですが……。フランスの青にあこがれるあまりの、ひいき目でしょうか。
2006/03/19
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アメリカは、ニューメキシコ州産のピンク・カルセドニーです。名前はピンクでも、「ピンク色です」と言うには淡く白っぽい色合いで、強いて言えば「桜」のような色。桜といえば、ピンクですけれど、実物の桜(ソメイヨシノ)の花びらを一枚、手にとってみても、それは白ではないようだけれど、ピンクと言うには淡い、それなのにたくさん集まると、確かにピンク色に見える色合いです。ちょうど、このカルセドニーもそんな色。白くはないけれど、やわらかく層を重ねることでほんのり色味を感じます。こんなやさしい色合いなのに、紫外線で緑色に蛍光するのだそうですが、蛍光した姿は見たことがありません。写真の石は、カルセドニーらしく輪を描くように結晶したものを選んだので、まるで花びらを重ねた花のよう。私にとっては、むしろローズクォーツよりも「女性」を感じさせる石です。カルセドニーは、成分としては水晶と同じですが、ずっと温度が低い環境で結晶します。いろいろ調べていたら、200度以上では水晶(石英)が晶出するが、人肌程度の温度ではオパールになるのだという説明を見つけました。オパールは、カルセドニーよりも低い温度でできるもので、厳密に言うと結晶していない石です。このことから考えると、200度以下~人肌以上……高温水晶と低温水晶のように厳密な境界ではないでしょうから、およそ100度前後の範囲が、カルセドニーが結晶する温度ではないかと思われます。高温、高圧の中で精緻に結晶していく水晶(石英)とは違い、カルセドニーの形は、もっと自由で柔らかです。特に、このピンクカルセドニーの半透明な色合いは、石と言うよりも、生命組織のような雰囲気。アップにすると、ちょっと石には見えません。
2006/02/18
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本日は、バレンタイン・デー。おそらく一年で最もチョコレートが移動する日ではないかと思われます。かくいう我が家は、チョコレートだと私がおいしくないので、チョコではなくケーキ。これならば双方おいしく食べられます。そんなこんなのチョコレート・デーなので、今日はこんな石でいってみます。アメリカはオハイオ州産のフローライトです。フローライトにはオレンジ色以外の色があると言われていますが、茶色もあるんですねえ……。しかも、このフローライト、表面が何かで天然コーティングされているのか、反射の感じがなんだかちょっぴりメタリック。金色っぽく反射します。これは、この石だけが特殊なのではなくて、この産地に見られる特徴のようです。さらに、小さな水晶(カルサイトかも)が、ザラメのようにぱらぱら降りかかっています。一般的なフローライトと違って華やかさや透明感には乏しいものの、色合いとメタリックな質感があいまって、なかなかシック。ただし、色が濃くて、反射するとメタリック……というのは、写真に撮るには、なかなかの難物。ある部分はピカッと反射、残りの部分はまっ黒で、立体感どころか、何がなにやら……という写真がたくさん撮れました。なんとかフローライトであるとわかる写真が撮れたのがうれしくてもう一枚。
2006/02/14
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エンジェル・ブレッシング・クォーツです。チタンガスがインクルージョンされているために、ふわりと白く濁っているのだとか、いやいや白いのは、アラゴナイトのインクルージョンだとか、いろいろ言われています。以前ご紹介したのは、先端が剣山のようになっていましたが、今回のエンジェル・ブレッシングはノーマルなポイントです。白い濁りもほんのりで、インクルージョンのために白いのか、レムリアンシードみたいに一面おきに刻まれた、細くて密な成長線(バーコード)のためなのか、ちょっと見分けがつかないほど。しかし、言われてみればほんのり白くて、「天使」の名前にふさわしいかもと思える繊細さ。きれいな五角形の面も持っていて、この「イシス・フェイス」が、白い光に浮かび上がるようです。ところで、改めて確認してみたら、「エンジェル・ブレッシング」というネーミングは、某お店のオリジナルネーミングなのだそうです。お店の方のお話では、この石を掘った鉱山の方が、「チタンガス入り」とおっしゃっていたのだそうです。そして、「エンジェル・ブレッシング」も、私は、どこかに「Angel Blessing」だと書かれていたので、そうだと思っていたのですが、最近「Angel Breathing」という表記も見つけました。「天使の祝福」なのか、「天使の吐息」なのか。……今度、お店で確認してこなければ。
2006/01/26
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コロラド産のアマゾナイト付スモーキー・クォーツです。大きさは1.5センチほどと超ミニ。小さい石は、必然的にマクロ撮影になります。ところが、マクロ撮影では、倍率が上がればあがるほどピントが合う範囲が狭くなります。この石は、きれいに見える角度で撮ろうとすると、特にピンぼけ率が高く、おまけにスモーキー・クォーツとアマゾナイトという色の組み合わせのために、アマゾナイトに会わせると、スモーキーの色がきれいに出ず、スモーキー似合わせると、アマゾナイトの色が鮮やかすぎて色飛びを起こすという、困ったちゃんでした。折を見てチャレンジを繰り返していたところ、たまたまきれいに撮れたので、早速の登場です。ご覧の通り、小さなスモーキーがこれまた小さなアマゾナイトを背負っています。このスモーキーとアマゾナイトの組み合わせは、コロラド州の中央部あたりで産出するそうですが、この石のくわしい産地はわかりません。スモーキーの色合いは、平均よりも淡目です。そのおかげで、アマゾナイトの結晶がスモーキーに食い込んでいる様子が透けて見えます。ご存じ、アマゾナイトは長石の仲間。この鮮やかな青緑色は、わずかに混じる鉛による発色です。長石としては微斜長石(マイクロクリン)という仲間になります。ちょっと意外ですが、ムーンストーンでおなじみの正長石ととても近い長石で、化学組成、モース硬度,比重,屈折率等は全く同じ、ただ、結晶のしかたがわずかに異なっているだけです。そのせいか、アマゾナイトの中にはシラーが出るものもあります。写真のアマゾナイトはそのタイプではないようですが、色は鮮やかで、小さいだけに光に透けそうです。いつか、もっと色が濃いスモーキーとの組み合わせをねらってみたいですね。
2006/01/25
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ハーキマー・ダイヤモンド……ではなくて、カナダの水晶です。大きさは2センチ弱。部分的に刷毛ではいたようにスモーキーがかっていて、写真ではミネラルタックに隠れているあたりに内包物で黒く見える小さな小さな結晶がくっついています(右下画像)。エレスチャル……というほど、骸晶っぽくはありませんが、内部に隙間があり、泡こそ見られないものの、水が入っているのでは……と思われます。柱面が短いころんとした形は、ハーキマーぽいですが、照りは、やや劣るかもしれません。なぜ、この石が我が家にいるかというと、ひとつはカナダ産だからという理由が挙げられます。長らく我が家で唯一のカナダ産の水晶だったのです。そしてもうひとつは……このみごとな虹!ひとつの錐面全体に、鮮やかな虹がくっきりと出るのです!よく見ると、一つの水面の2ミリ下あたりにクラックがパシッと入っているらしく、ここにくっきりはっきり虹が出ています。小さい水晶だけに、錐面の一つが虹色に見えるとかなりインパクト大。さらによく見ると……先ほどクラックと書きましたが、どうやらこの水晶、ベースは淡い淡いスモーキーらしく、このクラックから上は透明な水晶になっているのです。つまり、この虹をはさんで水晶の色が微妙に異なっているようなのです。いったいどうやって色が変わってしまったのか、クラックが入っているために、色が変わって見えるのか、ルーペ片手に時々ひねくり回して見ています。
2006/01/23
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あらためて明けましておめでとうございます。旧年中は、たくさんの方にご訪問いただき、ありがとうございました。今年も、石だらけの当ブログをよろしくお願い申し上げます。昨日まで年末年始帰省しておりましたので、いただいた新年のコメントにお返事できず、失礼しました。すっかりタイミングがずれてしまったので、この場にてのご挨拶で代えさせていただきます。さて、戌年最初の雑記を飾りますは、新年top画像にも登場したこの石。ジプサム(石膏)です。ジプサムの中で透明な物をセレナイト(透石膏)、繊維が束になったような状態で、キャッツアイのようなシラーが見えるものを繊維石膏(Fibrous Gypsum/Satin Spar Gypsum)、細かい粒状の結晶が集まったものをアラバスター(雪花石膏)と言うそうです。「砂漠の薔薇」もジプサムからできています。(バーライト(重晶石のものもあります)。もっとなじみ深いところで言えば、学校の美術室にあった石膏像や授業でおなじみのチョークは、石膏を焼いて作った「焼石膏」が原料です。骨折の治療などで使われる「ギプス」も石膏ですが、「Gypsum」の綴りを見れば、納得できるのではないでしょうか。さて、写真のジプサムはカナダ産です。単にイエローと言うよりもほんのわずか灰色がかった、レモンイエローと表現したい色の結晶がボール状になっています。さらに、結晶の縁がわずかに白く縁取りされたようになっているのが、繊細な色合いと透明感にアクセントを加えていて、まるで花びらに縁取りを持つ薔薇のよう。この透明感ならば、セレナイトと言ってもいいかもしれません。私にとっては初・セレナイト(ジプサム)です。これまでこの石に縁がなかった最大の理由は、何と言ってもそのもろさ、柔らかさ。水に弱く(ゆめゆめ水で「浄化」などなされぬように。溶けます)、モース硬度は、泣く子も黙る硬度2。人間の爪と同じ程度か、ヘタをすると、爪で傷が付くほど軟らかいのです。直射日光に当たるところに置いておいたら曲がってしまったという話を聞いたほどなので、取り扱い要注意!この石の魅力である白い縁取りも、実は湿気に弱いこの石が、わずかにダメージを受けているためらしいのです。これ以上ダメージを受ければ、結晶の表面が白く濁り、つや消しになってしまう可能性があるので、大事に保管しなければ。石好きさんとしては、ジプサムよりもセレナイトとしてなじみ深いかもしれませんね。セレナイトは、ギリシャ語で月を意味する“Selenites”、もしくはギリシャ神話に登場する月の女神“Selene”にちなむと言われています。さらに面白いことに、この石は、セレスタイト(天青石)、エンジェライトなどとも関係があります。そもそもセレスタイトは、海水や塩湖の水が蒸発することによってできる、ストロンチウムを含む鉱物ですが、あの神秘的な青い色のもとでもあるストロンチウムが硫化カルシウムに置き換わり始めると、同じく神秘的でありながら不透明なエンジェライトになり、ストロンチウムと硫化カルシウムが完全に置き換わってしまうと、ジプサム(石膏)に、ジプサムから水分子がなくなるとアンハイドライト(硬石膏)へと変化するそうなのです。セレスタイトといい、エンジェライトといい、セレナイトといい、いずれも繊細な美しさそのままに、軟らかく傷つきやすいのには泣かされます。
2006/01/04
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エンジェル・ブレッシングと呼ばれるアメリカはアーカンソー州産の水晶があります。羽毛のような、あるいはあたかも天使が息を吹きかけたような、繊細な印象の白い濁りを持つ水晶で、普通の形状の結晶と、先端が無数の細い結晶に分かれて、まるで「剣山」のようになっている2つのタイプがあります。この白い濁りは、チタンガスであると言われていますが、ガスが内包されるというのは変だし、そもそもチタンがガスになるのかどうかわかりません。しかし、確かめる術もなく、他に資料もなかったので、「チタンガスなんだって」というところで「?」マークを残したまま、足踏みせざるを得ませんでした。ところが!このたび池袋のショーで新たな手がかりを得たので、ご紹介します。まずは、すでに登場しているのと同じ石ですが、写真を。写真は、後者の「剣山」タイプの結晶です。普通の形状のタイプでは、比較的白い濁りが淡めであるのに対し、剣山タイプでは、濁りが濃いめであること、他ではこのタイプの水晶をみかけないことから、「チタンガスが濃くなると、剣山のような結晶になるのだろう」……と、考えていました。熱水の中で成長する水晶に、ガスが濃いというのも変だとは思っていました。ところが。今回のショーで、まったく透明なのに、先端が剣山状になった水晶を発見。同じ産地の水晶が多かれ少なかれ同じ特徴を示していたことから、剣山状になったのは偶然ではなく、しかも、エンジェル・ブレッシングを見て想像したように「チタンガス」によるものではないことがわかります。今回見つけた水晶もアーカンソー産でしたが、エンジェル・ブレッシングの特徴である白い濁りはまったくありません。この「剣山」は何故……? と聞いてみると、水晶の先端が、何か軟らかい層に刺さる感じになって、このような形状になったのだろうということでした。実際に透明・剣山状の水晶を採掘されたのだそうですから、これは確かな情報です。この新たな情報に驚き、「エンジェル・ブレッシングと言われている水晶があって……」と説明し、写真の石の実物を実際見ていただいたところ、「この石なら知ってる」そして、教えていただいたのが、この白い濁りが「アラゴナイト」であるという、新しい情報です。「Gaseous Aragonite」は、アラゴナイトがガスになって入っているのではなく、アラゴナイトがガス状に内包されているという意味です。スミソニアン博物館の人に見てもらったのだということですから、かなり、信憑性が高いのではないでしょうか。チタンがガスになって入っているよりも、あり得そうです。まあ、アラゴナイトが、ガス状に見えるくらい細く細かくなるのかと考えると不思議ですが。それよりも、アラゴナイト説が正しいとしたら、どうしてチタンガス……なんて話になったのでしょう?綴りは全く似ていないんですけど。違う情報をお持ちの方がおられましたら、ぜひ教えて下さい!
2005/12/22
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石を選ぶとき、色と形と、どちらを重要視するか……というのは、石好きさんの間では、なかなか即答しがたい問いではないでしょうか。特に原石派石好きさんにとっては。私の場合はどうかといえば、紙一重の差で形でしょうか。……実際に石を目の前にしたら、悩みに悩むと思いますけれど。ところで、今日の話題の石は、こんなきれいな形を持っているとは思わなかったので、今まで色で選んでいた石……アズライトです。これまで、アズライトと言えばノジュール状の丸いものとか、透明度と色はピカイチでも、形にはあまり惹かれなかったモロッコ産くらいしか知りませんでした。(モロッコ産でも形の整った結晶はあります)。そんなときにこの石に出会ったのです。お店のオーナーご自身が採取されたというこのアズライトは、透明度こそモロッコ産に譲りますが、色は深く鮮やかです。短い柱状の結晶が集まったその形は、花……いや、青い龍が身を丸めているよう。自然が作り出す造形に感動です。アズライトの色は、(私の)デジカメが苦手とする色らしく、深いウルトラマリンのはずなのに、「え?」というようなネオンブルーになってしまったりします。これは、全体的に色が濃いために、全体的に明るく写るよう、カメラ自身が調節してしまい、そのために色合いが狂ってしまう……というようなことのようです。それを防ぐために、石の中で一番明るくなっているところでピントを合わせ、ピントをロックしたまま石が画面の真ん中に来るようカメラを動かしてシャッターを切る……なんてことをしています。ちょっとカメラにくわしい方なら、露出をプラスやマイナスに調整してきれいに写すことができるのでしょうが、私はカメラにくわしくありません……(笑)なんだか、わざわざ面倒なことをしてるみたい……と思いながら、調節しすぎないことで思いがけず写る色合いを楽しんでいます。この石も、結晶の一番先端がちょっと透けて美しく写りました。
2005/07/02
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昨日の特別企画はいかがでしたでしょうか。メテオラ、もとい、ミーティオ・クォーツそのものがあまりメジャーではないので、いったい何事!? ……と思われた方もおられたかもしれません。しかし、思い立ったら百年目、興味を持ったらどこまでも!……と、調べてしまう舞台裏といいますか、そんなことをやっちゃうヤツもいるのだよ、調べるのも面白い、わかってくるのも面白い……ということを感じていただけたらうれしいのですが。何か、感じることがありましたら、お気軽にカキコくださいね。さて、せっかく気合いを入れた特別企画を慣行したその翌日ですから、今日は話題のミーティオ・クォーツをもう一度、いつものようにご紹介します。昨日も申し上げたように、ミーティオ・クォーツは、アメリカ・コロラド州のユーレイ(オウレイ)郡の石灰岩地帯で産出する個性的なミルキー・クォーツです。「隕石クレーターの中から発見された」という伝説付きで紹介されていましたが、実際は隕石のクレーターではなく、「Meteor Pocket」と名付けられた鉱山……というか、晶洞で発見された水晶です。きっと、「Meteor Pocket」というのが誤って訳されたか、伝言ゲームのように尾びれ背びれがついて、「隕石クレーターの……」になっちゃったのではないかと思います。こうして、ちょっとミステリアスな隕石話は、「伝説」となってしまいましたが、それを抜きにしてもこのミルキー・クォーツが魅力的な石であることには変わりがありません。昨日の繰り返しになってしまうかもしれませんが、すばらしいのは、何と言ってもそのテクスチャ!これは、私がこの石に目を留め、「メテオラかも!」と直感した最大の理由でもあります。羽毛状、鱗のよう、白ゴジラ、くずきり……さまざまに言い表してみましたが、的確には言い表せていないようです。ルーマニア産水晶などのように、表面が羽毛状の結晶に覆われたミルキー・クォーツは、ミーティオ・クォーツ以外にも存在します。他のミルキー・クォーツとミーティオ・クォーツのテクスチャの違いは何か。見えているはずなのに見えないことです。昨日の写真では大きく写ってしまいましたが、今回私の元にやってきたミーティオ・クォーツは、写真のような「手のリサイズ」。DTで内部は透明なようです。まさに一枚セーターを着込んだように白い層が水晶を覆っているのです。この白い部分がメテオラらしさを作り出しているわけです。この部分は、小さな結晶の集合体です。ドゥルージーやカクタス・クォーツのようにちくちく突き立った状態ではなく、どちらかというとキャンドルクォーツが、本体により密着した感じです。そのはずです。なぜ、「そのはず」なのかというと、その詳細な構造が、なかなか見えないからです。20センチを超えるビッグ・メテオラのポイントを至近距離からまじまじと見たこともあるのですが、イマイチ見えない。今回カメラのズームの力を借りて見つめてみても、やっぱりよくわからない。光の反射で、小さな結晶がくっついていることはわかるのに、同じように「羽毛状の結晶に覆われたような」と表現されるミルキー・クォーツと比べると、格段に「見えない」のです。手ざわりは、なめらかなようでいて、ちょっとざらざら。白く濁った水晶の表層一面を透明な層が覆っているのか……とも考えましたが、そのあたりがやっぱり見えません。見えているのに、見えない変なヤツ。ちょっと生き物めいたこの石は、しばらく手の届くところに居座りそうです。
2005/06/14
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祭終わって日は明けて……狂乱の新宿ショーもすでに昨日。今日は写真を撮るぞ!……と思っていたのに、突然の用事でほとんど撮れずじまい。ますます台風が不穏な位置にやってくるし、明日は空とにらめっこの一日になりそうです。今日の石は、新宿ショーの戦利品ではなく、半年前の2004年12月の池袋ショーのものです。一年前の新宿ショー以来お世話になっているお店の方が「あなた、写真を撮るでしょ」と、ありがたくも下さったものです。さしわたし12mmくらいの小さな石ですが、石英の表面に赤いルチルが格子状に結晶しています。これは、マクロ魂をくすぐります!ところが、ものが格子状の結晶だけに、わずかなピンぼけでも目立つこと目立つこと。以前のハンディデジカメ+ルーペでは、モニター画面が小さすぎてピントの合い具合がわからず、ピンぼけ写真の山を築いていましたが、このたび芯デジカメ+マクロコンバージョンレンズで再トライ!がんばってみました!ルチルは、水晶の中で金色や銀色に輝いていたりしますが、和名の「金紅石」の名の通り、ぱっと見黒っぽい銀色(ガンメタル)であるものの、光に透かすと濃い赤なのです。なのに、なぜ、水晶の中のルチルは金色だったり銀色だったりするでしょうね。(水晶のインクルージョンでは、ルチルと言われていても実際は他の鉱物の場合もあります)さて、この石、ノースカロライナ産であることは聞いていたのですが、ラベルをもらいそこね、ブログに登場させることができずにいました。そこでこのたびショーの会場でお願いしてラベルを書いていただきました。なんと、お店のオーナーご夫妻が自ら採取されたものだそうです。今回と同じ写真をプリントアウトして差し上げたところ、とても喜んでいただきました。今回のショーでも、最大の収穫があったのはこのお店。池袋ショーでも駆けつけますとも!
2005/06/08
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昨日書いたとおりの理由でそわそわしております。しかも前日ですから!うん。明日は30分ほど早起き早起き。心ははや新宿ショーですけれど、ちゃんとやります、石雑記。今日のネタはこれ。オブシディアンです。オブシディアンといえば、たいていが鋭い断面を持つ塊状か、磨かれているかですが、アメリカのアリゾナ州やニューメキシコ州で見つかるオブシディアンは、天然の状態でこのように丸く、白い石灰岩の中に埋もれていて、アパッチの涙(アパッチ・ティアーズ)と呼ばれます。アパッチはご存じ、アメリカの先住民族であるネイティブ・アメリカンの部族の名前です。アメリカに移民し、自らの土地を得ようとする開拓者たちと父祖の地を守ろうとするネイティブ・アメリカンの間に闘いが起こり、開拓者たちの近代的武器の前に破れ、命を失ったものたちや、土地を追われた人々の涙がかたまったもの……という伝説があるのだそうです。アパッチ族は砂漠の“インディアン”で、アリゾナ州と東隣のニューメキシコ州、そしてメキシコ北部にかけての一帯に広く散らばって生活していました。西部劇のロケ地に好まれた場所にアリゾナのグランドキャニオンがありますが、ここはアパッチ族の住む砂漠地帯の一角にあたります。また、アパッチ族は勇猛果敢な一族で、温厚なプエプロインディアンや、南西部周辺に侵入してきたスペイン人やメキシコ人、アメリカ人の開拓者集落を襲って略奪を繰り返していたと言いますから、西部劇に登場する適役インディアンのモデルはほとんどがアパッチ族であり、場所と知名度が一致したネーミングであると言えます。(アメリカやメキシコを相手にゲリラ戦を行ったジェロニモは、チリカウア・アパッチ族の酋長でした)話を石に戻しましょう。この石は特大梅干しくらいの大きさがあるのでほぼ不透明に見えますが、ふつう梅干しサイズのものではうっすら光を透し、半透明であることがわかります。オブシディアンはいわば天然のガラス。溶岩(マグマ)が地表付近で急速に冷えて、ガラス質になったものです。水晶などとの一番大きな違いは、結晶していないこと。たとえば、ローズクォーツは塊の状態で産出しますが、結晶が発達しすぎて、成長していた隙間を埋めつくしてしまっただけで、実は結晶しています。瑪瑙も塊状ですが、目に見えないくらい小さな結晶が集まったものなので、これも一応結晶していると見なされます。逆に、水晶をいったんとかしてかためた練り水晶は、結晶していないので見かけとは逆に水晶よりもオブシディアンに近いのです。そんな、地球がつくったガラスであるオブシディアンの中でも、「アパッチの涙」はその形が個性的です。火山の爆発で空中に飛び散った溶岩が空中で固まった……という説明を見かけましたが、同じように熱された状態で空中に飛び散り、固まったとされているテクタイトとはちょっとようすがちがいます。まさに空中で固まった溶岩であるハワイ、キラウエアの「ペレの涙」はもっと小さいものです。そもそも、特大梅干しサイズのものが空中で固まって地表に落ちたら、割れてしまわないでしょうか。冷えたと言ってもまだ柔らかさをのこしていたので割れなかった……としても、形がつぶれてしまうでしょう。落ちたのが海や湿地だとしたら……温度差でひびが入らないでしょうか。見た目じみでも実は不思議。これはそんな石なのです。
2005/06/02
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あまりにも繊細で、取り扱い要注意な石には、イマイチ手が伸びづらいのですが、やってしまいました。あまりにかわいらしくて、美しくて、生き物めいて見えたので……。もしかしたら、どこで買ったかおわかりな方もいらっしゃるかもしれませんね。アメリカはユタ州産の水晶です。ちょっぴりピンクがかった母岩に、放射状に広がった水晶がくっついています。それぞれの結晶の長さは1センチもありません。太さときたら、平均で1ミリ弱。なんと、広がったポイントのそれぞれがセプターになっていて、特に細い部分は、乱暴にあつかったり、落としたりしようものなら間違いなくぽっきり折れます。撮影するときもうっかり落としてしまったりしないよう、どきどきひやひやしながら撮りました。乱暴にあつかっているつもりはないのですが、撮影するときには高さが欲しいので、積み上げた箱の上にのせたり、ミネラルタックでコ固定したりはずしたり、時にはカメラで接近しすぎてコツン、なんてこともあったりするので、撮影時は意外に危険なのです。そんな取り扱い厳重注意! な石ですが、まるで、石の上に咲いた花のような、あるいは、潮だまりの中で触手を開いたイソギンチャクか何かのような生き物めいた姿が何とも言えず魅力的です。鋭く輝く透明なポイントと、磨りガラス調の半透明のポイントが同居しているそのバランスも心憎いばかり。カワイイです。
2005/03/12
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またしても滑り込みセーフな雑記です。調べても出てこない~!となげいているのですが、他のネタがないのでそのまんまいっちゃいます。どこまでメジャーな名前かすらわからないのですが、エンジェル・ブレッシング・クォーツという名前で売られていました。別のところではシャトー・クォーツでした。透明な水晶で有名なアメリカ、アーカンソー産です。特に先端にかけてがミルキークォーツのように半透明ですが、これはチタンガスがインクルージョンとして入り込んでいるからだということです。エンジェル・ブレッシング・クォーツは、このように半透明なものだけでなく、ほぼ透明で、チタンガスのインクルージョンが風になびくようにふわりと白く入っているものもあります。ちょっと見には、普通の水晶の霧状のインクルージョンと間違ってしまいそうなのですが、二つを並べて見比べると「違うかも」という感じでしょうか。おそらく、「エンジェルブレッシング」というネーミングは、その繊細なインクルージョンから来ているのだと思うのですが、私にとってこの石の最大の魅力は形です。結晶の一部がまるで針のような、あるいは剣山のような無数のポイントを形成しているのがおわかりいただけるでしょうか?エンジェル・ブレッシングという名前のつけられた水晶では、端正なポイントの形をしたものもあります。どちらかというと、ちゃんとポイントになっているものの方が多く、一部に剣山状ポイントの石があると言った方が正しいかもしれません。全体が柔らかな白のクラスターは、石の重さを感じさせないような美しさです。端正なポイント型ではほぼ透明なものから半透明なものまでさまざまでですが、剣山状ポイントでは、剣山状になっているところはほぼ濃い半透明であることと、こんなへんてこりんな形状は、この「チタンガス入り水晶」(←こう書くとものすごく無骨でロマンがないですね……)以外では見たことがないので、チタンガスが何らかの形で作用して、こういう無数のポイントができたのだと思います。チタンガスの白いインクルージョンがふわりとはいっているものを「エンジェル・ブレッシング・クォーツ」、剣山のような無数のポイントを持つものを「シャトー・クォーツ」(シャトーは「城」「館」の意味)……と言うのかなあ……と思っているのですが、検索しても説明しているサイトが引っかかってこないのですから確認のしようがありません。アーカンソーのどのあたりなんだろう、とかガスのインクルージョンって聞いたことがないけれど、結晶するときに、どうやって中に入り込むんだろう? とか、ローズクォーツの発色原因のひとつにルチル(天然の酸化チタン)があるけれど、どこか関係してるんだろうか……とか、いろいろつっついてみたいところはあるのですが、今のところは謎のまま。たいてい、水晶のセールスネームは単なる記号として使ってしまうのですが、「エンジェル・ブレッシング」と言う名前は、微妙に良いと思います。「チタンガス入り水晶」では、この水晶の繊細な色と形を表すにはゴツすぎるし、シャトー・クォーツでは、剣山状ではない結晶には不適切なようにも思われます。「天使の祝福」……ちょっとやりすぎ? に感じるようでもあり、これ以外にぴったり来る名前がないような気もする、ちょっと気になる名前ではないでしょうか?以前から気になっていたのですが、なぜか大きめの石しかなく、二の足を踏んでいたのですが、このたび私好みの小さい石を発見。やっと手元にやってきたのでした。
2004/09/30
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祝日になると遅くなってしまう石雑記です。3日連続でエレスチャルをネタにしましたが、今日は「ボージーストーン」 です。ネタにするのは2回目なので、正しくはボージーストーンその後。ちょっとおもしろい話を聞くことができましたので、書き留めておきたいと思います。以前に取り上げたときは、ネット上で説明されていることをまとめてみたのですが、今回は石屋さんからお聞きした話です。そこでお聞きした新たな情報とは……ちょっと趣向を変えてQ&Aっぽくどうぞ。Q1 先カンブリア時代の生物の化石だとか?A1 生物の化石というより、マンガンノジュールみたいなもの。 マンガンノジュールが海底にころころしているような感じで 太古の海底にあった物が、地殻変動でその海底が陸上になり、 上に被さっていた地層が風化してなくなって出てきたので、 誰かが並べたような状態で発見される。 シャーマンストーンも成分は違うが同じようにできたらしい。 ※マンガンノジュール マンガン団塊とも呼ばれる。 マンガンや鉄などの酸化物と水酸化物の混合物で、 水深約4000mの海底に広く分布している。 ほとんどはジャガイモくらいの大きさだが、 大きい物はサッカーボールほどにもなる。 切断すると、同心円状に成長した痕が見られ、 中心部にはサメの歯や別の岩石のかけらが核となっている。 どのように成長したのかは、まだ謎に包まれているが、 数10万年から100万年程度の時間をかけて成長したと考えられている。 Q2 インディアンの聖地で発見されるとか。 しかし、ワイディゴ族というのが調べてもわからないのですが……。A2 決まった場所ではなく、いろいろな地域で(広範囲で?)出ると聞いている。 ワイディゴ族については知らないが、ホピやナバホなど、 いろいろな種族が瞑想などの儀式に用いていたのは確か。Q3 普通のボージーストーンを磨くとレインボーボージーになるとか?A3 ボージーストーンは、黒っぽい砂(粉)にまみれた状態で売られている。 そのままでは手が汚れてしまうし、見た目もよくないのでキレイにして売っている。 透明なラッカーでコーティングする業者もいる。 ボージーとボージーをこすり合わせたりして磨くと、 チャルコパイライトなどが入っていれば虹色が出る。Q4 現地(アメリカ)での人気は?A4 「ボージーストーン」は登録商標されているので、 ボージーストーンとしては売ることができない。 採取されるとき、地面に並んだような感じで見つかり、 しかも、ボージーの下の地面は、ボージーのために風化されずに残り、 ボージーがキノコのようにポコポコ生えて見えることがあるので、 「POP ROCK(ポップロック)」という名前で 売られている。一人の方から伺った話なので、ボージーストーンすべてにあてはまるとは言えませんが、現地のお話を聞くのは初めてなので、貴重な情報です。(ありがとうございました!)※補足 おそらく、一般にボージーストーンと呼ばれるこの石は、 一カ所ではなくあちこちで産出するものの、 厳密な意味では『ワイディゴ族の聖地』とされる場所から採取され、 カレン・ギルスビー女史によってペアリングと活性化(?)を 施された石のみが「ボージーストーン」であり、 それ以外が「ポップロック」と言うことになるのだと思います。 国内ではこの名前は聞きませんが、 なんだか楽しくなるネーミングですよね!今回お話をお聞きした石屋さんが神保町ブックフェスタでミネラルショップを出店されるそうです。くわしくはイベント情報コーナーへ。
2004/09/23
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さて、東京は今日も曇りそして雨。写真日よりではないですが、休日はそれどころではないので、まあよしとしましょう。実は昨日の「隕石&テクタイト」、お題にしようかどうしようか迷っていました。調べるのがしんどいとか、まとめられるかとかそういうのではなくて、その次、つまり今日に持ってきたい石がなんともまとめられそうにないものだったからです。SFが好き……で隕石&テクタイト、というのは、なんとなく気分がわかっていただけるのではないかと思うのですが、今日の石はいかがでしょうか。メテオラ・クォーツです。メテオラとは、ギリシア語で「空にあるもの」という意味だそうです。当然、メテオライトもそこから名付けられました。では、メテオラ・クォーツとは?ご存じない方も多いかと思います。これは、アメリカはコロラド産の水晶で、「隕石のクレーターの中から発見された水晶」なのだといわれています。あ、ここでちょっと注意していただきたいことがあります。写真のメテオラ・クォーツは、メテオラ・クォーツのスタンダードな形ではありません。そもそもさほどたくさん採掘されていないようなので、スタンダードというのはどうかと思いますが、とにかく「これぞメテオラ」と言えるのは(私が、個人的にそうだと思っているのは)ちょっとずんぐりした先細り型で、白く不透明で、表面が透明~半透明の羽毛状の結晶に覆われているもの」です。羽毛状の結晶というのは、上のようなかんじです。私の持っているこの石は、さしわたしが4センチほどのメテオラとしては超ミニサイズですが、店で見かけた大きいものでは高さが30~40センチのものもあります。(高くて、超ミニサイズでもなければ買えません)こんな雑記でエラそうに書いてはいますが、私の石にカンする知識は、穴だらけの付け焼き刃というのが正しいところです。この石を買った時には、「えっ、クレーターの中から? 宇宙っぽくてステキ~!」というのが正直な理由のひとつだったりします。ところが……この雑記を書き始め、水晶の成り立ちを調べてみて、さらに昨日隕石について調べてみて………疑問がいっぱいです。まず、最大の疑問は、「メテオラクォーツが発見されたクレーターってどこ?」世界のクレーターの一覧を見てみたのですが、コロラドのクレーターが……見つからない。アリゾナならあるんですが……。そして第2の疑問。墜落した隕石の大きさにもよりますが、クレー多の底部はある程度の深さまで岩盤が粉砕されているそうです。そんななかで大きな水晶が残りえるのか……ということ。水晶の成り立ちを考えれば、隕石衝突の熱によって水晶が誕生することはあり得ません。溶けた珪酸分は結晶を形成する前に冷え、非晶質のテクタイトか、インパクトガラスになってしまうでしょう。※インパクトガラスとは、クレーターの火口部分で見つかる天然ガラスだそうです。もし、水晶が形成されていた上に隕石が落ち、なおかつ砕けずに残っていて、しかもその水晶が、前述したように、羽毛のような結晶に覆われた独特の水晶だと言うのなら……ライトニング・クォーツもメじゃない、ものすごい確率の水晶ってことになるのですが……とまあ、こんな風に石にまつわるいろんなことを疑う……というか、改めてたどっていくと、謎の迷宮に迷い込みます。そんな中から新たに見えてくるものもあり、さらなる謎にはまることもあり。なんともわかりにくいことだらけのメテオラクォーツの謎ですが、これは、私の想像を宇宙へ導いてくれる種のようなもの。仮に隕石クレーターと関係がないにしても、なぜクレーターの底から発見されたと言われているのか、こんな表面をしているのか、そんな謎は残るのです。ちなみに、「金は星が作る」という言い伝えがあるのだそうです。中国の俗説では、流星が地に落ちたとき、その光が地に染みて金脈になると言われています。光のない地の中に、光り輝く石がある。その不思議の理由を、人は夜空に求めようとしたのでしょうか。追記:メテオラ水晶が「クレーターの底で発見された」という情報は間違いだそうです。正しくは、流れ星が落ちたように思われたので探しに行ったが、隕石は見つからなかった代わりに、変わった水晶を見つけたと言うことだそうです。
2004/09/05
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「選ぶ石が変わってきたね」……と言われます。それも、この1年くらいで。その1年を振り返ってみると、ちょうど石の写真を撮り始めたころにあたります。石を集めていたのはそれ以前からだったので、最初は集めた石を写真に撮り、その後は、次第に写真を撮ることを考えながら石を選ぶようになりました。そして最近では、かなり自分の望む光を得られるようになってきたので、さらに「これも撮れるかも」と、石選びが自由度を増したような……。……なるほど、写真の撮り方が変わってきているのだから、石の選び方も変わって当然かもしれません。私にとっての写真は、「石を見ること」ですから、石を見る目も変わってきているということです。(見る目がするどくなったかどうかは別として)そんな変化の最たるものが、今日の話題のボージーストーンです。「KUROさんが、ボージーを買うなんて意外」と言われたのですから、きっとあまり私らしくない石なのでしょう。実は、ボージーストーンを買ってから、いろいろと検索してみました。みなさんよくご存じかと思いますが、この石、一言で言えば「顔より心」の代表というか、見た目よりもヒーリングとかスピリチュアル系で人気の、「パワーのある石」なのですね。調べていて気になったのが、どこのサイトさんを見ても説明がほぼ同じであること。無断で引用するのも何ですから、箇条書きにまとめてみます。●アメリカ、カンザス州のインディアン(ネイティブ・アメリカン)(ワイディゴ族)の聖地で採取される。●ゴツゴツした男性石となめらかな女性石がある。●男性石のまわりに女性石がサークルを作るような状態で発見されることがある●カレン・ギルスビーという女性によって商標登録されている●彼女によって採取され、浄化・活性化・ペアリングされる (証明書が付いている)●水や塩分に弱い●カンブリア紀中期(およそ5億年前)の海洋生物の化石が 黄鉄鉱化したもので、微量のパラジウムを含む。……ということらしいです。「石のパワー(気、バイブレーション)」にはあこがれながらも、てんで鈍い私としては、「はあ……」と言うしかないわけで、いくら「ワイルドなのも美しい♪」と言っていたとしても、似つかわしくない石と言われてもしかたがありません。しかし、ひとつだけひっかかる項目があります。「カンブリア紀の海中生物」です。カンブリア紀というのがどういう時代かというと、「三葉虫」が現れた時代と言えばイメージできるでしょうか。年数で言えば、今から5億4500万年前から5億年前ごろの時代区分ということになります。恐竜よりももっともっと古い、まだ陸上に植物が現れるよりも以前の時代です。一般に、生き物は単純なものから複雑な物へと進化してきたということになっています。今までは、その進化の中でさまざまに姿や生き方が分かれ、種類が増えて現代に至る……と考えられてきましたが、今の考え方では、そうではないことがわかってきました。それは、進化は一定の速度で徐々に進んできたのではなく、ある時期、ありとあらゆる形の生き物が爆発的に現れ、その中から生き残ったものが現代の生き物の祖先となったという考えです。いろいろな生き物が爆発的に現れた時代……それがカンブリア紀なのです。その出来事は、「カンブリア紀の大爆発」と呼ばれ、そのときに現れた生き物は、ロッキー山脈のバージェス頁岩(けつがん)で見られる化石で知られています。その化石には、目が5つもあって、ゾウの鼻のような触手の先にハサミをそなえたオパビニアや、化石からでは上下左右すらわからないハルキゲニアなど、今の生き物からは想像もつかない、そして今の生き物には全くつながらない「へんてこりん生物」が、数多く発見されています。人間を専門用語で分類すれば、「動物界・脊索動物門・哺乳綱・霊長目・ヒト科・ヒト属・ヒト」となります。この「界」だの「門」だのというのが分類上の区切りになるわけですが、この「門」のレベルで異なった生き物たちが、ぞろぞろいた時代だったのです。もしかして、ボージーストーンも、そのようなへんてこりん生物の一種だったのでしょうか?カンブリア紀で大爆発した生命の変化は、その後、もっと小さなものになっていきます。言ってみればフルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジを繰り返して今に至っていると言ってもいいでしょう。生命40億年の歴史の中でたった1回の生命の「大爆発」。その時代の生き物に由来する石だと思うと、なんだか「ボージーストーンのパワー」もわかるような気がします。ボージーストーンは、身体的ゆがみを改善すると言われ、採取しているカレン・ギルスビーは、「人類の生命エネルギーの次元に貢献しているのです」と言っているそうですが、それよりも、「大爆発」と例えられるほどの生命の動きがあった時代の、生命があらん限りの力を振り絞って、「生」の可能性を模索した時代のパワーを秘めている……、そう考えることはできないでしょうか。※本来の日記。ここのところ、石談義が長すぎ……5000文字以内という限界に抵触し続けてます。今日など、写真も入れずに5000文字越えをやらかしてしまい、こっそりリライトしちゃいました。もっとコンパクトに書かねば。
2004/08/02
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私は、珍しい石、変わった石に弱い。稀少鉱物が好き! というのとはちょっと違って、珍しい色や形の水晶に弱いのである。(たとえば、先日のパキスタンの青水晶は、「青い」というだけで即ノックアウトされた)石屋に行くと、どうしてもそういう石を探してしまうので、変わった石を見かける機会も多くなる。そんななかで、私が目を点にした石がコレ。店の棚には、左のような状態で置いてあった。この角度で見る限りは形も普通なので、一度は素通りした。ふと振り返って裏側をのぞき込んだら……!写真の右側を見ればおわかりいただけると思うのだが、いちおう解説するならば、おそらくシード型と思われる煙水晶の上に、半透明の白い水晶が被さっている……のである。コレをファントムと言っていいのか、それともセプター水晶の変形なのか、もしかして貫入水晶に分類されちゃったりするのか。とにかく、こんな変な石にはお目にかかったことがない。途中で色変わりする水晶はままあるが、ここまで境目がはっきり、色がくっきり変わってしまうなんて、成長過程でどんな天変地異があったのだろう。境目のはっきり具合は、半透明の部分が、かぱっとはずれるんじゃないかと思うほどだ。(ちなみにお店のご主人曰く、着脱式だと値段が一ケタ違うそうだ)ちょっと話は変わってしまうけれど、私は石に名前を付けていない。言葉の上で石を区別するにも、良くも悪くも個性的な石ばかりなので、「金色のヒマラヤ」「カザフの黒」「パキスタンの青」と産地名をつけて呼ぶか、あるいは「ぺらぺらタビー」のように形を形容するか、それができなくてもWEBアルバムの写真の名前を利用して「○○○に使った石」と言えばたいてい事足りる。だが、中には「個性的すぎて」形容できない石も存在する。今日の石もその一つだ。我が家では、そういう石には「あだ名」が進呈される。この石の名前は……「二人羽織水晶」。煙水晶の上に被さる半透明の水晶の感じが二人羽織みたいだからだ。インパクトのあるルックスと名前は覚えてもらいやすいらしく、日頃お世話になっている石関係の掲示板でも半ば「公式名」になっている。この石の兄弟をお持ちの方がいらっしゃったら、ぜひご一報いただきたい。そして、こういう石を着脱式にする方法をご存じの方もぜひ!追記:二人羽織水晶のラベル発見。「Teller County Colorado USA」。アメリカ生まれでありました。
2004/07/03
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