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2006.01.18
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カテゴリ: 米外交史
▼エピローグ3


軍情報部は、そこにいるすべてのキューバ人が純粋な難民であるとは考えていなかった。スパイや過激派分子も混ざっていると疑っていたのだ。ロレンツは、パスポートを持っているキューバ人を探し出し、パスポートを回収したりもした。パスポートがなければ、キューバに簡単に戻ることもできなくなるからだ。

誰がドイツ語やロシア語、フランス語など外国語を話すかを調べるのも、ロレンツの仕事であった。それによって、東ドイツなど共産圏に行ったことがあるキューバ人や、アンゴラに派兵された疑いのあるキューバ人の目星をつけるのだった。軍情報部は、誰がスパイで、誰がテロリストになりそうかを注意深く、かつ入念に調べていた。そして、アメリカのためにスパイになってくれそうな人材も探していた。

こうした難民が発生した背景には、カストロが秩序の乱れを嫌い、法律や規則の適用を厳しくしたことがあった。キューバでは、反政府活動や公序良俗を乱す行為は厳しく取り締まられた。ちょっとした反政府的な落書きをした少年や、ゲイの人たちが、風紀を乱したということで刑務所送りとなった。

このためキューバの刑務所はどこも満杯となり、これ以上収容できない状態になった。そこで政治犯的な受刑者をキューバから追放したのだ。経済制裁による食糧難で、刑務所で大勢の受刑者を収容しておくわけにはいかないという事情もあった。

そうした難民は次から次へとアメリカに漂着し、マイアミからバスに乗せられて、ロレンツが働くキャンプに送られてきた。兵舎はすぐに満杯状態となり、収容者の間で軋轢を生み、緊張が高まっていった。

難民キャンプにおいても秩序を保つ努力が必要だった。難民たちは、早くアメリカ社会に出たいと思っていた。しかし軍当局は、彼らを自由に国内に放つことはできなかった。まず危険人物でないかどうか見極め、精査しなければならなかった。調査が終わっても、彼らに保証人が現われないかぎり、実質的に難民キャンプの塀の外へ出て行くことはできなかった。

難民たちの苦悩と悲劇は、保証人が見つかった後も続いた。すべての保証人が善意の人ではなかったからだ。保証人に引き取られていったキューバ人の中には、男も女も性の奴隷にされたり、不当に安い賃金で働かせられたり、都合よくメイドにさせられたりするなど、変態性欲と搾取のおもちゃにされた者も多くいた。まさに奴隷市場の様相を呈していた。

難民キャンプのスタッフは保証人をふるいにかける作業に追われたが、保証人について外に出て行くキューバ人たちのその後を、チェックする仕組みなど存在しなかった。






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最終更新日  2006.01.18 10:13:04
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Re:カストロが愛した女スパイ171(01/18)  
ほわいと さん
白山菊理姫さん こんにちは。

人間として生を受けましても、産まれた国やその時の社会情勢が影響して、歩む道は大きく左右されてしまうこともありますね。これを運命というのでしょうか。



(2006.01.19 00:13:46)

Re[1]:カストロが愛した女スパイ171(01/18)  
ほわいとさん


>人間として生を受けましても、産まれた国やその時の社会情勢が影響して、歩む道は大きく左右されてしまうこともありますね。これを運命というのでしょうか。

たまたま生まれた国がキューバであったり、たまたま寄港した国がキューバであったりしただけで、その人の人生は、その国のもつ大きなエネルギーの流れに巻き込まれますね。生き物がオーラを持つように、その生き物の集合体である国にも、固有のオーラができるようです。そのオーラから影響を受けるのが、運命ということでしょうか。染まらなければ、運命も変えられるということですね。 (2006.01.19 09:02:43)

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